JP5380761B2 - レンチキュラーレンズアレイシートの製造方法 - Google Patents
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Description
このような透過型スクリーンにおけるレンチキュラーレンズアレイシートは、そのレンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)によってスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させた光をスクリーンの上下方向(垂直方向)に拡散させるための光拡散板を備えており、また、フレネルレンズシートも、レンチキュラーレンズアレイシートの拡散作用を補うための拡散板を備えていることがある。
さらに、映像装置では画面上に蛍光灯などの外光の写り込みにより、画像の視認性が低下する問題点を有している。
また、いずれの方法においても、光拡散層表面の凹凸形状を任意にコントロールすることが困難であり、満足できる改善効果はいまのところ得られていないのが現状である。
さらには、上記光拡散シートは光拡散層に拡散剤を分散することを特徴とする光拡散シートである。
また、本発明の製造工程を経て得られたレンチキュラーレンズアレイシートによれば、その光拡散層自体が粘着性を有しているため、この光拡散層を透明基板に直接貼着してから硬化させるだけで、つまり、光拡散シートにおける光拡散層を透明基板に転写するだけで、光拡散層が透明基板に接着されてなるレンチキュラーレンズアレイシートを容易に製造することができる。
本実施形態による背面投写型ディスプレイ装置としてのリアプロジェクションテレビ(全体構成は図示を省略する)は、筐体と、前面側(図1中の右側)を筐体の外部へ露出させるとともに背面側(図1中の左側)を筐体の内部へ露出させた略長方形平板状をなす透過型スクリーン10(図1参照)と、筐体内に配置され、透過型スクリーンの背面に対して映像光Lを投射する光源としてのプロジェクタと、同じく筐体内に配置され、プロジェクタから投射される映像光Lの光路を変更させる少なくとも1枚の反射鏡とを備えている。
これらフレネルレンズシート20、レンチキュラーレンズアレイシート30は、透過型スクリーン10の背面側(入射側、図1中の左側)から前面側(出射側、図1中の右側)にかけて順次配置されているとともに、互いに略平行となるように配置されている。
光拡散板33は光拡散剤が分散された光拡散層51と、この光拡散層51が接着された透明基板32とを備えたものであり、その出射側に光拡散層51が配置されるとともに、その入射側に透明基板32が配置されるように構成される。なお、光拡散層51の微細凹凸形状のみにより光硬化を得る場合、光拡散51内の光拡散剤の有無のみの違いのため、ここでは光拡散剤を分散させた内容を記載する。
まず、図2に示すように、光拡散剤が混入された光拡散層51と、光拡散層51の一方の面51Aに貼着された第1のフィルム52と、光拡散層51の他方の面51Bに貼着された第2のフィルム53とを備えた光拡散層シート50を用意する。
このような活性エネルギー線硬化型樹脂の特性については、硬化する前の状態で、再剥離性を確保するために例えば100g/inch程度の粘着性を有し、硬化した後の状態で、接着性を確保するために例えばセロテープ(登録商標)密着性が良好であることが要求される。
具体的にはサンドブラスト処理、ケミカルマット処理、練り込みマット処理を施したマットPETフィルムが使用でき、上述した光拡散層51の表面粗さ、及び表面拡散特性を付与させることができる。
つまり、第1のフィルム52は、第2のフィルム53よりも、光拡散層51に対する離型性が低くなっているのである。
次に、図3(b)に示すように、ロールRを用いて、光拡散シート50の光拡散層51を、その他方の面51Bが例えばアクリル-スチレン共重合樹脂等の透明基板32の表面に密着するようにして、透明基板32に貼着する。このとき、光拡散層51が常温で粘着性を有する場合には、そのまま光拡散層51を透明基板32に貼着すればよく、また、光拡散層51が加熱によって粘着性を有する場合には、ロールRに対して約100°Cの熱を加え、このロールRからの熱によって光拡散層51に粘着性を発揮させるようにして、光拡散層51を透明基板32に貼着する。
最後に、図3(d)に示すように、硬化した光拡散層51から第1のフィルム52を離型させることにより、光拡散剤が混入された光拡散層51とこの光拡散層51が接着された透明基板32とを備えた光拡散板33を製造することができる。
また、光拡散板33における光拡散層51の一方の面51Aには、迷光及びシンチレーションを防止するために表面マット性が付与されており、具体的には、表面十点平均粗さRz(JIS B 0601-1994)が0.1〜6μm、表面拡散特性としてのヘイズ値が0.1〜60%に設定されている。
これは、図2に示すように、硬化する前の光拡散層51の一方の面51Aに対して貼着された第1のフィルム52の表面形状をマット面とし、この表面形状を光拡散層51の一方の面51Aに転写することによって実現できる。
そして、光拡散層51中に光拡散剤を任意の量添加することにより、光拡散層51自体のヘイズコントロール、及び表面拡散特性と内部拡散特性を分けてコントロールすることが可能となる。
なお、このようなレンチキュラーレンズアレイシート30に備えられる光拡散板33の場合、その製造工程の最後で第1のフィルム52を光拡散層51から剥離させず、この第1のフィルム52をそのままの状態で保護フィルムとして使用することも可能であるし、第1のフィルム52を光拡散層51から剥離し、新たに保護層を形成することも可能である。
このような光拡散板33の製造工程は、ドライプロセスであって従来のような溶剤を透明基板32に塗布する工程が必要にならないため、この製造工程に困難を要することがなく、光拡散板33の製造コストを低減することができる。また、光拡散層51は、光拡散剤が混入されるとともに粘着性を有し、かつ、活性エネルギー線が照射されたときに硬化して接着性を発揮する粘接着剤を含んだ溶剤を、第1のフィルム52に塗布して乾燥させることによって形成可能であるため、透明基板32に転写形成された光拡散層51の薄型化を図って解像度の低下を抑制することができる。さらに、光拡散層51を透明基板32に形成することから、環境特性によって前述したような種々の不具合が生じてしまうようなおそれも少ない。
なお、光拡散シート50における光拡散層51の他方の面51Bには、必ずしも第2のフィルム53が貼着されている必要はない。例えば、光拡散層51とこの光拡散層51の一方の面51Aに貼着された第1のフィルム52とからなる光拡散シート50を積層構造(例えば粘着テープ状)とし、光拡散層51の他方の面51Bを第1のフィルム52に貼着するようにすれば、取扱い性の著しい低下を招くことはない。この場合、光拡散層51の一方の面51Aと第1のフィルム52との貼着面が、光拡散層51の他方の面51Bと第1のフィルム52との貼着面よりも先に剥離することがないように、第1のフィルム52において光拡散層51の他方の面51Bに貼着される面に対してフッ素処理、シリコン処理等の表面処理(離型処理)を施しておく必要がある。
20・・・フレネルレンズシート
21・・・フレネルレンズ
22・・・樹脂シート
30・・・レンチキュラーレンズアレイシート(拡散レンズアレイシート)
31・・・レンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)
32・・・透明基板
33・・・光拡散板
50・・・光拡散シート
51・・・光拡散層
52・・・第1のフィルム
53・・・第2のフィルム
Claims (1)
- 活性エネルギー線照射により硬化して接着する活性エネルギー線硬化型樹脂と平均粒径が5から20μmの光拡散剤が前記活性エネルギー線硬化型樹脂に対して1から30重量%含有されてなる粘着性を有する光拡散層と、該光拡散層の一方の面に微細な凹凸形状を有する剥離可能な第1のフィルムの該微細な凹凸形状面が貼着され、前記光拡散層のもう一方の面に剥離可能な第2のフィルムが貼着された光拡散フィルムを用意する工程と、
前記光拡散フィルムの第2のフィルムを剥離する工程と、
前記第2のフィルムを剥離した光拡散層の面と、一方の面にレンチキュラーレンズアレイを備える透明基板の該レンチキュラーレンズアレイが形成されていない面とを貼着する工程と、
前記光拡散フィルムの前記第1のフィルムの側から活性エネルギー線を照射する工程と、
前記第1のフィルムを剥離し、前記透明基板の一方の面に前記レンチキュラーレンズアレイを備え、前記透明基板のもう一方の面に前記光拡散層を備えるレンチキュラーレンズシートを作製する工程と
を備え、
前記レンチキュラーアレイレンズ面が入射光面となり、かつ、
前記光拡散層が、透明基板の他方の面に表面に微細な凹凸形状を有し、かつ、
前記光拡散層の微細な凹凸形状表面の表面十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994)が0.1〜6μmであり、かつ、
前記光拡散層の微細な凹凸形状表面の表面拡散特性としてのヘイズ値が0.1〜60%である
ことを特徴とするレンチキュラーレンズアレイシートの製造方法。
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