JP2001328228A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2001328228A
JP2001328228A JP2000147162A JP2000147162A JP2001328228A JP 2001328228 A JP2001328228 A JP 2001328228A JP 2000147162 A JP2000147162 A JP 2000147162A JP 2000147162 A JP2000147162 A JP 2000147162A JP 2001328228 A JP2001328228 A JP 2001328228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の塗膜の凹凸の高さ及び艶の差がより強
調されて鮮明となった化粧材であって、耐溶剤性が優
れ、溶剤をしみ込ませた布等で拭いても、模様が消失す
るまでの耐久性が高いものを提供する。 【解決手段】 基材2に着色層3および模様層4を形成
して得られる化粧材の表面に電離放射線硬化性樹脂組成
物を用いて表面保護層7を形成する際に、電離放射線硬
化性樹脂組成物の下層への浸透性が低い浸透抑制塗膜層
5を硬化性樹脂で形成し、その上にやはり、硬化性樹脂
を用いて、浸透抑制塗膜層5よりも電離放射線硬化性樹
脂組成物の浸透性が高い模様層6を設けることにより、
上記の課題を解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に模様が形成さ
れ、模様に応じた凹凸、乃至は艶差を有しており、かつ
模様を含めた表面の耐久性が優れた化粧材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】化粧材は、基材に印刷、塗装、凹凸の付
与等を行なって得られるものであり、建築物の内外の仕
上げや、家具の素材等に使用されている。基材として
は、木の板、金属板、スレート板等の板状のものや、
紙、プラスチックフィルム等のシート状のものが、用途
によって使い分けられている。印刷により模様の付与を
行なう際には、後者のシート状である基材に印刷した方
が印刷効果が上がり、また、シート状の基材の方が大量
に扱っても、板のようにかさばらないため、シート状の
基材を使用することが多い。ここで使用する化粧材の用
語には、板状の基材を使用した化粧板、およびシート状
の基材を使用した化粧シートの両方の意味を含めるもの
とする。
【0003】化粧材の製造法においては、質感の付与も
重要であり、そのため、模様の特定の部分に合わせて艶
消しや凹凸を付与する方法が種々提案されており、これ
らの方法を利用することで、よりリアルな化粧材が得ら
れる。例えば、特公昭51−41364号公報には、艶
差乃至は凹凸のある表面を持った木目化粧材の製造法と
して、任意の基体シート上に、粒状固形分の含有量を順
次に増加させた3種類以上のインキを調製して、粒状固
形分の少ない方から順に、木目の冬目模様、夏目模様、
および導管模様を形成した後、全面に塗膜から成る表面
保護層を設け、模様中の粒状固形分の多い順に塗料の浸
透量が多くなることにより、艶差乃至は凹凸段差のある
表面を持った木目化粧材を得ることが開示してある。た
だ、上記公報に開示されている製造法においては、表面
保護層形成用として硬化型のポリウレタン樹脂を使用し
ているものの、模様を形成するためのインキとしては、
ニトロセルロースアルキッド樹脂やポリアミド樹脂をバ
インダーとするものを使用している程度であって、層間
密着性が不十分である上に、絵柄を含めた耐溶剤性につ
いての考慮がなされていない。このように格別、層間密
着性が考慮されていない場合、化粧材表面にセロハン粘
着テープを貼って剥がした場合表面保護層がセロハン粘
着テープと共に剥離されてしまうと云う問題が生じる。
又耐溶剤性についての考慮がなされていない場合には、
溶剤をしみ込ませた布等で拭くと、最表面から各層が次
第に取り除かれると、やがては露出した模様が消失して
しまう恐れがある。化粧材の分野においては、種々の物
理的、または化学的な要求性能があるが、模様が消失し
てしまうと、基体シートが残っていたとしても、対象物
に貼って、表面を化粧するという化粧材の本来的な機能
を果たさなくなる。又上記公報開示の製造法に於いて
は、特に基材として紙、不織布等の吸収・浸透性基材を
用いた場合、図2に示す如く粒状固形分含有の浸透性が
高い高浸透性模様層6非形成部に於いても、通常の着色
層3、及び模様層4は必ずしも全面を覆っていない場合
も多い上に、粒状固形顔料を含み且つ網点から構成され
ているが故に、該模様層6非形成部直上の本来艶有り部
乃至は凸部10となるべき表面部分が、塗料の該基材2
への望まざる吸収により、水準が低下し且つ多少なりと
も艶消しとなってしまう。その為、該模様層6の形成部
直上部と非形成部直上部との艶差乃至は凹凸段差が縮小
され、判然としなくなると云う問題が有った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
記の従来技術を踏まえ、耐溶剤性が優れ、溶剤をしみ込
ませた布等で拭いても、模様が消失するまでの耐久性が
高く、層間密着も良好で、その上、模様の位置に同調し
た表面保護層の艶差乃至は凹凸差がより鮮明な化粧材を
提供することが課題である。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明においては、得られる化
粧材の表面の物理的、化学的性状の優れた電離放射線硬
化性樹脂組成物を用いて表面保護層を形成するが、電離
放射線硬化性樹脂組成物の下層への浸透を抑制する塗膜
を硬化性樹脂で形成し、その上にやはり、硬化性樹脂を
用いて、下層の塗膜よりも電離放射線硬化性樹脂組成物
の浸透性が高い模様層を設けることにより、上記の課題
を解決することができた。
【0006】第1の発明は、吸収・浸透性基材の表面
に、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保
護層を有しており、前記基材と前記表面保護層との間
に、全面にわたって形成された、硬化性樹脂が架橋硬化
したものからなる、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の
浸透性が低い一様均一な浸透抑制塗膜層と、充填剤を含
む硬化性樹脂が架橋硬化したものからなる前記電離放射
線硬化性樹脂組成物の浸透性が前記塗膜より高い高浸透
性模様層とがこの順に積層されてなり、且つ前記表面保
護層は前記模様層の直上部が、その周囲に比べて凹部と
なっていることを特徴とする化粧材に関するものであ
る。第2の発明は、第1の発明において、不飽和ポリエ
ステルウレタンポリオールをイソシアネートにより架橋
硬化せしめてなるポリウレタン樹脂から構成され、且つ
表面保護層が、(メタ)アクリレートのプレポリマー、
オリゴマー、又は/及びモノマーの架橋硬化したものか
ら構成されることを特徴とする化粧材に関するものであ
る。第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記
塗膜層が艶消し性であることを特徴とする化粧材に関す
るものである。第4の発明は、第1または第2の発明に
おいて、前記基材は、別の模様層が表面に積層されたも
のであることを特徴とする化粧材に関するものである。
第5の発明は、第1または第2の発明において、前記基
材は、一様均一な着色層と別の模様層とがこの順に積層
されているものであることを特徴とする化粧材に関する
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材の典型的な構造を
図1を引用して説明すると、化粧材1においては、基材
2上に一様均一な着色層3が積層され、着色層3上に模
様層4が積層されており、模様層4上には、最上層を形
成するための電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性が低
い一様均一な浸透抑制塗膜層5が積層され、さらにその
上に、下層の塗膜層5よりも電離放射線硬化性樹脂組成
物の浸透性が高い高浸透性模様層6が積層されていて、
最上層に電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表
面保護層7が積層されている。表面保護層7の直上面
の、下層の高浸透性模様層6に応じた位置には、電離放
射線硬化性樹脂組成物の該高浸透性模様層6への浸透に
より生じ、周囲よりも凹部になるとともに艶が相対的に
消えた(低光沢度の)艶消部8を有している。又艶消部
8以外の部分は、周囲よりも相対的に凸であるとともに
艶の高い(高光沢度の)艶有部9となっている。図1
(a)と図1(b)は共に本発明の実施例の断面図であ
る。図1(b)は凹部8の落ち込み度合いが図1(a)
よりも多い状態を示すものである。
【0008】基材2としては、通常、化粧材に用いられ
ている素材であれば、いずれも使用可能であり、大別す
れば、各種の紙類、プラスチックフィルム又はプラスチ
ックシート、金属箔、金属シート、又は金属板、木材な
どの木質系の板、各種の窯業系素材等の各群である。こ
れら各群の中でも、本発明が最もその作用効果を有効に
奏するものは、吸収・浸透性基材である。吸収・浸透性
基材は、上記例示の群のうち、紙類、木質系の板、或い
は窯業系素材、多孔質プラスチックシート、多孔質金属
の箔、シート又は板等が挙げられる。これら各群に含ま
れる素材は単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や
紙とプラチスチックフィルムの複合体等、これら素材の
任意の組合わせによる積層体も利用できる。これらの基
体は、色彩を整える意味で塗装を施されていたり、デザ
イン的な観点で通常の模様が予め形成されていてもよ
い。塗装や通常の模様形成に先立って表面が平滑化され
ていたり、模様の密着度を上げるために、必要に応じ
て、接着性を向上させるために、コロナ放電処理等の物
理的な処理のほか、プライマー層を形成する等の処理を
行なってもよい。塗装や通常の模様形成後にも、後の加
工を容易にするための接着性改善処理を施して差し支え
ない。
【0009】各種の紙類としては、以下のものが代表的
なものとして例示される。即ち、薄葉紙、クラフト紙、
チタン紙、予め紙間の強化の目的で樹脂を含浸してある
樹脂含浸紙も使用できる。これらの他、リンター紙、板
紙、石膏ボード用原紙、建材分野で使われることの多い
一群の原反が挙げられる。更には、事務分野や通常の印
刷、包装などに用いられる次の紙類も使用可能である。
即ち、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン
紙、パーチメント紙、パラフィン紙、又は和紙等であ
る。又、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と
性状を持つ次のような各種繊維の織布や不織布も基材2
として使用できる。各種繊維とは即ち、ガラス繊維、石
綿繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ
繊維、若しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエス
テル繊維、若しくはビニロン繊維などの合成繊維であ
る。
【0010】プラスチックフィルム又はプラスチックシ
ートとしては、次に例示するような各種の合成樹脂から
なるものが挙げられる。各種の合成樹脂とは、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹
脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹
脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン−ビニルアルコール共重合樹脂等のビニル系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリエチレンナフタレート、エチレン−
テレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、
ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アク
リル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹
脂、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合樹脂等のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイ
ロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロ
ース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂
等である。或はこれらの樹脂中に体質顔料を添加して延
伸したり、発泡剤を添加して発泡させたりして得られる
多孔質樹脂も用いられる。
【0011】金属箔、金属シート、又は金属板としては
次に例示するような金属からなるものである。即ち、ア
ルミニウム、ジュラルミン、鉄、炭素鋼、ステンレス
鋼、又は銅等である。しばしば表面にめっき等を施して
使用することがある。或は、これら金属の板等の表面に
多孔質の酸化物層を形成したものも用いられる。各種の
木質系の板としては、木材の単板、合板、パーチクルボ
ード、又はMDFと呼ばれる中密度繊維板等が挙げられ
る。窯業系素材としては、石膏ボード、珪酸カルシウム
板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、土器、
ガラス、ホウロウ、焼成タイル等が例示される。これら
の他、繊維強化プラスチックの板、ペーパーハニカムの
両面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリ
エチレン樹脂をサンドウィッチしたもの等、各種の素材
の複合体も基材2として使用できる。
【0012】着色層3と模様層4は、いずれも基材2に
装飾性をもたらす手段である。着色層3の役割は、基材
2上の表面の色を整えることで、基材2自身が着色して
いたり、色ムラがあるときに形成して、基材2の表面に
意図した色彩を与えるものである。不透明色で形成して
あることが多いが、着色した透明色で形成し、下地が持
っている模様を活かす場合もある。本やポスター等を造
る際の印刷では、対象となるのは紙であり、それらの紙
は多少の相違はあっても、いずれも白色であるものが多
く、印刷濃度の薄い部分では、白色の下地が見えて、ハ
イライト部を形成するのて、むしろ、着色層3は形成し
ない。一般的に基材2が白色で、それを活かす場合や、
基材2自身が適切に着色されている場合には、着色層3
の形成は省略できる。
【0013】模様層4は基材2に装飾性を与える主要な
手段である。種々の模様をインキと印刷機を使用して印
刷することにより形成されたものである。此の模様層
は、後述の高浸透性模様層6とは異なり、特別には表面
保護層の浸透性を高める工夫は行わない通常の公知のイ
ンキから成る。模様としては、木目模様、砂目模様、大
理石模様等の岩石の表面を模した模様、布目や布上の模
様を模した布地模様、水玉模様、縞模様、花柄模様、タ
イル模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワー
ク等の模様もある。これらの模様は、既に存在するもの
をベースとするが、かなり自由な発想により作り変えた
ものである。あるいは、人為的にデザインされた模様も
使用できる。更には、上記した模様から出発して、これ
を素材として、拡大・縮小、回転、切り抜き、繰り返
し、合成、特徴点の抽出もしくは間引き、またはデフォ
ルメ等を単独または組み合わせて使用し、新たな模様を
創出することもできる。これらの模様は通常のプロセス
カラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構
成する個々の色の版を用意して行なう特色による多色印
刷等によっても形成される。
【0014】着色層3および模様層4は、互いにほぼ同
様の塗料組成物またはインキ組成物を使用して形成する
ことができる。使用する塗料組成物またはインキ組成物
中の樹脂成分としては熱硬化性(2液反応硬化性のもの
も包含する)または電離放射線硬化性のものが適してい
る。熱硬化性樹脂としては、種々のものがあり、原則的
にいずれも使用できるが、本発明の大半を占めるシート
状の化粧材においては、シートのフレキシビリティーを
維持する意味で、熱硬化性樹脂としても、フレキシビリ
ティーを有するものが望ましく、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂等、特にポリウレタン樹脂が好ま
しい。
【0015】電離放射線硬化性樹脂組成物としては、分
子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイル
オキシ基等の重合性不飽和結合または、エポキシ基を有
するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを
適宜に混合したものを用いる。尚、(メタ)アクリロイ
ル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基と云う
意味である。
【0016】電離放射線硬化性樹脂組成物中のプレポリ
マー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と
多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)ア
クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエー
テル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリレート類、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げら
れる。尚ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレ
ート、又はメタクリレートと云う意味である。電離放射
線硬化性樹脂組成物中のモノマーの例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)ア
クリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸エトキシ
メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アク
リル酸エステル類(尚ここで、(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸又はメタクリル酸と云う意味であ
る。)、メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジエチルア
ミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジ
メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸−2−
(N,N−ジベンジルアミノ)メチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル等の不
飽和置換の置換アミノアルコールエステル類、(メタ)
アクリルアミド、等の不飽和カルボン酸アミド、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、等の(メタ)アクリレート系多官能性化合物、及び
/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオ
ール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグ
リコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレ
ート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等
が挙げられる。
【0017】通常、電離放射線硬化性樹脂組成物中のモ
ノマーとしては、以上の化合物を必要に応じて1種若し
くは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性樹
脂組成物に通常の塗布適性を与えるために、前記のプレ
ポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記モノマー
及び/又はポリチオール化合物を95重量%以下とする
のが好ましい。電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、
硬化させたときのフレキシビリティーが要求されるとき
は、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のア
クリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化
性樹脂組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐
熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ
以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化
性樹脂組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1
のものとして、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、
2−ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレートが挙げられる。官能基が2のもの
として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙
げられる。官能基が3以上のものとして、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクレリート等が挙げられる。電離放
射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させたときのフレ
キシビリティーや表面硬度等の物性を調整するため、電
離放射線硬化性樹脂組成物に、電離放射線照射では硬化
しない樹脂を添加することもできる。具体的な樹脂の例
としては次のものがある。ポリウレタン樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル等の熱可塑性樹脂である。中でも、ポリウレタン樹
脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の添
加がフレキシビリティーの向上の点で好ましい。電離放
射線硬化性樹脂組成物の塗布後の硬化が紫外線照射によ
り行われるときは、光重合開始剤や光重合促進剤を添加
する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基
を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフ
ェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カ
チオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開
始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウ
ム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベン
ゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用
いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性樹脂
組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部であ
る。
【0018】上記の樹脂成分には、着色剤として顔料や
染料、その他の添加剤、溶剤、希釈剤等を添加し、混練
して塗料組成物またはインキ組成物を調製する。顔料と
しては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群
青等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノ
ンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、アル
ミニウム、真鍮、二酸化チタン被覆雲母等の鱗片状箔粉
からなる光輝性顔料等が用いられる。着色層3または模
様層4の形成は、上記の塗料組成物またはインキ組成物
を使用して、公知の塗装方法ないし印刷方法により行な
う。例えば、ロールコーティング、グラビアコーティン
グ、スプレイコーティング等の塗装方法、グラビア印
刷、オフセット印刷、凸版印刷、インキジェット印刷、
またはスクリーン印刷等が利用できる。乾燥はこれらの
手法を実施する際に使用する機械に付属しているものを
使用して行なえばよいが、熱硬化性の樹脂成分を使用す
るときは、加熱、比較的低い温度での長時間加温、また
は常温での放置により硬化させ、電離放射線硬化性の樹
脂成分を使用するときは、紫外線または電子線の照射を
行なう。電離放射線硬化性樹脂を用いた場合の、該樹脂
を硬化させるために用いられる電離放射線照射装置は、
紫外線を照射する場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低
圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライトランプ、
メタルハライドランプ等の光源が用いられ、又、電子線
を照射する場合には、コックロフトワルトン型、バンデ
グラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは
直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加
速器等を用いる。紫外線の照射量としては、通常190
〜380nm程度の波長域を主体とする紫外線を50〜
1000mJ/cm2程度の照射量とする。電子線の照
射量は、通常100〜1000keV、好ましくは10
0〜300keVのエネルギーを持つ電子を1kGy
(0.1Mrad)〜300kGy.(30Mrad)程
度の照射量で照射する。照射量が0.1Mrad未満の
場合、硬化が不十分となる虞れがあり、又、照射量が3
0Mradを超えると、硬化した塗膜或いは基材が損傷
を受け、黄変等変色したり、強度が低下したりする虞れ
が出てくる。
【0019】本発明の化粧材においては、着色層3を伴
なうか伴なわないで模様層4を有するか、あるいは模様
層4も伴なわずに、基材上2に、表面保護層形成用の電
離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性が低い一様均一な浸
透抑制塗膜層5を有している。浸透抑制塗膜層5の機能
は、後述する表面保護層形成用の電離放射線硬化性組成
物が基材2に浸透することを抑制することにある。この
塗膜層5が無いと、表面保護層7を形成するための電離
放射線硬化性組成物を塗工した際に、下層の模様層4中
に、着色層3がある場合には着色層3中に、あるいは基
材が吸収浸透性を有していれば、基材2中に、塗工され
た組成物のかなりの部分が浸透し、表面保護層7の厚み
が減ると共に表面の平滑度も低下するために、高浸透性
模様層6直上部とその周囲との凹凸乃至は艶の差が低減
し目立たなくなってしまうと共に、耐溶剤性等の必要な
表面性能を得ることが出来なくなる。
【0020】浸透抑制塗膜層5を形成するには、好まし
くは、熱硬化性(2液反応硬化性のものも包含する)ま
たは電離放射線硬化性の塗料組成物ないしインキ組成物
を用いるが、これら組成物の樹脂成分は、基本的には前
記した着色層3および模様層4形成用の塗料組成物また
はインキ組成物と同様であるが、好ましくはポリウレタ
ン樹脂が、浸透抑制効果、可撓性、接着性等の点で好ま
しい。ポリウレタン樹脂(ポリウレタン)としては、ポ
リオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネー
トを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタン樹脂である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有す
るもので、例えばポリウレタンポリオール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポ
リオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、等が用いられ
る。これらの中でも、表面保護層が(メタ)アクリレー
ト系のプレポリマー、オリゴマー或はモノマーから成る
場合には、特に不飽和ポリエステルウレタンポリオール
が好ましい。此の種のポリオールを用いることにより、
塗膜層中の不飽和ポリエステル部分が、表面保護層中の
(メタ)アクリロイル基と化学結合し、塗膜層と表面保
護層との接着がより強化される。該不飽和ポリエステル
ウレタンポリオールは、不飽和結合を有するポリエステ
ルポリオールとイソシアネートとを反応させてポリウレ
タンとさせると共に、分子中に余剰の水酸基を残留せし
めて得られるものである。また、イソシアネートとして
は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価
イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イ
ソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネ
ートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネー
トの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、
トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシ
アネート3量体(trimer)等がある。尚、上記イ
ソシアネートに於いて脂肪族(乃至は脂環式)イソシア
ネートは耐候性、耐熱黄変性も良好に出来る点で好まし
く、具体的には例えばヘキサメチレンジイソシアネート
が挙げられる。ただ、この塗膜層5を形成する際には、
下層の模様層4(着色層3を伴なう場合には着色層3
も)が、基材に対して色彩や模様を与えているので、塗
膜層形成用の塗料組成物またはインキ組成物には、顔料
や染料を添加して着色する必要は本質的にはない。な
お、外観の艶をどのように設定するかにもよるが、この
塗膜層5に艶消し剤を適用し、化粧材の艶を調整しても
よい。艶消し剤を添加すると、一般的な塗料を使用した
とき、塗膜層5の電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性
が増す傾向があるため、添加は必ずしも好ましくはない
が、熱硬化性または電離放射線硬化性の塗料組成物ない
しインキ組成物を使用することにより、電離放射線硬化
性樹脂組成物の浸透性が増すことを抑制できる。なお、
過度な量の艶消し剤を添加すると、化粧材の外観が白濁
し、意匠的な観点では好ましくない。また、ポリエステ
ルポリオールに、イソシアネートに加えてトリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能モノマ
ーを配合しておき、表面保護層を紫外線又は電子線の照
射により硬化させる際に、架橋硬化させると、化粧材の
耐久性、特に耐溶剤性をより一層向上させることかで
き、より好ましい。塗膜層5の厚みは、充填剤の添加量
によっても多少異なるが、1〜5μm程度であり、均一
性が要求されるため、塗布手段または印刷手段を2回使
用して連続的に2回形成するのがよい。塗膜層5を形成
する際の乾燥、硬化は前に述べた着色層3、模様層4の
形成の際と同様である。
【0021】塗膜層5上には、充填剤を含む硬化性樹脂
が架橋硬化したものからなり、而も電離放射線硬化性樹
脂組成物の浸透性が前記塗膜層5より高い高浸透性模様
層6を形成する。ここで用いる塗料組成物またはインキ
組成物は、前記した着色層3および模様層4形成用の塗
料組成物またはインキ組成物と同様であり、高浸透性模
様層6の形成方法も同様である。充填剤としては、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオラ
イト、珪藻土、活性白土、カオリナイト等の無機質粒
子、プラスチックのビーズの細かいもの、等が使用で
き、模様層6の厚みにもよるが、模様層6形成用の塗料
組成物またはインキ組成物中の樹脂成分(架橋硬化によ
り樹脂固形分となるものを含める)100重量部に対し
て充填剤を1〜100重量部を添加して使用する。な
お、充填剤の中には、高浸透性模様層6を形成したとき
に、高浸透性模様層6を白色化させるものがあり、その
意味では、微粉シリカと呼ばれるのがより好ましい。前
記した浸透抑制塗膜層5形成時にも充填剤を添加するの
で、該塗膜層5上の高浸透性模様層6の方が、該塗膜層
5よりも、電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性が高く
なるようにする。該塗膜層5に充填剤が添加されている
ときは、高浸透性模様層6を形成する際に用いる塗料組
成物もしくはインキ組成物中の樹脂成分100重量部に
対する充填剤の添加割合を、該塗膜層5を形成するとき
にくらべて、2倍以上とするか、添加割合は同じで、充
填剤の粒径を2倍以上にするとよい。充填剤の粒径が1
0μm以上の場合は、添加量を塗料組成物もしくはイン
キ組成物中の樹脂成分100重量部に対して200重量
部以下にした方が、模様層6の白色化が過大とならず好
ましい。或いはまた添加する充填剤として、ゼオライ
ト、珪藻土、活性白土等の多孔質の粒子を選ぶことも好
ましい。高浸透性模様層6としては、前記した装飾の意
味の模様層4が表現しようとしている模様のうち、凹部
としたり、或いは艶を消したい部分を抽出したものを、
模様層4と同調させて形成するとよいが、あるいは下層
の模様層4と必ずしも同調しないこともあり得る。木目
模様のうちでも板目模様の導管等は同調させた方がよ
い。タイルの目地の模様も同様である。同調させてもま
ずくはないが、必ずしも同調させなくてよいものとし
て、皮革の表面の凹凸、木目模様のうちの柾目模様の凹
凸、布目模様の凹凸等がある。一般的に言って、化粧材
の模様が細かく、しかも繰り返し模様である場合には、
高浸透性模様層6を必ずしも下層の模様層4と同調させ
なくてよいが、模様が大きく、繰り返し模様ではない場
合には、同調させた方がよい。塗膜層5を形成する手
法、乾燥、硬化に関しては、前に述べた着色層3、模様
層4の形成の際と同様である。
【0022】表面保護層7は、本発明の化粧材の最表面
に被覆されたものであり、電離放射線硬化性樹脂組成物
が架橋硬化したものであって、表面保護層7を形成する
ための素材は、今までの説明で出てきたものと同様であ
る。なお、この表面保護層7は化粧材の表面の艶を調整
する意味で、艶消し剤を含んでいてよい。表面保護層7
を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物としては、着色
層3及び模様層4に使用する塗料又はインキ組成物の材
料として例示したものと同様のものから選択する。表面
保護層7の厚みは、表面保護の目的から厚い方がよい
が、要求される性能や、経済性、基材がシート状である
場合に必要なフレキシビリティー等の観点から、基材が
シート状であれば、2〜10μmが厚みとして好まし
く、基材が板状であれば、5〜100μm程度の厚みが
好ましい。表面保護層7を形成する手法、乾燥、硬化等
に関しても、前に述べた着色層3、および模様層4の形
成の際と同様である。表面保護層7の表面には、高浸透
性模様層6への表面保護層の吸収・浸透に起因して、凹
部、乃至は艶消部が形成される。不均一な吸収・浸透の
為、或いは該模様層6中の充填剤粒子の凹凸の為、凹部
の表面が粗面になると、これが光を乱反射して艶消(低
光沢)となる。
【0023】
【実施例】(実施例1)薄葉紙(三興製紙(株)製、F
LEX30、厚み30μm)に2液硬化型ポリウレタン
樹脂系インキ(昭和インク工業所製、UE2液)を使用
し、グラビア印刷により、着色層と模様層を順に形成し
た。続いて、若干マットな以外、ほぼ透明なインキ組成
物と、版深54μmのグラビアベタ版を使用して模様層
上にベタ印刷の2回重ね刷りを行なって、厚み3μm
(乾燥後)の表面保護層形成用の塗料の浸透を抑制する
浸透抑制塗膜層を形成した。インキ組成物としては不飽
和ポリエステルウレタンポリオールと1、6−ヘキサメ
チレンジイソシアネートとを100対8重量比混合して
なる2液硬化型ポリエステルポリウレタン樹脂系インキ
((株)インクテック製、インキ100重量部に対し、
平均粒径5μmのシリカ粒子を2重量%添加)を使用し
た。塗膜を形成した直後に、皮膜形成後、浸透性を呈す
るインキを使用して、同じくグラビア版を使用し、木目
導管模様を呈する高浸透性模様層を先の木目模様に同調
させて印刷し、熱風乾燥機で設定温度160℃で30秒
間の加熱を行なって木目印刷紙を得た。なお、高浸透性
模様層形成には、1液硬化型ポリウレタン樹脂系インキ
((株)インクテック製、透明インキ100重量部に対
し、平均粒径10μmのシリカ粒子を10重量%添加)
を使用した。上記の木目印刷紙の表面に、電子線硬化性
塗料(3官能ポリエステルアクリレートプレポリマー6
0重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート1
0重量部、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート2
9重量部、シリコンアクリレート1重量部とから成る)
をグラビア印刷により、5g/m2(硬化後の固形分換
算)の塗布量で塗布し、塗布面に加速電圧175KV、
照射線量3Mradの電子線を照射して硬化させ、木目
導管状の高浸透性模様上の塗膜が該高浸透性模様層に一
部浸透したことにより、周囲にくらべて凹部となり且つ
艶が消えた図1に示す如き断面構造の木目化粧シートを
得た。
【0024】(実施例2)実施例1における着色層と模
様層を形成するための2液硬化型ポリウレタン系インキ
をアクリル樹脂とニトロセルロースとの混合物をバイン
ダーとする熱可塑性樹脂をバインダーとするインキに変
更し、その他は実施例1と同じようにして木目化粧シー
トを得た。
【0025】(実施例3)実施例1における浸透抑制塗
膜層を形成するための2液硬化型ポリエステルポリウレ
タン樹脂系インキを、不飽和ポリエステルウレタンポリ
オール100重量部、1、6−ヘキサメチレンジイソシ
アネート8重量部、およびトリメチロールプロパントリ
アクリレート1重量部をバインダーとするインキに変更
し、その他は実施例1と同じようにして木目化粧シート
を得た。
【0026】(比較例1)実施例1における木目導管模
様の高浸透性模様層を形成するための1液硬化型ポリウ
レタン樹脂系インキに添加するシリカの粒径を実施例1
で用いたのより小さい5μmのものに変更し、その他は
実施例1と同じようにして木目化粧シートを得た。
【0027】(比較例2)実施例1における浸透抑制塗
膜層を形成するための2液硬化型ポリエステルポリウレ
タン樹脂系インキに添加するシリカの粒径を実施例1で
用いたのより大きい10μmのものに変更し、その他は
実施例1と同じようにして木目化粧シートを得た。
【0028】(比較例3)実施例1における木目導管模
様を形成するための1液硬化型ポリウレタン樹脂系イン
キに添加するシリカの添加量を実施例1におけるより増
加させて30重量部とし、その他は実施例1と同じよう
にして木目化粧シートを得た。
【0029】(比較例4)実施例2に於いて浸透抑制塗
膜層を形成しなかった以外は実施例2と同じようにして
木目化粧シートを得た。
【0030】上記の実施例1〜3、および比較例1〜4
で得られた木目化粧シートを次のようにして評価した結
果を「表1」に示す。評価項目および評価方法は次のと
おりである。 密着性;表面に2mm間隔の碁盤目状の切り目を入
れ、幅1インチのセロハン粘着テープ(ニチバン株式会
社製1インチ幅)を使用して3回剥離試験を行ない、剥
離がないものを○、あるものを×とした。 耐スチールウール摩擦性;スチールウールで表面を摩
擦し、傷がつかないものを○、傷がつくものを×とし
た。 耐溶剤性;1Kgのおもりにコットンを巻き付けたも
のを使用し、コットンにメチルエチルケトンをしみ込ま
せて往復させ、模様が消失したときの回数を示す。 凹凸感;艶差による凹凸感の表現を試みた木目導管模
様を目視で観察し、凹凸感じの有無を判定し、良好なも
のを○、凹凸感が乏しいものを△とした。凹凸感が判然
とし無いものを×とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】第1の発明によれば、吸収・浸透性基材
の表面に、電離放射線硬化性樹脂組成物が架橋硬化した
表面保護層を有しており、かつその下にあって、表面保
護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性の高
い高浸透性模様層、さらにその下のやはり電離放射線硬
化性樹脂組成物が架橋硬化した浸透抑制塗膜層とが積層
されているので、これらすべてが溶剤によりぬぐい、除
去されるには、かなりの回数を要する耐溶剤性の高い化
粧材を提供できる。又それに加えて、吸収・浸透性基材
の表面全面を浸透抑制塗膜層で被覆してある為、高浸透
性模様層の非形成部に於ける表面保護層の不要な基材へ
の吸収・浸透が起こらない。その為、該模様層形成部直
上部と該模様層非形成部直上部との凹凸の高さ及び艶の
差がより強調されて鮮明となる。第2の発明によれば、
特に表面保護層が(メタ)アクリレートのプレポリマー
等の(メタ)アクリロイル基を有する塗料組成物からな
り、且つ浸透抑制塗膜層が、不飽和ポリエステルウレタ
ンポリオールとイソシアネートからなる為該表面保護層
中の(メタ)アクリロイル基が該浸透抑制塗膜層中の不
飽和ポリエステル部分と化学結合する。その為、該表面
保護層と該浸透防止層との接着がより良好となり、層間
の密着性、耐スチールウール性、及び耐溶剤性もより良
好となる。第3の発明によれば、第1の発明の効果に加
え、塗膜層を艶消しとしたので、耐久性のある艶消化粧
材を提供できる。第4の発明によれば、第1〜第3の発
明の効果に加え、基材が別の模様層を有したものである
ので、さらに装飾性が増した化粧材を提供できる。第5
の発明によれば、基材が別の模様層と、その下層の一様
均一な着色層とを備えているため、さらに一層装飾性が
増す上、基材の色ムラがあるときには、その色ムラも解
消された化粧材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施例の断面図である。
【図2】従来の化粧材(比較例)の断面図である。
【符号の説明】
1 化粧材 2 基材 3 着色層 4 模様層 5 浸透抑制塗膜層 6 高浸透性模様層 7 表面保護層 8 凹部(艶消部) 9 凸部(艶有部) 10 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/40 B32B 27/40 Fターム(参考) 4D075 CA32 CB02 CB21 DA06 DC01 DC31 EA21 EB38 4F100 AK01B AK01C AK01D AK25B AK51C AL05B AT00A BA05 BA07 BA10A BA10B BA26 CA23D DD01B EH46 GB08 HB00E JB04B JB04C JB04D JB07 JB12C JB12D JB14B JL00 JN00E JN21 JN26 JN26C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収・浸透性基材の表面に、電離放射線
    硬化性樹脂組成物が架橋硬化した表面保護層を有してお
    り、前記基材と前記表面保護層との間に、全面にわたっ
    て形成された、硬化性樹脂が架橋硬化したものからな
    る、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の浸透性が低い一
    様均一な浸透抑制塗膜層と、充填剤を含む硬化性樹脂が
    架橋硬化したものからなる前記電離放射線硬化性樹脂組
    成物の浸透性が前記塗膜より高い高浸透性模様層とがこ
    の順に積層されてなり、且つ前記表面保護層は前記高浸
    透性模様層の直上部が、その周囲に比べて凹部となって
    いることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 前記塗膜層が、不飽和ポリエステルウレ
    タンポリオールをイソシアネートにより架橋硬化せしめ
    てなるポリウレタン樹脂から構成され、且つ表面保護層
    が、(メタ)アクリレートのプレポリマー、オリゴマ
    ー、又は/及びモノマーの架橋硬化したものから構成さ
    れることを特徴とする請求項1記載の化粧材。
  3. 【請求項3】 前記塗膜層は、艶消し性であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の化粧材。
  4. 【請求項4】 前記基材は、別の模様層が表面に積層さ
    れたものであることを特徴とする請求項1または2記載
    の化粧材。
  5. 【請求項5】 前記基材は、一様均一な着色層と別の模
    様層とがこの順に積層されているものであることを特徴
    とする請求項1または2記載の化粧材。
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