JP2014142429A - 反射型スクリーン、前面投射型表示装置、多画面表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の利用効率が高く、明るく良好な映像を表示できる反射型スクリーン、これを備える前面投射型表示装置及び多画面表示装置を提供する。
【解決手段】反射型スクリーン10は、背面側に凸となる略三角柱状の単位レンズ121が複数配列されたレンズ層12と、単位レンズ121の2つの斜面121a,121b上に形成される反射層13とを備え、単位レンズ121の配列方向におけるレンズ層12の一部である領域Aでは、一方側から投射された映像光L1と、他方側から投射された映像光L2とが、同一の単位レンズ121の異なる斜面に入射して反射層13で反射し、略同一方向に出射し、領域A以外の領域B1,B2では、単位レンズ121の2つの斜面のうち、1つの斜面にのみ映像光が入射し、もう1つの斜面には映像光が入射しないものとした。
【選択図】図1
【解決手段】反射型スクリーン10は、背面側に凸となる略三角柱状の単位レンズ121が複数配列されたレンズ層12と、単位レンズ121の2つの斜面121a,121b上に形成される反射層13とを備え、単位レンズ121の配列方向におけるレンズ層12の一部である領域Aでは、一方側から投射された映像光L1と、他方側から投射された映像光L2とが、同一の単位レンズ121の異なる斜面に入射して反射層13で反射し、略同一方向に出射し、領域A以外の領域B1,B2では、単位レンズ121の2つの斜面のうち、1つの斜面にのみ映像光が入射し、もう1つの斜面には映像光が入射しないものとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーン、これを備える前面投射型表示装置及び多画面表示装置に関するものである。
スクリーンに映像光を投射して映像を表示する表示装置として、例えば、透過型スクリーンを用いた背面投射型表示装置や、反射型スクリーンを用いた前面投射型表示装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
近年では、複数の画面が配列された多画面表示装置の開発も進んでいる(例えば、特許文献2,3参照)。このような多画面表示装置に用いられ、1つの透過型スクリーンに対して、複数の映像源から映像光を投射する背面投射型表示装置等も開発されており、各映像源から投射された映像間のつなぎ目を目立たなくするために、エッジブレンディングという処理等が用いられている(例えば、特許文献3参照)。これは、映像のつなぎ目近傍となる領域では、つなぎ目を含む複数の映像を所定の幅だけ重複させ、重複領域の映像の明るさを調整することにより、映像のつなぎ目を目立ちにくくする処理である。
近年では、複数の画面が配列された多画面表示装置の開発も進んでいる(例えば、特許文献2,3参照)。このような多画面表示装置に用いられ、1つの透過型スクリーンに対して、複数の映像源から映像光を投射する背面投射型表示装置等も開発されており、各映像源から投射された映像間のつなぎ目を目立たなくするために、エッジブレンディングという処理等が用いられている(例えば、特許文献3参照)。これは、映像のつなぎ目近傍となる領域では、つなぎ目を含む複数の映像を所定の幅だけ重複させ、重複領域の映像の明るさを調整することにより、映像のつなぎ目を目立ちにくくする処理である。
しかし、反射型スクリーンを備える前面投射型表示装置を用い、良好な映像を表示する多画面表示装置の開発は遅れている。
また、例えば、特許文献1の反射スクリーン等では、1方向から投射された映像光を効率よく観察者側へ反射し、明るく良好な映像を表示することができる。しかし、反射型スクリーンが大画面となり、映像光が2方向(例えば、画面上下方向上側と下側等)から投射された場合には、それらを観察者側へ効率よく反射する設計とすることが困難である。
また、例えば、特許文献1の反射スクリーン等では、1方向から投射された映像光を効率よく観察者側へ反射し、明るく良好な映像を表示することができる。しかし、反射型スクリーンが大画面となり、映像光が2方向(例えば、画面上下方向上側と下側等)から投射された場合には、それらを観察者側へ効率よく反射する設計とすることが困難である。
本発明の課題は、光の利用効率が高く、明るく良好な映像を表示できる反射型スクリーン、これを備える前面投射型表示装置及び多画面表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンであって、背面側に凸となる略三角柱状の単位レンズ(121)が複数配列されたレンズ層(12)と、前記単位レンズの2つの斜面(121a,121b)上に形成される反射層(13)と、を備え、前記単位レンズの配列方向における前記レンズ層の一部の領域(A)では、前記配列方向の一方側から投射された映像光(L1)と、前記配列方向の他方側から投射された映像光(L2)とが、同一の単位レンズの異なる斜面に入射して前記反射層で反射し、略同一方向に出射し、前記レンズ層の前記配列方向における前記一部の領域以外の領域(B1,B2)では、前記単位レンズの2つの斜面のうち、1つの斜面にのみ映像光が入射し、もう1つの斜面には映像光が入射しないこと、を特徴とする反射型スクリーン(10,10−2)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記配列方向における前記一部の領域(A)以外の領域であって、前記一部の領域に隣接する領域(C1,C2)では、前記配列方向において前記一部の領域から離れるにしたがい、前記もう1つの斜面の寸法が小さくなること、を特徴とする反射スクリーン(10−2)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、光を拡散する作用を有する光拡散層(13)を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10,10−2)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、前記単位レンズ(121)の配列方向の一方側及び他方側からそれぞれ映像光(L1,L2)を投射する2つの映像源(LS1,LS2)と、を備える前面投射型表示装置(1)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の前面投射型表示装置(1)を複数備え、各前記反射型スクリーン(10)の表示画面が隣接するように配列した多画面表示装置(M1)である。
請求項1の発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンであって、背面側に凸となる略三角柱状の単位レンズ(121)が複数配列されたレンズ層(12)と、前記単位レンズの2つの斜面(121a,121b)上に形成される反射層(13)と、を備え、前記単位レンズの配列方向における前記レンズ層の一部の領域(A)では、前記配列方向の一方側から投射された映像光(L1)と、前記配列方向の他方側から投射された映像光(L2)とが、同一の単位レンズの異なる斜面に入射して前記反射層で反射し、略同一方向に出射し、前記レンズ層の前記配列方向における前記一部の領域以外の領域(B1,B2)では、前記単位レンズの2つの斜面のうち、1つの斜面にのみ映像光が入射し、もう1つの斜面には映像光が入射しないこと、を特徴とする反射型スクリーン(10,10−2)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記配列方向における前記一部の領域(A)以外の領域であって、前記一部の領域に隣接する領域(C1,C2)では、前記配列方向において前記一部の領域から離れるにしたがい、前記もう1つの斜面の寸法が小さくなること、を特徴とする反射スクリーン(10−2)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、光を拡散する作用を有する光拡散層(13)を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10,10−2)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、前記単位レンズ(121)の配列方向の一方側及び他方側からそれぞれ映像光(L1,L2)を投射する2つの映像源(LS1,LS2)と、を備える前面投射型表示装置(1)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の前面投射型表示装置(1)を複数備え、各前記反射型スクリーン(10)の表示画面が隣接するように配列した多画面表示装置(M1)である。
本発明によれば、光の利用効率が高く、明るく良好な映像を表示できる反射型スクリーン、これを備える前面投射型表示装置及び多画面表示装置を提供できる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、シート状等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
また、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、シート状等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
また、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の前面投射型表示装置1を説明する図である。図1では、前面投射型表示装置1の側面図を示している。
図2は、本実施形態の多画面表示装置M1を説明する図である。図2では、多画面表示装置M1を観察者O側の正面方向から見た様子を示している。
図1に示すように、前面投射型表示装置1は、反射型スクリーン10と、映像源LS1,LS2とを備えており、観察者O側に配置された映像源LS1,LS2から投射された映像光L1,L2を反射して、反射型スクリーン10の表示面に映像を表示する。
図2に示すように、多画面表示装置M1は、複数の前面投射型表示装置1が各反射型スクリーン10の表示画面を隣接させて配列されて形成される。本実施形態では、多画面表示装置M1は、3つの前面投射型表示装置1を画面左右方向(水平方向)へ連接して配置して形成される例を挙げて説明するが、その連接される方向や数は、適宜自由に設定してよい。
また、前面投射型表示装置1は、1台のみで一般的な表示装置(映像表示システム)として使用することも可能である。
図1は、本実施形態の前面投射型表示装置1を説明する図である。図1では、前面投射型表示装置1の側面図を示している。
図2は、本実施形態の多画面表示装置M1を説明する図である。図2では、多画面表示装置M1を観察者O側の正面方向から見た様子を示している。
図1に示すように、前面投射型表示装置1は、反射型スクリーン10と、映像源LS1,LS2とを備えており、観察者O側に配置された映像源LS1,LS2から投射された映像光L1,L2を反射して、反射型スクリーン10の表示面に映像を表示する。
図2に示すように、多画面表示装置M1は、複数の前面投射型表示装置1が各反射型スクリーン10の表示画面を隣接させて配列されて形成される。本実施形態では、多画面表示装置M1は、3つの前面投射型表示装置1を画面左右方向(水平方向)へ連接して配置して形成される例を挙げて説明するが、その連接される方向や数は、適宜自由に設定してよい。
また、前面投射型表示装置1は、1台のみで一般的な表示装置(映像表示システム)として使用することも可能である。
映像源LS1,LS2は、反射型スクリーン10の観察者側であって、反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向の下方側と、上方側とにそれぞれ配置されている。この映像源LS1,LS2としては、汎用の短焦点型プロジェクタを用いることができる。映像源LS1,LS2は、反射型スクリーン10に対する映像光の投射角度が大きく、反射型スクリーン10のスクリーン面に直交する方向(奥行き方向)における距離は、従来の汎用プロジェクタ等に比べて大幅に短い。
なお、スクリーン面とは、反射型スクリーン10全体として見たときにおける、反射型スクリーン10の平面方向となる面を示すものである。
本実施形態では、反射型スクリーン10と映像源LS1,LS2との奥行き方向の距離がS1であり、反射型スクリーン10の下端、上端から映像源LS1,LS2までの画面上下方向における距離がS2である。
なお、スクリーン面とは、反射型スクリーン10全体として見たときにおける、反射型スクリーン10の平面方向となる面を示すものである。
本実施形態では、反射型スクリーン10と映像源LS1,LS2との奥行き方向の距離がS1であり、反射型スクリーン10の下端、上端から映像源LS1,LS2までの画面上下方向における距離がS2である。
反射型スクリーン10は、映像源LS1,LS2が投射した映像光L1,L2を観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射型スクリーン10は、対角80インチ以上となるような大きな画面(表示領域)を有している。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射型スクリーン10は、対角80インチ以上となるような大きな画面(表示領域)を有している。
図1、図2に示すように、本実施形態の前面投射型表示装置1では、反射型スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、その長辺方向が画面上下方向に平行であり、短辺方向が画面左右方向に平行な矩形状である。
また、図1に示すように、映像源LS1,LS2は、反射型スクリーン10に対して、画面上下方向において、斜めに、即ち、スクリーン面の法線方向に対して角度をなす方向から映像光を投射する。
従って、反射型スクリーン10の画面上下方向において、上方側の領域B2には、映像源LS2からの映像光L2が到達し、下方側の領域B1には、映像源LS1からの映像光L1が到達する。また、画面上下方向の中央となる領域Aでは、映像源LS1,LS2からの映像光L1,L2の双方が到達する。
また、図1に示すように、映像源LS1,LS2は、反射型スクリーン10に対して、画面上下方向において、斜めに、即ち、スクリーン面の法線方向に対して角度をなす方向から映像光を投射する。
従って、反射型スクリーン10の画面上下方向において、上方側の領域B2には、映像源LS2からの映像光L2が到達し、下方側の領域B1には、映像源LS1からの映像光L1が到達する。また、画面上下方向の中央となる領域Aでは、映像源LS1,LS2からの映像光L1,L2の双方が到達する。
映像源LS1,LS2は、不図示の制御部により、領域Aに到達する光の明るさ等が制御されるエッジブレンディング処理が施されている。従って、この反射型スクリーン10は、領域Aと領域B1,B2との明るさの差が殆ど無く、明るさの均一性の高い映像を表示できる。
図1に示すように、反射型スクリーン10の画面上下方向における領域Aの寸法がS3、領域B1、B2の寸法がそれぞれS4,S5である。また、図1及び図2に示すように、反射型スクリーン10の画面左右方向の中央を通り、画面上下方向に平行な直線上において、上方端を点T2、下方端を点T1、中央を点T3とする。
図1に示すように、反射型スクリーン10の画面上下方向における領域Aの寸法がS3、領域B1、B2の寸法がそれぞれS4,S5である。また、図1及び図2に示すように、反射型スクリーン10の画面左右方向の中央を通り、画面上下方向に平行な直線上において、上方端を点T2、下方端を点T1、中央を点T3とする。
本実施形態の反射型スクリーン10は、その背面側に、平板状であり、十分な剛性を有する不図示の支持板が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられている。そして、反射型スクリーン10は、この支持板により、その平面性を維持している。本実施形態の支持板は、光透過性を有しない平板状の部材を用いている。
なお、これに限らず、反射型スクリーン10は、不図示の枠部材等によって支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
なお、これに限らず、反射型スクリーン10は、不図示の枠部材等によって支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
図3は、本実施形態の反射型スクリーン10の層構成を説明する図である。図3では、一例として、画面上下方向に平行であって反射型スクリーン10のスクリーン面に直交する断面のうち、領域Aに相当する部分の一部を拡大して示している。
反射型スクリーン10は、その観察者側(映像源側)から順に、光拡散層11、レンズ層12、反射層13、保護層14等を備えている。
反射型スクリーン10は、その観察者側(映像源側)から順に、光拡散層11、レンズ層12、反射層13、保護層14等を備えている。
光拡散層11は、光を拡散する作用を有する層である。この光拡散層11は、映像の視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりする機能を有する。本実施形態の光拡散層11は、その背面側にレンズ層12が一体に形成されている。
光拡散層11は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有するシート状の部材を用いることができる。
光拡散層11の母材となる樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等が挙げられる。
また、光拡散層11に含有される拡散材としては、アクリル系、スチレン系、アクリル・スチレンの共重合体等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等が挙げられる。また、これらの拡散材を、所望する拡散特性等に応じて、適宜配合して用いてもよい。拡散材の平均粒径は、約1〜30μmとすることが好ましい。
この光拡散層11の厚さは、反射型スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、例えば、約100〜300μmとすることが好ましい。
光拡散層11は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有するシート状の部材を用いることができる。
光拡散層11の母材となる樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等が挙げられる。
また、光拡散層11に含有される拡散材としては、アクリル系、スチレン系、アクリル・スチレンの共重合体等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等が挙げられる。また、これらの拡散材を、所望する拡散特性等に応じて、適宜配合して用いてもよい。拡散材の平均粒径は、約1〜30μmとすることが好ましい。
この光拡散層11の厚さは、反射型スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、例えば、約100〜300μmとすることが好ましい。
レンズ層12は、その背面側の面に、単位レンズ121が複数配列されて形成されている層である。このレンズ層12は、光拡散層11の背面側に一体に形成されている。
単位レンズ121は、背面側に凸となる略三角柱形状であり、画面左右方向を長手方向(稜線方向)とし、画面上下方向に複数配列されて形成されている。
このレンズ層12は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて形成することができる。また、これに限らず、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。さらに、レンズ層12は、熱可塑性樹脂を用いて形成してもよい。
単位レンズ121は、背面側に凸となる略三角柱形状であり、画面左右方向を長手方向(稜線方向)とし、画面上下方向に複数配列されて形成されている。
このレンズ層12は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて形成することができる。また、これに限らず、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂を用いてもよい。さらに、レンズ層12は、熱可塑性樹脂を用いて形成してもよい。
図4は、本実施形態のレンズ層12の単位レンズ121の形状を説明する図である。図4では、単位レンズ121の配列方向(画面上下方向)に平行であってスクリーン面に直交する断面の一部を拡大して示しており、図4(a)は、領域B2における単位レンズ121、図4(b)は、領域Aにおける単位レンズ121、図4(c)は、領域B1における単位レンズ121を説明する図である。
単位レンズ121は、画面上下方向において上側となる面121a、下側となる面121bとを備えている。また、面121a,121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1,θ2である。単位レンズ121の配列ピッチはPである。
図4(a)に示すように、領域B2では、角度θ1,θ2は、θ1>θ2であり、面121bの方が面121aよりも大きな寸法となっている。
また、図4(c)に示すように、領域B1では、角度θ1,θ2は、θ1<θ2であり、面121aの方が面121bよりも大きな寸法となっている。
さらに、図4(b)に示すように、領域Aでは、角度θ1,θ2は、θ1=θ2となっており、面121aと面121bとはその寸法が等しくなっている。
単位レンズ121は、画面上下方向において上側となる面121a、下側となる面121bとを備えている。また、面121a,121bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1,θ2である。単位レンズ121の配列ピッチはPである。
図4(a)に示すように、領域B2では、角度θ1,θ2は、θ1>θ2であり、面121bの方が面121aよりも大きな寸法となっている。
また、図4(c)に示すように、領域B1では、角度θ1,θ2は、θ1<θ2であり、面121aの方が面121bよりも大きな寸法となっている。
さらに、図4(b)に示すように、領域Aでは、角度θ1,θ2は、θ1=θ2となっており、面121aと面121bとはその寸法が等しくなっている。
反射層13は、光を反射する作用を有する層である。この反射層13は、レンズ層12の背面側に形成され、面121a,121bを被覆している。従って、レンズ層12の面121a,121bに入射した光は、反射層13により反射される。
反射層13は、面121a,121b上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成することが、映像光を効率よく反射する観点から好ましい。また、反射層13は、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成してもよい。
反射層13は、光を十分反射できる程度の厚さを有していればよく、特にその厚さを限定しない。本実施形態では、図3や図4に示すように、反射層13は、所定の厚さで単位レンズ121の凹凸形状に沿って形成される形態としたが、例えば、上記塗料を用いて形成する場合等は、単位レンズ121間の谷部を充填するように形成され、その背面側が平面状となるように形成されてもよい。
反射層13は、面121a,121b上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成することが、映像光を効率よく反射する観点から好ましい。また、反射層13は、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成してもよい。
反射層13は、光を十分反射できる程度の厚さを有していればよく、特にその厚さを限定しない。本実施形態では、図3や図4に示すように、反射層13は、所定の厚さで単位レンズ121の凹凸形状に沿って形成される形態としたが、例えば、上記塗料を用いて形成する場合等は、単位レンズ121間の谷部を充填するように形成され、その背面側が平面状となるように形成されてもよい。
図3に戻って、保護層14は、反射層13の背面側に形成される層である。本実施形態の保護層14は、反射型スクリーン10の最も背面側(裏面側)に位置している。
この保護層14は、反射層13の剥離や破損、酸化等による劣化等を防止する機能や、反射型スクリーン10の裏面を傷等から保護する機能を有している。
保護層14は、上記機能を有するならば、透明や半透明としてもよいが、黒色等の暗色の顔料や染料により着色され、光吸収作用を有する形態とすることが、背面側からの不要な外光の入射を防止できるので好ましい。
保護層14は、反射型スクリーン10の反射層13の背面側に、紫外線硬化型樹脂等を塗布して紫外線等を照射して硬化させて形成されている。なお、これに限らず、保護層14は、PET樹脂等の樹脂製のシート状の部材等を用いてもよく、不図示の粘着剤層を介して反射層13の背面側に積層される形態としてもよい。
この保護層14は、反射層13の剥離や破損、酸化等による劣化等を防止する機能や、反射型スクリーン10の裏面を傷等から保護する機能を有している。
保護層14は、上記機能を有するならば、透明や半透明としてもよいが、黒色等の暗色の顔料や染料により着色され、光吸収作用を有する形態とすることが、背面側からの不要な外光の入射を防止できるので好ましい。
保護層14は、反射型スクリーン10の反射層13の背面側に、紫外線硬化型樹脂等を塗布して紫外線等を照射して硬化させて形成されている。なお、これに限らず、保護層14は、PET樹脂等の樹脂製のシート状の部材等を用いてもよく、不図示の粘着剤層を介して反射層13の背面側に積層される形態としてもよい。
ここで、図4を参照しながら、本実施形態の反射型スクリーン10の領域A,B1,B2に入射する映像光L1,L2について説明する。図4では、理解を容易にするために、光拡散層11の母材及びレンズ層12の屈折率は等しいものとし、映像光L1,L2への光拡散層11の拡散作用に関しては省略して示している。
図4(a)に示すように、領域B2では、映像源LS2から投射された映像光L2は、反射型スクリーン10に上方から入射して屈折し、光拡散層11を透過して裏面側へ進み、単位レンズ121に入射する。単位レンズ121に入射した光は、面121bに入射して反射層13で反射してスクリーン面の法線方向に沿って観察者側へ進み、反射型スクリーン10から出射する。
この領域B2では、角度θ1は、レンズ層12内を透過する映像光L2がスクリーン面に平行な方向となす角度よりも大きい角度となるように設定されており、映像光L2が面121aに入射することはない。
図4(a)に示すように、領域B2では、映像源LS2から投射された映像光L2は、反射型スクリーン10に上方から入射して屈折し、光拡散層11を透過して裏面側へ進み、単位レンズ121に入射する。単位レンズ121に入射した光は、面121bに入射して反射層13で反射してスクリーン面の法線方向に沿って観察者側へ進み、反射型スクリーン10から出射する。
この領域B2では、角度θ1は、レンズ層12内を透過する映像光L2がスクリーン面に平行な方向となす角度よりも大きい角度となるように設定されており、映像光L2が面121aに入射することはない。
また、図4(c)に示すように、領域B1では、映像源LS1から投射された映像光L1は、反射型スクリーン10に下方から入射して屈折し、光拡散層11を透過して裏面側へ進み、単位レンズ121に入射する。単位レンズ121に入射した光は、面121aに入射して反射層13で反射してスクリーン面の法線方向に沿って観察者側へ進み、反射型スクリーン10から出射する。
この領域B1では、角度θ2は、レンズ層12内を透過する映像光L1がスクリーン面に平行な方向となす角度よりも大きい角度に設定されており、映像光L1が面121bに入射することはない。
この領域B1では、角度θ2は、レンズ層12内を透過する映像光L1がスクリーン面に平行な方向となす角度よりも大きい角度に設定されており、映像光L1が面121bに入射することはない。
次に、図4(b)に示すように、領域Aでは、映像源LS1,LS2から投射された映像光L1,L2は、反射型スクリーン10に下方から、上方からそれぞれ入射して屈折し、光拡散層11を透過した後、単位レンズ121に入射する。単位レンズ121に入射した映像光L2は、面121bに入射して反射層13で反射し、スクリーン面の法線方向に沿って観察者側へ進み、反射型スクリーン10から出射する。また、単位レンズ121に入射した映像光L1は、面121aに入射し、反射層13で反射し、スクリーン面の法線方向に沿って観察者側へ進み、反射型スクリーン10から出射する。
なお、上述のように、図4では、理解を容易にするために、光拡散層11による映像光L1,L2への拡散作用は、省略して示しているが、実際には、映像光L1,L2は、光拡散層11を透過する際に適宜拡散されている。
なお、上述のように、図4では、理解を容易にするために、光拡散層11による映像光L1,L2への拡散作用は、省略して示しているが、実際には、映像光L1,L2は、光拡散層11を透過する際に適宜拡散されている。
図5は、本実施形態の単位レンズ121と映像光L1,L2の反射について説明する図である。図5では、理解を容易にするために、反射型スクリーン10の画面上下方向に平行であってスクリーン面に直交する断面における単位レンズ121及び反射層13、反射型スクリーン10の映像源側最表面F等を模式的に示し、光拡散層11や保護層14等は省略している。
図5に示す光L3は、反射型スクリーン10のスクリーン面に対して入射角α(スクリーン面の法線方向に対して角度α)で入射し、単位レンズ121のスクリーン面に対して角度θをなす面(図5では、面121b)に入射して反射層13で反射し、スクリーン面に対して出射角β(スクリーン面の法線方向に対して角度β)で出射している。
このとき、単位レンズ121の屈折率をNとすると、以下の式1が満たされる。
(式1)
2×θ=arcsin((sinα)/N)+arcsin((sinβ)/N)
なお、角度αは正の値とし、角度βは、単位レンズ121の配列方向(画面上下方向)において、スクリーン面の法線方向に対して角度αと同じ側に位置するのであれば正の値とし、スクリーン面の法線方向に対して角度αとは反対側に位置するのであれば負の値とする。
図5に示す光L3は、反射型スクリーン10のスクリーン面に対して入射角α(スクリーン面の法線方向に対して角度α)で入射し、単位レンズ121のスクリーン面に対して角度θをなす面(図5では、面121b)に入射して反射層13で反射し、スクリーン面に対して出射角β(スクリーン面の法線方向に対して角度β)で出射している。
このとき、単位レンズ121の屈折率をNとすると、以下の式1が満たされる。
(式1)
2×θ=arcsin((sinα)/N)+arcsin((sinβ)/N)
なお、角度αは正の値とし、角度βは、単位レンズ121の配列方向(画面上下方向)において、スクリーン面の法線方向に対して角度αと同じ側に位置するのであれば正の値とし、スクリーン面の法線方向に対して角度αとは反対側に位置するのであれば負の値とする。
従って、領域B1において、角度θ1が、映像光L1について上記式1を満たすものとし、領域B2においては、角度θ2が、映像光L2ついて上記式1を満たすものとして設定されている。また、領域Aにおいては、映像光L1,L2について、それぞれ上記式1を満たす角度θ1,θ2が設定されている。
本実施形態では、β=0°となるように、即ち、映像光L1,L2がスクリーン面の法線方向へ出射するように角度θ1,θ2、屈折率N等が設定されている。
なお、図4等では、理解を容易にするために、各領域内において、角度θ1,θ2が一定である例を示している。しかし、画面上下方向に沿って、映像光L1,L2の入射角αは、実際には次第に変化している。従って、図4等のように、角度θ1,θ2を各領域内において一定とする場合は、その領域においてもっとも効率よく映像光L1,L2を所望の方向(本実施形態では、スクリーン面の法線方向)へ反射できるものを選択することが好ましい。また、映像光L1,L2の入射角αの変化に合わせて、角度θ1,θ2も、画面上下方向おいて次第に、又は、段階的に変化する形態としてもよい。
本実施形態では、β=0°となるように、即ち、映像光L1,L2がスクリーン面の法線方向へ出射するように角度θ1,θ2、屈折率N等が設定されている。
なお、図4等では、理解を容易にするために、各領域内において、角度θ1,θ2が一定である例を示している。しかし、画面上下方向に沿って、映像光L1,L2の入射角αは、実際には次第に変化している。従って、図4等のように、角度θ1,θ2を各領域内において一定とする場合は、その領域においてもっとも効率よく映像光L1,L2を所望の方向(本実施形態では、スクリーン面の法線方向)へ反射できるものを選択することが好ましい。また、映像光L1,L2の入射角αの変化に合わせて、角度θ1,θ2も、画面上下方向おいて次第に、又は、段階的に変化する形態としてもよい。
従って、本実施形態によれば、映像源LS1,LS2から投射された映像光L1,L2を効率よく観察者O側へ反射することができ、明るく、良好な映像を表示することができる。
また、本実施形態によれば、光拡散層11を備えているので、映像光L1,L2は拡散されるので、表示される映像に関して十分な視野角を実現できる。
さらに、本実施形態によれば、映像光L1,L2を反射型スクリーン10のに対して斜め方向から投射することができ、映像源LS1,LS2と反射型スクリーン10との奥行き方向の寸法を小さくでき、前面投射型表示装置1の省スペース化を実現できる。
また、本実施形態によれば、光拡散層11を備えているので、映像光L1,L2は拡散されるので、表示される映像に関して十分な視野角を実現できる。
さらに、本実施形態によれば、映像光L1,L2を反射型スクリーン10のに対して斜め方向から投射することができ、映像源LS1,LS2と反射型スクリーン10との奥行き方向の寸法を小さくでき、前面投射型表示装置1の省スペース化を実現できる。
(実施例)
ここで、本実施形態の反射型スクリーン10及び前面投射型表示装置1の実施例を作製し、その映像を評価した。実施例の反射型スクリーン10及び前面投射型表示装置1の各部の寸法等は、以下の通りである。
反射型スクリーン10の画面サイズ:対角200インチ(3048×2032mm)
反射型スクリーン10の総厚:約1.0mm
映像源LS1,LS2と、反射型スクリーン10の出光側表面とのスクリーン面の法線方向の距離S1:300mm
映像源LS1,LS2と、反射型スクリーン10の下端及び上端とのスクリーン面に平行な方向における距離S2:250mm
単位レンズ121の配列方向における領域A,B1,B2の寸法S3,S4,S5:S3=200mm、S4=1424mm、S5=1424mm
光拡散層11:半値角(半値幅の1/2)の絶対値が15°となる等方性の拡散作用を有する拡散シート(拡散材(平均粒径約10μm、アクリル樹脂製)を含有するポリカーボネート樹脂製、厚さ200μm)
ここで、本実施形態の反射型スクリーン10及び前面投射型表示装置1の実施例を作製し、その映像を評価した。実施例の反射型スクリーン10及び前面投射型表示装置1の各部の寸法等は、以下の通りである。
反射型スクリーン10の画面サイズ:対角200インチ(3048×2032mm)
反射型スクリーン10の総厚:約1.0mm
映像源LS1,LS2と、反射型スクリーン10の出光側表面とのスクリーン面の法線方向の距離S1:300mm
映像源LS1,LS2と、反射型スクリーン10の下端及び上端とのスクリーン面に平行な方向における距離S2:250mm
単位レンズ121の配列方向における領域A,B1,B2の寸法S3,S4,S5:S3=200mm、S4=1424mm、S5=1424mm
光拡散層11:半値角(半値幅の1/2)の絶対値が15°となる等方性の拡散作用を有する拡散シート(拡散材(平均粒径約10μm、アクリル樹脂製)を含有するポリカーボネート樹脂製、厚さ200μm)
単位レンズ121の屈折率N:1.49
画面中心(点T3)での単位レンズ121の面121a,121bの角度:θ1=20.7°、θ2=20.7°
領域B2の上端(点T2)での面121bの角度:θ2=12.7°,θ1=80°
領域B1の下端(点T1)での面121aの角度:θ1=12.7°,θ2=80°
単位レンズ121の配列ピッチ:P=250μm
画面中心(点T3)での単位レンズ121の面121a,121bの角度:θ1=20.7°、θ2=20.7°
領域B2の上端(点T2)での面121bの角度:θ2=12.7°,θ1=80°
領域B1の下端(点T1)での面121aの角度:θ1=12.7°,θ2=80°
単位レンズ121の配列ピッチ:P=250μm
実施例の反射型スクリーン10及び前面投射型表示装置1、多画面表示装置M1を作成し、実際に映像源LS1,LS2から映像光L1,L2を投射し、反射型スクリーン10に表示される映像を観察した。
実施例の反射型スクリーン10を備える前面投射型表示装置1を用いる多画面表示装置M1では、多画面表示装置M1の正面方向(各反射型スクリーン10の正面方向)から見て、明るく良好な映像が表示された。
また、実施例の反射型スクリーン10を備える前面投射型表示装置1を用いる多画面表示装置M1では、各スクリーンにおいて、表示される映像(反射される映像光)の画面水平方向及び画面上下方向における半値角(半値幅の1/2)の絶対値が20度であり、視野範囲も実用上十分であった。
実施例の反射型スクリーン10を備える前面投射型表示装置1を用いる多画面表示装置M1では、多画面表示装置M1の正面方向(各反射型スクリーン10の正面方向)から見て、明るく良好な映像が表示された。
また、実施例の反射型スクリーン10を備える前面投射型表示装置1を用いる多画面表示装置M1では、各スクリーンにおいて、表示される映像(反射される映像光)の画面水平方向及び画面上下方向における半値角(半値幅の1/2)の絶対値が20度であり、視野範囲も実用上十分であった。
(他の実施形態)
図6及び図7は、他の実施形態の反射スクリーンの一例を説明する図である。図6は、他の実施形態の反射型スクリーン10−2の側面図である。図7(a),(b),(c)は、それぞれ、図6に示す領域B2,C2,Aにおける単位レンズ121の形状を説明する図であり、画面上下方向に平行であったスクリーン面に直交する断面の一部を拡大して示している。また、図7では、理解を容易にするために、光拡散層11及び保護層14を省略し、単位レンズ121及び反射層13、反射型スクリーン10−2の観察者側最表面Fを模式的に示している。
図6に示すように、画面上下方向(単位レンズ121の配列方向)において、領域B2と領域Aとの間に領域C2、領域B1と領域Aとの間に領域C1を備える反射型スクリーン10−2としてもよい。
図6及び図7は、他の実施形態の反射スクリーンの一例を説明する図である。図6は、他の実施形態の反射型スクリーン10−2の側面図である。図7(a),(b),(c)は、それぞれ、図6に示す領域B2,C2,Aにおける単位レンズ121の形状を説明する図であり、画面上下方向に平行であったスクリーン面に直交する断面の一部を拡大して示している。また、図7では、理解を容易にするために、光拡散層11及び保護層14を省略し、単位レンズ121及び反射層13、反射型スクリーン10−2の観察者側最表面Fを模式的に示している。
図6に示すように、画面上下方向(単位レンズ121の配列方向)において、領域B2と領域Aとの間に領域C2、領域B1と領域Aとの間に領域C1を備える反射型スクリーン10−2としてもよい。
領域C2では、図7(b)に示すように、画面上下方向に沿って領域B2側から領域A側へ向かうにつれて、次第に、角度θ1が小さくなり、角度θ2が大きくなっている。また、これに伴い、画面上下方向に沿って領域B2側から領域A側へ向かうにつれて、次第に、面121aの寸法が大きくなり、面121bの寸法が小さくなっている。即ち、領域C2は、領域B2の単位レンズ121形状から領域Aの単位レンズ121の形状へ滑らかに変化する領域となっている。
また、図示しないが、領域C1も同様に、面上下方向に沿って領域B1側から領域A側へ向かうにつれて、領域B1の単位レンズ121の形状から、領域Aの単位レンズ121の形状へ、滑らかに変化する領域となっている。
また、図示しないが、領域C1も同様に、面上下方向に沿って領域B1側から領域A側へ向かうにつれて、領域B1の単位レンズ121の形状から、領域Aの単位レンズ121の形状へ、滑らかに変化する領域となっている。
領域B1,B2、領域A内において、それぞれ、単位レンズ121の形状を一定とした場合、領域B1と領域Aとの境界部分、領域B2と領域Aとの境界部分において、単位レンズ121の形状が切り替わるため、映像光の反射特性も各境界部分において急峻に変化する。そのため、観察者Oには、境界部分で輝度が変化して観察され、映像の連続性や明るさの均一性が低下する可能性がある。
しかし、このような領域C2,C1を設けることにより、映像光の反射特性が滑らかに変化することとなり、映像の連続性や明るさの均一性を向上させることができる。
なお、この領域C1,C2の画面上下方向における寸法は、領域Aの画面上下方向における寸法S3の1/2程度とすることが、領域Aと領域B1,B2との間の反射特性の変化を観察者Oに視認されにくくし、映像の連続性や明るさの均一性を向上させる観点から好ましい。
しかし、このような領域C2,C1を設けることにより、映像光の反射特性が滑らかに変化することとなり、映像の連続性や明るさの均一性を向上させることができる。
なお、この領域C1,C2の画面上下方向における寸法は、領域Aの画面上下方向における寸法S3の1/2程度とすることが、領域Aと領域B1,B2との間の反射特性の変化を観察者Oに視認されにくくし、映像の連続性や明るさの均一性を向上させる観点から好ましい。
図8は、他の実施形態の前面投射型表示装置の一例を説明する図である。図8では、前面投射型表示装置1の側面図を模式的に示している。
図8(a)に示すように、反射型スクリーン10は、映像光L1,L2を、スクリーン面の法線方向に対して角度φ1をなす一定の方向へ出射する形態としてもよい。このとき、前述の図5に示す角度βは、β=φ1となる。
また、図8(b)に示すように、反射型スクリーン10は、映像光L1,L2を、スクリーン面の法線方向に対して角度φ2をなす方向へ出射する形態とし、この角度φ2が、画面上下方向(単位レンズ121の配列方向)に沿って変化している形態としてもよい。のとき、前述の図5に示す角度βは、β=φ2となる。
このような形態とすることにより、反射型スクリーン10の画面(表示領域)に対する観察者Oの位置等に応じて、効率よく映像光L1,L2を出射することができ、前面投射型表示装置1や多画面表示装置M1の利便性をさらに向上させることができる。
図8(a)に示すように、反射型スクリーン10は、映像光L1,L2を、スクリーン面の法線方向に対して角度φ1をなす一定の方向へ出射する形態としてもよい。このとき、前述の図5に示す角度βは、β=φ1となる。
また、図8(b)に示すように、反射型スクリーン10は、映像光L1,L2を、スクリーン面の法線方向に対して角度φ2をなす方向へ出射する形態とし、この角度φ2が、画面上下方向(単位レンズ121の配列方向)に沿って変化している形態としてもよい。のとき、前述の図5に示す角度βは、β=φ2となる。
このような形態とすることにより、反射型スクリーン10の画面(表示領域)に対する観察者Oの位置等に応じて、効率よく映像光L1,L2を出射することができ、前面投射型表示装置1や多画面表示装置M1の利便性をさらに向上させることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、反射型スクリーン10は、観察者側から順に、光拡散層11、レンズ層12、反射層13、保護層14を備える例を示したが、これに限らず、使用環境や所望する光学性能等に応じて、適宜、他の層を積層してもよい。
例えば、反射型スクリーン10の最も観察者側となる位置に、表面層を備えてもよい。この表面層は、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、防汚機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能等の少なくとも1つの機能を備える層である。この表面層が有する機能は、使用環境や所望する光学特性等に応じて適宜選択することができ、複数種類の機能を備える形態としてもよい。
また、例えば、所定の透過率となるように黒色等の暗色系の顔料や染料を含有して着色された樹脂製の着色層を光拡散層11の出光側等に備える形態としてもよい。このような着色層を備えることにより、不要な照明光等の外光を吸収したり、反射型スクリーン10内で発生した迷光を吸収することができ、コントラストを高めたり映像の鮮明性を高めたりすることができる。
さらに、例えば、反射型スクリーン10の平面性を高めるための基板層等を備える形態としてもよい。基板層は、透光性を有し、厚みの大きな樹脂製の板状の部材やガラス板等を用いることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、反射型スクリーン10は、観察者側から順に、光拡散層11、レンズ層12、反射層13、保護層14を備える例を示したが、これに限らず、使用環境や所望する光学性能等に応じて、適宜、他の層を積層してもよい。
例えば、反射型スクリーン10の最も観察者側となる位置に、表面層を備えてもよい。この表面層は、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、防汚機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能等の少なくとも1つの機能を備える層である。この表面層が有する機能は、使用環境や所望する光学特性等に応じて適宜選択することができ、複数種類の機能を備える形態としてもよい。
また、例えば、所定の透過率となるように黒色等の暗色系の顔料や染料を含有して着色された樹脂製の着色層を光拡散層11の出光側等に備える形態としてもよい。このような着色層を備えることにより、不要な照明光等の外光を吸収したり、反射型スクリーン10内で発生した迷光を吸収することができ、コントラストを高めたり映像の鮮明性を高めたりすることができる。
さらに、例えば、反射型スクリーン10の平面性を高めるための基板層等を備える形態としてもよい。基板層は、透光性を有し、厚みの大きな樹脂製の板状の部材やガラス板等を用いることができる。
(2)本実施形態において、光拡散層11の背面側の面に、レンズ層12が一体に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、透光性を有するシート状の基材の片面に、電離放射線硬化型樹脂等でレンズ層を一体に形成し、これを、不図示の粘着剤層等を介して光拡散層11の背面側に一体に積層する形態としてもよい。
(3)本実施形態において、単位レンズ121の配列ピッチP一定である例を示したが、これに限らず、例えば、配列ピッチPが領域A,B1,B2で異なる形態としたり、単位レンズ121の配列方向に沿って配列ピッチPが次第に変化する形態等としたりしてもよい。
(4)本実施形態において、光拡散層11は、光拡散材を含有する例を示したが、これに限らず、光拡散材に加えて、所定の透過率となるように、暗色系の顔料や染料を含有する形態としてもよい。
また、本実施形態において、光拡散層11は、光拡散材を含有する樹脂製のシート部材を用いる例を示したが、これに限らず、例えば、光拡散層11として、レンチキュラーレンズシートやマイクロレンズアレイシート等を用いてもよい。これらのレンズシートを用いる場合は、そのレンズ形状が形成されている面側を観察者側として配置する。なお、レンチキュラーレンズシートを用いる場合、その楕円柱状等の単位レンズは、長手方向(稜線方向)を画面上下方向とし、画面左右方向に配列されることが、画面左右方向の視野角を広げる観点から好ましい。
また、本実施形態において、光拡散層11は光を等方的に拡散する例を示したが、これに限らず、例えば、画面左右方向における拡散作用が大きく、画面上下方向における拡散作用が小さいといった異方性を有する拡散作用を有する形態としてもよい。
また、本実施形態において、光拡散層11は、光拡散材を含有する樹脂製のシート部材を用いる例を示したが、これに限らず、例えば、光拡散層11として、レンチキュラーレンズシートやマイクロレンズアレイシート等を用いてもよい。これらのレンズシートを用いる場合は、そのレンズ形状が形成されている面側を観察者側として配置する。なお、レンチキュラーレンズシートを用いる場合、その楕円柱状等の単位レンズは、長手方向(稜線方向)を画面上下方向とし、画面左右方向に配列されることが、画面左右方向の視野角を広げる観点から好ましい。
また、本実施形態において、光拡散層11は光を等方的に拡散する例を示したが、これに限らず、例えば、画面左右方向における拡散作用が大きく、画面上下方向における拡散作用が小さいといった異方性を有する拡散作用を有する形態としてもよい。
(5)本実施形態において、単位レンズ121は、面121a,121bには凹凸等が形成されていない例を示したが、これに限らず、例えば、面121a,121bに微細凹凸形状を付し、面121a,121bを粗面としてもよい。このような形態とすることにより、映像光L1,L2を反射する際に拡散することができる。
(6)本実施形態において、単位レンズ121は、図3等に示す断面において、面121a,121bが直線状となる平面である例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、面121a,121bの一部が曲線状となっていてもよい。
また、本実施形態において、単位レンズ121の面121a,121bは、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
また、本実施形態において、単位レンズ121の面121a,121bは、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
(7)本実施形態において、反射型スクリーン10は、その背面側に設けられた不図示の支持板に不図示の粘着材層等を介して接合される例を示したが、これに限らず、例えば、反射型スクリーン10が粘着材層等を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げされる形態等としてもよい。
また、本実施形態において、反射型スクリーン10は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板等を設けず、反射型スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕等で被覆する形態としてもいよい。
また、本実施形態において、反射型スクリーン10は、使用時及び不使用時には略平板状である例を示したが、これに限らず、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板等を設けず、反射型スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕等で被覆する形態としてもいよい。
(8)本実施形態において、多画面表示装置M1は、各反射型スクリーン10の表示面が同一平面状に位置するように配列される例を示したが、これに限らず、各表示面が所定の角度をなすように配置してもよい。
図9は、変形形態の多画面表示装置M2を説明する図である。図9では、理解を容易にするために、反射型スクリーン10のみを示している。
図9に示すように、例えば、各反射型スクリーン10の表示面が所定の角度をなし、観察者Oを3方から取り囲むように、前面投射型表示装置1を配置してもよい。
また、本実施形態において、反射型スクリーン10に対して画面上下方向の上側・下側に映像源LS1,LS2が位置する形態を示したが、これに限らず、画面左右方向の左側・右側に映像源LS1,LS2が位置する形態としてもよい。即ち、前面投射型表示装置は、反射型スクリーン10の画面中央となる点T3を通りスクリーン面の法線方向に伸びる直線を軸として、前面投射型表示装置1を90°回転させた形態としてもよい。このとき、前面投射型表示装置は、画面上下方向に配列されて、多画面表示装置を形成する。
図9は、変形形態の多画面表示装置M2を説明する図である。図9では、理解を容易にするために、反射型スクリーン10のみを示している。
図9に示すように、例えば、各反射型スクリーン10の表示面が所定の角度をなし、観察者Oを3方から取り囲むように、前面投射型表示装置1を配置してもよい。
また、本実施形態において、反射型スクリーン10に対して画面上下方向の上側・下側に映像源LS1,LS2が位置する形態を示したが、これに限らず、画面左右方向の左側・右側に映像源LS1,LS2が位置する形態としてもよい。即ち、前面投射型表示装置は、反射型スクリーン10の画面中央となる点T3を通りスクリーン面の法線方向に伸びる直線を軸として、前面投射型表示装置1を90°回転させた形態としてもよい。このとき、前面投射型表示装置は、画面上下方向に配列されて、多画面表示装置を形成する。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 前面投射型表示装置
10 反射型スクリーン
11 光拡散層
12 レンズ層
121 単位レンズ
121a,121b 面
13 反射層
14 保護層
LS1,LS2 映像源
M1 多画面表示装置
10 反射型スクリーン
11 光拡散層
12 レンズ層
121 単位レンズ
121a,121b 面
13 反射層
14 保護層
LS1,LS2 映像源
M1 多画面表示装置
Claims (5)
- 投射された映像光を反射して映像を表示する反射型スクリーンであって、
背面側に凸となる略三角柱状の単位レンズが複数配列されたレンズ層と、
前記単位レンズの2つの斜面上に形成される反射層と、
を備え、
前記単位レンズの配列方向における前記レンズ層の一部の領域では、前記配列方向の一方側から投射された映像光と、前記配列方向の他方側から投射された映像光とが、同一の単位レンズの異なる斜面に入射して前記反射層で反射し、略同一方向に出射し、
前記レンズ層の前記配列方向における前記一部の領域以外の領域では、前記単位レンズの2つの斜面のうち、1つの斜面にのみ映像光が入射し、もう1つの斜面には映像光が入射しないこと、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記配列方向における前記一部の領域以外の領域であって、前記一部の領域に隣接する領域では、前記配列方向において前記一部の領域から離れるにしたがい、前記もう1つの斜面の寸法が小さくなること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、
光を拡散する作用を有する光拡散層を備えること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、
前記単位レンズの配列方向の一方側及び他方側からそれぞれ映像光を投射する2つの映像源と、
を備える前面投射型表示装置。 - 請求項4に記載の前面投射型表示装置を複数備え、各前記反射型スクリーンの表示画面が隣接するように配列した多画面表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2013
- 2013-01-22 JP JP2013009595A patent/JP2014142429A/ja active Pending
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