JPH09197106A - マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶表示装置

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JPH09197106A
JPH09197106A JP8004953A JP495396A JPH09197106A JP H09197106 A JPH09197106 A JP H09197106A JP 8004953 A JP8004953 A JP 8004953A JP 495396 A JP495396 A JP 495396A JP H09197106 A JPH09197106 A JP H09197106A
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JP
Japan
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material layer
liquid crystal
array sheet
unit lens
light
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JP8004953A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Tomoko Mikami
友子 三上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画質の優れたマイクロレンズアレイシートを得
る。特に、従来の液晶表示装置が持っていた視野角が狭
いという欠点を、画質を維持しながら解消する異のでき
るマイクロレンズアレイシートを得る。 【解決手段】第1物質層と、該第1物質層より屈折率の
小さな第2物質層の界面を凹凸形状とすることによって
光学的に凸形状の単位レンズが周期的に配列され、各々
の単位レンズ凸面と隣接する凸面の間に、凸部分に連続
した単位レンズ周期の20%未満の幅の凹部分を設けた
マイクロレンズアレイシート。また、それを観察面に装
着した液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズア
レイシートおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】凸レンズ、凹レンズなどの微小単位レン
ズを面状に配列したマイクロレンズアレイは、液晶表示
装置、光結合光学素子、画像入力装置などへの応用が期
待され、研究が進められている。
【0003】マイクロレンズアレイは、大別して2種の
形態がある。1つは、微細加工技術によって面状基板上
などに制御された凹凸形状単位(微小単位レンズ)を配
列形成したものであり、もう1つは、平面状基板中の任
意の微小単位部分に屈折率の分布を持たせた、いわゆる
平板マイクロレンズアレイである。
【0004】液晶表示装置は、液晶分子の電気光学効
果、すなわち光学異方性(屈折率異方性)、配向性、流
動性および誘電異方性などを利用し、任意の表示単位に
電界印加あるいは通電して液晶の配向状態を変化させる
ことによって光線透過率や反射率を変化させる液晶光シ
ャッタの配列体を用いて表示された画像を観察するもの
であり、パソコン、ワープロ、テレビ受像機、携帯電子
機器、ゲーム機、車載用情報表示装置、各種情報表示装
置として広く使われている。
【0005】液晶表示装置の表示原理として、約90度
ねじられたネマチック液晶層に印加する電圧を制御し
て、液晶層の旋光性の変化を偏光素子と組み合わせて表
示を行うツイステッドネマチック液晶が、その表示性能
の高さから広く用いられている。
【0006】しかし、液晶表示装置には観察方向によっ
て表示品位が変化する視角依存性があり、特にツイステ
ッドネマチック液晶の場合、表示明暗が反転したり、色
調が変化するといった問題、すなわち視野角が狭いとい
う欠点があった。
【0007】この欠点に対して、マイクロレンズアレイ
シート等の光学素子を液晶表示装置観察面に設けること
によって解消することが特開平5−249453等で提
案されている。
【0008】特開平6−27455において、マイクロ
レンズアレイシートの凹凸面を連続面とすることによ
り、液晶表示装置としたときに良好な表示品位を得るこ
とが提案されている。
【0009】特開平6−27454において、マイクロ
レンズアレイシートの単位レンズに遮光層を組み合わせ
ることによって、室内照明や日中の屋外などの表示装置
周囲光(以下、単に「外光」という)が表示装置に入射
する場合でも、マイクロレンズアレイシートでの反射を
抑えて良好な表示品位を得る方法が提案されている。
【0010】また遮光層の断面形状を立体的なものとす
ることが特開平7−72809で提案されている。
【0011】一方、レンチキュラーレンズシートが背面
投写型表示装置の観察スクリーンとして有用であること
が知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のマ
イクロレンズアレイシートには、液晶セルの観察面に装
着した場合など、画像を透過させて観察しようとしたと
きに画像がややぼけて観察されたり、あるいはコントラ
ストが低下するなど、画質を低下させることがあった。
【0013】この現象は、特に単位レンズ配列周期が3
00μm以下と言った微細なレンズアレイであったり、
また最大の屈折角が30度以上といった大きな視野角拡
大効果を発揮するレンズアレイで強く発生することがあ
った。
【0014】また、外光反射を抑止するために遮光層を
設けると、外光の反射だけでなく画像光をも遮断してし
まい効率が大きく低下することがあった。
【0015】よって、本発明は上記の欠点を解消し、画
質の劣化を招かず、特に遮光層との組み合わせでも効率
の低下が抑えることができるマイクロレンズアレイシー
トを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため以下の構成としたものである。
【0017】まず、マイクロレンズアレイシートとし
て、第1物質層と該第1物質層より屈折率の小さな第2
物質層が平行な2つの平面に挟まれ、該第1物質層と該
第2物質層の界面を凹凸形状とすることによって光学的
に凸形状の単位レンズが周期的に配列された層を有する
マイクロレンズアレイシートであって、各々の単位レン
ズ凸面と隣接する単位レンズの凸面を、単位レンズ周期
の20%未満の幅の凹部分によって連続した1つの面を
形成したものである。
【0018】また、液晶表示装置として、上記のマイク
ロレンズアレイシートを、該マイクロレンズアレイシー
トの第1物質層側を観察面側、第2物質層側を液晶セル
側にして、液晶セル観察面に装着した液晶表示装置とし
たものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に於いて、液晶表示装置と
は液晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折
率異方性)、配向性、流動性および誘電異方性などを利
用し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶
の配向状態を変化させることによって光線透過率や反射
率を変化させる光シャッタの配列体である液晶セルを用
いて表示を行うものをいう。さらにここでは、該液晶セ
ルに表示される表示像を直接観察する形式の、いわゆる
直視型液晶表示装置のことを言うものとする。
【0020】また、本発明に於いて背面投写型表示装置
とは、CRT(陰極線管)や液晶セル等によって生成し
た画像を表示スクリーンに拡大投影した画像光を、該ス
クリーンを通して観察するものである。
【0021】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
第1物質層と、第1物質層より屈折率の小さい第2物質
層を有している。両物質は実質的に無色透明であること
が好ましいが、用途や液晶表示装置の表示品位を向上さ
せるために着色せしめることもできる。第1物質として
は、加工性や取扱性などの点で透明プラスティック材料
が好ましく用いられるが、第2物質としては、このよう
な透明プラスティックの他に空気などの気体、水などの
液体を用いることもできる。
【0022】該第1物質と第2物質の屈折率差は0.2
以上、さらには0.3以上であることが大きな視野角拡
大効果を得やすい点で好ましい。
【0023】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
該第1物質層と該第2物質層の界面(以下、単に「凹凸
面」と言うことがある)を、周期的な凹凸形状とするこ
とによって単位レンズが周期的に配列されたマイクロレ
ンズアレイシートである。
【0024】凹凸面の形状としては、レンチキュラーレ
ンズのように円弧などの曲線を平行移動させた軌跡で示
される曲面を一方向に配列した1次元レンズアレイシー
トと、矩型、三角形、六角形などの低面をもつドーム状
の曲面を縦横に配列した2次元レンズアレイシートがあ
る。また、種々の角度を持つ平面が組み合わされた多面
体形状をしたものもある。
【0025】本発明は、これらのいずれの形状も選択す
ることができるが、本発明のマイクロレンズアレイシー
トを構成する単位レンズは光学的に凸形状であること、
すなわち単位レンズの凹凸面形状は高屈折率物質である
第1物質層側の単位レンズ配列面と凹凸面上のある点で
の接面とのなす角度が大きくなるほど、凹凸面は第1物
質層側の単位レンズ配列面の近くに位置するような形状
(以下、単に「凸面」ということがある)としている。
【0026】ここで、単位レンズ配列面とは、第1物質
層と第2物質層の界面である凹凸面の基準となる面のこ
とをいい、幾何学的な定義としては、凹凸面と交わら
ず、かつ凹凸面に接する平面のうち本発明のマイクロレ
ンズアレイシートが装着される液晶セルの表面に平行な
面のことをいうものとする。
【0027】さらに、第1物質層側の単位レンズ配列面
とは、凹凸面の両側にある2つの単位レンズ配列面のう
ち、第1物質層側にある単位レンズ配列面のことをい
う。
【0028】ただし、実施上の単位レンズ配列面は実際
の製造方法の制限等から厳密に上記の幾何学的に定義さ
れる位置だけでなく、単位レンズ配列周期の1/2を超
えない範囲で凹凸面から乖離していても良い。
【0029】また、第2物質として空気を用いる場合に
は第2物質層側単位レンズ配列面は、凹凸面に交わらず
第1物質層側単位レンズ配列面に平行な大気中の仮想平
面となる。
【0030】このような形状にすることによって、透過
画像を広い視角方向から観察できるようになるととも
に、遮光層と組み合わせたときに効率の低下が最小限に
抑えられる。
【0031】ただし、本発明のマイクロレンズアレイシ
ートは、このような光学的に凸形状の単位レンズを配列
したものであるが、単位レンズの凸形状部分と隣接する
凸形状部分の間には、単位レンズ配列周期の20%未満
の幅で凹形状部分が設けられており、単位レンズ凸面と
隣接する単位レンズの凸面が1つの連続面となるように
したものである。
【0032】ここで、凹形状部分とは、凸形状とは反対
の性質を持つ面を言い、高屈折率物質である第1物質層
側の単位レンズ配列面と凹凸面上のある点での接面との
なす角度が大きくなるほど、凹凸面は第1物質層側の単
位レンズ配列面の近くに位置するような形状(以下、単
に「凹面」ということがある)をいう。
【0033】なお、凹凸面が不連続にならない範囲で、
単位レンズ配列面に平行な面(以下、単に「平坦面」と
いうことがある)が凸面部分の頂部、あるいは凹面部分
の底部に存在することも許される。
【0034】ここで、「凹凸面が不連続にならない範
囲」とは、2つの面が交差しているときに、その2つの
面がなす角度が0度ないし20度の範囲にあることをい
う。幾何学的には、2つの面が0度より大きな角度を持
って交差している場合に不連続となるが、20度以下で
あればマイクロレンズアレイシートの場合には特性面か
ら実質的に連続していると見なすことができる。
【0035】また、「単位レンズ配列周期の20%未満
の幅」とは、マイクロレンズアレイシートを単位レンズ
配列方向に最も凹凸深さが大きくなる面で切断したとき
の凹凸面断面形状に於いて、凹部底部の平坦部分を含む
凹面部分の幅が、凹凸周期の20%未満であることを言
う。
【0036】凹面部分の幅が20%以上であると、特に
後述する遮光層を設けたマイクロレンズアレイシートに
おいて、光線利用効率が著しく低下してしまう。
【0037】このような形状とすることによって、マイ
クロレンズアレイシートを通して画像を観察したときに
画質の劣化を抑えることができるようになる。
【0038】この理由は定かではないが凸面のみを配列
したマイクロレンズアレイシートにおいては、凸面と隣
接する凸面の間に不連続点あるいは不連続線ができ、該
不連続点(あるいは不連続線)に於いてマイクロレンズ
アレイシートに入射した光線が無秩序に発散することに
よってマイクロレンズアレイシート内部を種々の方向に
進行する迷光となり、画質劣化を招いていたものと思わ
れる。
【0039】凹凸面に占める凹部分領域の比率は、マイ
クロレンズアレイシートの光透過効率の点から、5%未
満であることが好ましい。しかし、凹部分の幅が1μm
未満になると迷光が発生しやすく、また製造上のばらつ
きを考慮して2μm以上とすることが好ましい場合もあ
る。
【0040】また、本発明のマイクロレンズアレイシー
トは、単位レンズ配列ピッチが300μm以下、特に1
00μm以下といった高精細マイクロレンズアレイシー
トの場合に効果が大きい。これは、一般に比較的配列周
期の大きなレンズアレイシートにおいては内部を進行す
る種々の迷光の光路長が大きいため、画質に与える影響
が小さくなるためと考えられる。
【0041】凹凸面に占める凹部分領域が20%未満で
あるようなマイクロレンズアレイシートを得る方法とし
ては、あらかじめ求める形状が刻印された金型を用いる
方法や、光あるいは電子線等の硬化エネルギー線によっ
て硬化する樹脂組成物層の求める部分のみに選択的に硬
化エネルギー線を照射して硬化せしめ、不要部分を溶解
除去する方法などが挙げられる。
【0042】特に単位レンズ配列ピッチが300μm以
下、特に100μm以下といった高精細マイクロレンズ
アレイシートの場合には、後者の方法が好ましく用いら
れ、さらに後述する遮光層が組み合わされる場合には、
該遮光層を基板上に設けた後その上に紫外線硬化性樹脂
組成物層を設け、遮光層側から紫外線を照射して紫外線
硬化性樹脂組成物層の求める部分のみを硬化せしめる方
法が好ましく用いられる。
【0043】このとき紫外線硬化性樹脂組成物層の求め
る部分のみを硬化せしめるために、遮光層と紫外線硬化
性樹脂組成物層の間に平坦な中間層を設ける方法や、遮
光層および該中間層の光線透過特性を制御する方法、紫
外線硬化性樹脂組成物層の硬化特性を制御する方法、露
光光の拡散度を制御する方法などが適宜組み合わされる
ことも好ましい。
【0044】本発明のマイクロレンズアレイシートの特
徴が最も発揮されるのは、液晶セルに装着したとき大き
な視野角拡大効果が得られるマイクロレンズアレイシー
トとしたとき、すなわち単位レンズの最大最終屈折角が
30度以上、さらには40度以上の場合である。
【0045】ここで単位レンズの最大最終屈折角とは、
凹凸面上のある点の接面とレンズ配列面のなす角のうち
広くない方の角をαとし、αが最大値αmaxとなる界
面上の点を点Aとするとき、第2物質層側単位レンズ配
列面法線方向からマイクロレンズアレイシートに入射し
て点Aに到達した光線が第1物質層を透過して第1物質
層側の表面から大気中に出射したときの進行方向と単位
レンズ配列面法線方向のなす角として定義される。
【0046】このように大きな最大最終屈折角を持つマ
イクロレンズアレイシートは、第1物質層側単位レンズ
配列面の法線方向から見たときに、凹凸面に臨界反射角
を超える領域が存在することが多い。
【0047】マイクロレンズアレイシートの凹凸面に、
臨界反射角を超える領域が存在する場合、それぞれの単
位レンズに遮光層が配設されることが好ましい。
【0048】ここで、「臨界反射角を超える領域」とは
マイクロレンズアレイシートの第1物質層側から入射
し、第1物質層内を単位レンズ配列面の法線方向と平行
に進行してきた光線が凹凸面に到達したとき、その光線
の進行方向と凹凸面の法線のなす角が、第1物質と第2
物質の屈折率差に基づく臨界反射角を超える領域をい
う。
【0049】さらにここで臨界反射角θcとは下記
(1)式で与えられる。
【0050】 sin(θc)=n2/n1 ・・・・・・(1) ここでn2は低屈折率物質(第2物質層)の屈折率、n
1は高屈折率物質(第1物質層)の屈折率を示す。
【0051】これによって、マイクロレンズアレイシー
ト内部の迷光のみならず、観察者周囲の外光によって画
質が劣化することをも抑えることができる。
【0052】ここで「遮光層」とは、そこを通過しよう
とする光線を吸収および/または反射させる機能をもつ
ものをいい、液晶表示装置としたときの外観の点から可
視光を吸収するものであることが好ましい。
【0053】このような遮光層は、金属膜およびその酸
化物、顔料や染料を添加した樹脂組成物等の公知の材質
によって構成することができるが、これらのうち顔料や
染料を添加した樹脂組成物によって構成されることが液
晶表示装置としたときの外観の点から可視光を吸収する
ものであることが好ましい。
【0054】また遮光層の色調としては実質的に黒色で
あることが好ましい。このような色調を得るためにはカ
ーボンブラック、チタンブラック等の顔料、あるいは黒
色染料等を樹脂組成物へ添加したものが好ましく用いら
れる。さらにここで染料を用いる場合には耐光性などの
点から日光堅牢度が5以上の黒色染料を使用することが
好ましく、さらには分散性、溶解性、汎用性などの点か
らアゾ系の黒色染料を使用するのが最も好ましい。
【0055】遮光層の形状としては、平たい膜状や特開
平7−72809に示された立体形状のものなど、いず
れも用いることができる。
【0056】該遮光層の遮光能としては、組み合わされ
る液晶セルからの光束の効率的活用の点から遮光帯全体
の平均で示して視感度補正後の可視光平均透過率で示し
て0.5%以上であることが好ましく、また外光反射抑
制の点から同じく20%以下、さらに好ましくは10%
以下であることが好ましい。
【0057】該遮光層は凹凸面より第1物質層側に設け
られる。遮光層断面が平膜状でなく三角形や逆さT字形
など立体的な異形断面である場合には、該遮光層の一部
が凹凸面と接していたり、第2物質層側に突出してるこ
とも許されるが、少なくとも最も幅の広い部分は第1物
質層側にあることが好ましく、遮光層と凹凸面は接して
いないことが好ましい。
【0058】遮光層の配設位置は上記の条件(1)から
条件(3)を満足することが好ましい。順次これらの要
件について説明する。
【0059】(1)マイクロレンズアレイシートを第1
物質層側単位レンズ配列面の法線方向から見たときに、
凹凸面の臨界反射角を超える領域および上記凹面の領域
が連続した遮光層で覆われていること。
【0060】(2)遮光層の端部は、単位レンズ配列面
の法線方向に平行で第2物質層側から入射する光線であ
って単位レンズの縁端部またはその近傍で最も大きく屈
折される2つの光線の交点より凹凸面側にあること。
【0061】(3)単位レンズ配列面の法線方向に平行
で第2物質層側から入射する光線のうち単位レンズの凹
凸面に於ける屈折が20度以下の光線は遮光層を通過し
ないこと。
【0062】まず条件(1)はマイクロレンズアレイシ
ートを第1物質層側単位レンズ配列面の法線方向から見
たときに、凹凸面の臨界反射角を超える領域および上記
凹部分の領域が連続した遮光層で覆われているものであ
る。
【0063】本発明のマイクロレンズアレイシートの凹
凸面は、大部分の凸面の領域と、凸面領域間に設けられ
た凹面領域を有するものなので、「第1物質層側単位レ
ンズ配列面の法線方向から見たときに、凹凸面の臨界反
射角を超える領域」は、凸面領域の周辺部分および凹面
領域の周辺部分に相当し、当該領域と凹面領域は一部重
複し連続したものとなる。
【0064】次の条件(2)は、遮光層の端部が、単位
レンズ配列面の法線方向に平行で第2物質層側から入射
する光線であって単位レンズの縁端部またはその近傍で
最も大きく屈折される2つの光線の交点より凹凸面側に
あるものである。
【0065】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
光学的に凸形状の単位レンズが配列されたものであるか
ら単位レンズの縁端部近傍に凹凸の傾斜が最も強い点が
あり、単位レンズ配列面の法線方向に平行で第2物質層
側から入射する光線は、この点で最も大きく屈折され
る。(以下、この「最も大きく屈折する光線」を「最大
屈折光線」という) このとき最大屈折光線は、凹凸面を通過した後、それぞ
れ単位レンズの中心線に向かって進行し、ある点Pで交
差する。
【0066】本発明のマイクロレンズアレイシートの遮
光層の端部は、この交点Pより凹凸面側にあることが好
ましい。さらに好ましくは遮光層全体が交点Pより凹凸
面側にあることである。
【0067】ここで「交点Pより凹凸面側にある」と
は、交点Pを含み単位レンズ配列面に平行な平面と凹凸
面に挟まれる空間にあることをいう。
【0068】この条件(1)と条件(2)を満足するこ
とによって、外光反射を抑えるという遮光層の機能を達
成することができる。
【0069】なお単位レンズが対称性の場合には、一方
の縁端部の最大屈折光線が凹凸面で屈折する角度と他方
の縁端部で屈折する角度は同じ値になり、交点Pは単位
レンズの中心線上にあるが、単位レンズが非対称の場合
は、一方の縁端部の最大屈折光線の屈折する角度と他方
の屈折する角度が異なる場合があり、この場合、交点P
は単位レンズの中心線とは一致しない。
【0070】条件(3)は、単位レンズ配列面の法線方
向に平行で第2物質層側から入射する光線のうち単位レ
ンズの凹凸面に於ける屈折が20度以下の光線は遮光層
を通過しないことである。
【0071】上述したように、単位レンズ配列面の法線
方向に平行で第2物質層側から入射する光線は、凹凸面
に達すると第1物質と第2物質の屈折率と凹凸面の傾き
に応じて屈折して第2物質に進行する。
【0072】このとき、凹凸面において屈折する角度は
凹凸面の形状に応じて0度から数十度の種々の光線があ
る。これらの光線のうち、20度以下で屈折する光線、
観念的に言い換えれば凹凸面上の単位レンズの縁端部付
近を除く部分を通過した光線群が第2物質を進行すると
きに遮光層に到達しないような位置に遮光層を配するこ
とを意味する。
【0073】この条件(3)を満足することによって、
大きな視野角拡大効果が得られる単位レンズを採用しな
がら効率の良いマイクロレンズアレイシートとすること
ができる。
【0074】条件(3)のさらに好ましい範囲は単位レ
ンズ配列面の法線方向に平行で第2物質層側から入射す
る光線のうち単位レンズの凹凸面に於ける屈折が25度
以下の光線は遮光層を通過しないことである。これによ
り、単位レンズの配列方向に於いて液晶表示装置の視角
依存性を事実上、完全に解消することができる。
【0075】上記、条件(1)から条件(3)は、レン
ズの形状によってはすべてを満足することができなくな
る場合もあるので、単位レンズ形状およびそれを構成す
る物質の屈折率を勘案して設計される必要がある。
【0076】遮光層はマイクロレンズアレイシート内部
に埋設されたものであることが、上記条件1から条件3
を満足しながらマイクロレンズアレイシートの機械的強
度を大きくすることができ、取り扱い性に優れたものと
なる点で好ましい。このためには、第1物質層内部に遮
光層を埋め込む方法と、別に用意された透明基板上に遮
光層/第1物質層/第2物質層を形成する方法がある。
【0077】本発明のマイクロレンズアレイシートの、
液晶表示装置に装着した際に観察面表面となる面、例え
ば図1に示した構成の場合の透明プラスティック基板4
の、遮光層7が設けられた面6の反対の面には、必要に
応じて、従来の液晶表示装置の観察面表面になされてい
るような、表面硬度化処理や反射防止処理、防眩(ノン
グレア)処理、あるいは帯電防止処理などを施すことが
できる。
【0078】また、マイクロレンズアレイシートを液晶
セルに装着しやすくするために、第2物質層もしくは、
第2物質層を貫通した第1物質層の凸部分頂部を粘着性
もしくは接着性を持つ物質で形成したり、第2物質の表
面もしくは第1物質層の凸部分頂部に粘着性もしくは接
着性を持つ物質層を追加することもできる。
【0079】第2物質として空気を用いる場合、第1物
質凸部分頂部で他の平面基材と接着することが好まし
い。ここで、「他の平面基材」とは、別に用意されたプ
ラスティックフィルム等の透明基板や、液晶セル観察面
の偏光板表面などがある。
【0080】さらにこの場合、第1物質凸部分が他の平
面基材に接触する面積は、マイクロレンズアレイシート
全体の面積に対して20%以下とすることが、装着後の
光学特性の点から好ましい。
【0081】本発明のマイクロレンズアレイシートは透
明なシートまたはフィルムを基板として作成されること
もできる。このとき、取り扱い性や液晶表示装置とした
ときの耐衝撃性の点から可撓性プラスティックフィルム
を基板とすることが好ましい。このようなプラスティッ
クフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィ
ルム、ポリスルフォンフィルム、アクリル樹脂フィルム
等が好ましく用いられる。
【0082】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
以下に詳しく述べる液晶表示装置のみならず、背面投写
型表示装置のスクリーンや光線を一方へのみ透過させる
機能を用いた種々の装置に用いることもできる。
【0083】本発明の液晶表示装置(以下、LCDと言
うことがある)は、上述した本発明のマイクロレンズア
レイシートを用いた視野角が拡大された液晶表示装置で
ある。すなわち、液晶分子の電気光学効果によって光学
特性を変化させる光シャッターを配列した液晶セルによ
って任意の画像を表示する液晶表示装置であって、該液
晶表示装置は液晶セルより観察面側に、上述した本発明
の液晶表示装置用マイクロレンズアレイシートの第1物
質層側を観察面側に、第2物質層側を液晶セル側になる
ようにして設けられていることを特徴とする液晶表示装
置としたものである。
【0084】ここで液晶セルとは、液晶分子の電気光学
効果、すなわち屈折率および誘電率異方性を持つ液晶分
子に電界印加あるいは通電することによって液晶分子の
配向状態を変化させたときに生じる光学的性質の差を利
用して光線透過率を制御する光シャッタ機構を配列した
ものを言う。
【0085】光シャッタ機構の様式を例示するなら、ダ
イナミックスキャッタリングモード(DS)、ゲストホ
ストモード(GH)、相転移モード、ツイステッドネマ
チックモード(TN)、強誘電性モード、スーパーツイ
ステッドネマチックモード(STN)、ポリマー分散モ
ード、ホメオトロピックモードなどがある。
【0086】また、液晶セルの各表示単位を駆動する方
式として、各表示単位を独立して駆動するセグメント駆
動、各表示単位を時分割駆動する単純マトリックス駆
動、各表示単位にトランジスタ、ダイオード、プラズマ
ガス室などの能動素子を配したアクティブマトリックス
駆動などがある。
【0087】LCDを観察する方式として、LCDの背
面に光反射能を有する反射層を設け、LCD前面から入
射した光を反射させて観察する反射型と、LCD背面に
光源を設けて光源から出射された光をLCDを透過させ
て観察する透過型LCDがある。また、両者を兼用する
ものもある。
【0088】本発明の液晶表示装置は、上記のようない
くつかの表示様式、駆動方式、観察方式を求める特性に
あわせて適宜組み合わせて構成することができるが、こ
れらのうち特に、透過型単純マトリックス駆動スーパー
ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマト
リックス駆動ツイステッドネマチックモード、反射型単
純マトリックス駆動スーパーツイステッドネマチックモ
ードの液晶表示装置とき本発明の効果が大きく、さらに
透過型単純マトリックス駆動スーパーツイステッドネマ
チックモード、透過型アクティブマトリックス駆動ツイ
ステッドネマチックモードの液晶セルのとき効果が大き
い。
【0089】液晶セルの観察面側に先に述べた本発明の
マイクロレンズアレイシートを設けることによって、従
来の液晶表示装置の表示品位を殆ど低下させることな
く、視野角が狭いという欠点を効率よく解消することが
できる。
【0090】一般に液晶セルの視野角特性、すなわち観
察方向による表示品位の変化は、観察方向とセル観察面
の法線方向がなす角度が一定であっても、観察方向が該
法線を軸として回転することによっても発生する。すな
わち、セルの正面から観察方向を移動する方向によって
(表示面に対した時の左方向、右方向、上方向、下方向
など)、視野角は異なるのが一般的である。あるいは、
液晶表示装置の使用目的によっては左右方向の視野角を
拡大したいなど優先的に一方向の視野角を拡大すべき場
合もある。このような場合、マイクロレンズアレイシー
トのレンズの機能を、液晶セルの各方向の視野角特性、
あるいは求める視野角拡大方向について、各方向によっ
て異なる特性を持たせることによって、さらに高い表示
品位を持つ液晶表示装置とすることができる。
【0091】すなわち、上下方向あるいは左右方向など
一方向だけの視野角特性を拡大したい場合は、1次元レ
ンズアレイシートを用い、単位レンズの配列方向を視野
角を拡大したい方向に一致させて装着することによって
達成できる。また、2方向の視野角特性を拡大したい時
は、2枚の1次元レンズアレイシートの単位レンズ配列
方向に角度を持たせて重ね合わせる方法、2次元レンズ
アレイシートを用いる方法などがあるが、それぞれの方
向の視野角を拡大したい程度にあわせてレンズ形状を制
御して設計することができる。
【0092】本発明の液晶表示装置に於いて、単位レン
ズの形状、配列方向、液晶セルへの装着方向の好ましい
関係は、該マイクロレンズアレイシートを筋状の単位レ
ンズを一方向に配列した1次元マイクロレンズアレイと
し、その単位レンズ配列方向を該液晶セルの液晶配向方
向と一致させるものである。これにより事実上、全方向
での視野角の問題が解消される。
【0093】ここで「液晶セルの液晶配向方向」とは、
電圧を印加していない液晶セルを観察面法線方向から観
察したときの、各液晶分子の長軸配向方向を平均した方
向である。この方向は、ツイステッドネマチック液晶の
場合、2つの基板に挟まれた液晶層の、両基板から等距
離にある液晶分子の平均配向方向と一致する。
【0094】またここで、「一致させる」とは、実際の
実施に当たっては幾何学的に定義される唯一無二の方向
に正確に一致させる必要はなく、±10度のずれは許容
される。この方法は、特に液晶セルがツイステッドネマ
チック液晶を用いたものであるときに効果が大きい。
【0095】本発明のLCDに用いられる、レンズアレ
イシートの単位レンズの大きさと位置は、液晶セルの表
示単位の大きさによって選ぶことができる。液晶表示装
置がドットマトリクス方式である場合、1つの表示単位
と単位レンズの対応関係には2つの好ましい態様があ
る。ひとつは、液晶セルの1表示単位にそれぞれ1つの
単位レンズが正確に対応しているもので、もうひとつは
1表示単位に対して、平均して2つ以上のレンズが対応
しているものである。
【0096】これによって、レンズアレイシートの単位
レンズ配列ピッチとセルの表示単位ピッチの干渉による
モアレの発生を抑えることができる。これらのうち後者
の態様が、精密な位置合わせが不要であり、かつ何種類
かのドットサイズを持つセルに対して同一のマイクロレ
ンズアレイシートが使えるようになることから生産性が
向上する点で好ましい。さらに好ましくは1ドットに対
して4つ以上の単位レンズが対応しているこのが好まし
く、さらには1表示単位に対して8つ以上の単位レンズ
が対応していることが好ましい。ここで、1表示単位に
対する単位レンズの個数nの定義は1次元レンズアレイ
シートの場合は下記(2)式で、2次元レンズアレイシ
ートの場合は下記(3)式で定義される。
【0097】 n=N/(L/l) ・・・・・・(2) n=N/(A/a) ・・・・・・(3) ここで、NはLCD表示面上にある単位レンズの総数、
Lは液晶セルの1次元MLA単位レンズ配列方向の長
さ、lは液晶セルの1表示単位のうち表示に寄与する部
分のレンズ配列方向の長さ、AはLCD表示面の面積、
aは液晶セルの1表示単位のうち表示に寄与する部分の
面積である。これらの式は、LCD表示面の配線スペー
スなどの表示には直接寄与しない部分を除いた表示単位
部分に対応しているレンズの、平均の個数を示すもので
ある。
【0098】本発明のLCDに於いて、マイクロレンズ
アレイシートは解像度やコントラストなどの表示品位の
低下がない点で、液晶セルにできるだけ接近させて装着
することが好ましい。具体的にいうと、セル表面とレン
ズアレイシートの凹凸面の最も接近した点に於ける距離
で示して、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは
0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下である。
【0099】マイクロレンズアレイシートを液晶セルに
装着する方法は特に問われないが、マイクロレンズアレ
イシートの第2物質層もしくは、第2物質層を貫通した
第1物質層の凸部分頂部を粘着性もしくは接着性を持つ
物質で形成する、あるいは、第2物質の表面もしくは第
1物質層の凸部分頂部に粘着性もしくは接着性を持つ物
質層を追加しておき、該粘着性もしくは接着性を利用し
て液晶セルに装着する方法が好ましく用いられる。
【0100】本発明のLCDは、背面光源を有する透過
型LCDとするときには、該背面光源として、液晶セル
の有効視野角範囲に該背面光源から出射される全光束の
80%以上を出射する背面光源を用いることが好まし
い。
【0101】ここで液晶セルの有効視野角範囲とは、液
晶セルを観察した時に良好な表示品位が得られる視野角
範囲のことを言い、ここでは最良の表示品位が得られる
観察方向での最大のコントラスト比に対して、1/5の
コントラスト比が得られる観察方向の範囲とする。
【0102】このような指向性を持つ背面光源とするこ
とによって得られる効果は二つあり、一つは蛍光管など
の光源体から出射される光束が有効に利用できる点であ
る。すなわち本発明の液晶表示装置は、レンズアレイシ
ートの個々の単位レンズによって、液晶セルの表示品位
の悪い方向に透過してきた光束を屈折させて観察に影響
がでないようにすると同時に、良好な表示を示す方向に
透過してきた光束を、種々の方向から観察できるように
しているので、従来より一般的に用いられている指向性
のない背面光源では表示面の法線方向に対し大きな角度
で出射された光束は利用していない。そこで、背面光源
からの出射光束に指向性をもたせることによって、光源
から出射される光束を有効に利用できることになる。
【0103】さらに、もう一つの効果は表示画像のにじ
みを防止することができる点である。本発明の液晶表示
装置は観察面にレンズアレイシートを装着しており、そ
れはできるだけ液晶セルに近接させて設けられることが
好ましいものであるが、液晶セルの液晶層の表示単位と
レンズアレイシートの凹凸面の間には一般に液晶を封入
するための基板や偏光素子の厚みに相当する距離がある
ため、充分に近接させることができないことが多い。こ
のため、液晶セルの1つの表示単位を透過した光束は、
該表示単位部分に相当する単位レンズ部分だけでなく、
やや離れた位置にある単位レンズにも達し、単位レンズ
の効果で液晶セルの1つの表示単位の輪郭が、ぼやけな
がら大きくなったように観察されるため表示画像がにじ
んだように観察される。これに対し、指向性を持った背
面光源を用いると、液晶層の表示単位部分とレンズアレ
イシートの凹凸面の間に多少距離があっても、該表示単
位部分を透過した光束には指向性があるので、主に相当
する単位レンズ部分だけにしか到達しないので、上記の
ように表示画像がにじむことがない。ただし、液晶表示
装置の用途によっては、ある程度表示画像をにじませた
方が好ましいこともあり、この場合は背面光源の指向性
をコントロールすることで対応が可能である。
【0104】本発明の液晶表示装置が特に表示画像のに
じみを小さく抑えることが求められる場合には、該背面
光源の発光指向性と液晶セルの表示単位の微小単位レン
ズ配列方向の表示単位の配列ピッチの関係に於いて下記
(4)式を満足することが好ましい。
【0105】p ≧ dtan χ ・・・(4) ここで、p(mm)は、液晶セルの表示単位の微小単位
レンズ配列方向に於ける長さ、すなわち表示単位の配列
ピッチを表す。ただし、液晶セルがカラー表示を行うな
どの目的で複数の画素を以って1ドットを形成するとき
は、1ドットを表示単位とする。またd(mm)は、液
晶層から微小単位レンズまでの距離であり、χは背面光
源上の、ある1点に於いて、最大輝度を示す方向から微
小単位レンズ配列方向に傾けていったときに、輝度が最
大輝度の半分になるまでの角度を表す。
【0106】このような指向性を持つ背面光源とするた
めには、蛍光管などの光源から出射された光束をフレネ
ルレンズ、フレネルプリズムなどの手段を用いる方法
や、反射鏡として微小反射面を組み合わせたマルチリフ
レクタを用いる手段、光ファイバーシートやルーバーな
どによって不要な光束を吸収する手段などがあり、また
これらに限られないが、これらの内、蛍光管などの光源
の出射光を有効に利用する点と薄型化、軽量化がしやす
い点で微小レンズ、微小プリズムや微小反射鏡素子をシ
ート状に配列したシートを、背面光源の液晶セルに近接
する発光面に設ける方法が好ましい。
【0107】図6に、本発明の液晶表示装置の構成の一
例を説明する液晶表示装置の断面模式図を示した。2枚
のガラス基板12、14で挟まれた液晶層13の観察面
と背面に偏光板11、15が設けられた液晶セルの観察
面側に、マイクロレンズアレイシート10が設けられ、
また液晶セルの背面には導光板17、蛍光管18などか
らなる背面光源が設けられている。また導光板表面には
集光シート16が設けられ背面光源の指向性が制御され
ている。本発明の液晶表示装置が背面光源を用いないも
のである場合は、背面光源のかわりに反射板が設けられ
る。
【0108】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って詳しく説明す
るが、これに限られるものではない。
【0109】(1)遮光層の形成 市販のカーボンブラックが添加された黒色レジスト(東
京応化工業(株)製)を厚み100μmの表面に易接着
化処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に
スピンコータを用いて塗布し、乾燥した後、ストライプ
状のパターン(パターンのピッチ55μmおよび20μ
m)を持ったフォトマスクを介して高圧水銀灯によって
紫外線を露光し、現像液によって未硬化部分を溶解除去
した。
【0110】フォトマスクパターン(黒線部と白線部の
比)を適宜変更することによって、遮光層幅/遮光層配
列ピッチが、それぞれ32μm/55μm(実施例1お
よび実施例3)、12μm/20μm(実施例2)、4
3μm/55μm(比較例1)の遮光層付き基板を得
た。この遮光層幅は、それぞれのレンズ形状に対応して
上述した条件(1)ないし(3)を満足するように設計
されたものである。これらの遮光層の可視光線透過率は
いずれも2%であった。
【0111】(2)マイクロレンズアレイシートの作成
(その1) 対応する形状の溝が掘られた金型(パターンのピッチ5
5μmおよび20μm)を用意し、これに透明な紫外線
硬化樹脂(硬化後の屈折率1.48)を充填し、さらに
その上から(1)で得られた遮光層付き基板を、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム側から見たときにそれぞ
れの遮光層の中心線が金型の稜線に一致するようにして
重ね合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム側か
ら紫外線を照射して仮硬化させてから金型から取り外
し、再度反対側から紫外線を照射して完全硬化させて、
図1、2および図4、5に示す遮光層付きのマイクロレ
ンズアレイシートを得た。(実施例1、実施例2、比較
例1および比較例2) (3)マイクロレンズアレイシートの作成(その2) 上記(1)で得られた遮光層付き基板の、遮光層が設け
られた面に、アクリル酸系のポリマを主成分とする樹脂
組成物を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、
乾燥した。
【0112】ついで、紫外線吸収剤が添加された透明な
紫外線硬化性樹脂(硬化後の屈折率1.48)を30μ
mの厚さで塗布し、さらにその上から酸素遮断用の保護
フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を重
ね合わせた積層体を得た。
【0113】この積層体の遮光層付き基板側にヘイズ7
0%の光拡散板3枚を重ね、その上から紫外線を高圧水
銀灯によって照射した。
【0114】光拡散板および保護フィルムを取り除き、
紫外線硬化樹脂の未硬化部分をケトン系の有機溶媒で溶
解除去し、図3の遮光層付きマイクロレンズアレイシー
トを得た。(実施例3) (4)液晶表示装置の作成 市販のパーソナルコンピュータに搭載されたツイステッ
ドネマチック液晶TFTカラーディスプレイ(画面対角
10.4インチ、画素数縦480ドット×横640ドッ
ト、バックライト付き)を液晶セルとして用い、該液晶
セルの観察面側に上記(2)で作成したマイクロレンズ
アレイシートのレンズ形成面を液晶セル側にしてアクリ
ル板(厚さ3mm)で押さえる形で装着して液晶表示装
置を得た。このとき、マイクロレンズアレイシートの単
位レンズ配列方向は、液晶セルの液晶配向方向である画
面上下方向とした。
【0115】また背面光源は、装着されていたいわゆる
エッジライト式バックライトを用いたが、観察面にマイ
クロレンズアレイシートを装着した液晶表示装置におい
ては背面光源と、液晶セルの間に画面左右方向の指向性
を得るため1次元の反射鏡素子アレイシート(以下、
「集光シート」という)を挿入した。
【0116】集光シートを挿入しない場合、画面左右方
向での背面光源の指向角は45度、画面上下方向の指向
角は40度であったが、該シートを挿入すると画面上下
方向での背面光源の指向角を10度、画面左右方向の指
向角は40度となった。
【0117】ここで用いた反射鏡素子アレイシートの断
面図を図7に示す。なお、反射鏡素子の配列ピッチは5
0μmである。
【0118】また比較対象として、マイクロレンズアレ
イシートを装着しない従来の液晶表示装置(比較例3)
も用意した。
【0119】(5)評価 このようにして得た液晶表示装置を観察し表示品位を評
価し、結果を表1に併せて示した。それぞれの評価項目
についての評価法を以下に示す。
【0120】[視野角]液晶表示装置に白、75%グレ
イ、50%グレイ、25%グレイ、黒の5色で構成され
たテストパターンを表示させ、画面の上下左右に法線方
向から±40度の範囲で観察したときに、テストパター
ンの表示が正確に判読できるものを○、階調の順序が逆
転したり、区別ができなくなった場合には×とした。こ
れは暗室内で評価する。
【0121】[画像のボケ]液晶表示装置に、隣り合う
各ドットが白黒白黒・・・と配列する市松模様状のテス
トパターンを表示させ、暗室内で、画面法線方向から観
察したときに、肉眼で市松模様が判読できるものを○と
した。画像のボケがある場合、市松模様は判読できず一
様なグレイ表示に見える。
【0122】[効率]マイクロレンズアレイシートの遮
光層が形成されていない側の面から光束を入射したとき
の全光線透過率を測定し、遮光層による効率低下の度合
いを、事実上効率低下が無視できる80%以上を○、許
容範囲とされる60%以上を△、それ未満を×として評
価した。
【0123】[外光反射]液晶表示装置を通常の室内照
明下におき、照明光源および観察者と液晶表示装置の方
向を種々変化させたときに、マイクロレンズアレイシー
トによる再帰反射が観察されないときに○とした。
【0124】表からわかるように、本発明のマイクロレ
ンズアレイシートを装着した本発明の液晶表示装置は、
いずれの方向からでも良好な画像が観察でき、効率良く
視野角が拡大されたものとなっていることがわかる。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】画像表示装置に用いた場合、画質の優れ
たマイクロレンズアレイシートとすることができる。特
に、直視型の液晶表示装置とした場合、大きな視野角拡
大効果を持ちながら画質劣化を抑えることができる。
【0127】また、液晶表示装置としてみると、マイク
ロレンズアレイシートを観察面に装着するという簡単な
操作で、従来の液晶表示装置が持っていた視野角が狭い
という欠点を、画質を維持しながら解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマイクロレンズアレイシートの断面
形状の一例を示す。
【図2】 図1に示したマイクロレンズアレイシート
の、II矢視図である。
【図3】 本発明のマイクロレンズアレイシートの断面
形状の一例を示す。
【図4】 比較例1に用いたマイクロレンズアレイシー
トの断面形状を示す。
【図5】 比較例2に用いたマイクロレンズアレイシー
トの断面形状を示す。
【図6】 本発明の液晶表示装置の構成の一例を示す模
式図である。
【図7】 背面光源の指向性を得るために実施例で用い
た反射鏡素子アレイシートの断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・高屈折率物質層 2・・・・・・低屈折率物質層 3・・・・・・界面(凹凸面) 4・・・・・・基材 5・・・・・・マイクロレンズアレイシートの表面 6・・・・・・マイクロレンズアレイシートの他の表面 7・・・・・・遮光層 8・・・・・・凸面部分 9・・・・・・凹面部分 10・・・・・・マイクロレンズアレイシート 11・・・・・・偏光板 12・・・・・・ガラス基板 13・・・・・・液晶層 14・・・・・・ガラス基板 15・・・・・・偏光板 16・・・・・・集光シート 17・・・・・・導光板 18・・・・・・蛍光管 60・・・・・・透明樹脂層 61・・・・・・空気層 62・・・・・・反射面 63・・・・・・出射面 64・・・・・・反射鏡素子に光束を導入する部分 65・・・・・・反射鏡素子単位 66・・・・・・基材 67・・・・・・導光板に密着させる面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1物質層と該第1物質層より屈折率の小
    さな第2物質層が平行な2つの平面に挟まれ、該第1物
    質層と該第2物質層の界面を凹凸形状とすることによっ
    て光学的に凸形状の単位レンズが周期的に配列された層
    を有するマイクロレンズアレイシートであって、各々の
    単位レンズ凸面と隣接する単位レンズの凸面を、単位レ
    ンズ周期の20%未満の幅の凹部分によって連続した1
    つの面を形成していることを特徴とするマイクロレンズ
    アレイシート。
  2. 【請求項2】上記凹部分の幅が1μm以上である請求項
    1に記載のマイクロレンズアレイシート。
  3. 【請求項3】単位レンズ周期が300μm以下である請
    求項1または2に記載のマイクロレンズアレイシート。
  4. 【請求項4】凹凸面上のある点の接面と表面のなす角の
    うち広くない方の角をθとし、θが最大値θmaxとな
    る界面上の点を点Aとするとき、第2物質層側の表面法
    線方向からマイクロレンズアレイシートに入射して点A
    に到達した光線が第1物質層を透過して第1物質層側の
    表面から大気中に出射したときの屈折角が、表面の法線
    方向に対する角度で示して30度以上である請求項1な
    いし3のいずれかに記載のマイクロレンズアレイシー
    ト。
  5. 【請求項5】それぞれの単位レンズに下記(1)ないし
    (3)の条件を満足する遮光層が、凹凸面より第1物質
    層側に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記
    載のマイクロレンズアレイシート。 (1)マイクロレンズアレイシートを第1物質層側単位
    レンズ配列面の法線方向から見たときに、凹凸面の臨界
    反射角を超える領域および上記凹部分の領域が連続した
    遮光層で覆われていること。 (2)遮光層の端部は、単位レンズ配列面の法線方向に
    平行で第2物質層側から入射する光線であって単位レン
    ズの縁端部またはその近傍で最も大きく屈折される2つ
    の光線の交点より凹凸面側にあること。 (3)単位レンズ配列面の法線方向に平行で第2物質層
    側から入射する光線のうち単位レンズの凹凸面に於ける
    屈折が20度以下の光線は遮光層を通過しないこと。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のマイ
    クロレンズアレイシートを、該マイクロレンズアレイシ
    ートの第1物質層側を観察面側、第2物質層側を液晶セ
    ル側にして、液晶セル観察面に装着したことを特徴とす
    る液晶表示装置。
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