JP3893988B2 - 透過型スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型プロジェクションテレビなどに用いられる透過型スクリーンに関し、特にフレネルレンズシートのフレネルレンズでの反射による迷光によるノイズを低減した透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リアプロジェクションテレビにおいては、主に明るさ、視野角の広さといったものが要求されていた。
【0003】
リアプロジェクションテレビに用いられる透過型スクリーンとしては、視野角が広い、コントラストが高い、ギラツキが少ない、モワレがない、迷光がないといった光学的特性が要求される。
【0004】
視野角が広いと観察者にとって映像可視領域が広くなり、コントラストが高いと映像の視認性が高く、ギラツキが少ないと観察者の眼の疲労が少なく、モワレ、迷光がないと映像品質が向上する。
【0005】
視野角を拡げる手段のひとつとして、シリンドリカルレンズが並設されたレンチキュラーレンズシートを用い、映像光を水平方向、または垂直方向に拡げる方法がある。
【0006】
さらには、光拡散材等を透過型スクリーンを構成するいずれかの部材に備えることにより、映像光を等方的に拡げる方法がとられる。
【0007】
コントラストの向上には、たとえばレンチキュラーレンズシートに遮光層を設けることにより、映像光の選択性を上げたり、可視光を吸収する層、または部位を設けることで外光反射を抑制するなどの方法がとられる。このときスクリーンとしての光透過率の低減をできるだけ抑える方法をとることが重要となる。
【0008】
ギラツキは、光拡散層内における光拡散材の濃度勾配や2つ以上設けられた光拡散層間の濃度差等により低減されることは公知である。
【0009】
モワレは、投射画素ピッチ、フレネルレンズピッチ、レンチキュラーレンズピッチのそれぞれの組み合わせから生じる干渉縞である。そのため、それぞれの最適なピッチを設定することで解消、あるいは低減することが可能である。
【0010】
上記ギラツキ、モワレは画像のノイズとして現れるもので、透過型スクリーンにとって致命的欠陥であるが、それ以外に迷光といわれるスクリーンを構成する部材の各界面での反射光、特にフレネルレンズ面での反射光に起因する映像光のノイズが存在する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、特に迷光を除去し、よりノイズの少ない高品位な映像を実現可能とする透過型スクリーンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
少なくともレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートからなる透過型スクリーンにおいて、
フレネルレンズシートは、レンズ部を構成する微細凹凸が、光拡散剤が分散された層が積層されてなる基材の表面に形成された構造であり、
前記基材の非レンズ部側の最外面には、フッ素系無機化合物の薄膜からなる反射防止層または低反射層が形成されてなることを特徴とする透過型スクリーンである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の透過型スクリーンの構成の一例を示した図である。(a)は、透過型スクリーンの斜視図であって、(b)は、(a)に示した透過型スクリーンのA−A′方向の断面図である。本発明の一実施例としての透過型スクリーンは、同心円状の鋸刃形状のレンズ11を設けたフレネルレンズシート10とシリンドリカルレンズ21が並設されたレンチキュラーレンズシート20とからなり、前記フレネルレンズシート10のレンズ部11を形成する基材として光拡散剤12aを混入した光拡散基材12と正反射を低減する層として光拡散剤13aを含む光拡散層13からなる構成であって、かつ該拡散層13の厚さが50μm未満であることを特徴とするものである。
【0021】
前記基材12としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系/スチレン系共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。光透過性が高く、耐衝撃性を有することが必須である。
【0022】
前記光拡散剤12a,13aには、無機系ではアルミナ、シリカ等、有機系ではアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系/スチレン系共重合樹脂等からなる微粒子が好適に用いられる。透過率、拡散透過率、基材12および光拡散インキのバインダー樹脂との屈折率差等の光学的性質や表面の光沢、光拡散基材や光拡散インキとして成形する際の分散性や、成形されたときの脆性等を考慮に入れて光拡散剤を選定することができる。
【0023】
前記レンチキュラーレンズシート20は、基材となる樹脂に光拡散剤を予め練り混み、押し出し成形により樹脂シートを押し出し、スタンパ等を用いてエンボス成形によってシリンドリカルレンズ形状を樹脂シートに形成することで製造することができる。
【0024】
または、シリンドリカルレンズ形状を有するスタンパの凹凸形成面に紫外線硬化型樹脂(UV樹脂)や電子線硬化型樹脂等を塗布または注入し、その上に基材となる樹脂シートをのせ、硬化処理後、スタンパから離型するという方法で得ることもできる。上記紫外線硬化型樹脂(UV樹脂)や電子線硬化型樹脂は、光硬化時に成形型との離型性がよく、耐光性に優れ、硬さの硬いものを選択するのが望ましい。
【0025】
フレネルレンズシート10の成形方法には、プレス法、キャスティング法、紫外線硬化型樹脂を用いるUV樹脂法等がある。プレス法、キャスティング法では、レンズ部と基材部は同一材質となり、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系/スチレン系共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。UV樹脂法は、スタンパの凹凸形成面にUV樹脂を塗布または注入し、その上に基材となる樹脂シートをのせ、紫外線(UV)硬化後、スタンパから離型するという方法である。
【0026】
前記光拡散層13は、光拡散剤とバインダー樹脂とからなる光拡散性を有する塗工液を塗布して形成することができる。
【0027】
本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシートの光拡散基材として、光拡散材を練り込んで押し出し成形されてなる光拡散材濃度の異なる2枚の光拡散基が積層されてなる光拡散基材を用いることもできる。
【0028】
また、本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシート10に正反射を低減する層として、図2に示すように、例えばフレネルレンズシート10のレンズ部11の反対側の押し出し成形されてなる光拡散材濃度の異なる2枚の光拡散基材12A,12Bが積層されてなる光拡散基材12等の平坦面に水平方向にシリンドリカルレンズを並設したレンズ層14を設けることもできる。勿論、水平方向にシリンドリカルレンズ群を設ける代わりに、垂直方向にシリンドリカルレンズ群を並設したレンズ層を設けても良い。
【0029】
また、本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシート10に正反射を低減する層として、図3に示すように、例えばフレネルレンズシート10のレンズ部11の反対側の光拡散基材12に塗布形成された光拡散層13の観察側最外面に反射防止層または低反射層15を設けることもできる。反射防止層、低反射層は、低屈折率材料、透明なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜を、塗布または蒸着などにより光拡散基材もしくは拡散層表面に形成することができる。上記の低屈折率材料の材質や形成方法については、特に限定されるものではない。上記の反射防止層または低反射層15は、反射防止機能または低反射機能を有するフィルムを貼り合わせてもよい。
【0030】
本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシートとして、図4に示すように、前記光拡散基材が、光拡散材を練り混んで押し出し成形されてなる光拡散材濃度の異なる2枚の光拡散基材12A,12bが積層されてなる光拡散基材12に光拡散剤13aを含む光拡散性を有する塗工液等を塗布形成して拡散層13を設けた構成のフレネルレンズシート10を用いることもできる。
【0031】
また、本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシートとして、図5に示すように、フレネルレンズ11を形成した透明樹脂基材14に光拡散基材12を積層し、その光拡散基材の表面に光拡散剤13aを含む光拡散性を有する塗工液等を塗布形成して拡散層13を設けた構成のフレネルレンズシート10を用いることもできる。
【0032】
レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートからなる本発明の透過型スクリーンをプロジェクションテレビに搭載し、フレネルレンズシートに対する入射光角度が垂直方向で0〜20度変えられるような設定した光源から投影光(白色光)を投影し、透過光をスクリーン全面を目視観察して評価した。
【0033】
その結果、本発明の透過型スクリーンは、特に投影光を斜め下方から入射した場合であってもスクリーン中央部下部に線状のノイズ、すなわち迷光は観察されなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の透過型スクリーンに用いられるフレネルレンズシート基材として、少なくとも光拡散基材と正反射光を低減させる効果を有する層を設けることで、映像のノイズとなる迷光を抑制することが可能な、高品位の映像を観察できる透過型スクリーンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の透過型スクリーンの構成の一例を示した斜視図である。
(b)は、(a)に示した透過型スクリーンのA−A′方向の断面図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施例としての透過型スクリーンの構成の一例を示した斜視図である。
(b)は、(a)に示した透過型スクリーンのA−A′方向の断面図である。
【図3】本発明の一実施例としての透過型スクリーンの構成の一例を示した断面図である。
【図4】本発明の一実施例としての透過型スクリーンの構成の一例を示した断面図である。
【図5】本発明の一実施例としての透過型スクリーンの構成の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
10・・・フレネルレンズシート
11・・・フレネルレンズ
12・・・光拡散基材
13・・・光拡散層(光拡散塗工層)
14・・・シリンドリカルレンズ群を有する層
15・・・反射防止層または低反射層
16・・・透明樹脂基材
20・・・レンチキュラーレンズシート
21・・・レンチキュラーレンズ(シリンドリカルレンズ)
Claims (1)
- 少なくともレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートからなる透過型スクリーンにおいて、
フレネルレンズシートは、レンズ部を構成する微細凹凸が、光拡散剤が分散された層が積層されてなる基材の表面に形成された構造であり、
前記基材の非レンズ部側の最外面には、フッ素系無機化合物の薄膜からなる反射防止層または低反射層が形成されてなることを特徴とする透過型スクリーン。
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JP2002018226A JP3893988B2 (ja) | 2002-01-28 | 2002-01-28 | 透過型スクリーン |
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