JP2007323049A - 透過型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】シンチレーションを低減し、さらにディスプレイに使用する場合に重要な高温多湿や低温度などの厳しい環境化でもスクリーンの画質を損なうことないように平面性を維持できる透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】可撓性を有する光拡散レンズアレイシート,フレネルレンズシートの間に、剛性,厚さの十分な保持基板(例えば、ガラス板)を配置してなる構成のスクリーンにおいて、光拡散レンズアレイシートの拡散層(第1,第2),フレネルレンズシートの第3拡散層を有しており、第1拡散層および第2拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、前記フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、投射型ディスプレイ等に用いられる透過型スクリーンに関する。
従来、透過型スクリーンを備えた投射型ディスプレイとして、リアプロジェクションテレビが知られている。近年では、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの薄型の大型ディスプレイに対抗し、MD方式プロジェクションテレビが台頭してきている。MD方式プロジェクションテレビは、例えばLCDやLCOS(LCD onSilicon;反射型液晶パネルの一種)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などの表示デバイスを用いて変調された投射光を透過型スクリーンのリア側から投射するものである。
このMD方式プロジェクションテレビは、40インチ以上の大型化が容易であり、デジタル表示のため画質も良好で、ディスプレイ本体のコストも比較的安価に製造できるため、今後の家庭用の大型ディスプレイとして大変注目されている。
一方、MD方式プロジェクションテレビの表示デバイスは、最近では、例えば0.7インチサイズなどが使われるなど小型化が著しく、しかも、例えば40インチ以上の大画面へ投射するために投射倍率がますます増大している。
そのため、表示デバイスの投射レンズの瞳径が小さくなり、いわゆるシンチレーションがますます目立ちやすくなってきている。シンチレーションとは、観察者の視点により投射画像に含まれない微小スポット状の高輝度光が観察され、ちらついたり、ざらつき状のぎらぎらした画像が見えたりする現象である。一方、画面サイズは最近どんどん大画面化してきており、MD方式プロジェクションテレビでは50〜60インチが主力となってきている。
そこで、投射したときの画面ひずみをなくすために、スクリーン観察面は平面性が要求されるが、このMD方式プロジェクションスクリーンは、異なった材料が積層されてシート状に作られるために、環境変化での影響を受けて反りや変形がしやすい問題があった。このため厳しい環境下では,プラスチックが伸び縮みするために従来構成での平面性維
持が困難であったため、複雑な工程を経て対応していた。
ところで、このMD方式プロジェクションテレビなどの投射型ディスプレイに用いられる透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて略平行光として出射するフレネルレンズシートと、適度の視野角を持たせるためにフレネルレンズシートからの出射光を、例えば水平、垂直方向に配置されたシリンドリカルやマイクロレンズ群などにより拡散させるレンズシート(シリンドリカルレンズ群が一方向に並列されてなる構成に限らず、シリンドリカルレンズ群が複数方向に並列されてなる構成や、単位レンズが2次元配列されてなる構成など、各種タイプの光拡散レンズアレイシートを含む)とを備えている。
図1は従来の透過型スクリーンの概略構造を示す断面図である。
図示のように、透過型スクリーンは、フレネルレンズシート50、光拡散レンズアレイシート60等を有しているが、詳細は実施の形態において後述する。
そして、このようなフレネルレンズシート50および光拡散レンズアレイシート60の中に、輝度ムラやシンチレーションなどを低減するために透過光を拡散させる拡散層が設けられている。
この透過型スクリーンの課題であるシンチレーション低減化のための方法として、例えば、光の集光または拡散等の光学的機能を有するレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンにおいて、光の透過方向に分離した少なくとも2つの拡散部を有し、光源側に近い拡散部は第1基材中に第1拡散性微粒子が添加され、観察側に近い拡散部は第2基材中に第2拡散性微粒子が添加され、第1の拡散性微粒子と第1基材との屈折率差が、第2拡散性微粒子と第2基材との屈折率差よりも小さく構成されたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3465906号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載される従来の透過型スクリーンでは、拡散層を複数設け、それらを光の透過方向に沿って複数箇所に配置するのでトレードオフの関係にある映像の解像度や明るさの劣化とシンチレーションなどの改善との間のバランスが取りやすくなるものの、拡散層の拡散性微粒子と基材との屈折率差の大小関係の設定が不適切なため、シンチレーションが十分改善されない恐れがあるという問題がある。
すなわち、この技術では、光源側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差を、観察側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差よりも小さくし、光源側から観察側に向かう方向に屈折率差および拡散度合いが増大する構成としている。この構成では同一拡散度の場合、観察側の基材と拡散材の屈折率差が大きい場合は屈折率差が小さい場合に較べて観察側に近い拡散層の拡散粒子が少なくなるためシンチレーション低下の効果が少なくなる。これはシンチレーションがぎらつきによる輝度差といわれ、拡散粒子を通らない光線と拡散粒子を通る光線との輝度差が生じるからである。
また、従来の透過型スクリーンおよびそれらを用いた投射型MD用リアプロジェクションスクリーンは、LCDやDLPなどの高精細マイクロデバイス(MD)を用いたMDリアプロジェクションテレビの画素に対応するためファインピッチレンズとファインピッチブラックストライプ(BS)を形成した光拡散レンズアレイシートを得るために、PET基材フイルム上に紫外線硬化型樹脂でレンズアレイが形成される。その反対面には、粘着性感光性樹脂をコーティング後、平行光露光し非露光部の粘着層に墨転写しファインピッチブラックストライプ(BS)を形成し、粘着材や接着材で基板となるMS樹脂などよりなる拡散板と積層し形成するプロセスが使われる。
そのため熱や湿度による線膨張係数がそれぞれことなるPET基材とMS(MMAとスチレンの共重合樹脂やアクリル樹脂(PMMA)が積層されるため高温多湿下(60°C、95%)でMS樹脂の伸びが大きくPETが少ないため、バイメタル現象のようにお互い作用して大きく変形や反りが生じやすい。そして、変形が生じると外観が著しく低下するだけでなく、画像のひずみ(ピンクッション)も生じるため光源の高精細な画質が損なわれるだけでなく、ディスプレイとして適さないものとなる。
そこで、これを防ぐ目的で、スクリーンを常時平面状保つことができるスクリーンユニット及びそれを用いた投写形表示装置に係る提案がある。(特許文献2)
特開2001−154274号公報
特許文献2は、
レンチキュラーレンズシートと、光透過性を有する剛性のある平板状の板と、フレネルレンズシートとを備え、前記レンチキュラーレンズシートと前記フレネルレンズシートとの間に前記平板状の板を介在させたことを特徴とするスクリーンユニット。(請求項1)であり、スクリーンの構成を2枚のレンズシートの間に平面な板ガラスを挟んだ形態とし、各々のレンズシートを板ガラスに密着する凹面状及び凸面状に熱処理を施したものである。更に観察面側のレンチキュラーレンズシートの上辺部に吊り部材をまた下辺部に板ガラス及び内側のレンズシートを受ける部材を設け、左右側辺部にコイルバネを用いて外方に引っ張り力を常時付勢して、前記2枚のレンズシート及び板ガラスを保持する構造にしたものである。
そこで本発明は、上述のような問題点に鑑み、解像度や明るさを良好に保ちつつ、シンチレーションを低減し、さらにディスプレイに使用する場合に重要な高温多湿や低温度などの厳しい環境化でもスクリーンの画質を損なうことないように平面性を維持できる透過型スクリーンを提供することを目的としている。
上述の目的を達成するため、本発明による透過型スクリーンは、
光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが
配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、
前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が
高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ透明の保持基板とを有し、
前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組
み合わせてなる透過型スクリーンであり、
前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、
かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有しており、
前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層および第2拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、
前記フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする。
また、本発明は、
前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合し
てなる構成であり、
前記光拡散レンズアレイシートの第2拡散層および前記フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする。
また、本発明は、
光拡散レンズアレイシートは、全体として可撓性を有するフィルム状であり、
そのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合した構成であることを特徴とする。
また、本発明は、
光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部と保持基板の接合面では、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した構成であることを特徴とする。
また、本発明は、
光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが
配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、
前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が
高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ保持基板とを有し、
前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組
み合わせてなる透過型スクリーンであり、
前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1
拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、
かつ、前記フレネルレンズシートにおいても第3、第4拡散層の複数の拡散層を有しており、前記フレネルレンズアレイシートの第4拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる拡散層を有し、第3の拡散層は光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有していることを特徴とする透過型スクリーンである。
また、本発明は、
前記光拡散レンズアレイシートの第1および前記フレネルレンズシートの第4の拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、
前記光拡散レンズアレイシートの第2拡散層および前記フレネルレンズアレイシートの第3の拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有していることを特徴とする透過型スクリーンである。
また、本発明は、前記光源側からフレネルレンズと保持基板が一体化したフレネルレンズシートと、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせてなる透過型スクリーンで、光拡散レンズアレイシートは、全体として可撓性を有するフィルム状であり、
そのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合し
た構成であることを特徴とする請求項5、6記載の透過型スクリーンである。
更に本発明は、
光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部とフレネルレンズシートの保持基板の接合面を、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した構成であることを特徴とする請求項5,6,7記載の透過型スクリーンである。
本発明の透過型スクリーンによれば、解像度や明るさを良好に保ちつつ、シンチレーションを低減し高温多湿や低温の環境下でも反りや変形を防ぎ良好な平面性を維持し良好な画質を維持することができるという効果を奏する。
特に、フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であるため、エンボス成形により安価に製造可能であり、スクリーン全体の低コスト化の上で有効である。
また、全体として可撓性を有するフィルム状の光拡散レンズアレイシートは、そのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合した構成であるため、周辺部のみで接合した場合に比べて、高温多湿環境下での変形に応じて表示画面の有効領域(中心部)での膨れを招くことがなく、平面性が維持され高画質の映像を視覚する上で有効である。
前記フレネルレンズシートにおいて、シート基板に拡散材が含まれた第3の拡散層と光拡散基材の表面である光源側の入射面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、前記フレネルレンズアレイシートにおいて、第3拡散層は光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しているがこれにさらに前記フレネル基板中に光拡散材が分散混合してなる第4の拡散層を加えることにより、光源からの入射した光が凹凸加工された微細なマット面と光拡散材が分散混合してなる拡散層の複数の拡散効果により透過型リアプロジェクションスクリーンの欠点であるシンチレーション(ギラツキともいう)の低減に大幅な効果がある。
一般にシンチレーションとは基材を通過した光とその基材中に含まれる拡散材を透過した光量の差で生じるギラツキであるため、凹凸による拡散だけでなく光拡散材の拡散効果と併用することにより上記ギラツキがレベリングされ、結果的にシンチレーションが低下する。
フレネル入射面の凹凸による拡散度だけで拡散度を高く設計すると入射光の表面散乱が大きくなり輝度や解像度の低下を招きやすい。そのため、凹凸による拡散だけでなく光拡散材の拡散効果と併用することにより効果的である。
この光拡散には、拡散層の内部の光拡散材による起こる内部拡散と、拡散層の入出射面の凹凸により発生する外部拡散とがある。入出射面の凹凸は、例えばマット加工などにより意図的に形成する凹凸と、基材から光拡散材が露出して形成される凹凸とがある。シンチレーションを低減するには、内部拡散、外部拡散のいずれも効果がある。
同様に光拡散レンズアレイシートにおいても同様である。拡散効果が大きければおおきいほどシンチレーションは低下するが、拡散光が多くなり正面輝度も低下する。あるレベルの正面輝度を維持しようとする場合、光拡散材だけでは限界があるため光拡散材だけでなく、第2の拡散層に観察表面の凹凸をつけその凹凸による拡散効果と併用することにより上記ギラツキがレベリングされ、結果的にシンチレーションが低下する。
本発明の特徴であるフレネルレンズと保持基板を一体化することの特徴は以下の通りである。
・フレネルレンズと保持基板を一体化したフレネルレンズを用いることにより、部品数が低減でき材料費やプロセスの低減化によるコストダウンが計れる。
・光の透過ロスが少なくなり、輝度の明るいスクリーンができる。
具体的には反射界面が1面少なくなり、1界面反射による光量ロス6%が削減できる。
・光拡散レンズアレイシート、保持基板とフレネルレンズを一体化したフレネルレンズシートを接着剤で光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部と保持基板の接合面を、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布し接着または粘着した一体構成にすることにより、水平視野角などの光学特性を維持しながら、光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシートを一体化できる。そのためにテレビセットへのアセンブリーの容易にでき生産性が向上する。さらにこれまでに光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシートが分離していたことによる恒温多湿などの環境下でのそれぞれのシートの伸び縮みによる浮き(光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシート間に隙間ができる)による解像度の低下や反り変形によるシートの平面性の低下による画像の歪みなどにも対応でき、効果的である。
本発明の実施の形態では、投射光を略平行光にするフレネルレンズシートとシリンドリカルレンズの集光成分以外を遮光するBS層が設けられたレンチキュラーレンズシートとからなる透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートに第3拡散層が、レンチキュラーレンズシートに、第1拡散層、第2拡散層を設け、第1拡散層の拡散度合いが、レンチキュラーレンズシートの他の拡散層および第3拡散層よりも大きく、かつフレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成として、シンチレーション低減の効果を計った。
詳しくは、まずシンチレーション低減については、フレネルレンズ及び光拡散レンズアレイシートの拡散層の構成において、以下の方法を維持し対応する。
すなわち、光源側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差を、観察側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差よりも大きくし、光源側から観察側に向かう方向に屈折率差および拡散度合いが増大する構成としている。そのため光が入射側より観察側で大きく拡散されるため、つまり外光を遮光し画像のコントラストを向上させる役目をするブラックストライプ(BS)を通過した後、大きく拡散されるのでシンチレーションと解像度や輝度の低下を招くトレードオフの関係でも複数の拡散層を光の透過方向に離間することで得られるシンチレーションの低減作用の効率を生かすことができ、目的とする大幅なシンチレーション低減効果が計れる。
特に本実施の形態では、この離間はフレネルレンズと光拡散レンズアレイシートの中間に保持基板を用いるためにフレネルレンズの拡散層と光拡散レンズアレイシートのそれぞれの拡散層を大きく離間することができシンチレーション低減効果が大きいものとなる。
また、本スクリーン構成においても、高温多湿や低温などの厳しい環境下でも画面歪をなくすために、大画面サイズの平面性を維持しなければならない。そこで、本実施の形態では、2枚のレンズシートの間に平面性を保持する透明な保持基板を介在させて固定し、耐環境下での変形を防ぐなどの対策を行う。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図2は本発明の実施の形態に係る透過型スクリーンの第1の例を示す断面図である。図2に示す例では、光拡散レンズアレイシート30とフレネルレンズシート10に中間部に位置するスクリーン基板(保持基板)20にアクリルスチレン共重合樹脂(MS)やポリカーボネート(PC)樹脂などの透明樹脂基板やガラス基板を使用している。
尚、同図では、スクリーン基板(保持基板)20として、拡散度が低いMS樹脂やポリカーボネート樹脂などの「微拡散基板」を使用した例が図示されているが、スクリーン基板(保持基板)20には拡散機能は必須ではなく透明基板で良い。
同図に示す透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部12を有するフレネルレンズシート10と、上記フレネルレンズ10と光拡散レンズアレイシート30とを有し、その中間部にスクリーン保持基板20を配置したものである。光拡散レンズアレイシート30は、フレネルレンズシート30からの出射光をスクリーンの
左右方向および上下方向に拡散させるレンズ部32を有する光学部材を備えている。これらフレネルレンズシート10、スクリーン保持基板20、光拡散レンズアレイシート30は、透過型スクリーンの光源から順次配置されているとともに、互いに略平行に配置されている。以下では、図中の左右方向のうち、フレネルレンズシート10側方向を光源側方向、スクリーン保持基板20を中間側、レンチキュラーレンズシート30側方向を観察側方向とそれぞれ称することにする。すなわち、本実施の形態では、投射光は光源側から観察側に向けて透過する。
フレネルレンズシート10は、図2に示すように、投射光の入射側から、第3拡散層1
1(フレネルレンズシートの拡散層)、基板部11b、フレネルレンズ部12が順次配置
され、第3拡散層11とフレネルレンズ部12とが、基板部11bの表裏で積層されてい
るものである。そして、フレネルレンズ部12はレンチキュラーレンズ32と対向して配
置されている。
第3拡散層11は、入射する投射光を透過しつつ光拡散させるためのもので、本発明においては、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする。
第3拡散層11は、シートの共押出成形や拡散コーティングで形成され、基板部11b上に積層された表面にエンボス(プレス)加工が施され、微細凹凸が形成される。同図では、第3拡散層11は基板部11bと別な層として図示されているが、基板部11bの表面にエンボス(プレス)加工を施こし、第3拡散層11を兼ねる構成としても良い。
第3拡散層11の拡散度合いは、ヘイズ値で、30%〜70%の値に設定する。拡散度合いは、微細凹凸のパターン(深さや密度)を設定することによって、上記の範囲から適宜設定することができる。表面の微細凹凸は十点平均粗さRz≦20が好ましく、特にRz=3〜6程度の凹凸レベルが好ましい。ヘイズ値が大き過ぎると、透過する映像光量が低下すると共に、シンチレーション制御の上で不都合が生じる。本発明の実施形態の透過型スクリーンの実施例について、フレネルレンズ10に形成した第3拡散層について説明する。
<第3拡散層の実施例>
基材11bとして、比重(ρ=1.23),厚さ0.8mmのPCアロイ(ポリカーボネートとポリエステル系樹脂のアロイで、PC成分=80%)を使用した。上記基材11bの表面にエンボスロールにより形成した拡散部(微細凹凸)は、Rz=10μmであり、Hazeは50%であった。
光拡散には、拡散層の内部の光拡散材による起こる内部拡散と、拡散層の入出射面の凹凸により発生する外部拡散とがある。入出射面の凹凸は、例えばマット加工などにより意図的に形成する凹凸と、基材から光拡散材が露出して形成される凹凸とがある。
シンチレーションを低減するには、内部拡散、外部拡散のいずれも効果があるので、本実施形態の拡散層はいずれも、必要な拡散度合いを実現するために入出射面に適宜の凹凸を設けた構成としても良い。
フレネルレンズ部12は、光軸を含む断面が光軸に対称な略鋸歯状の形状に形成され、光軸方向から見ると、光軸P1を中心とする同心円状に配置され、輪帯を形成しているものである。
鋸歯状のレンズ面は、設計条件に応じて、例えば凸レンズの一部を形成する球面や非球面などレンズ面と、光軸P1に沿う略円筒面とからなり、焦点位置に配置されたプロジェクタから出射された投射光を略平行光にできるようになっている。
フレネルレンズシート10は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、フレネルレンズ部12の形状を成形するための金型に、例えば紫外線硬化樹脂を供給する。そして、一方の面に第3拡散層11を形成した基板部11bをその他方の面が紫外線硬化樹脂に密着するように配置し、必要に応じて、例えばローラなどにより基板部11bを押圧して、余分な紫外線硬化樹脂を排出する。その状態で基板部11bを通してUV照明光源から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させる。そして、紫外線硬化樹脂が硬化した後、金型から脱型する。このようにして、金型の形状が転写されたフレネルレンズ部12が、基板部11b上に形成される。
このときこのフレネル基板部11bは、スクリーンとしては中間部に位置する保持基板20に保持されるため、柔軟性があり基板厚みが薄い方が中間基板20に固定しやすいので好ましい。この時厚みが1mm以下のポリカーボネートシート(PC)やポリエステル(PET)が主に使用される。
次にフレネルレンズシート10と光拡散レンズアレイシート30の中間部に位置するスクリーン基板20について説明する。
図2に示すように、中間部に位置するスクリーン基板は自立性のない柔軟なフレネルレンズシートや光拡散レンズアレイシートを、粘着材や接着材を用いた弾性テープ、または直接、接着材や粘着材を使用し、このスクリーンを基板に固定する場合もあるが、本発明における一層好ましい固定手段は、図3に示す様に、全体として可撓性を有するフィルム状の光拡散レンズアレイシートのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合した構成である。
その際、光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、レンズ部と保持基板の接合面では、前記レンズ部の凹凸(谷部)内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した構成が望まれる。
そのため、接着剤あるいは粘着剤の塗布形成にあたっては、薄膜状にコーティング可能な塗布装置(例えば、スロットコーターやダイコーター)が用いられ、塗布厚としては3μm以下,接着剤あるいは粘着剤のレンズ頂部との接触面積は固定が維持される範囲内で極力少ないことが望ましい。
スクリーン基板20は、光拡散レンズアレイシート30が固定されてもスクリーン状態を維持するために十分な剛性が必要とされる。そのため基板の厚みも厚くして樹脂基板は1mm以上のMSやアクリル、アクリル系ポリマー、ポリカーボネートなどの強固な樹脂基板が使われる。また、樹脂基板以外にガラスなどのより剛性の高い基板がさらに好ましい。
光拡散レンズアレイシート30のレンズ部32は、略半円柱状をなす複数のシリンドリカルのレンチキュラーレンズやレンチキュラーレンズがお互いに直交したクロスレンチや半円形状のマイクロレンズなどが使われる。以下レンチキュラーレンズの場合について述べる。このレンズ部32が互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂
直方向)に延されたもので、光拡散レンズアレイシート30の入射面を構成している。
このような構成により、フレネルレンズシート10から出射される投射光が中間部の保持板20を透過しスクリーンの左右方向(水平方向、図示の上下方向)に集光後、左右方向に拡散しながら第1拡散層31に向けて出射できるようになっている。
BS層34は、表面に複数のシリンドリカルレンズ32が設けられたレンズ基板32bの裏面側において、各シリンドリカルレンズ32による非集光部を、シリンドリカルレンズ32の母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライプ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層34の間には、ハードコートしたフイルム層33bを接合するための接着を拡散層を兼ねた光拡散粘着層31が設けられている。このときこの光拡散粘着層31は、このBS層34とハードコートしたフイルム層33bを接合する役割をするだけでなく、レンチキュラーレンズから出射される投射光をスクリーンの左右上下方向に拡散しながら観察側に出射する拡散層の役割も有する。
この粘着拡散層31を本発明では、前述したようにスクリーンの主たる拡散層としての機能をもつため、第1拡散層31と名称する。
本実施の形態では、第1拡散層は、例えば、透明なアクリル系などの粘着樹脂31cの内部に屈折率が異なるフィラー31d(光拡散材)が分散された樹脂が含有される。これに対し観察面に最も近いハードコートとアンレグレア(AG)の機能をもつ第2拡散層35は樹脂中のフィラーの濃度を低くするか、拡散粒子の含有量を少なくするか、ハードコート樹脂とフイラーの屈折率差を小さくするなどし、拡散度を低く抑えむしろそのフイラーが含まれることによる凹凸効果より外部からの外光の表面反射を散乱成分を保有し見かけの反射を防ぐアンチグレア(AG)効果を保持する機能が主となる。したがって、この第2拡散層としての拡散機能は微量なものである。
上記したようにこの第1拡散層31は光拡散レンズアレイ32のBS面上に形成され、レンズアレイ31から入射した投射光を水平、垂直方向に適正な視野角の範囲に拡散させるために設けられている。
シンチレーションを低減するには、フレネルレンズ10に設けられた第3拡散層11と第1拡散層31との層間距離を1mm以上とすることが好ましい。
本発明ではこの層間距離は中間部の保持板20の厚みで調整することが可能である。本実施の形態では第1拡散層31は、例えば、ハードコート基材33bに屈折率が異なるフィラー31d(光拡散材)が分散された粘着性樹脂31cをコーティングしてBS面に貼りあわせしている。(図示はしないが、図1における61c,61dと同様である。
第1拡散層31の拡散度合いは、ヘイズ値で、70%〜90%の値に設定する。拡散度合いの大きさは、第3拡散層11と同様にして上記範囲に設定することができる。例えば85%に設定する。
また、第1拡散層31の粘着樹脂31cとフィラー31dとのぞれぞれの材質を適宜選択することにより、屈折率差ΔnL1=|n31c−n31d|を、例えば、0.01〜0.04の範囲とすることが好適である。ここで、n31c、n31dは、それぞれ基材31c、フィラー31dの屈折率である。
粘着樹脂31c、フィラー31dの材質としては、適宜の透明樹脂を採用することができるが、本実施形態では、31c、フィラー31dの、ΔnL1=0.04である。
なお、第3拡散層11、第2拡散層35、第1拡散層31の好適な厚さは、それぞれ30μm〜300μm、3μm〜30μm、30μm〜300μmの範囲内で設定され、第3拡散層11と第1拡散層31との好適な距離は、0.7mm〜3.0mmの範囲内で設定される。好ましくは1.0〜3.0の範囲にあるのが好ましい。
上記したように第2拡散層の表面コート層35は、透過型スクリーン20の表面性を良好に仕上げるために必要に応じて設けられる種々のコート層である。例えば、鉛筆硬度3H以上程度の表面の耐擦傷性を付与するためのハードコート(HC)層に写り込み防止のためのアンチグレア(AG)層、埃付着防止のための帯電防止(AS)層など機能を有するコート層を、単層または複数層により形成したものである。観察側の表面にある第2拡散層35は主にハードコート層にフィラーを充填することより形成される微細な凹凸を生かすためのAG層を形成するためのものである。
次に、本実施形態のリアプロジェクションテレビ10の作用について、透過型スクリーンの作用を中心に説明する。
プロジェクタから出射された投射光は、投射レンズから反射鏡により偏向され、透過型スクリーンに対して投射される。そして、フレネルレンズシート10の第3拡散層11に入射し、フィラー11cが分散された第3拡散層11内で、屈折、反射作用を受けて光拡散され、基板部11b内を透過する。
基板部11bを透過した投射光は、第3拡散層11の拡散度合いに応じて拡散し、基板部11bの板厚分だけ拡散が進行した状態で、フレネルレンズ部12に入射する。そして、フレネルレンズ部12の屈折作用を受けて略平行光とされ、中間部の保持基板20に向けて略平行方向に出射される。
次にフレネルレンズ部10からの投射光は、スクリーン保持基板20に入射され、光拡散レンズアレイレンズシート30の方へ出射される。この保持基板20は、スクリーンが自立するための剛性を維持できる厚みにし、両側の自立性がなく柔軟なシート形状を持つフレネルレンズ10及び光拡散レンズアレイシート30の周辺部を弾性のあるテープ40で固定し保持する。このスクリーン保持基板20にはMSやアクリル共重合体やPCなどの樹脂シート又はガラスなどが使われる。
次に上記保持基板20から光拡散レンズアレイシート30(ここではレンズ部32にレンチキュラーレンズ使用)に入射した投射光は、レンズ部32によりスクリーンの左右方向(水平方向)に集光されて、ストライプ状とされる。そして、BS層34により不要な非集光成分が遮光され、集光成分が光透過部を透過する。投射光は、シリンドリカルレンズ32の焦点位置に応じて、光透過部内、または第1の拡散層である拡散粘着層31と光透過部の境界面近傍で、線状に結像された後、スクリーンの左右方向への発散光となる。投射光が、この第1拡散層31に入射すると、スクリーンの左右方向にさらに拡散されるとともに、上下方向(垂直方向)にも拡散され、第2拡散層35の厚さ内で、第1拡散層31の拡散度合いに応じて徐々に拡散が進行し、第2拡散層35のある観察側に到達する。
拡散光が第1拡散層31に到達すると、第1拡散層31の拡散度合いに応じて、相対的に最も拡散され、ハードコート基材層33b、表面コート層35を透過して、レンチキュラーレンズシート30の外部に出射される。
このため、透過型スクリーンから観察側に、スクリーンの法線方向に対して、上下方向および左右方向にそれぞれ所定角度範囲に拡散する投射光が出射され、透過型スクリーンの前面で、所定の視野角の範囲内で投射光を鑑賞することが可能となる。
本実施形態では、透過型スクリーンに複数の拡散層を設け、それぞれに拡散度合いを分配することにより、解像度、コントラストや明るさを良好に保ちつつシンチレーションを低減することが可能となっている。
まず、フレネルレンズシート10側に設けられた第3拡散層11は、拡散度合いが大きすぎると、投射光の像のボケが生じて解像度に影響するとともに、拡散によりBS層34で遮光される非集光成分が増えて光効率が悪化し、コントラストや明るさが低下する。そこで、そのような解像度、コントラストや明るさの低下を防止するため、第3拡散層11の拡散度合いは、第1拡散層31の拡散度(Haze)よりも小さくしている。
次に、このような構成のシンチレーション低減作用について説明する。
シンチレーションは、もともとの画像にない微小スポット状の高輝度光が観察され画像にちらつき、ぎらつきがあると感じられる現象である。
本実施形態では、上記のように、観察側にある光拡散レンズアレイシート30の拡散層である第1拡散層31の拡散度合いを他の拡散層の拡散度合いよりも大きく設定するとともに、第1拡散層31をフィラー31dの分散濃度が高い相対的な密状態としている。そのため、特定方向に向かう微小スポット状の高輝度光が、第1拡散層31に到達するまでの間に発生しても、第1拡散層31で均等分布タイプの強い拡散が行われるので、観察側の特定方向に高輝度光が出射されにくくなり、第3拡散層33で投射光がある程度拡散されていることと相俟って、シンチレーションが低減される。
次に、本発明の実施の形態を説明するために、図1に示した従来の透過型スクリーンと本実施の形態との相違点について説明する。
図1に示す透過型スクリーンは、フレネルレンズ50と光拡散レンズアレイシート60のレンズ部にレンチキュラーレンズシートを備えたものである。
レンチキュラーレンズシート60は、レンチキュラーレンズ部67と本透過型スクリーンの主の拡散機能をもつ観察面に近い第1拡散層61と、光拡散レンズアレイシートを保持するためのBS層に近い位置にある微拡散の第2拡散層62、透明レンズ基材67bを備えるものである。
第1拡散層61は、図1に示すように、第2拡散層62に比べて薄層で光拡散性を有する層状またはシート状の光拡散部材である。そして、透明な樹脂、例えばMS樹脂などからなる基材61c中に、フィラー61dを分散し、他の拡散層と同様の範囲に設定された拡散度合い、屈折率差Δn61=|n61c−n61d|を備えるようにしたものである。ここで、n61c、n61dは、それぞれ基材61c、フィラー61dの屈折率である。第1拡散層61の厚さは、例えば、基材61cがMS樹脂の場合、50μm〜300μm程度が好適であり、例えば光拡散レンズアレイシートを保持するためのBS層に近い位置にある微拡散の第2拡散層62と一緒に共押出しによる積層、または第2拡散層にコーティングすることなどにより形成することができる。
第2拡散層62は、第1拡散層より低い拡散度(Haze)で構成され、第2拡散層62とフレネルレンズの第3拡散層51とを離間して配置するとともに、レンチキュラーレンズシート60に必要な剛性を確保するための支持基板であり、光透過性の樹脂基板からなる。樹脂の材質は、例えば、MS樹脂などを採用することができる。例えば、MS樹脂の場合、この基板62の厚さは、0.5mm〜3mmが好適である。そして、一方の面に第2拡散層62を共押出しまたはコーティングし、他方の面に第1拡散層61を共押出しまたはコーティングする。
先行例では、シンチレーションの低減は、この第1拡散層61及び第2拡散層62、第3拡散層51の拡散度と屈折率差の範囲を本発明と同様の範囲にしているが、フレネルレンズ部52からの光がレンチキュラーレンズ部67に直接入りレンズ間の離間距離が取れない。そのためシンチレーションの低減は、上記第1拡散層61及び第2拡散層62、第3拡散層51の拡散度と屈折率差の適性な範囲を設定により、また第1拡散層と第3拡散層の距離により改善している。
これに対して本実施の形態では、先行例に比較して図2のようにフレネルレンズ10と光拡散レンズアレイシート30の間の中間部にあるレンズ間の離間をある厚みを持った保持基板20で離間するために、フレネルレンズ部からの光が拡散し、そのため画像がややボケ気味になるために、結果的にシンチレーションがさらに低減する効果がある。このように中間部に保持基板20を持つのはこの効果以外に、本発明の目的である可撓性の大きい(フレキシブルな)レンズシートを、高温・高湿の環境下でも優れた平面性を維持するためである。
本実施例によるフレネルレンズシート10は、図2に示すように、投射光の入射側から、第3拡散層11(フレネルレンズシートの入射表面に設けた凹凸による拡散層)、第4拡散層を持つフレネル基板部11b、フレネルレンズ部12が順次配置され、第3拡散層11とフレネルレンズ部12とが、基板部11bの表裏で積層されているものである。そして、フレネルレンズ部12はレンチキュラーレンズ32と対向して配置されている。第3拡散層11は、入射する投射光を透過しつつ光拡散させるためのもので、本発明においては、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、第4拡散層はフレネルの樹脂基板中に有機ビーズなどの拡散材を含んだ樹脂シートの拡散基板により形成される。この第3拡散層11は、シートの共押出成形や拡散コーティングで形成され、拡散基板部11b上に積層された表面にエンボス(プレス)加工が施され、微細凹凸が形成される。同図では、第4拡散層11は基板部11bと別な層として図示されているが、拡散基板部11bの表面にエンボス(プレス)加工を施こし、第3拡散層11と第4拡散層11bが一体の構成が実用的である。
これは樹脂シート成形時にMS樹脂(MMAとスチレンの共重合樹脂)中に粒径10μ程度のMSビーズなどの光拡散材を数%混入した樹脂コンパウンドをシート押出しし、シート形成時に20μ以下の凹凸エンボス加工された冷却ロールにより片面に凹凸を形成し第3と第4拡散層形成されたフレネル用基板を得た。
第3拡散層11と第4拡散層を合わせたフレネル拡散基板の拡散度合いは、ヘイズ値で、30%〜70%の値に設定する。第3拡散層の拡散度合いは、微細凹凸のパターン(深さや密度)を設定することによって、上記の範囲から適宜設定することができる。表面の微細凹凸は十点平均粗さRz≦20が好ましく、特にRz=3〜6程度の凹凸レベルが好ましい。ヘイズ値が大き過ぎると、透過する映像光量が低下すると共に、シンチレーション制御の上で不都合が生じる。

以下第4拡散層のフレネル拡散基材11bは以下のようにして作製した。
フレネル樹脂シートの基材の樹脂は比重(ρ=1.23)のPCアロイ(ポリカーボネートとポリエステル系樹脂のアロイで、PC成分=80%)を使用し、光拡散材に粒径10μmのMSビーズ(屈折率1.51)を数%添加したコンパウンドをシート押出し、厚み1.2mmのフレネル拡散基板を作製した。上記基板11bの表面に冷却エンボスロールによりシート成形同時に形成した第3拡散層の微細凹凸は、Rz=10μmであり、Hazeは30%であった。フレネル基板中に光拡散材を混入した第4の拡散層のHazeは40%で第3と第4の拡散層の拡散度は合わせて70%になった。
このフレネル基板中へのフレネルレンズの形成は、前記実施例と同様な方法でフレネルレンズシート10を得た。また保持基板20は前記実施例と同様の方法で得た。
本実施例による光拡散レンズアレイシート30は以下のようにして作製した。
光拡散レンズアレイシート30のレンズ部32は、互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂直方向)に延されたもので、光拡散レンズアレイシート30の入射面を構成している。このような構成により、フレネルレンズシート10から出射される投射光が中間部の保持板20を透過しスクリーンの左右方向(水平方向、図示の上下方向)に集光後、左右方向に拡散しながら第1拡散層31に向けて出射できるようになっている。
BS層34は、表面に複数のシリンドリカルレンズ32が設けられたレンズ基板32bの裏面側において、各シリンドリカルレンズ32による非集光部を、シリンドリカルレンズ32の母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライプ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層34の間には、ハードコートしたフイルム層33bを接合するための接着層31が設けられている。このときこの接着層31は、このBS層34とハードコートしたフイルム層33bを接合する役割をする。レンチキュラーレンズから出射される投射光はBS層34の間の透過部を通過しスクリーンの左右上下方向に出射する。
前記光拡散レンズアレイシートの主たる拡散層としての第1拡散層はハードコートしたフイルム層33bのBS層34側、つまりハードコート面とフィルムを挟んで反対面にコーティングにより第1の拡散層を形成する。
この第1の拡散層はあらかじめハードコートしたフイルム34のハードコート面とフィルムを挟んで反対面にアクリル系などの樹脂バインダーに10μ以下の粒径のMS樹脂ビーズなどによる光拡散材を数十%添加した拡散コート液をコーティングして形成する。観察面に最も近いハードコートとアンレグレア(AG)の機能をもつ第2拡散層35は樹脂中のフィラーの濃度を低くするか、拡散粒子の含有量を少なくするか、ハードコート樹脂とフイラーの屈折率差を小さくするなどし、拡散度を低く抑えむしろそのフイラーが含まれることによる凹凸効果より外部からの外光の表面反射を散乱成分を保有し見かけの反射を防ぐアンチグレア(AG)効果を保持する機能が主となる。
光拡散レンズアレイシート30と保持基板20の接合は保持基板のレンチキュラーレンズ面に接する側に全面に渡って5μ程度の厚みで直接、接着材や粘着材を使用し塗布し、レンズの特性が損なわれない様、レンチキュラーレンズ部と保持基板の接合面では、前記レンズ部の凹凸(谷部)内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に保持基板20にフイルム状の可撓性のある光拡散レンズアレイシート30を貼り合わせ一体化した。
本実施例によって得た透過型スクリーンはスクリーンの明るさを示す輝度の低下なく、スクリーンとしての視野角特性も維持でき、シンチレーションも大幅に低下した。
フレネルレンズシート10及び保持基板20は、前記実施例と同様な方法で得た。本実施例による光拡散レンズアレイシート30は以下のようにして作製した。光拡散レンズアレイシート30のレンズ部32は、互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂直方向)に延されたもので、光拡散レンズアレイシート30の入射面を構成している。このような構成により、フレネルレンズシート10から出射される投射光が中間部の保持板20を透過しスクリーンの左右方向(水平方向、図示の上下方向)に集光後、左右方向に拡散しながら第1拡散層31に向けて出射できるようになっている。
BS層34は、表面に複数のシリンドリカルレンズ32が設けられたレンズ基板32bの裏面側において、各シリンドリカルレンズ32による非集光部を、シリンドリカルレンズ32の母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライプ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層34の間には、ハードコートしたフイルム層33bを接合するための接着層31が設けられている。このときこの接着層31は、このBS層34とハードコートしたフイルム層33bを接合する役割をする。レンチキュラーレンズから出射される投射光はBS層34の間の透過部を通過しスクリーンの左右上下方向に出射する。
前記光拡散レンズアレイシートの主たる拡散層としての第1拡散層はハードコートしたフイルム層33bのBS層34側、つまりハードコート面とフィルムを挟んで反対面にコーティングにより第1の拡散層を形成した。この第1の拡散層はあらかじめハードコートしたフイルム34のハードコート面とフィルムを挟んで反対面にアクリル系などの樹脂バインダーに10μ以下の粒径のMS樹脂ビーズなどによる光拡散材を数十%添加した拡散コート液をコーティングして形成する。
観察面に最も近いハードコートとアンレグレア(AG)の機能をもつ微小な凹凸をもつ第2拡散層35はクリアなハードコート層をフイルム上にコーティングし微小な凹凸を持ったエンボスロールでエンボスする方法を採用した。この他にあらかじめエンボスした剥離フイルム上にアクリル樹脂を主成分とするハードコート液をコーティングし光拡散レンズアレーシートに密着転写後エンボスした剥離フイルムを剥離して微小な凹凸を形成する方法を用いても良い。
第2拡散層は拡散度を低く抑えむしろその凹凸効果より外部からの外光の表面反射を散乱成分を保有し見かけの反射を防ぐアンチグレア(AG)効果を保持する機能が主となる。
上記したようにこの第1拡散層31は光拡散レンズアレイ32のBS面上に形成され、レンズアレイ31から入射した出射光を水平、垂直方向に適正な視野角の範囲に拡散させるために設けられている。
本実施形態では、透過型スクリーンに複数の拡散層を設け、それぞれに拡散度合いを分配することにより、解像度、コントラストや明るさを良好に保ちつつシンチレーションを低減することが可能となった。
図4に示した本実施例によるフレネルレンズシート10は、光源側にフレネルレンズ部12を出射側にフレネルレンズシート基材11bに第4拡散層をもったフレネル基板11を配置し、保持基板20とフレネル基板11が一体化したフレネルレンズシート10を作製した。本実施例では拡散レンズアレイシート30は、全体として可撓性を有するフィルム状であり、そのレンズ部側で前記フレネルレンズシート10の保持基板なるフレネル基板11とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合面を、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した全体とした一体化した透過型スクリーンの構成である。
本実施例では保持基板とフレネル基板を一体化したフレネルレンズシート10は以下のようにして作製した。
前記第4の拡散層をもったフレネル基板11に直接フレネルレンズ部12をUV成形により形成した。このフレネル基板11はスクリーン全体の保持基板を兼ねるために基板の厚みを2.0mmにした。さらに図5に示したようにあらかじめポリエステル(PET)などのフイルム上にフレネルレンズ部12を形成したフレネルレンズシートを前記基板11に貼りつけても良い。このときフレネル基板は、ポリカーボネート(PC)やMS(アクリルスチレン共重合)樹脂などの樹脂中に屈折率が1.49〜1.55の範囲にあるMS樹脂ビーズなどの光拡散材を添加した厚み2.0mmの拡散樹脂基板を作製し第4拡散層を形成した。
本実施例では図3、4、5の拡大図に示すように、投射光の入射側から、フレネルレンズ部12、第4拡散層を持つ保持基板を兼ねたフレネルレンズシート基材11b、光拡散レンズアレイシート30はレンチキュラーレンズ32と前記基材11bにレンズ32の先端頂部が密着し対向して配置されている。本実施例による光拡散レンズアレイシート30は以下のようにして作製した。光拡散レンズアレイシート30のレンズ部32は、互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂直方向)に延されたもので、光拡散レンズアレイシート30の入射面を構成している。このような構成により、フレネルレンズシート10から出射される投射光がレンズ部32を透過し集光後、左右方向に拡散しながら第1拡散層31に向けて出射できるようになっている。
BS層34は、表面に複数のシリンドリカルレンズ32が設けられたレンズ基板32b
の裏面側において、各シリンドリカルレンズ32による非集光部を、シリンドリカルレン
ズ32の母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライ
プ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層34の間に
は、ハードコートしたフイルム層33bを接合するための接着層31が設けられている。このときこの接着層31は、このBS層34とハードコートしたフイルム層33bを接合する役割をする。レンチキュラーレンズから出射される投射光はBS層34の間の透過部を通過しスクリーンの左右上下方向に出射する。
前記光拡散レンズアレイシートの主たる拡散層としての第1拡散層はハードコートしたフイルム層33bのBS層34側、つまりハードコート面とフィルムを挟んで反対面にコーティングにより第1の拡散層を形成する。この第1の拡散層はあらかじめハードコートしたフイルム34のハードコート面とフィルムを挟んで反対面にアクリル系などの樹脂バインダーに10μ以下の粒径のMS樹脂ビーズなどによる光拡散材を数十%添加した拡散コート液をコーティングして形成する。
観察面に最も近いハードコートとアンレグレア(AG)の機能をもつ第2拡散層35は樹脂中のフィラーの濃度を低くするか、拡散粒子の含有量を少なくするか、ハードコート樹脂とフイラーの屈折率差を小さくするなどし、拡散度を低く抑えむしろそのフイラーが含まれることによる凹凸効果より外部からの外光の表面反射を散乱成分を保有し見かけの反射を防ぐアンチグレア(AG)効果を保持する機能が主となる。
光拡散レンズアレイシート30と保持基板20の接合は保持基板のレンチキュラーレンズ面に接する側に全面に渡って5μ程度の厚みで直接、接着材や粘着材を使用し塗布し、レンズの特性が損なわれない様、レンチキュラーレンズ部と保持基板の接合面では、前記レンズ部の凹凸(谷部)内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に保持基板20にフイルム状の可撓性のある光拡散レンズアレイシート30を貼り合わせ一体化した。
本実施例によって得た透過型スクリーンは、フレネルレンズと保持基板を一体化したフレネルレンズを用いることにより、保持基板を省くことができることによる部品数が低減でき材料費やプロセスの低減化によるコストダウンが計れた。また前期保持基板を省くことにより、反射界面が1面少なくなり1界面反射による光量ロス6%が削減できその分の光の透過ロスが少なくなり、輝度の明るいスクリーンができた。また光拡散レンズアレイシート、保持基板とフレネルレンズを一体化したフレネルレンズシートを接着剤で光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部と保持基板の接合面を、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布し接着または粘着した一体構成にすることにより、水平視野角などの光学特性を維持しながら、光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシートを一体化できたため、テレビセットへのアセンブリーの容易にでき生産性が向上した。
さらにこれまでに光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシートが分離していたことによる恒温多湿などの環境下でのそれぞれのシートの伸び縮みによる浮き(光拡散レンズアレイシートとフレネルレンズシート間に隙間ができる)による解像度の低下や反り変形によるシートの平面性の低下による画像の歪みなどにも低減できた。
従来の透過型スクリーンの概略構造を示す断面図。 本発明による透過型スクリーンの概略構造を示す断面図。 本発明による透過型スクリーンの固定手段に係る概略構造を示す断面図。 本発明による透過型スクリーンのフレネルレンズ基材と保持基板が一体化した構造を示す断面図。 本発明による透過型スクリーンのフレネルレンズ基材と保持基板が貼合して一体化した構造を示す断面図。
符号の説明
10…フレネルレンズシート
11…第3拡散層(フレネルレンズシートの拡散層)
11b…フレネルレンズシート基材
12…フレネルレンズ部
20…スクリーン中間部の保持基材
30…光拡散レンズアレイシート
31…第1拡散層(光拡散レンズアレイシートの拡散層で拡散粘着を持つ)
31c…第1拡散層の樹脂
31d…第1拡散層のフイラー
32…レンズアレイシート(レンチキュラーレンズ)
32b…レンズ基材
33…粘着性感材
34…遮光層(BS層)
34b…第2拡散層(ハードコートAG層)の基材層
35…第2拡散層(ハードコートAG層)
40……固定用テープ。

Claims (8)

  1. 光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、
    前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、
    前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ透明の保持基板とを有し、
    前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせてなる透過型スクリーンであり、
    前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、
    かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有しており、
    前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層および第2拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、
    前記フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、
    前記光拡散レンズアレイシートの第2拡散層および前記フレネルレンズシートの第3拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有しており、光拡散材を含まない構成であることを特徴とする透過型スクリーン。
  3. 光拡散レンズアレイシートは、全体として可撓性を有するフィルム状であり、
    そのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合した構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
  4. 光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部と保持基板の接合面では、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した構成であることを特徴とする請求項3記載の透過型スクリーン。
  5. 光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、
    前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ保持基板とを有し、
    前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせてなる透過型スクリーンであり、
    前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、
    かつ、前記フレネルレンズシートにおいても第3、第4拡散層の複数の拡散層を有しており、前記フレネルレンズアレイシートの第4拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる拡散層を有し、第3の拡散層は光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有していることを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 前記光拡散レンズアレイシートの第1および前記フレネルレンズシートの第4の拡散層は、光拡散基材中に光拡散材が分散混合してなる構成であり、
    前記光拡散レンズアレイシートの第2拡散層および前記フレネルレンズアレイシートの第3の拡散層は、光拡散基材の表面が凹凸加工された微細なマット面を有していることを特徴とする透過型スクリーン。
  7. 前記光源側からフレネルレンズと保持基板が一体化したフレネルレンズシートと、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせてなる透過型スクリーンで、光拡散レンズアレイシートは、全体として可撓性を有するフィルム状であり、
    そのレンズ部側で保持基板とほぼ全面に渡って、接着剤あるいは粘着剤を介して接合し
    た構成であることを特徴とする請求項5、6記載の透過型スクリーン。
  8. 光拡散レンズアレイシートのレンズ特性が損なわれない様、前記レンズ部とフレネルレンズシートの保持基板の接合面を、前記レンズ部の凹凸内を接着剤あるいは粘着剤が埋め切らず、空気層を有する程度に接着剤あるいは粘着剤を薄く塗布した構成であることを特徴とする請求項5,6,7記載の透過型スクリーン。
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