JP2005314665A - 化粧板用樹脂組成物、化粧板表層用材料、及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 化粧板の意匠面側に表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、硬化性樹脂と、一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材と、光輝性物質とを含有することを特徴とする化粧板用樹脂組成物、上記樹脂組成物を、紙繊維基材表面、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材表面のいずれかの、片面あるいは両面に担持させてなることを特徴とする化粧板表層用材料、及び、上記化粧板表層用材料を用いた化粧板。
【選択図】 なし
Description
化粧板の意匠性は、表面側に用いられる基材の色調・模様や、成形時に用いられるプレスプレートの表面形態によって決定され、例えば、柄模様を有する光沢仕様の化粧板を得る場合は、表面側基材としてグラビア印刷化粧紙を用い、鏡面仕上げのプレスプレートにより成形されるのが一般的である。(例えば、特許文献1参照。)。
また、化粧板はその用途から、化粧板上に種々の物品が置かれることにより表面に傷がつき、経年劣化により意匠性が低下するという問題があった。しかし、化粧板の表面硬度は、用いる硬化性樹脂の硬化物の硬さによりほぼ支配されるので、表面硬度を大きく向上させることは困難であった。
化粧板表面に意匠性を付与する手法のひとつとして、化粧板の表面樹脂層に光輝性物質を添加し、光輝性物質による光の干渉現象により、多彩な色調を発現させて独特の意匠性を付与する方法がある。しかしながら、従来の化粧板は、光輝性物質を有する表面樹脂層をごく薄い厚みでしか形成できなかったため、質感が平面的なものとなってしまい、光輝性物質の添加による意匠性の向上効果を充分に発現できないという問題があった。
(1)化粧板の意匠面側に表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、硬化性樹脂と、一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材と、光輝性物質とを含有することを特徴とする化粧板用樹脂組成物。
(2)上記硬化性樹脂は、メラミン樹脂である上記(1)に記載の化粧板用樹脂組成物。(3)上記無機充填材は、シリカを含有するものである上記(1)又は(2)に記載の化粧板用樹脂組成物。
(4)上記樹脂組成物は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、上記無機充填材1〜50重量部を含有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
(5)上記樹脂組成物は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、上記光輝性物質0.3〜30重量部を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
(6)上記樹脂組成物は、さらに、可撓性付与剤を含有するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
(7)上記可撓性付与剤は、溶剤溶解型の変性フッ素樹脂である上記(6)に記載の化粧板用樹脂組成物。
(8)上記樹脂組成物は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、上記溶剤溶解型の変性フッ素樹脂0.5〜5重量部を含有する上記(7)に記載の化粧板用樹脂組成物。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物を、紙繊維基材表面、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材表面のいずれかの、片面あるいは両面に担持させてなることを特徴とする化粧板表層用材料。
(10)上記(9)に記載の化粧板表層用材料を、芯材層用材料を含む化粧板用材料の表面側に積層し、これを加熱加圧成形してなり、意匠面側に表面層を有することを特徴とする化粧板。
(11)上記表面層は、厚みが5〜1000μmである上記(9)に記載の化粧板。
(12)上記表面層は、実質的に均一な厚みを有するものである上記(10)又は(11)に記載の化粧板。
本発明の化粧板用樹脂組成物を用いて、化粧板の意匠面側に表面層を形成することにより、従来の化粧板としての基本的特性を損なうことなく、表面平滑性に優れ、高い表面光沢度、表面硬度を有するとともに、光輝性物質による光の干渉現象により、質感の高い深みのある外観を有する化粧板を得ることができる。
本発明の化粧板用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)は、化粧板の意匠面側に表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、硬化性樹脂と、一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材(以下、単に「微粒充填材」ということがある)と、光輝性物質とを含有することを特徴とする。
また、本発明の化粧板表層用材料は、上記本発明の樹脂組成物を、紙繊維基材表面、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材表面のいずれかの、片面あるいは両面に担持させてなることを特徴とする。
そして、本発明の化粧板は、上記本発明の化粧板表層用材料を、芯材層材料を含む化粧板用材料の表面側に積層し、これを加熱加圧成形してなり、意匠面側に表面層を有することを特徴とする。
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
このような微粒充填材を配合することにより、化粧板製造時に、化粧板表層用材料に用いられる紙繊維基材内部への樹脂組成物の流れを抑制して、水平方向への流動性を付与することができ、表面層の平滑性を向上させることができる。また、化粧板の表面硬度を向上させることができる。さらに、このような粒径の小さいものを用いることにより、化粧板の意匠性に与える影響を実質的になくすることができる。
そして特に、コロイダルシリカを用いることが好ましい。コロイダルシリカは取り扱い性に優れるとともに、樹脂組成物中へ微粒充填材を容易に分散させることができる。
また、シリカを水あるいは有機溶剤中に分散させた形態のものも好ましく用いることができる。このような形態のシリカを得る方法としては特に限定されないが、例えば、クレアミックス(エム・テクニック社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)などの高速撹拌装置を用いて、水あるいは有機溶剤中に所定量のシリカ粒子を高速で撹拌して分散させる方法により得ることができる。
また、このように粒径が極めて小さい粒子を分散させた樹脂組成物から、表面層を形成することにより、表面層中の硬化性樹脂が微小なマトリックスに分割され、このマトリックス単位で硬化性樹脂の硬化収縮や温度収縮による寸法変化を少しずつ吸収することができるので、表面層にクラックを生じたり、これにより表面硬度や意匠性が低下したりするのを抑えることができる。
このような目的のためには、上記微粒充填材は、一次粒子の平均粒径が10〜50nmのものであることがさらに好ましい。
微粒充填材の一次粒子の平均粒径が上記下限値より小さいと、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂組成物ワニスを調製する際に、微粒充填材の配合量によっては粘度が高くなりや
すく、作業性が低下することがある。また、上記上限値を越えると、表面層の下層側の意匠性を低下させたり、化粧板の表面平滑性が低下したりすることがある。また、表面層中の硬化性樹脂を微小なマトリックスに分割する効果が低下することがある。
このほか、薄片状または塊状のガラスフレークに、金、銀、ニッケルなどの金属や、二酸化チタンなどの金属酸化物をコーティングしたものも好適に用いることができる。このような光輝性物質としては例えば、日本板硝子社製・「メタシャイン」が挙げられる。
また、光輝性物質の大きさとしては特に限定されないが、平均粒径が10〜1000μmであるものを用いることが好ましい。光輝性物質の大きさは、付与したい意匠性に合わせて適宜選定することができる。
これにより、光輝性物質により発現する意匠性を効果的に付与することができる。含有量が上記下限値より少ないと、光輝性物質を配合する効果が充分でないことがある。また、上記上限値を超えると、光輝性物質の種類によっては、化粧板の表面平滑性が低下することがある。
が好ましい。これにより、化粧板表面の硬度を大きく低下させることなく、上記効果を発現させることができる。
溶剤溶解型の変性フッ素樹脂の配合量が上記下限値未満では、上記効果を充分に発現できないことがある。一方、上記上限値を越えると、化粧板の表面硬度が低下することがある。
また、本発明の樹脂組成物には、硬化性樹脂と微粒充填材との濡れ性や、樹脂組成物ワニス中における微粒充填材の分散性を向上させるために、カップリング剤、界面活性剤などを用いることができる。
本発明の化粧板表層用材料は、上記本発明の樹脂組成物を、紙繊維基材表面、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材表面のいずれかの、片面あるいは両面に担持させてなるものである。
紙繊維基材の坪量としても特に限定されないが、通常、50〜200g/m2のものを用いることができる。
ここで、樹脂組成物ワニスを塗工する方法としては特に限定されないが、例えば、スプレーやノズルなどの噴霧装置を用いて塗工する方法、あるいは、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて塗工する方法などが適用できる。
噴霧装置を用いる場合は、液を噴霧する部分の口径が0.5〜5mmであるものを用いることが好ましい。これにより、比較的粒径の大きい光輝性物質を用いた場合でも、噴霧口において目詰まり等を起こすことなく安定して連続的に噴霧することができる。また、噴霧媒体である気体は、旋回流を伴って噴霧されるものであることが好ましい。これにより、噴霧した樹脂組成物ワニスを微粒子化することができ、任意の厚みを有する表面層を高い均一性で形成することができる。このような噴霧装置としては例えば、アトマックス
社製・アトマックスノズルを用いることができる。
本発明の化粧板表層用材料は、上記方法などにより樹脂組成物を担持させた後、紙繊維基材、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を所定の条件で加熱乾燥することにより得ることができる。
ここで用いられる、保護層用樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、本発明の樹脂組成物で用いられている硬化性樹脂、あるいは、硬化性樹脂と一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材とを含有するものを用いることができる。また、必要に応じて、本発明の樹脂組成物で用いられている可撓性付与剤を併用することもできる。
特に、保護層用樹脂組成物を担持させることにより、最終的に得られる化粧板に厚い保護層を形成する場合は、本発明の樹脂組成物に用いられている硬化性樹脂と一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材とを含有するものを好適に使用することができる。これにより、表面層にクラックを生じたり、クラックのために表面硬度や意匠性が低下したりするのを抑えることができる。このような場合も本発明に含まれるものである。
ここで撹拌混合する方法としては特に限定されないが、例えば、通常の撹拌羽根を備えた撹拌装置、ディスパーザー、ホモミキサーのほか、高速撹拌装置として、例えば、クレアミックス(エム・テクニック社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)などを用いることができる。これらの中でも、上記高速撹拌装置を用いることが好ましい。これにより、微粒充填材の分散性を高め、硬化性樹脂と微粒充填材との均一混合性を高めることができる。また、硬化性樹脂を溶解する溶媒と親和性を有さないような溶媒に可溶な可撓性付与剤を用いた場合でも、これを微粒子化して樹脂組成物ワニス中に均一に分散させることができる。
なお、光輝性物質は、最初から添加して撹拌混合してもよいし、光輝性物質以外の成分を撹拌混合後、最後に添加して混合することもできる。
本発明の化粧板は、化粧板表層用材料を、芯材層材料を含む化粧板用材料の表面側に積層し、これを加熱加圧成形してなり、意匠面側に表面層を有するものである。
図1は本発明の化粧板の形態の例を3種類示したものである。
図1(a)の形態において、化粧板1は、芯材層11と、この芯材層11に積層された表層12aとから構成されている。ここで、芯材層11は芯材層用材料から、表層12aは表層用材料から形成されるものである。図1(a)の形態において表層12aは、本発明の樹脂組成物を硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に担持させたものを用いており、これにより、表面層13が形成されている。
なお、本発明の化粧板においては、このほか、表層12aと反対側の芯材層11の表面にバック層材料から形成されるバック層を有することもできる。
層13と、保護層14とが形成されている。
これらの中でも、高圧メラミン化粧板用としては、通常、坪量50〜250g/m2のクラフト紙を用いることができる。また、難燃性又は不燃性の化粧板用としては、坪量30〜200g/m2のガラス不織布やガラス織布を用いることができる。
本発明の化粧板に用いられる芯材層用材料は、上記基材に、硬化性樹脂、あるいは、硬化性樹脂と無機充填材を主成分とする樹脂ワニスを含浸又は担持させ、硬化性樹脂の反応をBステージまで進行させたものを用いることができる。
保護層用材料に用いられる基材としては特に限定されないが、灰分が少ないか、あるいは全く含まない透明性の高い紙基材であることが好ましく、具体的には、α−セルロース成分を多量に含有する木材パルプ繊維の抄造紙、リンター綿繊維紙などが使用できる。この基材の坪量は特に限定されないが、例えば10〜50g/m2程度のものを使用できる。
保護層用材料は、このような基材に硬化性樹脂、好ましくはメラミン樹脂を担持させることによって得られるものである。保護層用材料の坪量は特に限定されないが、例えば、35〜80g/m2程度のものを使用することができる。
また、表面層の厚みを100〜1000μm、好ましくは200〜800μmとすることにより、上記効果に加えて、化粧板に、質感の高い深みのある外観を付与することができる。
表面層の厚みは、このように、目的とする化粧板の特性や意匠性などにより、適宜設定して形成することができる。
ることができる。
化粧板の意匠性は、化粧板表層用材料に用いられる化粧紙が有する色柄・模様により付与することができるが、本発明の化粧板では、表面層に容易に厚みをもたせることができるので、質感の高い深みのある外観とすることができる。さらに、樹脂組成物に光輝性物質を配合することで、光の干渉現象により多彩な色調を発現させて独特の意匠性を付与することができる。このような効果により、市場要求の大きい質感の高い外観を有した化粧板を得ることができる。
本発明の化粧板は、例えば、家具、事務用品、建築用内装材などのほか、外観上特に高級感を要求されるような用途においても、好適に用いることができるものである。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン(M)とホルムアルデヒド(F)との反応モル比(F/M)が1.7となるように配合し、これを反応温度95℃で、水混和度が16ml/5mlとなるまで反応させ、メラミン樹脂溶液Aを得た。このメラミン樹脂溶液中のメラミン樹脂固形分は65重量%、溶剤成分の比率は、メタノール:水=5:95であった。
上記メラミン樹脂溶液A77重量部(メラミン樹脂固形分50重量部に相当)に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」0.4重量部、微粒充填材Aとして扶桑化学社製・「コロイダルシリカ PL−1」(一次粒子の平均粒径15nm)10重量部(固形分換算値)、光輝性物質として金雲母(山口雲母工業社製・「メタライトゴールド」、平均粒径300μm)2重量部を配合した。
これを、高速撹拌装置(エム・テクニック社製・「クレアミックス」)を用いて、回転数15000rpmで3分間撹拌処理し、樹脂組成物ワニスを得た。
メラミン(M)とホルムアルデヒド(F)との反応モル比(F/M)が1.7となるように配合し、これを反応温度95℃で、水混和度が16ml/5mlとなるまで反応させ、メラミン樹脂溶液Bを得た。このメラミン樹脂溶液中のメラミン樹脂固形分は50重量%、溶剤成分の比率は、メタノール:水=5:95であった。
上記メラミン樹脂溶液B100重量部(メラミン樹脂固形分50重量部に相当)に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」1.0重量部を配合したメラミン樹脂ワニスを調製した。これを、米坪90g/m2の白色チタン紙に含浸させた後、熱風乾燥装置で乾燥させ、米坪190g/m2、揮発分6重量%のメラミン樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で260g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪450g/m2の表層用材料を得た。
フェノール(P)とホルムアルデヒド(F)との反応モル比(F/P)が1.5となるように配合し、これを95℃で210分間反応させてフェノール樹脂ワニスを得た。このワニスを、坪量180g/m2 のクラフト紙に浸漬して含浸させた後、熱風乾燥装置で
乾燥させ、坪量280g/m2、揮発分を5〜7重量%に調整した芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み200μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A77重量部に対して、微粒充填材Aの配合量を5重量部(固形分換算値)、光輝性物質の配合量を4重量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で400g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させ、米坪590g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.6mm、化粧板表面の全面に厚み300μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A77重量部に対して、微粒充填材Aのかわりに、微粒充填材Bとして扶桑化学社製・「コロイダルシリカ PL−3」(一次粒子の平均粒径35nm)を用い、その配合量を20重量部(固形分換算値)、光輝性物質の配合量を10重量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で130g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させ、米坪330g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料7枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.6mm、化粧板表面の全面に厚み100μmの表面層が
形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
実施例1(1)で得られたメラミン樹脂溶液A77重量部に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」0.4重量部、微粒充填材A10重量部(固形分換算値)、光輝性物質として金雲母(山口雲母工業社製・「メタライトゴールド」、平均粒径300μm)2重量部、可撓性付与剤として、溶剤可溶型変性フッ素樹脂(株式会社トウペ製・「ニューガーメット #2300」、固形分55重量%、キシレン溶剤溶解品)を、主剤1重量部と硬化剤0.2重量部とを配合した以外は、実施例1(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で260g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させ、米坪450g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み200μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
実施例1(1)と同様に行い、樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(1)で得られたメラミン樹脂溶液A77重量部に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」0.4重量部、微粒充填材Aとして扶桑化学社製・「コロイダルシリカ PL−1」(一次粒子の平均粒径15nm)10重量部(固形分換算値)を配合した。
これを、高速撹拌装置(エム・テクニック社製・「クレアミックス」)を用いて、回転数15000rpmで3分間撹拌処理し、保護層用樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で260g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させた後、さらに、上記で得られた保護層用樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で130g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪580g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.6mm、化粧板表面の全面に300μmの表面層と保護層とが形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
実施例2(1)と同様に行い、樹脂組成物ワニスを得た。
実施例2(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で400g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させた後、さらに、実施例5(2)で得られた保護層用樹脂組成物ワニスを、コンマコーター装置を用いて、固形分換算で130g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪720g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料5枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に400μmの表面層と保護層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部(メラミン樹脂固形分100重量部に相当)に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」1.6重量部、微粒充填材A10重量部(固形分換算値)、光輝性物質として、日本板硝子社製・「メタシャイン MC1040NB」(厚み1μm、平均粒径40μmのガラスフレーク表面にニッケルをコーティングしたもの)3重量部を配合した。
これを、高速撹拌装置(エム・テクニック社製・「クレアミックス」)を用いて、回転数15000rpmで10分間撹拌処理し、樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で38g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪34g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加
圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み30μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部に対して、光輝性物質(「MC1040NB」)の配合量を5重量部とした以外は、実施例7(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で35g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪31g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み25μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部に対して、光輝性物質(「MC1040NB」)の配合量を10重量部とした以外は、実施例7(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で40g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪36g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み25μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部(メラミン樹脂固形分100重量部に相当)に対して、硬化促進剤として日東理研工業社製・「キャタニットA」1.6重量部、微粒充填材A10重量部(固形分換算値)、光輝性物質として、日本板硝子社製・「メタシャイン M
C5090NB」(厚み5μm、平均粒径90μmのガラスフレーク表面にニッケルをコーティングしたもの)3重量部を配合した。
これを、高速撹拌装置(エム・テクニック社製・「クレアミックス」)を用いて、回転数15000rpmで10分間撹拌処理し、樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で30g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪26g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み25μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部に対して、光輝性物質(「MC5090NB」)の配合量を5重量部とした以外は、実施例10(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で36g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪33g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み30μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)樹脂組成物ワニスの調製
メラミン樹脂溶液A154重量部に対して、光輝性物質(「MC5090NB」)の配合量を10重量部とした以外は、実施例10(1)と同様にして樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1(2)と同様にして、硬化性樹脂含浸紙繊維基材を得た。
この硬化性樹脂含浸紙繊維基材の片面に、上記で得られた樹脂組成物ワニスを、スプレー装置(アトマックス社製・「アトマックスノズル」を用いて、固形分換算で34g/m2塗工した。これを熱風乾燥装置で乾燥させて、米坪30g/m2の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料6枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを鏡面仕上げのプレスプレートではさみ、平板プレス装置を用いて、160℃、10MPa で、60分間加熱加圧成形して、厚さ約1.5mm、化粧板表面の全面に厚み25μmの表面層が形成されたメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)表層用材料の製造
実施例1(2)で得られたメラミン樹脂溶液Bを、米坪90g/m2のグラビア印刷化粧紙に含浸させた後、熱風乾燥装置で乾燥させ、米坪195g/m2、揮発分6重量%の表層用材料を得た。
実施例1(3)と同様に行い、芯材層用材料を得た。
上記で得られた芯材層用材料7枚を積層し、その上に、上記で得られた表層用材料1枚を、樹脂組成物ワニスを塗工した面を上側にして積層した。これを実施例1と同様の条件で加熱加圧成形して、厚さ約1.5mmのメラミン樹脂化粧板を得た。
(1)表面層の厚み:実施例で得られた化粧板(1m×1m)を、大きさ200mm×200mmの試料25枚に裁断し、各試料の平面方向の略中心部の断面を顕微鏡で観察し、25箇所の厚みを測定した。これより、厚みの平均値とR(最大値−最小値)を算出した。なお、実施例5及び実施例6については、表面層と保護層との合計の厚みについて、厚みの平均値とRを算出した。
(2)表面光沢性:(株)村上色彩技術研究所製・像鮮明度光沢計「DGM−30」を用いて、像鮮明度を測定した。測定条件は、光の入射角度30度、受光角度30度で実施した。この測定値は、正反射軸の反射光量(100)に対する、軸に対して±0.3度の範囲内での計測光量の比率を示したものであり、反射光の拡散度により表面平滑度、表面光沢性を示す指標である。
(3)表面硬度:JIS K 6902に準拠して、ダイヤモンド針を用いて化粧板の引っ掻き硬さを測定した。試験条件は、ダイヤモンド針に与える荷重を10gから開始し、この荷重を10gずつ増やしていき、引っ掻きキズが確認された直前のg数で示した。
(4)耐摩耗性:JIS K 6902に準拠して、テーバー型アブレーザーを用いて化粧板表面を摩耗させたときの化粧板の重量減少分(g)を測定した。測定条件は、摩耗輪が化粧板の接触面に及ぼす荷重を500gとし、摩耗輪が200回転、及び、500回転した時点で各々測定した。
また、光輝性物質による光の干渉現象により多彩な色調を発現させて、質感の高い深みのある独特の意匠性を付与することができた。
本発明の化粧板は、例えば、家具、事務用品、建築用内装材などに好適に用いることができるものである。
2 化粧板
11 芯材層
12a 表層
12b 表層
13 表面層
14 保護層
15 保護層
Claims (12)
- 化粧板の意匠面側に表面層を形成するために用いられる樹脂組成物であって、硬化性樹脂と、一次粒子の平均粒径が5〜100nmの無機充填材と、光輝性物質とを含有することを特徴とする化粧板用樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂は、メラミン樹脂である請求項1に記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記無機充填材は、シリカを含有するものである請求項1又は2に記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、前記硬化性樹脂100重量部に対して、前記無機充填材1〜50重量部を含有する請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、前記硬化性樹脂100重量部に対して、前記光輝性物質0.3〜30重量部を含有する請求項1ないし4のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、さらに、可撓性付与剤を含有するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記可撓性付与剤は、溶剤溶解型の変性フッ素樹脂である請求項6に記載の化粧板用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、前記硬化性樹脂100重量部に対して、前記溶剤溶解型の変性フッ素樹脂0.5〜5重量部を含有する請求項7に記載の化粧板用樹脂組成物。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物を、紙繊維基材表面、又は、硬化性樹脂含浸紙繊維基材表面のいずれかの、片面あるいは両面に担持させてなることを特徴とする化粧板表層用材料。
- 請求項9に記載の化粧板表層用材料を、芯材層用材料を含む化粧板用材料の表面側に積層し、これを加熱加圧成形してなり、意匠面側に表面層を有することを特徴とする化粧板。
- 前記表面層は、厚みが5〜1000μmである請求項9に記載の化粧板。
- 前記表面層は、実質的に均一な厚みを有するものである請求項10又は11に記載の化粧板。
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