JPH0772808A - マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶ディスプレイ - Google Patents
マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶ディスプレイInfo
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- JPH0772808A JPH0772808A JP5243792A JP24379293A JPH0772808A JP H0772808 A JPH0772808 A JP H0772808A JP 5243792 A JP5243792 A JP 5243792A JP 24379293 A JP24379293 A JP 24379293A JP H0772808 A JPH0772808 A JP H0772808A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 レンズアレイシートの第1物質層6の凹凸
面5上に、さらに高い屈折率を持つ第3物質層3を凹凸
形状に沿わせて積層したマイクロレンズアレイシート、
およびこれを液晶セルの観察面側に設けた液晶ディスプ
レイ。 【効果】 液晶表示素子の視野角が飛躍的に拡大され、
複数人で観察する場合や観察角度が制限されている場合
などにおいても、全く不都合なく表示を観察することが
出来るようになる。
面5上に、さらに高い屈折率を持つ第3物質層3を凹凸
形状に沿わせて積層したマイクロレンズアレイシート、
およびこれを液晶セルの観察面側に設けた液晶ディスプ
レイ。 【効果】 液晶表示素子の視野角が飛躍的に拡大され、
複数人で観察する場合や観察角度が制限されている場合
などにおいても、全く不都合なく表示を観察することが
出来るようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイに用
いられるマイクロレンズアレイシートおよびそれを用い
た液晶ディスプレイに関する。
いられるマイクロレンズアレイシートおよびそれを用い
た液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】直視型液晶ディスプレイ(以下、単に液
晶ディスプレイと言うことがある)の視野角(後述)を
拡大するために、液晶ディスプレイとマイクロレンズア
レイなどの光学素子を組み合わせることが提案されてい
る。
晶ディスプレイと言うことがある)の視野角(後述)を
拡大するために、液晶ディスプレイとマイクロレンズア
レイなどの光学素子を組み合わせることが提案されてい
る。
【0003】液晶ディスプレイの観察面側にレンズなど
の光線透過方向を制御する光学素子を組み合わせて視野
角を拡大する方法としては、平凹レンズ群を配する方法
(特開昭53−25399号公報)、多面体レンズを配
する方法(特開昭56−65175号公報)、プリズム
状突起透明板を配する方法(特開昭61−148430
号公報)、液晶セルの表示単位にそれぞれレンズを設け
る方法(特開昭62−56930号公報、特開平2−1
08093号公報)などがあり、さらにこれらに加え透
過型ディスプレイの場合に背面光源の光線出射方向を制
御する手段を付加するもの(特開昭58−169132
号公報、特開昭60−202464号公報、特開昭63
−253329号公報)などがある。
の光線透過方向を制御する光学素子を組み合わせて視野
角を拡大する方法としては、平凹レンズ群を配する方法
(特開昭53−25399号公報)、多面体レンズを配
する方法(特開昭56−65175号公報)、プリズム
状突起透明板を配する方法(特開昭61−148430
号公報)、液晶セルの表示単位にそれぞれレンズを設け
る方法(特開昭62−56930号公報、特開平2−1
08093号公報)などがあり、さらにこれらに加え透
過型ディスプレイの場合に背面光源の光線出射方向を制
御する手段を付加するもの(特開昭58−169132
号公報、特開昭60−202464号公報、特開昭63
−253329号公報)などがある。
【0004】液晶ディスプレイにマイクロレンズアレイ
を組み合わせた際に、レンズ面における直接反射によっ
て表示像が見えにくくなる欠点を解消する技術としては
該レンズ表面に反射防止多層膜などによる無反射コート
膜を設けることが提案されている(特開昭56−651
75号公報)。
を組み合わせた際に、レンズ面における直接反射によっ
て表示像が見えにくくなる欠点を解消する技術としては
該レンズ表面に反射防止多層膜などによる無反射コート
膜を設けることが提案されている(特開昭56−651
75号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】液晶ディスプレイは、
観察方向によって表示品位が変化するという欠点を持っ
ている。一般的には表示面の法線方向から観察した時に
最も良好な表示品位が得られるように設定されているの
で、表示面の法線方向と観察方向のなす角度が大きくな
るほど表示品位が低下し、ある角度を超えると観察者が
容認できる範囲を超えてしまうという欠点、すなわち良
好な表示品位の得られる視野角が小さい(以下、単に
「視野角が狭い」ということがある)という欠点を持っ
ている。
観察方向によって表示品位が変化するという欠点を持っ
ている。一般的には表示面の法線方向から観察した時に
最も良好な表示品位が得られるように設定されているの
で、表示面の法線方向と観察方向のなす角度が大きくな
るほど表示品位が低下し、ある角度を超えると観察者が
容認できる範囲を超えてしまうという欠点、すなわち良
好な表示品位の得られる視野角が小さい(以下、単に
「視野角が狭い」ということがある)という欠点を持っ
ている。
【0006】視野角が狭いという欠点は、比較的単純な
構成で生産性に優れ大容量表示が可能という優れた特長
を持つためパーソナルワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータなどに多用されるスーパーツイステッドネマ
チックモード、およびテレビ画像などのフルカラー画像
を表示するツイステッドネマチックモードにおいて特に
顕著で、ディスプレイ表示面の法線方向から20度から
50度(表示面に対して上下方向、左右方向などによっ
て異なる)の方向から観察した場合、表示内容が殆ど判
読できなくなることが多い。このため、事実上複数人で
観察することができず、液晶ディスプレイの応用展開の
妨げとなっている。
構成で生産性に優れ大容量表示が可能という優れた特長
を持つためパーソナルワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータなどに多用されるスーパーツイステッドネマ
チックモード、およびテレビ画像などのフルカラー画像
を表示するツイステッドネマチックモードにおいて特に
顕著で、ディスプレイ表示面の法線方向から20度から
50度(表示面に対して上下方向、左右方向などによっ
て異なる)の方向から観察した場合、表示内容が殆ど判
読できなくなることが多い。このため、事実上複数人で
観察することができず、液晶ディスプレイの応用展開の
妨げとなっている。
【0007】この欠点を解消するために、液晶ディスプ
レイの観察面にマイクロレンズアレイ等の光学素子を設
けることが提案されているが、いずれも実用性に乏しく
視野角の問題を解消するに至っていない。
レイの観察面にマイクロレンズアレイ等の光学素子を設
けることが提案されているが、いずれも実用性に乏しく
視野角の問題を解消するに至っていない。
【0008】この理由は、本発明者の検討によれば、従
来提案されてきた方法では液晶ディスプレイの表示品位
を著しく低下してしまうという欠点があったためであ
る。すなわち、従来提案されている方法のうち平凹レン
ズ群、多面体レンズ群、レンチキュラーレンズ、プリズ
ム板を配する方法では、液晶ディスプレイの視野角を拡
大する効果が小さいとともに、液晶ディスプレイの外部
から入射する光線を強く反射するので、通常の室内照明
などの外部からの入射光(以下、単に「外光」というこ
とがある)がある場合には画面全体が白っぽくなり、最
明色表示部分と最暗色表示部分のコントラスト比が低下
し表示が見にくくなるという欠点があったためである。
この欠点は、マイクロレンズアレイの視野角拡大効果が
大きいほど顕著となるという相関があり、液晶ディスプ
レイの視野角を拡大することをさらに困難なものにして
いた。
来提案されてきた方法では液晶ディスプレイの表示品位
を著しく低下してしまうという欠点があったためであ
る。すなわち、従来提案されている方法のうち平凹レン
ズ群、多面体レンズ群、レンチキュラーレンズ、プリズ
ム板を配する方法では、液晶ディスプレイの視野角を拡
大する効果が小さいとともに、液晶ディスプレイの外部
から入射する光線を強く反射するので、通常の室内照明
などの外部からの入射光(以下、単に「外光」というこ
とがある)がある場合には画面全体が白っぽくなり、最
明色表示部分と最暗色表示部分のコントラスト比が低下
し表示が見にくくなるという欠点があったためである。
この欠点は、マイクロレンズアレイの視野角拡大効果が
大きいほど顕著となるという相関があり、液晶ディスプ
レイの視野角を拡大することをさらに困難なものにして
いた。
【0009】またガラス平板などの内部に屈折率分布領
域を設けた、いわゆる平板マイクロレンズアレイでは、
レンズ効果が不充分なため、充分な視野角拡大効果を得
ることはできない。
域を設けた、いわゆる平板マイクロレンズアレイでは、
レンズ効果が不充分なため、充分な視野角拡大効果を得
ることはできない。
【0010】原理的には液晶ディスプレイの背面光源の
輝度を増大することによって、表示品位を低下させる外
光よりも圧倒的に強い光量を背面から照射することによ
って、外光の反射による悪影響を無視できるレベルにす
ることはできるが、この場合、背面光源の出力を大きな
ものにする必要があり、液晶ディスプレイの小型、軽
量、薄型、低消費電力という大きな特徴が失われるた
め、実用性がなくなる。
輝度を増大することによって、表示品位を低下させる外
光よりも圧倒的に強い光量を背面から照射することによ
って、外光の反射による悪影響を無視できるレベルにす
ることはできるが、この場合、背面光源の出力を大きな
ものにする必要があり、液晶ディスプレイの小型、軽
量、薄型、低消費電力という大きな特徴が失われるた
め、実用性がなくなる。
【0011】また本発明者の検討によれば、レンズ面に
無反射コート層を設ける方法によっても、この欠点は殆
ど解消されない。これは、無反射コート層は原理的にあ
る特定の一方向からの入射光に対してのみ有効に働くの
で、観察角度を変えると無反射化効果が減少あるいは消
滅するという特性を持っており、液晶ディスプレイなど
あらゆる角度から観察されるものに適用するのには無理
があるためである。
無反射コート層を設ける方法によっても、この欠点は殆
ど解消されない。これは、無反射コート層は原理的にあ
る特定の一方向からの入射光に対してのみ有効に働くの
で、観察角度を変えると無反射化効果が減少あるいは消
滅するという特性を持っており、液晶ディスプレイなど
あらゆる角度から観察されるものに適用するのには無理
があるためである。
【0012】反射防止コートと呼ばれているものの中に
は、表面にランダムな微細な凹凸を設けるいわゆるノン
グレア処理(マット処理)も含まれることがあるが、こ
の方法は鏡面反射を抑える効果しかないので、レンズ表
面に適用しても効果がないことは言うまでもない。
は、表面にランダムな微細な凹凸を設けるいわゆるノン
グレア処理(マット処理)も含まれることがあるが、こ
の方法は鏡面反射を抑える効果しかないので、レンズ表
面に適用しても効果がないことは言うまでもない。
【0013】なお液晶ディスプレイの視野角が狭いとい
う欠点は、液晶ディスプレイの原理的な問題であるた
め、液晶セル内部の改良によって視野角を拡大すること
は限界があり充分な効果は得られていない。
う欠点は、液晶ディスプレイの原理的な問題であるた
め、液晶セル内部の改良によって視野角を拡大すること
は限界があり充分な効果は得られていない。
【0014】本発明の目的は、上記の欠点を解消し、外
光がある通常の使用環境下においても充分な視野角拡大
効果のある液晶ディスプレイ用マイクロレンズアレイシ
ートを提供することにある。さらに、本発明は該マイク
ロレンズアレイシートを用いた、広い視野角を有する液
晶ディスプレイを提供することを目的とする。
光がある通常の使用環境下においても充分な視野角拡大
効果のある液晶ディスプレイ用マイクロレンズアレイシ
ートを提供することにある。さらに、本発明は該マイク
ロレンズアレイシートを用いた、広い視野角を有する液
晶ディスプレイを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の欠点を
解消するため、以下の構成としたものである。すなわ
ち、第1物質層と、該第1物質より小さい屈折率を持つ
第2物質層が2つの平行な平面(以下、これを表面とい
う)に挟まれ、第1物質層の表面とは反対側(第2物質
層側)の面が凹面および/または凸面(以下、凹凸面と
いう)をなすことによってレンズとして機能する微小単
位レンズを面状に配列したマイクロレンズアレイシート
であって、該第1物質部分の凹凸面上には、凹凸面の凹
凸形状に沿って第1物質層より屈折率の大きい第3物質
層が積層されていることを特徴とするマイクロレンズア
レイシートである。
解消するため、以下の構成としたものである。すなわ
ち、第1物質層と、該第1物質より小さい屈折率を持つ
第2物質層が2つの平行な平面(以下、これを表面とい
う)に挟まれ、第1物質層の表面とは反対側(第2物質
層側)の面が凹面および/または凸面(以下、凹凸面と
いう)をなすことによってレンズとして機能する微小単
位レンズを面状に配列したマイクロレンズアレイシート
であって、該第1物質部分の凹凸面上には、凹凸面の凹
凸形状に沿って第1物質層より屈折率の大きい第3物質
層が積層されていることを特徴とするマイクロレンズア
レイシートである。
【0016】本発明において、液晶ディスプレイとは液
晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異
方性)、配向性、流動性および誘電異方性などを利用
し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶の
配向状態を変化させることによって光線透過率や反射率
を変化させる光シャッタの配列体である液晶セルを用い
て表示を行うものをいう。さらにここでは、該液晶セル
に表示される表示像を直接観察する形式の、いわゆる直
視型液晶ディスプレイのことを言うものとする。
晶分子の電気光学効果、すなわち光学異方性(屈折率異
方性)、配向性、流動性および誘電異方性などを利用
し、任意の表示単位に電界印加あるいは通電して液晶の
配向状態を変化させることによって光線透過率や反射率
を変化させる光シャッタの配列体である液晶セルを用い
て表示を行うものをいう。さらにここでは、該液晶セル
に表示される表示像を直接観察する形式の、いわゆる直
視型液晶ディスプレイのことを言うものとする。
【0017】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
第1物質層と、該第1物質層より小さい屈折率を持つ第
2物質層が2つの平行な平面(以下、これを表面とい
う)に挟まれている。両物質層は実質的に無色透明であ
ることが好ましいが、用途や液晶ディスプレイの表示品
位を向上させるために着色せしめることもできる。第1
物質層を構成する第1物質としては、加工性や取扱性な
どの点で透明プラスティック材料が好ましく用いられる
が、第2物質層を構成する第2物質としては、このよう
な透明プラスティックの他に空気などの気体、水などの
液体を用いることもできる。
第1物質層と、該第1物質層より小さい屈折率を持つ第
2物質層が2つの平行な平面(以下、これを表面とい
う)に挟まれている。両物質層は実質的に無色透明であ
ることが好ましいが、用途や液晶ディスプレイの表示品
位を向上させるために着色せしめることもできる。第1
物質層を構成する第1物質としては、加工性や取扱性な
どの点で透明プラスティック材料が好ましく用いられる
が、第2物質層を構成する第2物質としては、このよう
な透明プラスティックの他に空気などの気体、水などの
液体を用いることもできる。
【0018】本発明のマイクロレンズアレイシートは、
このような第1物質層の表面とは反対側(第2物質層
側)の面を凹凸形状とし、個々の凹部分あるいは凸部分
が単位マイクロレンズとして機能するものである。凹凸
面は、表示品位の点から周期性を持つ凹凸であることが
好ましい。
このような第1物質層の表面とは反対側(第2物質層
側)の面を凹凸形状とし、個々の凹部分あるいは凸部分
が単位マイクロレンズとして機能するものである。凹凸
面は、表示品位の点から周期性を持つ凹凸であることが
好ましい。
【0019】凹凸面の形状としては、レンチキュラーレ
ンズのように円弧などの曲線を平行移動させた軌跡で示
される曲面を一方向に配列した1次元レンズアレイシー
トと、矩型、三角形、六角形などの低面をもつドーム状
の曲面を縦横に配列した2次元レンズアレイシートがあ
る。また、種々の角度を持つ平面が組み合わされた多面
体形状をしたものもある。
ンズのように円弧などの曲線を平行移動させた軌跡で示
される曲面を一方向に配列した1次元レンズアレイシー
トと、矩型、三角形、六角形などの低面をもつドーム状
の曲面を縦横に配列した2次元レンズアレイシートがあ
る。また、種々の角度を持つ平面が組み合わされた多面
体形状をしたものもある。
【0020】本発明は、これらのいずれの形状も選択す
ることができるが、単位マイクロレンズの凹凸面形状は
光学的に凸形状であることが好ましい。すなわち、高屈
折率物質である第1物質層側の単位マイクロレンズ配列
面と凹凸面上のある点の接面がなす角度が大きくなるほ
ど、凹凸面が第1物質層側の単位マイクロレンズ配列面
に近づく形状とするものである。
ることができるが、単位マイクロレンズの凹凸面形状は
光学的に凸形状であることが好ましい。すなわち、高屈
折率物質である第1物質層側の単位マイクロレンズ配列
面と凹凸面上のある点の接面がなす角度が大きくなるほ
ど、凹凸面が第1物質層側の単位マイクロレンズ配列面
に近づく形状とするものである。
【0021】ここで単位マイクロレンズ配列面とは、第
1物質層と第2物質層の界面である凹凸面の基準となる
面のことを言い、幾何学的な定義としては、凹凸面と交
わらず、かつ凹凸面に接する平面のうち本発明のマイク
ロレンズアレイシートが装着される液晶セルの表面に平
行な平面のことを言うものとする。
1物質層と第2物質層の界面である凹凸面の基準となる
面のことを言い、幾何学的な定義としては、凹凸面と交
わらず、かつ凹凸面に接する平面のうち本発明のマイク
ロレンズアレイシートが装着される液晶セルの表面に平
行な平面のことを言うものとする。
【0022】さらに、第1物質層側の単位マイクロレン
ズ配列面とは、凹凸面の両側にある2つの単位マイクロ
レンズ配列面のうち、第1物質層側にある単位マイクロ
レンズ配列面のことを言う。
ズ配列面とは、凹凸面の両側にある2つの単位マイクロ
レンズ配列面のうち、第1物質層側にある単位マイクロ
レンズ配列面のことを言う。
【0023】従来のレンチキュラーレンズ、マイクロレ
ンズアレイだけでは、上述したように液晶ディスプレイ
の表面に装着して視野角を拡大しようとしても、視野角
を拡大する効果が小さかったり、外光の反射によって画
面全体が白っぽくなってしまうなどの欠点があった。
ンズアレイだけでは、上述したように液晶ディスプレイ
の表面に装着して視野角を拡大しようとしても、視野角
を拡大する効果が小さかったり、外光の反射によって画
面全体が白っぽくなってしまうなどの欠点があった。
【0024】本発明者は、レンズアレイシートの構成と
液晶ディスプレイの視野角拡大効果、表示品位の関係を
詳細に検討した結果、観察面平面に対して大きな角度を
持つ部分を含む凹凸面を有するレンズアレイシートの、
高屈折率物質層側を観察面側にして液晶セルの観察面側
に装着すると大きな視野角拡大効果が得られることを発
見した。しかし、この場合は同時に外光の反射が強くな
り表示品位(コントラスト)が低下する現象が強くな
り、凹凸面形状の制御だけでは視野角拡大効果と外光反
射の強さはトレードオフの関係にあるため、充分な視野
角拡大効果を得ようとすると、ある程度の表示品位の低
下は免れなかった。
液晶ディスプレイの視野角拡大効果、表示品位の関係を
詳細に検討した結果、観察面平面に対して大きな角度を
持つ部分を含む凹凸面を有するレンズアレイシートの、
高屈折率物質層側を観察面側にして液晶セルの観察面側
に装着すると大きな視野角拡大効果が得られることを発
見した。しかし、この場合は同時に外光の反射が強くな
り表示品位(コントラスト)が低下する現象が強くな
り、凹凸面形状の制御だけでは視野角拡大効果と外光反
射の強さはトレードオフの関係にあるため、充分な視野
角拡大効果を得ようとすると、ある程度の表示品位の低
下は免れなかった。
【0025】この欠点に鑑み、さらに検討を重ねた結
果、反射する外光の大部分が、高屈折率物質層側からレ
ンズアレイシートに入射した外光が、凹凸面をなしてい
る低屈折率物質層との界面のうち両物質の屈折率差に基
づく臨界反射角以上の角度がある部分において全反射
し、さらに反射した光線が同様の原理で反射を繰り返す
ことによって、再度入射した面から出射されたものであ
ることを究明した。しかし一方で、最初の全反射を起こ
すような観察面に対して大きな角度を持つ部分が、液晶
ディスプレイに装着した時に大きな視野角拡大効果を発
揮する部分であるため、上記の欠点が発生しているもの
であることが判明した。
果、反射する外光の大部分が、高屈折率物質層側からレ
ンズアレイシートに入射した外光が、凹凸面をなしてい
る低屈折率物質層との界面のうち両物質の屈折率差に基
づく臨界反射角以上の角度がある部分において全反射
し、さらに反射した光線が同様の原理で反射を繰り返す
ことによって、再度入射した面から出射されたものであ
ることを究明した。しかし一方で、最初の全反射を起こ
すような観察面に対して大きな角度を持つ部分が、液晶
ディスプレイに装着した時に大きな視野角拡大効果を発
揮する部分であるため、上記の欠点が発生しているもの
であることが判明した。
【0026】そこで、液晶ディスプレイの視野角拡大効
果を維持しながら、外光の反射を大きく低減させる方法
を検討し、凹凸面上に、凹凸面の凹凸形状に沿って第1
物質層より屈折率の大きい第3物質層を積層することに
よって、この問題を解決できることを見いだし本発明を
完成した。
果を維持しながら、外光の反射を大きく低減させる方法
を検討し、凹凸面上に、凹凸面の凹凸形状に沿って第1
物質層より屈折率の大きい第3物質層を積層することに
よって、この問題を解決できることを見いだし本発明を
完成した。
【0027】これによって、第3物質層を積層しない場
合には高屈折率物質である第1物質層側の単位マイクロ
レンズ配列面の法線方向から入射する光線のうち、第1
物質層と低屈折率物質である第2物質層の屈折率差に基
づく全反射を2回以上繰り返すことによって再度第1物
質層側のレンズ配列面から出射する光線を、該第3物質
層内部に封じ込めることができるので、ほとんどの外光
反射を抑止することが可能となる。
合には高屈折率物質である第1物質層側の単位マイクロ
レンズ配列面の法線方向から入射する光線のうち、第1
物質層と低屈折率物質である第2物質層の屈折率差に基
づく全反射を2回以上繰り返すことによって再度第1物
質層側のレンズ配列面から出射する光線を、該第3物質
層内部に封じ込めることができるので、ほとんどの外光
反射を抑止することが可能となる。
【0028】以下、本発明のマイクロレンズアレイシー
トを図に従って説明する。図1は、本発明のマイクロレ
ンズアレイシートの構造の一例を説明する図であり、透
明プラスティック基板1の上に、第1物質層となる透明
プラスティックによって断面が半円のカマボコ状の単位
マイクロレンズ2が配列されており、さらにその上に、
単位マイクロレンズを形成する物質よりも屈折率の大き
な透明プラスティックによって第3物質層3が積層され
ている。この場合は、単位マイクロレンズ配列面はプラ
スティック基板1の表面4であり、凹凸面は、カマボコ
状レンズ群の表面5であり、また第1物質層はカマボコ
状レンズを形成するプラスティック層6であり、第2物
質層はカマボコ状レンズの上の空気層(ここでは、図示
せず)となる。また、ここでは単位レンズ間に光線吸収
性(黒色)の隔壁7が設けられている。
トを図に従って説明する。図1は、本発明のマイクロレ
ンズアレイシートの構造の一例を説明する図であり、透
明プラスティック基板1の上に、第1物質層となる透明
プラスティックによって断面が半円のカマボコ状の単位
マイクロレンズ2が配列されており、さらにその上に、
単位マイクロレンズを形成する物質よりも屈折率の大き
な透明プラスティックによって第3物質層3が積層され
ている。この場合は、単位マイクロレンズ配列面はプラ
スティック基板1の表面4であり、凹凸面は、カマボコ
状レンズ群の表面5であり、また第1物質層はカマボコ
状レンズを形成するプラスティック層6であり、第2物
質層はカマボコ状レンズの上の空気層(ここでは、図示
せず)となる。また、ここでは単位レンズ間に光線吸収
性(黒色)の隔壁7が設けられている。
【0029】図2は、図1に示したマイクロレンズアレ
イシートの表面4に垂直、かつ単位マイクロレンズ配列
方向に平行な面の断面図を示したものであり、主に第3
物質層3の好ましい形状と凹凸面形状5の関係を説明す
るものである。図3は、従来のマイクロレンズアレイシ
ートとして、図1に示したものと同様の形状を持つが第
3物質層の積層されていない、いわゆる通常のレンチキ
ュラーレンズの断面図を示したものであり、図2と図3
を対比して、第3物質層の機能を説明する。
イシートの表面4に垂直、かつ単位マイクロレンズ配列
方向に平行な面の断面図を示したものであり、主に第3
物質層3の好ましい形状と凹凸面形状5の関係を説明す
るものである。図3は、従来のマイクロレンズアレイシ
ートとして、図1に示したものと同様の形状を持つが第
3物質層の積層されていない、いわゆる通常のレンチキ
ュラーレンズの断面図を示したものであり、図2と図3
を対比して、第3物質層の機能を説明する。
【0030】図3において、外光となる第1物質層側か
らの入射光、すなわち基板側からの入射光のうち、例え
ば基板面の法線方向から入射する光線101は、凹凸面
5において、2回全反射し、再度基板面から出射され
る。また別の光線102は、凹凸面5において、3回全
反射して、基板面から出射される。このように、全反射
を繰り返すことによって入射した面と同じ面から出射さ
れる光線が、従来のマイクロレンズアレイシートを用い
たときの外光反射の主たる原因となっていた。
らの入射光、すなわち基板側からの入射光のうち、例え
ば基板面の法線方向から入射する光線101は、凹凸面
5において、2回全反射し、再度基板面から出射され
る。また別の光線102は、凹凸面5において、3回全
反射して、基板面から出射される。このように、全反射
を繰り返すことによって入射した面と同じ面から出射さ
れる光線が、従来のマイクロレンズアレイシートを用い
たときの外光反射の主たる原因となっていた。
【0031】全反射の起こる条件は、よく知られている
ように、光線が高屈折率物質から低屈折率物質との界面
に達したとき、光線の進行方向と界面の法線のなす角度
θが下記(1)式で示される臨界反射角θc以上である
時に起こる。 sin(θc)=n2/n1 ・・・・・・(1) ここでn2は低屈折率物質の屈折率、n1は高屈折率物
質の屈折率を示す。
ように、光線が高屈折率物質から低屈折率物質との界面
に達したとき、光線の進行方向と界面の法線のなす角度
θが下記(1)式で示される臨界反射角θc以上である
時に起こる。 sin(θc)=n2/n1 ・・・・・・(1) ここでn2は低屈折率物質の屈折率、n1は高屈折率物
質の屈折率を示す。
【0032】図2および図3において、高屈折率物質で
あるレンズ材質層6の屈折率を1.5とし、低屈折率物
質層である空気層の屈折率を1.0とすると、臨界反射
角θcは約41.8度となり、これ以上の角度をもって
凹凸面5に達した光線はすべて反射する。
あるレンズ材質層6の屈折率を1.5とし、低屈折率物
質層である空気層の屈折率を1.0とすると、臨界反射
角θcは約41.8度となり、これ以上の角度をもって
凹凸面5に達した光線はすべて反射する。
【0033】一方、第3物質層を積層した図2のマイク
ロレンズアレイシートにおいては、外光201が第1物
質層の凹凸面に到達しても、さらに屈折率の高い第3物
質層が積層されているため、全反射することなく、大部
分の光束は第3物質層内部へ屈折して進行する。この光
束は、第3物質層と第2物質層との界面に到達すると、
この界面で全反射することが多く、再帰光となって再び
第1物質層へ向かって進行し、第3物質層と第1物質層
の界面に到達する。
ロレンズアレイシートにおいては、外光201が第1物
質層の凹凸面に到達しても、さらに屈折率の高い第3物
質層が積層されているため、全反射することなく、大部
分の光束は第3物質層内部へ屈折して進行する。この光
束は、第3物質層と第2物質層との界面に到達すると、
この界面で全反射することが多く、再帰光となって再び
第1物質層へ向かって進行し、第3物質層と第1物質層
の界面に到達する。
【0034】ここで仮に、第1物質層と第3物質層の界
面および第3物質層と第2物質層の界面が、互いに平行
な平面であったならば、再帰光は一般に再び第1物質層
内に屈折して進行するのであるが、実際には第1物質層
と第3物質層の界面は曲面となっており、屈折、反射の
条件から外光が第1物質層から第3物質層に進行したと
きの界面に対する出射角よりも、再帰光が第3物質層か
ら第1物質層の界面に到達したときの入射角の方が大き
くなっている。
面および第3物質層と第2物質層の界面が、互いに平行
な平面であったならば、再帰光は一般に再び第1物質層
内に屈折して進行するのであるが、実際には第1物質層
と第3物質層の界面は曲面となっており、屈折、反射の
条件から外光が第1物質層から第3物質層に進行したと
きの界面に対する出射角よりも、再帰光が第3物質層か
ら第1物質層の界面に到達したときの入射角の方が大き
くなっている。
【0035】このため、第1物質層の屈折率と形状およ
び第3物質層の屈折率と厚みなどを最適化しておけば、
再帰光が第3物質層から第1物質層との界面に到達した
とき再び全反射させて、第3物質層内部へ再々帰させる
ことができ、最終的にレンズに無関係な部分で吸収せし
める、あるいは第2物質層側へ出射せしめるなどの方法
で、マイクロレンズアレイシートの第1物質層側表面か
ら出射させないような対策を施しておくことで、マイク
ロレンズアレイシートの外光反射を抑制することが可能
となる。
び第3物質層の屈折率と厚みなどを最適化しておけば、
再帰光が第3物質層から第1物質層との界面に到達した
とき再び全反射させて、第3物質層内部へ再々帰させる
ことができ、最終的にレンズに無関係な部分で吸収せし
める、あるいは第2物質層側へ出射せしめるなどの方法
で、マイクロレンズアレイシートの第1物質層側表面か
ら出射させないような対策を施しておくことで、マイク
ロレンズアレイシートの外光反射を抑制することが可能
となる。
【0036】例えば、図2において、外光201の進行
経路は図2に示したようになり、最終的にレンズ間の隔
壁7に吸収されるので、図3のように観察面から再度出
射されることがない。
経路は図2に示したようになり、最終的にレンズ間の隔
壁7に吸収されるので、図3のように観察面から再度出
射されることがない。
【0037】また、第3物質層の形状と位置、単位マイ
クロレンズの形状は、本発明の趣旨の範囲内であればこ
れに限られたものではないが、単位マイクロレンズ凹凸
面の外光反射を抑止しようとする部位における第3物質
層の厚みは、第1物質層と第3物質層の界面での反射光
と、第3物質層と第2物質層の界面での反射光が干渉し
て着色を生じないことが好ましく、具体的には1μm以
上の厚みを持つことが好ましい。
クロレンズの形状は、本発明の趣旨の範囲内であればこ
れに限られたものではないが、単位マイクロレンズ凹凸
面の外光反射を抑止しようとする部位における第3物質
層の厚みは、第1物質層と第3物質層の界面での反射光
と、第3物質層と第2物質層の界面での反射光が干渉し
て着色を生じないことが好ましく、具体的には1μm以
上の厚みを持つことが好ましい。
【0038】なお、図1ないし図3においては、透明プ
ラスティック基板1の上にレンズアレイを形成したもの
の場合を示したが、本発明のマイクロレンズアレイシー
トにおいて、透明プラスティック基板1は必須ではな
い。
ラスティック基板1の上にレンズアレイを形成したもの
の場合を示したが、本発明のマイクロレンズアレイシー
トにおいて、透明プラスティック基板1は必須ではな
い。
【0039】本発明において、第1物質層、第2物質層
および第3物質層の屈折率、形状などは求める特性によ
って最適化される。すなわち、該マイクロレンズアレイ
シートを装着する液晶セルの有効視野角およびその方
向、求める液晶ディスプレイの有効視野角、明るさなど
を勘案して幾何光学的に設計される。
および第3物質層の屈折率、形状などは求める特性によ
って最適化される。すなわち、該マイクロレンズアレイ
シートを装着する液晶セルの有効視野角およびその方
向、求める液晶ディスプレイの有効視野角、明るさなど
を勘案して幾何光学的に設計される。
【0040】本発明のマイクロレンズアレイシートの、
液晶ディスプレイに装着した際に観察面表面となる面、
例えば図1に示した構成の場合の透明プラスティック基
板1の、遮光壁が設けられた面4の反対の面8には、必
要に応じて、従来の液晶ディスプレイの観察面表面にな
されているような、表面硬度化処理(ハードコート)や
反射防止処理、防眩(ノングレア)処理などを施すこと
ができる。
液晶ディスプレイに装着した際に観察面表面となる面、
例えば図1に示した構成の場合の透明プラスティック基
板1の、遮光壁が設けられた面4の反対の面8には、必
要に応じて、従来の液晶ディスプレイの観察面表面にな
されているような、表面硬度化処理(ハードコート)や
反射防止処理、防眩(ノングレア)処理などを施すこと
ができる。
【0041】また、本発明のマイクロレンズアレイシー
トを液晶セルに装着しやすくするために、第2物質層も
しくは第3物質層の凸部分頂部を粘着性もしくは接着性
を持つ物質で形成したり、第2物質もしくは第3物質層
の凸部分頂部に粘着性もしくは接着性を持つ物質層を追
加することもできる。
トを液晶セルに装着しやすくするために、第2物質層も
しくは第3物質層の凸部分頂部を粘着性もしくは接着性
を持つ物質で形成したり、第2物質もしくは第3物質層
の凸部分頂部に粘着性もしくは接着性を持つ物質層を追
加することもできる。
【0042】このうち、第3物質層の凸部分頂部を粘着
性もしくは接着性を持つ物質で形成するか、当該部に粘
着性もしくは接着性を持つ物質層を追加して、該物質の
粘着性もしくは接着性を用いて液晶セルに装着せしめる
方法は外光反射のさらなる低減と良好な画像光の透過率
のさらなる向上の点から好ましい。
性もしくは接着性を持つ物質で形成するか、当該部に粘
着性もしくは接着性を持つ物質層を追加して、該物質の
粘着性もしくは接着性を用いて液晶セルに装着せしめる
方法は外光反射のさらなる低減と良好な画像光の透過率
のさらなる向上の点から好ましい。
【0043】次に、本発明の液晶ディスプレイについて
説明する。本発明の液晶ディスプレイ(以下、LCDと
言うことがある)は、上述した本発明のマイクロレンズ
アレイシートを用いて視野角が拡大された液晶ディスプ
レイである。すなわち、液晶分子の電気光学効果によっ
て光学特性を変化させる液晶セルを配列することによっ
て任意の画像を表示する液晶ディスプレイであって、該
液晶ディスプレイは液晶セルより観察面側に、上述した
本発明の液晶ディスプレイ用マイクロレンズアレイシー
トの第1物質層側を観察面側に、第2物質層側を液晶セ
ル側になるようにして設けられていることを特徴とする
液晶ディスプレイとしたものである。
説明する。本発明の液晶ディスプレイ(以下、LCDと
言うことがある)は、上述した本発明のマイクロレンズ
アレイシートを用いて視野角が拡大された液晶ディスプ
レイである。すなわち、液晶分子の電気光学効果によっ
て光学特性を変化させる液晶セルを配列することによっ
て任意の画像を表示する液晶ディスプレイであって、該
液晶ディスプレイは液晶セルより観察面側に、上述した
本発明の液晶ディスプレイ用マイクロレンズアレイシー
トの第1物質層側を観察面側に、第2物質層側を液晶セ
ル側になるようにして設けられていることを特徴とする
液晶ディスプレイとしたものである。
【0044】ここで液晶セルとは、液晶分子の電気光学
効果、すなわち屈折率および誘電率異方性を持つ液晶分
子に電界印加あるいは通電することによって液晶分子の
配向状態を変化させることによって電圧印加部分と非印
加部分に生じる光学的性質の差を利用して光線透過率を
制御する光シャッタ機構のことを言う。
効果、すなわち屈折率および誘電率異方性を持つ液晶分
子に電界印加あるいは通電することによって液晶分子の
配向状態を変化させることによって電圧印加部分と非印
加部分に生じる光学的性質の差を利用して光線透過率を
制御する光シャッタ機構のことを言う。
【0045】光シャッタ機構の様式を例示するなら、ダ
イナミックスキャッタリングモード(DS)、ゲストホ
ストモード(GH)、相転移モード、ツイステッドネマ
チックモード(TN)、強誘電性モード、スーパーツイ
ステッドネマチックモード(STN)、ポリマー分散モ
ード、ホメオトロピックモードなどがある。また、液晶
セルの各表示単位を駆動する方式として、各液晶セルを
独立して駆動するセグメント駆動、各表示単位を時分割
駆動する単純マトリックス駆動、各表示単位にトランジ
スタ、ダイオードなどの能動素子を配したアクティブマ
トリックス駆動などがある。
イナミックスキャッタリングモード(DS)、ゲストホ
ストモード(GH)、相転移モード、ツイステッドネマ
チックモード(TN)、強誘電性モード、スーパーツイ
ステッドネマチックモード(STN)、ポリマー分散モ
ード、ホメオトロピックモードなどがある。また、液晶
セルの各表示単位を駆動する方式として、各液晶セルを
独立して駆動するセグメント駆動、各表示単位を時分割
駆動する単純マトリックス駆動、各表示単位にトランジ
スタ、ダイオードなどの能動素子を配したアクティブマ
トリックス駆動などがある。
【0046】LCDを観察する方式として、LCDの背
面に光反射能を有する反射層を設け、LCD前面から入
射した光を反射させて観察する反射型と、LCD背面に
光源を設けて光源から出射された光をLCDを透過させ
て観察する透過型LCDがある。また、両者を兼用する
ものもある。
面に光反射能を有する反射層を設け、LCD前面から入
射した光を反射させて観察する反射型と、LCD背面に
光源を設けて光源から出射された光をLCDを透過させ
て観察する透過型LCDがある。また、両者を兼用する
ものもある。
【0047】本発明の液晶ディスプレイは、上記のよう
ないくつかの表示様式、駆動方式、観察方式を求める特
性にあわせて適宜組み合わせて構成することができる
が、これらのうち特に、透過型単純マトリックス駆動ス
ーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティ
ブマトリックス駆動ツイステッドネマチックモード、反
射型単純マトリックス駆動スーパーツイステッドネマチ
ックモードの液晶ディスプレイとき本発明の効果が大き
く、さらに透過型単純マトリックス駆動スーパーツイス
テッドネマチックモードの液晶セルのとき効果が大き
い。
ないくつかの表示様式、駆動方式、観察方式を求める特
性にあわせて適宜組み合わせて構成することができる
が、これらのうち特に、透過型単純マトリックス駆動ス
ーパーツイステッドネマチックモード、透過型アクティ
ブマトリックス駆動ツイステッドネマチックモード、反
射型単純マトリックス駆動スーパーツイステッドネマチ
ックモードの液晶ディスプレイとき本発明の効果が大き
く、さらに透過型単純マトリックス駆動スーパーツイス
テッドネマチックモードの液晶セルのとき効果が大き
い。
【0048】液晶セルの観察面側に先に述べた本発明の
マイクロレンズアレイシートを設けることによって、従
来の液晶ディスプレイの表示品位を殆ど低下させること
なく、視野角が狭いという欠点を解消することができ
る。
マイクロレンズアレイシートを設けることによって、従
来の液晶ディスプレイの表示品位を殆ど低下させること
なく、視野角が狭いという欠点を解消することができ
る。
【0049】一般に液晶セルの視野角特性、すなわち観
察方向による表示品位の変化は、観察方向とセル観察面
の法線方向がなす角度が一定であっても、観察方向が該
法線を軸として回転することによっても発生する。すな
わち、セルの正面から観察方向を移動する方向によって
(表示面に対した時の左方向、右方向、上方向、下方向
など)、視野角は異なるのが一般的である。あるいは、
液晶ディスプレイの使用目的によっては左右方向の視野
角を拡大したいなど優先的に一方向の視野角を拡大すべ
き場合もある。このような場合、マイクロレンズアレイ
シートのレンズの機能を、液晶セルの各方向の視野角特
性、あるいは求める視野角拡大方向について、各方向に
よって異なる特性を持たせることによって、さらに高い
表示品位を持つ液晶ディスプレイとすることができる。
察方向による表示品位の変化は、観察方向とセル観察面
の法線方向がなす角度が一定であっても、観察方向が該
法線を軸として回転することによっても発生する。すな
わち、セルの正面から観察方向を移動する方向によって
(表示面に対した時の左方向、右方向、上方向、下方向
など)、視野角は異なるのが一般的である。あるいは、
液晶ディスプレイの使用目的によっては左右方向の視野
角を拡大したいなど優先的に一方向の視野角を拡大すべ
き場合もある。このような場合、マイクロレンズアレイ
シートのレンズの機能を、液晶セルの各方向の視野角特
性、あるいは求める視野角拡大方向について、各方向に
よって異なる特性を持たせることによって、さらに高い
表示品位を持つ液晶ディスプレイとすることができる。
【0050】すなわち、上下方向あるいは左右方向など
一方向だけの視野角特性を拡大したい場合は、1次元レ
ンズアレイシートを用い、単位マイクロレンズの配列方
向を視野角を拡大したい方向に一致させて装着すること
によって達成できる。また、2方向の視野角特性を拡大
したい時は、2枚の1次元レンズアレイシートの単位マ
イクロレンズ配列方向に角度を持たせて重ね合わせる方
法、2次元レンズアレイシートを用いる方法などがある
が、それぞれの方向の視野角を拡大したい程度にあわせ
てレンズ形状を制御して設計することができる。
一方向だけの視野角特性を拡大したい場合は、1次元レ
ンズアレイシートを用い、単位マイクロレンズの配列方
向を視野角を拡大したい方向に一致させて装着すること
によって達成できる。また、2方向の視野角特性を拡大
したい時は、2枚の1次元レンズアレイシートの単位マ
イクロレンズ配列方向に角度を持たせて重ね合わせる方
法、2次元レンズアレイシートを用いる方法などがある
が、それぞれの方向の視野角を拡大したい程度にあわせ
てレンズ形状を制御して設計することができる。
【0051】本発明のLCDに用いられる、レンズアレ
イシートの単位マイクロレンズの大きさと位置は、液晶
セルの表示単位の大きさによって選ぶことができる。液
晶ディスプレイがドットマトリクス方式である場合、1
つの表示単位と単位マイクロレンズの対応関係には2つ
の好ましい態様がある。ひとつは、液晶セルの1表示単
位にそれぞれ1つの単位マイクロレンズが正確に対応し
ているもので、もうひとつは1表示単位に対して、平均
して2つ以上のレンズが対応しているものである。これ
によって、レンズアレイシートの単位マイクロレンズ配
列ピッチとセルの表示単位ピッチの干渉によるモアレの
発生を抑えることができる。これらのうち後者の態様
が、精密な位置合わせが不要であり、かつ何種類かのド
ットサイズを持つセルに対して同一のマイクロレンズア
レイシートが使えるようになることから生産性が向上す
る点で好ましい。さらに好ましくは1ドットに対して4
つ以上の単位マイクロレンズが対応しているこのが好ま
しく、さらには1表示単位に対して8つ以上の単位マイ
クロレンズが対応していることが好ましい。
イシートの単位マイクロレンズの大きさと位置は、液晶
セルの表示単位の大きさによって選ぶことができる。液
晶ディスプレイがドットマトリクス方式である場合、1
つの表示単位と単位マイクロレンズの対応関係には2つ
の好ましい態様がある。ひとつは、液晶セルの1表示単
位にそれぞれ1つの単位マイクロレンズが正確に対応し
ているもので、もうひとつは1表示単位に対して、平均
して2つ以上のレンズが対応しているものである。これ
によって、レンズアレイシートの単位マイクロレンズ配
列ピッチとセルの表示単位ピッチの干渉によるモアレの
発生を抑えることができる。これらのうち後者の態様
が、精密な位置合わせが不要であり、かつ何種類かのド
ットサイズを持つセルに対して同一のマイクロレンズア
レイシートが使えるようになることから生産性が向上す
る点で好ましい。さらに好ましくは1ドットに対して4
つ以上の単位マイクロレンズが対応しているこのが好ま
しく、さらには1表示単位に対して8つ以上の単位マイ
クロレンズが対応していることが好ましい。
【0052】ここで、1表示単位に対する単位マイクロ
レンズの個数nは、1次元レンズアレイシートの場合は
下記(2)式で、2次元レンズアレイシートの場合は下
記(3)式で、それぞれ定義される。 n=N/(L/l) ・・・・・・(2) n=N/(A/a) ・・・・・・(3) ここで、NはLCD表示面上にある単位マイクロレンズ
の総数、Lは液晶セルの1次元MLA単位マイクロレン
ズ配列方向の長さ、lは液晶セルの1表示単位のうち表
示に寄与する部分のレンズ配列方向の長さ、AはLCD
表示面の面積、aは液晶セルの1表示単位のうち表示に
寄与する部分の面積である。これらの式は、LCD表示
面の配線スペースなどの表示には直接寄与しない部分を
除いた表示単位部分に対応しているレンズの、平均の個
数を示すものである。
レンズの個数nは、1次元レンズアレイシートの場合は
下記(2)式で、2次元レンズアレイシートの場合は下
記(3)式で、それぞれ定義される。 n=N/(L/l) ・・・・・・(2) n=N/(A/a) ・・・・・・(3) ここで、NはLCD表示面上にある単位マイクロレンズ
の総数、Lは液晶セルの1次元MLA単位マイクロレン
ズ配列方向の長さ、lは液晶セルの1表示単位のうち表
示に寄与する部分のレンズ配列方向の長さ、AはLCD
表示面の面積、aは液晶セルの1表示単位のうち表示に
寄与する部分の面積である。これらの式は、LCD表示
面の配線スペースなどの表示には直接寄与しない部分を
除いた表示単位部分に対応しているレンズの、平均の個
数を示すものである。
【0053】本発明のLCDにおいて、マイクロレンズ
アレイシートは解像度やコントラストなどの表示品位の
低下がない点で、液晶セルにできるだけ接近させて装着
することが好ましい。具体的にいうと、セル表面とレン
ズアレイシートの凹凸面の最も接近した点における距離
で示して、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは
0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下であ
る。
アレイシートは解像度やコントラストなどの表示品位の
低下がない点で、液晶セルにできるだけ接近させて装着
することが好ましい。具体的にいうと、セル表面とレン
ズアレイシートの凹凸面の最も接近した点における距離
で示して、1.0mm以下が好ましく、より好ましくは
0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下であ
る。
【0054】本発明のLCDは、背面光源を有する透過
型LCDである時、該背面光源は、組み合わされる液晶
セルの有効視角範囲に、光束の80%以上が出射される
ものであるであることが好ましい。
型LCDである時、該背面光源は、組み合わされる液晶
セルの有効視角範囲に、光束の80%以上が出射される
ものであるであることが好ましい。
【0055】ここで液晶セルの有効視野角範囲とは、液
晶セルを観察した時に良好な表示品位が得られる視野角
範囲のことを言い、ここでは最良の表示品位が得られる
観察方向での最大のコントラスト比に対して、1/5の
コントラスト比が得られる観察方向の範囲とする。
晶セルを観察した時に良好な表示品位が得られる視野角
範囲のことを言い、ここでは最良の表示品位が得られる
観察方向での最大のコントラスト比に対して、1/5の
コントラスト比が得られる観察方向の範囲とする。
【0056】このような指向性を持つ背面光源とするこ
とによって得られる効果は二つあり、一つは蛍光管など
の光源体から出射される光束が有効に利用できる点であ
る。すなわち本発明の液晶ディスプレイは、レンズアレ
イシートの個々の単位マイクロレンズによって、液晶セ
ルの表示品位の悪い方向に透過してきた光束を屈折させ
て観察に影響がでないようにすると同時に、良好な表示
を示す方向に透過してきた光束を、種々の方向から観察
できるようにしているので、従来より一般的に用いられ
ている指向性のない背面光源では表示面の法線方向に対
し大きな角度で出射された光束は利用していない。そこ
で、背面光源からの出射光束に指向性をもたせることに
よって、光源から出射される光束を有効に利用できるこ
とになる。
とによって得られる効果は二つあり、一つは蛍光管など
の光源体から出射される光束が有効に利用できる点であ
る。すなわち本発明の液晶ディスプレイは、レンズアレ
イシートの個々の単位マイクロレンズによって、液晶セ
ルの表示品位の悪い方向に透過してきた光束を屈折させ
て観察に影響がでないようにすると同時に、良好な表示
を示す方向に透過してきた光束を、種々の方向から観察
できるようにしているので、従来より一般的に用いられ
ている指向性のない背面光源では表示面の法線方向に対
し大きな角度で出射された光束は利用していない。そこ
で、背面光源からの出射光束に指向性をもたせることに
よって、光源から出射される光束を有効に利用できるこ
とになる。
【0057】さらに、もう一つの効果は表示画像のにじ
みを防止することができる点である。本発明の液晶ディ
スプレイは観察面にレンズアレイシートを装着してお
り、それはできるだけ液晶セルに近接させて設けられる
ことが好ましいものであるが、液晶セルの液晶層の表示
単位とレンズアレイシートの凹凸面の間には一般に液晶
を封入するための基板や偏光素子の厚みに相当する距離
があるため、充分に近接させることができないことが多
い。このため、液晶セルの1つの表示単位を透過した光
束は、該表示単位部分に相当する単位マイクロレンズ部
分だけでなく、やや離れた位置にある単位マイクロレン
ズにも達し、単位マイクロレンズの効果で液晶セルの1
つの表示単位の輪郭が、ぼやけながら大きくなったよう
に観察されるため表示画像がにじんだように観察され
る。これに対し、指向性を持った背面光源を用いると、
液晶層の表示単位部分とレンズアレイシートの凹凸面の
間に多少距離があっても、該表示単位部分を透過した光
束には指向性があるので、主に相当する単位マイクロレ
ンズ部分だけにしか到達しないので、上記のように表示
画像がにじむことがない。ただし、液晶ディスプレイの
用途によっては、ある程度表示画像をにじませた方が好
ましいこともあり、この場合は背面光源の指向性をコン
トロールすることで対応が可能である。
みを防止することができる点である。本発明の液晶ディ
スプレイは観察面にレンズアレイシートを装着してお
り、それはできるだけ液晶セルに近接させて設けられる
ことが好ましいものであるが、液晶セルの液晶層の表示
単位とレンズアレイシートの凹凸面の間には一般に液晶
を封入するための基板や偏光素子の厚みに相当する距離
があるため、充分に近接させることができないことが多
い。このため、液晶セルの1つの表示単位を透過した光
束は、該表示単位部分に相当する単位マイクロレンズ部
分だけでなく、やや離れた位置にある単位マイクロレン
ズにも達し、単位マイクロレンズの効果で液晶セルの1
つの表示単位の輪郭が、ぼやけながら大きくなったよう
に観察されるため表示画像がにじんだように観察され
る。これに対し、指向性を持った背面光源を用いると、
液晶層の表示単位部分とレンズアレイシートの凹凸面の
間に多少距離があっても、該表示単位部分を透過した光
束には指向性があるので、主に相当する単位マイクロレ
ンズ部分だけにしか到達しないので、上記のように表示
画像がにじむことがない。ただし、液晶ディスプレイの
用途によっては、ある程度表示画像をにじませた方が好
ましいこともあり、この場合は背面光源の指向性をコン
トロールすることで対応が可能である。
【0058】このような指向性を持つ背面光源とするた
めには、蛍光管などの光源から出射された光束をフレネ
ルレンズ、フレネルプリズムなどの手段を用いる方法
や、反射鏡として微小反射面を組み合わせたマルチリフ
レクタを用いる手段、光ファイバーシートやルーバーな
どによって不要な光束を吸収する手段などがあり、また
これらに限られないが、これらの内、蛍光管などの光源
の出射光を有効に利用する点と薄型化、軽量化がしやす
い点で微小レンズや微小プリズムをシート状に配列した
フレネルシートを、背面光源の液晶セルに近接する発光
面に設ける方法が好ましい。
めには、蛍光管などの光源から出射された光束をフレネ
ルレンズ、フレネルプリズムなどの手段を用いる方法
や、反射鏡として微小反射面を組み合わせたマルチリフ
レクタを用いる手段、光ファイバーシートやルーバーな
どによって不要な光束を吸収する手段などがあり、また
これらに限られないが、これらの内、蛍光管などの光源
の出射光を有効に利用する点と薄型化、軽量化がしやす
い点で微小レンズや微小プリズムをシート状に配列した
フレネルシートを、背面光源の液晶セルに近接する発光
面に設ける方法が好ましい。
【0059】
【作用】液晶ディスプレイの液晶セルは観察方向によっ
て光線透過率や表示色が変化し、表示面の法線方向から
ある角度(セルの臨界視野角)を超えると観察者が容認
できる範囲を超えてしまう。従来のマイクロレンズアレ
イを用いて液晶ディスプレイの視野角を拡大する方法で
は、レンズ機能をもつ凹凸面で強く外光を反射し、さら
に最も観察する頻度が高いと思われる正面への反射が特
に強いので、表示画像のコントラスト比が大きく低下し
実用性に乏しかった。
て光線透過率や表示色が変化し、表示面の法線方向から
ある角度(セルの臨界視野角)を超えると観察者が容認
できる範囲を超えてしまう。従来のマイクロレンズアレ
イを用いて液晶ディスプレイの視野角を拡大する方法で
は、レンズ機能をもつ凹凸面で強く外光を反射し、さら
に最も観察する頻度が高いと思われる正面への反射が特
に強いので、表示画像のコントラスト比が大きく低下し
実用性に乏しかった。
【0060】一方、本発明のマイクロレンズアレイシー
トを用いた液晶ディスプレイは外光が入射しても高い屈
折率を持つ第3の層に封じ込められるので凹凸面におけ
る外光の反射は殆ど抑制され、一方で液晶セル側から入
射し観察面側に透過する表示画像を殆ど遮光することな
いので、外光の反射によるコントラスト比の低下は最小
限に抑えられるものと考えられる。
トを用いた液晶ディスプレイは外光が入射しても高い屈
折率を持つ第3の層に封じ込められるので凹凸面におけ
る外光の反射は殆ど抑制され、一方で液晶セル側から入
射し観察面側に透過する表示画像を殆ど遮光することな
いので、外光の反射によるコントラスト比の低下は最小
限に抑えられるものと考えられる。
【0061】この結果、表示セルの臨界視野角を超える
角度から液晶表示素子を観察した場合でも、そのとき観
察される光線はレンズアレイシートの各単位マイクロレ
ンズにおける屈折によって、表示セル部分ではセルの臨
界視野角を超えない範囲の角で透過した光線が観察され
るようになるため、良好な表示品位が得られ液晶表示素
子の視野角が拡大されることになるものと考えられる。
角度から液晶表示素子を観察した場合でも、そのとき観
察される光線はレンズアレイシートの各単位マイクロレ
ンズにおける屈折によって、表示セル部分ではセルの臨
界視野角を超えない範囲の角で透過した光線が観察され
るようになるため、良好な表示品位が得られ液晶表示素
子の視野角が拡大されることになるものと考えられる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 実施例 (1)マイクロレンズアレイシート(MLA)の作成 表面に凹溝形状が刻印されたアクリル樹脂製金型(波形
のピッチ50μm、深さ35μm、ストライプ状)を用
意し、これらの金型に第3物質となるプラスティックレ
ンズ成型用熱硬化性樹脂液(硬化後の屈折率1.61)
を塗布した。このとき、金型内部を完全には充填せずに
金型凹部(マイクロレンズアレイシートの凸部となる)
の中心で厚み5μmになるようにした。樹脂液の表面
は、表面張力によって金型凹溝形状とほぼ同様の凹溝形
状となっていた。この状態で、熱硬化性樹脂を硬化させ
た後、金型の残った凹部分に第1物質層となる紫外線硬
化性樹脂液(硬化後の屈折率1.46)を充填し、さら
にこの上に透明なポリエステルフィルム(厚さ188μ
m)を重ね合わせて、高圧水銀灯によって紫外線を照射
して樹脂液を硬化させ、溶媒により樹脂金型を溶解して
フィルム上に第1物質層および第3物質層が形成された
シートを得た。ついで、第1物質層と第3物質層からな
る単位マイクロレンズの間隙を、紫外線硬化性黒色イン
クで充填、硬化させて、図2に示す構造の本発明のマイ
クロレンズアレイシートを得た。
する。 実施例 (1)マイクロレンズアレイシート(MLA)の作成 表面に凹溝形状が刻印されたアクリル樹脂製金型(波形
のピッチ50μm、深さ35μm、ストライプ状)を用
意し、これらの金型に第3物質となるプラスティックレ
ンズ成型用熱硬化性樹脂液(硬化後の屈折率1.61)
を塗布した。このとき、金型内部を完全には充填せずに
金型凹部(マイクロレンズアレイシートの凸部となる)
の中心で厚み5μmになるようにした。樹脂液の表面
は、表面張力によって金型凹溝形状とほぼ同様の凹溝形
状となっていた。この状態で、熱硬化性樹脂を硬化させ
た後、金型の残った凹部分に第1物質層となる紫外線硬
化性樹脂液(硬化後の屈折率1.46)を充填し、さら
にこの上に透明なポリエステルフィルム(厚さ188μ
m)を重ね合わせて、高圧水銀灯によって紫外線を照射
して樹脂液を硬化させ、溶媒により樹脂金型を溶解して
フィルム上に第1物質層および第3物質層が形成された
シートを得た。ついで、第1物質層と第3物質層からな
る単位マイクロレンズの間隙を、紫外線硬化性黒色イン
クで充填、硬化させて、図2に示す構造の本発明のマイ
クロレンズアレイシートを得た。
【0063】 (2)比較用マイクロレンズアレイシートの作成 上記(1)で用いたアクリル樹脂金型と同じものを用意
し、(1)の第1物質層形成に用いた紫外線硬化性樹脂
液を充填し、以降(1)と同様の方法で図3に示す構造
の比較用マイクロレンズアレイシートを得た。
し、(1)の第1物質層形成に用いた紫外線硬化性樹脂
液を充填し、以降(1)と同様の方法で図3に示す構造
の比較用マイクロレンズアレイシートを得た。
【0064】(3)液晶ディスプレイの作成および評価 市販のパーソナルコンピュータに搭載されたスーパーツ
イステッド液晶モノクロディスプレイ(表示色ブルーモ
ード、画面サイズ対角約10インチ、画素数縦400×
横640、ドットピッチ290μm、バックライト付
き)の観察面側に(1)で作成した本発明のマイクロレ
ンズアレイシートのレンズ形成面を内側(液晶セル側)
にして取り付け、本発明の液晶ディスプレイを作成し
た。これと同様にして、(2)で用意した比較用マイク
ロレンズアレイシートを取り付けた液晶ディスプレイ、
および何も取り付けない状態の液晶ディスプレイを比較
対象として用意した。なお、ここで本発明のマイクロレ
ンズアレイシートおよび比較用マイクロレンズアレイシ
ートの単位マイクロレンズの配列方向は画面上下方向と
一致させた。
イステッド液晶モノクロディスプレイ(表示色ブルーモ
ード、画面サイズ対角約10インチ、画素数縦400×
横640、ドットピッチ290μm、バックライト付
き)の観察面側に(1)で作成した本発明のマイクロレ
ンズアレイシートのレンズ形成面を内側(液晶セル側)
にして取り付け、本発明の液晶ディスプレイを作成し
た。これと同様にして、(2)で用意した比較用マイク
ロレンズアレイシートを取り付けた液晶ディスプレイ、
および何も取り付けない状態の液晶ディスプレイを比較
対象として用意した。なお、ここで本発明のマイクロレ
ンズアレイシートおよび比較用マイクロレンズアレイシ
ートの単位マイクロレンズの配列方向は画面上下方向と
一致させた。
【0065】このようにして得たディスプレイを、ディ
スプレイ表示面の法線方向(正面)および上60度から
観察し表示品位を評価した。評価は、通常の使用環境で
ある室内照明下で行ったところ、本発明のマイクロレン
ズアレイシートを用いた液晶ディスプレイは、いずれの
方向から観察した場合にも良好な表示品位が得られた。
スプレイ表示面の法線方向(正面)および上60度から
観察し表示品位を評価した。評価は、通常の使用環境で
ある室内照明下で行ったところ、本発明のマイクロレン
ズアレイシートを用いた液晶ディスプレイは、いずれの
方向から観察した場合にも良好な表示品位が得られた。
【0066】一方、比較用マイクロレンズアレイシート
を用いたものは外光の反射により画面全体が白くなり、
特に正面から観察したときのコントラストが低下した。
また、これらのマイクロレンズアレイシートを取り付け
ない従来の液晶ディスプレイは、正面から観察したとき
の表示品位は良好であるが、上60度から観察した時は
表示色が反転し、殆ど表示内容が判読できなかった。
を用いたものは外光の反射により画面全体が白くなり、
特に正面から観察したときのコントラストが低下した。
また、これらのマイクロレンズアレイシートを取り付け
ない従来の液晶ディスプレイは、正面から観察したとき
の表示品位は良好であるが、上60度から観察した時は
表示色が反転し、殆ど表示内容が判読できなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明の液晶ディスプレイ用マイクロレ
ンズアレイシートによって液晶ディスプレイが本来持っ
ている良好な表示品位を低下させることなく、良好な表
示が観察される角度、すなわち視野角が飛躍的に拡大さ
れる。すなわち、液晶セルの観察面側に、マイクロレン
ズアレイシートを設けるだけの極めて単純な構成で、液
晶ディスプレイの視野角が狭いという欠点が解消される
ことによって、広い範囲の観察方向において良好な表示
品位が得られるようになり、表示を複数人で観察する場
合や観察角度が制限されている場合などにおいても、全
く不都合なく表示を観察することが出来るようになり、
CRT方式などの他の表示方式に対しても全く遜色ない
表示品位が得られるようになる。
ンズアレイシートによって液晶ディスプレイが本来持っ
ている良好な表示品位を低下させることなく、良好な表
示が観察される角度、すなわち視野角が飛躍的に拡大さ
れる。すなわち、液晶セルの観察面側に、マイクロレン
ズアレイシートを設けるだけの極めて単純な構成で、液
晶ディスプレイの視野角が狭いという欠点が解消される
ことによって、広い範囲の観察方向において良好な表示
品位が得られるようになり、表示を複数人で観察する場
合や観察角度が制限されている場合などにおいても、全
く不都合なく表示を観察することが出来るようになり、
CRT方式などの他の表示方式に対しても全く遜色ない
表示品位が得られるようになる。
【0068】これにより、液晶ディスプレイの本来持っ
ている薄型、軽量、低消費電力などの優れた利点を更に
活かすことができるようになり、従来より問題であった
表示品位に対する不満、不都合を解消するとともに、従
来不可能であった新しい用途にも展開することが可能と
なる。
ている薄型、軽量、低消費電力などの優れた利点を更に
活かすことができるようになり、従来より問題であった
表示品位に対する不満、不都合を解消するとともに、従
来不可能であった新しい用途にも展開することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロレンズアレイシートの構造の
一例を説明する概略構成図である。
一例を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の一例に係るマイクロレンズアレイシー
トの部分断面図である。
トの部分断面図である。
【図3】従来のマイクロレンズアレイシートの断面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の液晶ディスプレイの一例を示す概略構
成図である。
成図である。
1 透明プラスティック基板 2 単位マイクロレンズ 3 第3物質層 4 単位マイクロレンズ配列面 5 凹凸面 6 第1物質層 7 隔壁 51 液晶セル 52 マイクロレンズアレイシート 53 背面光源 101 基板面の法線方向から入射する光線 102 基板面の法線方向から入射する別の光線 201 基板面の法線方向から入射する光線
Claims (2)
- 【請求項1】 第1物質層と、該第1物質より小さい屈
折率を持つ第2物質層が2つの平行な平面に挟まれ、第
1物質層の表面とは反対側の第2物質層側の面が凹面お
よび/または凸面をなすことによってレンズとして機能
する微小単位レンズを面状に配列したマイクロレンズア
レイシートであって、前記第1物質層の凹凸面上には、
該凹凸面の凹凸形状に沿って第1物質層より屈折率の大
きい第3物質層が積層されていることを特徴とするマイ
クロレンズアレイシート。 - 【請求項2】 請求項1に記載のマイクロレンズアレイ
シートの第1物質層側を観察面側に、第2物質層側を液
晶セル側にして、液晶セルの観察面側の表面に装着した
ことを特徴とする液晶ディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5243792A JPH0772808A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶ディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5243792A JPH0772808A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶ディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0772808A true JPH0772808A (ja) | 1995-03-17 |
Family
ID=17109026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5243792A Pending JPH0772808A (ja) | 1993-09-02 | 1993-09-02 | マイクロレンズアレイシートおよびそれを用いた液晶ディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0772808A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002283360A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Seiko Epson Corp | マイクロレンズアレイ及びその製造方法並びに光学装置 |
JP2002283362A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Seiko Epson Corp | マイクロレンズアレイ及びその製造方法並びに光学装置 |
US7638027B2 (en) | 2000-10-10 | 2009-12-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Microstructure array, mold for forming a microstructure array, and method of fabricating the same |
US7709171B2 (en) | 2006-08-02 | 2010-05-04 | Ricoh Company, Ltd. | Charge control agent, toner and toner producing method |
WO2014189035A1 (ja) * | 2013-05-23 | 2014-11-27 | 三菱レイヨン株式会社 | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法及び面発光体 |
JP2016161756A (ja) * | 2015-03-02 | 2016-09-05 | 富士ゼロックス株式会社 | レンズアレイ及びレンズアレイ形成方法 |
-
1993
- 1993-09-02 JP JP5243792A patent/JPH0772808A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7638027B2 (en) | 2000-10-10 | 2009-12-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Microstructure array, mold for forming a microstructure array, and method of fabricating the same |
JP2002283360A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Seiko Epson Corp | マイクロレンズアレイ及びその製造方法並びに光学装置 |
JP2002283362A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-03 | Seiko Epson Corp | マイクロレンズアレイ及びその製造方法並びに光学装置 |
US7709171B2 (en) | 2006-08-02 | 2010-05-04 | Ricoh Company, Ltd. | Charge control agent, toner and toner producing method |
WO2014189035A1 (ja) * | 2013-05-23 | 2014-11-27 | 三菱レイヨン株式会社 | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法及び面発光体 |
CN105408775A (zh) * | 2013-05-23 | 2016-03-16 | 三菱丽阳株式会社 | 光学薄膜、光学薄膜的制造方法以及面发光体 |
JPWO2014189035A1 (ja) * | 2013-05-23 | 2017-02-23 | 三菱レイヨン株式会社 | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法及び面発光体 |
JP2018088017A (ja) * | 2013-05-23 | 2018-06-07 | 三菱ケミカル株式会社 | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法及び面発光体 |
JP2016161756A (ja) * | 2015-03-02 | 2016-09-05 | 富士ゼロックス株式会社 | レンズアレイ及びレンズアレイ形成方法 |
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