JP6186760B2 - スクリーン、及びスクリーンの製造方法 - Google Patents
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Description
<固定型反射スクリーン>
図1は第一の形態にかかるスクリーン100の斜視図であり、映写機10と併せて示した。スクリーン100と映写機10とで映像表示装置を構成している。ここで、本形態のスクリーン100は、反射型のスクリーンのうち、常設されるタイプのもの(固定型反射スクリーン)の例である。従ってスクリーン100は図1からわかるようにAで表した観察者の側が正面となり、正面側に映写機10が設置され、これとは反対側(背面側物体Bが存在する側)が背面側となる。
光透過部116と基材層114とを同じ材料で構成する場合には、基材層114と光透過部116とを一体に形成することもできる。また、光透過部116と基材層114とを異なる材料で構成する場合、及び同じ材料で構成する場合であっても、基材層114と光透過部116を別々に形成し、公知の手段により積層してもよい。
光透過部116の形成方法の具体例は後で説明する。
上記したように光透過部116はシート面に沿った方向に所定の間隔で並列され、光透過部116間には、台形断面を有する凹部が形成されている。本形態における凹部は、保護層119側(正面側)に長い下底、基材層114側(背面側)に短い上底を有する台形状の断面を有した溝であり、ここに光散乱部117を構成する材料が充填されることにより光散乱部117が形成されている。従って光散乱部117も凹部に沿った台形断面を具備している。
光散乱部117を構成する材料としては、本形態では光を反射して散乱する材料であれば特に限定されることはない。
このような材料としては、例えば白色顔料や銀色顔料を混ぜた硬化性樹脂が挙げられる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が挙げられる。銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロムなどの金属が挙げられる。これにより効率よく光を散乱反射させることができる。また、硬化性樹脂は光透過部116を構成する材料と同様のものを用いることができる。
また、光散乱部117を透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料で構成してもよい。透明なバインダー樹脂としては光透過部116と同様なものを用いることができる。一方、当該透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、アイカ工業株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
ただし、光散乱部117の屈折率と光透過部116の屈折率とを異なるように形成することを妨げるものではない。例えば光散乱部117の屈折率を光透過部116の屈折率よりも低くなるように形成すれば、界面に入射する光が全反射臨界角より大きい場合、全反射を利用して光を反射することができる。そのためには上記光散乱部の硬化性樹脂、バインダー樹脂の屈折率を調整する。
光散乱部の台形断面の脚部を構成する斜辺は曲線状、折れ線状であってもよい。図3に各例の光散乱部の断面形状を表した。図3(a)が脚部が凸状の曲線の光散乱部117aの例、図3(b)が脚部が凹状の曲線の光散乱部117bの例、及び図3(c)が脚部が折れ線状の光散乱部117cの例である。断面における脚部が曲線状のときには、当該曲線の接線が各部において上記θ1と同じ条件であることが好ましい。また、断面における脚部が折れ線状のときには、該折れ線を構成する各線が上記θ1と同じ条件であることが好ましい。
光散乱部117の台形断面のうち、保護層119側の幅は特に限定されないが、5μm以上150μm以下であることが好ましい。この幅が狭すぎると光散乱層115による後述の効果が低減する虞があるとともに、さらに微細な形状になるので加工が困難となる。一方、この幅が広すぎると金型で成形する際に材料の離型性が低下する傾向にある。
ここで、「見込み角θ2」とは、図2に表れているように、隣接する2つの光散乱部117のうちの一方の光散乱部117の背面側角部と、他方の光散乱部117の正面側角部とを結ぶ線であり、1つの光透過部116の台形断面における対角線を構成する線が、スクリーン100の法線となす角である。
また、「映像光の投射角θ0」とは、映写機から投射される映像光のうちその光軸が、スクリーン100の法線となす角である(図2のθ0参照。ここでは映像光L101の投射角をθ0としている。)。このときの光軸はこのような映写機の分野における通常に用いられる光軸と同じ意味である。
この式は、映像光の投射角θ0は空気中(屈折率=1)、見込み角θ2は光透過部116中をそれぞれ対象としているので、スネルの法則から、
1・sinθ0=n・sinθ2
の関係に基づいて求めることができる。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
帯電防止性向上のために用いることができる材料としては、電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)とを共存)などが挙げられ、イオン導電タイプではリチウム塩系材料等が挙げられる。
また、撥水性向上のために用いることができる材料としては、フッ素系化合物等が挙げられる。
以上により光散乱層115が形成される。
スクリーン100によれば、光散乱部117に達した映像光が吸収されることなく散乱反射されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機10からの映像光を効率よく観察者側に反射されて出射することが可能である。
光散乱部117’は光散乱部117と同様に隣接する光透過部116間の凹部に形成されるが、光散乱部位117’aは、凹部内のうち当該凹部の開口側(図4の紙面右側)の一部には形成されない。そしてこの光散乱部位117’aが形成されない部位に光吸収部位117’bが充填されるように設けられている。
光透過性を有する樹脂としては光透過部116の樹脂と同様のものを用いることができる。
一方、光吸収粒子としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、吸収すべき光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。
このように2回にわたって光透過部間の凹部にそれぞれの組成物を供給、スキージ、及び硬化することで光散乱部117’を形成することができる。
また、本変形例では光吸収部位117’bが備えられているものの、光吸収部位117’bは光散乱部117’の一部にしか形成されていないことから、光散乱部117’の光散乱性能の低下を小さく抑えつつ外光を吸収することができる。従って、正面側への明るい映像光を提供する機能、及び明るい背面側景色を観察者に提供する機能を高く維持しつつ、コントラストも向上させることが可能である。
光吸収層121は、ここを透過する光の一部を吸収し、他を透過する機能を有する層であり、いわゆるNDフィルタが配置された層である。基材層114と光吸収層121とは不図示の接着剤等により接着されている。また、光吸収層121は所定の色を吸収する層であってもよい。これにより色調の調整が可能である。
なお、映写機からの映像光L101は光吸収層121を透過することがないので、スクリーン100と同様にして明るい映像を観察者に提供することができる。
従って光散乱層215は当該反転した形態であること以外は光散乱層115と同様であり、光透過部216は光透過部116に相当し、光散乱部217は光散乱部117に相当する。
また、基材層214は光散乱層215を形成するための基材となる層である点で基材層114と共通する。従って基材層214は、透光性を有するとともに光散乱層215の変形を防止できるように支持する。かかる観点から、基材層214を構成する材料の具体例として例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等のうちの1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。基材層214の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。基材層214の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。例えば、基材層214が薄過ぎればしわが生じやすくなる。また、基材層214が厚過ぎれば、スクリーン200を製造する工程のうち中間工程において巻き取る際に、その巻き取りが困難になる。
その後、光散乱層215の面のうち基材層214とは反対側の面に接着層221を積層して積層体212を作製し、接着層221によりパネル111に貼合することでスクリーン200を製造することができる。
スクリーン200によれば、光散乱部217に達した映像光が吸収されることなく散乱反射されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機10からの映像光を効率よく観察者に出射することが可能である。
図7は第三の形態にかかるスクリーン300の斜視図であり、映写機10と併せて示した。本形態のスクリーン300は、反射型のスクリーンのうち、巻回及び展開が可能であるタイプのもの(ロール型反射スクリーン)である。従ってスクリーン300は図7からわかるように、展開した姿勢でAで表した観察者の側が正面となり、正面側に映写機10が設置され、これとは反対側(背面側物体Bが存在する側)が背面側となる。
一方、スクリーン300は使用しないときにはロール状に巻回して収納することが可能である。
ここで、スクリーン300の最表面の少なくとも一方には貼り付きを防止する処理又は層の積層がなされていることが好ましい。これにより、展開時にくっつきが防止され、円滑な展開が可能である。
<固定型透過スクリーン>
図10は第五の形態にかかるスクリーン500の斜視図であり、映写機20と併せて示した。本形態のスクリーン500は、透過型のスクリーンのうち、常設されるタイプのもの(固定型透過スクリーン)である。従ってスクリーン500は図10からわかるようにAで表した観察者の側が正面側となり、これとは反対側である背面側に映写機20が設置される。
また、光散乱部517には光を反射して散乱する材料を用いることもできる。このような材料としては、例えば白色顔料や銀色顔料を混ぜた硬化性樹脂が挙げられる。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が挙げられる。銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロムなどの金属が挙げられる。これにより効率よく光を散乱反射させることができる。また、硬化性樹脂は光透過部116を構成する材料と同様のものを用いることができる。
スクリーン500によれば、光散乱部517に達した映像光が吸収されることなく散乱されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機20からの映像光を効率よく観察者に出射することが可能である。
スクリーン500によれば、光散乱部517に達した映像光が吸収されることなく散乱されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機20からの映像光を効率よく観察者に出射することが可能である。
光吸収層521は、ここを透過する光の一部を吸収し、他を透過する機能を有する層であり、いわゆるNDフィルタが配置された層である。基材層514と光吸収層521とは不図示の接着剤等により接着されている。また、光吸収層521は所定の色を吸収する層であってもよい。これにより色調の調整が可能である。
なお、映写機20からの映像光L501は光吸収層521を1回だけ透過するので、背面側観察と同様、十分に明るい映像を観察者に提供することができる。
従って光散乱層615は当該反転した形態であること以外は光散乱層515と同様であり、光透過部616は光透過部116に相当し、光散乱部617は光散乱部517に相当する。
その後、光散乱層615の面のうち基材層614とは反対側の面に接着層621を積層して積層体612を作製し、接着層621によりパネル111に貼合することでスクリーン600を製造することができる。
スクリーン600によれば、光散乱部617に達した映像光が吸収されることなく散乱されて観察者に出射されるので、明るい映像光を提供することができる。すなわち、映写機20からの映像光を効率よく観察者に出射することが可能である。
光を反射して散乱する材料を充填することもでき、このときには図12で説明したように映像光を提供することが可能である。
図15は第七の形態にかかるスクリーン700の斜視図であり、映写機20と併せて示した。本形態のスクリーン700は、透過型のスクリーンのうち、巻回及び展開が可能であるタイプのもの(ロール型透過スクリーン)である。従ってスクリーン700は図15からわかるように、展開した姿勢でAで表した観察者の側が正面側となり、スクリーン700を挟んでこれとは反対側である背面側に映写機20が設置される。
一方、スクリーン700は使用しないときにはロール状に巻回して収納することが可能である。
ただし透過スクリーンでは、光散乱部内に映像光を入射させ、これを散乱させて光散乱部の外に出射させるという性質上、上記した反射スクリーンに光吸収部位が具備された形態(例えばスクリーン100’)に比べ、映像光が光吸収部位に吸収される程度が大きくなる。しかしながら、余計な外光の散乱を光吸収部位で吸収することにより効果的にコントラストを向上させることができ、映像光の吸収による映像光の輝度低下はあるが、光吸収部がない場合に比べ高い質の映像を提供することができる。
実施例1では図2に示した形態を有する固定型反射スクリーンに対して映像光の投射位置から白色光を出射し、観察者側で輝度を測定した。より詳しい条件は次の通りである。
(光源)
・光源:メタルハライドファイバー光源(IMH−250、シグマ光機株式会社)
・光源入射角(光軸):正面側斜め下方45°(図2のθ0=45°)
・光軸:スクリーン中央
・光源照度(光軸):510lm/m2
(光散乱層)
光散乱層の形状を以下及び図18に表す。
・光透過部開口幅(正面側):80μm
・光透過部開口幅(背面側):100μm
・光散乱部幅(正面側):25μm
・光散乱部幅(背面側):5μm
・光散乱部の厚さ方向大きさ:160μm
・光散乱部の脚部傾斜角度(図2のθ1):1.5°
(1)光透過部構成組成物の調整
ビスフェノールAエチレンオキシド/キシリレンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:15:50:5:0.02で混合し、80℃で10時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P1)を得た。
一方、ビスフェノールAエチレンオキシド/イソホロンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:20:50:0.02で混合し、80℃で時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P2)を得た。
次に、光硬化性プレポリマー(P1)を30質量部、光硬化性プレポリマー(P2)を30質量部、反応性希釈モノマー(M1)としてのフェノキシエチルアクリレート10質量部、反応性希釈モノマー(M2)としてのビスフェノールAエチレンオキシド30質量部、金型離型剤(S1)としてのテトラデカノールエチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル0.03質量部、金型離型剤(S2)としてのステアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.03質量部、及び光重合開始剤(I1)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、メーカー名:BASF)を3質量部混合し、均一化して、光透過部構成組成物を得た。
なお、この光透過部構成組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて、589nmの屈折率を測定したところ、1.550であった。
基材としてはPETフィルム、商品名:A4300、東洋紡績社製、厚さ100μmを用いた。
光散乱層の作製に供される金型ロールを次のように作製した。金型ロールは円柱状であり、銅メッキが施され、当該銅メッキ部分をバイトにより切削して光透過部に対応する溝を形成した。切削にはダイヤモンドバイトを用いた。ロール軸方向の所定ピッチで金型ロールの銅メッキ層の外周を切削して溝を形成し、切削後にはクロムメッキを施した。
上記(3)で作製した金型ロールと、別途準備したニップロールとの間に、上記(2)で説明した基材を搬送した。この基材の搬送に合わせ、上記(1)で得られた光透過部構成組成物を基材の基材層上に供給装置から供給し、金型ロールおよびニップロール間の押圧力により、基材層と金型ロールとの間に光透過部構成組成物を充填した。その後、基材側から高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させて、光透過部を形成した。その後、剥離ロールにより、金型ロールから光透過部を離型し、光透過部を含むシート(中間部材)を作製した。
この光透過部について圧縮式微小硬度計(FISCHER HM2000)を用いて微小圧子材料に負荷をかけ、これを除荷することによって弾性率を測定した。このとき、負荷力は100mN、負荷速度は4μm/10秒、保持時間は60秒とした。その結果、光透過部の弾性率は800MPaであった。また、このとき、光透過部は金型ロールの溝に対応した形状となる。
光透過部構成組成物を構成する原料と同一原料に、酸化チタンを5質量部を混合し、均一化して、光散乱部を構成する組成物を得た。
上記(5)で得られた光散乱部を構成する組成物を、上記(4)で作製した中間部材上に供給装置から供給した。また、中間部材の進行方向と略垂直延びるように配置されたドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光散乱部構成組成物を中間部材に形成された溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の光散乱部を構成する組成物を掻き落とした。その後、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して光拡散部構成組成物を硬化させ、硬化した光散乱部構成組成物によって光散乱部を形成した。この状態では、光散乱部の表面には、深さ6μmの窪みが発生していた。上記工程を更に1回行ったところ、光散乱部の表面の窪みは深さ3μmであった。
スクリーン中央から正面側に延びる法線を基準(0°)とし、この法線を含む鉛直面内において、法線に対してなす角を視野角として各視野角における輝度を測定した。輝度の測定は輝度計(LS−110、コニカミノルタオプティクス株式会社)用いて輝度を測定した。ここで、鉛直面内において法線より下方側をマイナス、法線より上方側をプラスで表した。
(ゲインの算出)
各視野角で得られた輝度からゲインを算出した。ゲインは次の式(2)により求めることができる。
ゲイン=π・輝度/光源照度 (2)
ここで輝度はcd/m2、光源照度はlm/m2、πは円周率である。
実施例2では、実施例1で用いたスクリーンを同じ形態のまま固定型透過スクリーンとして用いた(図11に示した形態)。従って、実施例1で使用した光源を背面側に配置し、背面側下方斜め45°からスクリーンに光を投射した。
他については実施例1と同様である。
上記(5)で作製した光散乱部を構成する組成物を、上記(2)で説明した基材の一方面に均一に厚さ10μmで塗布し、高圧水銀灯により800mJ/cm2の紫外線を照射して塗布した組成物を硬化させた。これにより、均一な光散乱層を有する光散乱フィルムを形成して比較例のためのスクリーンとした。このスクリーンを反射スクリーンとして使用する例を比較例1、透過スクリーンとして用いる例を比較例2とした。
以上の条件により測定した輝度及び算出したゲインの値を表1に示した。また、横軸に視野角、縦軸にゲインをとったグラフを図19に示した。
一方、比較例1、2では実施例1、2とは逆に、視野角が0°の付近において、光源からの光を反射又は透過した光の正面側における輝度、ゲインが他の視野角に対して高い傾向を有している。すなわち、比較例では光源からの光の反射又は透過した光の影響が大きすぎ、背面側を視認し難いといえる。
20 映写機
100 スクリーン
111 パネル
112 積層体
113 接着層
114 基材層
115 光散乱層
116 光透過部
117 光散乱部
117’光散乱部
118 接着層
119 保護層
120 ハードコート層
121 光吸収層
200 スクリーン
212 積層体
214 基材層
215 光散乱層
216 光透過部
217 光散乱部
221 接着層
300 スクリーン
400 スクリーン
411 保護層
500 スクリーン
512 積層体
514 基材層
515 光散乱層
517 光散乱部
521 光吸収層
600 スクリーン
612 積層体
614 基材層
615 光散乱層
616 光透過部
617 光散乱部
621 接着層
700 スクリーン
800 スクリーン
811 保護層
Claims (8)
- 映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示するスクリーンであって、
透光性を有するシート状の基材層と、
前記基材層の一方の面に形成される光散乱層と、を備え、
前記光散乱層は、
前記基材層の一方の面に沿って複数並べて配置され、前記基材層側を形成する面とその反対側となる面とが平行とされた、光を透過する光透過部、及び、
前記複数の光透過部間に配置され、樹脂に光散乱剤又は顔料が含有されてなる光を散乱する光散乱部、を有し、
前記光透過部の屈折率が前記光散乱部の前記樹脂の屈折率と同じである、
スクリーン。 - 前記光散乱部の一部には、光を吸収する光吸収部位が具備されている、請求項1に記載のスクリーン。
- 透過する光の一部を吸収し、他を透過する光吸収層がさらに設けられる、請求項1又は2に記載のスクリーン。
- 前記光透過部と前記光散乱部との界面が微小な凹凸形状である、請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン。
- 少なくとも一方の最表面にはさらにハードコート性、防汚性、帯電防止、及び撥水性のうち少なくとも1つの機能を備えた層が積層されている請求項1〜4のいずれかに記載のスクリーン。
- 紫外線吸収剤、熱線吸収剤、及び近赤外線吸収剤の少なくとも1つを含む層を備えている、請求項1〜5のいずれかに記載のスクリーン。
- 映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示する請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、
一方の面に接着剤が積層された、透光性を有するシート状の前記基材層の他方の面に、前記基材層の他方の面に沿って複数並べて配置され、光を透過する前記光透過部を形成する工程と、
前記複数の光透過部間に光を散乱する材料を充填して前記光散乱部を形成する工程と、
前記光透過部のうち前記基材層が配置される側とは反対側の面に接着剤が積層されたハードコート層を積層する工程と、を含むスクリーンの製造方法。 - 映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示する請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンを製造する方法であって、
一方の面にハードコート層が積層された、透光性を有するシート状の前記基材層の他方の面に、前記基材層の他方の面に沿って複数並べて配置され、光を透過する前記光透過部を形成する工程と、
前記複数の光透過部間に光を散乱する材料を充填して前記光散乱部を形成する工程と、
前記光透過部のうち前記基材層が配置される側とは反対側の面に接着剤が積層された光を透過する層を積層する工程と、を含むスクリーンの製造方法。
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