JP2002201018A - 可撓性を有する無機質フィルム状基材 - Google Patents

可撓性を有する無機質フィルム状基材

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JP2002201018A
JP2002201018A JP2000401774A JP2000401774A JP2002201018A JP 2002201018 A JP2002201018 A JP 2002201018A JP 2000401774 A JP2000401774 A JP 2000401774A JP 2000401774 A JP2000401774 A JP 2000401774A JP 2002201018 A JP2002201018 A JP 2002201018A
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silica
film
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secondary particles
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Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Maki Inoue
真樹 井上
Atsushige Fujii
淳成 藤井
Hidekazu Ono
英一 小野
Takayoshi Sasaki
隆好 佐々木
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板から剥離して独立のフィルムとして存
在し、屈曲することが可能な無機質フィルム材料を提供
する。 【解決手段】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が面間が
平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2
次粒子からなり、互いに独立に存在する積層構造の形態
を有する鱗片状シリカ粒子からなる可撓性を有する無機
質フィルム状基材を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的に鱗片状シ
リカ粒子からなる鱗片状シリカ粒子から主としてなる可
撓性を有する無機質フィルム状基材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所謂無機質薄膜と称するものは多
数知られている。例えば、アルコキシド等を用いたゾル
ーゲル法、シラン等の反応性ガスを用いるCVD法、ス
パッタリング法、真空蒸着法、プラズマ溶射法、塗布法
等により各種無機薄膜が基板上に形成され、これらは基
本的に、無機質材料で形成されているため、耐熱性、耐
候性、耐薬品性等を有し、基板の保護機能、断熱機能、
光選択吸収機能、光電変換機能等の種々の用途に供され
ている。
【0003】しかしながら、これら無機質薄膜は、種々
の特徴を有しているものの、通常当該薄膜が形成されて
いる基板(基体)と一体として所望の用途に供されるも
のであり、当該基板から剥離して独立の薄膜(フィル
ム)として存在しうるものではない。当該薄膜は、これ
を無理に当該支持体である基板から剥離した場合は、ぼ
ろぼろに崩れてしまうような、極めて脆弱なものであ
り、この点、可撓性を有し、任意に屈曲することが可能
な有機系のポリマーフィルムなどとは根本的に異なるも
のであった。
【0004】本発明者らは、さきに、シリカの薄片状1
次粒子が重なって形成される葉状シリカ2次粒子からな
る積層構造の粒子形態のシリカ粒子は、極めて特異な自
己造膜性を有し、バインダー等を何ら使用することな
く、それ自体で強固な薄膜を形成しうることを見いだし
た。かかる薄膜は、当該シリカ2次粒子の水スラリーを
金属板、ガラス板、セラミックス板等の基体上に塗布・
乾燥して得られるものであり、当該基体の表面保護コー
ト用等の無機薄膜として好適に使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基体
から独立して存在する可撓性のある無機質フィルム状基
材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に従え
ば、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的
に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子
から実質的になり、互いに独立に存在する積層構造の粒
子形態を有する鱗片状シリカ粒子から主としてなる可撓
性を有する無機質フィルム状基材、が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記のごとく可撓性を有する無機質フィルム
状基材であることを特徴とする。
【0008】ここで「可撓性」とは、後記するように、
通常の紙やポリマーシートのごとく、丸めて円筒を形成
することができるような屈曲性を有することをいい、従
来の無機質薄膜においては、到底考えられなかった特異
な特徴である。
【0009】これは、以下に述べるように、本発明の無
機質フィルム状基材を形成するビルディングブロック
(構成単位)であるシリカ2次粒子が葉状の特異な形状
を有し、当該葉状の粒子同士が当該フィルムの横方向に
平行になるように、かつ、引っ係り合いながら互いに密
に積み重なることによりもたらされるものと推定され
る。
【0010】まず、本発明のフィルム状基材の構成単位
である葉状シリカ2次粒子について説明する。
【0011】この葉状シリカ2次粒子は、鱗片状シリカ
の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重
なって形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になる
ものであって、互いに独立に存在することを特徴とする
積層構造の粒子形態を有する鱗片状シリカ粒子である。
【0012】当該粒子の平均粒子径は、特に限定するも
のではないが、通常0.001〜20μm、好ましくは
0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜10μ
m程度である。この平均粒子径は、レーザー回折/散乱
式粒度測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−920
型)、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製
作所製、LB−500型)、或いはコールターカウンタ
ー(例えば、コールターエレクトロニクス社製、MA−
II型)等で粒子径の範囲に応じて適宜適用することによ
り測定されるものである。
【0013】当該葉状シリカ2次粒子は、本発明者らに
よって初めて見いだされた粒子形態を有するものであっ
て、本発明者らが特開2000−72432号で提案し
ている方法によって製造される。すなわち、シリカヒド
ロゲル及びケイ酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム及び
水を原料として、160〜200℃程度の温度で水熱処
理反応を行ない、下記のごときシリカ−Xやシリカ−Y
を主体とする鱗片状シリカの3次凝集体粒子の水スラリ
ー(固形分濃度1〜30質量%)を生成させ、これを、
粉砕媒体を用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズ
ミルや湿式ボールミルなどの装置を用いて、葉状シリカ
2次粒子へ解砕して、葉状シリカ2次スラリーを製造す
るものである。
【0014】ここで使用されている湿式ビーズミル等に
よる機械的な解砕・分散化法においては、解砕処理後の
平均粒子径は、葉状シリカ2次粒子の基本的粒子形状を
実質的に破壊することなく、処理前に比較して小さくな
ることが認められ、また、走査型電子顕微鏡による分散
粒子の観察においても、葉状シリカ2次粒子が互いに独
立に存在していることが、明確に判明している。
【0015】なお、当該葉状シリカ2次粒子は、それ自
身被膜形成能を有しており、必ずしもバインダーを添加
する必要はなく、室温乾燥条件においても強固な被膜を
形成できることは上記したとおりであるが、所望によ
り、葉状シリカ2次粒子以外に、コロイダルシリカ粒子
及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩を、補助的なバインダ
ーとして添加して無機薄膜を形成させることもできる。
【0016】このような補助的なバインダーを使用する
場合は、その乾燥薄膜中の固形分換算の含有量は、葉状
シリカ2次粒子:コロイダルシリカ粒子及び/又はアル
カリ金属ケイ酸塩=100〜50質量%:0〜50質量
%が好ましい。なお、薄膜の可撓性をさらに向上させる
ために、葉状シリカ2次粒子及びコロイダルシリカ粒子
及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩以外に、有機高分子物
質を添加することができる。
【0017】ここで上記葉状シリカ2次粒子を形成する
構成する鱗片状粒子としては、いわゆる層状ポリケイ酸
又はその金属塩と総称されるシリカである場合が最も好
ましい。ここで、層状ポリケイ酸とは、基本単位がSi
4四面体だけからなるシリケート層構造のポリケイ酸
を云う。
【0018】従って、層状ポリケイ酸又はその塩とは、
シリカ−X、シリカ−Y、ケニアアイト、マガディアイ
ト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト、オクトシ
リケート等の層状ポリケイ酸塩を酸処理することにより
ケイ酸塩中のアルカリ金属が水素イオンでイオン交換さ
れたH型のものや、当該酸処理前のアルカリ金属塩等の
ものなどの総称である。なお、本発明においては、層状
ポリケイ酸とは、上記H型及びアルカリ金属塩型の両者
を意味する。
【0019】本発明においては、H型の層状ポリケイ酸
とアルカリ金属塩型の層状ポリケイ酸塩の両者を使用で
きるが、両者を比較した場合には、アルカリ金属塩型の
層状ポリケイ酸塩は、pHが高アルカリ性であり、H型
層状ポリケイ酸は、pHが中性に近いので、本発明に
は、H型層状ポリケイ酸の方が、より適している。
【0020】層状ポリケイ酸は、通常、鱗片状粒子(実
際は、極薄片1次粒子が積層した2次粒子である)が不
規則に重なり合って形成される間隙を有するシリカ3次
凝集粒子であるので、本発明者が先に提案した粒子の分
散化方法(特願平11−351182号、特願2000
−206264号)を適用することにより、同様に、葉
状シリカ2次粒子が得られ、本発明に、好適に使用でき
る。なお層状ポリケイ酸の中では、シリカ−X、シリカ
−Y、H型ケニアアイト、H型マガディアイトなどが、
本発明に最も適している。
【0021】この葉状シリカ2次粒子の主たる物性は以
下のとおりである。当該シリカ2次粒子におけるシリカ
のSiO2 純度は、99.0質量%以上である。pH
は、6.0〜8.0であり、X線回折のスペクトルとし
ては、米国のASTM(American Society for Testing
and Materials)に登録されているカード(以下単にA
STMカードと称する)番号16−0380に該当する
2θ=4.9°、26.0°、及び28.3°の主ピー
クを特徴とするシリカ−X及び/又はASTMカード番
号31−1233に該当する2θ=5.6°、25.8
°、及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−Y
である。さらに、上記以外に認められるX線回折ピーク
としては、シリカ−Xが主ピークの場合は、ASTMカ
ード番号31−1234、37−0386、シリカ−Y
が主ピークの場合は、 ASTMカード番号35−6
3、25−1332に該当するシリカである。
【0022】また、シリカ−Xを主ピークとする葉状シ
リカ2次粒子を例として、粉末X線回折スペクトルによ
り生成微粉末についての生成相の同定を行ったところ、
X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16ー
0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主
ピークを特徴とするシリカ−Xの主ピーク以外にAST
Mカード番号31−1234、37−0386に該当す
るピークが認められた。また、2θが4.9゜のピーク
高さに対する、2θが26.0゜のピーク高さの比は
2.5であった。なお、ピークの高さとは、後記するよ
うに零カウントのベースラインからの高さをいう。
【0023】吸油量(JIS K5101)は、100
〜150ml/100gであり、このシリカ2次粒子の
細孔分布をBET法(日本ベル社製、商品名ベルソープ
−28型)により測定すると、細孔容積は、0.05〜
0.15ml/g、比表面積は、30〜80m2 /gで
ある。
【0024】とくに注目すべきは、細孔分布曲線から
は、細孔直径2〜6nm、特には3.5〜4.0nm付
近に鋭い大きなピークが認められることである。
【0025】これは、メソ細孔領域(ミクロとマクロの
中間の細孔直径2〜50nmの領域)の細孔が顕著に存
在することを示している。すなわち、当該葉状シリカ2
次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が
平行的に配向し複数枚重なった積層構造またはラメラ構
造の粒子形態を有しているが、この重なり合う薄片と薄
片の間に形成される空隙部が、上記のメソ領域の大きさ
の細孔として測定されると推察される。
【0026】また、当該シリカ(熱処理していない常温
でのSiO2 )の赤外吸収スペクトル(FT−IR)
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれ1つの吸収帯をもつシラノール基をもつ
シリカである。また、BET法による比表面積当たりの
シラノール基の量は、50〜70μmol/m2という
大きな値を有している(シリカゲルの数倍)。
【0027】この葉状シリカ2次粒子の耐熱性について
は、空気雰囲気下、500〜1000℃で、1時間加熱
後、走査型電子顕微鏡で粒子の形態・寸法の変化を観察
したが、特段の変化は認められなかった。
【0028】酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20
℃での飽和溶解度は低い。すなわち、溶解SiO2 濃度
は、10質量%のHCl水溶液に対しては、0.008
質量%、イオン交換水に対しては、0.006質量%、
5質量%NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、
10質量%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%
であり、酸、アルカリのいずれに対しても、小さな溶解
度であり、耐酸性、耐アルカリ性を有することを示す。
特に、シリカゲルやコロイダルシリカに比較して、非常
に小さなアルカリ水溶液への溶解度であり、耐アルカリ
性を有することを示す。
【0029】本発明の無機質フィルム基材は、上記のご
とき耐熱性等の諸特性を有する葉状シリカ2次粒子を使
用して以下のようにして得られる。
【0030】一つの方法としては、当該葉状シリカ2次
粒子の水スラリーを、硬化した塗膜を剥離しやすい表面
が平滑な基体の表面に塗布した後、塗膜を乾燥あるいは
加熱処理して硬化薄膜とし、次いで、当該硬化薄膜を基
体から剥離して、独立した無機質フィルム基材とするも
のである。
【0031】ここで、硬化塗膜を剥離しやすい基材とし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVd
F)、ポリアミド(PA)、メタクリル樹脂(PMM
A)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エ
チレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フ
ッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)などの表
面平滑なプラスチック板や、亜鉛引き鋼板、ステンレス
鋼、アルミニウムなどの表面平滑な金属板などが挙げら
れる。これら基体の葉状シリカ2次粒子の水スラリーが
塗布される表面は、塗布を容易にするため、さらに親水
化処理されていることが好ましい。
【0032】かくして葉状シリカ2次粒子スラリーを、
基体表面に塗布・乾燥あるいは加熱処理して基体上に硬
化塗膜を形成させた後、当該基体を塗布面と反対側に折
り曲げること等により、当該硬化塗膜は、基体から容易
に剥離して本発明の無機質フィルム状基材が得られるの
である。
【0033】当該フィルム状基材の厚みは、特に限定す
るものではないが、通常1〜1000μm、好ましくは
1〜500μm、さらに好ましくは1〜200μmであ
る。また、基体上に形成された硬化塗膜について所望の
大きさに切れ目を入れた後、基体を折り曲げて硬化塗膜
を剥離させることにより、所望の大きさのフィルム状基
材(例えば1cm2〜1000cm2程度)を初めから得
ることができる。
【0034】他の方法は、硬化塗膜を形成した基体を化
学的又は物理的方法により消滅させて除去するものであ
る。
【0035】すなわち、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ヒドロキシアルキルセルロース、水溶
性ポリウレタン樹脂、ゼラチン、デキストリン等の水溶
性の樹脂等を用いて板状又はフィルム状の基体を形成
し、葉状シリカ2次粒子スリラーを塗布・乾燥して硬化
塗膜を形成した後、この基体を当該硬化塗膜ごと水中に
浸漬するか、あるいは流水と接触させ、当該基体のみを
水に溶解して除くものである。かくして、水に不溶解性
の葉状シリカ2次粒子からなるフィルムが遊離し、無機
質フィルム状基材が得られるのである。この場合、溶解
を促進するためには温水や熱水を使用することがより好
ましい。なお、有機溶剤に溶解する基体を用いて同様の
処理を行うことも可能であり、この場合は、有機溶剤等
を用いて基体を溶解除去すればよい。
【0036】さらに、このような化学的な方法の代わり
に、融点の低い樹脂を用いて、硬化塗膜ごと基体を当該
融点以上に加熱して溶融せしめて除去したり、易可燃性
の基体を使用して、基体を燃焼せしめて除去する物理的
方法を採用することもできる。
【0037】なお、上記のごとき基体を溶解等せしめて
除去する方法の場合は、剥離しやすくするためその表面
を平滑とすることは特に必要ではなく、板状、フィルム
状、シート状以外に、布状、不織布状、紙状等であって
もよい。また、金属板等の上に、上記のごとき溶解性又
は溶融性等の樹脂等コーティングを形成し、この上に葉
状シリカ2次粒子の硬化薄膜を形成し、当該溶解性等の
コーティング(中間層)を溶解・溶融等により除去する
ことによっても、本発明の無機質フィルム状基材を得る
ことができる。
【0038】さらに他の方法は、特定の溶剤の液面上に
薄膜を形成する、いわば液面上薄膜形成法とも呼ぶべき
方法である。これは、水との相互溶解度が極めて小さ
く、水よりも比重が大であり(例えば、1.2以上)、
沸点が高く(例えば、150℃以上)、かつ、化学的に
安定な液体、例えば、パークロロ化合物類、或いは、パ
ーフルオロポリエーテル類、パーフルオロアルカン類、
パーフルオロシクロアルカン類、ハイドロフルオロエー
テル類、パーフルオロ環状エーテル類などの、いわゆる
含フッ素化合物からなる不活性流体と呼ばれる流体の液
面上に、葉状シリカ2次粒子の水スラリーを添加し、両
液体の比重差と界面・表面張力によって、下部であるパ
ークロロ化合物類等の液相の上に、上部液相である葉状
シリカ2次粒子スラリーの薄層液膜を形成させるもので
ある。しかる後、加熱して、下部液層の液温度を、例え
ば50℃以上に上げることにより、上部の葉状シリカ2
次粒子のスラリー相の水のみが蒸発・乾燥して除去され
るので、同様にして本発明の無機質フィルム状基材が得
られるのである。
【0039】なお、上記した方法は、回分式又は連続式
プロセスにより実施することができる。
【0040】以上のごとくして得られる本発明の無機質
フィルム状基材は、基体から離れて、あたかも一枚の紙
のように独立に存在することが出来、また可撓性を有し
ていることを特徴とする。定量的に表現すれば、円筒に
沿って丸めた場合に、当該フィルム状基材が破断する限
界の円筒直径が1〜100mm、好ましくは1〜50m
mであることを意味するのである。
【0041】この可撓性は、JIS K5400(塗料
一般試験方法)に記載の耐屈曲性試験方法に準拠し、基
体上の塗膜の代わりに、本発明のフィルム状基材を使用
して耐屈曲性を試験し、その可撓性を評価することによ
り行った。すなわち、
【0042】本発明のフィルム状基材を、厚み100μ
mの紙の上にセットし、その上に直径一定の各種の心棒
(ステンレス製、直径76mm、48mm 、32mm
、22mm 、13mm 、10mm 、8.0mm 、
5.0mm 、4.3mm 、3.0mm 、2.6mm
、2.0mm )を直径の大きい順番に置き、下の紙を
持ち上げて心棒に沿って折り曲げ、当該フィルム状基材
の耐屈曲性を試験した。ここで、基材の耐屈曲性は、心
棒の直径とフィルム状基材の割れ発生を観察し、割れが
認められ始める心棒の直径をまず求め、次に、この直径
よりひとまわり大なる割れが認められない直径をもっ
て、この直径までは耐屈曲性があると判断した。
【0043】本発明の実質的に葉状シリカ2次粒子のみ
からからなるフィルム状基材は、その破断面を走査型電
子顕微鏡で観察すると、均質構造ではなく、葉状シリカ
2次粒子が配向して積層した構造からなる多孔質体であ
り、薄膜の細孔分布をBET法(日本ベル社製、商品名
ベルソープ−28型)により測定すると、0.02〜
0.20ml/g程度の小さな細孔容積を有する。
【0044】当該葉状シリカ2次粒子は、基本的には当
該粒子どうしが平行的に積層されて構成されているが、
より具体的には、その粒子形態がそれぞれ適度の曲がり
を有し、曲がった状態で配向し、密に重なり合っている
ことが明瞭に認められる。このように互いに曲がって波
状に密に重なっているので、長手方向(面方向)には摺
動し難いと考えられ、また、粒子表面には多数の微量な
凹凸が形成されているので、これらが互いに鉤のように
絡み合って、あたかもアンカ−やマジックファスナー
(登録商標)のような係止作用を示しているため、断面
方向(長手方向に垂直な方向)にも固定されていると考
えられる。本発明のフィルム状基材が、基体から離れて
独立に存在することができ、しかも耐屈曲性を有するの
は、このような葉状シリカ2次粒子に基づく特異な配向
によるものと思われる。
【0045】また、シリカ−Xを主とするに関する、葉
状シリカ2次粒子の粉末のX線回折分析においては、A
STMカード16−0380に該当する二つの主ピー
ク、すなわち、2θが4.9゜のピーク高さに対する、
2θが26.0゜のピーク高さの比は、1〜5であるの
に対して、葉状シリカ粒子からなる本発明のフィルム状
基材においては、0.0〜0.5という小さな値であっ
た。これは、薄膜における葉状シリカ2次粒子の顕著な
配向を示すものと思われる。ここでピークの高さとは、
零カウントのベースラインからの高さをいう。
【0046】本発明のフィルム状基材は、その表面が白
い良質の紙と称してもよい外観を備えている。そして
まさに紙のように、その表面に自由に筆記できる筆記性
を有する。
【0047】本発明のフィルム状基材に筆記する場合、
筆記用具としては、種々のものが使用可能であり、例え
ば筆、筆ペン、万年筆、ボールペン、サインペン、マー
カー、所謂マジックペン等水性、油性のいずれのインク
を使用する場合も、何ら滲んだり、又インクをはじいた
りすることもなく、極めて鮮明に筆記することができ
る。しかも当該フィルム状基材の裏面にまでは、インク
が滲むことはない。
【0048】また、インクジェットプリンタ等により綺
麗な印刷を行うことも可能である。このように、当該フ
ィルム状基材がきわめて良好な筆記性や印刷性を有する
のは、当該基材が、すでに説明したようなその構成単位
たるシリカ2次粒子の配向形態に基づく多孔性体であ
り、筆記用インクやインクジェットプリンタ用インクを
適度に当該細孔中に吸収するためでないかと推定され
る。さらに印鑑(朱肉印又はゴム印)も鮮明に押せるこ
とを確認している。
【0049】従来、筆記材料や印刷材料として最も広く
使用されている洋紙は、サイズ剤として添加されている
硫酸アルミニウム等のため、劣化が起こって分解し、そ
れほど長期間保存可能なものでないことは、よく知られ
ている。例えば公立の大図書館等に収納されている一世
紀以上前に印刷された多くの歴史的に価値のある貴重な
文献や古書が、このため分解して反古となりかねない深
刻な事態が進行しつつあり、大きな問題となっているこ
とは、しばしば報道されているとおりである(なお、和
紙の場合は、保存性は洋紙よりはよいものの、これも基
本的には植物繊維からなる有機質のものであり、古文書
が保存中に紙魚(しみ)等により食い荒らされて所謂虫
食い状態となり、結局判読不能になることも多々あ
る。)。しかして、本発明のフィルム状基材は、これを
筆記用や印刷用の記録材料とした場合、その素材が無機
質であるシリカから構成されるものであるため、実質的
に劣化するおそれは皆無といってよい。また、紙のよう
に簡単に燃えることもなく、もちろん紙魚に食われるこ
ともない。
【0050】この特性を利用して、本発明のフィルム状
基材は、長期間の保存が要求される重要な書類、例えば
契約書等の印刷による作成に適していると考えられる。
この場合さらに好ましいことは、契約当事者が契約書の
末尾にサインする場合、上記したように万年筆等による
サインがスムースに行えることであり、しかも、サイン
の代わりに印鑑を押す場合でも、朱肉ののりがよく、印
影がきわめて明確であることである。
【0051】特に、本発明のフィルム状基材に、墨のよ
うなカーボン系材料又は無機系顔料で文字や画像情報を
記録した場合には、理論的に数千年の単位でも保存が可
能であると思われ、アーキーブ(Archive)としての公
文書を記録するのに最適な記録材料であると考えられ
る。また、本人を識別する身分証明書(ID)、又は認
識票等の基材に使用すれば、紙等の材質と異なり万一事
故等の場合でも、当該事故現場等において、当該ID等
は、風雨等に曝される環境下で相当長期間経過後であっ
ても腐食などせずに残存して回収される可能性が高く、
本人識別に好都合である。
【0052】さらにその他、カードの署名欄用としての
応用がある。クレジットカードの裏には、本人署名欄が
あるが、当該署名欄は、インクの乗りが悪く、ボールペ
ンなどによっては極めてサインし難いものであることが
従来より広く認識されているにかかわらず、なんら改良
することなく放置されている。しかして本発明のフィル
ム状基材は、このクレジットカードの署名欄の筆記面用
に使用すれば、サインの筆記性を格段に改良することが
できる。
【0053】本発明の無機質フィルム状基材は、すでに
述べた特性を生かして、筆記材料以外にも、種々の用途
に使用することができる。例えば、耐有機溶剤性あるい
は耐熱性を有するフィルター、薄層クロマトグラフィー
などの分離用途、水分やガス成分の吸着及び/又は脱
着、さらにガス分離膜やその支持体、各種ガスセンサー
の基材や保護膜、微生物培養などの支持体、耐熱性電気
絶縁シート、電解コンデンサーの絶縁シート、電池(燃
料電池を含む)や電気二重層キャパシタ等の電極や隔膜
等の基材などに好適に利用出来る。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0055】〔合成例1〕(ヒドロゲルを出発原料とす
るシリカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムをア
ルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /N
2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量
%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/min
と、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口
を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均
一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが
7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均
一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中
に放出させた。放出された液は、空気中で球形の液滴と
なり、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル
化した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いてお
き、ここに落下せしめて熟成させた。
【0056】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppm
であった。
【0057】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0058】容量50000mlのオートクレーブ(電
気加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総Si
2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)
23.7Kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2
8. 75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2/N
2 O=3.17(モル比)))5.5Kgを仕込み、
これにイオン交換水を10. 7kgを加え、50rpm
で撹拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系
内の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であっ
た。水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心分離機
(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水洗を行
い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度30.3質
量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0059】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした。
このスラリーのpHは、6.4であり、シリカスラリー
中のナトリウム濃度は、120ppmであった。次に、
流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD−MINI型)
を用いて、供給熱風温度300℃で乾燥し、5.6Kg
の乾燥微粉末を得た。
【0060】粉末X線回折スペクトルにより生成微粉末
についての生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外に、ASTMカード番
号31−1234、37−0386に該当するピークが
認められた。
【0061】また、この微粉末の吸油量(JISK 5
101)を測定したところ、110ml/100gであ
った。
【0062】生成粒子の形態を透過型電子顕微鏡(以
下、TEMと略記する。)で観察したところ、鱗片状の
薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数枚重
なって葉状シリカ2次粒子が形成されていることが観察
された。
【0063】一方、生成粒子の形態を走査型電子顕微鏡
(以下、SEMと略記する。)で観察したところ、上記
1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ2次粒子が1
次粒子であるかのごときに観察された。当該葉状粒子の
形状は鱗片状であり、これが不規則に重なり合って多数
の間隙(空隙またはポケット)を有するシリカ3次凝集
体粒子が形成されていることが観察された。これが本発
明におけるシリカ3次凝集体粒子である。
【0064】この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平
均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクト
ロニクス社製、MAII型、アパーチャーチューブ径50
μm(以下の合成例2においても同じ))を用いて測定
したところ、6.1μmであった。
【0065】〔合成例2〕(ヒドロゲルを出発原料とす
るシリカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOHをアルカリ源
として次のようにして調整した。
【0066】SiO2 /Na2 O=3.0(モル比)、
SiO2 濃度21.0質量%であるケイ酸ナトリウム水
溶液2000ml/minと、硫酸濃度20.0質量%
の硫酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入
口から導入して瞬間的に均一混合して、放出口から空中
に放出される液のpHが7.5〜8.0になるように2
液の流量比を調整し、均一混合されたシリカゾル液を放
出口から連続的に空気中に放出させた。放出された液
は、空気中で球形液滴となり、放物線を描いて約1秒間
滞空する間に空中でゲル化した。落下地点には、水を張
った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて熟成させ
た。
【0067】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球状であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲ粒子中のSiO2
量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリカ
ヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppmで
あった。
【0068】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の処理工程に用いた。
【0069】容量5000mlのオートクレーブ(電気
加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総SiO
2 /Na2 Oモル比が11.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量
%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換
水1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20r
pmで撹拌しながら180℃で12時間水熱処理を行っ
た。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5質
量%であった。
【0070】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度3
3.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0071】次に上記湿ケーキに水を添加してリパルプ
し、SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとし
た。このスラリーのpHは、6.4であり、このシリカ
スラリー中のナトリウム濃度は、130ppmであっ
た。次に、媒体流動層乾燥機(大川原製作所製、SFD
−MINI型)を用いて、供給熱風温度300℃で乾燥
し、408gの乾燥微粉末を得た。
【0072】生成微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルと
して、ASTMカード番号31−1233に該当する2
θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを
特徴とするシリカ−Yの主ピーク以外にASTMカード
番号35−63、25−1332に該当するピークが認
められた。
【0073】また、この微粉末の吸油量(JIS K5
101)を測定したところ、100ml/100gであ
った。
【0074】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されてい
ることが観察された。
【0075】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。そ
の葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重な
り合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有する本
発明におけるシリカ3次凝集体粒子が形成されているこ
とが観察された。
【0076】また、この微粉末の平均粒子径をコールタ
ーカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MA
II型)を用いて測定したところ、6.5μmであった。
【0077】〔合成例3〕(合成例1の湿ケーキからス
ラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水1
020gを加えてリパルプし、固形分15質量%のシリ
カスラリーを調製した。 このスラリーの状態では、コ
ールターカウンターによる平均粒径は7.2μmであ
り、B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであ
った。
【0078】次にこのスラリーを媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、葉状
シリカ2次粒子の水スラリーとした。
【0079】解砕・分散化後の葉状シリカ2次粒子スラ
リー中の微粒子のコールターカウンターによる平均粒子
径は1.6μmであった。また、このスラリーの粘度
を、B型粘度計で測定したところ、0.13Pa・sで
あり、pHは、6.4であった。
【0080】次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の
状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べ
るため、以下の方法で乾燥粉末を得た。
【0081】当該スラリーは、乾燥により極めて凝集し
やすいという特異な性質を有しているため、単分散され
た乾燥粉末を得るには、極めて薄い濃度の水スラリーに
して凝集を防ぎながら乾燥をする必要がある。
【0082】当該スラリー(固形分濃度15質量%)に
水を添加し、固形分濃度0.3質量%にスラリー濃度を
調整した。
【0083】当該スラリーを小型のスプレードライヤー
(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリー供
給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa
(G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末
を得た。
【0084】得られた乾燥微粉末のコールターカウンタ
ーによる平均粒径は、1.9μmであった。
【0085】一方、SEMで観察される葉状シリカ2次
粒子のアスペクト比の平均値は、約50であった。
【0086】この微粉末をSEMで観察したところ、シ
リカ3次凝集体粒子は、実質的に認められず、これは、
本発明の葉状シリカ2次粒子から実質的になっているこ
とが判明した。
【0087】この微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルと
して、ASTMカード番号16−0380に該当する2
θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシ
リカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号31−1
234、37−0386に該当するピークが認められ
た。また、2θが4.9゜のピーク高さに対する、2θ
が26.0゜のピーク高さの比は1.4であった。
【0088】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって本発明の葉状シリカ2次粒子が形成
されていることが観察された。
【0089】また、この微粉末をエポキシ樹脂に埋包
し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作成して、TE
Mで観察したところ、1次粒子の厚みは、1〜10nm
と極めて薄いことがわかった。
【0090】当該微粉体のBET法細孔分布測定装置
(日本ベル社製、ベルソープ28型)による細孔容積は
0.12ml/g、比表面積は、65m2 /gであり、
細孔分布曲線では3.6nm付近にメソ細孔領域の鋭い
大きなピークが認められた。
【0091】また、当該微粉末の赤外吸収スペクトル
(ニコレージャパン社製、FT−IR510型)測定で
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれひとつの吸収帯を持つシラノール基が認
められた。
【0092】また、シラノール基(SiOH)の量を、
120℃・2時間での乾燥減量と1200℃・3時間で
の加熱減量との差(W質量%とする。)からシリカ単位
質量当たりのシラノール基(SiOH)=W×111
1.1(μmol/g)の計算式により求めると、36
50μmol/gであり、BET法による比表面積当た
りでは56.2μmol/m2 という大きな値を示し
た。
【0093】耐熱性については、空気雰囲気下、500
〜1000℃で、SEMでの観察では特段の変化は認め
られなかった。
【0094】酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20
℃での飽和溶解度については、溶解SiO2濃度は、1
0質量%、HCl水溶液に対しては、0.008質量
%、イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質
量%NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10
質量%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であ
った。特に耐アルカリに関しては、例えばシリカゲルに
比較すると非常に小さな溶解度であった(シリカゲルの
場合、3質量%NaOHに対しても溶解度は、6.5質
量%である)。
【0095】〔合成例4〕(合成例2の湿ケーキから水
スラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水1
020gを加えてリパルプし、 固形分15質量%のシ
リカスラリーを調製した。 このスラリーの状態では、
コールターカウンターによる平均粒径は7.2μmであ
り、B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであ
った。
【0096】次にこのスラリーを媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで、1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、固形
分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを
得た。
【0097】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径では、1.7μm
であった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で
測定したところ、0.11Pa・sであり、pHは、
6.4であった。
【0098】〔合成例5〕(合成例1の湿ケーキから水
スラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキに水を添加し、pH6.4の固形分濃度14質量%
に調整したシリカ3次凝集体粒子粒子の水スラリーを用
いて、媒体撹拌ビーズミル(シンマルエンタープライゼ
ズ社製、ダイノーミルKDL−PILOT A型 (ベッ
セル容量1.4L、直径0.5mmジルコニアビーズ7
0%充填) )でシャフト回転数3400rpm、流量1
0L/hで3回通過させ、シリカ3次凝集体粒子の解砕
・分散化を行ない、固形分濃度14質量%の葉状シリカ
2次粒子の水スラリーを得た。
【0099】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のレ
ーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、
LA−920型)による平均粒子径は、0.54μmで
あった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測
定したところ、0.15Pa・sであり、pHは6.7
であった。
【0100】〔実施例1〕合成例3で得られた媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15.0%スラリー
(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置による平均粒径は、1.6μm)55.7gを、PE
Tフィルム(帝人社製、商品名メリネックス708、厚
み100μm、片面親水化処理品)の塗布面に、#80
バーコーターで塗布し、室温で乾燥して、塗布フィルム
とした。このフィルムの親水化された塗布面をカッター
ナイフで切り込み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離させ
て、大きさが約150×50mmの乾燥された葉状シリ
カ2次粒子のみからなる無機質フィルム状基材を得た。
【0101】このフィルム状基材を、すでに述べた方法
により、屈曲性を測定した。すなわち、厚み100μm
の紙の上にセットし、その上に直径一定の心棒(ステン
レス製、直径76mm、48mm 、32mm 、22m
m 、13mm 、10mm、8.0mm 、5.0mm
、4.3mm 、3.0mm 、2.6mm 、2.0m
m )を直径の大きい順番に置き、下の紙を持ち上げて
心棒に沿って折り曲げ、当該基材の耐屈曲性を試験し
た。ここで、基材の耐屈曲性は、心棒の直径と基材の割
れ発生を観察して割れが認められ始める時点の心棒の直
径をまず求め、次に、この直径よりひとまわり大なる割
れが認められない直径をもってこの直径までは耐屈曲性
があると認定した。
【0102】その結果、このフィルム状基材の耐屈曲性
は3.0mmで、厚みは約20μmであった。また、こ
の基材の表面についてX線回折測定を行ったところ、シ
リカ−XのASTMカード16−0380に該当する二
つの主ピーク、すなわち、2θが4.9゜のピーク高さ
に対する、2θが26.0゜のピーク高さの比は、0.
07という小さな値であった。これは、当該フィルム状
基材における結晶粒子の顕著な配向を示している。ま
た、この基材の細孔分布をBET法(日本ベル社製、商
品名ベルソープ−28型)で測定したところ、細孔容積
は、0.07ml/gであり、細孔容積は小さいが、多
孔質であることが判明した。
【0103】なお、このフィルム状基材を、ボールペ
ン、サインペン、筆ペン等種々の筆記用具で文字を記入
してみたが、インクのはじきや滲みは全く見られず、い
ずれもその書き具合は、すこぶるスムースであり、筆記
用の記録材料として好適に使用できることを確認した。
また印鑑により朱印を押してみたが、その印影は極めて
鮮明であることも確認した。
【0104】〔実施例2〕合成例3で記載した方法で得
られた媒体撹拌ビーズミルで処理した固形分濃度15.
0%スラリー(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置による平均粒径は、1.6μm)48.
0gとコロイダルシリカ(触媒化成工業社製:商品名カ
タロイド−S、SI−30、固形分濃度30.5%)
4.1gを(固形分重量比は葉状シリカ2次粒子:コロ
イダルシリカ粒子=85:15)、150mlポリエチ
レン広口容器に採取し、遠心力式撹拌脱泡機(キーエン
ス社製ハイブリットミキサー、HM−500、撹拌時間
6分、脱泡時間2分)で、混合処理し、葉状シリカ2次
粒子とコロイダルシリカからなる塗布用のスラリーを得
た。
【0105】この塗布用スラリーを、PETフィルム
(厚み100μm、片面親水化処理品)の親水化された
塗布面に、#80バーコーターで塗布し、室温で乾燥し
て、塗布フィルムとした。このフィルムの塗布面をカッ
ターナイフで切り込み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離さ
せて大きさが約150×50mmの乾燥された葉状シリ
カ2次粒子から実質的になる無機質フィルム状基材を得
た。
【0106】以下、実施例1と同様の方法で当該フィル
ム状基材の耐屈曲性を試験した。その結果、このフィル
ム状基材の耐屈曲性は3.0mmで、当該基材の厚みは
約18μmであった。
【0107】また、このフィルム状基材について、種々
の筆記用具で文字を記入してみたが、インクのはじきや
滲みは全く見られず、いずれもその書き具合は、すこぶ
るスムースであった。また印鑑を押した場合、その印影
は極めて鮮明であった。
【0108】〔実施例3〕合成例3で得られた媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15.0%スラリー
(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置による平均粒径は、1.6μm)54.5gとケイ酸
ナトリウム(洞海化学工業社製1号ケイ酸ナトリウム、
固形分濃度60.2%)2.4gを(固形分質量比は葉
状シリカ2次粒子:ケイ酸ナトリウム=85:15とし
た。)、150mlポリエチレン広口容器に採取し、遠
心力式撹拌脱泡機(キーエンス社製ハイブリットミキサ
ー、HM―500、撹拌時間6分、脱泡時間2分)で、
混合処理し、全体が均一な塗布生成物を得た。
【0109】この塗布生成物を、PETフィルム(厚み
100μm、片面親水化処理品)の親水化された塗布面
に、#80バーコーターで塗布し、室温で乾燥して、塗
布フィルムとした。このフィルムの塗布面をカッターナ
イフで切り込み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離させて大
きさが約150×50mmの乾燥された葉状シリカ2次
粒子のみからなる無機質フィルム状基材を得た。
【0110】以下、実施例1と同様の方法で当該フィル
ム状基材の耐屈曲性を試験した。その結果、この基材の
耐屈曲性は2.6mmで、厚みは約20μmであった。
【0111】また、このフィルム状基材について、種々
の筆記用具で文字を記入してみたが、インクのはじきや
滲みは全く見られず、いずれもその書き具合は、すこぶ
るスムースであった。また印鑑を押した場合、その印影
は極めて鮮明であった。
【0112】〔実施例4〕合成例5で記載した方法で得
られた媒体撹拌ビーズミルで処理した固形分濃度14.
0質量%スラリー(pHは6.4、レーザー回折/散乱
式粒度分布測定装置による平均粒径は、0.54μm)
61.5gを、PETフィルム(厚み100μm、片面
親水化処理品)の親水化された塗布面に、#80バーコ
ーターで塗布し、室温で乾燥して、塗布フィルムとし
た。このフィルムの塗布面をカッターナイフで切り込
み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離させて大きさが約15
0×50mmの乾燥された葉状シリカ2次粒子から実質
的になる無機質フィルム状基材を得た。
【0113】以下、実施例1と同様の方法で当該フィル
ム状基材の耐屈曲性を試験した。その結果、このフィル
ム状基材の耐屈曲性は2.0mmで、基材厚みは約19
μmであった。
【0114】また、このフィルム状基材について、種々
の筆記用具で文字を記入してみたが、インクのはじきや
滲みは全く見られず、その書き具合は、すこぶるスムー
スであった。また印鑑を押した場合、その印影は極めて
鮮明であった。
【0115】〔実施例5〕合成例5で記載した方法で得
られ媒体撹拌ビーズミルで処理した固形分濃度14質量
%スラリー(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒度
分布測定装置による平均粒径は、0.54μm)50.
0gとコロイダルシリカ(触媒化成工業社製:商品名カ
タロイドーS、SI−30、固形分濃度30.5%)
4.0gを(固形分比は葉状シリカ:コロイダルシリカ
粒子=85:15とした。)、150mlポリエチレン
広口容器に採取し、遠心力式撹拌脱泡機(キーエンス社
製ハイブリットミキサー、HM―500、撹拌時間6
分、脱泡時間2分)で、混合処理し、シリカ2次粒子と
コロイダルシリカからなる塗布用スラリーを得た。
【0116】この塗布用スラリーを、PETフィルム
(厚み100μm、片面親水化処理品)の親水化された
塗布面に、#80バーコーターで塗布し、室温で乾燥し
て、塗布フィルムとした。このフィルムの塗布面をカッ
ターナイフで切り込み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離さ
せて大きさが約150×50mmの乾燥された葉状シリ
カ2次粒子から実質的になる無機質フィルム状基材を得
た。
【0117】以下、実施例1と同様の方法で当該無機質
フィルム状基材の耐屈曲性を試験した。その結果、この
フィルム状基材の耐屈曲性は2.6mmで、基材厚みは
約17μmであった。
【0118】また、上記と同様にしてこのフィルム状基
材について、種々の筆記用具で文字を記入してみたが、
インクのはじきや滲みは全く見られず、その書き具合
は、すこぶるスムースであった。また印鑑を押した場
合、その印影は極めて鮮明であった。
【0119】〔実施例6〕合成例5で記載した方法で得
られた媒体撹拌ビーズミルで処理した固形分濃度14質
量%スラリー(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置による平均粒径は、0.54μm)5
8.4gとケイ酸ナトリウム(洞海化学工業社製1号ケ
イ酸ナトリウム、固形分濃度60.2%)2.4gを
(固形分質量比は葉状シリカ2次粒子:ケイ酸ナトリウ
ム=85:15とした。)、150mlポリエチレン広
口容器に採取し、遠心力式撹拌脱泡機(キーエンス社製
ハイブリットミキサー、HM―500、撹拌時間6分、
脱泡時間2分)で、混合処理し、塗布用スラリーを得
た。
【0120】この塗布生成物を、PETフィルム(厚み
100μm、片面親水化処理品)の親水化された塗布面
に、#80バーコーターで塗布し、室温で乾燥して、塗
布フィルムとした。このフィルムの塗布面をカッターナ
イフで切り込み、反対面側へ曲げて塗膜を剥離させて大
きさが約150×50mmの乾燥された葉状シリカ2次
粒子から実質的になる無機質フィルム状基材を得た。
【0121】以下、実施例1と同様の方法で当該無機質
フィルム状基材の耐屈曲性を試験した。その結果、この
フィルム状基材の耐屈曲性は3.0mmで、基材厚みは
約18μmであった。
【0122】また、上記と同様にしてこのフィルム状基
材について、種々の筆記用具で文字を記入してみたが、
インクのはじきや滲みは全く見られず、その書き具合
は、すこぶるスムースであった。また印鑑を押した場
合、その印影は極めて鮮明であった。
【0123】〔実施例7〕合成例4で記載した方法で得
られた媒体撹拌ビーズミルで処理した固形分濃度15質
量%スラリー(pHは6.4、レーザー回折/散乱式粒
度分布測定装置による平均粒径は、1.7μm)60.
5gを、PETフィルム(厚み100μm、片面親水化
処理品)の親水化された塗布面に、#80バーコーター
で塗布し、室温で乾燥して、塗布フィルムとした。この
フィルムの塗布面をカッターナイフで切り込み、反対面
側へ曲げて塗膜を剥離させて大きさが約150×50m
mの乾燥された葉状シリカ2次粒子のみからなる無機質
フィルム状基材を得た。
【0124】以下、実施例1と同様の方法で当該フィル
ム状基材基材の耐屈曲性を試験した。その結果、このフ
ィルム状基材の耐屈曲性は3.0mmで、基材厚みは約
17μmであった。
【0125】また、このフィルム状基材について、種々
の筆記用具で文字を記入してみたが、インクのはじきや
滲みは全く見られず、その書き具合は、すこぶるスムー
スであった。また印鑑を押した場合、その印影は極めて
鮮明であった。
【0126】
【発明の効果】本発明の無機質フィルム状基材は、基体
の支持なしに独立して安定的に存在し、しかも可撓性を
有する基材であり、かつ、基本的に耐熱性、耐薬品性、
多孔性等の特性を備え、記録用材料を初めとして種々の
分野に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 淳成 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 隆好 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20B AK21 BA02 BA06 BA11 EH46 GB90 JB09 JK17 4G072 AA25 BB05 BB10 BB15 BB20 GG01 TT01 TT09 TT30 UU30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在する積
    層構造の粒子形態を有する鱗片状シリカ粒子から主とし
    てなる可撓性を有する無機質フィルム状基材。
  2. 【請求項2】 当該フィルム状基材を構成する葉状シリ
    カ2次粒子が、層状ポリケイ酸から得られるものである
    請求項1に記載の基材。
  3. 【請求項3】 当該フィルム状基材を構成する葉状シリ
    カ2次粒子が、X線回折分析での主ピークが、シリカ−
    X及び/又はシリカ−Yに該当するシリカである請求項
    1又は2に記載の基材。
  4. 【請求項4】 当該フィルム状基材の厚みが、1〜20
    0μmである請求項1〜3記載のいずれかに記載の基
    材。
  5. 【請求項5】 当該フィルム状基材の可撓性が、膜破断
    限界の円筒直径法における膜破断限界直径が、100m
    m以下のものである請求項1〜4のいずれかに記載の基
    材。
  6. 【請求項6】 当該フィルム状基材の表面について測定
    したX線回折図において、2θが4.9°のピーク高さ
    に対する、2θが26.0°のピーク高さの比が0.0
    〜0.5である請求項5に記載の基材。
  7. 【請求項7】 当該フィルム状基材において、葉状シリ
    カ2次粒子以外にコロイダルシリカ粒子、アルカリ金属
    ケイ酸塩のいずれかを含有する請求項1〜6のいずれか
    に記載の基材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のフィル
    ム状基材を筆記面又は印刷面とする記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006054672A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Seimi Chemical Co., Ltd. 伝導性薄膜形成性のプロトン伝導性組成物及びプロトン伝導性複合膜
KR101164236B1 (ko) 2004-03-24 2012-07-09 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 장식 시트

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WO2006054672A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Seimi Chemical Co., Ltd. 伝導性薄膜形成性のプロトン伝導性組成物及びプロトン伝導性複合膜

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