JP5141008B2 - 化粧シートおよびそれを用いた化粧板 - Google Patents

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本発明は、壁面材や造作材、建具等の建装材や家具等の表面装飾に用いる突板からなる化粧シートおよびそれを基材に積層してなる化粧板に関するものである。
従来から、壁面材や造作材、建具等の建装材や家具等の表面装飾に、天然木材の無垢材よりも安価な材料として、合板、パーティクルボード、高密度繊維板(HDF)、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシウム板や石膏ボード等の無機質板等の基材の表面に木目模様等の化粧を施した化粧板が用いられ、中でも上記した各種基材の表面に天然の木材を薄くスライスした突板を設けた突板化粧板は、天然木材の無垢材と略同等の意匠性を有することから、天然木材の無垢材と比べて安価な高級化粧板として広く用いられている。
突板化粧板の構成としては、一般的に、合板、パーティクルボード、高密度繊維板(HDF)、中密度繊維板(MDF)等の繊維板、珪酸カルシウム板や石膏ボード等の無機質板等の基材の表面に接着剤を介して突板を接着し、必要に応じて突板表面に塗装を施したものであるが、突板化粧板は四季の温度変化や湿度の変化により干割れ(木目に沿って発生する細かい亀裂)が多発するし、干割れの程度がひどいと、衣類と突板化粧板と接触により、衣類が引っ掛かり破損するなどの問題があった。また、近年、突板の原料である銘木が入手困難な状況にあり、突板の厚さも0.1〜0.3mmと薄葉化する傾向にあり、これに伴って干割れの発生は増加する傾向にある。
この干割れを改良する方法として、基材と突板とを接着する接着剤を改良した提案がなされている(たとえば、特許文献1、2参照)。特許文献1に開示された技術は、エラストマー接着剤と非サイジング紙の組み合わせにより、干割れの低減を図るものであり、また、特許文献2に開示された技術は、ポリビニルアルコール水溶液とカルボキシル化変性合成ゴム・ラテックスとを必須の成分とする主剤と、でんぷん系増量剤と分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を必須の成分とする硬化剤とを混合し、粘度調整に必要な量の水を加えてなる組成物からなる接着剤を用いて基材と突板とを接着するものであり、これおにより干割れ等の防止を図るものである。
しかしながら、突板化粧板は、上記した問題のみならず、たとえば、檜のような白系の突板の場合に突板表面に汚れが付着した時などに、汚れを取り除くことが困難であるという問題や、突板が紫外線等の影響で時間経過とともに変色するために当初の白い色合いを維持することができずに、高級なイメージが損なわれるという問題がある。
特公昭58−56517号公報 特開昭59−202801号公報
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、突板の木肌やテリが損なわれることがなく、意匠として視覚的に奥行き感と凹凸感を併せ持ち、また、耐汚染性や耐摩耗性に優れた化粧シートおよび該化粧シートを用いた化粧板を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明の化粧シートは、透明ないしは半透明の無着色のプロピレン系シート層の片方の面にパターン状低艶印刷層を設けた後にさらに前記パターン状低艶印刷層を設けた前記プロピレン系シート層の片方の面上に全面に硬化型樹脂からなる透明性表面保護層を設け、前記プロピレン系シート層を前記透明性表面保護層が表出するように突板の一方の面に積層してなり、前記パターン状低艶印刷層にシリカ粒子が含まれ、前記シリカ粒子の平均粒径が前記パターン状低艶印刷層の厚さよりも大きいことを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の化粧シートにおいて、前記シリカ粒子の平均粒径が2.0μm以上4.0μm以下であることを特徴とするものである。また、請求項3記載の本発明は、請求項1または2に記載の化粧シートにおいて、前記硬化型樹脂が電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シートにおいて、前記突板の他方の面に裏打紙を積層してなることを特徴とするものである。
また、請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートにおいて、前記化粧シートを構成する各層の中で、少なくとも表出面を構成する前記透明性表面保護層あるいは前記プロピレン系シート層に少なくとも紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の本発明は、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートにおいて、前記透明性表面保護層側からエンボスが形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明の化粧板は、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートを接着剤層を介して化粧板用基材を貼着したことを特徴とするものである。
本発明の化粧シートおよびそれを用いた化粧板は、突板の持つ木肌やテリをそのままに活かし、天然木特有の自然な材質感を表現することができ、また、パターン状低艶印刷層を設けたことにより、さらに視覚的に奥行き感と凹凸感のある意匠効果を表現することができ、また同時に、耐汚染性や耐摩耗性に優れた効果を奏するものである。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる化粧シートの一実施例を図解的に示す層構成図であり、図中の1は化粧シート、2はプロピレン系シート層、3はプライマー層、4はパターン状低艶印刷層、5は表面保護層、6は接着剤層、7は突板をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる化粧シートの一実施例を図解的に示す層構成図であって、化粧シート1は一方の面全面にプライマー層3を設け、該プライマー層3面にパターン状低艶印刷層4を設けた後に前記一方の面全面に表面保護層を設けたプロピレン系シート層2を前記表面保護層5が表出するように突板7の一方に面とポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ウレタン系接着剤で形成した接着剤層7を介して積層したものである。このように構成することにより、プロピレン系シート層2を介して突板8とパターン状低艶印刷層4とが配意されることになり、奥行き感(深み)のある意匠効果を表現することができ、また、パターン状低艶印刷層4の部分が凹部として視覚的に認識され、凹凸感のある意匠効果を表現することができる。なお、本発明においては、パターン状低艶印刷層4は導管柄印刷層が適当である。
次に、前記化粧シート1を構成する諸材料について説明する。まず、前記プロピレン系シート層2について説明する。前記プロピレン系シート層2は、プロピレンの単独重合からなるホモポリプロピレン、あるいは、エチレン、ブテン等と共重合した二元ないし三元のランダム共重合体やブロック共重合体からなるプロピレン系シートを挙げることができ、このプロピレン系シート層2は突板8の木肌やテリを損なわないものであればよいのであって、透明ないしは半透明の無着色のシートが適当である。プロピレン系シートの厚さとしては概ね60〜120μmが適当であり、未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいものである。厚みが60μm未満の場合、プライマー層3や表面保護層5を形成する際の乾燥や電子線照射時の熱により熱皺が発生する虞があり、120μm超では費用対効果において顕著な効果が期待できない。また、プロピレン系シートは必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。また、プロピレン系シートは、適宜、酸化防止材、光安定剤、紫外線防止剤等の周知の添加剤を添加したものであってもよいものである。
次に、前記パターン状低艶印刷層4について説明する。前記パターン状低艶印刷層4は、この層を設けた領域がこれ以外の領域に比べて低艶となる領域(低艶領域)である。この機構については十分に解明するまでには至っていないが、前記パターン状低艶印刷層4とこの表面に設けられる硬化型樹脂からなる前記表面保護層5の未硬化物を塗布した際に、各材料の組合せや塗布条件の選択によって前記パターン状低艶印刷層4の樹脂成分と前記表面保護層5の未硬化物が一部溶出、分散、混合等の相互作用を発現することによるものと推測される。すなわち、前記パターン状低艶印刷層4のインキと前記表面保護層5を形成する硬化型樹脂の未硬化物におけるそれぞれの樹脂成分は、短時間には完全に相溶状態にならずに懸濁状態となって、前記パターン状低艶印刷層4上ないしその近辺に存在し、該懸濁状態となった部分が光を散乱して低艶領域をなすものと考えられる。この懸濁状態を有したまま架橋硬化して前記表面保護層5が形成されるために、前記表面保護層5中の前記パターン状低艶印刷層4上の領域が少なくとも低艶領域となり、目の錯覚により、その領域が凹部であるかのように認識されるものと推測される。また、前記パターン状低艶印刷層4を形成するインキと前記表面保護層5を形成する硬化型樹脂組成物の種類・塗布条件によっては、前記表面保護層5の最表面は、前記パターン状低艶印刷層4の形成に伴って隆起し、凸形状を形成する場合がある。前記表面保護層5の表面がこのように凸形状を有することによって、この部分でも光が散乱されるため、さらに視覚的な凹凸感が強調され好ましい。なお、前記凸形状の高さについては、本発明の効果を奏する範囲である高さであることが好ましく、通常2〜3μmの範囲である。
前記パターン状低艶印刷層4を形成するインキは前記表面保護層5を形成する硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との相互作用を起こす性質を有するものであり、硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との関連で適宜選定されるものである。具体的には、インキのビヒクルとしてはウレタン系樹脂、あるいは、ポリビニルアセタール系樹脂を50重量%以上含有しているものが好ましい。前記ウレタン系樹脂は、ポリオール成分として、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオール成分とイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等の脂肪族ないし脂環式イソシアネート等のイソシアネートとを反応させてなるウレタン樹脂(線状に架橋したもの、あるいは、網目状に架橋したもののいずれであってもよい)を挙げることができる。また、ポリビニルアセタール系樹脂は、ポリビニルアルコールとアルデヒド類との縮合(アセタール化)により得られる。ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルホルマール(ホルマール樹脂)、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、ポリビニルへキシラール等を挙げることができる。
また、必要に応じて、低艶領域の発現の程度、低艶領域とその周囲との艶差のコントラストを調整するため、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の艶調整樹脂を混合して用いてもよいものである。艶調整樹脂の混合割合はビヒクルの全量に対して10〜90重量%の範囲である。この範囲であると、低艶領域発現の十分な増強効果が得られるものである。また、前記パターン状低艶印刷層4を形成するインキは、無着色であっても、顔料等の着色剤を加えて着色したものであってもよいものであるが、顔料により着色することにより、凹部が一層明確になり、視覚的に凹凸感と深みとにおいて優れた意匠効果を奏する化粧シートとすることができる。
本発明は、前記パターン状低艶印刷層4上に前記表面保護層5が設けられ、前記パターン状低艶印刷層4を構成するインキと前記表面保護層5を構成する硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との相互作用によって、前記パターン状低艶印刷層4上の領域が少なくとも低艶領域となり、目の錯覚により、その領域が凹部であるかのように認識されるものである。前記パターン状低艶印刷層4の膜厚としては、印刷適性や硬化型樹脂組成物(硬化型樹脂の未硬化物)との相互作用を考慮すると、0.5μm以上5.0μm以下が適当である。
また、前記パターン状低艶印刷層4を形成するための印刷インキに微粒子として、体質顔料を配合することが好ましい。体質顔料を配合することにより、光の散乱を助長し、低艶効果を一層高めることができる。前記体質顔料としては特に限定されるものではないが、たとえば、シリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等から適宜選択される。これらの中で、吸油度、粒径、細孔容積等の材料設計の自由度が高く、意匠性、白さ、インキとしての塗布安定性に優れた材料であるシリカが好ましく、特に微粉末のシリカが好ましい。
シリカの平均粒径としては、前記パターン状低艶印刷層4の膜厚(μm)より大きいものであればよいのであって、概ね1.0μm以上であり、また、最大粒径としては、表面保護層5の膜厚(μm)との関係で決めるべきものであるが、表面保護層5の膜厚は化粧シートとして求められる諸物性(後加工適性や使用時適正)とコストを考慮すると、概ね10.0μm以下、好ましくは7.0μm以下であり、平均粒径の最適な範囲としては2.0μm以上4.0μm以下である。また、前記パターン状低艶印刷層4を形成するためのインキに添加する体質顔料の配合量は、体質顔料以外のインキ組成物100重量部に対して5〜15重量部が適当である。5重量部未満では、パターン状低艶印刷層4を形成する印刷インキ組成物に十分なチキソ性を付与することができないし、15重量部超では、低艶を付与する効果の低下が見られるので好ましくない。
次に、前記表面保護層5について説明する。この表面保護層5は化粧シート1(図1参照)に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性等の表面物性を付与するために設けられるものであり、この表面保護層5を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂を用いて形成するのが適当であるが、より好ましくは表面硬度が硬く、生産性に優れるなどから電離放射線硬化型樹脂である。
熱硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステル樹脂に添加される。上記熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、たとえば、上記した熱硬化型樹脂を溶液化し、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布法で塗布し、乾燥すると共に硬化させることにより形成することができる。表面保護層の塗布量としては、固形分で概ね1〜20g/m2が適当であり、特に、パターン状低艶印刷層の膜厚が0.5μm以上5.0μm以下であって、微粒子の平均粒径が1.0μm以上7.0μm以下である場合は、固形分で2〜10g/m2が適当である。
次に、電離放射線硬化型樹脂について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射線を照射することにより架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等がある。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。また、電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。用いる電子線としては、100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのものが使用される。電子線の照射量は、通常2〜15Mrad程度である。
電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。電離放射線硬化型樹脂の塗布法および塗布量は、熱硬化型樹脂と同じであり、説明は省略する。
また、前記表面保護層5に、より一層の耐擦傷性、耐摩耗性を付与する場合には、たとえば、無機物としてはα−アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の微粒子が挙げられる。粒子形状は、球形状、楕円形状、多面形状、鱗片形状等が挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。有機物としては架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。粒径は通常膜厚の3〜200%程度とする。これらの中でも球状のα−アルミナは、硬度が高く、耐摩耗性の向上に対する効果が大きいこと、また、球状の粒子を比較的得やすい点で特に好ましいものである。また、前記表面保護層5を形成する硬化型樹脂に対する微粒子の配合割合は、硬化型樹脂100重量部に対して1〜80重量部である。
次に、前記プライマー層3について説明する。前記プライマー層3は前記プロピレン系シート層2と前記パターン状低艶印刷層4または前記表面保護層5との接着強度を向上させる目的で設けるものである。前記プライマー層3に用いる樹脂としてはエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独ないし混合して塗料組成物、または、インキ組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。
しかしながら、前記プライマー層3は、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、(ii)イソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。すなわち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させて形成するものである。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。共役二重結合が残っているアクリル重合体を混合することにより、前記プライマー層と接する層、たとえば、前記表面保護層5の電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結合が反応するために電離放射線硬化型樹脂との間の接着性を向上させることができる。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層3において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層3に柔軟性を与え、前記プロピレン系シート層2との接着性に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層3において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層3を形成すればよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。なお、図1、図2の化粧シート1、1’においては、プライマー層3を設けた構成のものを示したが、これは、高レベルの要求に応える化粧シート仕様であり、要求レベルが低い場合にはこれらプライマー層3は必ず設けなければならないものでもない。
なお、プライマー層3の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、このプライマー層3は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
また、図示はしないが、図1に示す前記プロピレン系シート層2の裏面(前記表面保護層5を設けた面の反対面)にプライマー層を設けて、前記プロピレン系シート層2と突板7とを接着剤層6を介して積層して化粧シート1とする際の接着力が向上するように構成してもよいものである。前記プロピレン系シート層2の裏面に設ける前記プライマー層は、接着力が不足している場合に、必要に応じて適宜設ければよいものであって、このプライマー層についても、たとえば、上記したプライマー層3で説明した樹脂を適宜選択して用いればよいものである。
また、前記突板7としては、天然木をスライスして薄板としたものであれば特に限定するものではないが、本発明においては、パイン材、杉材、檜材、あるいは、淡色、白色系の天然木(原木)から得られる突板が適当である。前記突板7の厚さとしては、0.1〜0.5mmが適当である。
また、図示はしないが、前記突板7の裏面(前記プロピレン系シート層2を設けた面の反対面)に、干割れ等の防止、防水性の向上、あるいは、加工適性の向上を目的として、紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙、不織布、織布、あるいは、これらをポリエチレンやポリプロピレンを介して三層構成とした、たとえば、紙間強化紙/ポリエチレンまたはポリプロピレン/紙間強化紙、あるいは、薄葉紙/ポリエチレンまたはポリプロピレン/薄葉紙、あるいは、紙間強化紙/ポリエチレンまたはポリプロピレン/アルミニウム箔、薄葉紙/ポリエチレンまたはポリプロピレン/アルミニウム箔などの裏打紙を接着剤で積層した構成の突板を用いてもよいものであるし、また、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等の未延伸ないし延伸フィルムの一方の面に、アルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着を施した蒸着フィルム、あるいは、前記蒸着フィルムの少なくとも一方の面に、紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙、不織布、織布等を接着層を介して積層した裏打紙を接着剤で積層した構成の突板を用いてもよいものである。
また、本発明においては、前記突板7として、パイン材、杉材、檜材、あるいは、淡色、白色系の天然木(原木)から得られる突板を用いるために、紫外線等の影響で時間経過とともに変色するために、当初の白い色合いを維持して高級なイメージを損なうことがないようにする必要があり、前記表面保護層5、前記パターン状低艶印刷層4、前記プライマー層3、前記プロピレン系シート層2、接着剤層6等の前記突板7より表面側に位置する各層に、たとえば、ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系,トリアジン系等の周知の有機系紫外線吸収剤や平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン,酸化セリウム,酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤、あるいは、ヒンダードアミン系等の周知の光安定剤、あるいは、帯電防止剤、レべリング剤等の周知の添加剤を添加することが好適であるが、少なくとも化粧シート1の表出面を構成するプロピレン系シート層2あるいは表面保護層5には上記した有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線吸収剤等の周知の添加剤を添加することが好ましい。
また、図示はしないが、化粧シート1と化粧板用基材とを接着剤層を介して貼着して化粧板とするための前記接着剤層に用いる接着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂系、熱硬化型樹脂系、ゴム(エラストマー)系等のいずれのタイプの接着剤であってもよいものである。これらは、公知のもの、ないし、市販品を使用することができる。熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができ、熱硬化型樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等を挙げることができる。ゴム系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS、SIS、SEBS等)等を挙げることができる。
また、化粧板とするために用いる前記化粧板用基材(図示せず)としては、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、パーティクルボード、合板等の木質系基材、あるいは、セメント板、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード等の無機系基材、金属板などを挙げることができる。前記化粧板用基材の厚さとしては、金属板にあっては0.5mm厚さ以上、それ以外の場合にあっては1.0mm厚さ以上が実用上において適当である。
また、図示はしないが、前記突板7を接着剤層6を介して積層する前の表面保護層5/パターン状低艶印刷層4/プライマー層3/プロピレン系シート層2の積層シートの状態の時に、表面保護層5側からエンボス版で、たとえば、導管溝からなる凹陥模様を形成した積層シートを用いて、凹陥模様を有する化粧シートとしてもよいものである。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。なお、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
両面にコロナ放電処理を施した120μm厚さの透明ポリプロピレンフィルム〔三菱化学MKV(株)製:PC008(商品名)〕の一方の面全面にアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂からなる2μm厚さの透明プライマー層を、他方の面にウレタン/硝化綿系プライマー層をそれぞれグラビア印刷法で形成し、その後に、前記透明プライマー層面に、数平均分子量が10,000、ガラス転移温度(Tg)が−40.0℃のポリエステル系ウレタン樹脂をビヒクルとした透明印刷インキ100重量部に対し、平均粒子系4μmのシリカ粒子5重量部を配合した印刷インキ組成物を用いて、グラビア印刷法にて導管絵柄層(本願発明でいうところのパターン状低艶印刷層)を形成した後に、前記導管絵柄層を形成した面全面に電離放射線硬化型樹脂組成物(ウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂100重量部に対してシリコーンオイルで表面被覆したシリカ16重量部を配合すると共にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加したもの)を塗布すると共に電子線(加速電圧:125KeV、照射量:5Mrad)を照射して5μm厚さの透明性表面保護層を形成した中間シートを、予め一方の面に裏打紙(紙間強化紙23g/m2/PE25μm/紙間強化紙30g/m2)を貼着した0.3mm厚さの突板(檜材)の他方の面にエマルジョン型接着剤〔中央理化(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)に対してBA−11B(5重量部)を添加した接着剤をウエット状態で6g/尺2塗布〕を介して前記透明性表面保護層が表出するようにロールラミネーター機にて積層して本発明の化粧シートを作製した。次いで、前記化粧シートを3mm厚さのMDFに酢酸ビニル系接着剤をウエット状態で8g/尺2塗布・乾燥した後に、該塗布面に前記化粧シートの裏打紙が位置するようにロールラミネーター機で貼着した本発明の化粧板を作製した。
上記で作製した実施例1の化粧板について、耐汚染性、耐摩耗性、艶の評価を下記する評価方法で評価し、その結果を表1に纏めて示した。
Figure 0005141008
〔評価方法〕
・耐汚染性:
JAS合板汚染A試験に準じ、具体的には化粧板を切断して10cm角としたものを試験片とし、これを水平に置いた後、試験片の表面保護層面に一般市販品事務用青色インキ、黒色インキ(JIS S 6037マーキングペンに定めるもの)、および、赤色クレヨン(JIS S 6026に定めるもの)でそれぞれ幅10mmで10cm長さの直線を描き、4時間放置した後、エタノールを含浸した布で拭き、10cm長さの直線が拭き取れたものを良好として○印で示し、拭き取れないものを不良として×印で示して評価した。
・耐摩耗性:
29.4kPa(300g/cm2)の荷重となるように調整した重りに、スチールウール(#0000)を取り付けて、化粧シートの表面を20回擦り、表面変化を下記の評価基準で目視評価した。
(評価基準)−表面変化が全く認められないものを優良として○印で示し、表面変化が明らかに認められるものを不良として×印で示して評価した。
・艶の評価:
グロスメーター〔村上色彩技術研究所製:GMX−203(商品名)〕を用い、入射角60度の条件で、低艶領域(導管絵柄層の領域)と高艶領域(導管絵柄層以外の領域)におけるグロス値を測定した。数字が高いほど高艶(高光沢)であることを示し、数字が低いほど低艶(低光沢)であることを示す。
表1からも明らかなように、本発明の化粧シートおよびそれを用いた化粧板は、突板化粧板と同様に、突板特有の木肌やテリをそのままに活かして天然木特有の自然な材質感を表現することができ、さらに、導管絵柄層が突板と透明ポリプロピレンフィルムを介して配置された構成とすることにより、突板化粧板では表現することができない、視覚的に奥行き感(深み)のある意匠効果を表現することができると共に、さらにまた、導管絵柄層を設けた構成とすることにより、この領域(導管絵柄層の領域)を低艶領域として凹部として認識でき、これ以外の領域(導管絵柄層以外の領域)を高艶領域として凸部として認識でき、視覚的に凹凸感のある意匠効果を表現することができるなど、新たな意匠効果を奏するものである。
本発明にかかる化粧シートの一実施例を図解的に示す層構成図である。
符号の説明
1 化粧シート
2 プロピレン系シート層
3 プライマー層
4 パターン状低艶印刷層
5 表面保護層
6 接着剤層
7 突板

Claims (7)

  1. 透明ないしは半透明の無着色のプロピレン系シート層の片方の面にパターン状低艶印刷層を設けた後にさらに前記パターン状低艶印刷層を設けた前記プロピレン系シート層の片方の面上に全面に硬化型樹脂からなる透明性表面保護層を設け、前記プロピレン系シート層を前記透明性表面保護層が表出するように突板の一方の面に積層してなり、前記パターン状低艶印刷層にシリカ粒子が含まれ、前記シリカ粒子の平均粒径が前記パターン状低艶印刷層の厚さよりも大きいことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記シリカ粒子の平均粒径が2.0μm以上4.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  3. 前記硬化型樹脂が電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シート。
  4. 前記突板の他方の面に裏打紙を積層してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記化粧シートを構成する各層の中で、少なくとも表出面を構成する前記透明性表面保護層あるいは前記プロピレン系シート層に少なくとも紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記透明性表面保護層側からエンボスが形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートを接着剤層を介して化粧板用基材を貼着したことを特徴とする化粧板
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