JP4788314B2 - 光拡散シート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置 - Google Patents

光拡散シート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光拡散シート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置に関し、更に詳しくは、透過型スクリーンに光拡散シートとして装着された際に、透過型スクリーンの光拡散特性をなだらかにすることができる光拡散シート、その光拡散シートを備えた透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置に関するものである。
背面投射型表示装置等の大画面の表示装置は、透過型スクリーン(以下、単に「スクリーン」ということがある。)に映し出される映像を複数人で見る場合が多く、小型の表示装置に比べて広い視野角が求められる。例えば、背面投射型表示装置であるプロジェクションテレビジョンには、光源から発せられた映像光を投影する透過型スクリーンが備えられている。この透過型スクリーンは、一般に、光源から投射される映像光を観察者側へ略平行光(平行光も含む)に偏向させるためのレンズ部材であるフレネルレンズシートと、その略平行光を拡散させて画像の視野角を広くするための光拡散シートであるレンチキュラーレンズシートとを有している。
ところで、上記光拡散シートについては、その光拡散シートを平面視したときに、(1)上下方向に延びるシリンドリカルレンズが左右方向に並設された屈折タイプのレンチキュラーレンズシートや、(2)観察者側の面から光源側の面に向かって先細る溝に樹脂が充填された断面略楔形状の光反射部と、その光反射部間に設けられて映像光を透過させる断面略台形形状の光透過部とが交互に並設されてなり、且つ光反射部を形成する斜面で入射光が全反射する全反射タイプのレンチキュラーレンズシート、等が知られている。
図17は、上記レンチキュラーレンズシートのうち、全反射タイプのレンチキュラーレンズシートの一例を示す概略断面図である(例えば、特許文献1を参照。)。全反射タイプのレンチキュラーレンズシート201は、図17に示すように、通常、基材211と光拡散部212と接着層213と支持板214とをその順に有し、その光拡散部212は、基材側に向かって先細る断面略V字形状の多数の溝215に光吸収材を含有する樹脂が充填された光反射部202と、その光反射部間に設けられて映像光を透過させる断面略台形形状の光透過部204とで構成されている。
各光透過部204の上底216側は出射面となり、その出射面側の光反射部202は光吸収性を兼ね備えたブラックストライプパターン(BSパターン)となっている。光透過部204において、上底216と下底217とが平面視で重なる領域Aでは、光軸に平行な光はそのまま透過して出射面から出射するが、それ以外の領域Bでは、光軸に平行な光は光透過部204と光反射部202との界面で全反射し、光透過部204の上底216とその上底上に設けられた媒質層(図17においては接着層213や支持板214)との界面で屈折して出射する。この全反射タイプのレンチキュラーレンズシート201においては、通常、光反射部202が光吸収材を含む樹脂材料で形成されているので、その光反射部202はBSパターンとして機能し、透過型スクリーンに映し出される映像のコントラストを向上させるように作用する。
特開2004−4148号公報
近年、背面投射型表示装置においては、デジタル化、高精細化、コンパクト化の要求につれ、LCD(Liquid Crystal Display)やDLP(Digital Light Processing)を用いた単管方式の光源(以下、本願では「単光源」という。)が使用されてきている。この単光源を用いた場合には、その特徴である画素表示により、静止画や文字表示がより一層鮮明になるという利点がある反面、こうした利点により、従来はさほど問題にならなかったコントラスト不足が問題になっている。そこで、コントラストをより向上させて、引き締まった映像を映し出すことができる透過型スクリーンが要求されている。
また、図18は、図17に示す従来の全反射タイプのレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの光線経路図(図18(A))と光拡散特性のグラフ(図18(B))の一例である。図18(A)に示すように、上底と下底とが平面視で重なる領域Aに入射した光は、光透過部204の出射面からそのまま出射するが、光反射部202の幅からなる領域Bに入射した光は、光透過部204と光反射部202との界面で全反射し、光透過部204の出射面から出射する。光拡散特性は、図18(B)に示すように、視野角0°のスクリーン正面を頂点とする放物線形状にはならずに、視野角0°にピークを持つ領域aと、左右それぞれにピークを持つ領域b1,b2とが現れるグラフとなる。この領域aのピークは、領域Aをそのまま透過した光により現れ、領域b1,b2の2つのピークは、光透過部204と光反射部202との界面で全反射した光によって現れる。なお、光拡散特性は、微小偏角輝度計により測定され、レンチキュラーレンズシートの真正面を0°とし、横軸を観察角度、縦軸を利得(ゲインという。)として表している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、透過型スクリーンに光拡散シートとして装着された際に、透過型スクリーンの光拡散特性をなだらかにすることができる光拡散シート、その光拡散シートを備えた透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の光拡散シートは、厚さ方向の一方の面から入射する映像光の一部を全反射により拡散させて他方の面側から出射させる光拡散部を少なくとも有し、当該光拡散部は、前記他方の面から前記一方の面に向かって先細る溝に樹脂が充填された断面略楔形状の光反射部と、当該光反射部間に設けられて前記映像光を透過させる断面略台形形状の光透過部とが交互に並設されてなる光拡散シートにおいて、前記溝に充填された樹脂の屈折率が、前記光透過部の屈折率よりも低く、前記光反射部の溝を形成する対向面が、前記一方の面側に位置して前記映像光を全反射させる角度からなる第1斜面と、当該第1斜面と前記他方の面とを繋ぐように位置して前記映像光を屈折透過する角度からなる第2斜面とを含む斜面によって形成されていることを特徴とする(この光拡散シートを「光拡散シートI」ともいう。)。
この発明によれば、光反射部の溝を形成する対向面が、一方の面側に位置して映像光を全反射させる角度からなる第1斜面と、その第1斜面と他方の面とを繋ぐように位置して映像光を屈折透過する角度からなる第2斜面とを含む斜面によって形成されているので、この光拡散シートにより拡散される映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができる。こうした光拡散特性の向上は、映像光を屈折透過する第2斜面での拡散角度の不連続性が寄与している。
本発明の光拡散シートIにおいては、前記光反射部は、前記溝に光吸収性粒子を含む樹脂が充填されてなることを特徴とする(この光拡散シートを「光拡散シートII」ともいう。)。
この発明によれば、光吸収性粒子を含む樹脂で充填された光反射部は光吸収性を有するので、その光反射部は全反射せずに屈折した光を吸収することができる。その結果、コントラストを向上させることができる。
上記本発明の光拡散シートIIにおいては、前記光吸収性粒子の平均粒径が、前記他方の面から、前記第1斜面と前記第2斜面とが交わる交点までの高さよりも大きいことが好ましい。
この発明によれば、光吸収性粒子の平均粒径が他方の面から第1斜面と第2斜面とが交わる交点までの高さよりも大きいので、映像光を屈折透過させる角度で形成された第2斜面近傍に存在する光吸収性粒子は少なくなっている。その結果、第2斜面で屈折した映像光は、第2斜面近傍の光吸収性粒子で吸収されずに透過することができる。
本発明の光拡散シートIにおいては、前記光反射部における前記他方の面上であって当該光反射部の溝内で対向する第1斜面と平面視で重なる領域上には、光吸収層が形成されていることを特徴とする(この光拡散シートを「光拡散シートIII」ともいう。)。
この発明によれば、光反射部の溝内で対向する第1斜面と平面視で重なる領域上に形成された光吸収層は光反射部で全反射せずに屈折した光を吸収するので、コントラストを向上させることができる。
上記課題を解決するための本発明の透過型スクリーンは、上記本発明の光拡散シートを有することを特徴とする。この発明によれば、上記本発明の光拡散シートを有するので、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフがなだらかな透過型スクリーンとすることができる。
本発明の透過型スクリーンにおいては、映像光が入射する側に、フレネルレンズシートが配置され、又はフレネルレンズ部が接合されていることが好ましい。さらに、前記フレネルレンズシート又は前記フレネルレンズ部が、全反射フレネルレンズを有することが好ましい。
本発明の透過型スクリーンにおいては、映像光が出射する側に、支持板が配置又は接合されていてもよい。
上記本発明の透過型スクリーンにおいては、映像光が出射する側の最表面に、タッチパネルが設けられていてもよい。この発明によれば、タッチパネルを備えているので、多機能の背面投射型表示装置を構成できる。
上記課題を解決するための本発明の背面投射型表示装置は、透過型スクリーンが装着された背面投射型表示装置において、当該透過型スクリーンの構成部材として、上記本発明の光拡散シートを有することを特徴とする。この発明によれば、光拡散特性が良好で、視野角の広い背面投射型表示装置を提供できる。
また、上記課題を解決するための本発明の液晶表示装置は、表示用液晶パネルを有する液晶表示装置において、当該表示用液晶パネルの表示面上に配置又は接合される視野角拡大部材として、上記本発明の光拡散シートを有することを特徴とする。このとき、前記表示面の最表面にタッチパネルを設けてもよい。この発明によれば、光拡散特性が良好で、視野角の広い液晶表示装置を提供できる。
本発明の光拡散シートによれば、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができるので、視野角特性を向上させることができる。また、本発明の透過型スクリーンによれば、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフがなだらかになり、視野角特性を向上させることができる。また、本発明の光拡散シートを構成部材として使用する背面投射型表示装置及び液晶表示装置によれば、光拡散特性が良好で、視野角の広い背面投射型表示装置や液晶表示装置を提供できる。
以下、本発明の光拡散シート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置及び液晶表示装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下の実施形態に限定解釈されるものではない。
(光拡散シート)
図1は、本発明の光拡散シートの一例を示す模式断面図である。本発明の光拡散シート10は、厚さ方向の一方の面(以下、入射面1aという。)から入射する映像光の一部を全反射により拡散させて他方の面(以下、出射面1bという。)側から出射させる光拡散部12を少なくとも有している。その具体例としては、図1に示すように、光源側から、基材11と、基材11上に設けられてその基材側からの映像光の一部を全反射により拡散させる光拡散部12と、光拡散部12上に設けられた接着層13を介して貼り合わされた支持板14とからなる光拡散シート10を例示することができるが、必ずしも基材11や支持板14が貼り合わされている必要はなく、それらは任意に設けられる。
本発明は、図1に示すように、光反射部2と光透過部4とが交互に並設されてなる光拡散部12の構造に特徴がある。光反射部2は、出射面1bから入射面1aに向かって先細る溝15に樹脂が充填された断面略楔形状からなるものであり、光透過部4は、光反射部2,2間に設けられて映像光を透過させる断面略台形形状からなるものである。そして、本発明の特徴は、光反射部2の溝15を形成する対向面が、入射面1a側に位置して映像光を全反射させる角度からなる第1斜面3aと、第1斜面3aと出射面1bとを繋ぐように位置して映像光を屈折透過する角度からなる第2斜面3bとを含む斜面3によって形成されていることにある。なお、光透過部4の断面略台形形状は、図1に示すように、溝15の先端を繋ぐ出射面1b側の上底16と、入射面1a側の下底17とで表される形状である。
この光拡散シート10を観察者側又は光源側から見た(以下、平面視という。)場合、光透過部4の上底16と下底17とが平面視で重なる領域Aでは、光軸OAに平行な光はそのまま透過して出射面1bから出射する。一方、第1斜面3aに相当する領域B1,B2では、光軸OAに平行な光は第1斜面3aで全反射し、光透過部4を通って出射面1bから出射する。また、第2斜面3bに相当する領域C1,C2では、光軸OAに平行な光は第2斜面3bで屈折し、光反射部内を通過して出射面1bから出射する。本発明の光拡散シート10は、入射した映像光を上記のように透過、全反射及び屈折透過させることができるので、従来よりも多様な角度で映像光を拡散させることができ、その結果、光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができる。本発明において、「映像光の一部を全反射により拡散させて」というのは、光拡散シートに入射した光は、領域Aをそのまま透過するものもあれば、領域C1,C2で屈折透過するものもあり、全反射により拡散する光は第1斜面3aに相当する領域B1,B2に入射したものであることによる。
以下、本発明の光拡散シートの各構成要素について詳しく説明する。なお、本願を説明する各図においては、断面を表すハッチング(斜線)を適宜省略して説明している。
(基材)
基材11は、フィルム状又はシート状の透明部材であり、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートフィルム等が用いられる。基材11の厚さは特に限定されないが、通常、0.1mm〜0.5mm程度である。
(光拡散部)
光拡散部12は、光反射部2と光透過部4とが交互に並設されてなるものであり、通常は、図1に示すように基材11上に設けられている。光反射部2は、出射面1bとなる観察者側の面に、幅方向に一定のピッチで配列されていると共に平面視で縦方向に延びる断面略V字形状の多数の溝15内に、光透過部4の屈折率よりも低い屈折率の樹脂が充填されることにより形成され、全体として、断面略楔形状を呈している。光反射部2は、例えば50〜150μmの範囲内のピッチで幅方向に配列されている。一方、光透過部4は、光反射部2の屈折率よりも高い屈折率の樹脂で形成され、断面略台形形状を呈している。
図2は、光反射部についての詳細な説明図である。光反射部2は、図2に示すように、溝15を形成する対向面が、入射面1a側に位置して映像光を全反射させる角度θ1からなる第1斜面3aと、第1斜面3aと出射面1bとを繋ぐように位置して映像光を屈折透過する角度θからなる第2斜面3bとを含む斜面3によって形成されている。
第1斜面3aは、低屈折率材料からなる光反射部2と、高屈折率材料からなる光透過部4との界面を構成する斜面であり、光軸OAと平行又は略平行に入射した映像光を全反射させるように、第1斜面3aの法線CLに対して臨界角を超える角度θ’(単位は「度(°)」)で形成されている。
第1斜面3aの出射面1bを含む平面(光軸OAに直交する平面のこと。)に対する傾斜角θは、第1斜面3aの延長線Lが上記平面と交わる点を点P、光軸OAに平行な映像光VRの第1斜面3aへの入射点を点Q、上記平面に対する垂線のうちで点Qを通る垂線Lと上記平面との交点を点Rとすると、角QPRで表される。このとき、角PQRの値は(90−θ)°であるので、第1斜面3aの傾斜角θは、点Qでの映像光VRの入射角θ’と同じ値である。したがって、第1斜面3aへの映像光VRの入射角θ’が臨界角を超えるように、第1斜面3aの傾斜角θは上記臨界角を超える角度で形成されている。
第2斜面3bも上記第1斜面3aと同様、低屈折率材料からなる光反射部2と、高屈折率材料からなる光透過部4との界面を構成する斜面であるが、この第2斜面3bは、光軸OAと平行又は略平行に入射した映像光を全反射させずに屈折透過させるように、第2斜面3bの法線CLに対して臨界角以下の角度θ’(単位は「度(°)」)で形成されている。第2斜面3bの出射面1bを含む平面(光軸OAに直交する平面のこと。)に対する傾斜角θは、上記第1斜面3aと同様の関係が当てはまり、第2斜面3bに入射する映像光VRの入射角θ’と同じ値である。したがって、第2斜面3bへの映像光VRの入射角θ’が臨界角以下となるように、第2斜面3bの傾斜角θは上記臨界角以下の角度で形成されている。
第1斜面3aの傾斜角θは、高屈折率材料からなる光透過部4と低屈折率材料からなる光反射部2との屈折率差に応じて、72〜86°程度の範囲内で適宜選定可能である。また、第2斜面3bの傾斜角θについても、高屈折率材料からなる光透過部4と低屈折率材料からなる光反射部2との屈折率差に応じて、60〜70°程度の範囲内で適宜選定することが好ましい。なお、こうした範囲の第1斜面3aの傾斜角θ及び第2斜面3bの傾斜角θは、後述のように、光透過部4を構成する高屈折率材料の屈折率が、光反射部2を構成する低屈折率材料の屈折率よりも、1.02〜1.25倍である場合に好ましく適用される。こうした屈折率差を有する界面において、第1斜面3aを72〜86°程度の範囲内とすることにより第1斜面3aに入射した映像光を全反射させることができ、第2斜面3bを60〜70°程度の範囲内とすることにより第2斜面3bに入射した映像光を屈折透過させることができる。
光透過部4を構成する樹脂材料としては、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系等のアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。この樹脂材料は、光反射部2を構成する樹脂材料よりも、1.02〜1.25倍程度高い屈折率のものが選定される。例えば屈折率1.55に調整されたウレタンアクリレート系又はエポキシアクリレート系の放射線硬化型樹脂が好ましく用いられる。
一方、光反射部2を構成する低屈折率の樹脂材料としては、例えばアクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の放射線硬化型樹脂が好ましく用いられる。この樹脂材料は、光透過部4を構成する樹脂材料に比べて上記範囲の比率を満たす1.46〜1.50程度の低い屈折率のものが選定される。例えば屈折率1.48に調整されたウレタンアクリレート系又はエポキシアクリレート系の放射線硬化型樹脂が好ましく用いられる。
なお、光反射部2には、光吸収材を含有させてもよい。光吸収材を含有する光反射部2は、光拡散シート10に入った迷光又は光拡散シート10内で生じた迷光を吸収すると共に、光拡散シート10に入った外光を吸収してコントラストを向上させるように作用し、いわゆるブラックストライプパターン(BSパターン)として機能する。光吸収材としては、カーボンブラック等の光吸収性粒子、黒色系顔料又は黒色系染料等の黒色や灰色等の無彩色材料が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する材料を使用してもよい。光吸収性粒子としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。また、光吸収性の染料としては、アシドレッド等のキサンテン系有機染料、カルボン酸ネオジム等の有機酸ネオジム等を挙げることができる。
図3は、入射した平行光が光拡散部12で拡散する様子を示す模式的な光線経路図である。図3には、光拡散部12の入射面1aに入射角0°で入射する6つの平行光PR〜PRが記載されているが、そのうち、光透過部4の上底と下底とが平面視で重なる領域A(図1を参照)に入射した平行光PR、PRは、光透過部4をそのまま透過して出射面1bから出射する。
第1斜面3aに相当する領域B1,B2に入射した平行光PR、PRは、第1斜面3aへの入射角θが臨界角を超えるので、その第1斜面3aで全反射して出射面1bから出射する。このとき、出射面1bに図1に示すような接着層13や支持板14が設けられている場合には、その接着層13や支持板14で屈折して観察者側に出射する。
第2斜面3bに相当する領域C1,C2に入射した平行光PR、PRは、第2斜面3bへの入射角θが臨界角以下であるので、その第2斜面3bで屈折して光反射部2内を透過し、光反射部2の出射面1b側の面から出射する。
なお、この領域C1,C2に入射した平行光の第2斜面3bでの屈折透過については、光吸収材との関係で以下に示す種々の形態を挙げることができる。
第1形態としては、光反射部2内に上述したカーボンブラック等の光吸収性粒子を含有させて、光反射部2に光吸収性を持たせた場合を挙げることができる。この形態の光反射部2は、図4に示すように、光吸収性粒子5を含む低屈折率の透光性樹脂を溝15に充填して形成される。この形態においては、含有させる光吸収性粒子5の平均粒径が、出射面1bから、第1斜面3aと第2斜面3bとが交わる交点Sまでの高さhよりも大きいことが好ましい。これにより、映像光を屈折透過させる角度θで形成された第2斜面3b近傍に存在する光吸収性粒子5が少なく、その結果、第2斜面3bで屈折した映像光は、第2斜面3b近傍の光吸収性粒子5で吸収されずに容易に透過することができる。出射面1bから交点Sまでの高さhは、通常、3〜8μmの範囲内であるので、光吸収性粒子の平均粒径は、6〜20μmの範囲内で且つ高さhよりも大きい値であることが望ましい。
第2形態としては、光反射部2内に上述した黒色系顔料又は黒色系染料等の黒色や灰色等の無彩色材料等を含有させて、光反射部2に光吸収性を持たせた場合を挙げることができる。この形態の光反射部2は、光吸収性の無彩色材料を混ぜた透光性樹脂を溝15に充填して形成される。この形態においては、映像光は、第2斜面3bで屈折して光反射部2内を透過する際に含有する光吸収材に吸収されるが、出射面1bから交点Sまでの高さhを上記同様の3〜8μmの範囲内とすることにより、その吸収の程度を小さくすることができ、光拡散特性を向上させることができる。
第3形態としては、光反射部2内に光吸収材を含有させることなく低屈折率の透光性樹脂を溝15に充填して光反射部2を形成した後、その光反射部2における出射面1b側の平面上であって光反射部2の溝15内で対向する第1斜面3aと平面視で重なる領域上に、光吸収層を形成した形態を挙げることができる(後述の図7を参照)。この形態においては、映像光は、第2斜面3bで屈折して光反射部2内を透過し、出射面1b側の平面から出射する。一方、光拡散シート10に入った迷光又は光拡散シート10内で生じた迷光は、第1斜面3aと平面視で重なる領域上に形成された光吸収層で吸収される。また、この光吸収層は、光拡散シート10に入った外光を吸収する。こうした光吸収層は、コントラストを向上させるように作用し、いわゆるブラックストライプパターン(BSパターン)として機能する。
このように、光拡散部12に入射した6つの平行光PR〜PRは、2つの平行光PR、PRがそのまま光透過部4を透過する以外は、光反射部2で全反射又は屈折透過して互いに異なる角度で出射する。その結果、第2斜面3bが形成されていない従来の光拡散シートに比べて、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができる。
(光拡散部の他の形態)
図5〜図7は、光拡散部の他の形態を示す模式断面図である。図5に示す光拡散部12aは、入射面1aに向かって先細る溝15の先端18が平らな形状となっている光反射部2を有するものである。図6に示す光拡散部12bは、溝15に充填される樹脂が、出射面1b上に薄い層19として形成された形態からなるものである。このときの層19の厚さは、2μm以下で形成されていることが好ましい。
また、図7に示す光拡散部12cは、出射面1b側の平面上であって光反射部2の溝15内で対向する第1斜面3aと平面視で重なる幅Wの領域上に、光吸収層20を形成した形態からなるものである。光吸収層20は、光拡散シートを用いて透過型スクリーンを構成したときに、BSパターンとして作用するので、映像のコントラストを向上させることができる。光吸収層20は、例えば黒色塗料や黒色インクを印刷法、インクジェット法等の方法で塗布し、硬化させることによって帯状に設けることができる。以上、図5〜図7に示す各形態からなる光拡散部を有する光拡散シートでも、光拡散特性のグラフをなだらかなものとすることができる。
(接着層)
接着層13は、接着層形成用樹脂組成物を光拡散部12上に塗布等することにより形成され、光拡散部12と支持板14とを接着するように作用する。接着層13を構成する樹脂組成物としては、各種の樹脂組成物を用いることができ、具体的には、放射線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられ、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートをプレポリマーとした樹脂組成物を挙げることができる。
(支持板)
支持板14は、接着層13上に設けられる剛性を有する板状部材であり、上記の光拡散部12を支持するために好ましく設けられる。支持板14には、通常、0.5〜5.0mmの厚さ範囲のアクリル樹脂板、MS(メタクリル−スチレン共重合)樹脂板、ポリカーボネート樹脂板等を好ましく用いることができる。
(他の構成)
以上、本発明の光拡散シートの主要な構成について説明したが、本発明の光拡散シートは、以下のような構成をさらに付加したものであってもよい。
本発明の光拡散シート10には、光拡散性をコントロールする光拡散材を含有させることができる。具体的には、基材11、光透過部4、接着層13及び支持板14のうちの1又は2以上の中に含有させることができる。含有させることができる光拡散材としては、一般的に光学シートに用いられる光拡散性微粒子等の光拡散材であればよく、スチレン樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子、MS樹脂(メタクリル−スチレン共重合樹脂)微粒子等の有機系微粒子、硫酸バリウム微粒子、ガラス微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、炭酸カルシウム微粒子、シリカ(二酸化珪素)微粒子、酸化チタン微粒子、ガラスビーズ等の無機系微粒子等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を樹脂中に含有させることができる。こうした光拡散材を含有させることにより、光拡散特性を更に良好なものとすることができ、その結果、視野角を拡大させることができる。
また、本発明の光拡散シート10の観察者側の面、すなわち支持板14の観察者側の面に、反射防止層、低反射層、ハードコート層、帯電防止層、防眩層、汚染防止層、偏光フィルタ層、及び電磁波シールド層等を必要に応じて1層又は2層以上設けたものであってもよい。また、支持板14の観察者側の面の表面粗さを調整して、反射防止機能や防眩機能を持たせてもよい。こうした機能層又は機能表面が設けられた支持板14は、プロジェクションテレビジョンの観察者側の最前面に位置する前面板として作用する。
また、本発明の光拡散シートの光源側の面、すなわち基材11の光源側の面に、凹凸形状が設けられたものであってもよい。その凹凸形状としては、例えば図8に示すような、光学要素21を挙げることができる。この光学要素21は、基材11の光源側の面に山型の傾斜面を備えたものであり、この光学要素21により、基材11の光源側から入射した入射光が屈折し、その屈折光が平行光とは異なる角度で光透過部4を通過し、その一部は第1斜面3aで全反射して出射面1bから出射する。そのため、図8に示す光拡散シートは、光学要素21を有さない場合に比べて、観察者側に出射する出射光の角度分布が広がるので、視野角の広い透過型スクリーンの構成部材として好ましく用いられる。なお、こうした光学要素21は、図8の態様のものに限られず、同様の作用効果を奏する従来公知のものを適用することができる。
以上説明したように、本発明の光拡散シートによれば、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができるので、視野角特性を向上させることができる。特に、静止画や文字表示が鮮明な単光源使用の背面投射型表示装置において好ましく用いることができる。
(光拡散シートの製造方法)
次に、光拡散シートの製造方法について説明する。図9は、本発明の光拡散シートの製造方法の一例を示す工程図である。
本発明の光拡散シートは、先ず、溝の賦形形状が周面に形成された型ロール111を回転させながら、型ロール111とその型ロール111の周面に沿って進む基材112との間に光透過部形成用の放射線硬化型樹脂組成物113を供給装置123から供給した後、放射線源である例えばUVランプ114で紫外線を照射して光透過部を形成し、その後、型ロール111から剥がして中間部材115を形成する。次いで、例えば光吸収性粒子を含む放射線硬化型樹脂組成物116を供給装置124から供給して中間部材115の溝に充填し、さらに放射線源である例えばUVランプ117で紫外線を照射して光反射部を形成する。このとき、中間部材115の溝への光吸収性粒子を含む放射線硬化型樹脂組成物116の充填は、ドクター118を用いて余分な樹脂組成物を掻き落とすことにより行われる。図9中には示さないが、さらにその上に接着層を介して支持板を貼り合わせ、所定の大きさに切断して本発明の光拡散シートが製造される。
なお、符号119はロール状に巻き上げられたフィルム状又はシート状の基材であり、符号120は光透過部形成用の放射線硬化型樹脂組成物113を型ロール面に押しつけるためのニップロールであり、符号121は硬化した光透過部を備えた中間部材115を剥離するための剥離ロールであり、符号122はドクター118で余分な樹脂組成物を効率よく除去するためのバックアップロールである。
(透過型スクリーン)
図10及び図11は、本発明の透過型スクリーンの例を示す概略斜視図である。本発明の透過型スクリーンは、上述した本発明の光拡散シートを有している。具体的には、単光源からの光を略平行光に偏向するフレネルレンズ部材を映像光源側に備え、偏向された略平行光を拡散させて視野角を調整する光拡散シートを観察者側に備えるものである。
より詳細には、図10に示す透過型スクリーン40は、フレネル中心をシート面に有する屈折タイプのサーキュラー型フレネルレンズ部材30と、上述した本発明の光拡散シート10とを備えるものである。また、図11に示す透過型スクリーン50は、フレネル中心をシート面に有さない全反射タイプのサーキュラー型フレネルレンズ部材31と、上述した本発明の光拡散シート10とが接着層を介して貼り合わされてなるものである。なお、透過型スクリーンは、光拡散シート10の基材11に対向するように(接着層を介さずに)全反射タイプのフレネルレンズ部材31が配置された形態であってもよい(図示しない)。
本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズ部材は、近年の単光源に対応したファインピッチで形成されており、その形成材料としては、上記の光拡散シートで説明したのと同様の放射線硬化型樹脂組成物、具体的にはウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートあるいはエポキシ(メタ)アクリレート等の放射線硬化型プレポリマーに、適宜、反応性希釈剤として放射線硬化型モノマー及び光重合開始剤を配合した放射線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。そうしたフレネルレンズ部材の形成は、上記放射線硬化型樹脂組成物をフレネルレンズの賦形型にキャストし、その上に載せた基材フィルム上から放射線(例えば紫外線や電子線等)を照射して放射線硬化型樹脂組成物を硬化させて行うことができる。その後、賦形型からシートを剥離してシート状のフレネルレンズ部材が作製される。
こうした本発明の透過型スクリーンによれば、上記本発明の光拡散シートを備えるので、映像光の光拡散特性(特に水平拡散の光拡散特性)のグラフをなだらかなものとすることができ、視野角特性を向上させることができる。特に、静止画や文字表示が鮮明な単光源使用の背面投射型表示装置において好ましく用いることができる。
(背面投射型表示装置)
図12及び図13は、本発明の透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の例を示す構成図である。図12は、フレネル中心がシート面内にあるサーキュラーフレネルレンズを有する透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の例であり、図13は、フレネル中心がシート面外にある全反射型のサーキュラーフレネルレンズを有する透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の例である。
背面投射型表示装置60a,60bは、本発明の光拡散シートを構成部材とした透過型スクリーン40,50を前面側の窓部に備えたものであり、比較的薄型の筐体61a,61bの底部に光源62a,62bが配置され、筐体61a,61bの後部壁内面には光源62a,62bからの光を透過型スクリーン40,50に向かって映像光64として反射させるミラー63a,63bが配置されている。このときの光源62a,62bは、LCD(Liquid Crystal Display)やDLP(Digital Light Processing)を用いた単管方式の単光源である。この透過型スクリーン40,50は、本発明の光拡散シートが構成部材として使用されているので、透過型スクリーン上に視野角特性に優れた映像を映し出すことができる。なお、符号65は、出射光である・
(液晶表示装置)
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、表示用液晶パネルの表示面上に配置又は接合される視野角拡大部材として、上記本発明の光拡散シートを有することを特徴とする。
図14(a)は、本発明の液晶表示装置の一例を示す模式断面図である。図示の液晶表示装置71は、表示用液晶パネル75と、表示用液晶パネル75の背後に配置されたバックライト部76と、表示用液晶パネル75及びバックライト部76それぞれに電気的に接続されてこれらの動作を制御する制御回路77とを備えている。これら表示用液晶パネル75、バックライト部76、及び制御回路77は、スタンド部78を有する筐体79内に収容されている。また、筐体79の全面には、視野角拡散部材である光拡散シート10が配置されている。
上記の表示用液晶パネル75は、例えば、多数の画素を有する液晶セル81と、液晶セル81の背面に配置された偏光子82と、液晶セル81の前面に配置された検光子83とによって構成される。液晶セル81は、例えば、互いに間隔をあけた状態で配置されて周囲を封止剤84で封止された第1透明基板85と第2透明基板86との間に液晶を注入した後に注入口を封止することによって形成される。この液晶セル81は、第1透明基板85及び第2透明基板86それぞれの内側面上に配置された電極に電圧を印加して液晶分子の配列を制御する縦電界型のものであってもよいし、第2透明基板86の内側面上に配置された複数の電極に電圧を印加して液晶分子の配列を制御する横電界型のものであってもよい。
液晶セル81が縦電界型のものである場合、図14(a)には現れていないが、第1透明基板85の内側面上には、例えば1つの画素に1つのマイクロカラーフィルタが対応するようにしてカラーフィルタアレイが形成され、このカラーフィルタアレイを覆うようにして、かつ、全ての画素と平面視上重なるようにして、共通電極が形成される。そして、この共通電極を覆うようにして配向膜が設けられる。また、第2透明基板85の内側面上には、例えば、多数の画素電極がマトリックス状に配置され、画素電極の1つの列に1本ずつ対応して信号線が設けられると共に、画素電極の1つの行に1本ずつ対応して走査線が設けられる。さらに、信号線及び走査線それぞれと画素電極との導通を制御するスイッチング素子が1つの画素電極に1つずつ対応して配置され、これら画素電極、信号線、走査線、及びスイッチング素子を覆うようにして配向膜が設けられる。
上記の光拡散シート10は、液晶表示装置71における水平方向の視野角特性を向上させるためのものであり、光拡散部の出射面が観察者側を向くようにして配置されている。また、光拡散シート10の光反射部は、液晶表示装置71での垂直方向に延びている。
図14(b)は、本発明の液晶表示装置の他の一例を示す模式断面図である。図示の液晶表示装置72は、光拡散シート10が表示用液晶パネル75の表示面上(検光子85上)に一体的に接合されているという点で、図14(a)に示す液晶表示装置71と異なるが、その他の構成は同じである。
図15は、本発明の液晶表示装置のさらに他の一例を示す模式断面図である。図示の液晶表示装置73は、光拡散シート10を構成している光拡散部の出射面上にタッチパネル87が設けられているという点で、図14(b)に示す液晶表示装置72と異なる。液晶表示装置73における他の構成は、図14(b)に示す液晶表示装置72の構成と同じであるので、その説明は省略する。タッチパネル87としては、映像光の透過をできるだけ妨げない透明性の高いものが好ましい。この液晶表示装置73はタッチパネル87を有しているので、多機能のものを得易くなる。
本発明の光拡散シートを構成部材として使用する液晶表示装置によれば、光拡散特性が良好で、視野角の広い背面投射型表示装置や液晶表示装置を提供できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ピッチが65μmで深さが150μmの溝15を形成するための突起(凸部)を有した賦形型ロールを準備し、その賦形型ロールにエポキシアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を供給装置から供給し、その樹脂を賦形型ロールとの間に挟むように厚さ188μmのPETフィルムをニップロールで押し当てながら貼り合わせた後、そのPETフィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて屈折率1.55(波長540nmで測定)の光透過部を形成した。硬化した中間部材を賦形型ロールから剥がした後、その中間部材上に光吸収性粒子(カーボンブラックを添加したウレタンフィラー、平均粒径8μm、粒径の標準偏差2μm)を20重量%含有するウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を供給装置から供給すると共にドクターで余分な樹脂を掻き落とすことにより、樹脂を略V字形状(開口幅35μm)の溝15に充填した。引き続いて、PETフィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて屈折率1.48(波長540nmで測定)の光反射部を形成した。
光反射部は、平均高さが150μm、出射面側の幅が平均35μmであり、第1斜面の傾斜角は平均80°、第2斜面の傾斜角は平均60°、第1斜面と第2斜面との交点までの高さhは平均5μmである。また、光透過部は、領域A(図1参照)での厚さが185μmで、光が透過する出射面の幅が約30μmである。
この光拡散部の出射面上に、接着特性を有するアクリル系紫外線硬化型樹脂料を塗布し、その上に支持板を載せた後、支持板上から紫外線を照射し、厚さ70μmで屈折率1.48の接着層を介して支持板を貼り合わせた。なお、支持板は、MS(メタクリル−スチレン共重合体)樹脂からなる樹脂材料を押出成形法により成形した厚さ2mmのものを用いた。こうして、縦600mm×幅800mmの光拡散シートを作製した。
(比較例1)
実施例1の光拡散シートにおいて、第1斜面と第2斜面とを傾斜角80°の直線に変更した他は実施例1と同様にして比較例1の光拡散シートを作製した。
(光拡散特性の評価)
実施例1と比較例1の光拡散シートに関しては、ピッチ0.112mmのフレネルレンズシートと組み合わせ、50W−DLP光源を備えた50インチのプロジェクションテレビジョン(三星電子社製、HLM5065W)に実装して、スクリーンから2.5m離れた位置から観察し、微小偏角輝度計を用いて、出射光角度0°〜60°まで10°毎の水平拡散特性と垂直拡散特性を測定した。
実施例1においては、垂直方向の視野角は上下12°、水平方向の視野角は左右25°であった。この実施例1の光拡散特性のグラフを図16に示した。この図からわかるように、この透過型スクリーンでは、水平方向に沿って視野角を変化させたときに輝度がなだらかに変化して、水平方向の視野角特性が向上していることが確認された。一方、比較例1は、図18(B)のような三つのピークを持つ光学特性となるので、水平方向の観察角度によっては、帯状のムラが観察された。
本発明の光拡散シートの一例を示す模式断面図である。 光反射部についての詳細な説明図である。 入射した平行光が光拡散部で拡散する様子を示す模式的な光線経路図である。 光吸収性粒子の平均粒径と、出射面から第1斜面と第2斜面とが交わる交点までの高さとの関係の説明図である。 光拡散部の他の形態を示す模式断面図である。 光拡散部のさらに他の形態を示す模式断面図である。 光拡散部のさらに他の形態を示す模式断面図である。 本発明の光拡散シートの他の一例を示す模式断面図である。 本発明の光拡散シートの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の透過型スクリーンの一例を示す概略斜視図である。 本発明の透過型スクリーンの他の一例を示す概略斜視図である。 本発明の透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の一例を示す構成図である。 本発明の透過型スクリーンが装着された背面投写型表示装置の他の一例を示す構成図である。 本発明の液晶表示装置の例を示す模式断面図である。 本発明の液晶表示装置のさらに他の一例を示す模式断面図である。 実施例1の光拡散特性のグラフである。 従来の全反射タイプのレンチキュラーレンズシートの一例を示す概略断面図である。 従来の全反射タイプのレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの光線経路図と光拡散特性のグラフの一例である。
符号の説明
1a 入射面
1b 出射面
2 光反射部
3 斜面
3a 第1斜面
3b 第2斜面
4 光透過部
5 光吸収性粒子
10 光拡散シート
11 基材
12,12a,12b,12c 光拡散部
13 接着層
14 支持板
15 溝
16 上底
17 下底
18 溝の先端
19 出射面上の層
20 光吸収層
21 光学要素
30,31 フレネルレンズ部材
32 接着層
40,50 透過型スクリーン
60a,60b 背面投射型表示装置
61a,61b 筐体
62a,62b 光源
63a,63b ミラー
64 映像光
65 出射光
71,72,73 液晶表示装置
75 表示用液晶パネル
76 バックライト部
77 制御回路
78 スタンド部
79 筐体
81 液晶セル
82 偏光子
83 検光子
84 封止剤
85 第1透明基板
86 第2透明基板
87 タッチパネル
111 型ロール
112 基材
113 放射線硬化型樹脂組成物
114 UVランプ
115 中間部材
116 光吸収性粒子を含む放射線硬化型樹脂組成物
117 UVランプ
118 ドクター
119 フィルム状又はシート状の基材
120 ニップロール
121 剥離ロール
122 バックアップロール
123 供給装置
124 供給装置
B1,B2 第1斜面に相当する領域
C1,C2 第2斜面に相当する領域
OA 光軸
A 光透過部の上底と下底とが平面視で重なる領域
CL 第1斜面の法線
CL 第2斜面の法線
θ 第1斜面の出射面を含む平面に対する傾斜角
θ 第2斜面の出射面を含む平面に対する傾斜角
θ’ 臨界角を超える角度
θ’ 臨界角以下の角度
第1斜面の延長線
平面に対する垂線のうちで点Qを通る垂線
VR 第1斜面に入射する光軸に平行な映像光
VR 第2斜面に入射する光軸に平行な映像光
P 第1斜面の延長線が平面と交わる点
Q 光軸に平行な映像光の第1斜面への入射点
R 平面に対する垂線のうちで点Qを通る垂線と平面との交点
PR〜PR 光拡散部の入射面に入射角0°で入射する平行光
S 第1斜面と第2斜面とが交わる交点
h 第1斜面と第2斜面とが交わる交点Sまでの高さ
W 光反射部の溝内で対向する第1斜面と平面視で重なる光拡散部の幅

Claims (12)

  1. 厚さ方向の一方の面から入射する映像光の一部を全反射により拡散させて他方の面側から出射させる光拡散部を少なくとも有し、当該光拡散部は、前記他方の面から前記一方の面に向かって先細る溝に樹脂が充填された断面略楔形状の光反射部と、当該光反射部間に設けられて前記映像光を透過させる断面略台形形状の光透過部とが交互に並設されてなる光拡散シートにおいて、
    前記光透過部を構成する材料の屈折率が、前記光反射部を構成する材料の屈折率の1.02〜1.25倍であり、
    前記光反射部の溝を形成する対向面が、前記一方の面側に位置して前記映像光を全反射させる傾斜角72〜86°からなる第1斜面と、当該第1斜面と前記他方の面とを繋ぐように位置して前記映像光を屈折透過する傾斜角60〜70°からなる第2斜面とを含む斜面によって形成されていることを特徴とする光拡散シート。
  2. 前記光反射部は、前記溝に光吸収性粒子を含む樹脂が充填されてなることを特徴とする請求項1に記載の光拡散シート。
  3. 前記光吸収性粒子の平均粒径が、前記他方の面から、前記第1斜面と前記第2斜面とが交わる交点までの高さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の光拡散シート。
  4. 前記光反射部における前記他方の面上であって当該光反射部の溝内で対向する第1斜面と平面視で重なる領域上には、光吸収層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光拡散シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散シートを有することを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 映像光が入射する側に、フレネルレンズシートが配置され、又はフレネルレンズ部が接合されていることを特徴とする請求項5に記載の透過型スクリーン。
  7. 前記フレネルレンズシート又は前記フレネルレンズ部が、全反射フレネルレンズを有することを特徴とする請求項6に記載の透過型スクリーン。
  8. 映像光が出射する側に、支持板が配置又は接合されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の透過型スクリーン。
  9. 映像光が出射する側の最表面に、タッチパネルが設けられていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の透過型スクリーン。
  10. 透過型スクリーンが装着された背面投射型表示装置において、当該透過型スクリーンの構成部材として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散シートを有することを特徴とする背面投射型表示装置。
  11. 表示用液晶パネルを有する液晶表示装置において、当該表示用液晶パネルの表示面上に配置又は接合される視野角拡大部材として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散シートを有することを特徴とする液晶表示装置。
  12. 前記表示面の最表面に、タッチパネルが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
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