JP4862450B2 - 化粧板用材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧板の表層に適した化粧板用材料の製造方法の改良に関し、特に、優れた意匠性及び機能性を確保しつつ、製造を効率化することに関するものである。
化粧板は、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性に優れ、意匠性においても美しい外観を有し、更に豊富な色調、色柄の中から選択できることから、家具テーブル、会議用テーブル、事務デスク等の天板、あるいは住宅やオフィスビルの内装材などに広く使用されている。
この化粧板の中でも、例えば、メラミン樹脂高圧化粧板のような熱硬化性樹脂化粧板は、一般に、紙基材に熱硬化性樹脂を溶解した樹脂ワニスを含浸させたプリプレグを順次積層し、これをステンレス等のプレスプレート等を備えた平板プレス装置により加熱加圧して、製造される。
この場合、化粧板の意匠性は、表面側に配置される基材の色調、模様や、成形時に使用されるプレスプレートの表面形態によって決定される。具体的には、例えば、柄模様を有する光沢仕様の化粧板を製造する場合には、表面側に、グラビア印刷化粧紙を基材とした化粧板用材料を使用して、これを鏡面仕上げのプレスプレートにより加熱加圧して形成するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
従来、化粧板の、この優れた意匠性を左右する表面側の化粧板用材料は、グラビア印刷紙等の基材に樹脂ワニスを含浸させた後、その乾燥を待ってから、更に基材の上に透明の樹脂から成るフィルム状の表面層又は必要に応じて中間層を積層していた。このため、最終的に化粧板用材料を得るまでに、乾燥のための工程又は時間を場合によっては数回設定する必要があり、その分だけ、処理時間を徒に費やしていた。
この場合、基材に含浸された樹脂が乾燥する前に、スプレー等により中間層や表面層を形成する樹脂を塗布等により塗工することにより、処理時間を短縮することは可能であるが、乾燥前に、他の層を形成する樹脂を塗工すると、他の層の樹脂が基材側へ流入して、意匠性に影響が出るおそれがあった。
また、従来は、このように表面層の形成方法に制限があったため、表面層の形成と同時に表面層に優れた意匠性や機能性を付与することができず、その結果、処理時間の短縮と優れた意匠性、機能性の付与を両立することが必ずしもできなかった。
特開平7−285207号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、優れた意匠性及び機能性を確保しつつ、処理時間を短縮して効率的に製造することができる化粧板用材料の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、基材に基材用樹脂を含浸した後、この基材の一面側に表面層を形成する化粧板用材料の製造方法であって、基材の表面層側の表面に基材用樹脂に対して非相溶性を有する非相溶性樹脂を付着させた上で、非相溶性樹脂の上に表面層を形成し、少なくとも非相溶性樹脂を、又は、非相溶性樹脂及び表面層を、基材に含浸された基材用樹脂の乾燥を目的とする工程又は時間を設定することなく、基材の表面に付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、非相溶性樹脂を非相溶性樹脂を含有する樹脂全体に対して1重量%〜75重量%の割合となるように他の樹脂に含有して、この非相溶性樹脂を含有する樹脂を基材の表面に付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂又は非相溶性樹脂を含有する樹脂を、基材の表面にスプレー塗布、その他の塗工により付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂又は非相溶性樹脂を含有する樹脂を、基材の表面に含浸させて付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、表面層用樹脂を非相溶性樹脂の上にスプレー塗布、その他の塗工により付着させて表面層を形成することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、基材に基材用樹脂を含浸した後、少なくとも非相溶性樹脂の付着を、又は、非相溶性樹脂の付着及び表面層の形成を連続した工程で行うことを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、基材用樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1第7のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂のうちのいずれか又は任意の組合せで混合されたものを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂として、水性熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、基材用樹脂及び非相溶性樹脂を含有する他の樹脂よりも低比重の非相溶性樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第1乃至第10のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂を含有させる他の樹脂として、基材用樹脂と同じ樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第2乃至第11ののいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂を含有する他の樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第5乃至第12のいずれかの解決手段において、表面層用樹脂に、メラミン樹脂を含ませることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第1乃至第13のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂又は表面層のうち、少なくとも表面層又は双方に、メタシャインその他の高輝性物質を含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第15の手段として、上記第1乃至第14のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂又は表面層のうち、少なくとも表面層又は双方に、コロイダルシリカその他の像鮮明性物質を含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第16の手段として、上記第1乃至第15のいずれかの解決手段において、非相溶性樹脂又は表面層のうち、少なくとも表面層又は双方に、トルマリンを含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、基材の表面層側の表面に、基材用樹脂に対して非相溶性を有する非相溶性樹脂を付着させた上で表面層を形成しているため、この非相溶性樹脂により表面層を形成する樹脂が基材側に流入するのを阻止することができるので、基材用樹脂の乾燥を待つことなく基材の上に表面層を形成することができ、かつ、それによっても基材の意匠性に影響を与えることもない実益がある。
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、基材用樹脂の乾燥を待つことなく表面層を形成することができるため、表面層を、基材の表面にスプレー等により塗布して形成することができるので、製造の工程の簡素化及び処理時間の短縮化を実現することができる実益がある。
同様に、本発明によれば、特に、上記のように、基材用樹脂に対して非相溶性を有する樹脂を介在させるため、少なくとも、この非相溶性樹脂を基材用樹脂の乾燥を待つことなく基材用樹脂の含浸後連続した工程で基材の表面に付着させることができ、更に、この非相溶性樹脂が介在するため、更に表面層をも非相溶性樹脂の付着後に連続した工程で形成することができるので、処理時間を短縮して、効率よく化粧板用材料、ひいては化粧板を効率よく製造することができる実益がある。
また、この場合、本発明によれば、上記のように、非相溶性樹脂を他の樹脂、好ましくは、基材用樹脂や表面層用樹脂と同じ樹脂に含有して基材の表面に付着させているため、非相溶性樹脂が存在しても、基材と表面層との充分な接着性を確保しつつ、製造効率を向上させることができる実益がある。
更に、本発明によれば、上記のように、非相溶性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の透明性を有する樹脂であるため、基材の意匠性に影響を与えることなく、製造効率を向上させることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、この非相溶性樹脂や表面層を、スプレー塗布等により形成することができるため、非相溶性樹脂や表面層用樹脂に、メタシャインその他の高輝性物質や、コロイダルシリカその他の像鮮明性物質を含有させることができ、これにより、製造効率を向上しつつ、近年化粧板に要求される高度な意匠性にも充分に応えることができる実益がある。
同様に、本発明によれば、上記のように、この非相溶性樹脂や表面層用樹脂に、トルマリンその他のマイナスイオン物質を含有させてスプレー塗布等することができるため、これにより、製造効率を向上しつつ、化粧板に優れた機能性をも付与することができる実益がある。
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明の製造方法により製造された化粧板用材料10を示し、この化粧板用材料10は、図1に示すように、基材用樹脂が含浸された基材12と、この基材12の一面側に形成された表面層14とを有する。この化粧板用材料10は、更に、図示しない芯材層用材料の上に加熱加圧して積層されて、本発明の製造方法により製造された化粧板用材料10が、いわゆる意匠層として意匠面側に配置されている化粧板となる。
基材12は、化粧板用材料10に意匠性を付与することができれば、特に限定はないが、例えば、従来の化粧板と同様、セルロース(パルプ)に顔料(チタン白など)をすきこんだ抄造紙に模様を印刷した印刷紙を使用することができる。また、その坪量としても特に限定されないが、通常と同様、50〜150g/m2のものを用いることができる。
また、この基材12に含浸される基材用樹脂についても、透明性を有すれば、特に限定はなく、通常使用されるメラミン樹の他、例えば、尿素樹脂、エポキシ樹脂等、又は、これらを混合したもの等も必要に応じて使用することができる。但し、後述する非相溶性樹脂を含有する他の樹脂や表面層14を形成する表面層用樹脂との接着性等の相性を考慮して決定することが好ましく、また、透明性を確保する観点からは、メラミン樹脂が好適であるといえる。これらの樹脂成分は、化粧板用材料10の表面に耐熱性や耐汚染性等の優れた性能を付与するものである。
なお、これらの基材樹脂を、基材12に含浸させる方法についても、特に限定はなく、例えば、図2に示すように、従来の化粧板と同様、上記のメラミン樹脂を含有する液状のワニスを調製し、このワニスを、グラビア印刷紙等の基材12に、通常行われるキスコーターを用いる方法やディップによる方法により、含浸させることができる。但し、本発明においては、後述するように、基材用樹脂の含浸後において、従来のように、基材用樹脂を加熱して、その乾燥を待つ必要はない。
本発明の製造方法により製造された化粧板用材料10においては、基材12は、図1に示すように、表面層14側の表面に基材用樹脂に対して非相溶性を有する非相溶性樹脂16を有し、表面層14は、この非相溶性樹脂16の上に形成されている。
この非相溶性樹脂16としては、基材用樹脂に対して非相溶性を有し相分離することは勿論のこと、加えて、基材12の意匠性に影響を与えないよう透明性を有するものであれば、特に限定はなく使用することができる。個別具体的には、基材用樹脂との関係で相対的に決定することが必要となるが、基材用樹脂として上述したメラミン樹脂を使用する場合には、これに対して非相溶性を有する樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂のうちのいずれか又は任意の組合せで混合されたものを挙げることができる。
この非相溶性樹脂16は、望ましくは、他の樹脂に含有させた上で、図1及び図2に示すように、基材12の表面に付着させることができる。これにより、後述する非相溶性樹脂16の基材12の表面への塗布又は含浸による付着作業を容易化することができるとともに、特に、他の樹脂に含有させることで、基材12と表面層14との間に、基材用樹脂に対して非相溶性を有する非相溶性樹脂16が存在しても、基材12と表面層14との間の接着性を充分確保することができるからである。従って、この非相溶性樹脂16を含有する他の樹脂としては、基材用樹脂と同じ樹脂を使用することが好ましい。即ち、具体的には、例えば、基材用樹脂として上述したメラミン樹脂を使用した場合には、非相溶性樹脂16を含有させる他の樹脂としても、このメラミン樹脂と同じホルマリン反応を示す樹脂、特に、メラミン樹脂を使用することが望ましい。
この場合、具体的には、非相溶性樹脂16を、非相溶性樹脂16を含有する樹脂全体に対して1重量%〜75重量%、好ましくは5重量%〜75重量%の割合で含有させることができる。これは、非相溶性樹脂16の割合が、75重量%超となると基材12と表面層14との接着性や外観、表面硬度等に影響を与えるおそれがある一方、あまりに少ないと、後述する非相溶性樹脂16による遮断作用を充分に確保できなくなるからである。より望ましくは、後述の実施例に示すように、完成品となる化粧板の実用レベルでの引っ掻き硬さを考慮すると、特に、25重量%〜75重量%とすることができる。
またこの非相溶性樹脂16としては、上記のメラミン樹脂等の他の樹脂に混合して、撹拌処理によりメラミン樹脂中に分散しやすいように、水性熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。その意味では、上述した非相溶性樹脂16の中でも、特にアクリル樹脂が、好適といえ、非相溶性樹脂16としてのアクリル樹脂をメラミン樹脂に含有させた場合には、アクリル樹脂がメラミン樹脂中に分散して存在することになる。
このようにして、他の樹脂に含有された非相溶性樹脂16は、図1に示すように、基材12の表面に塗工により付着させることができる。その方法には特に限定はないが、具体的には、例えば、図2に示すように、スプレーやノズル等の噴霧器18により塗布する方法の他、コンマコーター、ダイコーター等の図示しない各種コーター装置により塗布することもできる。
また、非相溶性樹脂16を含有する樹脂を、基材12の表面に含浸させて付着させることもできる。この場合、メラミン樹脂等の基材用樹脂を基材12に含浸させた後に、この基材用樹脂が含浸された基材12に、別途、非相溶性樹脂16を含有する樹脂を含浸させることもできるが、基材用樹脂を非相溶性樹脂16を含有させる他の樹脂とすることもできる。即ち、後者の場合には、基材用樹脂の基材12への含浸の段階で、予め基材用樹脂に非相溶性樹脂16を含有させておき、グラビア印刷紙等の基材12への基材用樹脂の含浸と同時に、非相溶性樹脂16の付着作業を行うものであり、これによれば、処理工程を簡素化することができる。
これらの塗工又は含浸のいずれの方法による場合であっても、非相溶性樹脂16は、基材用樹脂に対して非相溶性を有するため、基材12の表面において、基材用樹脂と相分離して、基材12の表面付近に集中して存在することになる。特に、上記のアクリル樹脂やポリエステル樹脂は、メラミン樹脂に比し、低比重であるため、他の樹脂(基材用樹脂である場合も含む)に含有させて付着させても、基材12の表面側(上方側)に確実に偏在することになり、この点においても、本発明における非相溶性樹脂16として好適といえる。
このことから、本発明においては、非相溶性樹脂16の基材への付着作業を、基材12への基材用樹脂の含浸工程と同時には勿論、図2に示すように、基材12への基材用樹脂の含浸工程に連続して行うことができる。即ち、特に、基材12に含浸された基材用樹脂の乾燥を目的とする工程又は時間を設定することなく(基材用樹脂の乾燥を待つことなく)、基材12の表面に非相溶性樹脂16を付着させても、非相溶性樹脂16が基材12の表面に適切に偏在するため、従来にはない非相溶性樹脂16の付着工程が、処理の複雑化、長時間化を招くこともない。
のみならず、本発明において特筆すべきは、このように、非相溶性樹脂16が基材12の表面に存在する結果、表面層14をも、この非相溶性樹脂16の付着作業に連続して、行うことができる点である。具体的には、図1に示すように、基材12の表面層14側の表面に、非相溶性樹脂16を付着させた上で表面層14を形成するため、表面層14の形成に際して、表面層14を形成する樹脂が、この非相溶性樹脂16により基材12側に流入するのを阻止される結果、基材用樹脂の乾燥を待つことなく基材12の上に表面層14を形成することができ、かつ、それによっても基材12の意匠性に影響を与えることもない。即ち、本発明においては、図2に示すように、基材12への基材用樹脂の含浸から、非相溶性樹脂16の付着工程、表面層14の形成工程を、一連の連続した工程として行うことができ、特に、従来と異なり、基材用樹脂の乾燥を待ってから表面層14を形成する必要がなくなるため、製造の工程の簡素化及び処理時間の短縮化を実現することができる。
この場合、表面層14の形成方法には、特に限定はないが、上述したように、基材12の表面に存在する非相溶性樹脂16により、基材12側への他の樹脂の流入を遮断することができるため、表面層14を、樹脂フィルムの張り合わせだけではなく、図2に示すように、表面層用樹脂を基材12の表面(非相溶性樹脂16の上)にスプレーやノズル等の噴霧装置20により塗布して形成することができる点で、製造の工程の簡素化及び処理時間の短縮化を実現することができる。
また、表面層14を、このように、スプレー等により塗布することができるため、本発明においては、表面層14の形成と同時に、この表面層14に様々な意匠性、機能性を付与することができる。具体的には、塗布される表面層用樹脂に、高輝性物質を含有させることにより、製造効率を向上しつつ、同時に近年化粧板に要求される高度な意匠性を付与することができる。このような、高輝性物質としては、例えば、薄片状又はガラスフレークに、金、銀、ニッケル等の金属や、二酸化チタン等の金属酸化物をコーティングしたもの(例えば、日本板硝子社製の「メタシャイン」)等を使用することができる。また、塗布される表面層用樹脂に、例えば、コロイダルシリカ等の像鮮明性物質を含有させて、化粧板の意匠性を高めることもできる。
同様に、表面層用樹脂に、マイナスイオンを放出するマイナスイオン物質を含有させることにより、悪性物質の浄化や、除去、分解作用という優れた機能性をも、簡易に付与することができる。この場合、透明な表面層14にマイナスイオン放出効果を付与させるのに好適な材料として、例えば、トルマリンを使用することができる。
なお、上記の高輝性物質や像鮮明性物質、マイナスイオン物質は、表面層用樹脂のみならず、非相溶性樹脂16に含有させることもでき、これにより、一層意匠性や機能性を高めることができる。これらの表面層用樹脂や非相溶性樹脂16に含有させるべき付加的な物質は、必要に応じて適宜選択して、あるいは、組み合わせて、使用することができる。この場合、これらの物質が噴霧口において目詰まりを起こすことなく安定して連続的に噴霧することができるように、噴霧装置18、20の噴霧口径を、0.5mm〜5mm程度に設定して、噴霧することが好ましい。また、噴霧媒体である気体は、旋回流を伴って噴霧されるものであることが好ましい。これにより、噴霧した非相溶性樹脂や表面層用樹脂を微粒子化して、任意の均一な厚みで塗布することができる。以上のようにして、形成された化粧板用材料10は、その後表面層14の乾燥を待って、化粧板の製造に付することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。具体的には、非相溶性樹脂及び表面層用樹脂をスプレーにより基材の表面に塗布する場合において、他の樹脂への非相溶性樹脂の適切な含浸割合を探った。この場合に、基材に含浸する基材用樹脂、非相溶性樹脂を含有する他の樹脂、表面層用樹脂として、いずれもメラミン樹脂を使用し、非相溶性樹脂としてアクリル樹脂を使用して、他の樹脂への非相溶性樹脂の含有割合を、(1)0%、(2)5%、(3)25%、(4)50%、(5)75%、(6)100%に設定して、これらを基材の表面にスプレー塗布し、図1に示す、化粧板用材料を得た。
次いで、JISK6902に準拠して、ダイヤモンド針を用いて化粧板用材料の引っ掻き硬さを測定した。試験条件は、ダイヤモンド針に与える荷重を10gから開始し、この荷重を10gずつ増加していき、引っ掻き傷が確認された直前のg数で評価した。
その結果、上記(1)の設定例は50g、(2)の設定例は130g、(3)の設定例は100g、(4)の設定例は70g、(5)の設定例は90g、(6)の設定例は50gで表面に傷が確認された。この結果を評価すると、非相溶性樹脂100%の(6)の設定例では、外観に影響があり、表面層内にムラが発生すると共に、アクリル樹脂が表面に露出して引っ掻き硬さが低減したと思われる。この結果から、実際の使用に際しての表面硬度を考慮すると、5%〜75%、より好適には25%〜75%の含有割合とすることが、望ましいことが判明した。
本発明の化粧板は、家具テーブル、会議用テーブル、事務デスク等の天板、あるいは住宅やオフィスビルの内装材等に、広く適用することができる。
本発明の化粧板用材料の断面図である。 本発明の化粧板用材料の製造工程の一例を示す概略図である。
10 化粧板用材料
12 基材
14 表面層
16 非相溶性樹脂
18 噴霧装置(非相溶性樹脂用)
20 噴霧装置(表面層用樹脂用)


Claims (16)

  1. 基材に基材用樹脂を含浸した後、前記基材の一面側に表面層を形成する化粧板用材料の製造方法であって、前記基材の前記表面層側の表面に前記基材用樹脂に対して非相溶性を有する非相溶性樹脂を付着させた上で、前記非相溶性樹脂の上に前記表面層を形成し、少なくとも前記非相溶性樹脂を、又は、前記非相溶性樹脂及び前記表面層を、前記基材に含浸された前記基材用樹脂の乾燥を目的とする工程又は時間を設定することなく、前記基材の表面に付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  2. 請求項1に記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂を前記非相溶性樹脂を含有する樹脂全体に対して1重量%〜75重量%の割合となるように他の樹脂に含有して、前記非相溶性樹脂を含有する樹脂を前記基材の表面に付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。


  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂又は前記非相溶性樹脂を含有する樹脂を、前記基材の表面にスプレー塗布、その他の塗工により付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂又は前記非相溶性樹脂を含有する樹脂を、前記基材の表面に含浸させて付着させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、表面層用樹脂を前記非相溶性樹脂の上にスプレー塗布、その他の塗工により付着させて前記表面層を形成することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記基材に前記基材用樹脂を含浸した後、少なくとも前記非相溶性樹脂の付着を、又は、前記非相溶性樹脂の付着及び前記表面層の形成を連続した工程で行うことを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記基材用樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂のうちのいずれか又は任意の組合せで混合されたものを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂として、水性熱可塑性樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記基材用樹脂及び前記非相溶性樹脂を含有する他の樹脂よりも低比重の前記非相溶性樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂を含有させる他の樹脂として、前記基材用樹脂と同じ樹脂を使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  12. 請求項2乃至請求項11のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂を含有する前記他の樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかを使用することを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  13. 請求項5乃至請求項12のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記表面層用樹脂に、メラミン樹脂を含ませることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂又は前記表面層のうち、少なくとも前記表面層又は双方に、メタシャインその他の高輝性物質を含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂又は前記表面層のうち、少なくとも前記表面層又は双方に、コロイダルシリカその他の像鮮明性物質を含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載された化粧板用材料の製造方法であって、前記非相溶性樹脂又は前記表面層のうち、少なくとも前記表面層又は双方に、トルマリンを含有させることを特徴とする化粧板用材料の製造方法。
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