JP6561614B2 - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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本発明は、化粧シート及び化粧板に関する。本発明は、特に、床用の化粧シート及び化粧板に好適な技術である。
古来住宅は、木材や石材など地域の特性による材料を用い、また固有の文化に根ざした様式が人々の住まいであったが、住宅産業の発展とともに工業化が進み、天然素材から人工素材への転換が行われてきた。また近年では、高級な木材や石材を多用することが、森林破壊や環境問題に繋がる恐れがあることも、天然素材の代わりに樹脂製の化粧シートの需要が拡大する一要因となっている。
化粧シートの表面保護層には、密着性や耐傷付き性などの点から熱硬化型樹脂および電離放射線硬化型樹脂が含有され、更に意匠性を付与する目的で表面保護層の表面に凹凸が形成される場合がある(特許文献1を参照)。
ここで、化粧シートの意匠としては、一般に低光沢なほど高級感があり好ましいとされている。光沢を下げる一般的な方法として、艶消し剤を表面保護層に含有させたり表面に凹凸形状を設けたりする方法がある。
特許第5045180号公報
しかし、艶消し剤を含有させる表面保護層の膜厚が厚いほど艶消し剤が表面に位置し難くなり、より多くの艶消し剤を含有させなければならない。
一方、意匠性を持たせるために表面保護層に艶消し剤を添加した場合、艶消し剤と表面保護層の主成分との屈折率の違いによって、これらの界面で光散乱することから内部ヘイズが高くなり、表面保護層の下層に位置する絵柄模様層がすっきりと見えずに意匠感が低下する傾向になる。
本発明は、上記のような点に着目したもので、耐傷付き性を向上させつつ、意匠感のある低光沢値と透明感のある低ヘイズ値とをより両立可能な化粧シートを提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様の化粧シートは、熱可塑性樹脂からなる基材層の上に、絵柄模様層、透明接着層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層をこの順に形成し、
上記表面保護層は、上記基材層側の第1表面保護層と、上記第1表面保護層の上に積層した第2表面保護層とからなり、且つ上記第1表面保護層及び第2表面保護層の合計である総厚さが16μm以上50μm以下であり、
上記第1表面保護層は、熱硬化型樹脂を含むと共に艶消し剤が添加され且つ厚さが10μm以上45μm以下の層であり、
上記第2表面保護層は、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方の硬化型樹脂を含み、
更に、上記第2表面保護層は、艶消し剤が添加されていない、若しくは単位体積当たりの艶消し剤の添加量が、上記第1表面保護層における単位体積当たりの艶消し剤の添加量の半分以下であることを特徴とする。
ここで、第1表面保護層への艶消し剤の添加量は、例えば第1表面保護層を構成する樹脂100質量部に対し5質量部以上40質量部以下の範囲から適宜選択する。
本発明の態様によれば、所定以上の耐傷付き性を持たせつつ、意匠感のある低光沢値と透明感のある低ヘイズ値とをより両立可能な化粧シートを提供することが可能となる。
特に、第2表面保護層が、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含み、電離放射硬化型樹脂が質量比で全硬化型樹脂の50%以上であるようにした場合には、耐傷付き性を大幅に向上させつつも、意匠感のある低光沢値と透明感のある低ヘイズ値とをより両立可能な化粧シートを提供することが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る化粧シートを基材に貼り付けた化粧板を示す模式的断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の化粧シート1は、図1に示すように、着色熱可塑性樹脂からなる基材層2の上に、絵柄模様層3、透明接着層4、透明熱可塑性樹脂層5、及び表面保護層6をこの順に積層された状態に形成され、表面保護層6が機能的に第1表面保護層6aと第2表面保護層6bの2層に区画される。
[化粧板9]
また化粧板9は、図1に示すように、上記化粧シート11を基材7に貼り合わせることで構成される。
[基材7]
基材7としては、南洋材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(以後MDF)、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。基材7の厚さは3〜25mm程度が好適である。基材は、アルミなどの金属板、金属製の複合版であっても良い。
[基材層2]
基材層2は、熱可塑性樹脂からなるシート状の層である。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、既知の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル(代表的には1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G)等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等が挙げられる。そして、基材層2は、このような熱可塑性樹脂を1種、又はこれらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用して形成することができる。基材層2に難燃剤や紫外線吸収剤等を混入して、難燃性または防褪色性を保持させることもできる。
特に、溶融押し出し装置での生産性、環境適合性、機械強度、耐久性、価格等を考慮すれば、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。これにより、廃棄時に燃焼させてもダイオキシンが発生しない。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂がある。
熱可塑性樹脂は、有機顔料及び無機顔料の少なくともいずれかを混合して着色されている着色ポリプロピレンであることが好ましい。
基材層2を着色することで、化粧シート1を貼り合せる基材の表面を隠蔽し、また絵柄模様層32の下地色として色相を適宜、選択することができる。即ち、化粧シート1には一般に、貼り付けられる基材7の表面の色彩や欠陥に対する隠蔽性が必要とされる場合が多い。
目的の化粧シート1に十分な隠蔽性を持たせるために、基材層2を構成する熱可塑性樹脂に隠蔽性顔料を添加することにより、基材層2を隠蔽性とすることができる。また、基材層2を隠蔽性とする代わりに、基材層2の表面又は裏面に、隠蔽性顔料を含有する印刷インキ組成物又は塗料による隠蔽層を設けても良いし、両者を併用することも勿論可能である。また逆に、基材層2を透明又は半透明の材質から構成し、隠蔽性の層を設けないことにより、貼り付けられる基材7の表面の色調や質感を活かすことができる透明又は半透明の化粧シート1とすることも、勿論可能である。
着色剤としては有機顔料、無機顔料(酸化チタンを含む)が使用できる。また紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシラート系、シアノアクリレート系、ホルムアミジン系オキザニリド系及びヒンダードアミン系が使用できるが、特にベンゾトリアゾール系、オキザニリド系やヒンダードアミン系及びこれらの混合物が紫外線吸収性に優れ、またオレフィン樹脂などとの相溶性にも優れるため好ましく使用できる。難燃剤としては、無機系(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等)、リン系(有機系:リン酸エステル、リン酸アンモニウム等、無機系:赤リン系)、反応型(ビニル付加重合させるビニル化合物、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基などの官能基を有し、高分子の一部原料:共重合モノマー:として使用されるもの)などが使用できるが、樹脂への相溶性、難燃効果及び環境面の安全性等の点において優れる水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく使用できる。
ここで、基材層2がポリプロピレン樹脂から構成される場合には、その有機固形分質量が44g/m以上67g/m以下であることが好ましい。この範囲にすることで、基材層2としてポリプロピレン樹脂を使用しても確実に不燃性を確保することが出来る。また、この場合、基材層2の厚さは50μ以上75μm以下が好ましい。
基材層2の厚さは、加工性及び不燃性等の観点から、30μm以上70μm以下が好ましい。不燃性の観点からは、50μm以上70μ以下がより好ましい。
[絵柄模様層3]
絵柄模様層3は既知の印刷手法を用いて行うことができ、基材層2が巻取りの状態で用意できる場合には、ロールツーロールの印刷装置で印刷を行うことができる。印刷手法は特に限定するものではないが、生産性や絵柄の品位を考慮すればたとえばグラビア印刷法を用いることができる。
絵柄模様は、化粧材としての意匠性を考慮して任意の絵柄模様を採用すればよく、木質系の絵柄であれば各種木目が好んで用いられることが多く、木目以外にもコルクを絵柄模様とすることもできる。たとえば大理石などの石材の床や建具をイメージしたものであれば大理石の石目などの絵柄模様として用いられることもある。また天然材料の絵柄模様以外にそれらをモチーフとした人工的絵柄模様や幾何学模様などの人工的絵柄模様も用いることができる。
印刷インキについては、特に限定するものではないが、印刷方式に対応したインキを適宜選ぶことができる。とくに基材層2に対する密着性や印刷適性また化粧材としての耐候性を考慮して選択することが好ましい。
また必要な場合には、絵柄模様層3と透明接着層4および透明熱可塑性樹脂層5との接着性向上を目的として、絵柄模様層3の上に第2の接着層を設けても良い。第2の接着層に用いる樹脂は特に限定するものではないが、たとえば2液硬化型ウレタン樹脂などを用いることができ、たとえばコーティング装置やグラビア印刷装置などを用いて設けることができる。
[透明接着層4]
透明接着層4は基材層2および絵柄模様層3と透明熱可塑性樹脂層5の接着を強固にする目的で設けられる。この接着が強固であることによって、化粧シート1に対し曲面や直角面に追随する曲げ加工性を付与することができる。
[透明熱可塑性樹脂層5]
透明熱可塑性樹脂層5は、たとえば塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、またポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂あるいはポリエチレン樹脂、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂などを用いることができる。なかでも環境適合性や加工性、価格の点でポリオレフィン系樹脂を好ましく用いることができる。
透明熱可塑性樹脂層5を構成する樹脂のグレードや組成は、そのほかにシーティングの容易さや印刷適性、曲げ加工に対する適性を考慮して選択することができる。特に曲げ加工性においては曲げ部の白化や割れが発生しないことを考慮して選択することが重要である。
透明接着層4と透明熱可塑性樹脂層5の形成は、たとえば共押し出しで両者を同時に押し出して形成することができる。
透明熱可塑性樹脂層5によって、化粧シート1は意匠的に厚さや深みが出る効果を有するほか、化粧シート1の耐候性、耐磨耗性能を向上させることができる。
[表面保護層6]
透明熱可塑性樹脂層5の上には表面保護層6を設ける。表面保護層6は単層でも良く、また複数の層を重ねて設けるのでも良い。図1で示した部分断面図では、表面保護層6として、第1表面保護層6aおよび第2表面保護層6bの2層が設けられる場合を例示している。すなわち、表面保護層6は、基材層2側の第1表面保護層6aと、第1表面保護層6aの上に積層する第2表面保護層6bとに機能的に区画されている。第1表面保護層6aと第2表面保護層6bとは、それぞれ複数の層から構成されても構わない。
表面保護層6の総厚さは16μm以上50μm以下の範囲であって、下層側の第1表面保護層6aの厚さが10μm以上45μm以下となっている。本実施形態では、第2表面保護層6bの厚さは、第1表面保護層6aの厚さより薄くなっている。
[第1表面保護層6a]
第1表面保護層6aは、硬化型樹脂として熱硬化型樹脂を含む。第1表面保護層6aは、樹脂成分として実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。実質的とは例えば質量比と80%以上を指す。第1表面保護層6aは、例えば、熱硬化型樹脂と2液硬化型ウレタン系樹脂とから構成される。
[艶消し剤]
第1表面保護層6aを構成する樹脂には、艶消し剤が添加されている。耐候剤や耐擦傷剤等の各種添加剤も併せて添加することも可能である。
表面保護層6の光沢調整に用いる艶消し剤としては例えばシリカ、樹脂ビーズ、ガラスビーズが挙げられ、中でもシリカが好適である。また、前述の硬化型樹脂とシリカとの質量固形分比は最終用途の化粧シート1としての要求光沢値によるので限定的でないが、硬化型樹脂(第1表面保護層6aを構成する樹脂)100部に対し、シリカは5質量部以上40質量部以下であり、好ましくは6質量部以上25質量部以下、より好ましくは8質量部以上16質量部以下を含有する。
一般に化粧シート1の光沢値は低い方が高意匠のものとして好まれており、数値範囲に厳密な限定は無いが、おおよそ10以下のものが高意匠とされる場合が多い。
また表面保護層6のヘイズ値が高い場合、絵柄模様層3を視認することが困難となる。したがって表面保護層6のヘイズ値は60%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。ここで、ヘイズ値とは、被測定物質に可視光を照射した時の全光透過率に対する拡散透過率の割合を示す。なお、この値が低いほど透明性を示す。本発明では、ヘイズ値は、JIS K 7105に準拠して測定したものである。
ここで、樹脂ビーズからなる艶消し剤としては、アクリル系、スチレン系、ウレタン系、シリコーン系等が例示できる。この場合、表面保護層6のマトリックス樹脂と同じ系の樹脂からなる艶消し剤を使用することが、マトリックス樹脂との親和性や分散性、屈折率が近似し透明性を阻害しないこと等から好ましい。
例えば、透明保護層のマトリックス樹脂がアクリル系樹脂の場合には、艶消し剤として、例えばアクリル系架橋粒子を使用する。
アクリル系架橋粒子は、特開昭56−36535号公報等に記載されている様な、分子中に1個の重合性二重結合を有する非架橋性単量体と、分子中に2個以上の重合性二重結合を有する架橋性単量体との混合物を懸濁重合することによって得られる、平均粒径35〜500μm、好ましくは40〜200μm程度の架橋高分子からなる粒子である。
[第2表面保護層6b]
また、第2表面保護層6bは、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方の硬化型樹脂を含む。第2表面保護層6bは、樹脂成分として実質的に硬化型樹脂から構成されることが好ましい。特に第2表面保護層6bに含有する硬化型樹脂として、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含み、質量比で、硬化型樹脂の半分以上が電離放射線硬化型樹脂であることが好ましい。
上層側の第2表面保護層6bには、艶消し剤を含有しない。第2表面保護層6bに艶消し剤を添加しても良いが、単位体積当たりの艶消し剤の含有量が、第1表面保護層6aにおける単位体積当たりの艶消し剤の含有量の半分以下に抑える。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
表面保護層6には、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
表面保護層6の表面に、凹凸が形成されていてもよい。通常はエンボス加工によって凹凸模様を形成する。エンボス加工方法は特に限定されない。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本実施形態にあっては、硬化型樹脂を含む表面保護層6の総厚さを所定以上とすることで、耐傷付き性を付与する。一方、表面保護層6の総厚さを厚くするほど、低光沢とするためには多量の艶消し剤を添加する必要があるが、本発明では、主として第1表面保護層6aに艶消し剤を添加することで、艶消し剤の添加を抑えて、ヘイズが所定値以上高くなることを抑えつつ、所定以上の層厚を稼ぐことが可能となる。この観点から、第2表面保護層6bには、艶消し剤を添加しないか、添加しても少ないことが好ましい。
これによって、本発明の態様によれば、耐傷付き性を向上させつつ、艶消し剤の添加による低光沢によって高級感を付与すると共に、ヘイズが高くなることを抑えて、表面保護層6の下層に位置する絵柄模様層3が見えないことによる意匠感の低下を抑制できる。
ここで、表面保護層6が機能的に第1表面保護層6aと第2表面保護層6bとに区画されるが、第1表面保護層6aと第2表面保護層6bの少なくとも一方に熱硬化型樹脂を含有することで、密着低下を抑えることが出来る。
特に、第2表面保護層6bが熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含み、電離放射硬化型樹脂が質量比で全硬化型樹脂の50%以上とした場合には、より耐傷付き性を向上させることが出来る。
更に、総厚さを厚くしても、第2表面保護層6bが熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含むことで、低光沢化及びヘイズ抑制効果も向上することを見出した(実施例9と実施例4とを参照のこと)。すなわち、第2表面保護層6bが熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含むことで、総厚さを厚くして耐傷付き性を向上させつつ、低光沢化及びヘイズ抑制効果も向上させることが可能となる。
次に、本発明に基づく実施例について説明する。
[実施例1]
基材層2としてポリプロピレンフィルム(リケンテクノス(株)製「OW」)を使用し、その片面に絵柄模様層3としてグラビアインキ(東洋インキ製造(株)製「ラミスター」)で木目印刷をグラビア印刷機により印刷して設けた。その後、基材層2の絵柄模様層3とは逆の面にシリカ粉末を含有する2液ウレタン系プライマー樹脂を乾燥後の厚さが1μmとなるようにグラビア塗工した。
次に、絵柄模様層3上に、ポリエステルポリオールを主剤としイソホロンジイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン樹脂系接着剤を、乾燥後の塗布量が2g/mになるように塗工した。
その後、透明接着層4(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂)10μmと、ホモポリプロピレン(プライムポリマー(株)製)を主成分とした透明熱可塑性樹脂層580μmとを、透明接着層4が絵柄模様層3側になるように共押出ラミネートした。
次に、透明熱可塑性樹脂層5の上に、第1表面保護層6aとして、熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)をイソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)および艶消しシリカ(エボニックジャパン(株)製)5質量部)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約10μmになるよう塗工して塗膜形成し、その後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させた。
さらに、第1表面保護層6aの上に、第2表面保護層6bとして、熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)とイソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)とを混合した塗液を、乾燥後の厚さ約6μmになるよう塗工して塗膜形成し、その後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させた。
このとき、表面保護層6の表面から測定した光沢値が10になるよう混合量を調整した。
これによって、実施例1の化粧シート1を得た。
[実施例2]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約20μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で実施例2の化粧シート1を作製した。
[実施例3]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約30μmになるよう塗工した以外は実施例1と同様の手順で実施例3の化粧シート1を作製した。
[実施例4]
実施例1に記載の手順中、第1表面保護層6aの形成手順を下記の通り変更して作製した化粧シート1。すなわち、第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約40μmになるよう塗工した以外は実施例1と同様の手順で実施例4の化粧シート1を作製した。
[実施例5]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約20μmに、第2表面保護層6bの乾燥後の厚さを約3μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で実施例5の化粧シート1を作製した。
[実施例6]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約30μmに、第2表面保護層6bの乾燥後の厚さを約3μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で実施例6の化粧シート1を作製した。
[実施例7]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約40μmに、第2表面保護層6bの乾燥後の厚さを約3μmになるよう塗工した以外は実施例1と同様の手順で実施例7の化粧シート1を作製した。
[実施例8]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約20μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比1:1になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例8の化粧シート1を作製した。
[実施例9]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約40μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比1:1になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例9の化粧シート1を作製した。
[実施例10]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約20μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比7:3になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例10の化粧シート1を作製した。
[実施例11]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約40μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比7:3になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例11の化粧シート1を作製した。
[実施例12]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約20μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例12の化粧シート1を作製した。
[実施例13]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約40μmとした。
また、第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例12の化粧シート1を作製した。
[実施例14]
第1表面保護層6aを、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比7:3になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)および艶消しシリカ(エボニックジャパン(株)製)5質量部)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約20μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させることで形成した。
更に、この第1表面保護層6aの上に、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で実施例14の化粧シート1を作製した。
[比較例1]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約6μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で比較例1の化粧シート1を作製した。
[比較例2]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約50μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で比較例2の化粧シート1を作製した。
[比較例3]
第2表面保護層6bの乾燥後の厚さを約3μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で比較例3の化粧シート1を作製した。
[比較例4]
第1表面保護層6aの乾燥後の厚さを約50μmに、第2表面保護層6bの乾燥後の厚さを約3μmになるよう塗工した以外は、実施例1と同様の手順で比較例4の化粧シート1を作製した。
[比較例5]
第1表面保護層6aの艶消しシリカを含有させずに乾燥後の厚さを約20μmとした。
第2表面保護層6bの形成手順において、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および熱硬化型アクリルウレタン樹脂(DICグラフィックス(株)製)を質量比7:3になるよう混合し、イソシアネート系硬化剤(DICグラフィックス(株)製)と混合した塗液を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で比較例5の化粧シート1を作製した。
[比較例6]
第1表面保護層6aを、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)および艶消しシリカを混合した塗液を乾燥後の厚さ約20μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させることで形成した。
さらにこの第1表面保護層6aの上に、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(DICグラフィックス(株)製)を乾燥後の厚さ約6μmで塗工して塗膜形成しその後温度60℃で30秒間溶剤乾燥させ、さらにそこへ紫外線(高圧水銀灯、約200mJ/cm)を照射して第2表面保護層6bを形成した。
それ以外は実施例1と同様の手順で比較例6の化粧シート1を作製した。
<評価用化粧板9の作成>
上記実施例1〜実施例14、比較例1〜6で作製した各化粧シート1を、厚さ3mmのMDF(広葉樹)からなる基材の表面に貼り合わせて、それぞれを化粧材とした。
ここで、接着剤として、2液水性エマルジョン接着剤(ジャパンコーティングレジン(株)製リカボンド(登録商標)BA−10L/BA−11B=100:2.5)を使用し、その接着剤をウエット状態で80g/mの塗工量で塗布して貼り合わせた。次いで7日間養生して評価用化粧板9とした。
<評価項目および評価方法>
上記実施例1〜実施例14、比較例1〜6の材料構成、手順によって作製した化粧シート1を用いた各化粧板9について、下記の評価項目および評価方法によって試験、評価した。
(1)鉛筆引掻き試験
試験方法はJIS−K5600「引っかき硬度(鉛筆法)」に準拠して行った。
評価基準は下記のとおりである。
◎:塗膜が剥がれない最高硬度が3H以上の場合。
○:塗膜が剥がれない最高硬度がF以上2H以下であり、かつ凹みの付かない最高硬度が2B以上の場合。
△:塗膜が剥がれない最高硬度がF以上2H以下であり、かつ凹みの付かない最高硬度が3B以下の場合。
×:塗膜が剥がれない最高硬度がHB以下の場合。
(2)スチールウール試験
市販のスチールウール(日本スチールウール(株)製「ボンスター#0〜1」)を1cm角の正方形形状にカットし、これを荷重1kgで化粧板9表面に当て20往復スクラッチした。
評価基準は下記のとおりである。
◎:試験部表面に、擦り傷が見られず、かつ未試験部表面との光沢変化が見られない場合。
○:試験部表面に、擦り傷が見られず、かつ未試験部表面との光沢変化がわずかに見られる場合。
×:試験部表面に、擦り傷が見られ、かつ未試験部表面との光沢変化が見られる場合。
(3)コインスクラッチ試験
十円硬貨を45°の角度で傾けた状態で床用化粧材表面に当て、荷重を1kg、2kg、3kg、4kgと変化させて、十円硬貨を傾けた方向へスクラッチした。
評価基準は、下記のとおりである。
○:塗膜が剥がれる最小荷重が3kg以上の場合。
×:塗膜が剥がれる最小荷重が2kg以下の場合。
(4)低光沢化検証
艶消しシリカの含有により光沢値が低下するか検証した。
評価基準は、下記のとおりである。
○:光沢値が10以下に調整できる場合。
×:光沢値が10以下に調整できない場合。
(5)ヘイズ値測定
実施例1〜14、比較例1〜6のシートにおいて、透明接着層より表面側のシートのみを用いて写像性測定器(日本電色工業(株)製,NDH−2000)を使用してヘイズ値を測定した。
評価基準は下記のとおりである。
○:ヘイズ値が40%未満の場合。
×:ヘイズ値が40%以上の場合。
<評価結果>
評価結果を表1に示す。
Figure 0006561614
本発明に基づく化粧シート1である実施例1〜実施例14においては、いずれも表面物性に関する評価項目において△以上の評価結果であり、良好な表面物性を示している。
表面保護層6の総厚が薄い比較例1および比較例3においては、相対的に耐傷付き性の低下が見られる。これは耐傷付き性を確保するためには表面保護層6の総厚が16μm以上必要であることを示している。
逆に表面保護層6の総厚が厚い比較例2および比較例4においては、ヘイズが高く意匠感が低くなっている。これは厚い層を充填するために多量の艶消し剤が必要であることを示している。
また第1表面保護層6aに艶消し剤を含有しない比較例5は表面凹凸を形成せず低光沢化が困難となっている。
また第1表面保護層6aに熱硬化型樹脂を含まない比較例6においては透明熱可塑性樹脂層5との密着が弱いため耐傷付き性が低くなっている。
一方、第2表面保護層6bを構成する成分が紫外線硬化型樹脂および熱硬化型樹脂を質量比1:1以上で作製した実施例8〜14においては、いずれも鉛筆引掻き試験およびスチールウール試験といった耐傷付き性において、紫外線硬化型樹脂を含まない実施例1〜7と比べて特に優れている。これは紫外線硬化型樹脂が表面硬度を上げ、耐傷性を上げることに効果があることを示している。特に紫外線硬化型樹脂のみで形成されている実施例12〜14は大幅に耐傷付き性が向上している。
ここで、第1表面保護層6aに添加する艶消し剤が5質量部の場合であるが、艶消し剤の添加量を増やしても良い。艶消し剤の添加量を増やしても、目的とする低光沢度及びヘイズに応じて、第1表面保護層6aの厚さを適宜調整し、目的の耐傷付き性に応じて第2表面保護層6bの厚さを適宜調整すればよい。
以上の結果から、本発明によれば、諸物性において優れた化粧シート1およびそれを用いた化粧材を提供することが可能であることを検証することができた。
1 化粧シート
2 基材層
3 絵柄模様層
4 透明接着層
5 透明熱可塑性樹脂層
6 表面保護層
6a 第1表面保護層
6b 第2表面保護層
7 基材
9 化粧板

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂からなる基材層の上に、絵柄模様層、透明接着層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層をこの順に形成し、
    上記表面保護層は、上記基材層側の第1表面保護層と、上記第1表面保護層の上に積層した第2表面保護層とからなり、且つ上記第1表面保護層及び第2表面保護層の合計である総厚さが16μm以上50μm以下であり、
    上記第1表面保護層は、熱硬化型樹脂を含むと共に艶消し剤が添加され且つ厚さが10μm以上45μm以下の層であり、
    上記第1表面保護層の厚さは、上記第2表面保護層の厚さより厚く、
    上記第2表面保護層は、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の少なくとも一方の硬化型樹脂を含み、
    更に、上記第2表面保護層は、艶消し剤が添加されていない、若しくは単位体積当たりの艶消し剤の添加量が、上記第1表面保護層における単位体積当たりの艶消し剤の添加量の半分以下であることを特徴とする化粧シート。
  2. 上記第2表面保護層は、熱硬化型樹脂及び電離放射線硬化型樹脂の両方を含み、電離放射線硬化型樹脂が質量比で全硬化型樹脂の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載した化粧シート。
  3. 上記表面保護層の表面に凹凸形状を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した化粧シート。
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