JP2000275742A - 透過型スクリーン - Google Patents

透過型スクリーン

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JP2000275742A
JP2000275742A JP11079316A JP7931699A JP2000275742A JP 2000275742 A JP2000275742 A JP 2000275742A JP 11079316 A JP11079316 A JP 11079316A JP 7931699 A JP7931699 A JP 7931699A JP 2000275742 A JP2000275742 A JP 2000275742A
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light
screen
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layer
diffusing
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JP11079316A
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Yoshiaki Murayama
義明 村山
Noboru Fujikura
登 藤倉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶プロジェクター等と組み合わせて使用さ
れ、モアレやスペックルの発生が殆どなく、良好な視野
角をもち、高解像度で、高コントラストで、高品位な投
写映像を得ることが可能な透過型スクリーンを提供す
る。 【解決手段】 液晶プロジェクター等を用いて光学像が
投写される透過型スクリーン。光拡散層1,3の間に偏
光度96%以上の偏光フィルム2が配置され、これらが
透明粘着層2’により接合一体化されている。光拡散層
1,3は、それぞれ透光性プラスチックからなる基材1
a,3a中に基材1a,3aとは屈折率の異なる重量平
均粒子径1〜12μmの透光性光拡散材1b,3bを含
有させてなるものであり、光拡散層1の基材1aと光拡
散層3の基材3aとが同一の材質からなる。光拡散層1
の外面から光拡散層3の外面までの距離が1.5mm未
満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示技術の分
野に属するものであり、特に、プロジェクションテレビ
やマイクロフィルムリーダーなどのスクリーンとして好
適な透過型スクリーンに関する。本発明の透過型スクリ
ーンは、特にLCD(液晶)プロジェクターやDMD
(デジタル・マイクロミラー・デバイス)プロジェクタ
ーのようにマトリックス状に配置された画素表示部を有
する(即ち、画素表示部をマトリックス状に配置した構
成を有する)ライトバルブに形成された光学像が投写さ
れる透過型スクリーンに好適に利用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
背面投写型プロジェクションテレビにおいては、投写さ
れた画像を観察側の広い角度範囲で明るく観察すること
が要求されており、特に水平方向に広く拡散し、垂直方
向にはそれより狭い範囲ではあるが適度に拡散するよう
にした視野範囲に異方性のある透過型スクリーンが用い
られている。
【0003】このような透過型スクリーンとしては、シ
ートの片面または両面に垂直方向に延びたレンチキュラ
ーレンズを並設するとともに、このようにして光拡散性
を持たせた拡散シート中に更に光拡散材を含有させ、レ
ンチキュラーレンズにより光を水平方向には広く拡散
し、光拡散材により垂直方向にもある程度光拡散させる
ようにしたレンチキュラーレンズシートが一般的に用い
られている。
【0004】一方、透過型スクリーンと組み合わせて用
いられる投写映像源としては、CRTに代わって、LC
DやDMDといったマトリックス状の画素構造を用いて
表示を行うデバイスを用いたプロジェクターが普及して
きている。このようなLCDプロジェクターやDMDプ
ロジェクターは、その構造上、CRTプロジェクターの
ように地磁気の影響を受けることがなく、静止画を観察
することの多いパソコンなどのコンピューターの表示装
置のための画像光源としては極めて好ましい。また、L
CDやDMDをライトバルブとして用いる透過型スクリ
ーンにおいては、比較的近接した位置から観察するパソ
コンモニターのような14〜40インチ程度の比較的小
さい面積のものも要求され始めてきている。このような
デバイスと組み合わされるスクリーンには、新たな性能
が要求されている。
【0005】即ち、投写画素とレンチキュラーレンズ
との周期的構造どうしの干渉によって発生するモアレ現
象の解消が要求され、レンチキュラーレンズの内部に
添加した光拡散材が投写光と干渉して発生するスペック
ルもしくはシンチレーションと呼ばれるスクリーン表面
の微細凹凸や拡散材がぎらつく現象(以下、「スペック
ル」と記載)の解消が要求され、そして、近年では従
来のVGA、SVGAから、XGA、SXGAなどの大
画素数のものを鮮明に解像することが要求されている。
更に、コントラストの高い投写映像が得られることが
要求されている。
【0006】このような要求性能に関して、特にLCD
やDMDを用いたプロジェクター用のスクリーンに限ら
ず、背面投写型プロジェクションテレビ等で使用されて
いる透過型スクリーンについて、それぞれ次のような解
決策が提案されている。
【0007】上記に関しては、特開昭62−2362
86号公報、特開平3−168630号公報、特公平7
−117818号公報にて、投写画素とレンチキュラー
レンズとのピッチ比を最適化させることでモアレ現象の
解消が可能であることが開示されており、また、特開平
2−123342号公報、特開平2−212880号公
報にて、投写画素に対してレンチキュラーレンズを傾斜
させることでモアレ現象の解消が可能であることが開示
されている。
【0008】このように、レンチキュラーレンズの周期
的構造と投写画素のピッチとによって発生するモアレ現
象は、両者のピッチを最適化することによって解消でき
ることが前述の文献に記載されているが、XGAクラス
やSXGAクラスの高画素数の場合や14〜40インチ
程度の比較的小さい画面に投影する場合には、スクリー
ンに投写された画像を構成する画素のピッチが非常に小
さくなるため、モアレを解消するためにはレンチキュラ
ーレンズのピッチを0.1mm程度に小さくすることが
必要となり、金型の製造が困難となったり金型の寿命が
短くなったりして、製造コストが高くなるなどの問題点
がある。
【0009】上記に関しては、特開平8−31386
5号公報、米国特許第5675435号明細書、米国特
許第3712707号明細書、特開昭55−12980
号公報に、光拡散層を分割したり、板厚方向に光拡散材
の濃度勾配を設けたりすることによって、スペックルの
低減が可能なことが開示されている。
【0010】上記に関しては、特開昭55−1298
0号公報に、人間の目の解像力(5〜10本/mm)を
上回る高解像力のスクリーンを得るために、光拡散層の
厚さを100μm以下に薄く形成することが、開示され
ている。
【0011】一般に、スクリーンの解像度は、MTF
(Modulation Transfer Func
tion)で示される。スクリーンのMTFは、白ライ
ン及び黒ラインの交互配置のラインペア(1mmあたり
のペアの数[lp/mm]で細かさが示される)を連続
して配置した矩形格子パターンを用いて測定される。
【0012】上記に関しては、投写映像のコントラス
トを高めるために、従来はスクリーンを構成するレンチ
キュラーレンズの観察側の表面に光吸収層(ブラックス
トライプ)を設けることが一般的に行われている。更
に、液晶プロジェクターのように、偏光した投写光が投
影されるプロジェクターにおいては、スクリーンに偏光
フィルムを積層することによって一層コントラストを高
める手法が知られている。このような手法は、例えば、
特公平5−54677号公報、特開平2−136064
号公報、特開平2−171568号公報、特開平3−3
24198号公報、特開平4−49161号公報、特開
平4−216244号公報、特開平4−234512号
公報、特開平5−69003号公報、特開平8−548
22号公報に開示されている。これらは、いずれも、投
写光の偏光軸の方向とスクリーン側に貼り合わされた偏
光フィルムの偏光透過軸の方向とを合致させることによ
って、投写光のロスを抑え、外光を1/2に低減して、
コントラストを高めている。
【0013】しかしながら、上記のような従来技術によ
っては、比較的近接した位置から観察される比較的小面
積のLCDプロジェクターやDMDプロジェクター用の
透過型スクリーンに要求される、モアレ現象の解消
と、スペックルの解消と、解像度の向上と、十分
なコントラストとの全ての要求を満たすことができなか
った。
【0014】そこで、本発明の目的は、液晶プロジェク
ターと組み合わせて使用される場合にも、モアレやスペ
ックルの発生が殆どなく、高解像度で、高コントラスト
で、高品位な投写映像を得ることが可能な透過型スクリ
ーンを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
ような目的を達成するものとして、投写光で光学像が投
写される透過型スクリーンであって、第1の光拡散層と
第2の光拡散層との間に偏光度96%以上の偏光フィル
ムが配置され、これら第1の光拡散層と偏光フィルムと
第2の光拡散層とが積層されていることを特徴とする透
過型スクリーン、が提供される。
【0016】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層と前記偏光フィルムとが第1の透光性接着層によ
り接着されており、前記偏光フィルムと前記第2の光拡
散層とが第2の透光性接着層により接着されている。
【0017】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層の前記偏光フィルムと反対側の面から前記第2の
光拡散層の前記偏光フィルムと反対側の面までの距離が
1.5mm未満である。
【0018】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層は透光性プラスチックからなる第1基材中に該第
1基材とは屈折率の異なる透光性第1光拡散材を含有さ
せてなるものであり、前記第2の光拡散層は透光性プラ
スチックからなる第2基材中に該第2基材とは屈折率の
異なる透光性第2光拡散材を含有させてなるものであ
り、前記第1基材と前記第2基材とが同一の材質からな
る。
【0019】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層は透光性プラスチックからなる第1基材中に該第
1基材との屈折率差が0.07〜0.17で重量平均粒
子径1〜12μmの透光性第1光拡散材を20〜50重
量%含有させてなる厚さ50〜200μmのものであ
り、前記第2の光拡散層は透光性プラスチックからなる
第2基材中に重量平均粒子径1〜12μmの透光性第2
光拡散材を含有させてなるHaze値50〜85%で厚
さ500〜1200μmのものである。
【0020】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層の前記偏光フィルムと反対側の面がフレネルレン
ズ面とされている。
【0021】本発明の一態様においては、前記第2の光
拡散層の前記偏光フィルムと反対側の面に反射防止層が
付されている。
【0022】本発明の一態様においては、前記第2の光
拡散層の前記偏光フィルムと反対側の面に透光性プラス
チックシートが接合されている。
【0023】本発明の一態様においては、前記透光性プ
ラスチックシートの透光性プラスチックからなる基材と
前記第1基材と前記第2基材とが同一の材質からなる。
【0024】本発明の一態様においては、前記透光性プ
ラスチックシートの前記第2の光拡散層と反対側の面に
反射防止層が付されている。
【0025】本発明の一態様においては、前記第1の光
拡散層、前記第2の光拡散層または前記透光性プラスチ
ックシートには光吸収剤が含有されている。
【0026】本発明の一態様においては、前記光学像は
マトリックス状に配置された画素表示部を有するライト
バルブ特に液晶プロジェクターに形成されたものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の具体的な実施の形態を説明する。
【0028】図1は、本発明による透過型スクリーンの
第1の実施形態の構成を示す模式的部分断面図である。
【0029】図1において、厚さT1の第1の光拡散層
1と厚さT5の第2の光拡散層3とがこれらの間に厚さ
T3の偏光フィルム2を介在させて積層されている。即
ち、第1の光拡散層1と偏光フィルム2との間及び偏光
フィルム2と第2の光拡散層3との間にはいずれも接着
層たる厚さT2及びT4の粘着層2’が介在しており、
これら粘着層2’により第1の光拡散層1と偏光フィル
ム2と第2の光拡散層3とが接合一体化されている。
【0030】本発明においては、第1の光拡散層1、偏
光フィルム2及び第2の光拡散層3は、必ずしも接合一
体化されていなくともよく、例えば、3枚のシート状物
を単に重ね合わせにより積層したり、光拡散層1,3の
うちの一方と偏光フィルム2とを接合一体化したものに
光拡散層1,3のうちの他方を単に重ね合わせにより積
層してもよい。
【0031】第1の光拡散層1は、透光性プラスチック
からなる第1基材1a中に、該基材1aとは異なる屈折
率を有する透光性微粒子からなる第1光拡散材1bが含
有されている。また、第2の光拡散層3は、透光性プラ
スチックからなる第2基材3a中に、該基材3aとは異
なる屈折率を有する透光性微粒子からなる第2光拡散材
3bが含有されている。
【0032】本発明においては、以上のような構成のス
クリーンとすることによって、モアレやスペックルの発
生が殆どなく、解像度の高い投写映像を得ることができ
る。
【0033】第1基材1a及び第2基材3aとしては、
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、メチルメタクリレー
ト/スチレン共重合樹脂(MS樹脂)などの透光性を有
する熱可塑性樹脂を使用することができる。このうち
で、ライトバルブとしてのLCDと組み合わせて使用さ
れる場合には、LCDの偏光特性を低下させない複屈折
率の小さいアクリル系樹脂が好ましく、特に、耐衝撃性
の高いメタクリル系樹脂を使用することが好ましい。
【0034】また、基材1aと基材3aとは、材質の相
違に基づく特性(例えば線膨張係数)の相違による反り
や剥離などの発生を防止するために、同一の材質からな
るものであることが好ましい。即ち、偏光フィルム2の
両側に接合される第1の光拡散層1と第2の光拡散層3
とで同一の材質の基材を用いることで、温度や湿度等の
環境変化に伴うスクリーンの反りなどの変形を効果的に
抑制でき、高い信頼性を維持することができる。
【0035】第1光拡散材1b及び第2光拡散材3bと
しては、シリカ、アルミナ、ガラスビーズなどの無機物
からなるものや、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シ
リコーン樹脂などの有機物からなるもの(特に架橋され
たものが好ましい)を使用することができる。但し、第
1の光拡散層1や第2の光拡散層3の製造の際に、第1
基材1a中での第1光拡散材1bの沈降や第2基材3a
中での第2光拡散材3bの沈降などを防止して、光拡散
材の分散の均一性を高めるためには、比重が基材に近い
有機物からなるものが好ましい。
【0036】また、第1光拡散材1b及び第2光拡散材
3bの形状は、不定形、球形、扁平形状、回転楕円体形
状などが可能であるが、LCDと組み合わされる場合に
は、LCDの偏光特性を低下させることの少ない球形の
ものが好ましい。更に、第1光拡散材1b及び第2光拡
散材3bの重量平均粒子径は1〜12μmであるのが好
ましい。光拡散材の重量平均粒子径が1μmより小さい
場合には、散乱により透過光が黄色く着色したり透けが
発生しやすくなり、他方、重量平均粒子径が12μmよ
り大きい場合には、所要の光拡散性を得ようとすると必
要な添加量が多くなり過ぎてシートの強度が低下し、シ
ート製造や取扱が困難になると共に、投写映像の解像度
が低下する傾向にある。光拡散材の重量平均粒子径のよ
り好ましい範囲は、2〜10μmである。
【0037】第1の光拡散層1において、第1光拡散材
1bは、第1基材1aとの屈折率差Δnが例えば0.0
7〜0.17である。屈折率差Δnが0.07より小さ
い場合には、光拡散性が弱くなるために視野角が狭くな
り、所要の光拡散性を得ようとすると必要な添加量が多
くなり過ぎてシートの強度が低下し、シートの製造や取
扱が困難になると共に、投写映像の解像度が低下する傾
向にある。基材及び光拡散材として使用されるポリマー
の屈折率としては、高いものではポリカーボネート系樹
脂やスチレン系樹脂の1.59があり、低いものではシ
リコーン樹脂の1.42が挙げられる。これらを基材及
び光拡散材として組み合わせて使用することで、屈折率
差Δn0.17までが十分可能である。屈折率差Δnの
より好ましい範囲は、0.1〜0.15である。
【0038】第1光拡散材1bは、第1の光拡散層1に
おいて例えば20〜50重量%含有される。20重量%
より少ない場合には、光拡散性が弱くなり、十分な視野
角を得ることができなくなる傾向にある。また、50重
量%より多い場合には、光拡散性が強くなり過ぎて、全
光線透過率が低下したり、前述のようにフィルムの製造
や取扱が困難になると共に、投写映像の解像度が低下す
る傾向にある。第1の光拡散層1における第1光拡散材
1bの濃度(添加量)は、より好ましくは、25〜45
重量%である。
【0039】第1の光拡散層1の厚さT1は、50〜2
00μmの範囲とすることが好ましい。T1が50μm
より小さいと、強度が低下し、20重量%以上の光拡散
材の添加が困難となる傾向にある。また、T1が200
μmより大きいと、スクリーンの解像度が低下する傾向
にある。
【0040】第2の光拡散層3において、第2光拡散材
3bは、第2基材3aとの屈折率差が特に限定されない
が0.01〜0.1の範囲とすることが好ましい。
【0041】第2光拡散材3bは、第2の光拡散層3に
おいて0.1〜10.0重量%の範囲で含有されること
が好ましい。このようにすることで、第2の光拡散層3
のHaze値(曇価)が50〜85%を満足するように
させることが可能である。第2光拡散材3bの添加量が
0.1重量%より小さい場合にはHaze値が50%よ
り小さくなる傾向にあり、この場合には、スペックルの
解消は不十分となる傾向にある。第2光拡散材3bの添
加量が10.0重量%より大きい場合にはHaze値が
85%より大きくなる傾向にあり、この場合には、スク
リーン解像度の低下が著しくなる傾向にある。好ましく
は、Haze値は55〜80%である。
【0042】第2の光拡散層3の厚さT5は、500〜
1200μmの範囲とすることが好ましい。T5が50
0μmより小さいと、スペックルが発生し、スクリーン
強度が低下する傾向にある。また、T5が1200μm
より大きいと、スクリーンの解像度が低下する傾向にあ
る。かくして、第2の光拡散層3の厚さT5を500〜
1200μmとすることで、第1の光拡散層1のみでは
困難であったスペックルの解消と良好なスクリーン形状
保持強度とを得ることができる。
【0043】偏光フィルム2としては、一般的に使用さ
れているヨウ素系や染料系のものを使用することができ
る。偏光フィルムの性能・特性は、一般に、単体透過
率、偏光度などで示されるが、本発明の透過型スクリー
ンにおいては、ブラックストライプ等の他のコントラス
ト向上手段を使用しないため、偏光フィルム2として
は、偏光度96%以上のものを使用することが必要であ
る。偏光度が96%より小さい場合には、スクリーンの
コントラスト改善の効果が低くなる。偏光フィルム2の
偏光度は、好ましくは97%以上であり、99%以上の
ものが一層好ましい。一般的に入手可能な最も偏光度の
高いものである99.99%程度の偏光度の偏光フィル
ムを使用することにより、コントラスト改善効果を十分
なものとすることができ特に好ましい。
【0044】LCDプロジェクター等の或る方向に偏光
軸を有する投写光が投影されるものの場合には、偏光フ
ィルム2は、その偏光透過軸の方向を光源からの投写光
の偏光軸の方向と合致するようにして、第1の光拡散層
1及び第2の光拡散層3とそれぞれ透明粘着材からなる
粘着層2’を用いて接合されることが好ましい。これ
ば、使用されるLCDプロジェクターに応じて、スクリ
ーンの矩形形状に対する偏光フィルム2の偏光透過軸の
配置を適正に設定することで、該偏光透過軸の方向をL
CDプロジェクターからの投写光の偏光軸の方向と合致
させるようにすることができるためである。
【0045】以上のような偏光フィルム2の使用によ
り、投写光のロスを最低限に抑えることができ、LCD
プロジェクターのように偏光投写光を用いて光学像を投
写する光源と組み合わせて使用される場合に、表示性能
を損なうことなしに、外光の影響によるコントラストの
低下を効果的に抑制することができる。
【0046】一方、偏光フィルム2の基板としてはトリ
アセチルセルロースフィルムが使用されている。トリア
セチルセルロースフィルムと透明アクリル系樹脂とを粘
着材によって接合し積層すると、両者の屈折率の相違に
基づき外光が両者の界面で反射してコントラストが低下
しやすいのであるが、本発明実施形態においては、偏光
フィルム2の更に観察側に第2の光拡散層3が配置され
ているために、外光は拡散して界面に到達し、その反射
光も拡散されるため、外光反射率が低下し、高いコント
ラストを保持することができる。
【0047】偏光フィルム2と第1の光拡散層1及び第
2の光拡散層3との接着は、予め偏光フィルム2の両面
に透明な粘着材の層を形成しておくか、または第1の光
拡散層1の片面及び第2の光拡散層3の片面にそれぞれ
透明な粘着材の層を形成しておくことで、容易に行うこ
とができる。粘着材としては、これにより接着される2
つの層またはフィルムの双方に対して密着性があって、
透光性を有するものであれば、無色及び有色のいずれで
あってもよく、特に材質の限定はなく、感圧型接着剤、
水系接着剤、UV型接着剤などを適宜選択して使用する
ことができる。
【0048】粘着層2’の厚さT2,T4は、例えば5
〜50μmである。
【0049】本発明においては、第1の光拡散層1の外
面から第2の光拡散層3の外面までの距離(T1+T2
+T3+T4+T5)は1.5mm未満とすることが好
ましい。これは、良好な解像度の投写映像を得るために
はMTF値15%以上が必要であることが見出され、第
1の光拡散層1の外面から第2の光拡散層3の外面まで
の距離を1.5mm未満とすることによって、MTF値
が15%以上の良好な解像度の投写映像を得ることがで
きるためである。
【0050】本発明においては、光拡散層を上記のよう
な構成とすることにより、スペックルの発生がなく、高
い解像度の投写映像が得られるという特徴に加えて、画
面サイズが14〜40インチ程度と比較的小さく、更に
特に高輝度プロジェクターと組み合わせて使用される場
合には、水平方向及び垂直方向のうちのいずれか一方の
みについて視野角を拡大するレンチキュラーレンズを使
用することなく、上記本発明実施形態のように2つの光
拡散層を使用したスクリーンにより水平方向及び垂直方
向の双方に十分な視野角が得られる。このため、レンチ
キュラーレンズに起因するLCDやDMDとのモアレの
発生もなく、微細ピッチのレンチキュラーレンズを使用
しないことで、製造及び取扱いは容易である。特に、高
輝度プロジェクターを使用した場合、スクリーンゲイン
0.5〜2.0程度で、観察側の全方位において極めて
広い視野角を得ることができる。
【0051】以上のスクリーンの使用に際しては、図示
されているように第1の光拡散層1側を光源側とし第2
の光拡散層3側を観察側としてもよいし、逆に第2の光
拡散層3側を光源側とし第1の光拡散層1側を観察側と
してもよい。しかし、第2の拡散層3側を観察側とした
方が、偏光フィルム2によるコントラスト向上効果が高
くなるため好ましい。
【0052】図2は、本発明による透過型スクリーンの
第2の実施形態の構成を示す模式的部分断面図である。
本図において、図1におけると同様の機能を有する部分
には同一の符号が付されている。
【0053】本実施形態では、第2の光拡散層3の偏光
フィルム2と反対側の面に、透光性プラスチックシート
4が積層一体化されている。透光性プラスチックシート
4は、透光性プラスチック基材4aからなり光拡散材を
含有しておらず、その厚さT6は例えば500〜100
00μmである。この透光性プラスチック基材4aは、
第1基材1a及び第2基材3aと異なっていてもよい
が、上記のような材質の相違に基づく特性の相違による
反りや剥離などの発生を防止するためには、同一の材質
からなるものであることが好ましい。
【0054】透光性プラスチックシート4を積層するこ
とで、スクリーンの解像度を低下させることなくスクリ
ーンの剛性を高めることができる。また、透光性プラス
チックシート4にはカーボンブラックのような顔料や染
料等の光吸収剤を含有させることができ、これによりス
クリーンのコントラストを更に高めることができる。
【0055】透光性プラスチックシート4と第2の光拡
散層3との接合は、接着剤による接着や、熱間プレス成
形による接着や共押出し法により行うことができる。
【0056】図3は、本発明による透過型スクリーンの
第3の実施形態の構成を示す模式的部分断面図である。
本図において、図1及び図2におけると同様の機能を有
する部分には同一の符号が付されている。
【0057】本実施形態では、第1の光拡散層1の偏光
フィルム2と反対側の面がリニアフレネルレンズ面1c
とされている。このようにリニアフレネルレンズ面を設
けることによって、例えば水平方向に関して集光特性を
付与することができ、正面から観察する以外に斜めから
映像を観察した場合においても、画面全体の輝度分布が
均一化される。本実施形態においては、第1の光拡散層
1側を光源側とし、第2の光拡散層3側を観察側とする
のが好ましい。
【0058】本発明においては、第2の光拡散層3の偏
光フィルム2と反対側の面をリニアフレネルレンズ面と
することも可能である。この場合、第2の光拡散層3側
を光源側とし、第1の光拡散層1側を観察側とするのが
好ましい。
【0059】図4は、本発明による透過型スクリーンの
第4の実施形態の構成を示す模式的部分断面図である。
本図において、図1〜図3におけると同様の機能を有す
る部分には同一の符号が付されている。
【0060】本実施形態では、第1の光拡散層1の偏光
フィルム2と反対側の面にリニアフレネルレンズ体5が
接合されている。これによっても上記図3の実施形態と
同様な作用効果を得ることができる。また、逆に、第2
の光拡散層3の偏光フィルム2と反対側の面にリニアフ
レネルレンズ体を接合することも可能である。この場
合、第2の光拡散層3側を光源側とし、第1の光拡散層
1側を観察側とするのが好ましい。
【0061】以上の実施形態において、リニアフレネル
レンズに代えてサーキュラーフレネルレンズを形成して
もよく、第1の光拡散層1及び第2の光拡散層3の少な
くとも一方に、例えばカーボンブラックのような顔料や
染料等の光吸収剤を適宜の量(例えば50〜200pp
m)含有させておくことができる。これにより、表示コ
ントラストを更に高めることができる。
【0062】また、以上の実施形態において、第1の光
拡散層1、偏光フィルム2及び第2の光拡散層3を含む
積層体(透光性プラスチックシート4を含むこともあ
る)の一方の面または両方の面に反射防止層を付しても
よい。反射防止層は、無機材料の蒸着やコーティングな
どにより積層体表面に直接形成してもよいし、例えば複
屈折性の小さいトリアセチルセルロースフィルムなどの
表面に予め反射防止層を形成して得られた反射防止フィ
ルムを粘着材により積層体表面に貼付してもよい。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により説明
する。
【0064】尚、以下の実施例及び比較例で得られたス
クリーンの評価方法は次の通りとした: ・スクリーンゲイン(G0 試料をシャープ(株)製液晶プロジェクターXVE−5
00によって一定の照度で照らし、反対側の面での輝度
を、(株)トプコン製の色彩輝度計BM−7により測定
した。照度と輝度との比をスクリーンゲインG0 とし
た; ・α 上記測定により得られたスクリーンゲインの1/2のゲ
インが得られる視野角をαとした; ・β 上記測定により得られたスクリーンゲインの1/3のゲ
インが得られる視野角をβとした; ・スペックル シャープ(株)製液晶プロジェクターXVE−500を
光源として使用し、1mの距離からスクリーン上に画面
サイズが30インチになるように、白画像を投写し、ス
クリーンから0.5m離れた距離から目視にて観察し、
スペックルの有無を判定した; ・解像度 空間周波数4[lp/mm]の格子を用いて、コントラ
スト法によりMTFを測定した; ・Haze (株)村上色彩技術研究所製ヘーズメーターHR−10
0使用して測定した; ・コントラスト(C) シャープ(株)製液晶プロジェクターXVE−500を
光源として使用し、1mの距離からスクリーン中央に画
面サイズが50mm四方となるように、白画像及び黒画
像を投写し、スクリーンから1.0m離れた距離から
(株)トプコン製の色彩輝度計BM−7により白画面時
の輝度(Lmax)及び黒画面時の輝度(Lmin)を
測定し、次式 C=(Lmax−Lmin)/(Lmax+Lmin) により算出した。尚、測定時におけるスクリーン上の外
光照度は500ルクスとした。
【0065】実施例1第1の光拡散層(1)の作製 メチルエチルケトン(MEK)溶剤中に、アクリル樹脂
ペレット{三菱レイヨン(株)製アクリペットRF−0
65}を20重量%添加し攪拌しながら溶解させ、アク
リル樹脂溶液を得た。光拡散材(1b)として重量平均
粒子径6μmの架橋スチレン樹脂球形状微粒子{積水化
成品工業(株)製SBX−6:屈折率1.59}を、ア
クリル樹脂に対して28.0重量%の添加量になるよう
に前述のアクリル樹脂溶液に添加し、攪拌混合して、均
一に分散させた。この光拡散材含有アクリル樹脂溶液
を、ガラス板上に、溶剤が未乾燥の状態で400μmの
厚さとなるようにバーコーターを用いて塗布した。その
後、50℃で10分間、更に100℃で10分間加熱
し、乾燥させて、溶剤を蒸発させ、ガラス板から剥離す
ることで、光拡散材が均一に分散された光拡散フィルム
(第1の光拡散層)が得られた。このこの第1の光拡散
層(1)を構成するフィルムの厚さは80μmであっ
た。フィルム剥離時には、該フィルムの割れなどは発生
せず、フィルムの取扱は容易であった。得られたフィル
ムの光学特性は、スクリーンゲイン(G0 )が1.1で
あり、α値が35.1度であり、β値が46.5度であ
った。
【0066】第2の光拡散層(3)の作製 メタクリル樹脂の部分重合物中に、光拡散材(3b)と
して重量平均粒子径2μmの球形状シリコーン樹脂微粒
子{東芝シリコーン(株)製トスパール120:屈折率
1.42}を、0.25重量%の添加量になるように添
加し、重合を行なわせ、厚さ1000μmの光拡散シー
ト(第2の光拡散層)を得た。この第2の光拡散層
(3)を構成するメタクリル樹脂光拡散シートでは、光
拡散材が均一に分散していた。得られたシートのHaz
e値は68%であった。
【0067】第1の光拡散層(1)、偏光フィルム
(2)及び第2の光拡散層(3)の積層 両面に粘着層(2’)が形成された偏光フィルム
{(株)ポラテクノ製KN−18242TD:単体透過
率42%:偏光度99.99%}(2)の一方の面側に
第1の光拡散層(1)を配置し他方の面側に第2の光拡
散層(3)を配置して、ラミネート法により積層させ、
図1に示すような厚さ1310μmの透過型スクリーン
を得た。尚、スクリーンの形状は矩形状であり、このス
クリーンと組み合わせて光源として使用されるシャープ
(株)製液晶プロジェクターXVE−500からの投写
光の偏光軸の方向が床面と垂直であったため、偏光フィ
ルム(2)の偏光透過軸方向が垂直配置されるスクリー
ン辺と平行になるように設定して、ラミネートを行っ
た。
【0068】スクリーンの総合特性の測定 第1の光拡散層が光源側、第2の光拡散層が観察側とな
るように配置したスクリーンのゲイン(G0 )、α値、
β値、解像度、コントラストの測定結果及びスペックル
の観察結果を以下の表1に示した。第1の光拡散層
(1)の入射面(偏光フィルム(2)側と反対側の面)
から第2の光拡散層(3)の出射面(偏光フィルム
(2)側と反対側の面)までの距離が1.5mm未満で
あるため、MTFが25%と高い解像度を有するにも拘
らず、スペックルの発生がなく、視野角もα値が36度
と十分な視野角が得られ、コントラストも0.95と高
く、画像全体が均一な輝度を有し、明暗むらのない画像
が得られた。レンチキュラーレンズを使用していないの
で、モアレの発生はなかった。
【0069】実施例2第1の光拡散層(1)の作製 実施例1と同様にして行った。
【0070】第2の光拡散層(3)及び透光性プラスチ
ックシート(4)の作製 メタクリル樹脂ペレット{三菱レイヨン(株)製アクリ
ペットVH}に、実施例1で使用したものと同じ光拡散
材(3b)を同濃度添加し、ヘンシェルミキサーを用い
て分散させ、30mmφの2軸押し出し機を用いて光拡
散材含有アクリル樹脂ペレットを作製した。このペレッ
トとメタクリル樹脂ペレット{三菱レイヨン(株)製ア
クリペットVH}とを共押出し法を用いてシート化し、
厚さ1000μmの第2の光拡散層(3)と厚さ300
0μmの透光性プラスチックシート(4)とが一体とな
った積層シートを得た。この積層シートの第2の光拡散
層中では、光拡散材が均一に分散していた。得られた第
2の光拡散層の光学特性は実施例1と同様であった。
【0071】第1の光拡散層(1)、偏光フィルム
(2)、第2の光拡散層(3)及び透光性プラスチック
シート(4)の積層 実施例1と同様にして、第1の光拡散層(1)、実施例
1と同様の偏光フィルム(2)、及び上記第2の光拡散
層(3)と透光性プラスチックシート(4)との積層シ
ートを、ラミネートにより積層一体化し、厚さ4310
μmの透過型スクリーンを得た。
【0072】スクリーンの総合特性の測定 第1の光拡散層が光源側、透光性プラスチックシートが
観察側となるように配置したスクリーンのゲイン(G
0 )、α値、β値、解像度、コントラストの測定結果及
びスペックルの観察結果を以下の表1に示した。実施例
1と同様の結果が得られた。また、厚さ3mmの透光性
プラスチックシート(4)が積層一体化されているの
で、スクリーンの剛性が高められ、筐体への取り付けが
容易であった。
【0073】実施例3:透光性プラスチックシート
(4)の全光線透過率が78%になるように着色剤を含
有させたメタクリル樹脂ペレットを使用する以外は実施
例2と同様にして、図2に示すような透過型スクリーン
を得た。
【0074】スクリーンの総合特性の測定 第1の光拡散層が光源側、透光性プラスチックシートが
観察側となるように配置したこのスクリーンのゲイン
(G0 )、α値、β値、解像度、コントラストの測定結
果及びスペックルの観察結果を以下の表1に示した。透
光性プラスチックシート(4)の内部に光吸収剤が添加
されているので、実施例1及び実施例2に比べて更に高
いコントラストが得られた。
【0075】実施例4:実施例1と同様にして作製した
第1の光拡散層(1)の片面に、焦点距離500mmの
リニアフレネルレンズ体(5)を接合形成した。リニア
フレネルレンズ体(5)の形成は、硬化後の屈折率が
1.53の紫外線硬化型樹脂をリニアフレネルレンズ型
に注入した後に、光拡散層(1)を重ね合わせ、紫外線
を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ賦型することに
より行った。
【0076】第1の光拡散層(1)のリニアフレネレン
ズ体(5)と反対側の面に偏光フィルム(2)を接合す
るようにして、実施例1と同様に実施して、図4に示す
透過型スクリーンを得た。
【0077】スクリーンの総合特性の測定 フレネレンズ体が光源側、第2の光拡散層が観察側とな
るように配置したスクリーンのゲイン(G0 )、α値、
β値、解像度、コントラストの測定結果及びスペックル
の観察結果を以下の表1に示した。第1の光拡散層の入
射面をリニアフレネレンズ面(1c)に形成しているの
で、画面隅部の輝度が高くなり、広い視野角にわたって
高い輝度均一性が得られた。
【0078】実施例5:第2の光拡散層の作製の際に光
拡散材の添加量を0.83重量%とし且つ厚さを300
0μmとすること以外は、実施例1と同様に実施して、
厚さ3310μmの透過型スクリーンを得た。尚、得ら
れた第2の光拡散層のHaze値は89.3%であっ
た。
【0079】スクリーンの総合特性の測定 第1の光拡散層が光源側、第2の光拡散層が観察側とな
るように配置したスクリーンのゲイン(G0 )、α値、
β値、解像度、コントラストの測定結果及びスペックル
の観察結果を以下の表1に示した。スペックルの発生が
なく、視野角もα値が37.2度と十分な視野角が得ら
れ、コントラストも0.95と高く、画像全体が均一な
輝度を有し、明暗むらのない画像が得られた。しかし、
第1の光拡散層の入射面から第2の光拡散層の出射面ま
での距離が3310μmと厚く、第2の光拡散層のHa
ze値が89.3%と比較的高いので、MTFが12%
と解像度はやや低いものであった。
【0080】比較例1:実施例1で得られた第1の光拡
散層のみからなるスクリーンの総合特性の測定結果を表
1に示した。MTFは60%と高い解像度を有し、視野
角もα値が35.1度と十分であるけれども、強いスペ
ックルが発生し、また、偏光フィルムを使用していない
ため、コントラストが0.83と低く、非常に見づらい
画像であった。
【0081】比較例2:偏光フィルムとして(株)ポラ
テクノ製EN−1825TD(単体透過率44%:偏光
度95%)を使用する以外は実施例1と同様に実施し
て、透過型スクリーンを得た。
【0082】スクリーンの総合特性の測定 第1の光拡散層が光源側、第2の光拡散層が観察側とな
るように配置したスクリーンのゲイン(G0 )、α値、
β値、解像度、コントラストの測定結果及びスペックル
の観察結果を以下の表1に示した。スペックルの発生が
なく、視野角もα値が36.2度と十分な視野角が得ら
れ、画像全体が均一な輝度を有し、明暗むらのない画像
が得られたが、偏光フィルムの偏光度が95%と低いた
め、コントラストが0.89と低い値しか得られなかっ
た。
【0083】
【表1】 表1において、Ex.は実施例を示し、Com.Ex.
は比較例を示す。
【0084】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の透過型スク
リーンによれば、第1の光拡散層と第2の光拡散層との
間に偏光度96%以上の偏光フィルムを配置して、これ
らを接合一体化した構成を持つことで、LCDやDMD
を用いたプロジェクターなどのマトリックス状に配置さ
れた画素表示部を有するライトバルブに形成された光学
像を投写する際にも、モアレやスペックルの発生が殆ど
なく、十分良好な視野角をもち、高コントラストで高品
位な投写映像を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型スクリーンの第1の実施形
態の構成を示す模式的部分断面図である。
【図2】本発明による透過型スクリーンの第2の実施形
態の構成を示す模式的部分断面図である。
【図3】本発明による透過型スクリーンの第3の実施形
態の構成を示す模式的部分断面図である。
【図4】本発明による透過型スクリーンの第4の実施形
態の構成を示す模式的部分断面図である。
【符号の説明】
1 第1の光拡散層 1a 第1基材 1b 第1光拡散材 1c リニアフレネルレンズ面 2 偏光フィルム 2’ 粘着層 3 第2の光拡散層 3a 第2基材 3b 第2光拡散材 4 透光性プラスチックシート 4a 基材 5 リニアフレネルレンズ体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H021 BA22 BA25 BA26 BA27 BA29 BA32 2H042 BA02 BA12 BA15 BA19 2H049 BA27 BB49 BB63 BC14 BC22 2K009 AA02 BB11 BB28 CC01 DD03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投写光で光学像が投写される透過型スク
    リーンであって、第1の光拡散層と第2の光拡散層との
    間に偏光度96%以上の偏光フィルムが配置され、これ
    ら第1の光拡散層と偏光フィルムと第2の光拡散層とが
    積層されていることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 【請求項2】 前記第1の光拡散層と前記偏光フィルム
    とが第1の透光性接着層により接着されており、前記偏
    光フィルムと前記第2の光拡散層とが第2の透光性接着
    層により接着されていることを特徴とする、請求項1に
    記載の透過型スクリーン。
  3. 【請求項3】 前記第1の光拡散層の前記偏光フィルム
    と反対側の面から前記第2の光拡散層の前記偏光フィル
    ムと反対側の面までの距離が1.5mm未満であること
    を特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の透過型
    スクリーン。
  4. 【請求項4】 前記第1の光拡散層は透光性プラスチッ
    クからなる第1基材中に該第1基材とは屈折率の異なる
    透光性第1光拡散材を含有させてなるものであり、前記
    第2の光拡散層は透光性プラスチックからなる第2基材
    中に該第2基材とは屈折率の異なる透光性第2光拡散材
    を含有させてなるものであり、前記第1基材と前記第2
    基材とが同一の材質からなることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーン。
  5. 【請求項5】 前記第1の光拡散層は透光性プラスチッ
    クからなる第1基材中に該第1基材との屈折率差が0.
    07〜0.17で重量平均粒子径1〜12μmの透光性
    第1光拡散材を20〜50重量%含有させてなる厚さ5
    0〜200μmのものであり、前記第2の光拡散層は透
    光性プラスチックからなる第2基材中に重量平均粒子径
    1〜12μmの透光性第2光拡散材を含有させてなるH
    aze値50〜85%で厚さ500〜1200μmのも
    のであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
    記載の透過型スクリーン。
  6. 【請求項6】 前記第1の光拡散層の前記偏光フィルム
    と反対側の面がフレネルレンズ面とされていることを特
    徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の透過型スク
    リーン。
  7. 【請求項7】 前記第2の光拡散層の前記偏光フィルム
    と反対側の面に反射防止層が付されていることを特徴と
    する、請求項1〜6に記載の透過型スクリーン。
  8. 【請求項8】 前記第2の光拡散層の前記偏光フィルム
    と反対側の面に透光性プラスチックシートが接合されて
    いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載
    の透過型スクリーン。
  9. 【請求項9】 前記透光性プラスチックシートの透光性
    プラスチックからなる基材と前記第1基材と前記第2基
    材とが同一の材質からなることを特徴とする、請求項8
    に記載の透過型スクリーン。
  10. 【請求項10】 前記透光性プラスチックシートの前記
    第2の光拡散層と反対側の面に反射防止層が付されてい
    ることを特徴とする、請求項8〜9のいずれかに記載の
    透過型スクリーン。
  11. 【請求項11】 前記第1の光拡散層、前記第2の光拡
    散層または前記透光性プラスチックシートには光吸収剤
    が含有されていることを特徴とする、請求項1〜9のい
    ずれかに記載の透過型スクリーン。
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