JP2009063849A - 光拡散スクリーンとその製造方法および背面投射型ディスプレイ装置 - Google Patents

光拡散スクリーンとその製造方法および背面投射型ディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない回数のスプレー塗布だけで、低屈折率透光樹脂層を必要な膜厚にできる光拡散スクリーンとその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光透過性基板(1)の上に所定の間隔で並列し形成され、断面形状が略三角形の立体遮光層(2)と、立体遮光層(2)を覆って第1の屈折率の低屈折率透光樹脂(4)を塗布して形成される低屈折率透光樹脂層(6)と、低屈折率透光樹脂層(6)を覆って第1の屈折率よりも屈折率の高い第2の屈折率の高屈折率透光樹脂を塗布して形成される高屈折率透光樹脂層(7)とを備え、低屈折率透光樹脂層(4)の中に透光微小粒子(5)が混入していることで、少ないスプレー塗布工程であっても低屈折率透光樹脂層の反射部膜厚を必要な厚さにできる。
【選択図】図1

Description

本発明は背面投射型ディスプレイ装置の光拡散スクリーン技術に関するものである。
近年、大画面ディスプレイへの需要が高まっており、この中でも手軽に大画面表示が可能な背面投射型ディスプレイ装置が期待されている。
図6は、一般的な背面投射型ディスプレイ装置25を示す。
背面投射型ディスプレイ装置25は、CRT・液晶・マイクロミラーデバイスなどを画像源27として用い、透過型スクリーン29の背面から画像光26を投射したディスプレイである。画像源27より出射された画像光26を、背面ミラー28で反射させて、透過型スクリーン29に導く構成となっている。
背面投射型ディスプレイ装置25の輝度は、画像源27から発せられる画像光の光量と、画像源27内に設置されたマイクロミラーデバイスを含む光学レンズ群や、背面ミラー28、透過型スクリーン29など、光学系部材を通過するときに、各光学系部材を構成する材料の、光の吸収や散乱による損失を受けた後の光量との比で求まる全光線透過率によって決定される。特に、透過型スクリーン29は、光学系部材の最終段に位置しているため、入射画像の忠実な再現と、広い光拡散と、高透過率とにより、観察者に対し、広い視野角で、明るく、高画質な画像を提供するデバイスとして重要である。
透過型スクリーン29の模式図を図7に示す。
透過型スクリーン29は、フレネルレンズ31と光拡散スクリーン32により構成されている。背面ミラー28で反射されて透過型スクリーン29に入射する画像光26は、透過型スクリーン29に到達した時、透過型スクリーン29に対して角度を持って入射するため、フレネルレンズ31を透過させることで、光拡散スクリーン32に対して垂直に入射させることができる。光拡散スクリーン32は、光拡散スクリーン1と立体遮光層2とで構成されており、入射した画像光26を、光を拡散させる構造を持つレンズ30によって左右方向に拡散させて、背面投射型ディスプレイ装置25の視野角を向上させる役割を持つ。
このようにして、画像源27より投射された画像光26が拡大されて透過型スクリーン29に投影される。しかし、実際には、光拡散スクリーン32の画像光出射面11より、外光33が入射し、光拡散スクリーン表面で乱反射するため、背面投射型ディスプレイ装置25のコントラストを著しく低下させてしまう。
このため光拡散スクリーン32には、光を拡散させる役割を持つと同時に光拡散スクリーン32の画像光出射面11より入射する外光33を吸収するために黒色の立体遮光層2を設けることで、高視野角、高コントラストのディスプレイとなっている。
特許文献1には図8に示す光拡散スクリーン32が記載されている。
これは、光透過性基板1の上に、底辺が光透過性基板側にある略三角形の断面形状をした黒色の立体遮光層2が形成されており、立体遮光層2の露出した辺に、画像光26の反射部9を設けている。
この構造により、光拡散スクリーン32に入射した画像光26は、遮光層開口部3を直接通過するか、反射部9で反射されて光拡散スクリーン32から出射される。また、光拡散スクリーン32に入射した外光33の場合は、立体遮光層2に吸収されるため、乱反射を、大幅に低減できる。しかしながら、この構造では、遮光層開口部3の平坦面を入射光が直進透過し、視野角の中心輝度が極端に高くなるため、画面に輝度ムラが発生するという問題がある。
また、特許文献2には図9に示すように光拡散スクリーン32の画像光入射面にプリズムレンズ35を用いることで、光拡散スクリーンを透過した画像光を分散させているものが記載されている。この立体遮光層2は、高屈折率透明樹脂層7より低い屈折率を有する低屈折率透明樹脂4の中に、黒色の光吸収粒子34が分散されている。黒色の光吸収粒子34は球形状をしており、立体遮光層2の中で疎に分散されているため、反射部9の表面に光吸収粒子が露出する確率は、非常に低くなっている。光拡散スクリーン32に入射した画像光26が、立体遮光層2の反射部9に到達すると、スネルの法則により画像光26は全反射して、画像光開口部3より出射される。したがって、光拡散スクリーンに入射した画像光は、反射部でほとんど吸収されずに画像光出射面12から放出される。
しかしながら、この構造は、追加の基材上にプリズムレンズ35を形成し接着するなど、材料費及び製造工数増によりコスト高となる。また、高屈折率透明樹脂層7に光吸収粒子34を疎に分散して形成した立体遮光層2は、十分低い黒濃度が得られにくいという問題がある。
そこで、輝度均一性が良好で黒濃度が高く、低コストで製造できる構造として、図10に示す光拡散スクリーン32のような構成が考えられる。
これは、遮光層開口部3の付近の低屈折率透明樹脂層6と高屈折率透明樹脂層7の境界部に凹レンズ部8が形成されている。光拡散スクリーン32の画像光入射面10に入射した画像光26が遮光層開口部3に直接入射した場合は、凹レンズ部8の拡散作用により、一旦集光された後に拡散して光拡散スクリーン32から出射される。
また、光拡散スクリーン32に入射した画像光26が反射部9へ入射した場合は、立体遮光層2が画像光26の入射角に対して臨界角以上となる傾斜を持っていると、低屈折率透明樹脂層6と高屈折率透明樹脂層7の境界で、スネルの法則により反射する。反射した画像光26は、凹レンズ部8により、一旦集光した後に拡散され、画像光出射面11から放出される。
図8の光拡散スクリーン32の観察角度における光量を図11(a)に、図10の光拡散スクリーン32の観察角度における光量を図11(b)に示す。
図11(b)は、図11(a)と比べると特定の観察角度への画像光の集中が、大幅に改善されている。したがって、画像光の観察角度による明暗部分の差を補うことができ、あらゆる角度から見ても違和感のない透過型スクリーンを得ることができる。
実開昭56−134031号公報 特開2004−110002号公報
しかしながら、図10に示した従来の製造方法では、低屈折率透明樹脂層6を形成する際、スプレー法により低屈折率透明樹脂を吹き付けて塗布しているが、一回スプレー塗布しても、反射部上の低屈折率透明樹脂は、自重により遮光層開口部3に落下していってしまうため、画像光が反射部で全反射する膜厚とはならないという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ない回数のスプレー塗布だけで、低屈折率透明樹脂層を必要な膜厚にできる光拡散スクリーンとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の光拡散スクリーンは、入射された画像光を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンにおいて、光透過性基板の上に所定の間隔で並列し形成され、断面形状が略三角形の立体遮光層と、前記立体遮光層を覆って第1の屈折率の低屈折率透光樹脂を塗布して形成される低屈折率透光樹脂層と、前記低屈折率透光樹脂層を覆って前記第1の屈折率よりも屈折率の高い第2の屈折率の高屈折率透光樹脂を塗布して形成される高屈折率透光樹脂層とを備え、前記低屈折率透光樹脂層の中に透光微小粒子が混入していることを特徴とする。
また、請求項1において、前記透光微小粒子の屈折率が、前記第1の屈折率よりも低いことを特徴とする。
また、請求項1において、前記透光微小粒子の平均粒子径が、低屈折率透光樹脂層の膜厚が0.8μm以上となるように調整されていることを特徴とする。
また、請求項1において、前記低屈折率透光樹脂層の低屈折率透光樹脂層中の前記透光微小粒子の割合が、低屈折率透光樹脂層の膜厚が0.8μm以上となるように調整されていることを特徴とする。
また、請求項1において、前記透光微小粒子の材料が、アモルファスシリカであることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の光拡散スクリーンの製造方法は、入射された光線を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンを製造するに際し、断面形状が略三角形の立体遮光層を形成し、透光微小粒子が混合された低屈折率透光樹脂を前記立体遮光層を覆って塗布して低屈折率透光樹脂層を形成し、前記低屈折率透光樹脂層を覆って高屈折率透光樹脂を塗布して高屈折率透光樹脂層を形成することを特徴とする。
また、請求項6において、低屈折率透光樹脂をスプレー法によって前記立体遮光層に塗布して前記低屈折率透光樹脂層を形成することを特徴とする。
また、請求項6において、薬液供給タンク内で攪拌されている低屈折率透光樹脂をスプレー法によって前記立体遮光層に塗布して前記低屈折率透光樹脂層を形成することを特徴とする。
本発明の背面投射型ディスプレイ装置は、光透過型の光拡散スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイ装置であって、前記光拡散スクリーンとして請求項1に記載の光拡散スクリーンを用いたことを特徴とする。
本発明の透過型スクリーンの光拡散スクリーンによれば、立体遮光層上に覆って塗布される低屈折率透光樹脂中に、透光微小粒子を混入させるため、低屈折率透光樹脂を1回スプレー塗布するだけで、低屈折率透光樹脂層の反射部上での膜厚を、画像光が全反射する厚さにできる。
以下に、本発明の光拡散スクリーンの製造方法の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4は本発明の実施の形態1を示す。
図1は、図6の透過型スクリーン29に用いる光拡散スクリーン32の断面図を示し、図2は光拡散スクリーン32の一部切り欠きの斜視図を示す。
この光拡散スクリーン32は、光透過性基板1の上に所定の間隔で並列して立体遮光層2が形成されている。
立体遮光層2は、ピッチ12が90μm、底部幅13が60μm、高さ14が90μmの断面が略三角形の形状で、画像光26を透過させる幅15が30μmの遮光層開口部3が設けられており、反射部9は入射する画像光26に対して反射臨界角以上の角度を持ち、画像光26を反射させることで遮光層開口部3へ導く。
立体遮光層2の上には、低屈折率透光樹脂層としての低屈折率透明樹脂層6が形成されており、低屈折率透明樹脂層6の上は、さらに低屈折率透明樹脂層6よりも高い屈折率を持つ高屈折率透光樹脂層としての高屈折率透明樹脂層7で薄く覆われており、遮光層開口部3に凹レンズ部8が形成されている。
低屈折率透明樹脂層6は、高屈折率透明樹脂層7よりも低い屈折率を持つ低屈折率透明樹脂4に、低屈折率透明樹脂4と同じか低い屈折率を持つ透光微小粒子としての透明微小粒子5が混在している。
図3(a)〜(e)は上記の光拡散スクリーンの製造工程を示す。
先ず、図3(a)では、立体遮光層2の形状とは凹凸が反転した立体遮光層転写金型16の上に、立体遮光層形成樹脂17を塗布した。この実施の形態では、立体遮光層形成樹脂17には、カーボンブラックを5wt%混合した型成型用の2液混合ウレタン樹脂溶液を用いた。
次に図3(b)では、硬化前の立体遮光層形成樹脂17上に光透過性基板1を押し当て、上部より加圧した状態で立体遮光層形成樹脂17を硬化させた。光透過性基板1には、正方形状の一辺が30mmのアクリル樹脂基板を用いた。2液混合ウレタン樹脂溶液の場合、2種類の溶液を混合させて、数10分で反応硬化するため、2種類の溶液を混合後にすばやく立体遮光層転写金型16に塗布して、光透過性基板1を押し当て、光透過性基板1の上部より加圧する必要がある。十分な硬化時間の後に、立体遮光層転写金型16を取り除くと、図3(c)のように、光透過性基板1上に並列してストライプ状に立体遮光層2が形成される。
次に図3(d)に示すように、光透過性基板1の立体遮光層2が形成されている側より、透明微小粒子5と低屈折率透明樹脂4が混合した低屈折率透明樹脂層6を、スプレー法にて1回塗布により形成し、紫外線照射により硬化させた。ここでは低屈折率透明樹脂4として、透明紫外線硬化樹脂である米国Epoxy Technology社 登録商標:Epo-Tek 品名:OG134(屈折率1.51)を使用した。透明微小粒子5としては、日本触媒社の球状アモルファスシリカ粒子、商品名:シーホスター グレード:KE−P100を使用し、低屈折率透明樹脂4と透明微小粒子5を攪拌混合することで、低屈折率透明樹脂層の形成材料を作製した。
球状アモルファスシリカ粒子KE−P100は、平均粒径が1μmの微小球状粒子で、屈折率は1.43である。球状アモルファスシリカ粒子の混合割合を、0wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%となるように、低屈折率透明樹脂を混合して、5種類の低屈折率透明樹脂層の形成材料を準備し、それぞれの低屈折率透明樹脂層の形成材料を用いて、光拡散スクリーンを作製した。
スプレーガンには、ノードソン社のスワールスプレイ型を用いた。スワールスプレイ型のスプレーガンは、スプレーガンの先端から霧化された溶液を、スワール渦状に噴出させる装置で、凹凸面にも均一に塗布できるという特徴がある。
なお、透明微小粒子5を攪拌混合させた低屈折率透明樹脂4は、静止状態で放置すると透明微小粒子5が沈降する。このため、スプレーガンに低屈折率透明樹脂を供給する薬液供給タンクには、攪拌手段が設けられ、攪拌することで透明微小粒子5の沈降を防いでいる。
低屈折率透明樹脂層6中の透明微小粒子5は、立体遮光層上にスプレー塗布されると、分子間力により立体遮光層2の反射部壁面に付着し、低屈折率透明樹脂6が自重により遮光層開口部3へ落下することを妨げる。また、透明微小粒子5と低屈折率透明樹脂4の表面張力により、透明微小粒子5の周囲に低屈折率透明樹脂4が集まるため、低屈折率透明樹脂層4の反射部上での膜厚を、微小粒子の直径程度まで厚くできる。遮光層開口部3に自然に図1に示すように凹レンズ部8が形成され、図3(d)の形状となる。これにより、低屈折率透明樹脂層6が形成される。
低屈折率透明樹脂4に混合する透明微小粒子5が、画像光26を吸収してしまうと全光線透過率が減少してしまうため、透明微小粒子は無色である必要がある。また、透明微小粒子5の屈折率が低屈折率透明樹脂よりも高い場合、透明微小粒子5に入り込んだ画像光26は、全反射されずに立体遮光層2に吸収されてしまう。
このため、透明微小粒子5の屈折率は、低屈折率透明樹脂4と同じか、低い必要がある。アモルファスシリカ粒子は、前記条件を満たしており、また、低屈折率透明樹脂との反応性もほとんど無い上に、安価であるため、透明微小粒子5には最適な材料である。
次に図3(e)に示すように、低屈折率透明樹脂層6の上に高屈折率透明樹脂層7となる高屈折率の透明紫外線硬化性樹脂を、高屈折率透明樹脂層7の高さが100μmとなるようにスプレー法にて塗布する。今回は、高屈折率の透明紫外線硬化樹脂として英国ノーランド社 品番:NOA―81(屈折率1.56)を用いた。塗布の後、紫外線硬化を行い光拡散スクリーン29を作成した。
ところで、光をスネルの法則で全反射させる場合、エバネッセント波と呼ばれる光の滲み出しが発生するが、光の滲み出し量は波長程度であり、低屈折率層を波長以上の厚みにしなければ、全反射は起こらないことが知られている。このため、低屈折率透明樹脂層6の厚さは、反射部で可視光の最大波長である800nm以上の厚みが必要である。
そこで、反射部の膜厚を確認するために、透明微小粒子の混合割合が、0wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%である光拡散スクリーンの反射部断面の顕微鏡観察を行った。
すると、透明微小粒子5が0%の光拡散スクリーンでは、スプレー塗布を1回行った場合、反射部の低屈折率透明樹脂層6の膜厚は0.2〜0.3μmにしかならず、低屈折率透明樹脂層の形成材料の噴出量を増やしてスプレーしても、低屈折率透明樹脂は硬化前に凹レンズ部8に流れてしまい、凹レンズ部8の位置が光入射面側に上昇するだけで、反射部の膜厚はほとんど変化しなかった。
透明微小粒子5が5wt%の光拡散スクリーンでは、図4(b)のように、透明微小粒子周囲には、表面張力により低屈折率透明樹脂が集まるが、透明微小粒子同士の間隔が広いため、その間の低屈折率透明樹脂層の膜厚は、0.2〜0.3μmとなってしまった。
透明微小粒子5が10wt%の光拡散スクリーンでは、図4(a)のように、透明微小粒子が適度な間隔であり、その間の低屈折率透明樹脂層の膜厚も0.8μm以上であった。
透明微小粒子5が15wt%の光拡散スクリーンでは、図4(c)に示すように、透明微小粒子5の凝集が起こっており、複数個の透明微小粒子が凝集した集合体が、全体にまばらに形成された。複数の透明微小粒子集合体の間は、独立した透明微小粒子がほとんど見られず、低屈折率透明樹脂層の膜厚は0.3μm程度となってしまっていた。
透明微小粒子5が20wt%の場合は、低屈折率透明樹脂に透明微小粒子を混合したときに粘度が増大し、スプレーガンで十分な霧化が行われないため、低屈折率透明樹脂層の均一な塗布を行うことができなかった。
次に、こここで作成した光拡散スクリーンについて、全光線透過率の測定を行い評価した。全光線透過率の測定は、濁度計(日本電色工業社製 NDH2000)を用いた。濁度計は、正面から試料に対して垂直に入射した光量を100%としたときに、どのくらいの光線が試料の裏面に透過するかを測定する装置である。この測定の結果、
透明微小粒子が 0wt%の光拡散スクリーンの透過率35.2%
透明微小粒子が 5wt%の光拡散スクリーンの透過率40.5%
透明微小粒子が10wt%の光拡散スクリーンの透過率45.6%
透明微小粒子が15wt%の光拡散スクリーンの透過率41.2%
透明微小粒子が20wt%の光拡散スクリーンの透過率19.6%
のように、透明微小粒子が10wt%の光拡散スクリーンが45.6%と一番透過率がよく、透明微小粒子5の量が多くなっても、少なくなっても、全光線透過率が低下することがわかる。この結果は、顕微鏡による断面観察結果と一致している。
このように、低屈折率透明樹脂層6の形成材料に、低屈折率透明樹脂4と、10wt%の透明微小粒子5を混合したものを用いることによって、1回のスプレー塗布で反射部の低屈折率透明樹脂層が全反射を起こす膜厚となり、全光線透過率が向上し、背面投射型ディスプレイを明るくする効果がある。
また、本発明の実施の形態1の光拡散スクリーンによれば、良好な反射率を示す低屈折率透明樹脂層を、1回のスプレー塗布で形成することが可能となり、製造工程を大幅に簡略化する効果がある。
なお、低屈折率透明樹脂層6の低屈折率透明樹脂4に混ぜる透明微小粒子5の割合は、10wt%の場合に、低屈折率透明樹脂層の膜厚が0.8μm以上となり、実用的な光拡散スクリーンを作成できる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2を示す。
この実施の形態2では、低屈折率透明樹脂層6の低屈折率透明樹脂4に混ぜる透明微小粒子5の割合を10wt%に固定し、粒子径を変更した例を示す。
実施の形態2での光拡散スクリーンの製造プロセスは、実施の形態1と同じであるが、混合する透明微小粒子5には、日本触媒社の球状アモルファスシリカ粒子 商品名:シーホスター
グレード:KE−P10 (平均粒径0.1μm)
グレード:KE−P50 (平均粒径0.5μm)
グレード:KE−P100 (平均粒径1.0μm)
グレード:KE−P250 (平均粒径2.5μm)
を、一試料に対して1種類、計4種類の低屈折率透明樹脂層の形成材料を準備した。また、透明微小粒子を混合しない低屈折率透明樹脂層の形成材料も準備した。これらを、それぞれスプレー塗布することで、5種類の光拡散スクリーンを得た。
この光拡散スクリーンの反射部の断面について顕微鏡観察を行った。
球状アモルファスシリカ粒子の平均粒径が0.1μmの場合、図5(c)のように透明微小粒子が屈折率透明樹脂に埋もれたようになっており、反射部膜厚も0.2〜0.3μmと、ほとんど透明微小粒子を入れない場合と厚さが変わらなかった。
球状アモルファスシリカ粒子の平均粒径が0.5μmの場合、図5(b)のように図5(c)よりも厚く塗布することができたが、透明微小粒子間の低屈折率透明樹脂の厚さは、0.4μm程度であった。
球状アモルファスシリカ粒子の平均粒径が1.0μmの場合、図5(a)のように、良好な低屈折率透明樹脂層が形成され、反射部で0.8μmの膜厚が得られた。
球状アモルファスシリカ粒子の平均粒径が2.5μmの場合、透明微小粒子5がほとんど反射部に残らず、凹レンズ部に流れてしまった。このため、反射部の膜厚は、0.2〜0.3μm程度となった。
次に、この各光拡散スクリーンについて、全光線透過率の測定を行い評価した。
全光線透過率の測定は、濁度計(日本電色工業社製 NDH2000)を用いた。この測定の結果、
透明微小粒子が混入されていない光拡散スクリーンの透過率 35.2%
透明微小粒子の平均粒子径が0.1μmの光拡散スクリーンの透過率 34.9%
透明微小粒子の平均粒子径が0.5μmの光拡散スクリーンの透過率 41.3%
透明微小粒子の平均粒子径が1.0μmの光拡散スクリーンの透過率 45.6%
透明微小粒子の平均粒子径が2.5μmの光拡散スクリーンの透過率 36.6%
のように、透明微小粒子5の平均粒子径が1.0μmの場合に、45.6%と最も全光線透過率が高いことがわかる。
このように、低屈折率透明樹脂層6の低屈折率透明樹脂4に平均粒径が1.0μmの透明微小粒子5を混合したものを用いることによって、1回のスプレー塗布で反射部の低屈折率透明樹脂層が全反射を起こす膜厚となり、全光線透過率が向上し、背面投射型ディスプレイを明るくする効果がある。
また、本発明の実施の形態2の光拡散スクリーンによれば、良好な反射率を示す低屈折率透明樹脂層を、1回のスプレー塗布で形成することが可能となり、製造工程を大幅に簡略化する効果がある。
なお、低屈折率透明樹脂4中の透明微小粒子5の割合が10wt%の場合は、透明微小粒子5の平均粒子径が1.0μmの場合に低屈折率透明樹脂層の膜厚が0.8μm以上となり、実用的な光拡散スクリーンを作成できる。
本発明にかかる光拡散スクリーンは、良好な反射膜の形成を、簡単な工程で製造することが可能であり、背面投射型ディスプレイ等として有用である。
本発明の実施の形態1の光拡散スクリーンの拡大断面図 同実施の形態の光拡散スクリーンの概略斜視図 同実施の形態の光拡散スクリーンの製造工程図 同実施の形態の光拡散スクリーンの反射部拡大断面図 本発明の実施の形態2の光拡散スクリーンの反射部拡大断面図 一般的な背面投射型ディスプレイの断面構造を模式的に示す図 一般的な透過型スクリーンの断面図 特許文献1に記載された光拡散スクリーンの拡大断面図 特許文献2に記載された光拡散スクリーンの拡大断面図 光拡散スクリーンの拡大断面図 光拡散スクリーンの観察角度における光量を示す図
符号の説明
1 光透過性基板
2 立体遮光層
3 遮光層開口部
4 低屈折率透明樹脂(低屈折率透光樹脂)
5 透明微小粒子(透光微小粒子)
6 低屈折率透明樹脂層(低屈折率透光樹脂層)
7 高屈折率透明樹脂層(高屈折率透光樹脂層)
8 凹レンズ部
9 反射部
10 画像光入射面
11 画像光出射面
12 立体遮光層ピッチ
13 立体遮光層底部幅
14 立体遮光層高さ
15 立体遮光層開口部幅
16 立体遮光層転写金型
17 立体遮光層形成樹脂
25 背面投射型ディスプレイ装置
26 画像光
27 画像源
28 背面ミラー
29 透過型スクリーン
31 フレネルレンズ
32 光拡散スクリーン
33 外光
35 プリズムレンズ

Claims (9)

  1. 入射された画像光を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンにおいて、
    光透過性基板の上に所定の間隔で並列し形成され、断面形状が略三角形の立体遮光層と、
    前記立体遮光層を覆って第1の屈折率の低屈折率透明樹脂を塗布して形成される低屈折率透光樹脂層と、
    前記低屈折率透光樹脂層を覆って前記第1の屈折率よりも屈折率の高い第2の屈折率の高屈折率透光樹脂を塗布して形成される高屈折率透光樹脂層とを備え、
    前記低屈折率透光樹脂層の中に透光微小粒子が混入していることを特徴とする
    光拡散スクリーン。
  2. 前記透光微小粒子の屈折率が、前記第1の屈折率よりも低いことを特徴とする
    請求項1に記載の光拡散スクリーン。
  3. 前記透光微小粒子の平均粒子径が、低屈折率透光樹脂層の膜厚が0.8μm以上となるように調整されていることを特徴とする
    請求項1に記載の光拡散スクリーン。
  4. 前記低屈折率透光樹脂層の低屈折率透光樹脂層中の前記透光微小粒子の割合が、低屈折率透光樹脂層の膜厚が0.8μm以上となるように調整されていることを特徴とする
    請求項1に記載の光拡散スクリーン。
  5. 前記透光微小粒子の材料が、アモルファスシリカであることを特徴とする
    請求項1に記載の光拡散スクリーン。
  6. 入射された光線を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンを製造するに際し、
    断面形状が略三角形の立体遮光層を形成し、
    透光微小粒子が混合された低屈折率透光樹脂を前記立体遮光層を覆って塗布して低屈折率透光樹脂層を形成し、
    前記低屈折率透光樹脂層を覆って高屈折率透光樹脂を塗布して高屈折率透光樹脂層を形成する
    光拡散スクリーンの製造方法。
  7. 低屈折率透光樹脂をスプレー法によって前記立体遮光層に塗布して前記低屈折率透光樹脂層を形成する
    請求項6に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  8. 薬液供給タンク内で攪拌されている低屈折率透光樹脂をスプレー法によって前記立体遮光層に塗布して前記低屈折率透光樹脂層を形成する
    請求項6に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  9. 光透過型の光拡散スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイ装置であって、
    前記光拡散スクリーンとして請求項1に記載の光拡散スクリーンを用いたことを特徴とする
    背面投射型ディスプレイ装置。
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