JP4489215B2 - 耐摩耗性化粧材 - Google Patents
耐摩耗性化粧材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4489215B2 JP4489215B2 JP20323799A JP20323799A JP4489215B2 JP 4489215 B2 JP4489215 B2 JP 4489215B2 JP 20323799 A JP20323799 A JP 20323799A JP 20323799 A JP20323799 A JP 20323799A JP 4489215 B2 JP4489215 B2 JP 4489215B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hard particles
- resin
- ionizing radiation
- curable resin
- radiation curable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧材として利用させれる化粧材に関し、特に表面の耐摩耗性が要求される用途に使用される化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の内装や家具、キャビネット等の装飾用の表面に使用される化粧シートとして、基材シートの片面に絵柄層又はベタ印刷層等の印刷インキ層を設け、このインキ層を保護するために、トップコート層として、熱硬化型のウレタン樹脂等を塗布し、熱乾燥、熱硬化させて熱硬化性樹脂層を形成する方法、又は電離放射線硬化性樹脂を塗布し、電離放射線を照射して塗膜を硬化して、表面に硬化した電離放射線硬化性樹脂層を形成する方法がある。
特に、架橋密度の高い電離放射線硬化性樹脂を用いて硬化した電離放射線硬化性樹脂層は、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等の物性に優れたものである。
【0003】
上記の如くバインダー樹脂として硬い樹脂を使用することで、確かに耐摩耗性は向上する。
従来から、建築物の内層や家具、キャビネット等の装飾用の材料として、メラミン化粧板、ダップ化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合板、塩化ビニル化粧板等の各種化粧材が用いられている。
メラミン化粧板等のように硬質の基材を用いた化粧材の場合は、表面樹脂層の柔軟性はあまり問題にならないので、耐摩耗性を改良する方法として、表面に硬い樹脂を使用することは有効な手段である。
しかし、基材として、厚みの薄い紙やプラスチックシートのような柔軟性を有する基材を使用する場合は、樹脂の架橋密度を高くすると樹脂層の柔軟性が損なわれて、表面樹脂層が衝撃によって割れたり、亀裂が発生し易くなる等の問題が生じる。
従って、表面樹脂の架橋密度を上げて、耐摩耗性を改良しようとしても、柔軟性を要求される場合は限界があった。
【0004】
そのため、樹脂層の柔軟性を低下させずに耐摩耗性を改良する方法として、樹脂層に無機材料を添加する方法が、従来から行われている。
例えば、特開昭60ー23642号公報には、サンドブラスト法やブラシ研磨法等の研磨剤として使用されている平均粒径が1〜50μmのシリカ(SiO2 )及びアルミナ(Al2 O3 )を主成分とする天然ガラスの粉末を配合した塗料を用いて、表面保護層を形成することが開示されている。
上記塗料によって形成された表面保護層は、従来品に比べて、硬度が硬く、且つ柔軟性を有し、耐摩耗性や耐擦傷性に優れた物性を示した。
【0005】
また、転写シートの場合は、転写後の被転写体の表面の耐摩耗性や耐擦傷性を向上させる目的で、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂に、平均粒径1〜50μmのアルミナ粉末を、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して10〜30重量部添加し、このアルミナ含有電離放射線硬化性樹脂を用いて転写シートの保護層を形成することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記アルミナや天然ガラスの粉末等の無機フィラーを添加した塗料を用いて化粧材の保護層を形成した場合、無機フィラーを添加しないものより化粧材の耐摩耗性は向上するが、無機フィラーの添加により、保護層の表面に無機フィラーが突出して、表面のザラツキが生じ、感触を重視するものには利用できなった。
特に、床材に使用したとき、履物等のように、この化粧材に直接接触する場合は、その物体を摩耗させたり、損傷させるという問題もあった。
また、上記無機フィラーを添加した塗料を用いて、グラビアロールコート法により基材にコートする場合、無機フィラーのアルミナや天然ガラスの粉末は角が尖った多角形状であるため、グラビアロールやドクターブレードを摩耗させたり、傷つけたりして、加工上大きな問題であった。
【0007】
更に、紙などの含浸性基材を用いて電離放射線硬化性樹脂等の粘度の低い塗工液を塗布した場合、電離放射線硬化性樹脂が紙に含浸して無機フィラーを保持している電離放射線硬化性樹脂が少なくなり、無機フィラーが電離放射線硬化性樹脂層に十分保持されなくなり、十分な耐摩耗性を発揮できなくなる問題もあった。
特に、塗工液を塗布後、乾燥及び樹脂を硬化させるため加熱した場合、加熱により塗工液の粘度が低下して基材に浸透し、バインダー樹脂が少なくなって、フィラーの保持力が弱くなり、十分な耐摩耗性を発揮できなくなることもあった。
【0008】
本発明は、表面保護層を形成するバインダー樹脂に添加するフィラーとして、硬化後のバインダー樹脂の硬度より固い硬質粒子で、且つ密度の異なる二種類の硬質粒子を選定し、該硬質粒子を含有するバインダー樹脂で表面保護層を形成する際に、低密度の硬質粒子が保護層の表面側に分布し、高密度の硬質粒子が保護層の下側(基材側)に分布するようにして、上記問題の解決を図った。
即ち、高密度の硬質粒子として球状のアルミナ(α−Al2 O3 )、低密度の硬質粒子として不定形シリカ(SiO2 )を用い、また、バインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂を用いることにより、表面の感触がよく、且つ耐摩耗性に優れていて、これに接触する物体を摩耗させることもない化粧材を得ることができた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、化粧材の構成を以下のようにした。基材の上に、バインダー樹脂の中に硬質粒子を含有する塗膜を積層した化粧材において、該硬質粒子が、高密度の粒子径が20〜23μmの球状のα−アルミナと低密度の粒子径が10〜15μmの不定形シリカおよび粒子径が2μm以下の微粉末の不定形シリカの密度の異なる二種類の硬質粒子からなり、且つ前記バインダー樹脂はその硬度が前記硬質粒子の硬度の方がより固い硬度となる電離放射線硬化性樹脂からなると共に前記高密度の硬質粒子が塗膜の表面に突出しないように前記高密度の硬質粒子の最大直径より塗膜を厚く形成したことを特徴とする耐摩耗性化粧材とした。また、前記二種類の硬質粒子を含有する塗膜において、前記硬質粒子の中で、低密度の硬質粒子が塗膜の表面側に分布し、高密度の硬質粒子が塗膜の下側(基材側)に分布していることを特徴とする耐摩耗性化粧材とした。
【0010】
即ち、基材の表面に、絵柄層を設け、その上にフィラーを含有する電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなる保護層を形成して耐摩耗性化粧材を作製する際に、電離放射線硬化性樹脂に添加するフィラーとして、硬化した電離放射線硬化性樹脂より硬度の高い硬質粒子で、且つ密度の異なる二種類の硬質粒子を用い、低密度硬質粒子が保護層の表面側に分布し、高密度硬質粒子が保護層の下側(基材側)に分布するように保護層を形成したものである。
また、電離放射線硬化性樹脂からなる保護層の厚さを高密度硬質粒子の最大直径より厚くして、高密度硬質粒子が保護層の表面に突出しないようにして、化粧材表面のザラツキを防止した。
そして、高密度硬質粒子として球状のアルミナ(粒径15〜23μm)を用い、低密度の硬質粒子として不定形シリカ(粒径10〜15μm)及び微粉末のシリカ(粒径2μm以下)を用いて、保護層形成の際に、低密度の硬質粒子が保護層の表面側に分布し、高密度硬質粒子が保護層の下側(基材側)に分布するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照にしながら本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の耐摩耗性化粧材の一例を示した模式断面図である。
図2は本発明の耐摩耗性化粧材の別の態様で、基材にベタ印刷層及び絵柄層を形成し、その上に保護層を形成して耐摩耗性化粧材としたときの模式断面図である。
図3は本発明の耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
図4は本発明の耐摩耗性化粧材を作製する際に、高密度の粒子と低密度の粒子を上下に分布させるときの説明図である。
図5は基材に紙を用いて耐摩耗性化粧材を作製するとき、プライマー層を設けて樹脂の浸透を抑制する場合の説明図である。
図6は実施例1により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
図7は実施例2により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
図8は比較例1により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
【0012】
本発明の耐摩耗性化粧材1は、図1に示すように、基本的には、基材11の片面に、バインダー樹脂より硬度が固い硬質粒子で、密度の異なる二種類の硬質粒子、即ち高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15を含有するバインダー樹脂13からなる保護層12を形成したものである。
そして、その保護層12は、低密度の硬質粒子15が表面側に分布し、高密度の硬質粒子14が下側(基材11側)に分布するように塗膜を形成したものである。
更に、保護層の厚さを、高密度の硬質粒子14の最大直径より厚くして、高密度の硬質粒子14が保護層12の表面に突出しないように保護層12を形成したものである。
また、図2に示すように、基材11に、ベタ印刷層17及び絵柄層16を形成して装飾層を設けた後、その上に高密度の硬質粒子14及び低密度の硬質粒子15を含有するバインダー樹脂13からなる保護層12を形成して耐摩耗性化粧材1としたものである。
【0013】
即ち、本発明の特徴は、バインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂を用い、その電離放射線硬化性樹脂に高密度の硬質粒子14として球状のアルミナ、及び低密度の硬質粒子15として不定形シリカを添加した塗工液を作成し、その塗工液を基材11に塗布して保護層12を形成する際に、保護層12の下側(基材11側)に高密度の硬質粒子14(球状アルミナ)が分布し、保護層12の表面側に低密度の硬質粒子15(不定形シリカ)が分布するようにしたものである。
また、電離放射線硬化性樹脂層(保護層)の厚さを球状アルミナの最大直径より厚くして、球状アルミナが電離放射線硬化性樹脂層の表面に突出しないようにした。
耐摩耗性化粧材の構成を以上のようにすることにより、耐摩耗性が向上すると共に、表面のザラツキがなくなり、滑り性がよく、感触がソフトな化粧材が得られた。
即ち、硬度の高い球状アルミナを塗膜(保護層)の表面に出ないようにすることにより表面のザラツキをなくし、粒子の小さい不定形シリカを表面側に分布させることにより表面平滑性が得られるようにしたものである。
【0014】
高密度の硬質粒子14(球状アルミナ)が保護層12の下側に分布し、低密度の硬質粒子15(不定形シリカ)が保護層12の表面側に分布させるには、塗工液の粘度を調整することにより達成される。
塗工液、即ち電離放射線硬化性樹脂の粘度を調整することにより、高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15の沈降速度が変えられるので、高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15の所定の分布状態が得られる。
【0015】
以下に、本発明の耐摩耗性化粧材の製造方法について説明する。
先ず、図3(a)に示すように、基材11として、含浸紙やプラスチックシートを用いて、この基材11に、グラビア印刷等により着色不透明なベタ印刷層17及び絵柄層16を印刷して、印刷シート2を作製する。
次に、図3(b)に示すように、前記ベタ印刷層17及び絵柄層16を設けた印刷シート2の絵柄層16側に、バインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂を用い、これにに球状アルミナ等の高密度の硬質粒子14と不定形シリカやプラスチック製粒子等の低密度の硬質粒子15を添加して樹脂組成物を調製し、この高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15を含む樹脂組成物をグラビアロールコート法等によりコーティングして未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aからなる塗膜、即ち保護層12を形成する。
次いで、この未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの上から電子線や紫外線等の電離放射線18を照射して未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aを硬化させて、図3(c)に示すように、硬化した電離放射線硬化性樹脂13bからなる保護層12を有する耐摩耗性化粧材1を作製する。
【0016】
上記のように、高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15を添加した樹脂組成物を用いて、印刷シート2にグラビアロールコート法等によりコーティングして保護層12を形成したとき、樹脂組成物の粘度を調製することにより、高密度の硬質粒子14は未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側(印刷シート2の絵柄層16側)に分布し、低密度の硬質粒子15を未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの表面側に分布させることができる。
即ち、印刷シート2の上に形成された未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの粘度がある範囲の中では、時間の経過と伴に、高密度の硬質粒子14は低密度の硬質粒子15より沈降速度が速いので、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側に移行して多く分布するようになる。
【0017】
これ対して、低密度の硬質粒子15は沈降速度が遅いので、コーティング初期は未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの上側に多く分布することになる。時間が経過すれば低密度の硬質粒子15も未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側に移行するが、低密度の硬質粒子15が未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側に移行する前に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aに電離放射線を照射して硬化させれば、表面側に低密度の硬質粒子15が分布し、印刷シート側に高密度の硬質粒子14が分布した保護層12を形成させることができる。
【0018】
しかし、印刷シート2の上に形成された未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの粘度が低い場合は、高密度の硬質粒子14と一緒に低密度の硬質粒子15も未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側に移動し、表面側に残らなくなるので、高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15の分布状態を分けることができなくなる。
また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの粘度が高過ぎる場合は、高密度の硬質粒子14も未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの中を移動できなくなるので、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下側に分布させることができなくなる。
【0019】
また、印刷シート2の上に形成された未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの中の高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15を上下に分布させる方法として以下のような方法がある。
即ち、図4(a)に示すように、前記印刷シートに高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15を含有する電離放射線硬化性樹脂をコーティングして未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aからなる保護層12を形成する。この場合は、比較的高粘度の樹脂組成物を用いてコーティングし、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの中で高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15が移動できない状態にする。
【0020】
次に、図4(b)に示すように、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aを熱風又はヒータ等により加熱して、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの温度を上昇させる。未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aは温度を上昇させることにより、粘度は低下して流動性がよくなるので、高密度の硬質粒子14と低密度の硬質粒子15は未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの中を移動できるようになる。そのため、高密度の硬質粒子14は沈降速度が速いので低密度の硬質粒子15より速く下方に移動し、図4(b)に示すように、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの下方に多く分布するようになり、また、低密度の硬質粒子15は沈降速度が遅いので未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの表面側に多く分布するようになる。
この状態で、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aに電離放射線18を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させ、図4(c)に示すように、硬化した電離放射線硬化性樹脂13bからなる保護層12を有する耐摩耗性化粧材1を作製する。
【0021】
また、前記加熱工程において、基材が紙の場合は、図5(a)に示すように、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aは、粘度の低下に伴って紙に浸透するため、下方(Z方向)に移動すると共に、X及びY方向にも流動して、コーティング時に生じた表面の僅かな凹凸又は波打ちは平らになり平滑な表面になる。
未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aが紙への浸透が多くなり過ぎると、電離放射線硬化性樹脂層が薄くなり、高密度の硬質粒子14や低密度の硬質粒子15が保護層の表面に突出するようになり、本発明の保護層の目的が達成されなくなる。
そのため、図5(b)に示すように、紙にプライマー層23を設けて、未硬化の電離放射線硬化性樹脂13aの紙への浸透を抑制する場合がある。
プライマー層23として、分子量1000程度の不飽和ポリエステルウレタンからなるプライマー液を紙に塗布することにより、電離放射線硬化性樹脂の紙への浸透を抑制することができる。
プライマー層23としては、この他にもアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液が使用される。
【0022】
本発明に用いられる高密度の硬質粒子としては、無機の粒子で、真球状、或いは球を偏平にした楕円球状、又はこれらに類似した形状で、表面が滑らかな曲面を有する球状の粒子が使用される。特に、粒子表面に突起や角のない、所謂カッテングエッジにないことが必要である。
球状粒子は、表面樹脂層に添加した場合、同じ材質の不定形の粒子と比較して、樹脂層の耐摩耗性を大きく向上させると共に、塗工の際に塗工装置を摩耗させることが少なくなる。
【0023】
そのため、高密度の硬質粒子としては、非常に硬度が高く、耐摩耗性に優れており、球状のものが比較的容易に得られるα−アルミナが好適である。
球形のα−アルミナは、特開平2ー55269号公報に記載されているように、アルミナ水和物、ハロゲン化合物、硼素化合物等の鉱化剤或いは結晶剤を電融アルミナ或いは焼結アルミナの粉砕品に少量添加し、1400℃以上の温度で2時間以上熱処理することにより、アルミナ中のカッティングエッジが減少して球状のものが得られる。
このような球状アルミナは、昭和電工(株)より「球状アルミナ(Spherical Alumina)AS−10、AS−20、AS−30、AS−40、AS−50」として各種の平均粒径のものが市販されている。
また、高密度の硬質粒子としては、上記α−アルミナの他に、硫酸バリウム、酸化チタン等も使用できる。
【0024】
本発明においては、球状アルミナの粒子径は平均粒径10〜23μmのものが使用される。
粒子径が10μm未満では塗膜の耐摩耗性が低下して好ましくない。また、粒子径が23μmを超える場合は、球状アルミナを添加した保護層の厚さを粒子径の23μmより更に厚くする必要があるので、コスト高となり、経済的に不利となる。
また、球状アルミナの粒子径が23μmを超えると、コーティング作業が困難になり、又塗膜の柔軟性が損なわれる。
【0025】
また、電離放射線硬化性樹脂への球状アルミナの添加量は、電離放射線硬化性樹脂の塗膜を電離放射線照射により硬化後、その硬化塗膜に対して、5〜50重量%になるように添加することが必要である。
硬化塗膜に対する球状アルミナの含有量が、5重量%未満の場合は、耐摩耗性が不十分で、球状アルミナの添加効果が十分発揮されない。また、含有量が50重量%を超える場合は、球状アルミナと一緒に添加する低密度の硬質粒子も含めてフィラー全体の添加量が多くなり過ぎて、フィラーに対するバインダー樹脂の保持力が低下すると共に、コーティング液の粘度が高くなりコーティングが困難になる。
【0026】
本発明に用いられる低密度の硬質粒子は、保護層の樹脂より硬度が固いものであれば、無機物又は有機物のいずれでも使用可能である。
低密度の硬質粒子の具体的な例としては、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、ダイヤモンド、ガラス粉末等の無機物粒子、又は有機質の粒子として、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、メラミン樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂ビーズ等が挙げられる。
低密度の硬質粒子の粒子形状は球形、鱗片状、多角形、針状、羽状等いずれの形状も使用できるが、針状又は羽状のものが好ましい。
特に、本発明においては、針状又は不定形のシリカが好適である。
【0027】
不定形シリカの粒子径は平均粒径は、2μm以下の微粉末から10〜15μmの粒子まで広範囲の粒径のものが使用できる。
また、本発明においては、不定形シリカの粒子径は、球状アルミナの粒子径より小さくすることが重要である。これによって、化粧材は耐摩耗性に優れた物性を発揮すると共に、表面のザラツキがなくなり、滑り性のよい化粧材を得ることができる。
そのため、不定形シリカの粒子径としては、球状アルミナの粒子径が20〜23μmのときは、10〜15μmと2μm以下の微粉末の二種類の粒径のものを添加するのが好ましい。
【0028】
不定形シリカの添加量は、球状アルミナと同様、電離放射線硬化性樹脂の硬化塗膜に対する含有量が、5〜50重量%になるようにすることが必要である。
そして、不定形シリカと球状アルミナの添加量の合計が60重量%以下にすることが必要である。
硬化塗膜に対する不定形シリカの含有量が、5重量%未満の場合は、耐摩耗性が不十分で、不定形シリカの添加効果が十分発揮されない。また、含有量が50重量%を超える場合は、電離放射線硬化性樹脂のバインダーとしての作用が十分発揮されなくなり、塗膜の可撓性が損なわれると共に、コーティング作業が困難となる。
【0029】
上記球状アルミナ及び不定形シリカは保護層となる電離放射線硬化性樹脂との接着性や分散性等の物性改善のために、表面処理をすることがある。
例えば、ステアリン酸等の脂肪酸で処理すると分散性が向上する。
また、表面をシランカップリング剤で処理すると、バインダーとしての電離放射線硬化性樹脂のと密着性や粒子の分散性が向上する。
シランカップリング剤としては、分子中にビニル基やアクリル基等のラジカル重合性不飽和結合を有するアルコキシシランや分子中にエポキシ基、アミノ基、メルカプト基等の官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。
本発明において、バインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂が使用される場合は、シランカップリング剤はラジカル重合性不飽和結合を有するアルコキシシランが好適である。
【0030】
ラジカル重合性不飽和結合を有するアルコキシシランの具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等がある。
【0031】
球状アルミナ及び不定形シリカの表面をシランカップリング剤で処理する方法は特に制限はなく、公知の方法が使用できる。
例えば、乾式法として球状粒子を激しく攪拌しながら所定のシランカップリング剤を吹きつける方法や、湿式法としてトルエン等の溶媒中に球状粒子を分散させた後、所定量のシランカップリング剤を加えて反応させる方法が挙げられる。
球状アルミナ及び不定形シリカに対するシランカップリング剤の処理量(所要量)は、球状粒子の比表面積100に対してシランカップリング剤の最小被覆面積が10以上となるようにすることが好ましい。球状粒子の比表面積100に対してシランカップリング剤の最小被覆面積が10未満の場合はあまり表面処理効果がない。
【0032】
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂、二液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱又は二液反応型硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂が使用できる。
その中でも、本発明においては電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
【0033】
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオールを2個以上有する単量体、プレポリマー、オリゴマー、及び/又はポリマーを適宜混合した組成物で、電離放射線により硬化可能な組成物が使用される。
尚、ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いおり、以下同様の意味で用いるものとする。
ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、電子線又は紫外線が用いられる。
【0034】
前記プレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
分子量としては、通常250〜10,000程度のものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポリマーとしては、上記ポリマーの重合度を10,000程度以上としたものが用いられる。
【0035】
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
【0036】
カチオン重合性官能基を有する単量体の例としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等がある。
【0037】
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
電離放射線硬化性樹脂に用いられる単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。
【0040】
以上の化合物を必要に応じ1種もしくは2種以上混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
【0041】
単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整することも出来る。
【0042】
以上の様な1官能アクリレート系単量体としては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が、3官能以上のアクリレート系単量体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0043】
電離放射線硬化性樹脂として紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0044】
本発明に使用される基材の材質としては、紙、プラスチック、金属箔、板等が用いられる。
例えば、紙、プラスチックシート、不織布等のシート状のもの、或いは金属板、木質板、プラスチック板等の板状のもの等のいずれも使用できるが、柔軟性を有するシート状のものが、製造工程において、巻取状態で連続生産が可能であるので好ましい。通常、シート状のものを使用する場合、シートの厚さは5〜200μmが好ましい。
また、基材の表面に凹凸を有するものや立体形状を有するものも使用可能である。
【0045】
基材として用いられる紙としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、紙にポリ塩化ビニル樹脂をゾル又はドライラミネートした所謂ビニル壁紙原反、上質紙、コート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等が挙げられる。
また、紙類似シートとしては、ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維、等の無機繊維質、ポリエステル、ビニロン等の合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等がある。
【0046】
基材として用いられるプラスチックシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ビニロン等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート・イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、三酢酸セルロース、セロハン等のセルロース系樹脂、ポリスチ、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は、フィルムの単体又積層体が挙げられる。
また、金属箔としては、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属箔若しくはシート;並びに以上の各素材の複合体、等が挙げられる。
【0047】
基材として用いられる板としては、木板単体、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の木質板、鉄板、アルミニウム板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗工鋼板、銅板等の金属板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系板、硅酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コンクリート板、中空押出しセマメント板等のセメント板、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊維セメント板、陶器、磁気、石器、土器、ガラス、ホウロウ等のセラミック板、アクリル、ポリカーボネート、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の熱可塑性樹脂板が挙げられる。
【0048】
また、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂板、フェンノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂をガラス繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含浸硬化して複合化した、所謂FRP等の樹脂板が挙げられる。
更に、本発明に用いる基材としては、上記各種基材の2種以上の基材を接着剤、又は、熱融着等の公知の方法によって積層した複合基材を使用することもできる。
【0049】
本発明に用いられる基材(シート基材)の表面には、印刷インキ、保護層(電離放射線硬化性樹脂層)、接着剤との接着力を向上するために、コロナ放電処理、プラズマ処理、易接着層の形成等の易接着性処理が施される。
易接着層(プライマー層或いはアンカー層ともいう)としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に溶解した塗工液が使用されるが、特にポリウレタン樹脂を用いたものが望ましい。
上記樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥して易接着層とする。
【0050】
基材には、片面に印刷等により絵柄層が形成される。
絵柄層としては、印刷による印刷模様、エンボス加工によるエンボス模様、ヘアライン加工による凹凸模様があり、更に、凹凸模様の凹部に公知のワイピング加工法によって着色インキを充填して絵柄層を形成することもできる。
印刷絵柄層とては、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ印刷等がある。
全面ベタ印刷の隠蔽層は化粧シートを貼付する被着体の表面状態によって省略されることがある。
【0051】
絵柄印刷のインキとしては、基材の材質や形態によって異なるが、一般的には、硝化綿、酢酸セルロース、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の単独重合体、又は他のモノマーとの重合体をビヒクルとし、これと通常の顔料、染料等の着色剤、体質顔料、硬化剤、添加剤、溶剤等からなるインキが使用される。
【0052】
絵柄の印刷としては、グラビア印刷、凹版印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、静電印刷、インクジェット印刷等通常の印刷方式が使用できる。
もしくは、別に離型性シート上に一旦絵柄模様を形成して転写シートを作成し、得られた転写シートからの転写印刷方式によって模様印刷を転写して設けてもよい。
また、印刷模様の代りに、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を真空蒸着、スパッタリング等によって、基材に、金属薄膜を全面又は部分的に形成して絵柄層とすることもできる。
【0053】
基材の表面には、上記のように、絵柄層を形成した後、球状アルミナ及び不定形シリカを含有した電離放射線硬化性樹脂を用いて、公知のコーティング方法にて保護層を形成する。
球状アルミナ及び不定形シリカを添加した電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じて、熱可塑性樹脂、充填剤、光重合開始剤、溶剤等を加えて塗工組成物を調製し、この塗工組成物を用いて基材の表面に、直接コーティング法、又は転写コーティング法にてコーティングする。
一般に、基材の材質として、塗工組成物が浸透しない材質を使用した場合は、直接コーティング法、又は転写コーティング法のいずれを使用してもよいが、塗工組成物が浸透する基材や表面に凹凸のある基材、又は、塗膜厚みに均一性を出す必要がある場合や、保護層の耐摩耗性を均一にする必要がある場合は、転写コーティング法の方が望ましい。
【0054】
直接コーティング法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアリオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコートによるベタコート、ワイヤーバーコート、コンマコート、スプレーコート、フロートコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。その中でもグラビアコートが好ましい。
【0055】
転写コーティング法としては、前記塗工組成物を用いて、一旦、薄いシート(フィルム)に塗膜を形成し、この塗膜を電子線又は紫外線等の電離放射線で硬化せしめ、而る後に、該硬化塗膜を下記の▲1▼〜▲4▼に示す方法で、基材の表面に転写する方法である。
尚、薄いシート(フィルム)に塗膜を形成する方法は、上記直接コーティング法と同様に、各種のコーティング法を用いることができる。
▲1▼ 特公平2ー42080号公報、特公平4ー19924号公報等に開示されているような射出成形同時転写法。或いは特公昭50ー19132号公報に開示されているような射出成形同時ラミネート法。
▲2▼ 特開平4ー288214号公報、特開平5ー57786号公報に開示されているような真空成形同時転写法。或いは特公昭56ー45768号公報に開示されているような真空成形同時ラミネート法。
▲3▼ 特公昭56ー51900号公報、特公昭61ー5895号公報、特公平3ー2666号公報等に開示されているように、ラッピング同時転写法、又は、ラッピング同時ラミネート法。
▲4▼ 特公昭56ー7866号公報等に開示されているようなVカット加工同時転写法。或いは実公大15ー31122号公報等に開示されているようなVカット加工同時ラミネート法。
【0056】
また、上記塗工組成物を用いて、特開平2ー26673号公報に開示されているように、下記の工程で、基材に保護層(電離放射線硬化性樹脂からなる硬化塗膜)を形成することもできる。
▲1▼ 非吸収性且つ離型性の合成樹脂シート(フィルム)に、塗工組成物を塗布して未硬化状態の塗膜を形成する工程。
▲2▼ 前記未硬化状態の塗膜が基材に接触するようにして基材とラミネートする工程。
▲3▼ 前記積層シートの離型性合成樹脂シート側より電離放射線を照射して塗膜を架橋させ、完全に硬化させる工程。尚、基材が比較的薄くて電離放射線を透過する場合は、基材側から電離放射線を照射してもよい。
▲4▼ 次に、離型性合成樹脂シートを剥離、除去して基材の表面に保護層を形成する工程。
上記の方法によれば、基材として紙のような浸透性の高い材質でも、樹脂が基材の裏側まで抜ける、所謂、「裏抜け」を確実に防止して、基材表面に耐摩耗性に優れた保護層を形成することができる。
【0057】
電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放射線照射装置としては、紫外線照射装置や電子線照射装置が用いられる。
紫外線照射装置としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。
電子線照射装置としては、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いられる。
【0058】
そして、電子線を照射する場合、加速電圧100〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300kGy程度である。吸収線量が1kGy未満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が300kGyを超えると硬化した塗膜及び基材が黄変したり、損傷したりする。
また、紫外線照射の場合、その照射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2 を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。
電離放射線の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化させる方法もある。
【0059】
本発明の耐摩耗性化粧材は、他の被着体(又は裏打材)に積層することもできる。
被着体としては各種素材の平板、曲面板等の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形状物品(成形品)が対象となる。
本発明の耐摩耗性化粧材は、各種被着体に積層し、所定の成形加工等を施して、各種の用途に使用される。
例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、浴室、洗面所、厨房等で用いる住設機器、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、机、食卓、箪笥等の家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用できる。
そのために、耐摩耗性化粧材が直接被着体に接着できない場合は、適当な易接着層又は接着剤層を介して被着体に接着する。
しかし、耐摩耗性化粧材が熱融着等で被着体に接着可能な場合は、易接着層又は接着剤層は省略してもよい。
【0060】
被着体として、板材或いはシート(フィルム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0061】
被着体として専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる素材としては、ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発砲軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウム、石膏等の被セメント窯業系材料が挙げられる。
【0062】
被着体として専らシート(或いはフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等が挙げられる。
【0063】
これら各種被着体への積層方法としては、例えば、次の▲1▼〜▲5▼の方法を挙げることができる。即ち、
▲1▼ 接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、
▲2▼ 特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充填した後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積層する、いわゆる射出成形同時ラミネート法、
▲3▼ 特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載されるように、化粧シートを成形品の表面に接着剤を介して対向なしいは載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、
▲4▼ 特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して供給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層してゆく、いわゆるラッピング加工方法、
▲5▼ 実公大15−31122号公報、特開昭48−47972号公報等に記載されるように、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又はUカット加工方法等が挙げられる。
【0064】
特に、本発明の耐摩耗性化粧材を凹凸立体物に貼り合わせる方法としては、前記方法の中で、ラッピング加工法、Vカット加工法、射出成形同時ラミネート法、真空成形同時ラミネート法等が好ましい。
【0065】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
先ず、基材として、坪量60g/m2 の含浸紙11a((株)興人製「GF-601」)を用いて、グラビア印刷によりベタ印刷と木目柄を印刷して、図6(a)に示すように、含浸紙11aに着色不透明なベタ印刷層17と絵柄層16を形成して印刷シート2を作製した。
尚、ベタ印刷用インキはアクリル樹脂と硝化綿をブレンドしたバインダ樹脂に弁柄、カーボンブラック、チタン白、黄鉛を主成分とする顔料を添加したインキ(ザ・インクテック(株)製)を用い、絵柄用インキは硝化綿とアルキッド樹脂からなるバインダ樹脂に弁柄、カーボンブラックを主成分とする顔料を添加したインキ(ザ・インクテック(株)製)を用いた。
【0066】
次いで、図6(b)に示すように、前記印刷シート2の絵柄層16側に、電子線硬化性樹脂に球状アルミナ14aと不定形シリカ15a及び微粉末シリカ15bを添加した下記の塗工用樹脂組成物(A)を用いて、グラビアリバース方式によりコーティングして、未硬化の電子線硬化性樹脂13cからなる塗布量25g/m2 の保護層12を形成した。
【0067】
【0068】
次に、図6(b)に示すように、上記未硬化の電子線硬化性樹脂13cからなる保護層12の上に、電子線照射装置を用いて、加速電圧175keVにて、吸収線量が50kGy(キログレイ)になるように電子線18aを照射し、電子線硬化性樹脂を完全に硬化させて、表面に硬化した電子線硬化性樹脂13dからなる保護層12を形成し、図6(c)に示すような耐摩耗性化粧材1を作製した。得られた耐摩耗性化粧材は、電子線硬化性樹脂に添加した硬質の球状アルミナが保護層の表面に突出していないので、表面は感触がソフトであり、耐摩耗性の優れたものとなった。
【0069】
(実施例2)
基材として、厚さ100μmの着色ポリオレフィン系樹脂シート(タツノ化学(株)製「タフパー」)(以下着色POシート11bという)を用いて、これにウレタン系インキ(昭和インク工業(株)製)にてグラビア印刷し、図7(a)に示すように、着色POシート11bに着色不透明なベタ印刷層17と絵柄層16を形成して印刷シート2を作製した。
次いで、図7(b)に示すように、前記印刷シート2の絵柄層16側に、実施例1と同様に、グラビアリバース方式によりコーティングして、塗布量25g/m2 の保護層12を形成した。
更に、実施例1と同様に、電子線18aを照射して未硬化の電子線硬化性樹脂13cを硬化させて、図7(c)に示すような耐摩耗性化粧シート1aを作製した。
次に、図7(d)に示すように、この耐摩耗性化粧シート1aの着色POシート11b側に、ウレタン系接着剤を塗布して接着剤層21を形成した。この接着剤層21を介して、被着体22として厚さ200μmのABS板に積層し、図7(d)に示すような耐摩耗性化粧材1を作製した。
【0070】
(比較例1)
実施例1と同様に、含浸紙に着色不透明なベタ印刷層17及び絵柄層16を形成して、図8(a)に示すように、印刷シート2を作製した。
次に、前記印刷シート2の絵柄層16側の全面に、図8(b)に示すように、グラビア印刷により二液硬化型のウレタン系トップコート剤(ザ・インクテック(株)製)を塗布して、厚さ3μmの未硬化のトップコート層24aを形成した。
更に、この未硬化のトップコート層24aを形成した化粧材を60℃3日間保管して、トップコート層19aの塗膜を完全に硬化させて、図8(c)に示すように、表面に硬化したトップコート層24を有する化粧材3を作製した。
【0071】
(比較例2)
実施例1と同様に、含浸紙11aに着色不透明なベタ印刷層17及び絵柄層16を形成して、図6(a)に示すように、印刷シート2を作製した。
次いで、図6(b)に示すように、前記印刷シート2の絵柄層16側に、電子線硬化性樹脂に球状アルミナ14aと不定形シリカ15a及び微粉末シリカ15bを添加した下記の塗工用樹脂組成物(B)を用いて、グラビアリバース方式によりコーティングして未硬化の電子線硬化性樹脂13cからなる塗布量23g/m2 の保護層12を形成した。
【0072】
【0073】
次に、上記未硬化の電子線硬化性樹脂13cからなる保護層12の上に、実施例1と同様に、電子線18aを照射し、電子線硬化性樹脂を完全に硬化させて、表面に硬化した電子線硬化性樹脂13dからなる保護層12を形成し、図6(c)に示すような耐摩耗性化粧材1を作製した。
得られた耐摩耗性化粧材は、硬化した電子線硬化性樹脂からなる保護層の上に添加した硬質の球状アルミナが突出しているので、耐摩耗性は優れていたが、表面にザラツキが見られソフトな感触は得られなかった。
【0074】
(耐摩耗性試験)
実施例1、2作製した耐摩耗性化粧材及び比較例1、2で作製した化粧材について、JIS K6902に準拠して耐摩耗性試験を行った。
(表面滑り性試験)
実施例1、2作製した耐摩耗性化粧材及び比較例1、2で作製した化粧材に対して、荷重300g/cm2 で綿布を押し当てた状態で、10cmの距離を10往復擦り付けて綿布の損傷具合を目視にて判定した。
【0075】
耐摩耗性試験及び表面滑り性試験の結果を表1に示す。
表1の結果から分かるように、実施例1、2で作製した耐摩耗性化粧材はいずれも、球状アルミナ及び不定形のシリカと微粉末シリカを使用しない比較例1の化粧材より耐摩耗性に優れていた。
【0076】
また、実施例1、2で作製した耐摩耗性化粧材は、保護層表面に硬質の球状のアルミナが突出していないので、表面のザラツキがなく、滑り性もよくソフトな感触が得られた。
これに対して、比較例2で作製した耐摩耗性化粧材は、硬質の球状アルミナの直径が保護層の膜厚より大きく、保護層の表面に突出しているので、表面にザラツキが見られ、表面滑り性試験では綿布の損傷が激しかった。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】
本発明の耐摩耗性化粧材は、球状アルミナ(高密度の硬質粒子)と、不定形シリカ及び微粉末シリカ(低密度の硬質粒子)を含有する電離放射線硬化性樹脂を用いて表面の保護層を形成し、更に密度の相違を利用して球状のアルミナが保護層の下側に分布し、不定形シリカ及び微粉末シリカが保護層の表面側に分布するようにしたので、耐摩耗性を有すると共に、表面のザラツキがなくなり、手触り感が非常にソフトになる。
また、硬質の球状のアルミナの直径よりも保護層を厚くし、球状のアルミナが保護層の表面に突出しないようにしたので、表面の滑り性がよくなり、化粧材が物体に直接接触する場合でも、その物体を摩耗させたり、損傷することがない。そのため、床材などのように高い耐摩耗性が要求され、且つ接触する物体を損傷しないような分野で使用することができる。
更に、ロールコート法等により基材にコートする場合、粒子の大きいアルミナが球状であるため、グラビアロールやドクターブレードを摩耗させたり、傷つけたりすることがないので、作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐摩耗性化粧材の一例を示した模式断面図である。
【図2】図2は本発明の耐摩耗性化粧材の別の態様で、基材にベタ印刷層及び絵柄層を形成し、その上に保護層を形成して耐摩耗性化粧材としたときの模式断面図である。
【図3】本発明の耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
【図4】本発明の耐摩耗性化粧材を作製する際に、高密度の硬質粒子と低密度の硬質粒子を上下に分布させるときの説明図である。
【図5】基材に紙を用いて耐摩耗性化粧材を作製するときとき、プライマー層を設けて樹脂の浸透を抑制する場合の説明図である。
【図6】実施例1により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
【図7】実施例2により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
【図8】比較例1により耐摩耗性化粧材を作製するときの説明図である。
【符号の説明】
1 耐摩耗性化粧材
1a 耐摩耗性化粧シート
2 印刷シート
3 化粧材
11 基材
11a 含浸紙
11b 着色POシート
12 保護層
13 バインダー樹脂
13a 未硬化の電離放射線硬化性樹脂
13b 硬化した電離放射線硬化性樹脂
13c 未硬化の電子線硬化性樹脂
13d 硬化した電子線硬化性樹脂
14 高密度の硬質粒子
14a 球形アルミナ
15 低密度の硬質粒子
15a 不定形シリカ
15b 微粉末シリカ
16 絵柄層
17 ベタ印刷層
18 電離放射線
18a 電子線
19 加熱
21 接着剤層
22 被着体
23 プライマー層
24 硬化したトップコート層
24a 未硬化のトップコート層
Claims (2)
- 基材の上に、バインダー樹脂の中に硬質粒子を含有する塗膜を積層した化粧材において、該硬質粒子が、高密度の粒子径が20〜23μmの球状のα−アルミナと低密度の粒子径が10〜15μmの不定形シリカおよび粒子径が2μm以下の微粉末の不定形シリカの密度の異なる二種類の硬質粒子からなり、且つ前記バインダー樹脂はその硬度が前記硬質粒子の硬度の方がより固い硬度となる電離放射線硬化性樹脂からなると共に前記高密度の硬質粒子が塗膜の表面に突出しないように前記高密度の硬質粒子の最大直径より塗膜を厚く形成したことを特徴とする耐摩耗性化粧材。
- 前記二種類の硬質粒子を含有する塗膜において、前記硬質粒子の中で、低密度の硬質粒子が塗膜の表面側に分布し、高密度の硬質粒子が塗膜の下側に分布していることを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗性化粧材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20323799A JP4489215B2 (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 耐摩耗性化粧材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20323799A JP4489215B2 (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 耐摩耗性化粧材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001030434A JP2001030434A (ja) | 2001-02-06 |
JP4489215B2 true JP4489215B2 (ja) | 2010-06-23 |
Family
ID=16470726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20323799A Expired - Fee Related JP4489215B2 (ja) | 1999-07-16 | 1999-07-16 | 耐摩耗性化粧材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4489215B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5420988B2 (ja) * | 1973-12-28 | 1979-07-26 | ||
JPS6283146A (ja) * | 1985-10-08 | 1987-04-16 | 朝日ウッドテック株式会社 | 耐摩耗性化粧板 |
JPH02136237A (ja) * | 1988-11-17 | 1990-05-24 | Ibiden Co Ltd | 耐摩耗性化粧板及びその製造方法 |
JP3954665B2 (ja) * | 1996-01-11 | 2007-08-08 | 大日本印刷株式会社 | プレコート紙を用いた化粧板の製造方法 |
JPH1086275A (ja) * | 1996-09-13 | 1998-04-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧金属板 |
JPH10286932A (ja) * | 1997-04-14 | 1998-10-27 | Dainippon Printing Co Ltd | 耐摩耗性化粧材 |
JPH10329277A (ja) * | 1997-06-02 | 1998-12-15 | Nippon Shokubai Co Ltd | 化粧板およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-07-16 JP JP20323799A patent/JP4489215B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001030434A (ja) | 2001-02-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2740943B2 (ja) | 耐摩耗性を有する化粧材 | |
JP2001105541A (ja) | 耐摩耗性化粧材 | |
JP2001138470A (ja) | 耐摩耗性を有する化粧材 | |
JP5353605B2 (ja) | 床材用化粧シート及びその製造方法 | |
EP1842652B1 (en) | Shapping sheet and method for the preparation of a decoration plate | |
JPH1148412A (ja) | 耐摩耗性を有する抗菌性化粧材 | |
JP3954665B2 (ja) | プレコート紙を用いた化粧板の製造方法 | |
JP3295877B2 (ja) | 耐摩耗性化粧材 | |
JP2000141551A (ja) | プレコート化粧紙 | |
JP4402339B2 (ja) | 化粧材 | |
KR100881006B1 (ko) | 바닥재용 화장 시트의 제조 방법 | |
JPH10286932A (ja) | 耐摩耗性化粧材 | |
JP2001260301A (ja) | 化粧シート及びそれを用いた化粧材 | |
JP2001138469A (ja) | 耐摩耗性を有する化粧材 | |
JP4489216B2 (ja) | 耐摩耗性化粧材 | |
JP4286949B2 (ja) | 耐摩耗性を有する化粧紙 | |
JP4489215B2 (ja) | 耐摩耗性化粧材 | |
JP4467696B2 (ja) | 化粧材 | |
JP2000006325A (ja) | 耐摩耗性を有する化粧材 | |
JP4417474B2 (ja) | 化粧材 | |
JP4612135B2 (ja) | 化粧材の製造方法及び化粧材 | |
JPH10119228A (ja) | 化粧シート | |
JP4289528B2 (ja) | 耐摩擦性を有する化粧材およびその製造方法 | |
JP4983515B2 (ja) | 化粧シート、化粧シートの製造方法、化粧材 | |
JP4108833B2 (ja) | 化粧材の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060629 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090210 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090410 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100323 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100331 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140409 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |