JP6815952B2 - 反射型透明スクリーンの製造方法 - Google Patents
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Description
バインダと、微粒子とを含む光拡散層を備えた反射型透明スクリーンであって、
前記反射型透明スクリーンは、変角分光光度計で測定した拡散反射光輝度プロファイルが、下記の条件AおよびB:
A:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向135度の輝度を100としたときに、90度の拡散反射光の相対輝度が0.001以上である、
B:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向135度の輝度を100としたときに、120度の拡散反射光の相対輝度が0.01以上である、を満たすことを特徴とする、反射型透明スクリーンが提供される。
0.04≦(t×c)≦30 ・・・(I)
を満たすことが好ましい。
本発明による透明スクリーンは、バインダと、微粒子とを含む光拡散層を備えるものである。当該透明スクリーンは、光拡散層のみからなる単層構成であってもよいし、保護層、基材層、粘着層、および反射防止層等の他の層をさらに備える複層構成の積層体であってもよい。また、当該透明スクリーンは、ガラスや透明パーティション等の支持体を備えてもよい。当該透明スクリーンは、光源から出射される投影光を異方的に拡散反射することにより投影光の視認性と透過光の視認性とを両立できる。
A:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向135度の輝度を100としたときに、90度の拡散反射光の相対輝度が0.001以上であり、好ましくは0.002以上1以下であり、さらに好ましくは0.004以上0.5以下である、
B:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向135度の輝度を100としたときに、120度の拡散反射光の相対輝度が0.01以上であり、好ましくは0.02以上2以下であり、さらに好ましくは0.03以上1.5以下である、
を満たす。条件AおよびBを満たすことで、スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射したとき、90度および120度の角度で拡散反射する光の輝度が好適な範囲内にあるため、スクリーンのホットスポットが弱く、プロジェクター以外の光が映り込みにくく、視野角が広くて鮮明な映像を表示することができる。
C:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向135度の輝度を100としたときに、60度の拡散反射光の相対輝度が0.0001以上であり、好ましくは0.0002以上0.15以下であり、さらに好ましくは0.0003以上0.1以下である、
を満たす。条件Cを満たすことで、スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射したとき、60度の角度で拡散反射する光の輝度が好適な範囲内にあるため、視野角がより広いスクリーンを得ることができる。
光拡散層は、バインダと、微粒子とを含んでなる。微粒子としては下記の光反射性微粒子光反射性微粒子を好適に用いることができる。このような微粒子を用いることで、光拡散層内で光を異方的に拡散反射させて、光の利用効率を高めることができる。
0.04≦(t×c)≦30 ・・・(I)
を満たすことが好ましく、
0.08≦(t×c)≦25 ・・・(I−2)
を満たすことがより好ましく、
0.12≦(t×c)≦20 ・・・(I−3)
を満たすことがさらに好ましく、
0.2≦(t×c)≦15 ・・・(I−4)
を満たすことがさらにより好ましい。光拡散層の厚さtと濃度cが上記の数式(I)を満たす場合、スクリーンの光拡散層のバインダ中の微粒子の分散状態が疎である(バインダ中の微粒子の濃度が低い)ため、真直ぐに透過する光の割合を増やし(微粒子に衝突しない光の割合を増やし)、その結果、透過光の視認性を損なわずに、スクリーンに鮮明な映像を表示することができる。
これらの有機系バインダ、無機系バインダは必要に応じて溶剤をさらに含むものであって良い。溶剤としては、有機溶剤に限定されず、一般の塗料組成物に用いられる溶剤が使用可能である。例えば、水をはじめとする親水性溶媒も使用可能である。また、本発明のバインダが液体である場合は溶剤を含有しなくてもよい。
光反射性微粒子は、形状が略球状であっても、薄片状であってもよい。光反射性微粒子の形状が略球状である場合、一次粒子のメジアン径は好ましくは0.1〜2500nmであり、より好ましくは0.2〜1500nmであり、さらに好ましくは0.5〜500nmである。光反射性微粒子の一次粒子のメジアン径が上記範囲内であると、透過視認性を損なわずに投影光の十分な拡散効果が得られることで、透明スクリーンに鮮明な映像を投影することができる。なお、本発明において、光反射性微粒子の一次粒子のメジアン径(D50)は、動的光散乱法により粒度分布測定装置(大塚電子(株)製、商品名:DLS−8000)を用いて測定した粒度分布から求めることができる。
(正反射率)
分光測色計(コニカミノルタ(株)製、品番:CM−3500dを用いて測定した。適切な溶媒(水またはメチルエチルケトン)に分散させた粉体材料をスライドガラス上に膜厚が0.5mm以上になるように塗布、乾燥させた。得られた塗膜付きガラス板について、ガラス面からの塗膜部の正反射率を測定した。
R={(1−n)2+k2}/{(1+n)2+k2} 式(1)
すなわち、測定波長550nmにおける反射率R(550)は、波長550nmで測定したときのnおよびkより算出できる。金属材料は、測定波長450nmにおける反射率R(450)と、測定波長650nmにおける反射率R(650)の差の絶対値が、測定波長550nmにおける反射率R(650)に対して25%以内であり、好ましくは20%以内であり、より好ましくは15%以内であり、さらに好ましくは10%以内である。このような金属材料を用いることで、反射型透明スクリーンとして用いた場合、投影光の反射性および色再現性に優れ、スクリーンとしての性能に優れる。
ε’=n2−k2 式(2)
本発明はいかなる理論にも束縛されるものではないが、金属材料の誘電率の実数項ε’が上記数値範囲を満たすことで、以下の作用が生じ、反射型透明スクリーンとして好適に使用できると考えられる。すなわち、光が金属系微粒子の中に入ると、金属系微粒子中には光による振動電界が生じるが、同時に金属系微粒子の自由電子によって逆向きの電気分極が生じ電界を遮蔽してしまう。誘電率の実数光ε’が0以下であるとき、光が完全に遮蔽され金属系微粒子の中に光が入って行けない、すなわち、表面凹凸による拡散や金属系微粒子による光の吸収が無いという理想状態を仮定すると、光は全て金属系微粒子表面で反射されることになるため、光の反射性は強い。ε’が0より大きいとき、金属系微粒子の自由電子の振動は光の振動に追随出来ないため光による振動電界を完全には打ち消すことが出来ず、光は金属系微粒子の中に入ったり、透過したりする。その結果、金属系微粒子表面で反射されるのは一部の光だけになり、光の反射性は低くなる。
基材層は、上記の光拡散層を支持するための層であり、透明スクリーンの強度を向上させることができる。基材層は、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような透明性の高い材料、例えばガラスまたは樹脂を用いて形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、上記の光拡散層と同様の透明性の高い樹脂を用いることができる。また、上記した樹脂を2種以上積層した複合フィルムまたはシートを使用してもよい。なお、基材層の厚さは、その強度が適切になるように材料に応じて適宜変更することができ、例えば、10〜1000μmの範囲としてもよい。
保護層は、透明スクリーンの表面側(観察者側)に積層されるものであり、耐光性、耐傷性、および防汚性等の機能を付与するための層である。保護層は、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような樹脂を用いて形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂を用いることができるが、これらの中でも電離放射線硬化型樹脂が特に好ましい。
粘着層は、透明スクリーンにフィルムを貼付するための層である。粘着層は、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような粘着剤組成物を用いて形成することが好ましい。粘着剤組成物としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体が挙げられる。シリコーン樹脂系の具体例としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
反射防止層は、透明スクリーンの最表面での反射や、外光からの映りこみを防止するための層である。反射防止層は、透明スクリーンの表面側(観察者側)に積層されるものであってもよく、両面に積層されるものであってもよい。特に透明スクリーンとして用いる際には観察者側に積層するのが好ましい。反射防止層は、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような樹脂を用いて形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂を用いることができるが、これらの中でも電離放射線硬化型樹脂が特に好ましい。また、反射防止層の表面には、目的に応じて、凹凸構造、プリズム構造、マイクロレンズ構造等の微細構造を付与することもできる。
本発明による透明スクリーンは、上記の各層以外にも、従来公知の様々な機能性層を備えてもよい。機能性層としては、染料や着色剤等を含んだ光吸収層、プリズムシート、マイクロレンズシート、フレネルレンズシート、およびレンチキュラーレンズシート等の光拡散層、紫外線および赤外線等の光線カット層等が挙げられる。
本発明による透明スクリーンの製造方法は、光拡散層を形成する工程を含むものである。光拡散層を形成する工程は、混練工程と製膜工程からなるからなる押出成形法、キャスト成膜法、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコート、スプレー法等を含む塗布法、射出成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、セルキャスト法など公知の方法により成型加工でき、押出成形法、射出成形法、塗布法を好適に用いることができる。以下、透明スクリーンの製造方法の一例として、押出成形法の各工程について詳述する。
混練工程は、単軸混錬押出機または二軸混錬押出機を用いて行うことができる。二軸混練押出機を用いる場合、二軸混錬押出機のスクリュー全長にわたる平均値として、3〜1800KPa、好ましくは6〜1400KPaのせん断応力をかけながら有機系バインダである樹脂と微粒子とを混錬して、樹脂組成物を得る工程である。せん断応力が上記範囲内であれば、微粒子を樹脂中に十分に分散させることができる。特に、せん断応力が3KPa以上であれば、微粒子の分散均一性をより向上させることができ、1800KPa以下であれば、樹脂の分解を防ぎ、フィルム内に気泡が混入するのを防止することができる。せん断応力は、二軸混錬押出機を調節することで、所望の範囲に設定することができる。
製膜工程は、混練工程で得られた樹脂組成物を製膜する工程である。製膜方法は、特に限定されず、従来公知の方法により、樹脂組成物からなるフィルムを製膜することができる。例えば、混練工程で得られた樹脂組成物を、融点以上の温度(Tm〜Tm+70℃)に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融する。溶融押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
積層工程は、製膜工程で得られた樹脂フィルム(光拡散層)に、基材層、保護層、および粘着層等をさらに積層する工程である。各層の積層方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。各層をドライラミネートにより積層する場合には、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわない範囲で接着剤等を使用してもよい。
本発明による車両用部材は、上記の透明スクリーンを備えてなる。車両用部材としては、フロントガラスやサイドガラス等が挙げられる。車両用部材は上記の透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、車両用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
本発明による住宅用部材は、上記の透明スクリーンを備えてなる。住宅用部材としては、住宅の窓ガラス、コンビニや路面店のガラス壁等を挙げることができる。住宅用部材は上記の透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、住宅用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
本発明による画像投影装置は、上記の透明スクリーンと、透明スクリーンに、好ましくは透明スクリーンのスクリーン面の法線方向に対して±10度以上、より好ましくは±15〜70度の角度から画像を投影する投射装置とを備えてなる。投射装置とは、スクリーン上に映像を投射できるものであれば特に限定されず、例えば、市販のリアプロジェクタやフロントプロジェクタを用いることができる。
(1)全光線透過率およびヘイズ
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7136に準拠して測定した。
(2)平行光線透過率
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(3)拡散反射光輝度プロファイル
変角分光光度計((株)村上色彩技術研究所製、型番:GSP−2)を用い、スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、測定角を60度〜170度まで変化させて、拡散反射光輝度を測定し、正反射方向135度の輝度を100としたときの相対輝度を算出した。拡散反射光輝度プロファイルの測定方法の概略図を図4に示した。
(4)写像性
写像性測定器(スガ試験機(株)製、品番:ICM−1T)を用い、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値を写像性とした。像鮮明度の値が大きい程、透過写像性が高いことを示す。
(5)視感度反射率Y
分光測色計(コニカミノルタ(株)製、型番:CM−3600A、光源:D65)を用い、正反射光を除いたSCE(Specular Component Exclude(正反射光除去))という測定モードで測定した。
(6)投影像視認性
透明スクリ−ンの法線方向に対して下側に45度の角度で50cm離れた位置から、超短焦点型プロジェクター(セイコーエプソン(株)製、EB−535W)を用いて画像を投影した。次に、スクリ−ンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリ−ンの前方1mの箇所(スクリーンを挟んでプロジェクターと同じ側)から、スクリ−ン上の投影像の視認性を下記の評価基準により評価した。
[評価基準]
◎:極めて鮮明に、投影像を視認することができた。
○:鮮明な投影像を視認することができた。
△:○評価のスクリーンより鮮明さは劣るが、投影像を視認することができ、スクリーンとして使用できた。
×:投影像が不鮮明であり、スクリーンとして使用するには不適であった。
(7)背景像と投影像の同時視認性評価
透明スクリ−ンの法線方向に対して下側に45度の角度で50cm離れた位置から、超短焦点型プロジェクター(セイコーエプソン(株)製、EB−535W)を用いて画像を投影した。次に、スクリ−ンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリ−ンの前方1mの箇所(スクリーンを挟んでプロジェクターと同じ側)から、スクリ−ン上の投影像の視認性と、スクリーンを透過して見える背景像の視認性とを同時に下記の評価基準により評価した。
[評価基準]
◎:極めて鮮明に、背景像と投影像を同時に視認することができた。
○:鮮明な背景像と鮮明な投影像を同時に視認することができた。
△:○評価のスクリーンより鮮明さは劣るが、背景像と投影像を同時に視認することができ、反射型透明スクリーンとして使用できるものであった。
×:背景像が不鮮明であったか、投影像が不鮮明であったため、反射型透明スクリーンとして使用するには不適であった。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.012質量%の薄片状アルミニウム微粒子A(光反射性微粒子、一次粒子の平均径1μm、アスペクト比300、正反射率62.8%)とを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウムが付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチとPETペレット(銘柄IFG8L)とを1:2の割合で均一に混合した後、Tダイを備えた単軸押出機のホッパーに投入し、押し出し温度250℃で押し出して、厚み75μmのフィルムを製膜した。フィルム中の薄片状アルミニウム微粒子の濃度は0.004質量%であるため、フィルム(光拡散層)の厚さをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状アルミニウム微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=0.3であり、ヘイズは4.3%であった。得られたフィルムを、厚さ2mmの透明ガラス板に粘着フィルム(パナック(株)製、パナクリーンPD−S1厚み25μm)を用いて貼り合わせることで、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.0014であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.0044であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.041であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認でき、同時に極めて鮮明な背景像を視認することができた。
実施例1で得られた透明スクリーンのフィルム(光拡散層)側に、市販の低反射フィルム(日油(株)製、リアルック2702UV/NP−50)を貼り合わせ透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.005であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.014であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.083であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認でき、同時に極めて鮮明な背景像を視認することができた。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.005質量%の薄片状アルミニウム微粒子Aとを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウムが付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で押し出して、薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチとPETペレット(銘柄IFG8L)とを1:4の割合で均一に混合し、Tダイを備えた単軸押し出し機のホッパーに投入した後、押し出し温度250℃で押し出して、厚み50μmのフィルムを製膜した。フィルム中の薄片状アルミニウム微粒子の濃度は0.001質量%であるため、フィルム(光拡散層)の厚さをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状アルミニウム微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=0.05であり、ヘイズは1.2%であった。得られたフィルムを、厚さ2mmの透明ガラス板に粘着フィルム(パナック(株)製、パナクリーンPD−S1厚み25μm)を用いて貼り合わせることで、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.00038であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.0011であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.012であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、鮮明な投影像を視認でき、同時に鮮明な背景像を視認することができた。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.012質量%の薄片状アルミニウム微粒子Aとを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウムが付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用い、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商品名:FNX−III)にて厚さ2000μmの平板を作製し、そのまま透明スクリーンとした。平板(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状アルミニウムの濃度をc(質量%)としたとき、t×c=24であり、ヘイズは35.4%であった。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.028であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.077であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.42であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認できたが、スクリーンの透明性が多少低いため、背景像は視認できたが十分に鮮明ではなかった。
実施例4で作製した平板の両面に、市販の低反射フィルム(日油(株)製、リアルック2702UV/NP−50)を貼り合わせて、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.081であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.22であり、120度の拡散反射光の相対輝度は1.2であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認できたが、スクリーンの透明性が多少低いため、背景像は視認できたが十分に鮮明ではなかった。
ポリカーボネート(PC)ペレット(住化スタイロンポリカーボネート(株)製、銘柄SD2201W)と、PCペレットに対して0.01質量%の薄片状ニッケル微粒子(光反射性微粒子、一次粒子の平均径9μm、アスペクト比90、正反射率16.8%)とを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状ニッケルが付着したPCペレットを得た。得られたペレットとPCペレット(銘柄SD2201W)を1:4の割合で均一に混合した原料を、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給した後、押出温度250℃で押し出して、薄片状ニッケル微粒子が練り込まれたマスターバッチを得た。このマスターバッチ中に分散した薄片状ニッケル微粒子の濃度は0.002質量%であった。このマスターバッチを用い、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商品名:FNX−III)にて、厚さ2000μmの平板を作製し、そのまま透明スクリーンとした。平板(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PC樹脂に対する薄片状ニッケル微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=4であり、ヘイズ10.5%であった。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.018であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.055であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.22であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認でき、同時に極めて鮮明な背景像を視認することができた。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)ペレット(三菱レーヨン(株)製、銘柄アクリペットVH)をトルエン溶液に溶解させ、PMMA濃度15質量%の溶液を作製した。この溶液に薄片状アルミニウム微粒子Aを添加し、十分撹拌することで薄片状アルミニウム微粒子が分散されたポリマー溶液を得た。このポリマー溶液を、ベーカー式アプリケーターSA201(テスター産業(株)製)を用いて、一方の面に反射防止コーティングが施された厚さ2mmのガラス板(ショット日本(株)製、商標CONTURAN)の他方の面に塗布した後、50℃で24時間乾燥し、透明スクリーンを得た。乾燥後のPMMA樹脂層(光拡散層)の厚みは9μmであり、PMMA樹脂に対する薄片状アルミニウム微粒子の濃度は0.005質量%であった。PMMA樹脂層(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、樹脂に対する薄片状アルミニウム微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=0.045であり、ヘイズは1.3%であった。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.0026であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.0082であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.071であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、鮮明な投影像を視認できたが、スクリーンの透明性が多少低いため、背景像は視認できたが十分に鮮明ではなかった。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.96質量%の薄片状銀微粒子(光反射性微粒子、一次粒子の平均径1μm、アスペクト比200、正反射率32.8%)とを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状銀微粒子が付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押し出し温度250℃で薄片状銀微粒子が練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチとPETペレット(銘柄IFG8L)とを1:2の割合で均一に混合し、Tダイを備えた単軸押出機のホッパーに投入した後、押出温度250℃で押し出して、厚み75μmのフィルムを製膜した。フィルム中の薄片状銀微粒子の濃度は0.32質量%であるため、フィルム(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状銀微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=24であり、ヘイズは35.6%であった。
また、ポリビニルブチラール(PVB)粉末(クラレ(株)製、銘柄Mowital B30H)を、Tダイを備えた二軸混練押出機(テクノベル社製KZW20TW)にて180℃で製膜し、膜厚50μmのフィルムを製膜した。
これらのフィルムを次の構成で融着させ、透明スクリーンを得た。透明スクリーンの構成は2mm厚ガラス板/PVBフィルム/微粒子分散PETフィルム/PVBフィルム/2mm厚ガラス板で、このような構成で積層したサンプルを80℃で加熱して融着させることで、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.036であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.099であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.63であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認でき、同時に鮮明な背景像を視認することができた。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.014質量%の薄片状アルミニウム微粒子Aとを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウムが付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用い、射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商品名:FNX−III)にて、厚さ2000μmの平板を作製し、そのまま透明スクリーンとした。平板(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状ニッケル微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=28であり、ヘイズは37.8%であった。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.029であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.11であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.76であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認できた。また、スクリーンの透明性が多少低いため、背景像は視認できたが十分に鮮明ではなかった。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.1質量%の薄片状アルミニウム微粒子B(光反射性微粒子、一次粒子の平均径10μm、アスペクト比150、正反射率32.8%)とを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウムが付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチを用い、二軸混練押出機にて、厚さ10μmのフィルム(光拡散層)を作製し、そのまま透明スクリーンとした。平板(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状ニッケル微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=1であり、ヘイズは13.5%であった。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.020であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.059であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.23であった。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、極めて鮮明な投影像を視認でき、同時に極めて鮮明な背景像を視認することができた。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して0.003質量%の薄片状アルミニウム微粒子Aとを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一に薄片状アルミニウム微粒子が付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃で薄片状アルミニウムが練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチとPETペレット(銘柄IFG8L)とを1:5の割合で均一に混合し、Tダイを備えた単軸押出機のホッパーに投入した後、押出温度250℃で押し出して、厚み75μmのフィルムを製膜した。フィルム中の薄片状アルミニウム微粒子の濃度は0.0005質量%であるため、フィルム(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対する薄片状アルミニウム微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=0.0375であり、ヘイズは0.8%であった。得られたフィルムを、厚さ2mmの透明ガラス板にパナック(株)製の粘着フィルム(パナクリーンPD−S1厚み25μm)を用いて貼り合わせることで、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.000082であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.0003であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.0014であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、背景像は鮮明に視認できたが、スクリーンに画像が十分に結像せず、鮮明な投影像を視認することができなかった。
PETペレット((株)ベルポリエステル製、銘柄IFG8L)と、PETペレットに対して2質量%の乾式球状シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、一次粒子のメジアン径90nm)とを、タンブラー混合器にて30分間混合して、表面に均一にシリカ粒子が付着したPETペレットを得た。得られたペレットを、ストランドダイスを備えた二軸混練押出機のホッパーへ供給し、押出温度250℃でシリカ粒子が練り込まれたマスターバッチを得た。得られたマスターバッチとPETペレット(銘柄IFG8L)とを1:1の割合で均一に混合し、Tダイを備えた単軸押出機のホッパーに投入した後、押し出し温度250℃で押し出して、厚み75μmのフィルムを製膜した。フィルム中のシリカ粒子の濃度は1質量%であるため、フィルム(光拡散層)の厚みをt(μm)とし、PET樹脂に対するシリカ粒子の濃度をc(質量%)としたとき、t×c=75であり、ヘイズは25.3%であった。得られたフィルムを、厚さ2mmの透明ガラス板にパナック(株)製の粘着フィルム(パナクリーンPD−S1厚み25μm)を用いて貼り合わせることで、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.00017であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.00055であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.0041であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、背景像は鮮明に視認できたが、スクリーンに画像が十分に結像せず、鮮明な投影像を視認することができなかった。
比較例1で作製した透明スクリーンのPETフィルム側の表面に、市販の低反射フィルム(日油(株)製リアルック2702UV/NP−50)を貼り合わせて、透明スクリーンを得た。
また、透明スクリーンの拡散反射光輝度プロファイルを変角分光光度計で測定したところ、スクリーン面の平行方向に対し45度の角度で光を入射し、正反射方向(135度)の拡散反射光の輝度を100としたとき、60度の拡散反射光の相対輝度は0.00031であり、90度の拡散反射光の相対輝度は0.00094であり、120度の拡散反射光の相対輝度は0.0082であった。この拡散反射光輝度プロファイルを図5に示す。反射型プロジェクターにて45度の角度で映像を投映させたところ、背景像は鮮明に視認できたが、スクリーンに画像が十分に結像せず、鮮明な投影像を視認することができなかった。
11 光拡散層
12 バインダ
13 微粒子
20 透明スクリーン
21 光拡散層
22 保護層
23 基材層
24 粘着層
31 透明スクリーン
32 透明パーティション
33 観察者
34 投射装置
35 投影光
36 拡散光
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂と、薄片状の光反射性微粒子とを含む光拡散層を備えた反射型透明スクリーンの製造方法であって、
前記光反射性微粒子を予め添加した前記熱可塑性樹脂と前記光反射性微粒子を添加していない前記熱可塑性樹脂とを混合した後に混練して、光反射性微粒子分散樹脂組成物を得る混練工程と、
前記光反射性微粒子分散樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融した後に押出して、前記光拡散層となる樹脂フィルムを製膜する製膜工程と、
を含んでなり、
前記反射型透明スクリーンは、変角分光光度計で測定した拡散反射光輝度プロファイルが、下記の条件AおよびB:
A:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向である135度の輝度を100としたときに、90度の拡散反射光の相対輝度が0.001以上である、
B:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向である135度の輝度を100としたときに、120度の拡散反射光の相対輝度が0.01以上である、
を満たすことを特徴とする、反射型透明スクリーンの製造方法。 - 熱可塑性樹脂と、薄片状の光反射性微粒子とを含む光拡散層を備えた反射型透明スクリーンの製造方法であって、
前記光反射性微粒子と前記熱可塑性樹脂とを混合して得られる光反射性微粒子付着樹脂組成物と前記熱可塑性樹脂を混練して、光反射性微粒子分散樹脂組成物を得る混練工程と、
前記光反射性微粒子分散樹脂組成物を溶融押出機に供給して溶融した後に押出して、前記光拡散層となる樹脂フィルムを製膜する製膜工程と、
を含んでなり、
前記反射型透明スクリーンは、変角分光光度計で測定した拡散反射光輝度プロファイルが、下記の条件AおよびB:
A:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向である135度の輝度を100としたときに、90度の拡散反射光の相対輝度が0.001以上である、
B:スクリーン面の平行方向に対して45度の角度で光を入射し、正反射方向である135度の輝度を100としたときに、120度の拡散反射光の相対輝度が0.01以上である、
を満たすことを特徴とする、反射型透明スクリーンの製造方法。 - 前記光拡散層の厚さをt(μm)とし、前記熱可塑性樹脂に対する前記光反射性微粒子の濃度をc(質量%)としたとき、tとcが、下記数式(I):
0.04≦(t×c)≦30 ・・・(I)
を満たす、請求項1または2に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。 - 前記光反射性微粒子の含有量は、前記熱可塑性樹脂に対して、0.0001〜5.0質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記光反射性微粒子は、一次粒子の平均径が0.01〜100μmであり、平均アスペクト比が3〜800である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記光反射性微粒子の正反射率が12〜100%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記光反射性微粒子が、アルミニウム、銀、白金、銅、金、チタン、ニッケル、スズ、スズ‐コバルト合金、インジウム、クロム、酸化チタン、酸化アルミニウム、および硫化亜鉛からなる群から選択される金属系微粒子、ガラスに金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料、または天然雲母もしくは合成雲母に金属または金属酸化物を被覆した光輝性材料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記光拡散層は、ヘイズが1%以上40%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記反射型透明スクリーンの視感度反射率Yが1%〜6.5%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記反射型透明スクリーンの写像性が65%以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
- 前記反射型透明スクリーンの全光線透過率が60%以上98%以下である 、請求項1〜10のいずれか一項に記載の反射型透明スクリーンの製造方法。
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