JP5380761B2 - レンチキュラーレンズアレイシートの製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズアレイシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、投射型プロジェクションテレビなどに用いられる透過型スクリーンに関し、特にレンチキュラーレンズアレイシートの外光の反射を抑制し、且つシンチレーションが実質上発生せず、高輝度、高解像度、高品位な映像を得ることの可能なレンチキュラーレンズアレイシート及び透過型スクリーンに関するものである。
従来より、透過型スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイ装置として知られるリアプロジェクションテレビは、光源としてのプロジェクタから投射される映像光を、反射鏡によって反射させて略長方形平板状をなす透過型スクリーンの背面に入射させることにより、この透過型スクリーン前面側に位置する観察者が、透過型スクリーンを透過して出射する映像光を観察することができるように構成されたものである。透過型スクリーンの特性には、主に明るさ、視野角の広さといったものが要求される。
透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズシートと、このフレネルレンズシートからの出射光を拡散されるレンチキュラーレンズアレイシート(拡散レンズアレイシート)とを備えている。
このような透過型スクリーンにおけるレンチキュラーレンズアレイシートは、そのレンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)によってスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させた光をスクリーンの上下方向(垂直方向)に拡散させるための光拡散板を備えており、また、フレネルレンズシートも、レンチキュラーレンズアレイシートの拡散作用を補うための拡散板を備えていることがある。
リアリアプロジェクションテレビに用いられる透過型スクリーンとしては、視野角が広く、コントラストが高く、ギラツキが少なく、迷光がないといった光学的特性が要求される。視野角が広くなることにより、観察者は映像可視領域が広くなり、コントラストが高いことにより映像の視認性が高く、また、ギラツキが少ないと観察者の眼の疲労が少なく、さらにモワレや迷光がないことで映像品質の向上が見込まれる。
視野角を拡げる手段のひとつとして、シリンドリカルレンズが並設されたレンチキュラーレンズアレイシートを用い、映像光を水平方向、または垂直方向に拡げる方法がある。さらには、光拡散剤等を、透過型スクリーンを構成するいずれかの部材に備えることにより、映像光を等方的に拡げる方法がとられる。
コントラストの向上には、たとえばレンチキュラーレンズアレイシートに遮光層を設けることにより、映像光の選択性を向上させ、可視光を吸収する層、または部位を設けることで外光反射を抑制するなどの方法がとられる。このときスクリーンとしての光透過率の低減をできるだけ抑える方法をとることが重要となる。
モワレは、投射画素ピッチやフレネルレンズピッチ、レンチキュラーレンズピッチのそれぞれの組み合わせから生じる干渉縞である。そのため、それぞれの最適なピッチを設定することで解消、あるいは低減することが可能である。
ギラツキは、光拡散剤の厚みを厚くするか、またはスクリーンゲインを低くする。また光拡散層内における光拡散剤の濃度勾配や2つ以上設けられた光拡散層間の濃度差等により低減されることは公知であるがこのような手法では解像力が低下し、またスクリーンゲインを低下させるとプロジェクションテレビそのものの明るさが低下するなど、顕著な弊害が発生するという問題点を有している。映像画像の高精細化を達成するには解像度の低下を招かないように光拡散層はなるべく薄くし、光拡散層表面の形状を平面状態ではなく、凹凸などの形状に変えて表面拡散特性を出すことが好ましい。
迷光は、スクリーンを構成する部材の各界面での反射光、特にフレネルレンズ面での反射光に起因する映像光のノイズが存在し、画像が二重に見えるといった弊害を起こす。このノイズを低減させるには入射光側の正反射を低減することが好ましい。
さらに、映像装置では画面上に蛍光灯などの外光の写り込みにより、画像の視認性が低下する問題点を有している。
また、このような透過型スクリーンに使用される光拡散板としては、例えば光拡散剤が混入された光拡散層とこの光拡散層が接着された透明基板とを備えたものが一般的に用いられている。このような光拡散板の製造方法の一例として、光拡散剤が混入された樹脂を含んだ溶剤を透明基板に塗布して乾燥させることにより、光拡散層が透明基板に接着されてなる光拡散板を得る方法(例えば特許文献1参照)や、光拡散フィルムを接着剤で透明基板に接着したり、光拡散剤が分散された樹脂を共押出成形することにより、光拡散板を得る方法が知られている。
以下に公知文献を示す。
特開2004−77781号公報
しかしながら、前者の方法は、溶剤を透明基板に塗布する工程に困難を要して、光拡散板の製造コストの増大を招くという問題があり、また、後者の方法は、光拡散層の薄型化が困難となって解像度の低下を招くという問題や、光拡散フィルムと透明基板とに用いられる材料が異なる場合に環境特性によって反り、浮き等の不具合が生じたり、共押出成形では光拡散剤を分散配合させることに起因してシートの外観不良や成形精度の低下、強度不足等の不具合が生じるという問題があった。
また、いずれの方法においても、光拡散層表面の凹凸形状を任意にコントロールすることが困難であり、満足できる改善効果はいまのところ得られていないのが現状である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、特にレンチキュラーレンズアレイシートの出射光側表面での反射による外光反射を低減し、かつ、シンチレーションが実質上発生せず、高輝度、高解像度、高品位な映像を得ることを目的とする。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、透明基板と、前記透明基板の入射光面にレンチキュラーレンズアレイと、前記透明基板の他方の面に表面に微細な凹凸形状を有する光拡散層と、を有し、前記光拡散層の微細な凹凸形状は表面十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994)が0.1〜6μmの範囲にあり、ヘイズ値が0.1〜60%の範囲にあることを特徴とするレンチキュラーレンズアレイシートを提供するものである。
そして一方の面にレンチキュラーレンズアレイが形成された透明基板の他面に少なくとも微細な凹凸形状を有するフィルム及び活性エネルギー線照射あるいは加熱により硬化する樹脂からなる光拡散層とを備えた光拡散シートの前記光拡散層部分を配置し、前記フィルム側から活性エネルギー線照射あるいは加熱により、前記樹脂を硬化させるとともに、微細な凹凸形状を転写形成してなり、前記フィルムを剥離することを特徴とし、さらには前記光拡散層の外面に保護層を有することを特徴とするレンチキュラーレンズアレイシートである。
また、レンチキュラーレンズアレイシートに用いられる前記光拡散シートは粘着性を有し、かつ、活性エネルギー線が照射あるいは加熱により硬化し、接着する前記光拡散層と、前記光拡散層の一方の面に貼着されたフィルムと、を有し、前記フィルムは、前記光拡散層が硬化した後にこの光拡散層から剥離可能なフィルムであり、かつ、前記光拡散層と貼着する面に微細な凹凸形状が施されていること、を特徴とする光拡散シートを提供するものである。
さらには、上記光拡散シートは光拡散層に拡散剤を分散することを特徴とする光拡散シートである。
上記のレンチキュラーレンズアレイシートが光拡散手段と組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーンを提供するものであり、前記透過型スクリーンと、該透過型スクリーンの背面に映像光を投射する光源と、を有することを特徴とする背面投写型ディスプレイ装置を提供するものである。
本発明のレンチキュラーレンズアレイシートによれば光拡散層の入射側表面は微細な凹凸形状が付与されており表面十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994)が0.1〜6μm、表面拡散特性としてヘイズ値が0.1〜60%に設定されていることで外光の発生の低減、及びシンチレーションの発生が防止される。
また、本発明の製造工程を経て得られたレンチキュラーレンズアレイシートによれば、その光拡散層自体が粘着性を有しているため、この光拡散層を透明基板に直接貼着してから硬化させるだけで、つまり、光拡散シートにおける光拡散層を透明基板に転写するだけで、光拡散層が透明基板に接着されてなるレンチキュラーレンズアレイシートを容易に製造することができる。
このようなレンチキュラーレンズアレイシートの製造工程は、ドライプロセスであって従来のような溶剤を透明基板に塗布する工程が必要にならないため、この製造工程に困難を要することがなく、レンチキュラーレンズアレイシートの製造コストを低減することができる。また、光拡散層は、光拡散剤が混入されるとともに粘着性を有し、かつ、活性エネルギー線が照射されたときあるいは加熱により硬化して接着性を発揮する材料を含んだ溶剤、例えば粘接着剤を含んだ溶剤を、フィルムに塗布して乾燥させることによって形成可能であるため、透明基板に形成された光拡散層の薄型化を図って解像度の低下を抑制することができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付した図面を参照しながら説明する。
本実施形態による背面投写型ディスプレイ装置としてのリアプロジェクションテレビ(全体構成は図示を省略する)は、筐体と、前面側(図1中の右側)を筐体の外部へ露出させるとともに背面側(図1中の左側)を筐体の内部へ露出させた略長方形平板状をなす透過型スクリーン10(図1参照)と、筐体内に配置され、透過型スクリーンの背面に対して映像光Lを投射する光源としてのプロジェクタと、同じく筐体内に配置され、プロジェクタから投射される映像光Lの光路を変更させる少なくとも1枚の反射鏡とを備えている。
透過型スクリーン10は、図1に示すように、フレネルレンズシート20と、レンチキュラーレンズアレイシート(拡散レンズアレイシート)30とを備えている。フレネルレンズシート20は、樹脂シート22と、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ21とを有している。レンチキュラーレンズアレイシート30は、フレネルレンズシート20からの出射光をスクリーンの左右方向(水平方向)に拡散させるレンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)31と光拡散板33を有している。
これらフレネルレンズシート20、レンチキュラーレンズアレイシート30は、透過型スクリーン10の背面側(入射側、図1中の左側)から前面側(出射側、図1中の右側)にかけて順次配置されているとともに、互いに略平行となるように配置されている。
フレネルレンズシート20は、その入射側に樹脂シート22が配置されるとともに、その出射側にフレネルレンズ21が配置される構成である。
レンチキュラーレンズアレイシート30は、その入射側に略半円柱状をなす複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)が互いに略平行となるように配列されてなるレンチキュラーレンズアレイ31が配置されるとともに、その出射側に光拡散板33が配置される構成であって、出射側の表面十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994)が0.1〜6μmの範囲にあり、表面拡散がヘイズ値で0.1〜60%の範囲にあることにより、正反射を低減している層となっていることを特徴としたものである。
光拡散板33は光拡散剤が分散された光拡散層51と、この光拡散層51が接着された透明基板32とを備えたものであり、その出射側に光拡散層51が配置されるとともに、その入射側に透明基板32が配置されるように構成される。なお、光拡散層51の微細凹凸形状のみにより光硬化を得る場合、光拡散51内の光拡散剤の有無のみの違いのため、ここでは光拡散剤を分散させた内容を記載する。
以下、上述のような構成とされた透過型スクリーン10のレンチキュラーレンズアレイシート30に用いられる光拡散板33の製造方法について説明する。
まず、図2に示すように、光拡散剤が混入された光拡散層51と、光拡散層51の一方の面51Aに貼着された第1のフィルム52と、光拡散層51の他方の面51Bに貼着された第2のフィルム53とを備えた光拡散層シート50を用意する。
光拡散層51は、粘着性を有するとともに活性エネルギー線(例えば紫外線)が照射されたときに硬化して接着性を発揮する活性エネルギー線硬化型樹脂に、光拡散剤が分散されたものである。光拡散剤は拡散特性、及び拡散透過率を調整するために添加するものであり、任意の添加量により、光拡散層自体のヘイズ、及び表面拡散特性、内部拡散特性をコントロールすることか可能である。この光拡散層51の厚みは、小さすぎると光拡散層51の接着性が低下し、大きすぎると後述する溶剤の塗布が困難になることから、5〜100μmに設定されている。また、光拡散層51に熱硬化性樹脂を使用する場合には、加熱により硬化し、接着をさせる。
光拡散剤としては、例えば樹脂ビーズやガラスビーズ等が用いられる。ここで、光拡散剤の平均粒径は、小さすぎると光の散乱成分が大きくなり透過光強度が小さくなるためコントラストが低下し、逆に大きすぎると光の散乱ムラが大きくなってしまうことから、平均粒径が5〜20μmに設定されており、また、光拡散剤の添加量は、少なすぎると拡散特性が小さくなり、多すぎると光拡散層51が硬化したときの接着性が低下してしまうことから、活性エネルギー線硬化型樹脂に対して1〜30重量%に設定されている。
具体的にはスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などからなる有機系粒子や、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシウム等からなる無機系微粒子が挙げられる。また、これら拡散剤の形状は球状のものでも不定形状のものでもよく、あるいは球状と不安定形状を併用してもよい。
また、前記光拡散層51に帯電防止機能を付与させるために四級アンモニウム塩等の界面活性剤を含有する有機材料やAu、Al、Sb等の無機粉体を含む無機材料等を添加することもできる。帯電防止剤は活性エネルギー硬化型樹脂100重量部に対して1〜20重量部添加、好ましくは5〜15重量部添加程度である。添加量が1重量部未満の場合、帯電防止性能が発現しない。反対に添加量が20重量部を超える場合、光拡散層が硬化したときの密着性、及び耐性が損なわれる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型フォトポリマーが用いられ、具体的には、アクリル系ポリマー、アクリル系モノマー及び光開始剤等を含んだ公知の粘接着剤が用いられる。
このような活性エネルギー線硬化型樹脂の特性については、硬化する前の状態で、再剥離性を確保するために例えば100g/inch程度の粘着性を有し、硬化した後の状態で、接着性を確保するために例えばセロテープ(登録商標)密着性が良好であることが要求される。
第1のフィルム52としては、例えば光拡散層51に貼着される面に対して表面にマット処理が施されているPETフィルムが用いられ、この第1のフィルム52は、光拡散層51が硬化した後の状態において光拡散層51から容易に離型可能とされている。
具体的にはサンドブラスト処理、ケミカルマット処理、練り込みマット処理を施したマットPETフィルムが使用でき、上述した光拡散層51の表面粗さ、及び表面拡散特性を付与させることができる。
第2のフィルム53としては、例えば光拡散層51に貼着される面に対してフッ素処理、シリコン処理等の表面処理(離型処理)が施されたPETフィルムが用いられ、この第2のフィルム53は、光拡散層51が硬化する前の状態において光拡散層51から容易に離型可能とされている。
つまり、第1のフィルム52は、第2のフィルム53よりも、光拡散層51に対する離型性が低くなっているのである。
このような光拡散層51の両面51A,51Bに第1のフィルム52と第2のフィルム53とがそれぞれ貼着されてなる光拡散シート50は、まず、第1の離型フィルム52に対し、光拡散剤が混入された活性エネルギー線硬化型樹脂を含んだ溶剤を塗布して乾燥させて、光拡散層51の一方の面51Aに第1の離型フィルム52が貼着された状態とし、次いで、光拡散層51の他方の面51Bに対し、第2の離型フィルム53を貼着することによって得ることができる。
このような構成とされた光拡散シート50を用いて光拡散板33を製造するには、まず、図3(a)に示すように、光拡散シート50の第2の離型フィルム53を光拡散層51から離型させて、光拡散層51の他方の面51Bを露出させる。
次に、図3(b)に示すように、ロールRを用いて、光拡散シート50の光拡散層51を、その他方の面51Bが例えばアクリル-スチレン共重合樹脂等の透明基板32の表面に密着するようにして、透明基板32に貼着する。このとき、光拡散層51が常温で粘着性を有する場合には、そのまま光拡散層51を透明基板32に貼着すればよく、また、光拡散層51が加熱によって粘着性を有する場合には、ロールRに対して約100°Cの熱を加え、このロールRからの熱によって光拡散層51に粘着性を発揮させるようにして、光拡散層51を透明基板32に貼着する。
そして、図3(c)に示すように、光拡散シート50側(図3(c)中の上側)に配置した活性エネルギー線発生手段Uから、第1のフィルム52を透過させるようにして、活性エネルギー線を光拡散層51に照射する。これにより、光拡散層51を硬化させて透明基板32に接着させる。このとき、第1のフィルム52が活性エネルギー線を透過させない特性を有しているならば、活性エネルギー線発生手段Uを透明基板32側(図3(c)中の下側)に配置し、透明基板32を透過させるようにして、活性エネルギー線を光拡散層51に照射すればよい。
最後に、図3(d)に示すように、硬化した光拡散層51から第1のフィルム52を離型させることにより、光拡散剤が混入された光拡散層51とこの光拡散層51が接着された透明基板32とを備えた光拡散板33を製造することができる。
ここで、上述のようにして製造された光拡散板がレンチキュラーレンズアレイシート30に備えられるときに、その光拡散層51のヘイズ値は50〜70%に設定される。
また、光拡散板33における光拡散層51の一方の面51Aには、迷光及びシンチレーションを防止するために表面マット性が付与されており、具体的には、表面十点平均粗さRz(JIS B 0601-1994)が0.1〜6μm、表面拡散特性としてのヘイズ値が0.1〜60%に設定されている。
これは、図2に示すように、硬化する前の光拡散層51の一方の面51Aに対して貼着された第1のフィルム52の表面形状をマット面とし、この表面形状を光拡散層51の一方の面51Aに転写することによって実現できる。
そして、光拡散層51中に光拡散剤を任意の量添加することにより、光拡散層51自体のヘイズコントロール、及び表面拡散特性と内部拡散特性を分けてコントロールすることが可能となる。
さらに、光拡散板33の光拡散層51には、この光拡散層51の一方の面51Aへのホコリの付着を防止するために帯電防止性が付与されており、具体的には、光拡散層51に帯電防止剤が混入されている。これは、光拡散板33の製造工程において、光拡散剤に加えて帯電防止剤が混入された活性エネルギー線硬化型樹脂を含んだ溶剤を第1のフィルム52に塗布して乾燥させることによって実現できる。
なお、このようなレンチキュラーレンズアレイシート30に備えられる光拡散板33の場合、その製造工程の最後で第1のフィルム52を光拡散層51から剥離させず、この第1のフィルム52をそのままの状態で保護フィルムとして使用することも可能であるし、第1のフィルム52を光拡散層51から剥離し、新たに保護層を形成することも可能である。
以上説明したような本実施形態の光拡散シート50によれば、その光拡散層51自体が粘着性を有しているため、この光拡散層51を透明基板32に直接貼着してから硬化させるだけで、つまり、光拡散シート50における光拡散層51を透明基板32に転写するだけで、その表面がマット性を有し、表面拡散性と内部拡散性を任意にコントロール可能な光拡散層51が透明基板32に接着されてなる光拡散板33を容易に製造することができる。
このような光拡散板33の製造工程は、ドライプロセスであって従来のような溶剤を透明基板32に塗布する工程が必要にならないため、この製造工程に困難を要することがなく、光拡散板33の製造コストを低減することができる。また、光拡散層51は、光拡散剤が混入されるとともに粘着性を有し、かつ、活性エネルギー線が照射されたときに硬化して接着性を発揮する粘接着剤を含んだ溶剤を、第1のフィルム52に塗布して乾燥させることによって形成可能であるため、透明基板32に転写形成された光拡散層51の薄型化を図って解像度の低下を抑制することができる。さらに、光拡散層51を透明基板32に形成することから、環境特性によって前述したような種々の不具合が生じてしまうようなおそれも少ない。
さらに、本実施形態では、光拡散シート50は、その光拡散層51の一方の面51A側に第1のフィルム52が貼着されているのに加え、その光拡散層51の他方の面51B側に第2の離型フィルム53が貼着されていることから、光拡散シート50の取扱い性を向上させることができる。
なお、光拡散シート50における光拡散層51の他方の面51Bには、必ずしも第2のフィルム53が貼着されている必要はない。例えば、光拡散層51とこの光拡散層51の一方の面51Aに貼着された第1のフィルム52とからなる光拡散シート50を積層構造(例えば粘着テープ状)とし、光拡散層51の他方の面51Bを第1のフィルム52に貼着するようにすれば、取扱い性の著しい低下を招くことはない。この場合、光拡散層51の一方の面51Aと第1のフィルム52との貼着面が、光拡散層51の他方の面51Bと第1のフィルム52との貼着面よりも先に剥離することがないように、第1のフィルム52において光拡散層51の他方の面51Bに貼着される面に対してフッ素処理、シリコン処理等の表面処理(離型処理)を施しておく必要がある。
本実施形態によるレンチキュラーレンズアレイシート30は、基材となる樹脂に光拡散材を予め練り込み、押し出し成形により透明基板32を押し出し、スタンパ等を用いてエンボス成形によってシリンドリカルレンズ形状31を樹脂シートに形成することで製造することができる。
または、シリンドリカルレンズ形状を有するスタンパ形状を有するスタンパの凹凸形成面に紫外線硬化型樹脂(UV樹脂)や電子線硬化型樹脂等を塗布または注入し、その上に透明基板32を積載し、硬化処理後スタンパから離型する方法でシリンドリカルレンズ31を得ることも可能である。上記紫外線硬化型樹脂(UV樹脂)や電子線硬化型樹脂は、光硬化時に成形型との離型性がよく、耐光性に優れ、硬度が高いものが選択することが好ましい。
また、フレネルレンズシート20のフレネルレンズ21の成形方法には、プレス法、キャスティング法、紫外線硬化型樹脂を用いるUV樹脂法等がある、プレス法、キャスティング法では、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系/スチレン系共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。UV樹脂法は、スタンパの凹凸形成面にUV樹脂を塗布または注入し、その上に基材を積載し、紫外線(UV)硬化後、スタンパから離型する方法である。
また、本実施形態によるレンチキュラーレンズアレイシート30からなる透過型スクリーンをプロジェクションテレビに搭載し、フレネルレンズシート20に対する入射角度が垂直方向で0〜20度変えられるように設定した光源から投影光(白色光)を投影し、透過光スクリーン前面を目視評価したところ、本発明の透過光スクリーンは特に投射光を斜め下方から入射した場合であってもスクリーン中央下部に線状のノイズ、即ち迷光及び外光反射は観察されなかった。また、ギラツキと呼ばれるシンチレーションの発生も実質上確認されず、高品質な画質を得ることができた。
さらに、本実施形態による光拡散板33は、透過型スクリーン10に用いられるものとして説明されているが、これに限定されることはなく、例えば、液晶パネルに対してその背面側から光を照射するバックライトユニットに用いられるものであってもよい。
また、本発明は本実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形が可能である。
本発明の実施形態による透過型スクリーンの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態による光拡散シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態による拡散板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・透過型スクリーン
20・・・フレネルレンズシート
21・・・フレネルレンズ
22・・・樹脂シート
30・・・レンチキュラーレンズアレイシート(拡散レンズアレイシート)
31・・・レンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)
32・・・透明基板
33・・・光拡散板
50・・・光拡散シート
51・・・光拡散層
52・・・第1のフィルム
53・・・第2のフィルム

Claims (1)

  1. 活性エネルギー線照射により硬化して接着する活性エネルギー線硬化型樹脂と平均粒径が5から20μmの光拡散剤が前記活性エネルギー線硬化型樹脂に対して1から30重量%含有されてなる粘着性を有する光拡散層と、該光拡散層の一方の面に微細な凹凸形状を有する剥離可能な第1のフィルムの該微細な凹凸形状面が貼着され、前記光拡散層のもう一方の面に剥離可能な第2のフィルムが貼着された光拡散フィルムを用意する工程と、
    前記光拡散フィルムの第2のフィルムを剥離する工程と、
    前記第2のフィルムを剥離した光拡散層の面と、一方の面にレンチキュラーレンズアレイを備える透明基板の該レンチキュラーレンズアレイが形成されていない面とを貼着する工程と、
    前記光拡散フィルムの前記第1のフィルムの側から活性エネルギー線を照射する工程と、
    前記第1のフィルムを剥離し、前記透明基板の一方の面に前記レンチキュラーレンズアレイを備え、前記透明基板のもう一方の面に前記光拡散層を備えるレンチキュラーレンズシートを作製する工程と
    を備え、
    前記レンチキュラーアレイレンズ面が入射光面となり、かつ、
    前記光拡散層が、透明基板の他方の面に表面に微細な凹凸形状を有し、かつ、
    前記光拡散層の微細な凹凸形状表面の表面十点平均粗さRz(JIS B 0601−1994)が0.1〜6μmであり、かつ、
    前記光拡散層の微細な凹凸形状表面の表面拡散特性としてのヘイズ値が0.1〜60%である
    ことを特徴とするレンチキュラーレンズアレイシートの製造方法。
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