JP6953728B2 - スクリーン、映像表示装置 - Google Patents

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本発明は、投射された映像光を反射して両面に表示するスクリーンと、これを備える映像表示装置に関するものである。
従来、映像源から投射された映像光を反射又は透過して映像を表示する反射スクリーンとして、様々なものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。なかでも、透明性を有する半透過型のスクリーンは、映像光を投射しない不使用時等にはスクリーンの向こう側の景色が透けて見えるという利点を有し、意匠性の高さ等から需要が高まっている。
特開平9−114003号公報
しかし、このような半透過型のスクリーンは、光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層を備えていると、スクリーンの向こう側の景色が白っぽくぼやけて観察される場合があり、意匠性の低下を招くため、透明性の向上が課題となっていた。
また、スクリーンにおいて、透明性を有しながら、映像源側、背面側の両面で映像を表示したいという要求もあった。
上述の特許文献1には、透過型、反射型の両方に使用することができるスクリーンが提案されている。しかし、この特許文献1には、透明性の向上に関する対策に関してはなんら開示されていない。また、特許文献1では、スクリーンの一方の面に投射された映像光によって、スクリーンの両面で映像を表示することに関しても開示されていない。
本発明の課題は、透明性が高く、両面で映像を表示可能なスクリーンと、これを備える映像表示装置とを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光(L)を反射して映像を両面に表示するスクリーンであって、映像光が入射する第1表面(10a)と、前記第1表面に対向する第2表面(10b)とを両表面とし、該スクリーン内にスクリーン面に沿って所定の方向に複数配列され、配列方向に交差する方向に帯状に延在し、入射した光の一部を前記第1表面側へ反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を前記第2表面側へ透過する第1反射層部(131)と、隣り合う前記第1反射層部の間に設けられ、前記第1反射層部を透過した光の少なくとも一部を前記第2表面側へ反射する第2反射層部(132)と、を備え、前記第1反射層部及び前記第2反射層部の配列方向と該スクリーンの厚み方向とに平行な断面において、前記第1反射層部は、スクリーン面に平行な面に対して角度θ1をなし、前記第2反射層部は、スクリーン面に平行な面に対して角度θ1よりも大きい角度θ2をなし、前記第1反射層部及び前記第2反射層部は、表面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、屈折率の異なる2つの誘電体膜が厚み方向に交互に複数積層された誘電体多層膜により形成され、前記第1反射層部及び前記第2反射層部のうち、少なくとも前記第2反射層部の厚み方向において最も前記第2表面側には、前記屈折率の異なる2つの誘電体膜のうち一方の前記誘電体膜よりも屈折率が低い低屈折率誘電体膜が位置し、その厚みが0.5μm以上であること、を特徴とするスクリーン(10)である。
第2の発明は、第1の発明のスクリーンにおいて、該スクリーンの厚み方向において、前記第1反射層部(131)及び前記第2反射層部(132)の前記第2表面(10b)側に隣接する層(14)は、その屈折率が1.56〜1.7であり、前記低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.33〜1.47であること、を特徴とするスクリーン(10)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のスクリーンにおいて、少なくとも前記第2反射層部(132)の厚み方向において最も前記第2表面(10b)側に位置する前記低屈折率誘電体膜は、その厚みが3.0μm以下であること、を特徴とするスクリーン(10)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれか1つのスクリーンにおいて、前記第2反射層部(132)の配列方向及び該スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記第2反射層部が、スクリーン面に直交する方向となす角度φは、0<φ<2×(θ1)を満たすこと、を特徴とするスクリーン(10)である。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれか1つのスクリーンにおいて、前記第2表面(10b)側の面に、映像光が入射する第1の面(121a)と、前記第1の面に対向する第2の面(121b)とを有する単位光学形状(121)が複数配列された光学形状層(12)を有し、前記第1反射層部(131)は、前記第1の面上の少なくとも一部に設けられ、前記第2反射層部(132)は、前記第2の面上の少なくとも一部に設けられること、を特徴とするスクリーン(10)である。
第6の発明は、第5の発明のスクリーンにおいて、前記単位光学形状(121)は、該スクリーンの正面方向から見て真円の一部形状であり、同心円状に複数配列されていること、を特徴とするスクリーン(10)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれか1つのスクリーンにおいて、光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、を特徴とするスクリーン(10)である。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれか1つのスクリーン(10)と、前記スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本発明によれば、透明性が高く、両面で映像を表示可能なスクリーンと、これを備える映像表示装置とを提供することができる。
実施形態の映像表示装置1を示す図である。 実施形態のスクリーン10の層構成を示す図である。 実施形態の第1光学形状層12を背面側(−Z側)から見た図である。 実施形態の単位光学形状121、反射層13、第2光学形状層14を説明する図である。 実施形態のスクリーン10での映像光及び外光の様子を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用している。一般的に、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、スクリーンの画面(表示面)に平行であるとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示装置1を示す図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、その映像源側の画面及び背面側の画面に映像を表示可能である。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
ここで、理解を容易にするために、図1を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、スクリーン10の画面の左右方向(水平方向)をX方向、画面上下方向(鉛直方向)をY方向とし、スクリーン10の厚み方向をZ方向とする。スクリーン10の画面は、XY面に平行であり、スクリーン10の厚み方向(Z方向)は、スクリーン10の画面に直交する。
また、スクリーン10の映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て、画面左右方向(水平方向)の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向(鉛直方向)の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
映像源LSは、映像光Lをスクリーン10へ投影する映像投射装置であり、例えば、短焦点型のプロジェクタである。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を映像源側(+Z側)の正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側(−Y側)に位置している。
映像源LSは、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の表面からの距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光がスクリーン10に入射する入射角度が大きく、その変化量(最小値から最大値までの変化量)も大きい。
スクリーン10は、映像光を投射しない不使用時等において、スクリーン10の向こう側の景色を観察できる透明性を有する半透過型のスクリーンである。また、スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lの一部を映像源側(+Z側)に位置する観察者O1側へ向けて反射して映像を表示し、かつ、映像光の一部を背面側(裏面側)に位置する観察者O2(図5参照)へ向けて出射して映像を表示するスクリーン、即ち、両面で映像を表示するスクリーンである。
このスクリーン10は、その厚み方向において映像源側の表面であり、映像源LSが投射した映像光Lが入射する第1表面10aと、これに対向する背面側の表面であり、映像光Lの一部が出射する第2表面10bとを両表面とする。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、映像源側(+Z側)の観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向(X方向)となる略矩形状である。
スクリーン10は、その画面サイズが対角40〜100インチ程度であり、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、例えば、40インチ以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
一般的に、スクリーン10は、樹脂製の薄い層の積層体等であり、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、本実施形態のスクリーン10は、背面側(−Z側)又は映像源側(+Z側)に光透過性を有する不図示の接合層を介して不図示の支持板を一体に接合(あるいは部分固定)し、画面の平面性を維持することが好ましい。
このような支持板は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。
本実施形態の映像表示装置1は、例えば、店舗等のショーウィンドウに適用される。このとき、スクリーン10は、ショーウィンドウの窓ガラス(ガラス板)を支持板として接合し、画面の平面性を維持することが好適である。
なお、これに限らず、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
図2は、本実施形態のスクリーン10の層構成を示す図である。図2では、スクリーン10の映像源側(+Z側)の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点A(図1参照)を通り、画面上下方向(Y方向)に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向であるZ方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図3は、本実施形態の第1光学形状層12を背面側(−Z側)から見た図である。理解を容易にするために、反射層13や第2光学形状層14、保護層15等を省略して示している。
図4は、本実施形態の単位光学形状121、反射層13、第2光学形状層14を説明する図である。図4は、図2に示したスクリーン10の断面をさらに拡大して示し、理解を容易にするために、第1光学形状層12と反射層13と第2光学形状層14のみを示している。
スクリーン10は、図2に示すように、その映像源側(+Z側)から順に、基材層11、第1光学形状層12、反射層13、第2光学形状層14、保護層15を備えている。
基材層11は、光透過性を有するシート状の部材である。基材層11は、その裏面側(背面側,−Z側)に、第1光学形状層12が一体に形成されている。この基材層11は、第1光学形状層12を形成する基材(ベース)となる層である。
基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1光学形状層12は、基材層11の背面側(−Z側)に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層12の背面側(−Z側)の面には、単位光学形状(単位レンズ)121が複数配列されて設けられている。
単位光学形状121は、図3に示すように、正面方向(Z方向)から見て真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点Cを中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、点Cを中心(フレネルセンター)とする、所謂、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態では、点Cは、図3に示すように、スクリーン10の画面左右方向(X方向)の中央であって画面外の下方に位置している。また、点Cと点Aとは、スクリーン10を正面方向から見た場合、図3に示すように、画面上下方向(Y方向)に平行な同一直線上に位置している。
単位光学形状121は、図2等に示すように、スクリーン10の厚み方向及び単位光学形状121の配列方向に平行な断面形状が、背面側(−Z側)に凸となる略三角形形状である。
また、単位光学形状121は、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)121bとを有している。1つの単位光学形状121において、第2斜面121bは、頂点tを挟んで第1斜面121aの下側(−Y側)に位置している。
この単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
第1斜面121aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。第2斜面121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。単位光学形状121の頂角はθ3である。角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。また、単位光学形状121の頂角は、θ3である。
単位光学形状121の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状121の高さ(厚み方向における頂点tから単位光学形状121間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2,図4では、単位光学形状121の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状121は、実際には、配列ピッチPは一定であるが、角度θ1が単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
角度θ1,θ2、配列ピッチP等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源LSの画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチPや角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
第1光学形状層12は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。第1光学形状層12は、後述する第2光学形状層14や基材層11等と屈折率が等しい又は略等しい(等しいとみなせる程度に屈折率差が小さい)ことが、スクリーン10の透明性を向上させる観点から好ましい。
本実施形態の第1光学形状層12の屈折率は、1.56〜1.7程度である。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
反射層13は、光を反射する機能を有する層であり、単位光学形状121上(第1斜面121a及び第2斜面121b上)に形成されている。反射層13は、第1斜面121a上に形成された第1反射層部131と、第2斜面121b上に形成された第2反射層部132とを有している。
反射層13は、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する半透過型の反射層、所謂、ハーフミラーである。
前述のように、第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されており、反射層13は、この凹凸形状に追従して形成されており、この凹凸形状を維持したまま成膜されている。そのため、反射層13の第1光学形状層12側の面及び第2光学形状層14側の面は、微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面となっている。
反射層13は、入射した光の一部を、この凹凸形状により拡散反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を拡散しないで透過するという機能を有する。
反射層13は、屈折率の異なる2つの誘電体膜、即ち、屈折率の高い誘電体膜(以下、高屈折率誘電体膜という)と屈折率が低い誘電体膜(以下、低屈折率誘電体膜という)とが交互に複数積層されて形成された誘電体多層膜により形成されている。
高屈折率誘電体膜は、例えば、TiO(二酸化チタン)、Nb(五酸化ニオブ)、Ta(五酸化タンタル)等により形成される。高屈折率誘電体膜の屈折率は、2.0〜2.6程度である。
低屈折率誘電体膜は、例えば、SiO(二酸化ケイ素)、MgF(フッ化マグネシウム)等により形成される。低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.33〜1.47程度である。
反射層13(第1反射層部131及び第2反射層部132)は、膜厚が約5〜100nmである高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体膜が交互に2〜10層程積層されて形成されている。そして、第2反射層部132においては、最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)には、他の高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体膜より膜厚が厚い低屈折率誘電体膜が位置している。
この最も第2光学形状層14側に位置する低屈折率誘電体膜は、映像光を第2反射層部132と第2光学形状層14との界面で効率よく全反射させる観点から、膜厚が0.5μm以上であることが好ましい。また、反射層13の表面の微細かつ不規則な凹凸形状を維持し、界面での反射光を十分に拡散する観点から、その厚さは3.0μm以下であることが好ましい。
このような膜厚の厚い低屈折率誘電体膜が最も第2光学形状層14側に位置するように誘電体多層膜を設けることにより、最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)の低屈折率誘電体膜と第2光学形状層14との界面で効率よく映像光を反射(全反射を含む)し、背面側(−Z側)に位置する観察者側へ映像光を向けることができる。
なお、本実施形態では、第2反射層部132の最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)に加え、第1反射層部131の最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)にも膜厚が0.5μm以上となる低屈折率誘電体膜が形成されているが、これに限らず、第2反射層部132の最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)のみに形成される形態としてもよい。
本実施形態では、反射層13は、波長域400〜800nmの光に対して、その反射率が約5〜45%、透過率が約55〜85%である。
また、本実施形態の反射層13は、TiO(二酸化チタン)等の金属酸化膜により形成された高屈折率誘電体膜と、SiOにより形成された低屈折率誘電体膜とを交互に複数積層して形成された誘電体多層膜により形成されている。
本実施形態では、単位光学形状121上(第1斜面121a及び第2斜面121b上)に、上述のような高屈折率誘電体膜及び低屈折率誘電体多層膜を交互に蒸着加工する、又はスパッタ加工する等により、所定の厚さで各膜が順次積層されて誘電体多層膜が形成され、反射層13が形成される。第2反射層部132の最も第2光学形状層14側(第2表面10b側)に位置する膜厚が0.5μm以上の低屈折率誘電体膜については、蒸着等の各種条件を適宜調整する等により形成される。
なお、反射層13は、これに限らず、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等の光反射性の高い金属を蒸着したり、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したりする等により形成してもよい。
本実施形態のように、誘電体多層膜により形成された反射層13は、アルミニウム等の金属蒸着膜等により形成された反射層に比べて、高い透明性を有しており、また、光の吸収損失が小さく、高い反射率を実現できる。
図4に示すように、単位光学形状121の第1斜面121aに入射した映像光Laのうち、一部の映像光Lbは、第1反射層部131で反射して、映像源側(+Z側)に位置する観察者O1側に出射する。このとき、第1反射層部131で反射した映像光Lbは、反射面の微細かつ不規則な凹凸形状によって拡散される。
また、第1斜面121aに入射した一部の映像光Lcは、反射層13を透過して、背面側(−Z側)のスクリーン上方へ出射する。
さらに、第1斜面121aのうち、谷底となる点vに近い領域Bに入射し、第1反射層部131を透過した映像光Ldの少なくとも一部は、隣接する単位光学形状121の第2斜面121bに入射する。第2反射層部132において、最も第2光学形状層14側には、厚さ0.5μm以上の低屈折率誘電体膜が位置している。したがって、映像光Ldは、第2反射層部132と第2光学形状層14との界面で反射(全反射を含む)し、スクリーン10の背面側(−Z側)の正面方向に位置する観察者O2(後述の図5参照)が映像を視認可能な方向に出射する。このとき、第2反射層部132で反射した映像光Ldは、第2反射層部132の表面の微細かつ不規則な凹凸形状によって拡散される。
しかも、第2反射層部132において、最も第2光学形状層14側位置する低屈折率誘電体膜は、その厚さが0.5μm以上であり、映像光Ldの多くが第2反射層部132と第2光学形状層14との界面で全反射する。したがって、背面側へ向かう映像光Ldの光量を増大させ、背面側に明るく良好な映像を表示できる。
領域Bに入射して第1反射層部131を透過した映像光Ldが、第2斜面121bに入射して第2反射層部132で反射し、背面側(−Z側)に位置する観察者O2側へ出射し、その焦点を無限大とする場合、第2斜面121bがスクリーン面に直交する方向に対しなす角度φは、0<φ<2×(θ1)であることが好ましく、φがθ1に略等しい(等しいとみなせる程度の誤差を有する状態)ことがより好ましく、φがθ1に等しいことがさらに好ましい。
この角度φが0°である場合、第2反射層部132で反射した映像光は、背面下方側へ出射するため、観察者O2に届かない。また、角度φが2×(θ1)以上である場合、第2反射層部132で反射した映像光は、第2斜面121bに入射せず、裏面上方側へ向かい、観察者O2に届かない。したがって、角度φは、上記範囲であることが好ましい。
また、角度φが角度θ1に近くなるにつれ、頂角θ3は90°に近くなり、角度φが角度θ1に等しいとき、頂角θ3は90°に等しい。この頂角θ3=90°のとき、領域Bは、点vから第1斜面121aに沿って頂点t側へ寸法S1=Psin(θ1)tan(θ1)の領域となる。
なお、背面側に出射する映像光Ldの焦点の位置が無限大ではなく、所定の位置である場合は、角度φと角度θ1の関係は、上記に限定されない。また、頂角θ3についても、映像光Ldの焦点の位置等に応じて、適宜その大きさを選択してよい。
第2光学形状層14は、第1光学形状層12及び反射層13の背面側(−Z側)に設けられた光透過性を有する層である。第2光学形状層14は、単位光学形状121による凹凸の谷部を埋めるように設けられ、第1光学形状層12及び反射層13の背面側(−Z側)の面を平坦としている。また、第2光学形状層14の映像源側(+Z側)の面は、第1光学形状層12の単位光学形状121の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第2光学形状層14を設けることにより、反射層13を保護することができ、背面側に保護層15等を積層しやすくなり、また、支持板等への接合も容易となる。
第2光学形状層14の屈折率は、第2反射層部132の最も第2光学形状層14側に位置する低屈折率誘電体膜の屈折率よりも大きく、この低屈折率誘電体膜と第2光学形状層14との界面で効率よく映像光を反射させる観点から、1.56〜1.7程度であることが好ましい。
このような第2光学形状層14は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて形成することが好ましい。
保護層15は、第2光学形状層14の背面側(−Z側)に設けられた光透過性を有する層であり、このスクリーン10の背面側(−Z側)を保護する機能を有している。
保護層15は、光透過性の高い樹脂により形成されたシート状の部材が好適である。この保護層15は、例えば、前述の基材層11と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
上述のように、本実施形態のスクリーン10は、光を拡散する拡散作用を有する粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えておらず、反射層13で反射した光がその表面の微細かつ不規則な凹凸形状によって拡散される。
スクリーン10は、例えば、以下のような製造法により製造される。
基材層11を用意し、その一方の面に、単位光学形状121を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して樹脂を硬化させるUV成形法により第1光学形状層12を形成する。このとき、単位光学形状121を賦形する成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面に、表面加工を複数回行うことにより形成できる。この表面加工は、例えば、めっき加工や、エッチング加工、ブラスト加工等である。また、表面加工は、各種条件等を変更して複数回行ってもよい。
第1光学形状層12を、基材層11の一方の面に形成した後、第1斜面121a及び第2斜面121bに、蒸着又はスパッタにより、誘電体多層膜を形成し、反射層13を形成する。このとき、前述のように、蒸着やスパッタ等の各種条件を適宜設定することにより、少なくとも第2反射層部132の最も第2光学形状層14側には、膜厚が0.5μm以上である低屈折率誘電体膜を形成することができる。
その後、反射層13の上から、単位光学形状121による凹凸の谷部を充填するように紫外線硬化型樹脂を塗布し、保護層15を積層して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第2光学形状層14及び保護層15を一体に形成する。その後、所定の大きさに裁断する等により、スクリーン10が完成する。
基材層11及び保護層15は、枚葉状としてもよいし、ウェブ状としてもよい。
従来、反射層13の表面に微細かつ不規則な凹凸形状を形成する方法として、例えば、第1斜面121a,第2斜面121b上に拡散粒子等を塗布してその上から反射層13を形成したり、第1斜面121a,第2斜面121bにブラスト加工を行った後に反射層13を形成したりする方法等が知られている。しかし、このような製法では、個々のスクリーン10での拡散特性や品質等のばらつきが大きく、安定した製造が行えない。
これに対して、上述のように、第1斜面121a,第2斜面121bの微細かつ不規則な凹凸形状を成形型によって賦形した後、第1斜面121a,第2斜面121b上に反射層13を成膜することにより、反射層13の表面に微細かつ不規則な凹凸形状を容易に形成でき、多数のスクリーン10を製造する場合にも、拡散特性や品質のばらつきが少なく、安定して製造できる。
図5は、本実施形態のスクリーン10での映像光及び外光の様子を示す図である。図5では、スクリーン10の画面中央となる点Aを通り、単位光学形状121の配列方向(Y方向)及びスクリーンの厚み方向(Z方向)に平行な断面での断面の一部を拡大して示している。また、図5では、理解を容易にするために、基材層11と第1光学形状層12との層間、第2光学形状層14と保護層15との層間には、屈折率差がないものとして示している。
スクリーン10の下方に位置する映像源LSから投射され、スクリーン10に下方から斜めに入射する映像光L1のうち、一部の映像光L2は、スクリーン10の表面で反射して上方へ向かうため、スクリーン10の映像源側の正面方向に位置する観察者O1には到達しない。また、映像光L1のうち、スクリーン10に入射した映像光L3は、単位光学形状121の第1斜面121aに入射し、反射層13(第1反射層部131)によって拡散反射され、映像源側(+Z側)の正面方向に位置する観察者O1側へ出射する。したがって、観察者O1は、良好な視野角を有する映像を視認できる。
第1斜面121aに入射した映像光のうち、反射層13で反射しなかった一部の映像光L4は、反射層13(第1反射層部131)を透過し、スクリーン10の背面側(−Z側)からスクリーン上方へ出射する。そのため、この映像光L4は、背面側のスクリーン10の正面方向に位置する観察者O2には到達しない。
また、第1斜面121aの谷底となる点v近傍の領域Bに入射した映像光L5は、一部の映像光L6が第1反射層部131で拡散反射して観察者O1側へ出射する。また、映像光L5のうち、一部の映像光L7は、反射層13(第1反射層部131)を透過して隣接する第2斜面121bの第2反射層部132と第2光学形状層14との界面で多くが全反射する。このとき、第2反射層部132の表面の微細かつ不規則な凹凸形状で拡散され、背面側のスクリーン正面方向に位置する観察者O2側へ出射する。この映像光L7により、背面側の観察者O2も、明るく良好な映像が視認可能となる。
なお、本実施形態では、映像光L5は、スクリーン10の下方から投射され、かつ、角度θ2(図2,図4等参照)は、スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光の入射角度よりも大きい。したがって、映像光が第1反射層部131を透過することなく第2反射層部132に直接入射することはない。
次に、背面側(−Z側)又は映像源側(+Z側)からスクリーン10に入射する映像光以外の太陽光等の外界からの光(以下、外光という)について説明する。
図5に示すように、スクリーン10に上方から入射する外光G1,G5のうち、一部の外光G2,G6は、スクリーン10の表面で反射して、それぞれスクリーン10の下方へ向かう。また、一部の外光G3は、反射層13で反射して、映像源側のスクリーン上方へ出射する。一部の外光G7は、反射層13で反射して、背面側のスクリーン10の下方へ出射する。また、一部の外光G4,G8は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側のスクリーン10の下方側へ出射する。
そのため、外光G3,G4,G7,G8は、観察者O1,O2には到達しないので、外光による映像のコントラスト低下を抑制できる。
また、スクリーン10は、光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層を備えていないので、スクリーン面に小さな入射角度で入射する外光G9,G10は、拡散されずにスクリーン10を透過する。したがって、映像源側及び背面側から、観察者O1,O2が、スクリーン10を通してスクリーン10の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン10の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層を備える従来の半透過型の反射スクリーンでは、拡散粒子によって外光も拡散されるため、スクリーンの向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりして観察されたり、映像のコントラストが低下したりするという問題がある。また、上述のような従来の半透過型の反射スクリーンでは、映像光は、反射層での反射前後の2回拡散されるので、良好な視野角が得られる一方で明るさが低下したり、映像の解像度が低下したりするという問題がある。
しかし、本実施形態のスクリーン10では、映像光は、反射層13の微細かつ不規則な凹凸形状によって反射(全反射を含む)する際に拡散される。また、本実施形態のスクリーン10では、反射層13を透過する光は拡散されない。
したがって、本実施形態によれば、スクリーン10は、良好な視野角及び明るさや解像度を有する映像を映像源側(+Z側)の観察者O1に表示でき、かつ、映像光を投射しない状態等において、スクリーン10の向こう側(−Z側)の景色が白くにじんだり、ぼけたりすることがなく観察者O1に良好に視認され、スクリーン10の高い透明性を実現できる。
また、本実施形態によれば、スクリーン10は、映像源LSから映像光を投射することにより、背面側(−Z側)に位置する観察者O2に対しても、左右反転した映像ではあるが明るく良好な映像を表示することができる。これにより、スクリーン10の背面側にいる観察者O2に映像の存在を知らせ、映像をより良好に視認できる映像源側へ観察者O2を誘導することが可能である。また、スクリーン10は、前述のように高い透明性を有しているので、映像光を投射しない状態等において、スクリーン10の向こう側(+Z側)の景色が観察者O2に良好に視認される。
また、本実施形態によれば、スクリーン10は、反射層13を透過する光を拡散せず、高い透明性を有しているので、スクリーン10に映像光が投射された状態においても、観察者O1,O2が、スクリーン10の向こう側(背面側、映像源側)の景色を一部視認することが可能である。
また、本実施形態によれば、第1光学形状層12は、フレネルセンターとなる点Cが、表示領域外であって映像源LS側に位置しており、所謂、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を有しているので、短焦点の映像源LSから投射された入射角度の大きい映像光であっても、画面左右方向の映像が暗くなることがなく、明るさの面均一性の高い良好な映像を表示することができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、第1反射層部131の透過率を、第2反射層部132よりも大きくしてもよい。このような形態とすることにより、背面側へ進み映像を表示する光量を増やすことができ、反射型のスクリーンとして映像源側に良好な映像を表示しつつ、背面側にもより明るく良好な映像を表示できる。
(2)実施形態において、反射層13として、第1光学形状層12の第1斜面121aと第2光学形状層14との間、第2斜面121bと第2光学形状層14との間に、第1光学形状層12の屈折率とは相違する屈折率の層(例えば、空気層や有機多層膜による層)を一層又は複数層設ける形態としてもよい。
(3)実施形態において、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面、背面側(−Z側)の表面の少なくとも一方に、傷つき防止を目的としたハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えば、スクリーン10の映像源側の表面(実施形態では、基材層11の映像源側の面)、背面側の表面(実施形態では、保護層15の背面側の面)に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布して形成する等により、形成される。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン10の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、基材層11の映像源側等にタッチパネル層等を設けてもよい。
例えば、スクリーン10の映像源側の表面に反射防止層を設けた場合には、映像光のスクリーン10への入射時の映像源側表面での反射を抑制して入射光量を増大させる効果に加え、反射層13で反射した映像光の一部が、スクリーン10の映像源側表面で反射して背面側から出射する等により、背面側の観察者O2が観察する映像の画質が低下すること等も抑制できる。
(4)実施形態において、映像源LSは、スクリーン10の画面左右方向の中央であって鉛直方向下側に位置する例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、スクリーン10の斜め下方側等に配置され、スクリーン10に対して画面左右方向において斜め方向光から映像光を投射する形態としてもよい。
このとき、第1光学形状層12は、サーキュラーフレネルレンズ形状のフレネルセンターとなる点Cを、映像源LSの位置に合わせてずらした形態とすることが好ましい。このような形態とすることにより、映像源LSの位置等を自由に設定することができる。
(5)実施形態において、第1光学形状層12は、背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、単位光学形状が画面左右方向を長手方向とする略三角柱形状であり、画面上下方向に複数配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。また、画面左右方向を長手方向とする単位プリズム形状が画面上下方向に複数配列された形態としてもよい。
(6)実施形態において、単位光学形状121は、第1斜面121a及び第2斜面121bが平面により形成される例を示したが、これに限らず、例えば、曲面と平面とが組み合わされた形態としてもよいし、折れ面状としてもよい。
また、実施形態において、単位光学形状121は、3つ以上の複数の面によって形成される多角柱形状としてもよい。
(7)実施形態において、スクリーン10は、第1光学形状層12及び第2光学形状層14が十分な厚みや剛性等を有している場合には、基材層11及び保護層15を備えない形態としてもよいし、どちらか一方を備えない形態としてもよい。
また、各実施形態において、スクリーン10は、基材層11及び保護層15の少なくとも一方を、ガラス板等の光透過性を有する板状の部材としてもよい。また、このとき、粘着剤層等を介して第1光学形状層12等がガラス板等に接合される形態としてもよい。
(8)実施形態において、映像源LSは、例えば、P波の偏光成分を有する映像光を投射する映像源としてもよい。
映像源LSは、映像光が入射角θaでスクリーン10へ投射されるように位置及び角度が設定されている。このとき、入射角θaは、スクリーン10へ投射された映像光(P波)の反射率がゼロとなる入射角(ブリュースター角)をθb(°)とした場合、(θb−10)°以上85°以下の範囲に設定される。例えば、スクリーン10へ投射された映像光の反射率がゼロとなる入射角θbが60°である場合、映像光の入射角θaは、50〜85°の範囲に設定される。
このように、P波の偏光成分を有する映像光を投射する映像源LSを用いることにより、スクリーン10への入射角θaが大きい場合にも、スクリーン10の表面における鏡面反射を抑制することができ、映像源LSの設置位置等、投射系の設計の自由度を上げることができる。また、このような映像源LSを用いることにより、スクリーン10に入射する際にスクリーン表面での映像光の反射を低減でき、映像の明るさ、鮮明さの向上を図ることができる。
なお、角度θb(ブリュースター角)は、映像光が投射されるスクリーン10の表面の材質により異なる。
また、このような形態の場合、基材層11及び保護層15としては、TAC製のシート状の部材が好適である。
(9)実施形態において、映像表示装置1は、店舗等のショーウィンドウに適用される例を示したが、これに限らず、例えば、室内用のパーテーションや、展示会等における映像表示等にも適用できる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 映像表示装置
10 スクリーン
11 基材層
12 第1光学形状層
121 単位光学形状
121a 第1斜面
121b 第2斜面
13 反射層
131 第1反射層部
132 第2反射層部
14 第2光学形状層
15 保護層
LS 映像源

Claims (7)

  1. 映像源から投射された映像光を反射して映像を両面に表示するスクリーンであって、
    映像光が入射する第1表面と、前記第1表面に対向する第2表面とを両表面とし、
    該スクリーン内にスクリーン面に沿って所定の方向に複数配列され、配列方向に交差する方向に帯状に延在し、入射した光の一部を前記第1表面側へ反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を前記第2表面側へ透過する第1反射層部と、
    隣り合う前記第1反射層部の間に設けられ、前記第1反射層部を透過した光の少なくとも一部を前記第2表面側へ反射する第2反射層部と、
    を備え、
    映像光が入射する第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを有する単位光学形状が前記第2表面側の面に複数配列された光学形状層を有し、
    前記第1反射層部は、前記第1の面上の少なくとも一部に設けられ、
    前記第2反射層部は、前記第2の面上の少なくとも一部に設けられ、
    前記第1反射層部及び前記第2反射層部の配列方向と該スクリーンの厚み方向とに平行な断面において、
    前記第1反射層部は、スクリーン面に平行な面に対して角度θ1をなし、
    前記第2反射層部は、スクリーン面に平行な面に対して角度θ1よりも大きい角度θ2をなし、
    前記第1反射層部及び前記第2反射層部は、表面が不規則な凹凸形状を有する粗面であり、屈折率の異なる2つの誘電体膜が厚み方向に交互に複数積層された誘電体多層膜により形成され、
    前記第1反射層部及び前記第2反射層部のうち、少なくとも前記第2反射層部の厚み方向において最も前記第2表面側には、前記屈折率の異なる2つの誘電体膜のうち一方の前記誘電体膜よりも屈折率が低い低屈折率誘電体膜が位置し、その厚みが0.5μm以上であること、
    を特徴とするスクリーン。
  2. 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
    該スクリーンの厚み方向において、前記第1反射層部及び前記第2反射層部の前記第2表面側に隣接する層は、その屈折率が1.56〜1.7であり、
    前記低屈折率誘電体膜の屈折率は、1.33〜1.47であること、
    を特徴とするスクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスクリーンにおいて、
    少なくとも前記第2反射層部の厚み方向において最も前記第2表面側に位置する前記低屈折率誘電体膜は、その厚みが3.0μm以下であること、
    を特徴とするスクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
    前記第2反射層部の配列方向及び該スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記第2反射層部が、スクリーン面に直交する方向となす角度φは、0<φ<2×(θ1)を満たすこと、
    を特徴とするスクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
    前記単位光学形状は、該スクリーンの正面方向から見て真円の一部形状であり、同心円状に複数配列されていること、
    を特徴とするスクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
    光を拡散する作用を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
    を特徴とするスクリーン。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のスクリーンと、
    前記スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示装置。
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