JPH10293203A - 光制御層、その形成方法、および応用装置 - Google Patents
光制御層、その形成方法、および応用装置Info
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- JPH10293203A JPH10293203A JP9100578A JP10057897A JPH10293203A JP H10293203 A JPH10293203 A JP H10293203A JP 9100578 A JP9100578 A JP 9100578A JP 10057897 A JP10057897 A JP 10057897A JP H10293203 A JPH10293203 A JP H10293203A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】広視野角の表示素子を得る。
【解決手段】厚みt=40μm、屈折率nF =1.5の
アクリル系高分子からなる面状の媒体2の中に、屈折率
n1 =1.5で外径d1 =37μmのアクリル系高分子
のビーズ3と、屈折率n2 =1.59で外径d2 =5μ
mのアクリル系とポリスチレン系の混合高分子からなる
ビーズ4を配置した光制御層1。
アクリル系高分子からなる面状の媒体2の中に、屈折率
n1 =1.5で外径d1 =37μmのアクリル系高分子
のビーズ3と、屈折率n2 =1.59で外径d2 =5μ
mのアクリル系とポリスチレン系の混合高分子からなる
ビーズ4を配置した光制御層1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示媒体の前方に
配置して通過する表示光を制御し、表示媒体の表示状
態、特に表示の視野角やコントラスト比、および、明る
さを改善する技術に関する。
配置して通過する表示光を制御し、表示媒体の表示状
態、特に表示の視野角やコントラスト比、および、明る
さを改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置や、PDP、その他の電子
表示装置、およびその他一般の表示媒体における表示の
明るさ、コントラスト比は、それぞれの動作原理で定ま
る光学特性によって制限され、理想的な表示が得られて
はいなかった。そのため、光制御層を補助的に設けて表
示状態を改良しようという試みが行われていた。
表示装置、およびその他一般の表示媒体における表示の
明るさ、コントラスト比は、それぞれの動作原理で定ま
る光学特性によって制限され、理想的な表示が得られて
はいなかった。そのため、光制御層を補助的に設けて表
示状態を改良しようという試みが行われていた。
【0003】なかでも、液晶表示装置やスクリーン装置
の表示特性の改善が求められていた。特に、斜め方向か
らの視認性、つまり視野角の拡大が大きな課題であっ
た。そのため、光路を調節する機能を有する光制御層を
併用することが知られていた。
の表示特性の改善が求められていた。特に、斜め方向か
らの視認性、つまり視野角の拡大が大きな課題であっ
た。そのため、光路を調節する機能を有する光制御層を
併用することが知られていた。
【0004】例えば、表示媒体の表示光を制御する方法
として、液晶表示装置などの表示媒体の前方にレンズ状
アレイ体を配置したもの(国際公開パンフレットWO9
5/01584、従来例1)、屈折率の異なった層を平
行に並べて配置したフィルム体(特開昭64−7700
1号公報、従来例2)、あるいは高分子ビーズをゾルゲ
ル層の媒体中に配置したもの(特開平8−95015号
公報、従来例3)が知られていた。
として、液晶表示装置などの表示媒体の前方にレンズ状
アレイ体を配置したもの(国際公開パンフレットWO9
5/01584、従来例1)、屈折率の異なった層を平
行に並べて配置したフィルム体(特開昭64−7700
1号公報、従来例2)、あるいは高分子ビーズをゾルゲ
ル層の媒体中に配置したもの(特開平8−95015号
公報、従来例3)が知られていた。
【0005】また、特開平4−96041号公報(従来
例4)には、屈折率の異なる二種類のビーズをブラック
マトリックスの間に交互に配置した映写スクリーンに関
する発明が開示されていた。そして、映写スクリーンを
見る観客側の広い角度分布に対して、等しく高輝度映像
を鑑賞可能にしたとの記載があった。
例4)には、屈折率の異なる二種類のビーズをブラック
マトリックスの間に交互に配置した映写スクリーンに関
する発明が開示されていた。そして、映写スクリーンを
見る観客側の広い角度分布に対して、等しく高輝度映像
を鑑賞可能にしたとの記載があった。
【0006】上記の従来例1は、レンズ状アレイ体の構
造/形状を直接利用し、幾何光学的に光を集光または拡
散する効果を生み出すものである。しかし、構造が複雑
であり製造が相対的に困難であり、高い生産性が期待で
きない。
造/形状を直接利用し、幾何光学的に光を集光または拡
散する効果を生み出すものである。しかし、構造が複雑
であり製造が相対的に困難であり、高い生産性が期待で
きない。
【0007】従来例2は、フィルム上にフォトマスクを
配し、斜め方向から紫外線を照射することにより、屈折
率の異なる平行な二つの層を形成する。そして、その屈
折率の異なった二つの層の界面での光の反射や屈折を利
用し、光の制御を行う。しかし、この従来例2の方法で
はヘイズ率が低いという問題点があった。
配し、斜め方向から紫外線を照射することにより、屈折
率の異なる平行な二つの層を形成する。そして、その屈
折率の異なった二つの層の界面での光の反射や屈折を利
用し、光の制御を行う。しかし、この従来例2の方法で
はヘイズ率が低いという問題点があった。
【0008】また、従来例2に示された形成方法では、
紫外線を照射する方向のみしか、光散乱を起こす構造を
設けることができなかった。よって、全方向に光を散乱
させるためには、紫外線を複数の方向から照射しなくて
はならないため製造工程が複雑になるといった問題点が
あった。
紫外線を照射する方向のみしか、光散乱を起こす構造を
設けることができなかった。よって、全方向に光を散乱
させるためには、紫外線を複数の方向から照射しなくて
はならないため製造工程が複雑になるといった問題点が
あった。
【0009】さらに、従来例2におけるフィルム形態の
光制御層では、フィルム一枚のみを用いた場合には、視
野角拡大効果が単方向にしか発現しないという問題点が
あった。また、ヘイズ率が小さいため充分な視野角拡大
効果を獲得できないという問題点があった。
光制御層では、フィルム一枚のみを用いた場合には、視
野角拡大効果が単方向にしか発現しないという問題点が
あった。また、ヘイズ率が小さいため充分な視野角拡大
効果を獲得できないという問題点があった。
【0010】従来例3は、高分子の媒体と一種類の高分
子のビーズとが備えられていた。そして媒体の屈折率と
ビーズの屈折率が異なるように設けられていた。この従
来例3では、媒体とビーズとの界面での屈折および/ま
たは反射を利用して、全方向に光を散乱することができ
た。そのため、フィルム一枚のみで全方向に光を散乱さ
せ、全方向の視野角拡大効果を得ることができた。
子のビーズとが備えられていた。そして媒体の屈折率と
ビーズの屈折率が異なるように設けられていた。この従
来例3では、媒体とビーズとの界面での屈折および/ま
たは反射を利用して、全方向に光を散乱することができ
た。そのため、フィルム一枚のみで全方向に光を散乱さ
せ、全方向の視野角拡大効果を得ることができた。
【0011】しかし、光の入射方向に依存せずヘイズ率
はほぼ一定であり、かつヘイズ率が高過ぎるため、正面
方向からの視認性、つまり正面コントラスト比や正面輝
度の低下を招き、これが新たな問題となっていた。
はほぼ一定であり、かつヘイズ率が高過ぎるため、正面
方向からの視認性、つまり正面コントラスト比や正面輝
度の低下を招き、これが新たな問題となっていた。
【0012】従来例4においては、粒状体と空気との間
での屈折および/または反射を用いており、粒状体の表
面に汚れが付着しやすく光学性能の低下をもたらすこと
があった。また、外光の影響を直接受けやすい構造であ
った。さらに、基本構造としてブラックマトリックスを
粒状体と併用しているために全体の輝度が低下するとい
う問題があった。
での屈折および/または反射を用いており、粒状体の表
面に汚れが付着しやすく光学性能の低下をもたらすこと
があった。また、外光の影響を直接受けやすい構造であ
った。さらに、基本構造としてブラックマトリックスを
粒状体と併用しているために全体の輝度が低下するとい
う問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
例では表示媒体の総合的な性能を向上させることができ
なかった。なぜなら、一つの性能を追求すると他の性能
を犠牲にすることになり、光学素子として求められる諸
機能を全て同時に満たすことが困難なためである。
例では表示媒体の総合的な性能を向上させることができ
なかった。なぜなら、一つの性能を追求すると他の性能
を犠牲にすることになり、光学素子として求められる諸
機能を全て同時に満たすことが困難なためである。
【0014】このように、表示媒体の視野角を広げ、か
つ、最も重要な正面側の表示特性を低下させない新たな
光制御層が求められていた。また、投射画像における高
コントラスト比と明るさの両方を同時に達成できる投射
型表示装置用の新しいスクリーン装置が求められてい
た。
つ、最も重要な正面側の表示特性を低下させない新たな
光制御層が求められていた。また、投射画像における高
コントラスト比と明るさの両方を同時に達成できる投射
型表示装置用の新しいスクリーン装置が求められてい
た。
【0015】そして、広く使用されている液晶表示素子
や液晶プロジェクターと組み合わせて使用することが容
易で、薄膜状平面構造に形成しやすく、大面積の素子形
成が可能で、かつ生産性がよく、また安定した製造がで
きる新しい光制御層およびその応用装置を開発すること
が目的である。
や液晶プロジェクターと組み合わせて使用することが容
易で、薄膜状平面構造に形成しやすく、大面積の素子形
成が可能で、かつ生産性がよく、また安定した製造がで
きる新しい光制御層およびその応用装置を開発すること
が目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の請求
項1は、粒状体が面状の媒体中に配置されてなる光制御
層において、それぞれ異なる屈折率を有するK種類(K
は2以上の整数)の粒状体が用いられ、そのうちM種類
(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒状体の各屈折率ni
(1≦i≦M、iは整数)と、(K−M)種類の粒状体
の各屈折率nj(M+1≦j≦K、jは整数)と、厚み
がtである媒体の屈折率nF とが、|ni −nF |≦
s、u≦|nj −nF |、および、0.00≦s<u≦
0.15を満足することを特徴とする光制御層である。
項1は、粒状体が面状の媒体中に配置されてなる光制御
層において、それぞれ異なる屈折率を有するK種類(K
は2以上の整数)の粒状体が用いられ、そのうちM種類
(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒状体の各屈折率ni
(1≦i≦M、iは整数)と、(K−M)種類の粒状体
の各屈折率nj(M+1≦j≦K、jは整数)と、厚み
がtである媒体の屈折率nF とが、|ni −nF |≦
s、u≦|nj −nF |、および、0.00≦s<u≦
0.15を満足することを特徴とする光制御層である。
【0017】ここで、S=0.00とは媒体の屈折率と
粒状体の一種類の屈折率とがほぼ一致する場合を含むこ
とを意味する。また、sとuとの間に、|s−u|≧
0.05、さらには、|s−u|≧0.08、さらに
は、粒状体の外径の大きさと組み合わせて、|s−u|
≧0.10とすることができる。基本的には、M種類の
粒状体と(K−M)種類の粒状体との間に一定の屈折率
差を設けることが好ましい。
粒状体の一種類の屈折率とがほぼ一致する場合を含むこ
とを意味する。また、sとuとの間に、|s−u|≧
0.05、さらには、|s−u|≧0.08、さらに
は、粒状体の外径の大きさと組み合わせて、|s−u|
≧0.10とすることができる。基本的には、M種類の
粒状体と(K−M)種類の粒状体との間に一定の屈折率
差を設けることが好ましい。
【0018】また、請求項2は、粒状体が面状の媒体中
に配置されてなる光制御層において、それぞれ異なる屈
折率を有する2種類の粒状体Ri とRj が少なくとも用
いられ、Ri の屈折率をni 、Rj の屈折率をnj 、媒
体の屈折率をnF 、Ri の外径をdi 、Rj の外径をd
j 、媒体の厚みをtとすると、|ni −nF |≦s、u
≦|nj −nF |、u−s≧0.05、di ≧t/3、
dj ≦2・t/3、および、di >dj を満足すること
を特徴とする光制御層である。
に配置されてなる光制御層において、それぞれ異なる屈
折率を有する2種類の粒状体Ri とRj が少なくとも用
いられ、Ri の屈折率をni 、Rj の屈折率をnj 、媒
体の屈折率をnF 、Ri の外径をdi 、Rj の外径をd
j 、媒体の厚みをtとすると、|ni −nF |≦s、u
≦|nj −nF |、u−s≧0.05、di ≧t/3、
dj ≦2・t/3、および、di >dj を満足すること
を特徴とする光制御層である。
【0019】また、請求項3は、M種類の粒状体のうち
の最大の外径をdM・max 、(K−M)種類の粒状体のう
ちの最小の外径をd(K-M)・min とすると、t>d
M・max 、かつ、dM・max +d(K-M)・min ≧tを満足する
ことを特徴とする請求項1または2記載の光制御層であ
る。
の最大の外径をdM・max 、(K−M)種類の粒状体のう
ちの最小の外径をd(K-M)・min とすると、t>d
M・max 、かつ、dM・max +d(K-M)・min ≧tを満足する
ことを特徴とする請求項1または2記載の光制御層であ
る。
【0020】上記の各請求項に記載された光制御層の構
成部材として、屈折率が1.3〜1.7の材料を用いる
ことができる。さらに、本発明の好ましい態様1は、
1.4≦nF ≦1.6、かつ、1.4≦ni ≦1.6、
かつ1.4≦nj ≦1.6を満足する。
成部材として、屈折率が1.3〜1.7の材料を用いる
ことができる。さらに、本発明の好ましい態様1は、
1.4≦nF ≦1.6、かつ、1.4≦ni ≦1.6、
かつ1.4≦nj ≦1.6を満足する。
【0021】さらに、本発明の好ましい態様2は、上記
の各請求項または態様1記載の光制御層において、媒体
の厚みをt(μm)、M種類の粒状体の外径をdi 、
(K−M)種類の粒状体の外径をdj (μm)、所定の
外径定数をd0 (μm)とすると、0.5μm≦dj ≦
d0 <di ≦t、t=10〜200μm、d0 =8〜2
0μmを満足する。
の各請求項または態様1記載の光制御層において、媒体
の厚みをt(μm)、M種類の粒状体の外径をdi 、
(K−M)種類の粒状体の外径をdj (μm)、所定の
外径定数をd0 (μm)とすると、0.5μm≦dj ≦
d0 <di ≦t、t=10〜200μm、d0 =8〜2
0μmを満足する。
【0022】また、本発明の好ましい態様3は、上記の
各請求項または各態様記載のいずれかの光制御層におい
て、(K−M)種類の粒状体の全粒状体に対する重量比
が10〜70%である。
各請求項または各態様記載のいずれかの光制御層におい
て、(K−M)種類の粒状体の全粒状体に対する重量比
が10〜70%である。
【0023】また、本発明の好ましい態様4は、上記の
各請求項または各態様のいずれかに記載された光制御層
において、s≦0.014、かつ、u=0.08〜0.
145を満足する。さらに、s≦0.05、u−s=
0.07〜0.145を満足することが好ましい。
各請求項または各態様のいずれかに記載された光制御層
において、s≦0.014、かつ、u=0.08〜0.
145を満足する。さらに、s≦0.05、u−s=
0.07〜0.145を満足することが好ましい。
【0024】また、本発明の好ましい態様5は、上記の
各請求項または各態様のいずれかに記載された光制御層
において、粒状体が高分子ビーズ、媒体が高分子であ
る。また、本発明の好ましい態様6は、上記の各請求項
または各態様のいずれかに記載された光制御層におい
て、粒状体が球状、楕円体、もしくは多面体である。
各請求項または各態様のいずれかに記載された光制御層
において、粒状体が高分子ビーズ、媒体が高分子であ
る。また、本発明の好ましい態様6は、上記の各請求項
または各態様のいずれかに記載された光制御層におい
て、粒状体が球状、楕円体、もしくは多面体である。
【0025】また、請求項4は、上記のいずれかに記載
された光制御層が備えられたことを特徴とする液晶表示
装置である。
された光制御層が備えられたことを特徴とする液晶表示
装置である。
【0026】また、請求項5は、上記のいずれかに記載
された光制御層が備えられたことを特徴とするスクリー
ン装置である。特に、所定の指向性を持つ投射画像光を
投射する投射光学装置と組み合わせて用いることが好ま
しい。
された光制御層が備えられたことを特徴とするスクリー
ン装置である。特に、所定の指向性を持つ投射画像光を
投射する投射光学装置と組み合わせて用いることが好ま
しい。
【0027】また、請求項6は、粒状体を媒体中に配置
する光制御層の形成方法において、それぞれ異なる屈折
率を有するK種類(Kは2以上の整数)の粒状体を準備
し、そのうちM種類(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒
状体の各屈折率ni (1≦i≦M、iは整数)と、(K
−M)種類の粒状体の各屈折率nj (M+1≦j≦K、
jは整数)と、媒体の屈折率nF とを、|ni −nF |
<|nj −nF |の関係を満足するように選択し、あら
かじめK種類の粒状体を混合することを特徴とする光制
御層の形成方法である。
する光制御層の形成方法において、それぞれ異なる屈折
率を有するK種類(Kは2以上の整数)の粒状体を準備
し、そのうちM種類(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒
状体の各屈折率ni (1≦i≦M、iは整数)と、(K
−M)種類の粒状体の各屈折率nj (M+1≦j≦K、
jは整数)と、媒体の屈折率nF とを、|ni −nF |
<|nj −nF |の関係を満足するように選択し、あら
かじめK種類の粒状体を混合することを特徴とする光制
御層の形成方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、屈折率が異なるK種類
(Kは2以上の整数)の粒状体を混合し、それらをある
媒体中に混入し、そのうちM種類(1≦M≦K−1を満
足する整数)の粒状体の屈折率を媒体の屈折率とほぼ同
じ屈折率に設定する。
(Kは2以上の整数)の粒状体を混合し、それらをある
媒体中に混入し、そのうちM種類(1≦M≦K−1を満
足する整数)の粒状体の屈折率を媒体の屈折率とほぼ同
じ屈折率に設定する。
【0029】そして、残りの粒状体、すなわち(K−
M)種類の粒状体は媒体と異なる屈折率とし、これらの
粒状体を含む媒体を層状に薄膜化し、低ヘイズ率(また
は透明率)である領域と高ヘイズ率である領域とを単位
面積ごとにほぼ一様に作り出す。そして、この二つの領
域の比率を所望の表示効果を得られるように設定する。
そして、この光制御層、および光制御層を用いた応用装
置を構成する。
M)種類の粒状体は媒体と異なる屈折率とし、これらの
粒状体を含む媒体を層状に薄膜化し、低ヘイズ率(また
は透明率)である領域と高ヘイズ率である領域とを単位
面積ごとにほぼ一様に作り出す。そして、この二つの領
域の比率を所望の表示効果を得られるように設定する。
そして、この光制御層、および光制御層を用いた応用装
置を構成する。
【0030】さらに、好ましくは、M種類の粒状体の粒
径を(K−M)種類の粒状体の粒径よりも全て大きく設
けることが好ましい。両者の間で屈折率の差と作用しあ
って、より大きな光学的効果を生み出すことができる。
径を(K−M)種類の粒状体の粒径よりも全て大きく設
けることが好ましい。両者の間で屈折率の差と作用しあ
って、より大きな光学的効果を生み出すことができる。
【0031】本発明において、粒状体とは所定の大きさ
のものであれば使用でき、粉砕加工し、形状寸法をほぼ
揃えたものでもよい。また、粒状体の材料としてはガラ
スや透明性無機物でもよいが、実用上は光学特性、成型
性に優れた高分子からなるビーズを用いることが好まし
い。さらに、球状、楕円形状等の所望の形状および寸法
に加工されていることが取扱上、および光学特性上好ま
しい。
のものであれば使用でき、粉砕加工し、形状寸法をほぼ
揃えたものでもよい。また、粒状体の材料としてはガラ
スや透明性無機物でもよいが、実用上は光学特性、成型
性に優れた高分子からなるビーズを用いることが好まし
い。さらに、球状、楕円形状等の所望の形状および寸法
に加工されていることが取扱上、および光学特性上好ま
しい。
【0032】以下に図を参照して本発明の好ましい態様
について説明する。図1は本例の光制御層の一例の断面
図である。光制御層1の膜厚tを10μm≦t≦200
μmの範囲から選択して設定する。さらに、高分子から
なる媒体2と、媒体とは異なる屈折率を持つ球状もしく
は楕円形の高分子からなる粒状体4(以下、ビーズとも
呼ぶ)の直径d2 を0.5μm≦d2 ≦10μmの範囲
に設定する。なお、粒状体の形状が楕円体状の場合に
は、その短軸方向の長さを外径として採用する。
について説明する。図1は本例の光制御層の一例の断面
図である。光制御層1の膜厚tを10μm≦t≦200
μmの範囲から選択して設定する。さらに、高分子から
なる媒体2と、媒体とは異なる屈折率を持つ球状もしく
は楕円形の高分子からなる粒状体4(以下、ビーズとも
呼ぶ)の直径d2 を0.5μm≦d2 ≦10μmの範囲
に設定する。なお、粒状体の形状が楕円体状の場合に
は、その短軸方向の長さを外径として採用する。
【0033】そして、光制御層1中での高分子のビーズ
4の重量比を10〜70wt%に設定する。ここで、重
量比とは、媒体と全てのビーズの重量の総和に対する相
対比である。
4の重量比を10〜70wt%に設定する。ここで、重
量比とは、媒体と全てのビーズの重量の総和に対する相
対比である。
【0034】また、媒体2の屈折率をnF とし、nF と
異なる屈折率n2 を有する高分子からなるビーズ4、か
つ、高分子からなるビーズ3の屈折率n1 をnF とほぼ
等しい範囲に設定する。光学的な条件面のみについて考
察すれば、高分子材料の屈折率はおよそ、1.3〜1.
7の範囲から適宜組み合わせて選択して設定すればよ
い。
異なる屈折率n2 を有する高分子からなるビーズ4、か
つ、高分子からなるビーズ3の屈折率n1 をnF とほぼ
等しい範囲に設定する。光学的な条件面のみについて考
察すれば、高分子材料の屈折率はおよそ、1.3〜1.
7の範囲から適宜組み合わせて選択して設定すればよ
い。
【0035】このとき、1.4≦nF ≦1.6、1.4
≦n1 ≦1.6、1.4≦n2 ≦1.6、0.00≦|
nF −n1 |<|nF −n2 |≦0.15、かつ|n1
−n2 |≧0.07〜0.145を満足するように設定
する。これは、ビーズ3、4と媒体2に、製造上有利で
あるアクリル系またはポリスチレン系の高分子を用いる
ことができるからである。
≦n1 ≦1.6、1.4≦n2 ≦1.6、0.00≦|
nF −n1 |<|nF −n2 |≦0.15、かつ|n1
−n2 |≧0.07〜0.145を満足するように設定
する。これは、ビーズ3、4と媒体2に、製造上有利で
あるアクリル系またはポリスチレン系の高分子を用いる
ことができるからである。
【0036】ここで、|nF −n2 |≦0.15とした
理由は、|nF −n2 |>0.15の場合には、光制御
層1全体のヘイズ率が大きくなりすぎ、光制御層を液晶
表示素子と組み合わせても、斜め方向からの視認性を改
善することができるが、正面からの視認性がかなり低下
し、液晶表示装置として実質使用できないためである。
理由は、|nF −n2 |>0.15の場合には、光制御
層1全体のヘイズ率が大きくなりすぎ、光制御層を液晶
表示素子と組み合わせても、斜め方向からの視認性を改
善することができるが、正面からの視認性がかなり低下
し、液晶表示装置として実質使用できないためである。
【0037】さらに、0.00≦|nF −n1 |≦0.
014を満足するように設定した理由は、|nF −n1
|>0.014の場合には、媒体2とビーズ3との界面
での光の屈折や反射が強く発生するため、光制御層1全
体のヘイズ率が大きくなり、斜め方向からの視認性を改
善することができるが、正面方向からの視認性が低下
し、液晶表示装置に実質使用できないためである。
014を満足するように設定した理由は、|nF −n1
|>0.014の場合には、媒体2とビーズ3との界面
での光の屈折や反射が強く発生するため、光制御層1全
体のヘイズ率が大きくなり、斜め方向からの視認性を改
善することができるが、正面方向からの視認性が低下
し、液晶表示装置に実質使用できないためである。
【0038】次に、光制御層1の膜厚tを、10μm≦
t≦200μmに設定するのは、まず、t<10μmの
場合には、光散乱能が低下して斜め方向からの視認性改
善効果が乏しく、t>200μmの場合には、光制御層
1全体のヘイズ率が高くなり、斜め方向からの視認性改
善効果は発現するが、正面からの視認性(明るさ、コン
トラスト、解像度)の低下が著しくなるためである。
t≦200μmに設定するのは、まず、t<10μmの
場合には、光散乱能が低下して斜め方向からの視認性改
善効果が乏しく、t>200μmの場合には、光制御層
1全体のヘイズ率が高くなり、斜め方向からの視認性改
善効果は発現するが、正面からの視認性(明るさ、コン
トラスト、解像度)の低下が著しくなるためである。
【0039】また、ビーズ4の外径d2 を0.5μm≦
d2 ≦10μmとする。その理由は、d1 <0.5μm
の場合には、ビーズ3の大きさが可視光の波長と相関で
きる大きさ以下になるので、可視光の反射や屈折の効果
が小さくなり、光散乱能が乏しくなる。また、d1 >1
0μmの場合には、光制御層1内での光の反射や屈折の
回数が減るので光散乱能が乏しくなる。そのため、d1
<0.5μmやd1 >10μmの場合では、斜めからの
視認性を改善することができないからである。
d2 ≦10μmとする。その理由は、d1 <0.5μm
の場合には、ビーズ3の大きさが可視光の波長と相関で
きる大きさ以下になるので、可視光の反射や屈折の効果
が小さくなり、光散乱能が乏しくなる。また、d1 >1
0μmの場合には、光制御層1内での光の反射や屈折の
回数が減るので光散乱能が乏しくなる。そのため、d1
<0.5μmやd1 >10μmの場合では、斜めからの
視認性を改善することができないからである。
【0040】したがって、厚みtの媒体中に外径d1 を
有するビーズ3と外径d2 を有するビーズ4とを、厚み
方向における二群の粒状体の外径寸法の関係と、面積方
向における二群の実効的な断面積の関係が一定の条件を
満たすように配分する。
有するビーズ3と外径d2 を有するビーズ4とを、厚み
方向における二群の粒状体の外径寸法の関係と、面積方
向における二群の実効的な断面積の関係が一定の条件を
満たすように配分する。
【0041】また、光制御層1の構成において、媒体2
とほぼ同じ屈折率を持つビーズ3の直径は、媒体2と異
なる屈折率を持つビーズ4の直径より大きくすることが
特に好ましい。かつ、ビーズ3の外径とビーズ4の外径
の合計値が光制御層1の膜厚tより大きくなるように設
ける。つまり、ビーズ3の直径をd1 、ビーズ4の直径
をd2 とすると、d2 <d1 、かつ、d1 +d2 ≧tを
満たすことが好ましい。また、d1 ≧t/2、d2 ≦t
/2を満足することがさらに好ましい。
とほぼ同じ屈折率を持つビーズ3の直径は、媒体2と異
なる屈折率を持つビーズ4の直径より大きくすることが
特に好ましい。かつ、ビーズ3の外径とビーズ4の外径
の合計値が光制御層1の膜厚tより大きくなるように設
ける。つまり、ビーズ3の直径をd1 、ビーズ4の直径
をd2 とすると、d2 <d1 、かつ、d1 +d2 ≧tを
満たすことが好ましい。また、d1 ≧t/2、d2 ≦t
/2を満足することがさらに好ましい。
【0042】また、上記の光制御層1の構成条件におい
て、ビーズ4の重量比WをW<10wt%、または、W
>70wt%を満足する場合には、媒体との相互関係に
おいて、屈折率の異なった界面の総合面積が小さくなる
ため、光の屈折や反射の回数が総じて少なくなる。
て、ビーズ4の重量比WをW<10wt%、または、W
>70wt%を満足する場合には、媒体との相互関係に
おいて、屈折率の異なった界面の総合面積が小さくなる
ため、光の屈折や反射の回数が総じて少なくなる。
【0043】このため、W<10wt%、および、W>
70wt%の場合は光散乱能が低下する。したがって、
光制御層1を利用して所望の光学特性、すなわち斜め方
向からの視認性を改善するためには10wt%≦W≦7
0wt%とすることが好ましい。
70wt%の場合は光散乱能が低下する。したがって、
光制御層1を利用して所望の光学特性、すなわち斜め方
向からの視認性を改善するためには10wt%≦W≦7
0wt%とすることが好ましい。
【0044】このような構成により、光制御層1に垂直
に入射する光の一部は必ず、媒体2とほぼ同じ屈折率を
持ち、かつ、ビーズ4よりは相対的に大きいビーズ3に
ほぼ直接入射する。すなわち、媒体2とビーズ3の界面
で反射や屈折を起こさずに正透過し、光制御層1に垂直
に入射した光のうちの一部や斜め方向から入射した光
は、ビーズ4と媒体2との界面で、反射や屈折を起こし
て拡散される。
に入射する光の一部は必ず、媒体2とほぼ同じ屈折率を
持ち、かつ、ビーズ4よりは相対的に大きいビーズ3に
ほぼ直接入射する。すなわち、媒体2とビーズ3の界面
で反射や屈折を起こさずに正透過し、光制御層1に垂直
に入射した光のうちの一部や斜め方向から入射した光
は、ビーズ4と媒体2との界面で、反射や屈折を起こし
て拡散される。
【0045】この光制御層1を従来公知の液晶表示素子
と組み合わせて用いると、正面からの視認性をほとんど
低下させることなく、斜め方向からの視認性を改善する
ことができる。本発明の光制御層1は、液晶表示装置の
内面側に設けることが好ましい。前側偏光板と前側位相
差板との間、前側位相差板と前側ガラス基板との間、前
側偏光板と前側ガラス基板との間、または前側ガラス基
板と液晶層との間に配置できる。
と組み合わせて用いると、正面からの視認性をほとんど
低下させることなく、斜め方向からの視認性を改善する
ことができる。本発明の光制御層1は、液晶表示装置の
内面側に設けることが好ましい。前側偏光板と前側位相
差板との間、前側位相差板と前側ガラス基板との間、前
側偏光板と前側ガラス基板との間、または前側ガラス基
板と液晶層との間に配置できる。
【0046】特に、液晶層にできるだけ近づけることが
好ましい。つまり、実用上では前側ガラス基板に近設し
て配置した場合に、より大きな効果を奏するので好まし
い。この場合、媒体の屈折率nF を近接して設けられる
構成部材の屈折率とほぼ合わせることが好ましい。ま
た、内面に配置する場合、近接される構成部材との間に
光学カップリング材を設けることが好ましい。
好ましい。つまり、実用上では前側ガラス基板に近設し
て配置した場合に、より大きな効果を奏するので好まし
い。この場合、媒体の屈折率nF を近接して設けられる
構成部材の屈折率とほぼ合わせることが好ましい。ま
た、内面に配置する場合、近接される構成部材との間に
光学カップリング材を設けることが好ましい。
【0047】図3に本発明の液晶表示装置の一例の断面
図を示す。前側偏光板6A、前側位相差板7A、光制御
層1、前側ガラス基板8A、RGBのカラーフィルタ
9、液晶層10、後側ガラス基板8B、後側位相差板7
B、後側偏光板6B、導光板11、光源12が順次積層
された断面状態が模式的に示されたものである。
図を示す。前側偏光板6A、前側位相差板7A、光制御
層1、前側ガラス基板8A、RGBのカラーフィルタ
9、液晶層10、後側ガラス基板8B、後側位相差板7
B、後側偏光板6B、導光板11、光源12が順次積層
された断面状態が模式的に示されたものである。
【0048】また、図7に本発明の液晶表示装置の一画
素付近における、光制御層の粒状体3、4の分布状態を
模式的に示す。用いた粒状体の重量比はそのまま体積比
とみることができ、さらに平面方向における分布密度も
重量比にほぼ一致すると考えられる。
素付近における、光制御層の粒状体3、4の分布状態を
模式的に示す。用いた粒状体の重量比はそのまま体積比
とみることができ、さらに平面方向における分布密度も
重量比にほぼ一致すると考えられる。
【0049】したがって、ビーズ3の占める総面積S3
を画素面積に対して、10%≦S3≦70%、かつ、ビ
ーズ4の占める総面積S4 を画素面積に対して、10%
≦S4 ≦70%の範囲になるように設ければよい。この
とき、総面積S3+4 は10%≦S3+4 ≦70%をほぼ満
たすように設けることが好ましい。
を画素面積に対して、10%≦S3≦70%、かつ、ビ
ーズ4の占める総面積S4 を画素面積に対して、10%
≦S4 ≦70%の範囲になるように設ければよい。この
とき、総面積S3+4 は10%≦S3+4 ≦70%をほぼ満
たすように設けることが好ましい。
【0050】図7は模式的に描いた平面図であって、媒
体の屈折率に近い屈折率を有し、外径寸法が大きなビー
ズ3に対して、媒体の屈折率から離れた屈折率値を持
ち、外径寸法が小さなビーズ4、4Aが配置された状態
を示す。ビーズ4Aは楕円体形状を有している。
体の屈折率に近い屈折率を有し、外径寸法が大きなビー
ズ3に対して、媒体の屈折率から離れた屈折率値を持
ち、外径寸法が小さなビーズ4、4Aが配置された状態
を示す。ビーズ4Aは楕円体形状を有している。
【0051】同様に、図8に別の構成例の模式的平面図
を示す。ビーズ3、3A、および、ビーズ4、4Bとが
配置されており、各二群のビーズのなかで、外径寸法を
それぞれわずかに分散して用いた例である。
を示す。ビーズ3、3A、および、ビーズ4、4Bとが
配置されており、各二群のビーズのなかで、外径寸法を
それぞれわずかに分散して用いた例である。
【0052】次に、本発明の光制御層の形成方法につい
て説明する。大きく分けて、以下の(イ)、(ロ)の2
つの手法があげられる。まず(イ)の手法は高分子から
なるビーズの散布を行うもので、(a)、(b)および
(c)の場合がある。
て説明する。大きく分けて、以下の(イ)、(ロ)の2
つの手法があげられる。まず(イ)の手法は高分子から
なるビーズの散布を行うもので、(a)、(b)および
(c)の場合がある。
【0053】(a)薄膜状に設けた液状の樹脂に、二種
類の高分子ビーズを散布し自然に拡散した層を形成す
る。(b)二種類の高分子ビーズを基板上に散布し、そ
の後、液状の樹脂を高分子ビーズを覆うように配置して
形成する。(c)半固体状もしくは粘稠状の樹脂を準備
し、そのなかに二種類の高分子ビーズを散布し、外力を
加えて均一に攪拌を行って形成する。以上の三つがあげ
られる。この後、液状樹脂または粘稠状樹脂を硬化させ
て、光制御層が形成される。
類の高分子ビーズを散布し自然に拡散した層を形成す
る。(b)二種類の高分子ビーズを基板上に散布し、そ
の後、液状の樹脂を高分子ビーズを覆うように配置して
形成する。(c)半固体状もしくは粘稠状の樹脂を準備
し、そのなかに二種類の高分子ビーズを散布し、外力を
加えて均一に攪拌を行って形成する。以上の三つがあげ
られる。この後、液状樹脂または粘稠状樹脂を硬化させ
て、光制御層が形成される。
【0054】このとき、(a)と(b)の手法において
は、二種類の高分子からなるビーズは同時に混合した状
態で散布してもよいが、ビーズの種類ごとの配置位置を
高度に制御するために、各種類ごとに散布する順番と量
を変えて行うことが可能となる。
は、二種類の高分子からなるビーズは同時に混合した状
態で散布してもよいが、ビーズの種類ごとの配置位置を
高度に制御するために、各種類ごとに散布する順番と量
を変えて行うことが可能となる。
【0055】次に、(ロ)の手法はフィルムと硬化性化
合物を併用する。(d)回転するロール上に二種類の高
分子からなるビーズが混入された液状の媒体を塗布し、
ロールの回転速度および/またはフィルムへの塗布量の
調整で膜厚を制御する。(e)連続して搬送されるフィ
ルム状の基板の上に、二種類のビーズを混入した液状の
媒体を塗布する。搬送速度および/または塗布量の調整
で膜厚を制御する。(f)連続して搬送されるフィルム
状の基板の上に、二種類のビーズを散布し、その後、液
状の媒体を配置し、搬送速度および/または散布量の調
整で高分子ビーズの分布密度を制御する手法である。
合物を併用する。(d)回転するロール上に二種類の高
分子からなるビーズが混入された液状の媒体を塗布し、
ロールの回転速度および/またはフィルムへの塗布量の
調整で膜厚を制御する。(e)連続して搬送されるフィ
ルム状の基板の上に、二種類のビーズを混入した液状の
媒体を塗布する。搬送速度および/または塗布量の調整
で膜厚を制御する。(f)連続して搬送されるフィルム
状の基板の上に、二種類のビーズを散布し、その後、液
状の媒体を配置し、搬送速度および/または散布量の調
整で高分子ビーズの分布密度を制御する手法である。
【0056】上記の(ロ)の手法では、液状の媒体とし
て硬化性化合物を用いれば、その硬化により光制御層を
完成させることができる。硬化性化合物を使用した場合
には、膜状に形成した後に、紫外線照射または熱を印加
することで硬化形成を行う。
て硬化性化合物を用いれば、その硬化により光制御層を
完成させることができる。硬化性化合物を使用した場合
には、膜状に形成した後に、紫外線照射または熱を印加
することで硬化形成を行う。
【0057】この際、粒状体を構成する材料と、媒体材
料との間の物性差、例えば、融点や溶解性の差を利用し
て混合、攪拌、分散、および、媒体の硬化の各工程処理
を行うようにすればよい。また、上記の(イ)、(ロ)
の各手法をさらに組み合わせて光制御層を形成すること
もできる。
料との間の物性差、例えば、融点や溶解性の差を利用し
て混合、攪拌、分散、および、媒体の硬化の各工程処理
を行うようにすればよい。また、上記の(イ)、(ロ)
の各手法をさらに組み合わせて光制御層を形成すること
もできる。
【0058】次に、表1〜16に本発明に用いることの
できる高分子の材料の一覧を示す。原則として光学的に
高い透明性を有し、粒状体に成型できるもの、もしくは
溶剤に溶けて液状になるものが使用できる。なかでも、
合成高分子がその組成を調整でき、かつ相互に組み合わ
せて使用し、安定して量産供給でき好ましい。また、光
制御層を構成した場合、所望の温度範囲でほぼ同様の光
学特性を示す材料の組み合わせを系統的に選択して用い
ることが好ましい。例えば、周囲温度が−40〜+95
℃の温度域で所望の特性を発揮するように選択すること
が好ましい。
できる高分子の材料の一覧を示す。原則として光学的に
高い透明性を有し、粒状体に成型できるもの、もしくは
溶剤に溶けて液状になるものが使用できる。なかでも、
合成高分子がその組成を調整でき、かつ相互に組み合わ
せて使用し、安定して量産供給でき好ましい。また、光
制御層を構成した場合、所望の温度範囲でほぼ同様の光
学特性を示す材料の組み合わせを系統的に選択して用い
ることが好ましい。例えば、周囲温度が−40〜+95
℃の温度域で所望の特性を発揮するように選択すること
が好ましい。
【0059】表1〜16の第1欄に物質の通算番号、第
2欄に物質名を、第3欄に本発明における適用手法を、
第4欄に屈折率を、第5欄に第4欄の屈折率が得られる
温度を示す。本発明の粒状体、および媒体にはいずれの
高分子材料を使用できる。しかし、通常の製造手法との
関係において、高分子材料の物質としての融点、線膨張
係数、成型性、および液状性質を有するかどうかなどを
考慮した場合、例えば、粒状体3としては第3欄の▽マ
ークの物質群、粒状体4としては欄3の△マークの物質
群、媒体2としては欄3の○マークの物質群を使用する
ことが好ましい。
2欄に物質名を、第3欄に本発明における適用手法を、
第4欄に屈折率を、第5欄に第4欄の屈折率が得られる
温度を示す。本発明の粒状体、および媒体にはいずれの
高分子材料を使用できる。しかし、通常の製造手法との
関係において、高分子材料の物質としての融点、線膨張
係数、成型性、および液状性質を有するかどうかなどを
考慮した場合、例えば、粒状体3としては第3欄の▽マ
ークの物質群、粒状体4としては欄3の△マークの物質
群、媒体2としては欄3の○マークの物質群を使用する
ことが好ましい。
【0060】また、複数の種類の高分子を混合して、そ
の屈折率を調整し、あらかじめ粒状体材料、および媒体
材料として用いることができる。媒体にも複数の種類の
高分子を混合して使用できる。
の屈折率を調整し、あらかじめ粒状体材料、および媒体
材料として用いることができる。媒体にも複数の種類の
高分子を混合して使用できる。
【0061】なお、高分子の物性に関しては、「ポリマ
ー ハンドブック」(Polymer Handboo
k、Wiley Interscience)、およ
び、高分子学会編 高分子新素材便覧、3.3節オプト
エレクトロニクス高分子材料(88〜89頁の図3.3
9、表3.18、表3.19など)等を参照し、所望の
構成を得ることができるように高分子材料を選択すれば
よい。
ー ハンドブック」(Polymer Handboo
k、Wiley Interscience)、およ
び、高分子学会編 高分子新素材便覧、3.3節オプト
エレクトロニクス高分子材料(88〜89頁の図3.3
9、表3.18、表3.19など)等を参照し、所望の
構成を得ることができるように高分子材料を選択すれば
よい。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
【表11】
【0073】
【表12】
【0074】
【表13】
【0075】
【表14】
【0076】
【表15】
【0077】
【表16】
【0078】次に、本発明の作用について説明する。図
5と図6の模式的に描いた説明図に、比較例1と本発明
(構成例A)の光制御層における光束の拡散状態を示
す。縦軸の輝度は正透過光の方を大きくスケールしてい
る。
5と図6の模式的に描いた説明図に、比較例1と本発明
(構成例A)の光制御層における光束の拡散状態を示
す。縦軸の輝度は正透過光の方を大きくスケールしてい
る。
【0079】図5の比較例1では、膜厚30μmで屈折
率1.50の媒体2の中に、屈折率1.55で外径が6
μmの高分子からなるビーズ4’を配置し、ビーズの重
量比を30wt%としたものである。
率1.50の媒体2の中に、屈折率1.55で外径が6
μmの高分子からなるビーズ4’を配置し、ビーズの重
量比を30wt%としたものである。
【0080】ここで、光源から出射し、光制御層に入射
され、光制御層のなかで屈折や反射を受けずに透過し
て、反対側の面から出射する光の成分を正透過光と定義
する。逆に光制御層のなかで屈折および/または反射さ
れることで光路が曲げられ拡散される成分を拡散光と定
義する。この比較例1では正透過光がほぼ0%であり、
拡散光の半値幅が約10°であった。
され、光制御層のなかで屈折や反射を受けずに透過し
て、反対側の面から出射する光の成分を正透過光と定義
する。逆に光制御層のなかで屈折および/または反射さ
れることで光路が曲げられ拡散される成分を拡散光と定
義する。この比較例1では正透過光がほぼ0%であり、
拡散光の半値幅が約10°であった。
【0081】これに対して、図6の構成例Aは、膜厚3
0μmで屈折率1.50の媒体2の中に屈折率1.55
で外径が6μmのビーズ4を重量比を25wt%とし、
屈折率が1.50で外径が27μmのビーズ3を重量比
を10wt%となるように配置した。
0μmで屈折率1.50の媒体2の中に屈折率1.55
で外径が6μmのビーズ4を重量比を25wt%とし、
屈折率が1.50で外径が27μmのビーズ3を重量比
を10wt%となるように配置した。
【0082】この構成例Aでは、正面方向における正透
過光の割合がほぼ10%であり、かつ、拡散光の半値幅
が約10°であった。この際、媒体と屈折率の異なるビ
ーズの所定の領域における分布密度は比較例1のものと
ほぼ等しくなるように設けた。つまり、媒体の屈折率と
ほぼ一致せしめられた外径の大きなビーズが占める領域
外での、媒体の屈折率と異なる外径の小さなビーズの部
分的な領域における実効的な分布密度である。上述した
図7と図8に示した、ビーズ4、4A、4Bの占める領
域における配置密度である。
過光の割合がほぼ10%であり、かつ、拡散光の半値幅
が約10°であった。この際、媒体と屈折率の異なるビ
ーズの所定の領域における分布密度は比較例1のものと
ほぼ等しくなるように設けた。つまり、媒体の屈折率と
ほぼ一致せしめられた外径の大きなビーズが占める領域
外での、媒体の屈折率と異なる外径の小さなビーズの部
分的な領域における実効的な分布密度である。上述した
図7と図8に示した、ビーズ4、4A、4Bの占める領
域における配置密度である。
【0083】次に、本発明の光制御層と光の指向性との
関連性について説明する。表17に光源から発する光の
平行度Pと、光度の半値幅(°)、収束される光量の数
値(%)を計算機シミュレーションによって解析し、そ
の結果を例示する。また、図3の下部に液晶表示装置に
おいて、バックライトから出射され、液晶表示素子の液
晶層10を通過し、さらに光制御層1に入射する光源光
の光度分布を図示する。
関連性について説明する。表17に光源から発する光の
平行度Pと、光度の半値幅(°)、収束される光量の数
値(%)を計算機シミュレーションによって解析し、そ
の結果を例示する。また、図3の下部に液晶表示装置に
おいて、バックライトから出射され、液晶表示素子の液
晶層10を通過し、さらに光制御層1に入射する光源光
の光度分布を図示する。
【0084】図3に示すようにバックライトからの光源
光の光度Iは天頂角Ψ(正面方向を0°とする)に対し
て、所定のプロフィールを有している。通常は、光源光
の出射面の垂線方向、つまり正面方向の光度がほぼ最大
となるように設けられ、その最大光度I0 の半値幅を与
える天頂角をD0 とする。このとき、ある天頂角Ψにお
ける光度をIとすると、I=I0 cosΨの関係があ
る。
光の光度Iは天頂角Ψ(正面方向を0°とする)に対し
て、所定のプロフィールを有している。通常は、光源光
の出射面の垂線方向、つまり正面方向の光度がほぼ最大
となるように設けられ、その最大光度I0 の半値幅を与
える天頂角をD0 とする。このとき、ある天頂角Ψにお
ける光度をIとすると、I=I0 cosΨの関係があ
る。
【0085】高い平行度Pを有する光源光を得るには、
フレネルレンズ、プリズム状アレイレンズなど各種の光
学要素を組み合わせることで達成できる。簡素な拡散板
方式のバックライトの場合の平行度Pが1、拡散板と2
枚のプリズムシートを組み合わせた場合が10程度、画
素に対応して配置したフレネルレンズなどの高機能光学
要素を用いた場合がおよそ30程度となる。
フレネルレンズ、プリズム状アレイレンズなど各種の光
学要素を組み合わせることで達成できる。簡素な拡散板
方式のバックライトの場合の平行度Pが1、拡散板と2
枚のプリズムシートを組み合わせた場合が10程度、画
素に対応して配置したフレネルレンズなどの高機能光学
要素を用いた場合がおよそ30程度となる。
【0086】本発明の光制御層は、そこを通過する光束
の指向性と一定の関係がある。少なくとも光源光の平行
度が高いほど、その作用が大きくなるという傾向を持
つ。したがって、液晶表示装置に用いる場合、バックラ
イトから出射される光源光、すなわち平面状光束の平行
度は少なくとも20以上、さらに25以上であれば、よ
り広い視野角と、高コントラスト比、画面の明るさを同
時に達成できる。一定の視野角のなかに70〜80%の
光量を集束できることがわかる。次に実施例について説
明する。
の指向性と一定の関係がある。少なくとも光源光の平行
度が高いほど、その作用が大きくなるという傾向を持
つ。したがって、液晶表示装置に用いる場合、バックラ
イトから出射される光源光、すなわち平面状光束の平行
度は少なくとも20以上、さらに25以上であれば、よ
り広い視野角と、高コントラスト比、画面の明るさを同
時に達成できる。一定の視野角のなかに70〜80%の
光量を集束できることがわかる。次に実施例について説
明する。
【0087】
【表17】
【0088】表18に液晶表示装置におけるバックライ
トの指向性と光制御層との具体的な関係をさらに説明す
る。構成例A〜Dが本発明の光制御層を併用したもので
ある。本発明の光制御層は、上述したように、指向性の
ある光源光から生成された表示光に対して用いることが
好ましい。およそ、20°以内の指向性の光源光の場合
に、より大きな効果を奏する。
トの指向性と光制御層との具体的な関係をさらに説明す
る。構成例A〜Dが本発明の光制御層を併用したもので
ある。本発明の光制御層は、上述したように、指向性の
ある光源光から生成された表示光に対して用いることが
好ましい。およそ、20°以内の指向性の光源光の場合
に、より大きな効果を奏する。
【0089】
【表18】
【0090】
(例1)本例は図1に示す構造のものであって、d1 =
37μm、d2 =5μm、t=40μm、nF =1.5
0、n1 =1.50、n2 =1.59に設定した。高分
子からなるビーズ3はアクリル系、高分子からなるビー
ズ4はアクリル系とポリスチレン系の二種混合高分子を
用い、媒体2はアクリル系の高分子を用いた。
37μm、d2 =5μm、t=40μm、nF =1.5
0、n1 =1.50、n2 =1.59に設定した。高分
子からなるビーズ3はアクリル系、高分子からなるビー
ズ4はアクリル系とポリスチレン系の二種混合高分子を
用い、媒体2はアクリル系の高分子を用いた。
【0091】STN液晶表示素子の前側位相差板(視認
側)と前側ガラス基板との間に置いて視野角を測定し
た。コントラスト比が5以上の視野角は、光制御板を設
けない場合には、左40°、右45°、上30°、下3
5°であったのに対し、本例は左58°、右50°、上
43°、下54°となった。つまり、相対的にコントラ
スト比が5以上の領域が、左右で±10°程度、上下方
向で±15°程度広がった。また、正面方向のコントラ
スト比は光制御層がない場合の50に対して、35に低
下したが、光制御層を設けない場合とほぼ同様の表示品
位で視認することができた。
側)と前側ガラス基板との間に置いて視野角を測定し
た。コントラスト比が5以上の視野角は、光制御板を設
けない場合には、左40°、右45°、上30°、下3
5°であったのに対し、本例は左58°、右50°、上
43°、下54°となった。つまり、相対的にコントラ
スト比が5以上の領域が、左右で±10°程度、上下方
向で±15°程度広がった。また、正面方向のコントラ
スト比は光制御層がない場合の50に対して、35に低
下したが、光制御層を設けない場合とほぼ同様の表示品
位で視認することができた。
【0092】本例の光制御層は以下のようにして形成し
た。まず、液状の樹脂中にビーズ3を10wt%、次
に、ビーズ4を25wt%混入し、拡散した。その後、
紫外線硬化キャスティング法を(技術情報協会発行:
「UV硬化技術」272頁を参照)を用いて、液状の樹
脂を硬化させてフィルム上に固化せしめた。この際、ロ
ールの回転と液を出す速度で膜厚の制御を行った。
た。まず、液状の樹脂中にビーズ3を10wt%、次
に、ビーズ4を25wt%混入し、拡散した。その後、
紫外線硬化キャスティング法を(技術情報協会発行:
「UV硬化技術」272頁を参照)を用いて、液状の樹
脂を硬化させてフィルム上に固化せしめた。この際、ロ
ールの回転と液を出す速度で膜厚の制御を行った。
【0093】(実施例2)図2を参照して本例を説明す
る。実施例1で用いた媒体2そのものを接着剤として用
いた。光学的に透明な基体Aと基体Bとを面状の媒体2
の表側と裏側にそれぞれ接着した。その他の構成は実施
例1と同様とした。これにより、余分な接着剤を用いず
に光制御層を形成でき、かつより薄膜化できた。また、
光制御層1は液状の樹脂中に高分子からなるビーズ3と
高分子からなるビーズ4とを混入し、拡散させるだけ
で、紫外線照射の必要はない。このため製造が容易であ
った。
る。実施例1で用いた媒体2そのものを接着剤として用
いた。光学的に透明な基体Aと基体Bとを面状の媒体2
の表側と裏側にそれぞれ接着した。その他の構成は実施
例1と同様とした。これにより、余分な接着剤を用いず
に光制御層を形成でき、かつより薄膜化できた。また、
光制御層1は液状の樹脂中に高分子からなるビーズ3と
高分子からなるビーズ4とを混入し、拡散させるだけ
で、紫外線照射の必要はない。このため製造が容易であ
った。
【0094】本例の光制御層を液晶表示素子と併用する
ことにより、正面からの視認性を損なうことなく、斜め
方向から視ても正面と同等の視認性をもつ液晶表示装置
を得た。本例では前側偏光板と前側位相差板との間に配
置した。
ことにより、正面からの視認性を損なうことなく、斜め
方向から視ても正面と同等の視認性をもつ液晶表示装置
を得た。本例では前側偏光板と前側位相差板との間に配
置した。
【0095】本例で用いた液晶表示素子は、12.1サ
イズの行同時選択方式のMLA(マルチラインアドレッ
シング駆動)方式のもので、液晶層の厚みが5.25μ
m、ガラス基板の厚みが7mm、1画素の大きさが縦3
06μm×横102μm、格子状のブラックマトリック
スの幅が20〜25μm、位相差板のリターデーション
値が430nm、Nz値が0.3、バックライトの指向
性が21°であった。
イズの行同時選択方式のMLA(マルチラインアドレッ
シング駆動)方式のもので、液晶層の厚みが5.25μ
m、ガラス基板の厚みが7mm、1画素の大きさが縦3
06μm×横102μm、格子状のブラックマトリック
スの幅が20〜25μm、位相差板のリターデーション
値が430nm、Nz値が0.3、バックライトの指向
性が21°であった。
【0096】(実施例3〜7)次の表19に各例の構成
をまとめて示す。
をまとめて示す。
【0097】
【表19】
【0098】(例8)本例では、用いるビーズの種類を
3種とした。K=3、M=1、(K−M=2)の場合に
相当する。第1のビーズ、第2のビーズ、第3のビーズ
の各パラメータをそれぞれ下添字で区別して示す。ビー
ズの直径をd1 =37μm、d2 =5μm、d3 =8μ
m、t=40μm、屈折率をnF =1.50、n1 =
1.50、n2 =1.59、n3 =1.633、濃度を
W1 =10wt%、W2 =20wt%、W3 =8wt%
に設定した。また、光制御層の厚みtを40μmとし
た。
3種とした。K=3、M=1、(K−M=2)の場合に
相当する。第1のビーズ、第2のビーズ、第3のビーズ
の各パラメータをそれぞれ下添字で区別して示す。ビー
ズの直径をd1 =37μm、d2 =5μm、d3 =8μ
m、t=40μm、屈折率をnF =1.50、n1 =
1.50、n2 =1.59、n3 =1.633、濃度を
W1 =10wt%、W2 =20wt%、W3 =8wt%
に設定した。また、光制御層の厚みtを40μmとし
た。
【0099】第1のビーズ(上述した各図面中のビーズ
3に相当する)にはアクリル系の高分子、第2のビーズ
(図面中のビーズ4に相当する)にはアクリル系とポリ
スチレン系の二種混合高分子を用いた。さらに、異なる
屈折率を有する第3のビーズにはポリスルホンを用い
た。媒体2はアクリル系の高分子を用いた。
3に相当する)にはアクリル系の高分子、第2のビーズ
(図面中のビーズ4に相当する)にはアクリル系とポリ
スチレン系の二種混合高分子を用いた。さらに、異なる
屈折率を有する第3のビーズにはポリスルホンを用い
た。媒体2はアクリル系の高分子を用いた。
【0100】そして、光制御層を液晶表示素子の前側位
相差板と前側ガラス基板との間に配置した。本例の液晶
表示装置の視野角を測定したところ、光制御板を設けな
い場合に比較してコントラスト比が5以上の領域が、左
右で±10°程度、上下方向で±15°程度広がった。
また、正面方向のコントラスト比は光制御層がない場合
の50に対して、35に低下したが、ほぼ同様の表示品
位で視認できた。
相差板と前側ガラス基板との間に配置した。本例の液晶
表示装置の視野角を測定したところ、光制御板を設けな
い場合に比較してコントラスト比が5以上の領域が、左
右で±10°程度、上下方向で±15°程度広がった。
また、正面方向のコントラスト比は光制御層がない場合
の50に対して、35に低下したが、ほぼ同様の表示品
位で視認できた。
【0101】(例9)上記の実施例1〜8の光制御層を
他の構成部材と組み合わせて透過型のスクリーン装置3
0を作成した。その状態を図4に示す。本例のスクリー
ン装置30は後方散乱が少なく、明るくコントラスト比
のよい投射画像を、広い範囲から見ることができた。本
例においても、所定の指向性のある投射画像光と組み合
わせて用いることが好適であった。
他の構成部材と組み合わせて透過型のスクリーン装置3
0を作成した。その状態を図4に示す。本例のスクリー
ン装置30は後方散乱が少なく、明るくコントラスト比
のよい投射画像を、広い範囲から見ることができた。本
例においても、所定の指向性のある投射画像光と組み合
わせて用いることが好適であった。
【0102】
【発明の効果】本発明の光制御層では、媒体中と屈折率
の異なる少なくとも二種類以上の粒状体を配置し、その
幾何学的分布に変化を持たせ、媒体と屈折率の異なる粒
状体の分布密度が高い部分を高ヘイズ率とし、一方媒体
と屈折率の異なる粒状体の分布密度が小さい部分を低ヘ
イズ率とすることができ、かつこの二つの領域の比率を
変えることができる。
の異なる少なくとも二種類以上の粒状体を配置し、その
幾何学的分布に変化を持たせ、媒体と屈折率の異なる粒
状体の分布密度が高い部分を高ヘイズ率とし、一方媒体
と屈折率の異なる粒状体の分布密度が小さい部分を低ヘ
イズ率とすることができ、かつこの二つの領域の比率を
変えることができる。
【0103】そして、本発明の光制御層は、光制御層に
垂直に入射する光の一部をほぼ拡散させずに正透過させ
ることができ、かつ残りの光制御層に垂直な光と、光制
御層に斜めから入射する光を拡散させることができる。
よって、この光制御板を液晶表示素子等へ応用すると、
正面からの視認性を損なうことなく、斜め方向からのぞ
いても正面と同等の視認性を得ることができる。
垂直に入射する光の一部をほぼ拡散させずに正透過させ
ることができ、かつ残りの光制御層に垂直な光と、光制
御層に斜めから入射する光を拡散させることができる。
よって、この光制御板を液晶表示素子等へ応用すると、
正面からの視認性を損なうことなく、斜め方向からのぞ
いても正面と同等の視認性を得ることができる。
【0104】請求項1記載の発明では、構成部材の屈折
率を調整することで所望の光学特性を獲得できた。請求
項2記載の発明では、屈折率と粒状体の外径寸法を組み
合わせて所望の光学特性を獲得できた。
率を調整することで所望の光学特性を獲得できた。請求
項2記載の発明では、屈折率と粒状体の外径寸法を組み
合わせて所望の光学特性を獲得できた。
【0105】請求項3記載の発明では、外径寸法を規定
し、媒体中での粒状体の配分確率をより安定化させ、そ
して、より均一な表示特性を得ることができた。
し、媒体中での粒状体の配分確率をより安定化させ、そ
して、より均一な表示特性を得ることができた。
【0106】請求項4記載の発明では、高品位の表示を
提供できる液晶表示装置を得た。請求項5記載の発明で
は、明るく、高コントラスト比の投射画像を表示できる
スクリーン装置を得た。
提供できる液晶表示装置を得た。請求項5記載の発明で
は、明るく、高コントラスト比の投射画像を表示できる
スクリーン装置を得た。
【0107】請求項6の発明では、光制御層の安定した
製造方法を得た。そして、大量生産が可能で、安価で均
質、かつ、平坦性の良好な大面積の光制御層を製造でき
るようになった。
製造方法を得た。そして、大量生産が可能で、安価で均
質、かつ、平坦性の良好な大面積の光制御層を製造でき
るようになった。
【0108】また、本発明はその効果を損しない範囲で
種々の応用ができる。
種々の応用ができる。
【図1】本発明の光制御層の一例における断面図。
【図2】本発明の光制御層の一例における断面図。
【図3】本発明の液晶表示装置の断面図。
【図4】本発明の光制御層を投射スクリーンに用いた状
態を示す説明図。
態を示す説明図。
【図5】比較例の作用を示す説明図。
【図6】本発明の作用を示す説明図。
【図7】本発明の液晶表示装置の画素付近を部分拡大
し、楕円状粒状体を有する光制御層を示した模式的平面
図。
し、楕円状粒状体を有する光制御層を示した模式的平面
図。
【図8】本発明の液晶表示装置の画素付近を部分拡大
し、複数の粒状体の外径を分散させた光制御層を示した
模式的平面図。
し、複数の粒状体の外径を分散させた光制御層を示した
模式的平面図。
1:光制御層 2:媒体 3、4:粒状体(ビーズ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾関 正雄 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 久保 麻子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】粒状体が面状の媒体中に配置されてなる光
制御層において、それぞれ異なる屈折率を有するK種類
(Kは2以上の整数)の粒状体が用いられ、そのうちM
種類(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒状体の各屈折率
ni (1≦i≦M、iは整数)と、(K−M)種類の粒
状体の各屈折率nj (M+1≦j≦K、jは整数)と、
厚みがtである媒体の屈折率nF とが、|ni −nF |
≦s、u≦|nj −nF |、および、0.00≦s<u
≦0.15を満足することを特徴とする光制御層。 - 【請求項2】粒状体が面状の媒体中に配置されてなる光
制御層において、それぞれ異なる屈折率を有する2種類
の粒状体Ri とRj が少なくとも用いられ、Ri の屈折
率をni 、Rj の屈折率をnj 、媒体の屈折率をnF 、
Ri の外径をdi 、Rj の外径をdj 、媒体の厚みをt
とすると、|ni −nF |≦s、u≦|nj −nF |、
u−s≧0.05、di ≧t/3、dj ≦2・t/3、
および、di >dj を満足することを特徴とする光制御
層。 - 【請求項3】M種類の粒状体のうちの最大の外径をd
M・max 、(K−M)種類の粒状体のうちの最小の外径を
d(K-M)・min とすると、t>dM・max 、かつ、dM・max
+d(K-M)・min ≧tを満足することを特徴とする請求項
1または2記載の光制御層。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載の光制御層が備
えられたことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項5】請求項1、2または3記載の光制御層が備
えられたことを特徴とするスクリーン装置。 - 【請求項6】粒状体を媒体中に配置する光制御層の形成
方法において、それぞれ異なる屈折率を有するK種類
(Kは2以上の整数)の粒状体を準備し、そのうちM種
類(1≦M≦K−1、Mは整数)の粒状体の各屈折率n
i (1≦i≦M、iは整数)と、(K−M)種類の粒状
体の各屈折率nj (M+1≦j≦K、jは整数)と、媒
体の屈折率nF とを、|ni −nF |<|nj −nF |
の関係を満足するように選択し、あらかじめK種類の粒
状体を混合することを特徴とする光制御層の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9100578A JPH10293203A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 光制御層、その形成方法、および応用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9100578A JPH10293203A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 光制御層、その形成方法、および応用装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10293203A true JPH10293203A (ja) | 1998-11-04 |
Family
ID=14277783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9100578A Pending JPH10293203A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 光制御層、その形成方法、および応用装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10293203A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004198978A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Keiwa Inc | プラズマディスプレイパネル用輝度向上シート及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル装置 |
KR20070063116A (ko) * | 2005-12-14 | 2007-06-19 | 에스케이씨 주식회사 | 투사형 스크린 |
JP2009145842A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-02 | Toppan Printing Co Ltd | 光拡散板、光学シート、バックライトユニットおよびディスプレイ装置 |
JP2011512561A (ja) * | 2008-02-15 | 2011-04-21 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ディスプレイの改善された照明均一性のための輝度向上フィルム及びフィルムベースの拡散体 |
JP4885839B2 (ja) * | 2005-02-21 | 2012-02-29 | 富士フイルム株式会社 | 拡散フィルムの設計方法及び製造方法並びにそれにより得られる拡散フィルム |
US8970108B2 (en) | 2012-05-31 | 2015-03-03 | Samsung Display Co., Ltd. | Organic light emitting display apparatus and method of manufacturing the same |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP9100578A patent/JPH10293203A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004198978A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Keiwa Inc | プラズマディスプレイパネル用輝度向上シート及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル装置 |
JP4885839B2 (ja) * | 2005-02-21 | 2012-02-29 | 富士フイルム株式会社 | 拡散フィルムの設計方法及び製造方法並びにそれにより得られる拡散フィルム |
KR20070063116A (ko) * | 2005-12-14 | 2007-06-19 | 에스케이씨 주식회사 | 투사형 스크린 |
JP2009145842A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-02 | Toppan Printing Co Ltd | 光拡散板、光学シート、バックライトユニットおよびディスプレイ装置 |
JP2011512561A (ja) * | 2008-02-15 | 2011-04-21 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ディスプレイの改善された照明均一性のための輝度向上フィルム及びフィルムベースの拡散体 |
US8970108B2 (en) | 2012-05-31 | 2015-03-03 | Samsung Display Co., Ltd. | Organic light emitting display apparatus and method of manufacturing the same |
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