JPWO2016204009A1 - シート状透明積層体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた映像投影システム - Google Patents

シート状透明積層体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた映像投影システム Download PDF

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Abstract

【課題】透明スクリーンとして用いた場合に、光源から出射される投影光を異方的に散乱反射することにより投影光の視認性と透過光の視認性とを両立できるシート状透明積層体の提供。【解決手段】本発明によるシート状透明積層体は、バインダと、光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方とを含んでなる透明光散乱層と、透明反射防止層と、を備えてなる。

Description

本発明は、投影光を異方的に散乱反射することにより投影光の視認性と透過光の視認性とを両立でき、さらに耐傷性、防眩性および輝度を向上したシート状透明積層体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた映像投影システムに関する。
従来、プロジェクター用スクリーンとして、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせたものが用いられてきた。近年、デパート等のショウウィンドウやイベントスペースの透明パーティション等にその透明性を維持したまま商品情報や広告等を投射表示する要望が高まってきている。また、将来的には、ヘッドアップディスプレイやウェアラブルディスプレイ等に用いられる透明スクリーンの需要は、ますます高まると言われている。
しかし、従来のプロジェクター用スクリーンは透明性が低いため、透明パーティション等に適用できないという技術的課題があった。そこで、高透明性を実現できる様々なスクリーンが提案されている。例えば、プラスチックフィルムまたはシート上に、アルミニウム鱗片7重量部及び、雲母を母体として二酸化チタンをコーティングしたパール顔料鱗片25重量部を混合したものをフィラーとしたインキを印刷またはコーティングし、光反射層としたことを特徴とする反射型スクリーンが提案されている(特許文献1参照)。また、基板上に、バインダー樹脂100重量部に対し光反射剤としてノンリーフィーリングタイプの鱗片状アルミペースト10〜80重量を含み、さらに光拡散剤に対し50重量%以上の光拡散剤を含む光拡散層を設けることを特徴とするプロジェクター用反射型スクリーンが提案されている(特許文献2参照)。さらに、光反射基材の上に、透明樹脂で構成された連続層と、異方性透明粒子で構成された分散層とで形成された光拡散層を積層した反射型スクリーンが提案されている(特許文献3参照)。
また、従来のプロジェクター用スクリーンを反射型スクリーンとして用いた場合、光源や外光をフィルム表面で反射するホットスポット現象により、画像視認性が低下するという問題があった。さらに、光源からの出射光の一部がスクリーン表面で反射されるため、映像の輝度が低下するという問題もあった。従来のプロジェクター用スクリーンを透過型スクリーンとして用いた場合は、光源の映り込みは問題にならないものの、フィルム表面で反射した映像が視認者と反対側(スクリーンに対してプロジェクター側)の壁に投影されてしまい、視認者から見て映像が二重に見え、視認性が悪化するという課題があった。これらの課題は、スクリーンが透明である場合に特に問題になりやすい。スクリーン表面の光反射を防止する手段としては、通常有機系または無機系の微粒子とバインダ樹脂または硬化性樹脂の混合物を基材に塗布し、表面に凹凸を形成することにより、防眩性を発現させることが知られている。例えば、平均粒子径が0.5〜5.0μmであり、透過性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.20である透光性微粒子を配合した防眩性フィルムが提案されている(特許文献4)。
特開平3−119334号公報 特開平10−186521号公報 特開2004−54132号公報 特開平11−326608号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1〜4には、以下の技術的課題が存在することを知見した。特許文献1に記載の反射型スクリーンは、鱗片粒子を高濃度で基板表面にコーティングしているため、コーティング膜のぎらつきおよびホットスポットにより画像が鮮明に視認できず、また、基板に白色塩化ビニルフィルムを用いているため透視は不可能であるという技術的課題がある。特許文献2に記載の反射型スクリーンは、光反射剤として鱗片状アルミペーストを10〜80重量と高濃度で含んでおり、得られたフィルムは顕著なホットスポットが観察されやすく透視が不可能であるという技術的課題がある。特許文献3に記載の反射型スクリーンは、分散層に分散された異方性透明粒子が、雲母、タルク、モンモリロナイトの非金属粒子であり、特にタルク、モンモリロナイトは粘土系の粒子であるため正反射率が低く、反射型スクリーンとしては好適に使用できないという技術的課題がある。また、特許文献4に記載の防眩層を透視可能なスクリーンに適用した場合、無機の微粒子を塗布するため表面に凹凸が発生し、透明性が損なわれるという問題があった。特許文献4に記載の防眩層はスクリーンに用いると透明性を著しく低下させるため、透視可能なスクリーンには使用することができない。
本発明は上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、投影光を異方的に散乱反射することにより投影光の視認性および透過光の視認性に優れ、視野角が広く、さらに、耐傷性、防眩性および輝度を向上させたシート状透明積層体を提供することにある。また、本発明の目的は、該シート状透明積層体を備えた透明スクリーンや、該シート状透明積層体または該透明スクリーンと投射装置とを備えた映像投影システムを提供することにある。
本発明者らは、上記の技術的課題を解決するため、鋭意検討した結果、光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方をバインダ中に分散させて透明光散乱層を形成し、さらに透明光散乱層の少なくとも片面に、透明反射防止層を積層することによって、上記の技術的課題を解決し、透明スクリーンに好適に使用できるシート状透明積層体が得られることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
バインダと、光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方とを含んでなる透明光散乱層と、透明反射防止層と、を備えてなる、シート状透明積層体が提供される。
本発明の態様においては、前記光輝性薄片状微粒子の一次粒子の平均径が、0.01〜100μmであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記光輝性薄片状微粒子が、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、ニッケル、スズ、スズ−コバルト合金、インジウム、クロム、酸化チタン、酸化アルミニウム、および硫化亜鉛からなる群から選択される金属系粒子、ガラスに金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料、または天然雲母もしくは合成雲母に金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記光輝性薄片状微粒子の含有量が、前記バインダに対して0.0001〜5.0質量%であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記略球状微粒子の屈折率nと前記バインダの屈折率nの差が下記数式(1):
|n―n|≧0.1 ・・・(1)
を満たすことが好ましい。
本発明の態様においては、前記略球状微粒子は、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、チタン酸バリウム、ダイヤモンド、チタン酸ストロンチウム、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、およびシリカからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記略球状微粒子の一次粒子のメジアン径が、0.1〜100nmであることが好ましい。
本発明の態様においては、前記略球状微粒子の含有量が、前記バインダに対して0.0001〜2.0質量%であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記透明反射防止層が、引っかき硬度がH以上の耐傷性を有することが好ましい。
本発明の態様においては、前記透明光散乱層と前記透明反射防止層の間に、保護層をさらに備えることが好ましい。
本発明の態様においては、前記シート状透明積層体は、ヘイズが30%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記シート状透明積層体は、写像性が70%以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記シート状透明積層体が、透過型透明スクリーン用であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記シート状透明積層体が、反射型透明スクリーン用であることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体を備えた、反射型透明スクリーンが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体を備えた、透過型透明スクリーンが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体、上記の透過型透明スクリーン、または上記の反射型透明スクリーンを備えた、車両用部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体、上記の透過型透明スクリーン、または上記の反射型透明スクリーンを備えた、建物用部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体または上記の透過型透明スクリーンと、投射装置とを備えた、映像投影システムが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記のシート状透明積層体または上記の反射型透明スクリーンと、投射装置とを備えた、映像投影システムが提供される。
本発明によるシート状透明積層体は、透明スクリーンとして用いた場合、透明性を損なわずに投影光を異方的に散乱反射させることで、透明スクリーンに鮮明な映像を投影することができ、さらに視野角に優れ、また、優れた耐傷性、防眩性、および輝度を有する。すなわち、本発明によるシート状透明積層体は、投影光の視認性と透過光の視認性とを両立でき、透明スクリーンとして好適に用いることができる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明による透明スクリーンおよび映像投影システムの一実施形態を示した模式図である。
<シート状透明積層体>
本発明によるシート状透明積層体は、透明光散乱層と、少なくとも片面に透明反射防止層を備えてなり、保護層、粘着層、および基材層等の他の層をさらに備えてもよい。本発明によるシート状透明積層体は透視可能であり、透明スクリーンとして好適に用いることができる。本発明によるシート状透明積層体は、投影光を異方的に散乱反射することにより投影光の視認性および透過光の視認性に優れ、視野角が広く、透明性が高く、さらに、優れた耐傷性、防眩性、および輝度を有するものである。このようなシート状透明積層体は、ヘッドアップディスプレイやウェアラブルディスプレイ等に用いられる反射型透明スクリーンとして特に好適に用いることができる。なお、本発明において、「透明」とは、用途に応じた透過視認性を実現できる程度の透明性があれば良く、半透明であることも含まれる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図1に示す。透明シート状積層体19は、バインダ13中に光輝性薄片状微粒子11および略球状微粒子12が分散されてなる透明光散乱層10と、透明反射防止層15と、を備えてなる。当該透明光散乱層11は、透明反射防止層15が耐傷性を有さない場合は、透明光散乱層10と透明反射防止層15の間に、保護層14をさらに備えてもよい。このような透明シート状積層体19は、投影光16を異方的に散乱することで、視認者18は散乱光17を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図2に示す。透明シート状積層体28は、バインダ23中に光輝性薄片状微粒子21および略球状微粒子22が分散されてなる透明光散乱層20と、耐傷性を有する透明反射防止層24と、を備えてなる。このような透明シート状積層体28は、投影光25を異方的に散乱することで、視認者27は散乱光26を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図3に示す。透明シート状積層体321は、バインダ313中に光輝性薄片状微粒子311および略球状微粒子312が分散されてなる透明光散乱層310と、透明反射防止層317と、を備えてなる。当該透明反射防止層317は、ポリエステル等の基材層315に別途積層されたものであってもよく、粘着層314を介して、透明反射防止層317に貼り合わせたものであってもよい。また、当該透明シート状積層体321は、当該透明反射防止層317と基材層315の間に、保護層316をさらに備えてもよい。このような透明シート状積層体321は、投影光318を異方的に散乱することで、視認者320は散乱光319を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図4に示す。透明シート状積層体420は、バインダ413中に光輝性薄片状微粒子411および略球状微粒子412が分散されてなる透明光散乱層410と、耐傷性を有する透明反射防止層416と、を備えてなる。当該透明反射防止層416は、ポリエステル等の基材層415に別途積層されたものであってよく、粘着剤層414を介して透明光散乱層410に貼り合わされたものであってよい。このような透明シート状積層体420は、投影光417を異方的に散乱することで、視認者419は散乱光418を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図5に示す。透明シート状積層体58は、バインダ53中に光輝性薄片状微粒子51および略球状微粒子52が分散されてなる透明光散乱層50の両面に、耐傷性を有する透明反射防止層54を備えてなる。このような透明シート状積層体58は、投影光55を異方的に散乱することで、視認者57は散乱光56を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図6に示す。透明シート状積層体69は、バインダ63中に光輝性薄片状微粒子61および略球状微粒子62が分散されてなる透明光散乱層60の両面に、透明反射防止層65を備えてなる。当該透明シート状積層体69は、透明光散乱層60と透明反射防止層65の間に、保護層64をさらに備えてもよい。このような透明シート状積層体69は、投影光66を異方的に散乱することで、視認者68は散乱光67を視認できる。
本発明によるシート状透明積層体の一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図7に示す。透明シート状積層体79は、バインダ73中に光輝性薄片状微粒子71および略球状微粒子72が分散されてなる透明光散乱層70の片面に、透明反射防止層75を備えてなる。当該シート状透明積層体79は、透明光散乱層70と透明反射防止層75の間に、保護層74をさらに備えてもよい。このような透明シート状積層体79は、投影光76を異方的に散乱することで、視認者78は散乱光77を視認できる。
当該シート状透明積層体は、ヘイズ値が、好ましくは50%以下、より好ましくは1%以上40%以下であり、より好ましくは1.3%以上30%以下であり、さらにより好ましくは1.5%以上20%以下であり、最も好ましくは2%以上10%以下である。全光線透過率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、さらにより好ましくは85%以上である。また、当該シート状透明積層体は、拡散透過率が、好ましくは1.5%以上60%以下、より好ましくは1.7%以上55%以下であり、より好ましくは1.9%以上50%以下であり、さらにより好ましくは2.0%以上45%以下である。ヘイズ値、および全光線透過率が上記範囲内であれば、透明性が高く、透過視認性をより向上させることができ、拡散透過率が上記範囲内であれば、入射光を効率よく拡散させ、視野角をより向上させることができるため、スクリーンとしての性能に優れる。なお、本発明において、シート状透明積層体のヘイズ値、全光線透過率および拡散透過率は、濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用いてJIS−K−7361およびJIS−K−7136に準拠して測定することができる。
当該シート状透明積層体は、反射正面光度が、好ましくは3以上60以下であり、より好ましくは4以上50以下であり、さらに好ましくは4.5以上40以下である。また、当該シート状透明積層体は、透過正面光度に1000を乗じた値が、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは2.0以上であり、さらにより好ましくは3.0以上50以下である。シート状透明積層体の反射正面光度および透過正面光度に1000を乗じた値が上記範囲内であれば、反射光の輝度が高く、反射型スクリーンとしての性能に優れる。なお、本発明において、シート状透明積層体の反射光度および反射光度向上率は、以下のようにして測定した値である。
(反射正面光度)
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を45度にセットし、測定ステージに白色度95.77の標準白色板を載せたときの0度方向への反射光強度を100とした。サンプル測定時は、光源の入射角を15度にセットし、0度方向への反射光の強度を測定した。
(透過正面光度)
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を0度にセットし、測定ステージに何も置かない状態での0度方向への透過光強度を100とした。サンプル測定は、光源の入射角を15度にセットし、0度方向への透過光の強度を測定した。
当該シート状透明積層体は、写像性が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、さらにより好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。当該透明スクリーン用フィルムの写像性が上記範囲内であれば、透明スクリーンを透過して見える像が極めて鮮明となる。なお、本発明において、写像性とは、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値である。
当該シート状透明積層体の厚さは、特に限定されるものではないが、用途、生産性、取扱い性、および搬送性の観点から、好ましくは0.1μm〜20mmであり、より好ましくは0.5μm〜15mmであり、さらに好ましくは1μm〜10mmである。なお、本発明において「シート状透明積層体」とは、いわゆるフィルム、シート、基板上に塗布することで形成される塗膜体、プレート(板状成形物)等の様々な厚みの成形物を包含する。
(透明光散乱層)
透明光散散層は、バインダと、光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方とを含んでなる。下記の光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方を用いることで、透明光散乱層内で光を異方的に散乱反射させて、視野角を向上させることができる。
透明光散乱層の厚さは、特に限定されるものではないが、用途、生産性、取扱い性、および搬送性の観点から、好ましくは0.1μm〜20mmであり、より好ましくは0.2μm〜15mmであり、さらに好ましくは1μm〜10mmである。透明光散乱層はシート状透明積層体であってもよく、ガラスや樹脂等からなる基板に形成した塗膜であってもよい。透明光散乱層は単層であってもよく、塗布等で2種以上の層を積層させる、または2種以上のシート状透明積層体を粘着剤等で貼り合わせたものであってもよい。
(バインダ)
光拡散層は、透明性の高いフィルムを得るために、透明性の高い有機系バインダまたは無機系バインダを用いることが好ましい。透明性の高い有機系バインダとしては、樹脂、例えば、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂および、電離放射線硬化性樹脂等の自己架橋性樹脂を用いることができる。透明性の高い樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、およびフッ素系樹脂等が挙げられる。
透明性の高い熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびポリスチレン系樹脂を用いることが好ましく、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂を用いることがより好ましい。これらの樹脂は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
透明性の高い電離放射線硬化型樹脂としては、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが好ましい。また、電離放射線硬化型樹脂は熱可塑性樹脂および溶剤と混合されたものであってもよい。電離放射線硬化型樹脂としては市販品を用いることができ、例えば、DIC(株)製ウレタンアクリレート型UV硬化性樹脂(商品名:ユニディックV−4018)等を使用することができる。
透明性の高い熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン系樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂が好ましい。
透明性の高い無機系バインダとしては、例えば、水ガラス、低軟化点を有するガラス材料、またはゾルゲル材料を挙げることができる。水ガラスとは、アルカリ珪酸塩の濃厚水溶液をいい、アルカリ金属としては通常ナトリウムが含まれている。代表的な水ガラスは、NaO・nSiO(n:正の任意の数)により示すことができ、市販品としては富士化学(株)社製珪酸ソーダを用いることができる。
低軟化点を有するガラス材料は、軟化温度が好ましくは150〜620℃の範囲にあるガラスであり、さらに好ましくは軟化温度が200〜600℃の範囲であり、最も好ましくは軟化温度が250〜550℃の範囲である。このようなガラス材料としては、PbO−B系、PbO−B−SiO系、PbO−ZnO−B系、酸成分及び金属塩化物を含む混合物を熱処理することにより得られる鉛フリー低軟化点ガラス等を挙げることができる。低軟化点ガラス材料には、微粒子の分散性および成形性向上のために、溶剤および高沸点有機溶剤等を混合することができる。
ゾルゲル材料は、熱や光、触媒などの作用により、加水分解重縮合が進行し、硬化する化合物群である。例えば、金属アルコキシド(金属アルコラート)、金属キレート化合物、ハロゲン化金属、液状ガラス、スピンオングラス、またはこれらの反応物であり、これらに硬化を促進させる触媒を含ませたものであってもよい。また、金属アルコキシド官能基の一部にアクリル基などの光反応性の官能基を有するものであってもよい。これらは、要求される物性に応じて、単独で用いても良いし、複数種類を組み合わせて用いても良い。ゾルゲル材料の硬化体とは、ゾルゲル材料の重合反応が十分に進行した状態を指す。ゾルゲル材料は、重合反応の過程において無機基板の表面と化学的に結合して、強く接着する。そのため、硬化物層としてゾルゲル材料の硬化体を用いることで、安定した硬化物層を形成することができる。
金属アルコキシドとは、加水分解触媒などによって任意の金属種を、水や有機溶剤と反応させて得られる化合物群であり、任意の金属種と、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、イソプロピル基等の官能基とが結合した化合物群である。金属アルコキシドの金属種としては、シリコン、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、ボロン、ジルコニウム、タングステン、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、スズなどが挙げられる。
例えば、金属種がシリコンの金属アルコキシドとしては、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン、ジフェニルシランジオール、ジメチルシランジオールなどや、これら化合物群のエトキシ基が、メトキシ基、プロピル基、イソプロピル基、ヒドロキシ基などに置き換わった化合物群などが挙げられる。これらのなかでも、トリエトキシシラン(TEOS)、TEOSのエトキシ基をメトキシ基に置き換えたテトラメトキシシラン(TMOS)が特に好ましい。これらは単独で用いても良く、複数種類を組み合わせて用いることもできる。
(溶剤)
これらの有機系バインダ、無機系バインダは必要に応じて溶剤をさらに含むものであって良い。溶剤としては、有機溶剤に限定されず、一般の塗料組成物に用いられる溶剤が使用可能である。例えば、水をはじめとする親水性溶媒も使用可能である。また、本発明のバインダが液体である場合は溶剤を含有しなくてもよい。
本発明による溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、n−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、2硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。溶剤の添加量は、バインダや微粒子の種類や後述する製造工程に好適な粘度範囲等に応じて、適宜調節することができる。
(光輝性薄片状微粒子)
光輝性薄片状微粒子としては、薄片状に加工できる光輝材を好適に用いることができる。光輝性薄片状微粒子の正反射率は、好ましくは12.0%以上であり、より好ましくは15.0%以上であり、さらに好ましくは20.0%以上80.0%以下である。なお、本発明において、光輝性薄片状微粒子の正反射率は、以下のようにして測定した値である。
(正反射率)
分光測色計(コニカミノルタ(株)製、品番:CM−3500dを用いて測定した。適切な溶媒(水またはメチルエチルケトン)に分散させた光輝性薄片状微粒子をスライドガラス上に膜厚が0.5mm以上になるように塗布、乾燥させた。得られた塗膜付きガラス板について、ガラス面の法線に対して45度の角度でガラス面から塗膜部へ光を入射したときの正反射率を測定した。光輝性薄片状微粒子を塗膜としたときの正反射率を測定することで、微粒子表面の酸化状態等を考慮した光輝性薄片状微粒子の反射性能を把握することができる。
光輝性薄片状微粒子としては、分散させるバインダの種類にもよるが、例えば、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、ニッケル、スズ、スズ‐コバルト合金、インジウムおよびクロム等の金属系微粒子、または、酸化チタン、酸化アルミニウムおよび硫化亜鉛からなる金属系微粒子、ガラスに金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料、または天然雲母や合成雲母に金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料を用いることができる。
金属系微粒子に用いる金属材料には、投影光の反射性に優れる金属材料が用いられる。具体的には、金属材料は、測定波長550nmにおける反射率Rが好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上であり、さらに好ましくは60%以上であり、さらにより好ましくは70%以上である。以下、本発明において、「反射率R」とは、金属材料に対して光を垂直方向から入射させたときの反射率を指す。反射率Rは金属材料固有値である屈折率nと消衰係数kの値を用いて下記式(1)により算出することができる。nおよびkは、例えばHandbook of Optical Constants of Solids: Volume 1(Edward D.Palik著)や、P.B. Johnson and R.W Christy, PHYSICAL REVIEW B, Vol.6, No.12, 4370-4379(1972)等に記載されている。
R={(1−n)+k}/{(1+n)+k} 式(1)
すなわち、測定波長550nmにおける反射率R(550)は、波長550nmで測定したときのnおよびkより算出できる。金属材料は、測定波長450nmにおける反射率R(450)と、測定波長650nmにおける反射率R(650)の差の絶対値が、測定波長550nmにおける反射率R(650)に対して25%以内であり、好ましくは20%以内であり、より好ましくは15%以内であり、さらに好ましくは10%以内である。このような金属材料を用いることで、反射型透明スクリーンとして用いた場合、投影光の反射性および色再現性に優れ、スクリーンとしての性能に優れる。
金属系微粒子に用いる金属材料は、誘電率の実数項ε’が、好ましくは−60〜0であり、より好ましくは−50〜−10である。なお、誘電率の実数項ε’は、屈折率nと消衰係数kの値を用いて下記式(2)により算出することができる。
ε’=n−k 式(2)
本発明はいかなる理論にも束縛されるものではないが、金属材料の誘電率の実数項ε’が上記数値範囲を満たすことで、以下の作用が生じ、透明光散乱体が反射型透明スクリーンとして好適に使用できると考えられる。すなわち、光が金属系微粒子の中に入ると、金属系微粒子中には光による振動電界が生じるが、同時に金属系微粒子の自由電子によって逆向きの電気分極が生じ電界を遮蔽してしまう。誘電率の実数光ε’が0以下であるとき、光が完全に遮蔽され金属系微粒子の中に光が入って行けない、すなわち、表面凹凸による拡散や金属系微粒子による光の吸収が無いという理想状態を仮定すると、光は全て金属系微粒子表面で反射されることになるため、光の反射性は強い。ε’が0より大きいとき、金属系微粒子の自由電子の振動は光の振動に追随出来ないため光による振動電界を完全には打ち消すことが出来ず、光は金属系微粒子の中に入ったり、透過したりする。その結果、金属系微粒子表面で反射されるのは一部の光だけになり、光の反射性は低くなる。また、酸化物等は振動に寄与できる自由電子が少ないため光の反射性が低い。
金属材料としては、上記の反射率R、好ましくはさらに誘電率を満たす金属材料を用いたものであればよく、純金属や合金も用いることができる。純金属としてはアルミニウム、銀、白金、チタン、ニッケル、およびクロムからなる群から選択されるものが好ましい。金属系微粒子としては、これらの金属材料からなる微粒子や、これらの金属材料を樹脂、ガラス、天然雲母もしくは合成雲母等に被覆した微粒子を用いることができる。また、金属系微粒子の形状は、特に限定されず、薄片状微粒子や略球状微粒子等を用いることができる。各種の金属材料について、各測定波長における屈折率nおよび消衰係数kを表1に、その値を用いて算出した反射率Rおよびε’を表2にまとめる。
Figure 2016204009
Figure 2016204009
光輝性薄片状微粒子は、一次粒子の平均径が好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜80μm、さらに好ましくは0.1〜50μm、さらにより好ましくは0.5〜30μmである。さらに、光輝性薄片状微粒子は、平均アスペクト比(=光輝性薄片状微粒子の平均径/平均厚み)が好ましくは3〜800、より好ましくは4〜700、さらに好ましくは5〜600、さらにより好ましくは10〜500である。光輝性薄片状微粒子の平均径および平均アスペクト比が上記範囲内であると、シート状透明積層体を透明スクリーン用として使用した場合に、透過視認性を損なわずに投影光の十分な散乱効果が得られることで、鮮明な映像を投影することができる。なお、本発明において、光輝性薄片状微粒子の平均径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置((株)島津製作所製、品番:SALD−2300)を用いて測定した。平均アスペクト比は、SEM((株)日立ハイテクノロジーズ製、商品名:SU−1500)画像より算出した。
光輝性薄片状微粒子は、市販のものを使用してもよく、例えば、大和金属粉工業株式会社製アルミニウムパウダー、松尾産業株式会社製金属被覆ガラス(商品名:メタシャイン)を好適に使用することができる。
透明光散乱層中の光輝性薄片状微粒子の含有量は、光輝性薄片状微粒子の正反射率に応じて適宜調節することができ、バインダに対して、好ましくは0.0001〜5.0質量%であり、好ましくは0.0005〜3.0質量%であり、より好ましくは0.001〜1.0質量%である。光輝性薄片状微粒子を上記範囲のように低濃度でバインダ中に分散させて透明光散乱層を形成することによって、光源から出射される投影光を異方的に散乱反射することにより、投影光の視認性と透過光の視認性とを向上することができる。
(略球状微粒子)
略球状微粒子とは、真球状粒子を含んでいてもよく、凹凸や突起のある球状粒子を含んでいてもよい。バインダの屈折率nと略球状微粒子の屈折率nは、下記数式(1):
|n−n|≧0.1 ・・・(1)
を満たすことが好ましく、下記数式(2):
|n−n|≧0.15 ・・・(2)
を満たすことがより好ましく、下記数式(3):
3.0≧|n−n|≧0.2 ・・・(3)
を満たすことがさらに好ましい。透明光散乱層を形成するバインダと略球状微粒子の屈折率が上記数式を満たすことで、透明光散乱層内で光を異方的に散乱させ、視野角を向上させることができる。また、略球状の微粒子を用いることで、光を全方位的に散乱させ、輝度を向上させることができる。
高屈折率を有する略球状微粒子としては、例えば、屈折率nが好ましくは1.80〜3.55であり、より好ましくは1.9〜3.3であり、さらに好ましくは2.0〜3.0である、金属酸化物、金属塩および無機物を微粒化した金属系粒子を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO、n=2.40)、酸化亜鉛(ZnO、n=2.40)、酸化チタン(TiO、n=2.72)、および酸化セリウム(CeO、n=2.20)等を挙げることができる。金属塩としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO、n=2.40)およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO、n=2.37)等を挙げることができる。無機物としては、ダイヤモンド(n=2.42)等を挙げることができる。また、低屈折率を有する無機系略球状微粒子としては、例えば、屈折率nが好ましくは1.35〜1.80であり、より好ましくは1.4〜1.75であり、さらに好ましくは1.45〜1.7であり、シリカ(SiO、n=1.45)等を微粒子化した粒子が挙げられる。さらに低屈折率を有する有機系略球状微粒子としては、例えば、アクリル系粒子、ポリスチレン系粒子が挙げられる。これらの略球状微粒子は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
略球状微粒子の一次粒子のメジアン径は好ましくは0.1〜100nmであり、より好ましくは0.2〜70nmであり、さらに好ましくは0.5〜50nmである。略球状微粒子の一次粒子のメジアン径が上記範囲内であると、透明シートとして使用した場合に、透過視認性を損なわずに投影光の十分な拡散効果が得られることで、透明スクリーンに鮮明な映像を投影することができる。なお、本発明において、無機微粒子の一次粒子のメジアン径(D50)は、動的光散乱法により粒度分布測定装置(大塚電子(株)製、商品名:DLS−8000)を用いて測定した粒度分布から求めることができる。
略球状微粒子の含有量は、透明光散乱層の厚さや微粒子の屈折率に応じて適宜調節することができる。透明光散乱層中の微粒子の含有量は、バインダに対して、好ましくは0.0001〜2.0質量%であり、より好ましくは0.001〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.005〜0.5質量%であり、さらにより好ましくは0.01〜0.3質量%である。透明光散乱層中の略球状微粒子の含有量が上記範囲内であれば、透明光散乱層の透明性を確保しながら、投射装置から出射される投影光を異方的に十分に拡散させることで、拡散光の視認性と透過光の視認性とを両立することができる。
(透明反射防止層)
透明反射防止層は、外光の映り込み現象や層表面におけるプロジェクターからの入射光の反射を低減することで、画像視認性を改善するための層である。さらに、透明反射防止層は、光源から出射された光の一部がスクリーン表面で反射することを抑制するため、結果としてフィルム内に入射する光量が増加するため輝度向上効果を有する。透明反射防止層は、光散乱層の視認者側に積層されるものであってもよく、両面に積層されるものであってもよい。透明反射防止層は、単層であってもよく、全波長領域で反射を防止するために、屈折率の異なる樹脂を多層積層したものであってもよい。
透明反射防止層は、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような樹脂を用いて形成することができる。このような樹脂としては、例えば、紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂を用いることができるが、これらの中でも電離放射線硬化型樹脂が特に好ましい。
また、透明反射防止層は、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような金属および金属酸化物等の無機材料の薄膜層からなるものであってもよい。無機材料としては、特に限定されるものではないが、蒸着容易性、透光性などを考慮し、例えば、酸化チタン(TiO、n=2.72)、酸化ジルコニウム(ZrO、n=2.40)、二酸化ケイ素(SiO、n=1.46)、フッ化マグネシウム(MgF、(n=1.39)、フッ化カルシウム(CaF、n=1.39)、CeO、n=2.45)、酸化スズ(SnO、n=2.30)、酸化タンタル(V)(Ta、n=2.12)、酸化インジウム(In、n=2.00)などが挙げられる。
透明反射防止層は、反射防止機能を有する層である。透明反射防止層の厚みは、好ましくは50nm〜100μmであり、より好ましくは80nm〜80μm以下であり、さらに好ましくは90nm〜100μm以下である。透明反射防止層の厚さが上記の範囲であれば、高透明性を維持したまま、優れた反射防止機能を付与することができる。
また、透明反射防止層を形成する樹脂または無機材料の種類を適切に選ぶことによって、耐傷性を付与することができる。透明反射防止層は、JIS−K5600−5−4(引っかき硬度法)に準拠して測定した引っかき硬度がH以上の耐傷性を有することが好ましく、2H以上の耐傷性を有することがより好ましく、3H以上の耐傷性を有することがさらに好ましい。
透明反射防止層の形成方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。透明反射防止層の形成方法は、例えば、反射防止能を有したフィルムの貼合、フィルム基板に直接蒸着またはスパッタリング等でドライコートする方式、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコート等のウェットコート処理などの方式を用いることができる。透明反射防止層は、透明光散乱層上に直接形成してもよく、透明光散乱層との間に保護層を介していてもよく、樹脂またはガラスからなる基材層に形成したのち、粘着剤等で光散乱層に貼り合わせてもよい。
(基材層)
基材層は、シート状透明積層体を支持するための層であり、シート状透明積層体の強度を向上させることができる。基材層は、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような透明性の高い樹脂またはガラスからなることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、上記の透明光散乱層と同様の透明性の高い樹脂を用いることができる。すなわち、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ならびに電離放射線硬化性樹脂等を好適に用いることができる。また、上記した樹脂を2種以上積層した積層体またはシートを使用してもよい。なお、基材層の厚さは、その強度が適切になるように用途・材料に応じて適宜変更することができる。例えば、10μm〜1mm(1000μm)の範囲としてもよく、1mm以上の厚板であってもよい。
(保護層)
保護層は、耐傷性、耐指紋性、耐候性、耐熱性、基材密着性および防汚性等の機能を付与するための層である。保護層は、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような材料を用いて形成することが好ましい。保護層の材料としては、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂などが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
保護層は、上記電離放射(紫外線)線硬化型樹脂組成物の塗工液をスピンコート、ダイコート、ディップコート、バーコート、フローコート、ロールコート、グラビアコート等の方法で、上記の反射型スクリーン用シート状透明積層体の表面側(視認者側)および裏面側の両面またはいずれか一方の面に塗布し、上記のような手段で塗工液を硬化させることにより形成することができる。
(粘着層)
粘着層は、支持体にシート状透明積層体を貼合したり、透明反射防止層を透明光散乱層に貼合したりするための層である。粘着層は、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような粘着剤組成物を用いて形成することが好ましい。粘着剤組成物としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体が挙げられる。シリコーン樹脂系の具体例としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系樹脂粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んで重合させたものである。炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体であるのが一般的である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいう。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸sec−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ウンデシルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、通常は、アクリル系粘着剤中に30〜99.5質量部の割合で共重合されている。
また、アクリル系樹脂粘着剤を形成するカルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチルおよびβ−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基を含有するモノマーを挙げることができる。
アクリル系樹脂粘着剤には、上記の他に、アクリル系樹脂粘着剤の特性を損なわない範囲内で他の官能基を有するモノマーが共重合されていても良い。他の官能基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルおよびアリルアルコール等の水酸基を含有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドおよびN−エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびジメチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基とメチロール基とを含有するモノマー;アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびビニルピリジン等のアミノ基を含有するモノマーのような官能基を有するモノマー; アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。この他にもフッ素置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルなどのほか、スチレンおよびメチルスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル化合物などを挙げることができる。
粘着剤は市販のものを使用してもよく、例えば、SKダイン2094、SKダイン2147、SKダイン1811L、SKダイン1442、SKダイン1435、およびSKダイン1415(以上、綜研化学(株)製)、オリバインEG−655、およびオリバインBPS5896(以上、東洋インキ(株)製)等(以上、商品名)を好適に使用することができる。
<シート状透明積層体の製造方法>
本発明によるシート状透明積層体の製造方法は、透明光散乱層を形成する工程と、透明反射防止層を積層する工程からなる。なお、透明反射防止層を積層する工程は、透明光散乱層とは別の基材に形成した透明反射防止層を透明光散乱層に貼合して積層してもよい。透明光散乱層を形成する工程は、混練工程と製膜工程からなる押出成型法、キャスト成膜法、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコート、噴霧等を含む塗布法、射出成型法、カレンダー成型法、ブロー成型法、圧縮成型法、2枚のガラス板の間にモノマー液を封入し、その中で塊状重合を行い、重合固化させて板状成型体を得るセルキャスト法など公知の方法により成型加工でき、成膜可能な膜厚範囲の広さから、押出成型法、射出成型法、塗布法を好適に用いることができる。以下、製造方法の各工程について詳述する。
(混練工程)
混練工程は、押出機を用いて透明光散乱層を形成する工程である。押出機としては単軸または二軸混練押出機を用いることができ、二軸混錬押出機を用いる場合は、二軸混錬押出機のスクリュー全長にわたる平均値として、好ましくは3〜1800KPa、より好ましくは6〜1400KPaのせん断応力をかけながら、上記の樹脂と微粒子とを混錬して、樹脂組成物を得る工程である。せん断応力が上記範囲内であれば、微粒子を樹脂中に十分に分散させることができる。特に、せん断応力が3KPa以上であれば、微粒子の分散均一性をより向上させることができ、1800KPa以下であれば、樹脂の分解を防ぎ、透明光散乱層内に気泡が混入するのを防止することができる。せん断応力は、二軸混錬押出機を調節することで、所望の範囲に設定することができる。本発明においては、微粒子を予め添加した樹脂(マスターバッチ)と、微粒子を添加していない樹脂とを混合したものを、二軸混錬押出機を用いて混練して、樹脂組成物を得てもよい。上記は混練工程の一例であり、単軸混錬押出機を用いて微粒子を予め添加した樹脂(マスターバッチ)を作製しても良く、一般的に知られている分散剤を添加してマスターバッチを作製しても良い。
樹脂組成物には、上記の樹脂と微粒子以外にも、シート状透明積層体の透過視認性や所望の光学性能を損なわない範囲で、従来公知の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、相溶化剤、核剤および安定剤等が挙げられる。なお、樹脂と微粒子は、上記で説明したとおりである。
混練工程に用いる二軸混錬押出機は、シリンダー内に2本のスクリューが挿入されたものであり、スクリューエレメントを組み合わせて構成される。スクリューは、少なくとも、搬送エレメントと、混練エレメントとを含むフライトスクリューを好適に用いることができる。混練エレメントは、ニーディングエレメント、ミキシングエレメント、およびロータリーエレメントからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような混練エレメントを含むフライトスクリューを用いることで、所望のせん断応力をかけながら、微粒子を樹脂中に十分に分散させることができる。
(製膜工程)
製膜工程は、混練工程で得られた樹脂組成物を製膜する工程である。製膜方法は、特に限定されず、従来公知の方法により、樹脂組成物からなるシート状透明積層体を製膜することができる。例えば、混練工程で得られた樹脂組成物を、融点以上の温度(Tm〜Tm+70℃)に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融する。溶融押出機としては、単軸混錬押出機、二軸混錬押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
続いて、溶融した樹脂組成物を、例えばTダイ等のダイによりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりシート状の積層体を成形することができる。なお、上記の混練工程と連続して製膜工程を行う場合には、混練工程で得られた樹脂組成物を溶融状態のまま直接、ダイより押出してシート状の透明光散乱層を成型することもできる。
製膜工程により得られたシート状の透明光散乱層は、従来公知の方法により、さらに一軸延伸または二軸延伸してもよい。上記の透明光散乱層を延伸することで、機械強度を向上させることができる。
(積層工程)
積層工程は、透明反射防止層を設ける場合に、製膜工程で得られたシート状の透明光散乱層上に、透明反射防止層をさらに積層する工程である。透明反射防止層の積層方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。例えば、透明反射防止層は、蒸着、スパッタリング、塗布、または別途他の基材層に積層された透明反射防止層を貼合することによって形成することができる。
<透明スクリーン>
本発明による透明スクリーンは、上記のシート状透明積層体を備えてなる。透明スクリーンは、上記のシート状透明積層体のみからなるものでもよく、透明パーティション等の支持体をさらに備えるものでもよい。透明スクリーンは、平面であってもよく、曲面であってもよく、凹凸面を有していてもよい。
本発明による透明スクリーンは、背面投射型スクリーン(透過型スクリーン)であってもよく、前面投射型スクリーン(反射型スクリーン)であってもよい。すなわち、本発明による透明スクリーンを備える映像表示装置においては、光源の位置がスクリーンに対して視認者と反対側にあってもよく(透過型スクリーン)、視認者側にあってもよい(反射型スクリーン)。このような透明スクリーンは、光源から出射される投影光を異方的に散乱反射することにより投影光および透過光の視認性に優れ、視野角が広く、さらに、優れた耐傷性、防眩性および輝度を有するものである。
(支持体)
支持体は、シート状透明積層体を支持するためのものである。支持体は、反射型スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないものであればよく、例えば、透明パーティション、ガラスウィンドウ、乗用車のヘッドアップディスプレイ、およびウェアラブルディスプレイ等が挙げられる。
<車両用部材>
本発明による車両用部材は、上記のシート状透明積層体または透明スクリーンを備えてなる。車両用部材としては、フロントガラスやサイドガラス等が挙げられる。車両用部材は上記のシート状透明積層体または透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、車両用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
<建物用部材>
本発明による建物用部材は、上記のシート状透明積層体または透明スクリーンを備えてなる。建物用部材としては、住宅の窓ガラス、コンビニや路面店のガラス壁等を挙げることができる。建物用部材は上記のシート状透明積層体または透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、建物用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
<映像投影システム>
本発明による映像投影システムは、上記のシート状透明積層体または透視可能なスクリーンと、投射装置とを備えてなる。投射装置とは、スクリーン上に映像を投射できるものであれば特に限定されず、例えば、市販のフロントプロジェクタを用いることができる。
本発明による透明スクリーンおよび映像投影システムの一実施形態の模式図を図8に示す。透明スクリーン80は、透明パーティション(支持体)82と、透明パーティション82上の視認者83側にシート状透明積層体81とを備えてなる。シート状透明積層体81は、透明パーティション82に貼付するために、粘着層を含んでもよい。透過型スクリーンである場合、映像投影システムは、透明スクリーン80と、透明スクリーン80に対して視認者83と反対側(背面側)に設置された投射装置84Aとを備えてなる。投射装置84Aから出射された投影光85Aは、透明スクリーン80の背面側から入射し、透明スクリーン80により異方的に散乱することで、視認者83は散乱光86Aを視認できる。また、反射型スクリーンである場合、映像投影システムは、透明スクリーン80と、透明スクリーン80に対して視認者83と同じ側(前面側)に設置された投射装置84Bとを備えてなる。投射装置84Bから出射された投影光85Bは、透明スクリーン80の前面側から入射し、透明スクリーン80により異方的に散乱することで、視認者83は散乱光86Bを視認できる。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定解釈されるものではない。
実施例および比較例において、各種物性および性能評価の測定方法は次のとおりである。
(1)ヘイズ
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7136に準拠して測定した。
(2)全光線透過率
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(3)拡散透過率
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(4)反射正面光度
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を45度にセットし、測定ステージに白色度95.77の標準白色板を載せたときの0度方向への反射光強度を100とした。サンプル測定時は、光源の入射角を15度にセットし、0度方向への反射光の強度を測定した。
(5)透過正面光度
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を0度にセットし、測定ステージに何も置かない状態での0度方向への透過光強度を100とした。サンプル測定は、光源の入射角を15度にセットし、0度方向への透過光の強度を測定した。
(6)視野角
変角光度計(日本電色工業(株)製、品番:GC5000L)を用いて測定した。光源の入射角を0度にセットし、測定ステージに何も置かない状態での0度方向への透過光強度を100とした。サンプル測定時は、光源の入射角は0度のまま、−85度から+85度までの透過光強度を1度刻みで測定した。測定範囲の中で、透過光強度が0.001以上ある範囲を視野角とした。
(7)正反射率
分光測色計(コニカミノルタ(株)製、品番:CM−3500dを用いて測定した。適切な溶媒(水またはメチルエチルケトン)に分散させた光輝性薄片状微粒子をスライドガラス上に膜厚が0.5mm以上になるように塗布、乾燥させた。得られた塗膜付きガラス板について、ガラス面の法線に対して45度の角度でガラス面から塗膜へ光を入射したときの正反射率を測定した。
(8)写像性
写像性測定器(スガ試験機(株)製、品番:ICM−1T)を用い、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値を写像性とした。像鮮明度の値が大きい程、透過写像性が高いことを示す。
(9)引っかき硬度
JIS−K5600−5−4 引っかき硬度法を用い、透明シート状積層体の視認者側について、硬度を評価した。
(10)ホットスポット
透明スクリ−ンとして下記で作製したシート状透明積層体に、シート状透明積層体の法線方向に対して角度15度で50cm離れた位置から、オンキョーデジタルソリューションズ(株)製のモバイルLEDミニプロジェクターPP−D1Sを用いて画像を投影した。次に、スクリ−ンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリ−ンの前方1mおよび後方1mの2ヶ所からスクリ−ンに映し出された画像を目視で観察し、外光および光源の映り込みを下記の基準に基づいて目視で評価した。
[評価基準]
○:外光、光源の映り込みが低減し、鮮明に映像を視認することができた。
×:外光、光源が映り込み、一部映像が視認できない部位が発生した。
(11)スクリーン性能
透明スクリ−ンとして下記で作製したシート状透明積層体に、シート状透明積層体の法線方向に対して角度15度で50cm離れた位置から、オンキョーデジタルソリューションズ(株)製のモバイルLEDミニプロジェクターPP−D1Sを用いて画像を投影した。次に、スクリ−ンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリ−ンの前方1mおよび後方1mの2ヶ所からスクリ−ンに映し出された画像を目視で観察し、下記の基準に基づいて目視で評価した。
[評価基準]
◎:極めて鮮明に映像を視認することができた。
○:鮮明に映像を視認することができた。
△:映像の輪郭、色相がややぼやけて視認された。
×:映像の輪郭がぼやけ、スクリーンとして使用するには不適であった。
[実施例1]
(1)微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製(以下、「ペレット作製工程」という)
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:IP121B)を用意した。該PETペレットに、光輝性薄片状微粒子として、PETペレットに対して0.0085質量%の薄片状アルミニウム微粒子A(一次粒子の平均径10μm、アスペクト比300、正反射率62.8%)を加えて、回転型混合器にて混合することでPETペレット表面に均一に薄片状アルミニウム微粒子が付着したPETペレットを得た。
(2)透明光散乱層の作製(以下、「シート作製工程」という)
得られた微粒子添加PETペレットを二軸混練押出機(テクノベル(株)製、商品名:KZW−30MG)のホッパーに投入し、80μmの厚さの透明光散乱層を作製した。なお、二軸混練押出機のスクリュー径は20mmであり、スクリュー有効長(L/D)は30であった。また、二軸混練押出機にはアダプタを介し、ハンガーコートタイプのTダイを設置した。押出温度は270℃とし、スクリュー回転数は500rpmとし、せん断応力は300KPaとした。使用したスクリューは全長670mmであり、スクリューのホッパー側から160mmの位置から185mmの位置までの間にミキシングエレメントを含み、かつ185mmから285mmの位置の間にニーディングエレメントを含み、その他の部分はフライト形状であった。
(3)シート状透明積層体の作製
得られた透明光散乱層の片面に、透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook、型番:2702UV−50)を、透明反射防止層が最表面になるように貼り合わせ、全体の厚みが155μmのシート状透明積層体を作製した。
(4)透明スクリーンの評価
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4.5%であり、拡散透過率は4.0%であり、全光線透過率は89.1%であり、写像性は92%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、1.06であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、9.2であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±14度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時に極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例2]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、薄片状アルミニウム微粒子Aを0.042質量%とした以外は用いた以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが155μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は17.4%であり、拡散透過率は13.0%であり、全光線透過率は74.7%であり、写像性は91%であり、引っかき硬度は3Hであり、実施例2と比較するとやや劣るものの、十分な透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、3.54であり、透過正面光度(×1000)に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、32.5であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±26度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時に極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例3]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子として薄片状アルミニウム微粒子B(一次粒子の平均径7μm、アスペクト比40、正反射率24.6%)をPETペレットに対して0.0085質量%を添加した以外は実施例1と同様にして膜厚100μmの透明光散乱層作製した。続いて、当該透明光散乱層の両面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが250μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4.3%であり、拡散透過率は3.9%であり、全光線透過率は90.0%であり、写像性は91%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、0.89であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、6.1であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±14度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時に極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例4]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子として酸化チタン(TiO)被覆雲母(トピー工業(株)製、商品名:Helios R10S、一次粒子の平均径12μm、アスペクト比80、正反射率16.5%)を0.1質量%用いた以外は実施例1と同様にして膜厚100μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが175μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は2.4%であり、拡散透過率は2.2%であり、全光線透過率は92.9%であり、写像性は86%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、0.50であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、5.3であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±10度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができた。
[実施例5]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、薄片状アルミニウム微粒子Aに加え、0.15質量%の酸化ジルコニア(ZrO)粒子(関東電化工業(株)製、一次粒子のメジアン径10nm、屈折率2.40)を加えた以外は実施例1と同様にして膜厚100μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが175μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は11.9%であり、拡散透過率は4.4%であり、全光線透過率は90.3%であり、写像性は85%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、13.59であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、3.3であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±25度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例6]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてPETペレットの代わりにPMMAペレット(三菱レーヨン(株)製、商品名:アクリペットVH)を用い、かつ光輝性薄片状微粒子として薄片状アルミニウム微粒子Aの代わりに薄片状銀粒子(一次粒子の平均径1μm、アスペクト比200、正反射率32.8%)を0.50質量%加えた以外は実施例1と同様にして膜厚30μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが105μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は8.4%であり、拡散透過率は5.9%であり、全光線透過率は70.1%であり、写像性は75%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、1.32であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、13.8であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±15度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時に極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例7]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてPETペレットの代わりにシクロオレフィンポリマー(COP)ペレット(日本ゼオン(株)製、銘柄ZEONOR 1020R)を用い、かつ光輝性薄片状微粒子として薄片状アルミニウム微粒子Aの代わりに薄片状アルミニウム微粒子C(一次粒子の平均径15μm、アスペクト比750、正反射率68.9%)0.15質量%加えた以外は実施例1と同様にして膜厚100μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが175μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は3.7%であり、拡散透過率は3.0%であり、全光線透過率は79.9%であり、写像性は71%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、2.72であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、8.3であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±22度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時に極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例8]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子として薄片状アルミニウム微粒子D(一次粒子の平均径1μm、40nm厚、アスペクト比25、正反射率16.8%)をPETペレットに対して0.002質量%添加した以外は実施例1と同様にして膜厚80μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが155μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は1.8%であり、拡散透過率は1.6%であり、全光線透過率は88.0%であり、写像性は83%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、0.79であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、5.0であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±14度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時において極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例9]
実施例8の(1)ペレット作製工程において、薄片状アルミニウム微粒子DをPETペレットに対して0.004質量%添加した以外は実施例1と同様にして膜厚80μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが155μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は3.7%であり、拡散透過率は3.2%であり、全光線透過率は86.0%であり、写像性は84%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、1.49であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、6.9であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±20度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時において極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例10]
実施例8の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子として0.0002質量%の薄片状アルミニウム微粒子Dと、略球状微粒子として0.0002質量%の酸化チタン(TiO)粒子(テイカ(株)製、一次メジアン径13nm、屈折率2.72)とを添加した以外は実施例1と同様にして、膜厚1000μmの透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが1075μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は6.6%であり、拡散透過率は4.7%であり、全光線透過率は70.5%であり、写像性は81%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、2.13であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、8.2であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±17度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに極めて鮮明な映像を視認することができた。
[実施例11]
バインダとして市販のウレタンアクリレート型UV硬化性樹脂(DIC(株)製 ユニディックV−4018、主成分:ニトロセルロース、溶媒として酢酸ブチル、イソプロピルアルコールを含有)を用い、不揮発分重量に対して光輝性薄片状微粒子としてニッケル微粒子(一次粒子の平均径9μm、アスペクト比90、正反射率16.8%)を0.25質量%添加し、分散液Aを調製した。さらに、この分散液100重量部に対して光重合開始剤(BASFジャパン(株)製、イルガキュア184)5重量部を添加し、光硬化性を有する分散液を得た。得られた分散液を、厚さ100μmの二軸延伸ポリエステル(PET)フィルム(東洋紡(株)製、コスモシャインA4100)に、乾燥後の膜厚が40μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、70℃の熱風乾燥機で5分間乾燥した後、紫外線を照射することにより、透明光散乱層を作製した。続いて、当該透明光散乱層の片面に透明反射防止層(日油(株)製、商品名ReaLook 型番:2702UV−50)を貼り合わせ、全体の厚みが115μmのシート状透明積層体を作製した。
作製したシート状透明積層体をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は6.3%であり、拡散透過率は5.1%であり、全光線透過率は81.5%であり、写像性は71%であり、引っかき硬度は3Hであり、高い透明性を有していた。
変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、1.14であり、透過正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、11.3であり、反射正面光度に優れることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±18度であり、視野角特性に優れることが分かった。また、視認性を目視で評価した結果、外光および光源の映り込みが低減し、前方観察時、後方観察時ともに鮮明な映像を視認することができ、特に前方観察時において極めて鮮明な映像を視認することができた。
[比較例1]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子を添加せず、略球状微粒子ZrO(一次粒子のメジアン径10nm、屈折率2.40)を0.15質量%添加した以外は実施例1と同様にして、膜厚100μmの透明光散乱層を作製した。
作製した透明光散乱層に透明反射防止層を貼り合わせず、そのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は9.0%であり、拡散透過率は8.1%であり、全光線透過率は90.0%であり、写像性は87%であり、引っかき硬度は3Bであった。変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、2.63であり、透過正面光度が劣ることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、1.0であり、反射正面光度が劣ることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±20度であり、視野角特性に優れるものの、視認性を目視で評価した結果、光源の映り込みが顕著で、輝度が低く、実施例1〜11と比較して鮮明な映像を視認することができなかった。
[比較例2]
実施例1と同様に透明光散乱層を作成し、透明反射防止層を貼り合わせずそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4.3%であり、拡散透過率は3.7%であり、全光線透過率は86.0%であり、写像性は92%であり、引っかき硬度は3Bであった。変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、1.02、反射正面光度は、8.9であり、透過正面光度が劣ることが分かった。また、変角光度計にて測定した視野角は±14度であり、視野角特性に優れるものの、視認性を目視で評価した結果、光源の映り込みが顕著で、輝度が低く、実施例1〜11と比較して鮮明な映像を視認することができなかった。
[比較例3]
実施例1の(1)ペレット作製工程において、光輝性薄片状微粒子を添加せず、光輝性の無い薄片状微粒子として、雲母粒子((株)ヤマグチマイカ製、商品名:A−21S、一次粒子の平均径23μm、アスペクト比70、正反射率9.8%)を0.2質量%添加した以外は実施例1と同様にして、膜厚80μmの透明光散乱層を作製し、透明反射防止層を貼り合わせずそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は0.3%であり、拡散透過率は0.3%であり、全光線透過率は89.0%であり、写像性は71%であり、引っかき硬度は3Bであった。変角光度計にて測定した透過正面光度(×1000)は、0.00であり、透過正面光度が劣ることが分かった。変角光度計にて測定した反射正面光度は、0.0であり、反射正面光度が劣ることが分かった。変角光度計にて測定した視野角は±6度であり、実施例1〜11と比較して視野角特性に劣っていた。また、視認性を目視で評価した結果、光源の映り込みが顕著で、輝度が低く、実施例1〜11と比較して鮮明な映像を視認することができなかった。
実施例および比較例で用いた透明光散乱層の詳細を表3に示す。
Figure 2016204009
実施例および比較例で用いたシート状透明積層体の各種物性および性能評価の結果を表4に示す。
Figure 2016204009
10、20、310、410、50、60、70 透明光散乱層
11、21、311、411、51、61、71 光輝性薄片状微粒子
12、22、312、52、62、72 略球状微粒子
13、23、313、413、53、63、73 バインダ
14、316、64、74 保護層
15、24、317、416、54、65、75 透明反射防止層
16、25、318、417、55、66、76、85A、85B 投影光
17、26、319、418、56、67、77、86A、86B 散乱光
18、27、320、419、57、68、78、83 視認者
19、28、321、420、58、69、79、81 透明シート状積層体
314、414 粘着層
315、415 基材層
82 透明パーティション(支持体)
80 透明スクリーン
84A、84B 投射装置

Claims (20)

  1. バインダと、光輝性薄片状微粒子または略球状微粒子の少なくともいずれか一方とを含んでなる透明光散乱層と、
    透明反射防止層と、
    を備えてなる、シート状透明積層体。
  2. 前記光輝性薄片状微粒子の一次粒子の平均径が、0.01〜100μmである、請求項1に記載のシート状透明積層体。
  3. 前記光輝性薄片状微粒子が、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、ニッケル、スズ、スズ−コバルト合金、インジウム、クロム、酸化チタン、酸化アルミニウム、および硫化亜鉛からなる群から選択される金属系粒子、ガラスに金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料、または天然雲母もしくは合成雲母に金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料である、請求項1または2に記載のシート状透明積層体。
  4. 前記光輝性薄片状微粒子の含有量が、前記バインダに対して0.0001〜5.0質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  5. 前記略球状微粒子の屈折率nと前記バインダの屈折率nの差が下記数式(1):
    |n―n|≧0.1 ・・・(1)
    を満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  6. 前記略球状微粒子が、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ダイヤモンド、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂およびシリカからなる群より選択された少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  7. 前記略球状微粒子の一次粒子のメジアン径が、0.1〜100nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  8. 前記略球状微粒子の含有量が、前記バインダに対して0.0001〜2.0質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  9. 前記透明反射防止層が、引っかき硬度がH以上の耐傷性を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  10. 前記透明光散乱層と前記透明反射防止層の間に、保護層をさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  11. 前記シート状透明積層体のヘイズが30%以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  12. 前記シート状透明積層体の写像性が70%以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  13. 透過型透明スクリーン用である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  14. 反射型透明スクリーン用である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシート状透明積層体。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のシート状透明積層体を備えた、透過型透明スクリーン。
  16. 請求項1〜12および14のいずれか一項に記載のシート状透明積層体を備えた、反射型透明スクリーン。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のシート状透明積層体、請求項15に記載の透過型透明スクリーン、または請求項16に記載の反射型透明スクリーンを備えた、車両用部材。
  18. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のシート状透明積層体、請求項15に記載の透過型透明スクリーン、または請求項16に記載の反射型透明スクリーンを備えた、建物用部材。
  19. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のシート状透明積層体または請求項15に記載の透過型透明スクリーンと、投射装置とを備えた、映像投影システム。
  20. 請求項1〜12および14のいずれか一項に記載のシート状透明積層体または請求項16に記載の反射型透明スクリーンと、投射装置とを備えた、映像投影システム。
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