JP6848501B2 - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents
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上述の特許文献1には、透過型、反射型の両方に使用することができるスクリーンが提案されており、背面側からの光を透過することが可能である。しかし、この特許文献1には、透明性の向上に関する対策に関してはなんら開示されていない。
請求項1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、一部を透過する反射スクリーンであって、該反射スクリーン内に位置し、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有する反射層(13)を備え、前記反射層は、その両面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、該反射スクリーンの厚み方向において、前記反射層から該反射スクリーンの背面側表面までの領域が有する光の拡散作用は、前記反射層から該反射スクリーンの映像源側表面までの領域が有する光の拡散作用よりも大きいこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、該反射スクリーンの厚み方向において、背面側から入射した光が前記反射層(13)で反射して背面側へ出射した反射光における拡散反射率は、映像源側から入射した光が前記反射層で反射して映像源側へ出射した反射光における拡散反射率よりも大きいこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層(13)は、金属薄膜により形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、光透過性を有し、映像光が入射する第1の面(121a)とこれに対向する第2の面(121b)とを有する第1単位光学形状(121)が、背面側の面に複数配列された第1光学形状層(12)と、光透過性を有し、前記第1光学形状層よりも背面側に設けられ、前記第1単位光学形状の逆型となる第2単位光学形状(141)が映像源側の面に複数配列された第2光学形状層(14)と、を備え、前記反射層(13)は、前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間であって、少なくとも前記第1単位光学形状の第1の面の一部に位置すること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、スクリーンの画面(表示面)に平行であるとする。
図1は、本実施形態の映像表示装置1を示す図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、その映像源側の画面(表示面)に映像を表示可能である。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
また、スクリーン10の映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て画面左右方向(水平方向)の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向(鉛直方向)の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
映像源LSは、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面からの距離が従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から、斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光がスクリーン10に入射する入射角度が大きく、入射角度の変化量(最小値から最大値までの変化量)も大きい。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、映像源側(+Z側)の観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
スクリーン10は、その画面サイズが対角40〜100インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、スクリーン10は、例えば、画面サイズを40インチ以下としてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
このような支持板は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。また、これに限らず、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
本実施形態の映像表示装置1は、例えば、店舗等のショーウィンドウに適用される。このとき、スクリーン10は、ショーウィンドウのガラスを上記支持板として固定される形態とすることが好適である。
図3は、本実施形態の第1光学形状層12を背面側(−Z側)から見た図である。理解を容易にするために、スクリーン10の反射層13や第2光学形状層14、保護層11等を省略して示している。
スクリーン10は、図2に示すように、その映像源側(+Z側)順に、保護層11、第1光学形状層12、反射層13、第2光学形状層14、基材層15を備えている。
保護層11は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。保護層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成されたシート状の部材が好適である。
この保護層11は、例えば、ハードコート機能や帯電防止機能、防汚機能等を有していてもよい。また、保護層11は、第1光学形状層12等が十分な厚さや耐傷性を有しているのであれば、設けない形態としてもよい。
この第1光学形状層12の背面側の面には、点Cを中心として、真円の一部形状(円弧状)の第1単位光学形状(単位レンズ)121が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状が形成されている。点Cは、図3に示すように、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置しており、第1光学形状層12は、その点Cを中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
この点Cは、図3に示すように、画面左右方向の中央であって画面下方に位置している。したがって、スクリーン10を正面方向から見た場合、点Cと点Aとは、画面上下方向(Y方向)に平行な同一直線上に位置している。
また、第1単位光学形状121は、背面側(−Z側)に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)121bとを有している。図2に示す断面では、1つの第1単位光学形状121において、第2斜面121bは、頂点tを挟んで第1斜面121aの下側(−Y側)に位置している。
第1斜面121aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
また、この第1単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bには、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
理解を容易にするために、図2では、第1単位光学形状121の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、第1単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の第1単位光学形状121は、実際には、配列ピッチPは一定であるが、角度θ1が第1単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源LSの画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、第1単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチPが変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第1光学形状層12の屈折率は、後述する第2光学形状層14の屈折率と等しい、又は、略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが望ましい。また、第1光学形状層12と第2光学形状層14とは、同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましいが、異なる材料により形成してもよい。
本実施形態では、第1光学形状層12と第2光学形状層14とは、同じ材料により形成され、その屈折率も等しい。
反射層13は、その映像源側の面、背面側の面が、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面となっている。この凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
この反射層13は、入射した光の一部を微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光の少なくとも一部を拡散しないで透過するという機能を有する。
なお、反射層13は、これに限らず、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングする等により形成されてもよい。また、反射層13は、誘電体多層膜を蒸着する等により形成されてもよい。
この第2光学形状層14の映像源側(+Z側)の面には、第1光学形状層12の背面側(−Z側)の面に設けられたサーキュラーフレネルレンズ形状の逆型となる形状が形成されている。即ち、第2光学形状層14の映像源側の面には、第1単位光学形状121の逆型となる第2単位光学形状141が、同心円状に複数配列されている。
第2単位光学形状141は、図2に示すように、スクリーン面に直交する方向(Z方向)に平行であって、第2単位光学形状141の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。第2単位光学形状141は、映像源側(+Z側)に凸であり、第1斜面141a及び第2斜面141bを有している。図2に示す断面では、1つの第2単位光学形状141において、第2斜面141bは、頂点t2を挟んで第1斜面141aの上側(+Y側)に位置している。
第2単位光学形状141の第1斜面141aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面141bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
なお、本実施形態では、第2光学形状層14を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、本実施形態の第2光学形状層14は、ガラス転移温度Tgが50〜100℃である樹脂により形成されることが、第2光学形状層14と反射層13との密着を高める観点から好ましい。また、第2光学形状層14を形成する樹脂のガラス転移温度Tgを上述の範囲とすることにより、反射層13を第2単位光学形状141上に成膜する際に、第2単位光学形状141の表面が荒れ、反射層13の第1光学形状層12側の面、第2光学形状層14側の面でのヘイズ差を容易に付与することができ、スクリーン10の厚み方向において、反射層13から背面側の表面までの領域が有する光の拡散作用を、反射層13から映像源側の表面までの領域が有する光の拡散作用よりも大きくすることができる。
基材層15は、例えば、前述の保護層11と同様に、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成されたシート状の部材が好適である。
基材層15を用意し、その一方の面に、第2単位光学形状141を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第2光学形状層14を形成する。このとき、第2単位光学形状141を賦形する成形型の第1斜面141a及び第2斜面141bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この微細かつ不規則な凹凸形状は、成形型の第1斜面141a及び第2斜面141bを賦形する面に、表面加工を複数回行うことにより形成できる。この表面加工は、例えば、めっき加工や、エッチング加工、ブラスト加工等である。また、表面加工は、各種条件等を変更して複数回行ってもよい。
前述のように、第2光学形状層14の第2単位光学形状141の第1斜面141a及び第2斜面141bには、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されており、反射層13は、この凹凸形状に追従して形成され、第1斜面141a及び第2斜面141bの凹凸形状が維持されたまま成膜されている。そのため、反射層13は、その第2光学形状層14側(使用状態での背面側)の面及び第1光学形状層12が形成される側(使用状態での映像源側)の面が、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
その後、所定の大きさに裁断する等により、スクリーン10が完成する。
なお、基材層15及び保護層11は、枚葉状としてもよいし、ウェブ状としてもよい。
これに対して、上述のように、第2単位光学形状141の第1斜面141a,第2斜面141bに微細かつ不規則な凹凸形状を成形型によって賦形した後、反射層13を形成することにより、多数のスクリーン10を製造する場合にも、品質のばらつきが少なく、安定して製造できる。
このような第1光学形状層12を設けることにより、反射層13を保護でき、ハンドリングが容易になるという利点や、保護層11等を積層しやすくなるという利点がある。
スクリーン10の下方に位置する映像源LSから投射され、スクリーン10に入射した映像光L1のうち、一部の映像光L2は、その第1単位光学形状121の第1斜面121aに入射し、反射層13によって拡散反射され、観察者O1側へ出射する。
また、映像源LSから投射された映像光L1うち、一部の映像光L4は、スクリーン10の表面で反射し、スクリーン10上方へ向かうので、観察者O1には届かず、映像の視認の妨げにはならない。
なお、本実施形態では、映像源LSがスクリーン10よりも下方に位置し、映像光L1がスクリーン10の下方から投射され、かつ、第2斜面121bの角度θ2(図2参照)がスクリーン10の画面上下方向の各点における映像光の入射角度よりも大きいので、映像光が第2斜面121bに直接入射することはなく、第2斜面121bは、映像光の反射にはほとんど影響しない。
図4に示すように、スクリーン10に上方から入射する外光G1,G5のうち、一部の外光G2,G6は、スクリーン10の表面で反射し、スクリーン下方側へ向かう。また、一部の外光G3,G7は、反射層13で反射する。そして、例えば、外光G3の一部は、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面で全反射してスクリーン10内下方へ向かい、外光G3の他の一部(不図示)は、スクリーン10の下方へ向けて出射する。また、外光G7は、背面側(−Z側)のスクリーン外上方側へ出射する。また、反射層13で反射しなかった他の外光G4,G8は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。このとき、映像源側へ出射する外光G2,G3,G8は、観察者O1には到達しないので、映像のコントラスト低下を抑制できる。
また、スクリーン10に小さな入射角度で入射する外光G9,G10は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。スクリーン10は、光を拡散する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないので、このスクリーン10を透過する外光G9,G10は、拡散されない。したがって、スクリーン10を通して、スクリーン10の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン10の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
したがって、本実施形態のスクリーン10は、良好な視野角及び解像度を有する映像を表示でき、かつ、スクリーン10の向こう側の景色が白くにじんだり、ぼけたりすることがなく観察者O1に良好に視認され、高い透明性を実現できる。また、本実施形態のスクリーン10では、スクリーン10に映像光が投射された状態においても、観察者O1が、スクリーン10の向こう側(背面側)の景色を一部視認することが可能である。さらに、本実施形態のスクリーン10では、背面側に位置する観察者O2は、映像光の投射の有無に関わらず、スクリーン10越しに映像源側(+Z側)の景色を高い透明性を有して良好に視認することができる。
本実施形態のスクリーン10は、厚み方向において、反射層13から背面側の表面までの領域が有する光の拡散作用が、反射層13から映像源側の表面までの領域が有する光の拡散作用よりも大きい。即ち、スクリーン10において、背面側(−Z側)から入射した光が反射層13で反射して背面側へ出射する場合に受ける拡散作用は、映像源側(+Z側)から入射した光が反射層13で反射して映像源側へ出射する場合に受ける拡散作用に比べて大きい。
したがって、スクリーン10の背面側(−Z側)から入射して反射層13で反射して背面側へ出射した反射光の拡散反射率(背面側での拡散反射率)が、スクリーン10の映像源側(+Z側)から入射して反射層13で反射され映像源側へ出射した反射光の拡散反射率(映像源側での拡散反射率)よりも大きい。
また、映像光は、反射層13により十分拡散反射されるので、映像源側に位置する観察者O1に対して良好な明るさを有する映像を表示できる。また、映像源側上方からの外光に関しては、反射層13で拡散反射してもスクリーン10の下方へ向かい観察者O1に届かないので、映像のコントラストの低下を抑制できる。
実施例のスクリーン10は、背面側のヘイズが、映像源側のヘイズよりも大きい。即ち、実施例のスクリーンでは、映像源側から入射した場合の反射光の拡散反射率が約5.8%であり、背面側から入射した場合の反射光の拡散反射率が約9.2%であり、背面側での拡散反射率の方が、映像源側での拡散反射率よりも大きい。
また、比較例のスクリーンは、実施例のスクリーンと同様の形態であるが、映像源側のヘイズと背面側のヘイズとが略等しい点が、実施例のスクリーンとは異なる。即ち、比較例のスクリーンでは、映像源側から入射した場合の反射光の拡散反射率が約5.2%であり、背面側から入射した場合の反射光の拡散反射率が約5.5%であり、背面側における拡散反射率と映像源側における拡散反射率との差異が小さい。
映像の見えやスクリーンの透明性については、実施例のスクリーンを明室環境下(照明はスクリーン中央部で約600ルクス程度)に配置し、映像源LSから映像光を投射し、スクリーンの正面方向3mの位置からその映像の見えや、スクリーンの透明性等を目視で観察し、評価した。
一方、比較例のスクリーンでは、明るく良好な映像が観察されたが、背面側から入射した外光等により、背面側から見た場合に明るさのむらが観察される等して好ましくなかった。
また、本実施形態によれば、第1光学形状層12は、フレネルセンターとなる点Cが、表示領域外であって映像源LS側に位置しており、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有しているので、短焦点型のプロジェクタである映像源LSから投射された入射角度の大きい映像光Lであっても、画面左右方向の映像が暗くなることがなく、明るさの面均一性の高い良好な映像を表示することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、スクリーン10の映像源側(+Z側)や背面側(−Z側)の面に、傷つき防止を目的としたハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えば、スクリーン10の映像源側の面(保護層11の映像源側の面)に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布して形成する等により、形成される。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン10の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、保護層11の映像源側(+Z側)にタッチパネル層等を設けてもよい。
例えば、スクリーン10の映像源側の表面に反射防止層を設けた場合には、スクリーン10表面での反射を低減してスクリーン10への入射光量を増大させ、映像の明るさを向上させる効果に加え、反射層13で反射した光の一部が、映像源側表面で反射して背面側から出射することにより、背面側の観察者O2に映像が一部見えてしまうことを防止できる。
また、実施形態において、反射層13よりも背面側に、上述のような光吸収層を設けて、背面側から入射する外光を吸収し、映像のコントラスト向上を図ってもよい。
なお、上述の光吸収層は、着色材を含有せず、透明な層であって光吸収作用を有する層としてもよい。
また、第1単位光学形状121及び第2単位光学形状141は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
また、反射層13は、第1斜面141a及び第2斜面141b(第1斜面121a及び第2斜面121b)に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、第1斜面141a(第1斜面121a)の少なくとも一部に形成される形態としてもよい。
また、第1斜面121a及び第2斜面121b、第1斜面141a及び第2斜面141bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有する例を示したが、これに限らず、第1斜面121a,141aにのみ微細かつ不規則な凹凸形状を有する形態としてもよい。
この場合、第1光学形状層12のサーキュラーフレネルレンズ形状のフレネルセンターとなる点Cは、映像源LSの位置に合わせてずらして配置する。このような形態とすることにより、映像源LSの位置等を自由に設定することができる。
また、スクリーン10は、基材層15及び保護層11の少なくとも一方を、ガラス板等の光透過性を有する板状の部材としてもよい。このとき、粘着剤層等を介して第1光学形状層12等がガラス板等に接合される形態としてもよい。
このとき、映像源LSは、映像光が入射角φでスクリーン10へ投射されるように位置及び角度が設定されている。この入射角φは、スクリーン10へ投射された映像光(P波)の反射率がゼロとなる入射角(ブリュースター角)をφb(°)とした場合、(φb−10)°以上85°以下の範囲に設定される。例えば、スクリーン10へ投射された映像光の反射率がゼロとなる入射角φbが60°である場合、映像光の入射角φは、50〜85°の範囲に設定される。
なお、角度φb(ブリュースター角)は、映像光が投射されるスクリーン10表面の材質により異なる。
また、このような形態の場合、基材層15及び保護層11としては、TAC製のシート状の部材が好適である。
10 スクリーン
11 基材層
12 第1光学形状層
121 単位光学形状
121a 第1斜面
121b 第2斜面
13 反射層
14 第2光学形状層
141 単位光学形状
141a 第1斜面
141b 第2斜面
15 保護層
Claims (6)
- 映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、一部を透過する反射スクリーンであって、
該反射スクリーン内に位置し、入射した光の一部を拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有する反射層を備え、
前記反射層は、その両面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、
該反射スクリーンの厚み方向において、前記反射層から該反射スクリーンの背面側表面までの領域が有する光の拡散作用は、前記反射層から該反射スクリーンの映像源側表面までの領域が有する光の拡散作用よりも大きいこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
該反射スクリーンの厚み方向において、背面側から入射した光が前記反射層で反射して背面側へ出射した反射光における拡散反射率は、映像源側から入射した光が前記反射層で反射して映像源側へ出射した反射光における拡散反射率よりも大きいこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、金属薄膜により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
光透過性を有し、映像光が入射する第1の面とこれに対向する第2の面とを有する第1単位光学形状が、背面側の面に複数配列された第1光学形状層と、
光透過性を有し、前記第1光学形状層よりも背面側に設けられ、前記第1単位光学形状の逆型となる第2単位光学形状が映像源側の面に複数配列された第2光学形状層と、
を備え、
前記反射層は、前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間であって、少なくとも前記第1単位光学形状の前記第1の面の一部に位置すること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示装置。
Priority Applications (2)
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JP2017024852A JP6848501B2 (ja) | 2017-02-14 | 2017-02-14 | 反射スクリーン、映像表示装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2017024852A JP6848501B2 (ja) | 2017-02-14 | 2017-02-14 | 反射スクリーン、映像表示装置 |
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