JP2014238474A - スクリーン - Google Patents

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柏木 剛
Takeshi Kashiwagi
剛 柏木
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Abstract

【課題】 観察者側から反対側を透視できるスクリーンで、スクリーンがある箇所と、無い箇所が明確になってしまい、映像や透視してみた像に違和感が生じることがないスクリーンを提供する。
【解決手段】 映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンであって、透光性を有するシート状の基材層と、光を散乱する光散乱部を有する光散乱層とを、備え、前記基材層の一方の面に、前記光散乱層を配したものであり、前記光散乱層は、シート面に沿って、一方向にストライプ形状で、且つ、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向の断面を楔形状とする光散乱部を、前記一方向に直交する方向に、光透過部と光散乱部とを交互にして、配列させており、前記一方向に直交する方向におけるシートの端部では、シートのヘイズが、シートの中心側からシート端側に向けて小さくなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンに関する。
通常、映写機から投射された映像光を視認可能に表示するスクリーンは反射型、透過型を問わず映写機から投射された映像光を表示することを目的としており、観察者からみてスクリーンの反対側(背面側)を観察することができない。
透過型のスクリーンでは背面から投射された映像光を観察者側(正面側)に透過することにより映像を表示するので背面側からの光を透過することは可能である。
しかしながらこのような透過型のスクリーンであっても、特開平9−114003号公報(特許文献1)に記載のように表面に凹凸が必要であり、光の透過は可能であるが背面側の様子を観察することはできない。
特開2006−243693号公報(特許文献2)には、光を透過可能な単位プリズム形状と、複数の単位プリズム形状の間に配置される光吸収部と、裏面側に設けられて映像光を反射するとともに裏面からの光を透過可能な反射透過層と、が具備された半透過型反射スクリーンが開示されている。
これによれば、単位プリズム形状を透過した映像光を反射透過層で反射させて観察者側に提供することによりスクリーンとして機能するとともに、プリズム形状を通して背面側の様子を観察することができるとされている。
特開平9−114003号公報 特開2006−243693号公報
上記特開2006−243693号公報(特許文献2)に記載のような半透過型反射スクリーンにおいては、スクリーンがある箇所と、無い箇所が明確になってしまい、映像や透視してみた像に違和感が生じてしまう。
例えば、スクリーン越しに透過する景色を見ていて、スクリーンに映像光を映した際、景色に映像光が浮かび上がる浮遊感が感じられ、光学シートのある箇所と無い箇所が明確になっていると、浮遊感を損なってしまう不具合があった。
本発明は、これらに対応するもので、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンで、スクリーンがある箇所と、無い箇所が明確になってしまい、映像や透視してみた像に違和感が生じることがないスクリーンを提供しようとするものです。
請求項1の発明のスクリーンは、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンであって、透光性を有するシート状の基材層と、光を散乱する光散乱部を有する光散乱層とを、備え、前記基材層の一方の面に、前記光散乱層を配したものであり、前記光散乱層は、シート面に沿って、一方向にストライプ形状で、且つ、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向の断面を楔形状とする光散乱部を、前記一方向に直交する方向に、光透過部と光散乱部とを交互にして、配列させており、前記一方向に直交する方向におけるシートの端部では、シートのヘイズが、シートの中心側からシート端側に向けて小さくなっていることを特徴とする。
そして、請求項2の発明のスクリーンは、請求項1の発明のスクリーンであって、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向におけるシートの断面において、上底辺と下底辺とをシート面に平行にする台形である単位の光透過部を、複数、隣接して所定のピッチで配列し、前記シートの断面において隣り合う前記台形間の楔形状の部分を、前記光散乱部としていることを特徴とする。
そしてまた、請求項3の発明のスクリーンは、請求項2の発明のスクリーンであって、前記楔形は、台形ないし三角形であることを特徴とする。
また、請求項4の発明のスクリーンは、請求項2ないし3のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっていることを特徴とする。
また、請求項5の発明のスクリーンは、請求項2ないし3のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部および光透過部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっていることを特徴とする。
また、請求項6の発明のスクリーンは、請求項2ないし5のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に細くなっていることを特徴とする。
また、請求項7の発明のスクリーンは、請求項2ないし5のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光透過部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に広くなっていることを特徴とする。
また、請求項8の発明のスクリーンは、請求項1ないし7のいずれかの発明のスクリーンであって、前記光散乱部の一部の箇所を、光を吸収する光吸収部材からなる光吸収部に置き換えたものであることを特徴とする。
また、請求項9の発明のスクリーンは、請求項1ないし8のいずれかの発明のスクリーンであって、透過する光の一部を吸収し、他を透過する光吸収層がさらに設けられることを特徴とする。
また、請求項10の発明のスクリーンは、請求項1ないし9のいずれかの発明のスクリーンであって、前記光散乱部には白色又は銀色の顔料が混ぜられた樹脂が充填され、前記光透過部と前記光散乱部との界面での散乱反射により光を散乱するものであることを特徴とする。
また、請求項11の発明のスクリーンは、請求項1ないし9のいずれかの発明のスクリーンであって、前記光散乱部には透明の樹脂と、該透明の樹脂とは屈折率が異なる粒子状の光散乱剤と、が充填され、前記光散乱部中を光が透過することにより光を散乱することを特徴とする。
また、請求項12の発明のスクリーンは、請求項1ないし10のいずれかの発明のスクリーンであって、前記光透過部と前記光散乱部との界面が微小な凹凸形状であることを特徴とする。
また、請求項13の発明のスクリーンは、請求項1ないし12のいずれかの発明のスクリーンであって、少なくとも一方の最表面にはさらにハードコート性、防汚性、帯電防止、及び撥水性のうち少なくとも1つの機能を備えた層が積層されていることを特徴とする。
尚、ここでは、ストライプ形状とは、縞状の形態を意味する。
また、楔形状とは、断面が楔のような形状で、先端にいくにしたがい細くなっている形状を意味するが、ここでの楔形状は、概略楔形状のものも含み、断面台形形状の他に三角形形状や四角形形状や、先端部が丸い形状や、断面台形形状において下底部が台形内側に凹んだ形状も含むとする。
また、ここで言う「シート」とは、シート状、フィルム状のものも含み、特にフィルム状のものをフィルム、あるいは、フィルムシートとも言い、ここでは、剛性が小さく巻き取ることができるフィルム形態や、剛性が大きく巻き取ることができない板状のものを含めている。
(作用)
請求項1の発明のスクリーンは、このような構成にすることにより、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンで、スクリーンがある箇所と、無い箇所が明確になってしまい、映像や透視してみた像に違和感が生じることがない、スクリーンの提供を可能としている。
具体的には、透光性を有するシート状の基材層と、光を散乱する光散乱部を有する光散乱層とを、備え、前記基材層の一方の面に、前記光散乱層を配したものであり、前記光散乱層は、シート面に沿って、一方向にストライプ形状で、且つ、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向の断面を楔形状とする光散乱部を、前記一方向に直交する方向に、光透過部と光散乱部とを交互にして、配列させており、前記一方向に直交する方向におけるシートの端部では、シートのヘイズが、シートの中心側からシート端側に向けて小さくなっていることにより、これを達成している。
請求項1の発明のスクリーンは、光散乱部を備えていることにより、映写機から投射された映像光を光散乱部にて散乱して観察者に視認可能に表示できるものとし、また、スクリーン反対側から観察者側への光の採り入れを抑制し、直接人の目に入る光の量を少なくしている。
前記一方向に直交する方向における端部では、シートの中心部に対して、シートの中心部からシート端側に向けて、シートのヘイズが徐々に小さいことが、視覚の面からは自然で、好ましく、シート全体についても、シートの中心部から前記端部側に向けて、シートのヘイズが小さいことが好ましい。
具体的には、請求項1の発明のスクリーンであって、シート面に沿って、光散乱部のストライプ形状の方向である前記一方向に直交する方向におけるシートの断面において、上底辺と下底辺とをシート面に平行にする台形である単位の光透過部を、複数、隣接して所定のピッチで配列し、前記シートの断面において隣り合う前記台形間の、楔形状の部分を、前記光散乱部としている請求項2の発明の形態や、更に、前記楔形は、台形ないし三角形である請求項3の発明の形態を挙げることができる。
更に、シートの中心側からシート端側に向けて、シートのヘイズが小さくなる具体的な形態としては、請求項2ないし請求項3のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっている請求項4の発明の形態、
あるいは、請求項2ないし請求項3のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部および光透過部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっている請求項5の発明の形態、更には、請求項2ないし請求項5のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側から端部側に向けて、徐々に細くなっている請求項6の発明の形態、更にまた、請求項2ないし請求項5のいずれかの発明のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光透過部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に広くなっている請求項7の発明の形態が挙げられる。
請求項4〜請求項7の各発明の形態は、いずれも、光散乱部のストライプ形状に直交する方向におけるシートの端部では、シート面に沿う単位面積において、シート面に直交する方向に通過する光に対しての光散乱部の表面積を、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に、小さくしているため、シートのヘイズは、シート中心側からシート端側に向けて、徐々に小さくなっていると思われる。
ここでは、光散乱部を有する光散乱層を備えた本発明のスクリーンを試料として、JIS K7105規格における測定により求められた、拡散光線透過率、全光線透過率より、下記の(1)式により算出された値を、ここでの、ヘイズ値[%]としている。
尚、測定装置としては、 (株) 村上色彩技術研究所製のHR−100を用いた。
測定光源はD65光源で、測定範囲は28mmφである。
ヘイズ値 =(拡散光線透過率/全光線透過率)×100 (1)
光散乱部のピッチとしては、200μm以下を想定している。
また 請求項1ないし7いずれかの発明のスクリーンにおいて、前記光散乱部の一部の箇所を、光を吸収する光吸収部材からなる光吸収に置き換えた請求項8の発明の形態を挙げることができる。
この形態においては、光散乱部の光散乱性能の低下を小さく抑えつつ外光を吸収することができる。
従って、正面側への明るい映像光を提供する機能、及び明るい背面側景色を観察者に提供する機能を高く維持しつつ、コントラストも向上させることが可能である。
また、請求項1ないし8のいずれかの発明のスクリーンであって、透過する光の一部を吸収し、他を透過する光吸収層がさらに設けられる請求項9の発明の形態を挙げることができる。
この形態の場合、光吸収層により次のような効果を奏する。
すなわち、スクリーンの背面側からスクリーンを通過して観察者に達する光は、光吸収層を1回透過して観察者に至る。
従って若干明るさは低下するが、背面側の観察は十分に可能とされている。
一方、観察者側からスクリーンに照射される外光である光は、パネルと接着層との界面で反射され、観察者側に戻る。
従って、外光である光は観察者側に戻るまでに光吸収層を2回透過することになり、光が吸収される程度が大きい。
これにより効率よくコントラストを向上させることができる。
なお、映写機からの映像光は光吸収層を透過することがないので、明るい映像を観察者に提供することができる。
反射スクリーンでは、光散乱層より背面側に光吸収層を備えることにより、明るい映像を高いコントラストで提供することができる。
前記光散乱部として、白色又は銀色の顔料が混ぜられた樹脂が充填されている場合には、前記光透過部と前記光散乱部との界面での散乱反射により光を散乱することができ、また、前記光散乱部として、透明の樹脂と、該透明の樹脂とは屈折率が異なる粒子状の光散乱剤と、が充填されている場合には、前記光散乱部中を光が透過することにより光を散乱することができる。
また、前記光透過部と前記光散乱部との界面が微小な凹凸形状である形態の場合には、前記界面での散乱を、より効果的にできる。
また、少なくとも一方の最表面にはさらにハードコート性、防汚性、帯電防止、及び撥水性のうち少なくとも1つの機能を備えた層が積層されている形態も挙げられる。
各機能層を備えていることにより、各機能層に対応したそれぞれの機能を奏することができる。
本発明は、このように、映写機から投射された映像光を観察者に視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンで、スクリーンがある箇所と、無い箇所が明確になってしまい、映像や透視してみた像に違和感が生じることがないスクリーンの提供を可能とした。
図1(a)は第1の例のスクリーンの断面とその使用形態を示した概略図で、図1(b)は、図1(a)のスクリーン断面の層構成と光路とを示した図で、図1(c)は、図1(a)に示す第1の例のスクリーンの光散乱層の端部と中央部での断面構造を示した図である。 図2は第2の例のスクリーンの層構成と光路とを示した図である。 図3は第3の例のスクリーンの散乱層の散乱部の断面を示した図である。 図4(a)は第4の例のスクリーンの断面とその使用形態を示した概略図で、図4(b)は、図4(a)のスクリーン断面の層構成と光路とを示した図で、図4(c)は、図4(a)に示す第4の例のスクリーンの光散乱層の端部と中央部での断面構造を示した図である。 図5(a)は第5の例のスクリーンの層構成を示した図で、図5(b)は第6の例のスクリーンの層構成を示した図である。 図6(a)〜図6(c)は、それぞれ、第1の例の散乱層の変形例1〜変形例3の断面構造を示した図である。 図7(a)〜図7(c)は、それぞれ、第4の例の散乱層の変形例1〜変形例3の断面構造を示した図である。 図8(a)は第1の例のスクリーンの光散乱層の光透過部を形成する際に用いる金型をバイトで切削する、金型の作製方法を説明するための一断面で、図8(b)は第1の例の散乱層の変形例1の光透過部を形成する際に用いる金型をバイトで切削する、金型の作製方法を説明するための一断面である。 図9(a)は第1の例の光散乱層の変形例2の光透過部を形成する際に用いる金型をバイトで切削する、金型の作製方法を説明するための一断面で、図9(b)は第1の例の光散乱層の変形例3の光透過部を形成する際に用いる金型をバイトで切削する、金型の作製方法を説明するための一断面である。 図10(a)は、金型ロールを用いた光透過部の形成を示した概略工程図で、図10(b)は光透過部間の溝部に光散乱部形成用の組成物を充填する工程を示した概略図である。 金型ロールを示した図である。 図12(a)は変形例のスクリーンの断面とその使用形態を示した概略図で、図12(b)は、図12(a)のスクリーン断面の層構成と光路とを示した図で、図12(c)は、図12(a)に示す変形例のスクリーンの光散乱層の端部と中央部での断面構造を示した図である。
先ず、本発明のスクリーンの実施形態の第1の例を、図1に基づいて説明する。
第1の例のスクリーン1は、図1(a)に示すように、映写機から投射された映像光L1を光散乱層12の光散乱部12bにより散乱して観察者4に視認可能に表示でき、スクリーン1の観察者側とは反対側である背面側の物体3からの光(物体光L2)を通過させ、観察者側から反対側を透視できる半透過型反射スクリーンであり、図1(b)に示すように、透光性を有するシート状の基材層11と、光を散乱する光散乱部12bを有する光散乱層12とを、備え、スクリーン1の背面側から観察者側に向けて、パネル(剛性がある透明なシート状の基材)18、接着層13a、基材11、光散乱層12、接着層13b、保護層14、ハードコート層15を積層した構造のシート状である。
通常は、基材11、光散乱層12、接着層13b、保護層14、ハードコート層15を、この順に積層した積層体(以下積層体Aとする)を、接着層13aにより、パネル18に積層して、スクリーンとする。
図1(a)に示すように、ここでは、映写機2からの映像光L1は、スクリーン1の中央においてスクリーン1に直交する方向(図1の1点鎖線の方向で、光軸方向とも言う)から、θ0 の角度でスクリーン1に入射される。
尚、ここでのパネル18とは、剛性があり、シート形状を固定できる透明なシート状の基材で、スクリーン1は、通常、常設される固定反射スクリーンである。
そして、光散乱層12は、シート面に沿って、一方向にストライプ形状で、且つ、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向の断面を楔形状とする光散乱部を、前記一方向に直交する方向に、光透過部と光散乱部とを交互にして、配列させているもので、図1(c)に示すように、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向におけるシートの断面において、上底辺と下底辺とをシート面に平行にする台形で、且つ、上底辺側を背面側(物体側)、下底辺を観察者側とする台形である単位の光透過部12aを、複数、隣接して所定のピッチで配列し、隣り合う前記台形の光透過部12a間を、光散乱部12bとしている。
図1(c)において、細い点線と光散乱部12bとで囲まれた台形領域を光透過部12aとしている。
尚、ここでは、光散乱部12bの断面形状も台形状となるが、映写機から投射された映像光L1のうち、この断面が台形状の観察者側の辺で散乱された光が、主に、観察者に到達して映像光として観察される。
観察者の位置を、スクリーンに対して映写機と同じ側としている、図1(a)に示す使用形態とは異なり、映写機側と反対側に観察者がいる場合においても、図1(b)に示すように、映写機からの映像光L1のうち、一部は、前記台形の側面にて散乱して、観察者側に到達して映像光として観察することができる。
第1の例では、特に、図1(c)に示すように、前記一方向に直交する方向における端部において、光散乱部12bの、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっている。
ここでは、中央部での光散乱部12bの前記楔形状は同じとして、端部での光散乱部12bの楔形状を、シートの中心側からシート端側に向けて、中央部の光散乱部12bの楔形状に対して、下底辺側からの高さを徐々に小とした形状としている。
これにより、前記一方向に直交する方向における端部では、スクリーンのヘイズ値が、シートの中心側からシート端側に向けて徐々に小さくなっている。
このように、第1の例のスクリーンは、光散乱部のストライプ形状に直交する方向におけるシートの端部では、シート中心側からシート端側に向けて、徐々に、ヘイズ値が小さくなっているため、スクリーンがある箇所とない箇所が明確にならず、スクリーンがある箇所とない箇所で違和感がないものとしている。
スクリーンがある箇所とない箇所との境での違和感の面からは、少なくともシート端から50mm程度の端部のヘイズ値は、段階的に中心側からシート端側にかけて小となることが好ましく、更に、シート端近辺では、ヘイズ値が10%以下であることが好ましいが、5%以下であることがより好ましい。
更に、シートの中心部からシート端まで、段階的に中心側からシート端側にかけて小となることが好ましい。
勿論、第1の例のスクリーンは、光散乱層において光散乱部を備えていることにより、裏面側からの光の採り入れを抑制はしているが、特に、光散乱層において光透過部層を備えていることにより、裏面側からの光の透過を可能としている。
また、第1の例のスクリーンは、かかる構成故に、その作製を量産性の良いものとしている。
先にも述べましたが、ここでは、光散乱層を備えた本発明のスクリーンを試料として、JIS K7105規格における測定により求められた、拡散光線透過率、全光線透過率より、下記の(1)式により算出された値を、ここでの、ヘイズ値[%]としている。
尚、測定装置としては、 (株) 村上色彩技術研究所製のHR−100を用いた。
測定光源はD65光源で、測定範囲は28mmφである。
ヘイズ値 =(拡散光線透過率/全光線透過率)×100 (1)
ここでは、光散乱部のピッチとしては、200μm以下を想定している。
尚、光散乱層12の光透過部12aの略台形の断面のうち、上底の大きさは、5μm以上150μm以下であることが好ましい。
この幅が狭すぎると微細形状になるので加工が困難になる。
一方、この幅が広すぎると金型で成形する際に材料の離型性が低下する傾向にある。
また、光散乱部12bの傾斜角度(図1(c)のθ1 )は、離型性の観点から、1.5度以上が望ましい。
また、透過率の観点から、20度以下が望ましい。
これは、光散乱部12bのピッチ、深さを変えずに、斜面角度だけ大きくすると、開口率が下がるためである。
各部の材質について、以下簡単に説明する。
<パネル18>
パネル18は、剛性がある透明なシート状(板状)の基材で、ガラスパネルや樹脂パネル等、透光性を有する板状のパネルである。
従って、パネル18を構成する部材としては公知の板ガラスや樹脂を用いることができる。
これにより固定型のスクリーンとして安定した設置が可能となる。
<接着層13a>
接着層13aは、パネル18と、基材11、光散乱層12、接着層13b、保護層14、ハードコート層15を、この順に積層した積層体(積層体A)とを接着するための層である。
接着層13aを構成する材料としては、パネル18と積層体Aとを接着できるものであれば特に限定されず、公知の粘着剤、接着剤、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。
接着層13aを構成する材料としては、例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物とを組み合わせた粘着剤を挙げることができる。
ただし、接着層13aを構成する材料は、スクリーン100の性質上、透光性、耐候性に優れることが好ましい。
接着層13aの厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
接着層13aが薄過ぎるとパネル18と積層体Aとの密着性が低下する虞がある。
また、接着層13aが厚過ぎると接着層13aの厚さを均一にすることが困難になる。
<基材11>
光散乱層12と積層して、光散乱層12を保持する光透過性材料からなる基材11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料が好ましい。
PETを主成分とする場合、他の樹脂が含まれてもよい。
また、各種添加剤を適宜添加してもよい。
一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ここで「主成分」とは、基材全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。
これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。
また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって構成することが好ましい。
基材層11の厚さは特に限定されないが、25μm以上300μm以下であることが好ましい。
基材層11の厚さがこの範囲を外れると、加工性に問題を生じる虞がある。
例えば、基材層11が薄過ぎればしわが生じやすくなる。
また、基材層11が厚過ぎれば、スクリーン1を製造する工程のうち中間工程において巻き取りが困難になる。
<光散乱層12>
光散乱層12の各部に材質について、以下簡単に説明する
光散乱層は、光透過部12aを形成する光透過性材料、光散乱部12bを形成する光散乱性材料を有する。
(光透過性材料)
光透過性材料としては、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の1つ以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)を挙げることができる。
ここで光透過部12aを構成する材料の屈折率は、基材層11の屈折率と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ただし両者間で屈折率差があるとその界面で光が偏向されてしまう可能性が高まるので、同じ材料であること、又は異なる材料であっても屈折率差が小さい、あるいは屈折率差がないことが好ましい。
光散乱層12の光透過性材料の部分を形成するための組成物としては、例えば、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
尚、光散乱層12の光透過性材料部分の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。
ここにおいて、光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S1)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
光重合開始剤(S1)を着色(例えば、黄色に着色)していてもよいが、光透過部構成組成物を硬化させて光散乱層12の光透過性材料部分を形成したときに実質的に無色になることを条件とする。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、等を添加することも可能である。
(光散乱性材料)
光散乱部12bを形成する光散乱性材料としては、光を散乱反射することができるように構成された層であり、特に限定されることはないが、例としては、白色顔料や銀色顔料等の光散乱剤を混ぜた硬化性樹脂が挙げられる。
白色顔料は、例えば、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物が挙げられる。
銀色顔料としては、例えば、アルミニウム、クロムなどの金属が挙げられる。
これにより効率よく光を散乱反射させることができる。
また、硬化性樹脂は光透過部12aを構成する材料と同様のものを用いることができる。
また、光散乱部12bを透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料で構成してもよい。
透明なバインダー樹脂としては光透過部12aと同様なものを用いることができる。
一方、当該透明な散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。
当該架橋粒子の具体例としては、ガンツ化成株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。
上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。
例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。
当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
光散乱部12bの屈折率は特に限定されることはないが、光透過部12aの屈折率と同じであることが好ましい。
これは、光散乱部12bの屈折率と光透過部12aの屈折率との差が大きいと、全反射していない光に加え、全反射した光が加わり、2 重像になるためである。
光散乱部12bのうち光透過部12aとの界面を形成する材料(上記した硬化性樹脂やバインダー)の屈折率は原材料の汎用性から1.49以上1.56の範囲が好ましい。
また、そのときにおける光透過部12aと光散乱部12bとの屈折率差は、±0.1以内、より好ましくは0.05以上0.06以下である。
光散乱部12b形成用の組成物のバインダーとして用いられるものは特に限定されないが、例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
本例において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいは光学機能シート10の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いる。
また必要に応じて、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光散乱部12には、熱線を吸収する材料を添加してもよい。
これにより、夏場は太陽光が高いため、太陽光中の熱線を効果的に吸収し、室内の温度上昇を防止し、冷房に要する消費電力を低減することが可能であり、冬場は太陽光が低いため、太陽光中の熱線を夏場に対し、吸収することなく、室内に熱を取り込み、温度を高めることができ、暖房に要する消費電力を低減することが可能である。
熱線吸収剤としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)またはスズドープ酸化インジウム(ITO)、フタロシアニン化合物などの金属酸化物超微粒子などが挙げられる。
<接着層13b>
接着層13bは、保護層14を光散乱層12の面のうち基材層11とは反対側の面に貼り付けるための層である。
接着層13bに用いられる材料は特に限定されることはないが、上記の目的を有し、透光性を備えていれば各種材料を用いることができる。
これには例えば公知の粘着剤、接着剤、紫外線硬化樹脂、電離放射線硬化樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。
例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物を組み合わせた粘着剤を挙げることができる。
接着層13bの厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
接着層13bが薄過ぎると保護層14と光散乱層12との密着性が低下する虞がある。 また、接着層13bが厚過ぎると接着層13bの厚さを均一にすることが困難になる。
<保護層14>
保護層14は、上記基材層11と対になり、光散乱層12を挟むように配置される層であり、基材層11と併せて光散乱層12を保護する機能を有する。
保護層14はこのような機能を有するものであれば、その材料は特に限定されることはないが、例えば上記した基材層11と同様の材料により構成することができる。
<ハードコート層15>
ハードコート層15は、表面保護を目的として、スクリーン1のうちパネル18とは反対側の最表面に設けられる層である。
ハードコート層15は透明な樹脂層として形成することができ、擦り傷、表面汚染に対する耐性の観点から、硬化性樹脂が硬化してなる樹脂硬化層として形成することが好ましい。
具体的には電離放射線硬化性樹脂、その他公知の硬化性樹脂等を要求性能に応じて適宜採用すればよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、アクリレート系、オキセタン系、シリコーン系等が挙げられる。
例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂は、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は(メタ)アクリル酸エステルプレポリマーなどからなる。さらに3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを例示すれば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。
また、ハードコート層15には、耐汚染性向上の機能を追加してもよい。
これは例えばシリコーン系化合物、フッ素系化合物などを添加することにより可能となる。
さらにその他の機能として帯電防止性向上、撥水性向上の機能を有するものとしてもよい。
帯電防止性向上のために用いることができる材料としては、電子伝導タイプではPEDOT−PSS(PEDOT(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene);3,4−エチレンジオキシチオフェンポリマー)とPSS(poly(styrenesulfonate);スチレンスルホン酸ポリマー)とを共存)などが挙げられ、イオン導電タイプではリチウム塩系材料等が挙げられる。
また、撥水性向上のために用いることができる材料としては、フッ素系化合物等が挙げられる。
次に、第1の例のスクリーン1を作製する方法の1例を、簡単に説明する。
ここでは、スクリーン1を、パネル18に、基材11、光散乱層12、接着層13b、保護層14、ハードコート層15を、この順に積層した積層体Aを貼合することによって製造する。
先ず、光散乱層12を金型ロールを用いる方法により形成する。
円筒状であるロールの外周面に光散乱層12の光透過部12aの形状を転写可能な凹凸が設けられた金型ロールを準備しておき、図10(a)に示すように、金型ロール60とこれに対向するように配置されたニップロール62との間に、図1の基材11に相当する基材51を挿入する。
そして、基材51と金型ロール60との間に図1の光透過部12aを形成するための光硬化性の光透過部構成組成物52を供給しながら金型ロール及びニップロールを回転させる。
尚、図10(a)では、図示していないが、ここでは、予め、基材51の一方の面には接着層(図1の13aに相当)を形成しておき、また、接着層が他にくっついてしまわないように、接着層の表面のうち基材と反対側の表面には剥離紙(剥離シートとも言う)を付けておいて、基材のうち接着層が配置されていない側の面と金型ロール60との間に光透過部を形成するための光透過部構成組成物52を供給しながら金型ロール60及びニップロール62を回転させる。
これにより金型ロール60の表面に形成された凹凸の凹部内に図1の光透過部12aに相当する部分を形成するための組成物が充填され、該組成物が金型ロールの凹凸の表面形状に沿ったものとなる。
ここで、図1の光透過部12aに相当部分を形成するための組成物(図10(a)の光透過部構成組成物52)としては、上記したものが好ましいが、さらに具体的には次の通りである。
光散乱層12の光透過性材料の部分を形成するための組成物としては、光硬化型プレポリマー(P1)に、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
先にも述べたが、上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(I1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置及び光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
なお、光透過部116の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドである。 これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)及び光重合開始剤(I1)は、それぞれ、1種類で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
金型ロール60と基材51との間に挟まれ、ここに充填された図1の光透過部12aに相当する部分を形成するための組成物である光硬化性の光透過部構成組成物52に対し、基材側から光照射装置により光(UV光53)を照射する。
これにより、図1の光透過部12aに相当する部分を形成するための組成物を硬化させ、その形状を固定させることができる。
そして、ニップロール(離型ロールとも言う)63により、金型ロールから、基材51及び成形された図1の光透過部12aに相当する部分を離型する。
ここでは、基材51の図1の光透過部12aに相当する部分と反対側の表面には、接着層、剥離紙が形成されている。
次に、図1の光透過部12aに相当する部分(以下、単に、光透過部とも言う)間に形成された凹部に図1の光散乱部12bに相当する部分(以下、単に、光散乱部とも言う)を形成するための組成物を充填して硬化させることによって、光散乱部を形成することができる。
具体的には、図10(b)に示すように、電離放射線硬化性樹脂やその他公知の硬化性樹脂に、上記した光を反射して散乱する材料を分散させた組成物を、凹部に過剰に供給し、ブレードによりスキージして余分な組成物を掻きとって除去するとともに、凹部に組成物を充填する。
このようにして充填された組成物に対して適切な硬化方法を適用して硬化性樹脂を硬化させる。
以上により光散乱層(図1の12)が形成される。
ここでは、光散乱層の光透過部(図1の12aに相当)、光散乱部(図1の12bに相当)形成側と反対側の表面には、接着層、剥離紙が形成されている。
このようにして、剥離紙、接着層、基材、光散乱層の層構成の積層体が形成される。
一方、保護層(図1の14に相当)の一方の面にハードコート層(図1の15に相当)、他方の面に接着層(図1の13bに相当)を積層した積層体を準備しておき、この積層体の接着層が、上記のように作製された、剥離紙、接着層、基材、光散乱層の層構成の積層体の光散乱層(図1の12に相当)に接するように積層する。
尚、保護層(図1の14に相当)の一方の面に積層した接着層(図1の13bに相当)が紫外線硬化樹脂、光硬化性樹脂等からなる場合には、積層後に紫外線又は光を照射して硬化させればよい。
このようにして、剥離紙、接着層、基材、光散乱層、接着層、保護層、ハードコート層の層構成の積層体、即ち、剥離紙、接着層(図1の13aに相当)、積層体Aの層構成の積層体を得ることができる。
以上のように作製した剥離紙、接着層(図1の13aに相当)、積層体Aの層構成の積層体から剥離紙を剥がして、積層体Aを接着層(図1の13aに相当)によりパネル18に貼合することでスクリーン1を製造することができる。
次に、本発明のスクリーンの実施形態の第2の例を説明する。
第2の例は、第1の例における、図1(b)に示す第1の例のスクリーン1の層構成を、図2に示す層構成に置き換えたもので、図1(b)に示す第1の例のスクリーン1の層構成において、吸収層16を接着層13aと基材11との間に配したものである。
吸収層16を接着層13aと基材11との間に配した構成とした以外は、第1の例と同様である。
第2の例も第1の例と同様に、図1(c)に示すように、散乱部のストライプ方向に直交する方向における端部において、光散乱部12bの、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっている。
ここでも、中央部での光散乱部12bのストライプ方向に直交する方向の断面の楔形状は同じとして、端部での光散乱部12bの楔形状を、シートの中心側からシート端側に向けて、中央部の光散乱部12bの楔形状に対して、下底辺側からの高さを徐々に小とした形状としている。
これにより、第2の例の場合も、散乱部のストライプ方向に直交する方向における端部では、スクリーンのヘイズ値が、シートの中心側からシート端側に向けて徐々に小さくなっている。
<光吸収層16>
光吸収層16は、ここを透過する光の一部を吸収し、他を透過する機能を有する層であり、いわゆるNDフィルタが配置された層である。
基材11と光吸収層16とは接着剤等により接着されている。
光吸収層16により次のような効果を奏する。
すなわち、スクリーン1の背面側からスクリーン1を通過して観察者に達する光(物体光とも言う)L2は、光吸収層16を1回透過して観察者に至る。
従って若干明るさは低下するが、背面側の観察は十分に可能とされている。
一方、観察者側からスクリーン1に照射される外光である光L3は、パネル18と接着層13aとの界面で反射され、観察者側に戻る。
従って、光L3は観察者側に戻るまでに光吸収層16を2回透過することになり、光が吸収される程度が大きい。
これにより効率よく映像のコントラストを向上させることができる。
なお、映写機2からの映像光L1は光吸収層16を透過することがないので、明るい映像を観察者に提供することができる。
次に、本発明のスクリーンの実施形態の第3の例を説明する。
第3の例は、第1の例において、第1の例の光散乱部12bを図3に示す光散乱部12bAに置き換えたもので、それ以外は、第1の例と同じである。
光散乱部12bAは、光散乱部位12b1及び光吸収部位12dを備えている。
光散乱部位12b1は光を散乱反射する部位であり、該光散乱部位12b1を構成する材料は上記で説明した光散乱部12bと同様である。
光散乱部12bAは、第1の例のスクリーン1の光散乱層12の光散乱部12bと同様に隣接する光透過部12a間の凹部に形成されるが、光散乱部位12b1は、凹部内のうち当該凹部の開口側(図3の紙面右側)の一部には形成されない。
そしてこの光散乱部位12b1が形成されない部位に光吸収部位12dが充填されるように設けられている。
<光吸収部位12d>
光吸収部位12dは、光透過性を有する樹脂中に光吸収性を有する粒子(光吸収粒子)が分散されて構成されている。
光透過性を有する樹脂としては光透過部12aの樹脂と同様のものを用いることができる。
一方、光吸収粒子としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、吸収すべき光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。
具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。
特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。
より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。
本例では、光吸収部位12dを上記のように構成したが、光吸収部位は光を吸収することができればその形態は限定されることなく、他の形態をとることも可能である。
これには例えば、顔料や染料で着色した樹脂を挙げることができる。
このような光散乱部12bAは、上記で説明した光散乱層12と同様に、光透過部12a間に形成された凹部内に光散乱部12bAを構成する組成物を充填して硬化させることによって、形成することができる。
具体的には、電離放射線硬化性樹脂やその他公知の硬化性樹脂に上記した光を反射して散乱する材料を分散させた組成物を、凹部に向けて過剰に供給する。
次にこれをブレードによりスキージして余分な組成物を掻き取って除去するとともに、凹部に組成物を充填する。
このようにして充填された組成物に対して適切な硬化方法を適用して硬化性樹脂を硬化させる。
ここでスキージの際に、ブレードを光透過部に少し強く押し当てる。これにより組成物が凹部の内容積よりも少なくなるように掻きだされ、凹部内の開口部付近に空間が形成され、光散乱部位12b1となる。
そして当該凹部内の空間に光吸収部位12dとなる組成物を過剰に供給し、再度ブレードによりスキージして余分な組成物を掻き取って除去するとともに、該空間内に組成物を充填する。
次いで充填された組成物に対して適切な硬化方法を適用して硬化性樹脂を硬化させ光吸収部位12dとする。
このように2回にわたって光透過部間の凹部にそれぞれの組成物を供給、スキージ、及び硬化することで光散乱部12bAを形成することができる。
第3の例によれば、光散乱部12bAの一部に光を吸収する部位が形成されている。
これにより図3に光路例L4で示したように、スクリーンに入射する正面側からの外光の一部を光吸収部位12dで吸収することが可能となる。
これによりスクリーンは、第1の例のスクリーン1で説明した効果に加え、映像光や背面側景色のコントラストを向上させることが可能となる。
また、第3の例では光吸収部位12dが備えられているものの、光吸収部位12dは光散乱部12bAの一部にしか形成されていないことから、光散乱部12bAの光散乱性能の低下を小さく抑えつつ外光を吸収することができる。
従って、正面側への明るい映像光を提供する機能、及び明るい背面側景色を観察者に提供する機能を高く維持しつつ、コントラストも向上させることが可能である
次に、本発明のスクリーンの実施形態の第4の例を説明する。
第4の例のスクリーン1Aは、第1の例のスクリーン1の光散乱層12を逆向きにした、図4(c)に示す光散乱層12Rを用いて、スクリーン1Aの層構成を、図4(b)に示すように、スクリーンの裏面側から観察者側に向けて、パネル18、接着層13、光散乱層12R、基材11としたものである。
各部については、第1の例と同様である。
接着層13は、光散乱層12R、基材11からなる積層体(積層体Bとも言う)をパネル18に貼り付けるための層である。
接着層13に用いられる材料は特に限定されることはないが、接着の機能を発揮させる観点からは公知の粘着剤、接着剤を用いることができる。
例えばアクリル系の粘着剤を用いることができ、さらに具体的にはアクリル系共重合体とイソシアネート化合物を組み合わせた粘着剤を挙げることができる。
ただし、スクリーン1Aの性質上、透光性に優れていることが好ましく、耐候性に優れた材料によることがより好ましい。
スクリーン1Aでは光散乱層12Rが、第1の例のスクリーン1の光散乱層12と比較して観察者側と背面側とが反転した形状とされている。
これに伴って基材層11が光散乱層12Rの観察者側に配置されている。
従って光散乱層12Rは当該反転した形態であること以外は光散乱層12と同じである。
また、基材層11は光散乱層12Rを形成するための基材となる層である。
パネル18は、透光性を有するとともに光散乱層12Rの変形を防止できるように支持する。
このようなスクリーン1Aでは、第1の例の保護層14(図1参照)を要しない点でスクリーン1に比べて層構成を簡略化することができるため、低コストで製造することができる。
第4の例のスクリーン1Aの変形例としては、基材層11の光散乱層12R側ではない基材11側の面に、更に、第1の例と同様のハードコート層を配設した形態も挙げられる。
例えば第4の例のスクリーン1Aは次のように製造することができる。
基材層11の一方の面に光散乱層12Rを形成する方法は、上記した第1の例のスクリーン1の製造方法のうち、基材層11の一方の面に光散乱層12を形成する方法と同様である。
その後、光散乱層12Rの面のうち基材層11とは反対側の面に接着層13を積層した積層体を作製し、接着層13によりパネル18に貼合することでスクリーン1Aを製造することができる。
尚、ハードコート層を形成した、上記第4の例の変形例の作製の場合には、予め、基材層11の光散乱層12R側ではない側の面に、ハードコート層15を形成しておき、接着層13によりパネル18に貼合すれば良い。
次に、本発明のスクリーンの実施形態の第5の例を説明する。
第1の例のスクリーン1において、図1(b)に示す第1の例のスクリーン1の層構成を、図5(a)に示す層構成に置き換えたもので、図1(b)の層構成から、パネル18、接着層13aを除いた層構成である。
それ以外は、第1の例と同様である。
このような、パネルのない層構成であることより、図5(a)に示す層構成のスクリーンには、可撓性が備わるため、巻回及び展開可能なロール型スクリーンとすることができる。
第1の例のスクリーン1と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明のスクリーンの実施形態の第6の例を説明する。
第4の例のスクリーンにおいて、図4(b)に示す層構成を、図5(b)に示す層構成に置き換えたもので、図4(b)の層構成からパネル18除き、保護層14aに置き換えた層構成である。
それ以外は、第4の例と同様である。
スクリーンの裏面側から観察者側に向けて、保護層14a、接着層13、光散乱層12R、基材層11、ハードコート層15を積層した層構成である。
第6の例も、パネルのない層構成であることより、スクリーンには、可撓性が備わるため、巻回及び展開可能なロール型スクリーンとすることができる。
第4の例のスクリーンと同様の効果を奏することができる。
本発明のスクリーンは上記第1の例〜第6の例に限定はされない。
例えば、第1の例、第2の例、第5の例の各例において、散乱層12を、それぞれ、図6(a)に示す散乱層12A、図6(b)に示す散乱層12B、図6(c)に示す散乱層12Cに置き換えた形態とすることもできる。
また、第4の例、第6の例の各例において、散乱層12Rを、それぞれ、図7(a)に示す散乱層12AR、図7(b)に示す散乱層12BR、図7(c)に示す散乱層12CRに置き換えた形態とすることもできる。
これらの形態も、第1の例と同様、光散乱部のストライプ形状に直交する方向におけるシートの端部では、シート中心側からシート端側に向けて、徐々に、ヘイズ値が小さくなっているため、スクリーンがある箇所とない箇所が明確にならず、スクリーンがある箇所とない箇所で違和感がないものとすることができる。
また、第1の例、第5の例、第6の例において、ハードコート層をもたない形態も挙げられる。
また、第1の例〜第6の例においては、散乱部の表面部分で映像光が散乱されることを前提としているが、第1の例、第2の例、第4の例〜第6の例において、それぞれ、光散乱層の光散乱部のみを変えて、映像光が散乱部の内部に入り散乱させる形態のスクリーンも変形例として挙げることができる。
更に、このような変形例において、散乱層の断面形状を、図6(a)〜図6(c)の示す形状、あるいは、図7(a)〜図7(c)に示す形状に置き換えたものも、変形例として挙げられる。
例えば、第1の例のスクリーンにおいて、光散乱層の光散乱部のみを変えて、映像光が散乱部の内部に入り散乱させる形態としたスクリーン1Dの場合は、図12(a)に示すように、映写機2を、観察者4とはスクリーンの反対側の裏面側に配して、図12(b)のように、映像光L1を散乱させて、観察者が見ることができる。
勿論、裏面側の物体光L2もスクリーン1Dを通過して、観察者が見ることができる。 スクリーン1Dは、光散乱部12bB以外は、第1の例のスクリーン1と同じであるが、図12(a)に示すように、映写機と観察者の位置関係が第1の例の場合と異なる。
<光散乱部12bB>
光散乱部12bBは、到達した光を散乱させつつ透過することができるように構成されている。
図1(b)に示すように、第1の例のスクリーン1に備えられた光散乱部12bが、その表面部分にて光を散乱反射させるのに対して、光散乱部12bBは光を透過させつつ散乱させるという点で異なる。
光散乱部12bBは、光散乱部12b(図1参照)と同様に、光透過部12a間の凹部に形成される。
到達した光を透過させつつ散乱させる光散乱部12bBを構成する材料としては、透明なバインダー樹脂と該バインダー樹脂とは屈折率が異なる透明な散乱剤とを混合させた材料が好ましい。
透明なバインダー樹脂としては光透過部12a(図1参照)と同様なものを用いることができる。
一方、当該散乱剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを中心としたモノマーを重合して得られた架橋粒子が挙げられる。当該架橋粒子の具体例としては、ガンツ化成株式会社製のガンツパール(登録商標)が挙げられる。
上記架橋粒子は、アクリル酸エステル及びスチレンとの混合比を変えることによって、屈折率を制御することができる。
例えば、アクリル比を高くすることで屈折率を1.49程度にすることができ、スチレン比を高くすることで屈折率を1.59程度にすることができる。
また、散乱剤にはウレタン架橋粒子を用いることも可能である。
当該ウレタン架橋粒子の具体例としては、根上工業株式会社製のアートパール(登録商標)が挙げられる。
また、散乱剤は中空粒子にすることも可能である。
これにより効率よく光を透過散乱することができる。
光散乱部12bBの他の構成については、第1の例のスクリーン1の光散乱部12bと同様である。
また、図1〜図6にそれぞれ示す第1の例〜第6の例においては、観察者の位置を、スクリーンに対して映写機と同じ側としているが、映写機側と反対側に観察者がいる場合においても、観察者は映像光を見ることができる。
また、図12に示す例においては、観察者の位置を、スクリーンに対して映写機の反対側としているが、映写機側に観察者がいる場合においても、観察者は映像光を見ることができる。
[実施例]
(実施例1)
実施例1は、剥離紙、接着層13、光散乱層12R、基材11を、この順に積層した積層体(以下、積層体A1とも言う)を作製した後、積層体A1から剥離紙を剥がした積層体(以下、積層体Aとも言う)を、積層体Aの接着層13により、パネル18に貼り合わせて積層し、第4の例のスクリーン1Aを形成したものである。
ここでは、基材11用のPETフィルム(商品名:A4300、東洋紡績社製、厚さ100μm)を用い、以下のように、(1)光透過性材料部分形成用の組成物の調整、(2)光散乱部形成用の組成物の調整、(3)金型ロールの作製を行い、更に、図5に示す方法により、(4)光透過部(図1の12aに対応)の形成、(5)光散乱部(図4の12bに対応)の形成を行い、基材11と光散乱層12Rとを積層し、更に、光散乱層12R側の面に接着層13と剥離紙を配し、順に、基材11、光散乱層12R、接着層13、剥離紙を積層した積層体(以下、積層体A1とも言う)を、縦方向(天地方向)の幅1300mm、横方向(天地方向に直交する方向)の幅1600mmのサイズで作製した。
尚、ここで縦とは、図1の上下方向を意味している。
ここでは、スクリーン1Aの中央部(散乱層12の中央部でもある)の天地方向の幅は1200mm、端部の天地方向の幅を50mm(図1(a)参照)とし、散乱部のピッチは、105μmとし、中央部での各部の寸法は、以下の通りとした。
ここでの幅は、図1の天地方向(上下方向)の幅である。
また、W1+W3=W2+W4=105μmである。
端部では、散乱部の厚さ方向の大きさを漸次端に向かって小さくし、最も端では、散乱部の厚さ方向の大きさを20μmとした。
<中央部の各部の寸法>
・光透過部12aの内側の開口幅W1 : 80μm
・光透過部12aの外側の開口幅W2 : 88μm
・光散乱部12bの内側の幅W3 : 25μm
・光散乱部12bの外側の幅W4 : 17μm
・光散乱部12bの厚さ方向の大きさH1 : 160μm
・光散乱部12bの傾斜角度(図1のθ1 ):1.5°
(1) 光透過性材料部分(12a、12c)形成用の組成物の調整
ビスフェノールA エチレンオキシド/キシリレンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:15:50:5:0.02で混合し、80℃で10時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P1)を得た。
一方、ビスフェノールA エチレンオキシド/イソホロンジイソシアネート/フェノキシエチルアクリレート/ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)=30:20:50:0.02で混合し、80℃で時間反応させ、光硬化性プレポリマー(P2)を得た。
次に、光硬化性プレポリマー(P1)を30質量部、光硬化性プレポリマー(P2)を30質量部、反応性希釈モノマー(M 1)としてのフェノキシエチルアクリレート10質量部、反応性希釈モノマー(M 2)としてのビスフェノールA エチレンオキシド30質量部、金型離型剤(S1)としてのテトラデカノールエチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル0.03質量部、金型離型剤(S2)としてのステアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.03質量部、及び光重合開始剤(I1)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、メーカー名:BASF)を3質量部混合し、均一化して、光透過性材料部分形成用の組成物を得た。
なお、この光透過性材料部分形成用の組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cm2 の紫外線を照射して光透過性材料部分形成用の組成物を硬化させ、多波長アッベ屈折率計(株式会社アタゴ製)を用いて、589nmの屈折率を測定したところ、1.550であった。
(2) 光散乱部(12b)形成用の組成物の調整
光透過部組成物に酸化チタン5質量部を混合し、均一化して、光拡散部形成用の組成物を得た。
(3) 金型ロールの作製
光透過部(図1の12aに対応)形成用の金型の作製に供される金型ロールを次のように作製した。
金型ロールは円柱状であり、銅メッキが施され、当該銅メッキ部分をバイトにより切削して光透過部に対応する溝を形成した。
切削にはダイヤモンドバイトを用いた。
ロール軸方向の所定ピッチで金型ロールの銅メッキ層の外周を切削して溝を形成し、切削後にはクロムメッキを施した。
(4) 光透過部(図1の12aに対応)の形成
上記(3)で作製した金型ロールと、別途準備したニップロールとの間に、PETフィルムからなる基材を搬送した。
このPETフィルムからなる基材の搬送に合わせ、上記(1)で得られた光散乱層12の光透過性材料部分形成用の組成物を、PETフィルムからな基材の一面上に供給装置から供給し、金型ロール(図10(a)の60に相当)およびニップロール(図10(a)の62に相当)間の押圧力により、基材層と金型ロールとの間に光透過性材料部分形成用の組成物を充填した。
その後、PETフィルムからなる基材側から高圧水銀灯により800mJ/cm2 の紫外線を照射して光透過性材料部分形成用の組成物を硬化させて、光透過部(図10(b)の54aに相当)を形成した。
その後、剥離ロールにより、金型ロールから光透過部(図10(b)の54aに相当)を離型し、基材の一面に光透過部を有するシート(中間部材で図10(b)の54に相当)を作製した。
この光透過部について圧縮式微小硬度計(FISCHER HM2000)を用いて微小圧子材料に負荷をかけ、これを除荷することによって弾性率を測定した。
このとき、負荷力は100mN、負荷速度は4μm/10秒、保持時間は60秒とした。
その結果、光透過部の弾性率は800MPaであった。
また、このとき、光透過部は金型ロールの溝に対応した形状となる。
図1(c)に示す散乱層12の中央部のH1に相当する大きさは、約160μmとなった。
(5) 光散乱部(図1の12bに対応)の形成
上記(2)で得られた光散乱部を構成する組成物を、作製した中間部材(図5の54に相当)上に供給装置から供給した。
また、中間部材の進行方向と略垂直延びるように配置されたドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光拡散部形成用の組成物を中間部材に形成された溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の光散乱部形成用の組成物を掻き落とした。
その後、高圧水銀灯により800mJ/cm2 の紫外線を照射して光散乱部形成用の組成物を硬化させ、硬化した光散乱部形成用の組成物によって光散乱部を形成した。
この状態では、光拡散部の表面には、深さ6μmの窪みが発生していた。
上記工程を更に1 回行ったところ、光散乱部の表面の窪みは深さ3μmであった。
これにより、基材11と光散乱層12とを積層した。
更に、基材11と光散乱層12とが積層された積層体の光散乱層12側の表面に、接着層13、剥離紙を配設した。
これにより、基材11と光散乱層12とを積層し、更に、接着層13と剥離紙を配した積層体、即ち、順に、基材11、光散乱層12R、接着層13、剥離紙を積層した積層A1が作製された。
次いで、積層体A1から剥離紙を剥がした積層体(積層体A)を、接着層13にて、パネル18に貼り合わせて積層して、第4の例のスクリーン1Aを作製した。
パネル18としては、縦方向の幅2000mm、横方向の幅1600mmのアクリル板を用い、該アクリル板の中央に貼り合わせた。
縦1300mm×横1600mmのスクリーンサイズで作製した。
尚、貼り合わせて作製されたスクリーンの外側にはアクリル板のみの部分があるが、ここでは、スクリーンとして機能する、断面が、アクリル板からなるパネル18、接着層13、光散乱層12、基材11の層構成を有する部分をスクリーンと言う。
(実施例2)
実施例2は、金型ロールの型形状のみを実施例1と変えて、図7(a)に示す構造の光散乱層12ARを備えたスクリーンを、縦方向の幅1300mm、横方向の幅1600mmのサイズで、作製したものである。
散乱層以外は、実施例1と同じである。
尚、ここでの縦とは、図6(a)に示す断面図の上下方向を意味している。
実施例2でも、天地方向(図1の上下方向)で、スクリ−ンの中央部(散乱層の中央部でもある)の幅は1200mm、端部の幅を50mmとし、散乱部12bのピッチは105μmとし、中央部での各部の寸法は、実施例1の場合と同じとした。
端部では、断面略台形の光透過部12aの下底および断面略台形の光散乱部12b上底の位置を中央部と同じにして、断面略台形の光透過部12aの上底および断面略台形の光散乱部12bの位置を、漸次端に向かって小さくし、最も端では、散乱部の厚さ方向の大きさを60μmとした。
(実施例3)
実施例3は、金型ロールの型形状のみを実施例1と変えて、図7(b)に示す光散乱層12BRを備えたスクリーンを、縦方向の幅1300mm、横方向の幅1600mmのサイズで、作製したものである。
散乱層以外は、実施例1と同じである。
尚、ここでの縦とは、図6(b)に示す断面図の上下方向を意味している。
実施例3でも、天地方向(図1の上下方向)で、スクリ−ンの中央部(散乱層の中央部でもある)の幅を1200mm、端部の幅を50mmとし、散乱部12bのピッチは105μm(図9(a)のPaに相当)とし、中央部での各部の寸法は、実施例1の場合と同じとした。
端部では、金型作製の際に、光透過部形成のための切削における、金型送りのピッチを漸次シート端に向かって小さくし、最も端では、ピッチを88μm(図9(a)のPbに相当)とした。
(実施例4)
実施例4は、金型ロールの型形状のみを実施例1と変えて、図7(c)に示す光散乱層12CRを備えたスクリーンを、縦方向の幅1300mm、横方向の1600mmのサイズで、作製したものである。
散乱層以外は、実施例1と同じである。
尚、ここでの縦とは、図6(c)に示す断面図の上下方向を意味している。
実施例4でも、天地方向(図1の上下方向)で、スクリ−ンの中央部(散乱層の中央部でもある)の幅は1200mm、端部の幅を50mmとし、散乱部12bのピッチは105μmとし、中央部での各部の寸法は、実施例1の場合と同じとした。
端部では、金型作製の際に、光透過部形成のための切削における切削幅(図8(b)に示す断面図の上下方向幅)を、漸次端に向かって大きくし、最も端で、断面略台形の光透過部の上底が180μmになるように漸次変化させた。
ここでは、散乱部の形状、サイズを、中央部と端部とで同じとした。
(比較例1)
金型ロールの型形状のみを実施例1と変えて、縦方向の幅1300mm、横方向の幅1600mmサイズで、全面が実施例1の中央部と同じ形状である光散乱層を備えたスクリーンを作製したものである。
散乱層以外は、実施例1と同じである。
このように作製された、実施例1〜実施例4の各実施例のスクリーン、及び、比較例1のスクリーンを、図4(a)に示すように、映写機2、物体3、観察者4を配して、映写した際に観察したが、比較例1のスクリーンの場合には、図1(a)の上下(天地)方向のスクリーンの端で、スクリーンがある箇所とない箇所とが明確になり違和感があった。 これに対して、実施例1〜実施例4の各実施例のスクリーンの場合には、図4(a)の上下(天地)の方向のスクリーンの端で、スクリーンがある箇所とない箇所とが明確とはならず、違和感は無かった。
尚、映写機は、光源としてメタルハライドファイバー光源(IMH−250、シグマ光機株式会社)を用い、光源入射角を正面側斜め下方45°(図1(a)のθ0 =45°)から映写した。
光源照度:510lxで、光軸はスクリーン中央とした。
そして、各実施例のスクリーンと比較例のスクリーンについて、端部でのヘイズ値は、下記の表1のようになった。

Figure 2014238474
ここでは、光散乱層を備えた本発明のスクリーンを試料として、JIS K7105規格における測定により求められた、拡散光線透過率、全光線透過率より、下記の(1)式により算出された値を、ここでの、ヘイズ値[%]としている。
尚、測定装置としては、 (株) 村上色彩技術研究所製のHR−100を用いた。
測定光源はD65光源で、測定範囲は28mmφである。
ヘイズ値 =(拡散光線透過率/全光線透過率)×100 (1)
1 スクリーン
1a スクリーン
1A、1B、1C スクリーン
1D スクリーン
2 映写機
3 物体
4 観察者
11 基材
12 光散乱層
12a 光透過部
12b 光散乱部
12c (光透過部と同じ)光透過性材料からなる層
12bA 光散乱部
12bB 光散乱部
12b1 光散乱部位
12d 光吸収部位
13、13a、13b 接着層
14、14a 保護層
15 ハードコート層
16 光吸収層
18 パネル(剛性を有する透明基材)
12A、12B、12C 光散乱層
12AR、12BR、12CR 光散乱層
12T 光散乱層
20、20A 金型(切削残部)
20B、20C 金型(切削残部)
30、30A バイト
30B、30C バイト
Pa、Pb (金型送りの)ピッチ
51 基材
52 光透過部構成組成物
52A 供給装置
53 UV光(紫外線)
54 積層体(中間部材とも言う)
54a 光透過部
54b 溝(隙間とも言う)
60、61 金型ロール
61a 溝部
61b 山部
62、63 ニップロール
70 光吸収部構成組成物
75 ドクターブレード
L1 映像光
L2 (背面側からの)物体光

Claims (13)

  1. 映写機から投射された映像光を視認可能に表示でき、観察者側から反対側を透視できるスクリーンであって、透光性を有するシート状の基材層と、光を散乱する光散乱部を有する光散乱層とを、備え、前記基材層の一方の面に、前記光散乱層を配したものであり、前記光散乱層は、シート面に沿って、一方向にストライプ形状で、且つ、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向の断面を楔形状とする光散乱部を、前記一方向に直交する方向に、光透過部と光散乱部とを交互にして、配列させており、前記一方向に直交する方向におけるシートの端部では、シートのヘイズが、シートの中心側からシート端側に向けて小さくなっていることを特徴とするスクリーン。
  2. 請求項1に記載のスクリーンであって、シート面に沿って、前記一方向に直交する方向におけるシートの断面において、上底辺と下底辺とをシート面に平行にする台形である単位の光透過部を、複数、隣接して所定のピッチで配列し、前記シートの断面において隣り合う前記台形間の楔形状の部分を、前記光散乱部としていることを特徴とするスクリーン。
  3. 請求項2に記載のスクリーンであって、前記楔形は、台形ないし三角形であることを特徴とするスクリーン。
  4. 請求項2ないし3のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっていることを特徴とするスクリーン。
  5. 請求項2ないし3のいずれか1項記載のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部および光透過部の、シート面に直交する方向の深さが、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に浅くなっていることを特徴とするスクリーン。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光散乱部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に細くなっていることを特徴とするスクリーン。
  7. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記一方向に直交する方向における端部において、前記光透過部の、前記一方向に直交する方向における幅が、シートの中心側からシート端側に向けて、徐々に広くなっていることを特徴とするスクリーン。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載のスクリーンにおいて、前記光散乱部の一部の箇所を、光を吸収する光吸収部材からなる光吸収部に置き換えたものであることを特徴とするスクリーン。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスクリーンであって、透過する光の一部を吸収し、他を透過する光吸収層がさらに設けられることを特徴とするスクリーン。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記光散乱部には白色又は銀色の顔料が混ぜられた樹脂が充填され、前記光透過部と前記光散乱部との界面での散乱反射により光を散乱するものであることを特徴とするスクリーン。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記光散乱部には透明の樹脂と、該透明の樹脂とは屈折率が異なる粒子状の光散乱剤と、が充填され、前記光散乱部中を光が透過することにより光を散乱することを特徴とするスクリーン。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスクリーンであって、前記光透過部と前記光散乱部との界面が微小な凹凸形状であることを特徴とするスクリーン。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載のスクリーンであって、少なくとも一方の最表面にはさらにハードコート性、防汚性、帯電防止、及び撥水性のうち少なくとも1つの機能を備えた層が積層されていることを特徴とするスクリーン。
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