JP2007233311A - 透過型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイにおいて、解像度や明るさを良好に保ちつつ、シンチレーションを低減しかつ高温多湿や低温での環境下でも反りや変形することなく平面性を維持することができるようにする。
【解決手段】 フレネルレンズシート10に第3拡散層11が、光拡散レンズアレイシート30に、第1拡散層31、第2拡散層32が設けられ、第1拡散層31の拡散度合いが、レンチキュラーレンズシート30の他の拡散層および第3拡散層11よりも大きく、かつレンチキュラーレンズシート30の各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、フレネルレンズシート10の第3拡散層11の屈折率差に比べて小さい構成としてシンチレーションを低減化した拡散層構造を持つことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、投射型ディスプレイ等に用いられる透過型スクリーンに関する。
従来、透過型スクリーンを備えた投射型ディスプレイとして、リアプロジェクションテレビが知られている。近年では、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの薄型の大型ディスプレイに対抗し、MD方式プロジェクションテレビが台頭してきている。MD方式プロジェクションテレビは、例えばLCDやLCOS(LCD on Silicon;反射型液晶パネルの一種)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などの表示デバイスを用いて変調された投射光を透過型スクリーンのリア側から投射するものである。
このMD方式プロジェクションテレビは、40インチ以上の大型化が容易であり、デジタル表示のため画質も良好で、ディスプレイ本体のコストも比較的安価に製造できるため、今後の家庭用の大型ディスプレイとして大変注目されている。
一方、MD方式プロジェクションテレビの表示デバイスは、最近では、例えば0.7インチサイズなどが使われるなど小型化が著しく、しかも、例えば40インチ以上の大画面へ投射するために投射倍率がますます増大している。
そのため、表示デバイスの投射レンズの瞳径が小さくなり、いわゆるシンチレーションがますます目立ちやすくなってきている。シンチレーションとは、観察者の視点により投射画像に含まれない微小スポット状の高輝度光が観察され、ちらついたり、ざらつき状のぎらぎらした画像が見えたりする現象である。一方、画面サイズは最近どんどん大画面化してきており、MD方式プロジェクションテレビでは50〜60インチが主力となってきている。
そこで、投射したときの画面ひずみをなくすために、スクリーン観察面は平面性が要求されるが、このMD方式プロジェクションスクリーンは、異なった材料が積層されてシート状に作られるために、環境変化での影響を受けて反りや変形がしやすい問題があった。このため厳しい環境化では、プラスチックが伸び縮みするために従来構成での平面性維持が困難であったため、複雑な工程を経て対応していた。
ところで、このMD方式プロジェクションテレビなどの投射型ディスプレイに用いられる透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて略平行光として出射するフレネルレンズシートと、適度の視野角を持たせるためにフレネルレンズシートからの出射光を、例えば水平、垂直方向に配置されたシリンドリカルやマイクロレンズ群などにより拡散させるレンズシート(シリンドリカルレンズ群が一方向に並列されてなる構成に限らず、シリンドリカルレンズ群が複数方向に並列されてなる構成や、単位レンズが2次元配列されてなる構成など、各種タイプの光拡散レンズアレイシートを含む)とを備えている。
図3は従来の透過型スクリーンの概略構造を示す断面図である。図示のように、透過型スクリーンは、フレネルレンズシート10、保持基材20、光拡散レンズアレイシート30等を有しているが、詳細は実施の形態において後述する。
そして、このようなフレネルレンズシート10および光拡散レンズアレイシート30の中に、輝度ムラやシンチレーションなどを低減するために透過光を拡散させる拡散層が設けられている。
この透過型スクリーンの課題であるシンチレーション低減化のための方法として、例えば、光の集光または拡散等の光学的機能を有するレンズシートまたは光学シートを備えた透過型スクリーンにおいて、光の透過方向に分離した少なくとも2つの拡散部を有し、光源側に近い拡散部は第1基材中に第1拡散性微粒子が添加され、観察側に近い拡散部は第2基材中に第2拡散性微粒子が添加され、第1の拡散性微粒子と第1基材との屈折率差が、第2拡散性微粒子と第2基材との屈折率差よりも小さく構成されたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3465906号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載される従来の透過型スクリーンでは、拡散層を複数設け、それらを光の透過方向に沿って複数箇所に配置するのでトレードオフの関係にある映像の解像度や明るさの劣化とシンチレーションなどの改善との間のバランスが取りやすくなるものの、拡散層の拡散性微粒子と基材との屈折率差の大小関係の設定が不適切なため、シンチレーションが十分改善されない恐れがあるという問題がある。
すなわち、この技術では、光源側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差を、観察側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差よりも小さくし、光源側から観察側に向かう方向に屈折率差および拡散度合いが増大する構成としている。
この構成では同一拡散度の場合、観察側の基材と拡散材の屈折率差が大きい場合は屈折率差が小さい場合に較べて観察側に近い拡散層の拡散粒子が少なくなるためシンチレーション低下の効果が少なくなる。これはシンチレーションがぎらつきによる輝度差といわれ、拡散粒子を通らない光線と拡散粒子を通る光線との輝度差が生じるからである。
また、従来の透過型スクリーンおよびそれらを用いた投射型MD用リアプロジェクションスクリーンは、LCDやDLPなどの高精細マイクロデバイス(MD)を用いたMDリアプロジェクションテレビの画素に対応するためファインピッチレンズとファインピッチブラックストライプ(BS)を形成した光拡散レンズアレイシートを得るために、PET基材フイルム上に紫外線硬化型樹脂でレンズアレイが形成される。その反対面には、粘着性感光性樹脂をコーティング後、平行光露光し非露光部の粘着層に墨転写しファインピッチブラックストライプ(BS)を形成し、粘着材や接着材で基板となるMS樹脂などよりなる拡散板と積層し形成するプロセスが使われる。
そのため熱や湿度による線膨張係数がそれぞれことなるPET基材とMS(MMAとスチレンの共重合樹脂やアクリル樹脂(PMMA)が積層されるため高温多湿下(60°C、95%)でMS樹脂の伸びが大きくPETが少ないため、バイメタル現象のようにお互い作用して大きく変形や反りが生じやすい。そして、変形が生じると外観が著しく低下するだけでなく、画像のひずみ(ピンクッション)も生じるため光源の高精細な画質がそこなわれるだけでなく、ディスプレイとして適さないものとなる。
そこで、これを防ぐ方法として光拡散レンズアレイシート及びフレネルレンズシートにそれぞれ反りを付け方法が可能である。
図7はこの場合の例を示している。図7(a)に示すように、フレネルレンズシート50、光拡散レンズアレイシート60のそれぞれをお互いが向き合い打ち消し合うように予め反りをつけ周辺を固定し、図7(b)に示したように平面になるようにセットする。例えば、リアプロジェクションTVにスクリーンをセットする時に、図示のように反りを付けたフレネルレンズと光拡散レンズアレイシートとを平面状態にして合わせ、周辺をテープで止めて、セットし固定する。
この時、最も厳しい環境下での高温多湿でも伸びによる変形が少ないように、スクリーンの剛性を高め変形しないようにする。そのためにフレネルレンズ及び光拡散レンズアレイシートのそれぞれの基板の板厚みをスクリーンを保持できる厚み以上厚くし、適性な温度条件でそれぞれのシートに反りを付ける。
しかし、この反り付けプロセスはPETとMSを積層後、最終工程で行われる。そのためスクリーン製造工程で複雑な工程数が多くなりコストアップにつながるという問題があった。
そこで本発明は、上述のような問題点に鑑み、解像度や明るさを良好に保ちつつ、シンチレーションを低減し、さらにディスプレイに使用する場合に重要な高温多湿や低温度などの厳しい環境化でもスクリーンの画質を損なうことないように平面性を維持できる透過型スクリーンを提供することを目的としている。
上述の目的を達成するため、本発明は、光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ透明の保持基板とを有し、前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせて固定したことを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルレンズシート及び前記光拡散レンズアレイシートに、光拡散材を光拡散基材中に分散させた拡散層をそれぞれ設け、前記保持基板に拡散度(Haze)が30%以下よりなる微拡散層を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有し、前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層の拡散度合いが、前記光拡散レンズアレイシートの他の拡散層及び前記フレネルレンズシートの第3拡散層のいずれの拡散度合いよりも大きく、かつ、前記光拡散レンズアレイシートの各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、前記フレネルレンズシートの第3拡散層の光拡散材と光拡散基材との屈折率差に比べて小さい構成とし、前記保持基板によって前記第1拡散層と前記第3拡散層とを離間することを特徴とする。
また本発明は、前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有し、前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層の拡散度合いが、前記光拡散レンズアレイシートの他の拡散層及び前記フレネルレンズシートの第3拡散層のいずれの拡散度合いよりも大きく、かつ、前記光拡散レンズアレイシートの各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、前記フレネルレンズシートの第3拡散層の光拡散材と光拡散基材との屈折率差に比べて小さい構成とし、Haze30%以下の微拡散基板からなる前記保持基板によって前記第1拡散層と前記第3拡散層とを離間することを特徴とする。
また本発明は、前記第1拡散層と第3拡散層の距離が前記保持基板を挟んで離間している構造を有することを特徴とする。また本発明は、前記第2拡散層の観察側の面に反射防止機能を組み合わせたことを特徴とする。また本発明は、前記第2拡散層の近傍位置に観察側の面に反射防止機能を組み合わせた反射防止層またはハードコート層を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルレンズシートの光源が入射する入射面に水平方向に連続したレンチキュラーレンズを有することを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルレンズシートの光源が入射する入射面に反射防止層を有することを特徴とする。また本発明は、前記フレネルレンズシートと保持基板と光拡散レンズアレイシートの周辺部が弾性機能を有する粘着テープまたは接着テープによって固定された構造よりなることを特徴とする。
また本発明は、前記フレネルレンズシートと保持基板と光拡散レンズアレイシートの順で組み合わされ、その周辺部の端面が弾力性のある粘着材または接着材によって固定された構造よりなることを特徴とする。
本発明の透過型スクリーンによれば、光拡散レンズアレイシートの遮光層に接した第1拡散層の拡散度合いを、最も観察側にある第2拡散層およびフレネルレンズシートの第3拡散層の拡散度合いより大きくするともに、光拡散レンズアレイシートの拡散層の光拡散材と光拡散基板との屈折率差を、フレネルレンズシートの拡散層の光拡散材と光拡散基板との屈折率差より小さくするので、明るさを良好に保ちつつ、シンチレーションを低減し高温多湿や低温の環境下でも反りや変形を防ぎ良好な平面性を維持し良好な画質を維持することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態では、投射光を略平行光にするフレネルレンズシートとシリンドリカルレンズの集光成分以外を遮光するBS層が設けられたレンチキュラーレンズシートとからなる透過型スクリーンにおいて、フレネルレンズシートに第3拡散層が、レンチキュラーレンズシートに、第1拡散層、第2拡散層を設け、第1拡散層の拡散度合いが、レンチキュラーレンズシートの他の拡散層および第3拡散層よりも大きく、かつレンチキュラーレンズシートの各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、フレネルレンズシートの第3拡散層の屈折率差に比べて小さい構成としてシンチレーション低減の効果を計った。
詳しくは、まずシンチレーション低減については、フレネルレンズ及び光拡散レンズアレイシートの拡散層の構成において、以下の方法を維持し対応する。
すなわち、光源側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差を、観察側に近い拡散層における拡散性微粒子と基材との屈折率差よりも大きくし、光源側から観察側に向かう方向に屈折率差および拡散度合いが増大する構成としている。そのため光が入射側より観察側で大きく拡散されるため、つまり外光を遮光し画像のコントラストを向上させる役目をするブラックストライプ(BS)を通過した後、大きく拡散されるのでシンチレーションと解像度や輝度の低下を招くトレードオフの関係でも複数の拡散層を光の透過方向に離間することで得られるシンチレーションの低減作用の効率を生かすことができ、目的とする大幅なシンチレーション低減効果が計れる。
特に本実施の形態では、この離間はフレネルレンズと光拡散レンズアレイシートの中間に保持基板を用いるためにフレネルレンズの拡散層と光拡散レンズアレイシートのそれぞれの拡散層を大きく離間することができシンチレオション低減効果が大きいものとなる。
また、本スクリーン構成においても、高温多湿や低温などの厳しい環境下でも画面歪をなくすために、大画面サイズの平面性を維持しなければならない。そこで、本実施の形態では、2枚のレンズシートの間に平面性を保持する透明な保持基板を介在させて固定し、耐環境下での変形を防ぐなどの対策を行う。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る透過型スクリーンの第1の例を示す断面図であり、図2は本発明の実施の形態に係る透過型スクリーンの第2の例を示す断面図である。
図1に示す例では、光拡散レンズアレイシート30とフレネルレンズシート10に中間部に位置するスクリーン基板20にアクリルスチレン共重合樹脂(MS)やポリカーボネート(PC)樹脂などの透明樹脂基板やガラス基板を使用したものであり、図2に示す例は、図1におけるスクリーン基板20に拡散度が低いMS樹脂やポリカーボネート樹脂などの微拡散基板を使用した例である。
なお、本実施の形態の説明において、基本的に同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
まず、図1に示す透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部12を有するフレネルレンズシート10と、上記フレネルレンズ10と光拡散レンズアレイシート30とを有し、その中間部にスクリーン保持基板20を配置したものである。光拡散レンズアレイシート30は、フレネルレンズシート30からの出射光をスクリーンの左右方向および上下方向に拡散させるレンズ部32を有する光学部材を備えている。
これらフレネルレンズシート10、スクリーン保持基板20、光拡散レンズアレイシート30は、透過型スクリーンの光源から順次配置されているとともに、互いに略平行に配置されている。以下では、図中の左右方向のうち、フレネルレンズシート10側方向を光源側方向、スクリーン保持基板20を中間側、レンチキュラーレンズシート30側方向を観察側方向とそれぞれ称することにする。すなわち、本実施の形態では、投射光は光源側から観察側に向けて透過する。
フレネルレンズシート10は、図1に示すように、投射光の入射側から、第3拡散層11(フレネルレンズシートの拡散層)、基板部11b、フレネルレンズ部12が順次配置され、第3拡散層11とフレネルレンズ部12とが、基板部11bの表裏で積層されているものである。そして、フレネルレンズ部12はレンチキュラーレンズ32と対向して配置されている。
第3拡散層11は、入射する投射光を透過しつつ光拡散させるためのもので、例えば光拡散性を有する層状、板状またはシート状に形成された光拡散層または光拡散部材を採用することができる。一般的にはシートの共押出成形や拡散コーティングで形成され、基板部11b上に第3拡散層11が積層される。
本実施の形態では、図1に示すように、例えば、第3拡散層11(光拡散層)の内部には基材11cに対して屈折率が異なるフィラー11d(光拡散材)が分散された層を形成し基板部11bに積層している。
第3拡散層11の拡散度合いは、ヘイズ値で、50%〜70%の値に設定する。拡散度合いは、拡散層の処方を設定することによって、上記の範囲から適宜設定することができる。
また、第3拡散層11の基材11cとフィラー11dとのぞれぞれの材質を適宜選択することにより、屈折率差ΔnF=|n11c-n11d|を、例えば、0.03〜0.10の範囲とすることが好適である。ここで、n11c、n11dは、それぞれ基材11c、フィラー11dの屈折率である。
基材11cの材質としては、適宜の透明樹脂を採用することができるが、例えば、メチルメタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)を好適に採用することができる。例えば、メチルメタクリレート(MMA)を60%含むMS樹脂で、n11c=1.53のもを採用することができる。
フィラー11dの材質としては、基材11cと屈折率が異なる適宜のフィラーを採用することができる。例えば、平均粒径10μm、n11d=1.50の有機フィラーを好適に採用することができる。この場合、ΔnF=0.03である。また、基材11cとしてポリカーボネート樹脂で、n11c=1.58のものを採用し、フィラー11dとして、n11d=1.48の有機フィラーを採用すると、ΔnF=0.10である。
なお、光拡散には、拡散層の内部の光拡散材による起こる内部拡散と、拡散層の入出射面の凹凸により発生する外部拡散とがある。入出射面の凹凸は、例えばマット加工などにより意図的に形成する凹凸と、基材から光拡散材が露出して形成される凹凸とがある。
シンチレーションを低減するには、内部拡散、外部拡散のいずれも効果があるので、本実施形態の拡散層はいずれも、必要な拡散度合いを実現するために入出射面に適宜の凹凸を設けた構成としてもよい。
光拡散材の露出による凹凸レベルは、光拡散材として、有機フィラーのように球状となるものと、無機フィラーなどの不定形状となるものとを混合して用いることで制御することができる。例えば、上記のフィラー11dに代えて、有機系の樹脂ビーズと、タルクやガラスビーズなどの無機系フィラーとを適宜の配合比で混合したものを採用するとよい。
ただし、外部拡散は、入出射面での光量損失を招くので、光効率の点から、上記のように凹凸を制御して、外部拡散に比べて内部拡散の方が大きくなる設計とすることが好ましい。本実施形態では、上記のような混合系フィラーにより外部拡散を付加する場合、例えば、十点平均粗さRz=3〜6程度の凹凸レベルが好ましい。
またこの拡散層33の光源側の入射表面に垂直方向の視野角を付与するために水平方向に連続したピッチをもつレンチキュラーレンズ(Vレンズ)を設けても良い。
さらにはこの拡散層11の光源側の入射表面での反射を防ぐためにこの拡散層11の表面に反射防止層を設けても良い。
基板部11bは、フレネルレンズ部12を支持するための光透過性の基板である。そして、第3拡散層11が形成された面の裏面側に、フレネルレンズ部12が形成されている。
基板部11bの材質としては、透明な板部材であればどのような材質でもよいが、例えば、MS樹脂などを好適に採用することができるが、ガラスなどの基板も採用することができる。
フレネルレンズ部12は、光軸を含む断面が光軸に対称な略鋸歯状の形状に形成され、光軸方向から見ると、光軸P1を中心とする同心円状に配置され、輪帯を形成しているものである。
鋸歯状のレンズ面は、設計条件に応じて、例えば凸レンズの一部を形成する球面や非球面などレンズ面と、光軸P1に沿う略円筒面とからなり、焦点位置に配置されたプロジェクタから出射された投射光を略平行光にできるようになっている。
フレネルレンズシート10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、フレネルレンズ部12の形状を成形するための金型に、例えば紫外線硬化樹脂を供給する。そして、一方の面に第3拡散層11を形成した基板部11bをその他方の面が紫外線硬化樹脂に密着するように配置し、必要に応じて、例えばローラなどにより基板部11bを押圧して、余分な紫外線硬化樹脂を排出する。その状態で基板部11bを通してUV照明光源から紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させる。そして、紫外線硬化樹脂が硬化した後、金型から脱型する。このようにして、金型の形状が転写されたフレネルレンズ部12が、基板部11b上に形成される。
このときこのフレネル基板部11bは、スクリーンとしては中間部に位置する保持基板20に保持されるため、柔軟性があり基板厚みが薄い方が中間基板20に固定しやすいので好ましい。この時厚みが1mm以下のポリカーボネートシート(PC)やポリエステル(PET)が主に使用される。
次にフレネルレンズシート10と光拡散レンズアレイシート30の中間部に位置するスクリーン基板20について説明する。図1、図2に示すように、中間部に位置するスクリーン基板は自立性のない柔軟なフレネルレンズシートや光拡散レンズアレイシートを図4、図5に示したように、粘着材や接着材を用いた弾性テープ、または直接、接着材や粘着材を使用し、このスクリーンを基板に固定する。
そのためこのスクリーン基板は上記シートが固定されてもスクリーン状態を維持するために十分な剛性が必要とされる。そのため基板の厚みも厚くして樹脂基板では1mm以上のMSやアクリル、アクリル系ポリマー、ポリカーボネートなどの強固な樹脂基板が使われる。また、樹脂基板以外にガラスなどのより剛性の高い基板がさらに好ましい。
なお、シートをスクリーン基板に固定する方法としては、図4に示したように弾力性のあるテープ基材の両面に粘着加工を施した粘着テープをスクリーン基板周辺に貼り、それぞれスクリーン基板両面に柔軟なフレネルレンズシートや光拡散レンズアレイシートをテンションを張った状態で貼り付け固定する方法と、図5に示したようにスクリーン基板を挟んでフレネルレンズシートや光拡散レンズアレイシートをそれぞれ弾力性のあるテープ基材の片面に粘着加工を施した粘着テープで貼り付け固定する方法が取られる。このとき上記テープで貼り付け固定するとき、フレネルレンズシートや光拡散レンズアレイシートをテンションを張った状態で貼り付けることが好ましい。
光拡散レンズアレイシート30のレンズ部32は、略半円柱状をなす複数のシリンドリカルのレンチキュラーレンズやレンチキュラーレンズがお互いに直交したクロスレンチや半円形状のマイクロレンズなどが使われる。以下レンチキュラーレンズの場合について述べる。このレンズ部32が互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂直方向)に延されたもので、光拡散レンズアレイシート30の入射面を構成している。
このような構成により、フレネルレンズシート10から出射される投射光が中間部の保持板20を透過しスクリーンの左右方向(水平方向、図示の上下方向)に集光後、左右方向に拡散しながら第1拡散層31に向けて出射できるようになっている。
BS層34は、表面に複数のシリンドリカルレンズ32が設けられたレンズ基板32bの裏面側において、各シリンドリカルレンズ32による非集光部を、シリンドリカルレンズ32の母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライプ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層34の間には、ハードコートしたフイルム層33bを接合するための接着を拡散層を兼ねた光拡散粘着層31が設けられている。このときこの光拡散粘着層31は、このBS層34とハードコートしたフイルム層33bを接合する役割をするだけでなく、レンチキュラーレンズから出射される投射光をスクリーンの左右上下方向に拡散しながら観察側に出射する拡散層の役割も有する。
この粘着拡散層31を本発明では、前述したようにスクリーンの主たる拡散層としての機能をもつため、第1拡散層31と名称する。
本実施の形態では、第1拡散層は、例えば、透明なアクリル系などの粘着樹脂31cの内部に屈折率が異なるフィラー31d(光拡散材)が分散された樹脂が含有される。これに対し観察面に最も近いハードコートとアンレグレア(AG)の機能をもつ第2拡散層35は樹脂中のフィラーの濃度を低くするか、拡散粒子の含有量を少なくするか、ハードコート樹脂とフイラーの屈折率差を小さくするなどし、拡散度を低く抑えむしろそのフイラーガが含まれることによる凹凸効果より外部からの外光の表面反射を散乱成分を保有し見かけの反射を防ぐアンチグレア(AG)効果を保持する機能が主となる。
したがって、この第2拡散層としての拡散機能は微量なものである。
上記したようにこの第1拡散層31は光拡散レンズアレイ32のBS面上に形成され、レンズアレイ31から入射した投射光を水平、垂直方向に適正な視野角の範囲に拡散させるために設けられている。
シンチレーションを低減するには、フレネルレンズ10に設けられた第3拡散層11と第1拡散層31との層間距離を1mm以上とすることが好ましい。
本発明ではこの層間距離は中間部の保持板20の厚みで調整かのうである。
本実施の形態では第1拡散層31は、図1に示すように、例えば、ハードコート基材33bに屈折率が異なるフィラー31d(光拡散材)が分散された粘着性樹脂31cをコーティングしてBS面に貼りあわせしている。
第1拡散層31の拡散度合いは、ヘイズ値で、70%〜90%の値に設定する。拡散度合いの大きさは、第3拡散層11と同様にして上記範囲に設定することができる。例えば85%に設定する。
また、第1拡散層31の粘着樹脂31cとフィラー31dとのぞれぞれの材質を適宜選択することにより、屈折率差ΔnL1=|n31c-n31d|を、例えば、0.01〜0.04の範囲とすることが好適である。ここで、n31c、n31dは、それぞれ基材31c、フィラー31dの屈折率である。
粘着樹脂31c、フィラー31dの材質としては、適宜の透明樹脂を採用することができるが、本実施形態では、31c、フィラー31dの、ΔnL1=0.04である。
なお、第3拡散層11、第2拡散層35、第1拡散層31の好適な厚さは、それぞれ30μm〜300μm、3μm〜30μm、30μm〜300μmの範囲内で設定され、第3拡散層11と第1拡散層31との好適な距離は、0.7mm〜3.0mmの範囲内で設定される。好ましくは1.0〜3.0の範囲にあるのが好ましい。
上記したように第2拡散層の表面コート層35は、透過型スクリーン20の表面性を良好に仕上げるために必要に応じて設けられる種々のコート層である。例えば、鉛筆硬度3H以上程度の表面の耐擦傷性を付与するためのハードコート(HC)層に写り込み防止のためのアンチグレア(AG)層、埃付着防止のための帯電防止(AS)層など機能を有するコート層を、単層または複数層により形成したものである。観察側の表面にある第2拡散層35は主にハードコート層にフィラーを充填することより形成される微細な凹凸を生かすためのAG層を形成するためのものである。
次に、本実施形態のリアプロジェクションテレビ10の作用について、透過型スクリーンの作用を中心に説明する。
プロジェクタから出射された投射光は、投射レンズから反射鏡により偏向され、透過型スクリーンに対して投射される。そして、フレネルレンズシート10の第3拡散層11に入射し、フィラー11cが分散された第3拡散層11内で、屈折、反射作用を受けて光拡散され、基板部11b内を透過する。
基板部11bを透過した投射光は、第3拡散層11の拡散度合いに応じて拡散し、基板部11bの板厚分だけ拡散が進行した状態で、フレネルレンズ部12に入射する。そして、フレネルレンズ部12の屈折作用を受けて略平行光とされ、中間部の保持基板20に向けて略平行方向に出射される。
次にフレネルレンズ部10からの投射光は、スクリーン保持基板20に入射され、光拡散レンズアレイレンズシート30の方へ出射される。この保持基板20は、スクリーンが自立するための剛性を維持できる厚みにし、両側の自立性がなく柔軟なシート形状を持つフレネルレンズ10及び光拡散レンズアレイシート30の周辺部を弾性のあるテープ40で固定し保持する。このスクリーン保持基板20にはMSやアクリル共重合体やPCなどの樹脂シート又はガラスなどが使われる。
保持基板20とフレネルレンズ10および光拡散レンズアレイシート30の周辺部を固定するテープ40は両側のフレネルレンズおよび光拡散レンズアレイシート及び保持基板との固定による熱や環境による伸び縮みを吸収するため弾力性のあるテープ素材を使用する。
図4、図5は本実施の形態のセット法を示す説明図である。
図4に示す本実施の形態のセット法では、基材が両面粘着性を付与させたポリウレタンなどのエラストマーやゴムなどの弾性基材40aのテープを使用し、保持基板20とフレネルレンズ10および光拡散レンズアレイシート30の周辺部を粘着面40bで接着するように固定する。このとき温度変化でシート及び保持基板が伸び縮みしてもこのテープの弾性部分40aで吸収し緩和できる。
また、図5に示す実施の形態のセット法では、基材が片面粘着性を付与させたポリウレタンなどのエラストマーやゴムなどの弾性基材のテープ41aを使用し、保持基板20とフレネルレンズ10および光拡散レンズアレイシート30の外周辺部を固定する。このとき固定テープ41の粘着面40bをそれぞれフレネルレンズ10及び光拡散レンズシート30の周辺外面に粘着させ中間部の保持基板20を介して固定する。
このとき保持基板20には上記弾性のある固定テープ41の粘着面がないような構造にして弾性温度変化でシート及び保持基板が伸び縮みしてもこのテープの弾性部分41aで吸収し緩和しやすいようにしておく。またこの上記デープでの固定ではテンションをはり弾性テープがテンションを張った状態でレンチ及びフレネル両シートを引っ張り常に平面性を維持しておくようにする。
本実施の形態では、このようなセット固定方法をすることにより、高温多湿や低温などの環境下で伸び縮みしても変形する力を吸収し良好な平面性を維持することができる。
次に上記保持基板20から光拡散レンズアレイシート30(ここではレンズ部32にレンチキュラーレンズ使用)に入射した投射光は、レンズ部32によりスクリーンの左右方向(水平方向)に集光されて、ストライプ状とされる。そして、BS層34により不要な非集光成分が遮光され、集光成分が光透過部を透過する。投射光は、シリンドリカルレンズ32の焦点位置に応じて、光透過部内、または第1の拡散層である拡散粘着層31と光透過部の境界面近傍で、線状に結像された後、スクリーンの左右方向への発散光となる。
投射光が、この第1拡散層31に入射すると、スクリーンの左右方向にさらに拡散されるとともに、上下方向(垂直方向)にも拡散され、第2拡散層35の厚さ内で、第1拡散層31の拡散度合いに応じて徐々に拡散が進行し、第2拡散層35のある観察側に到達する。
拡散光が第1拡散層31に到達すると、第1拡散層31の拡散度合いに応じて、相対的に最も拡散され、ハードコート基材層33b、表面コート層35を透過して、レンチキュラーレンズシート30の外部に出射される。
このため、透過型スクリーンから観察側に、スクリーンの法線方向に対して、上下方向および左右方向にそれぞれ所定角度範囲に拡散する投射光が出射され、透過型スクリーンの前面で、所定の視野角の範囲内で投射光を鑑賞することが可能となる。
本実施形態では、透過型スクリーンに複数の拡散層を設け、それぞれに拡散度合いを分配することにより、解像度、コントラストや明るさを良好に保ちつつシンチレーションを低減することが可能となっている。
まず、フレネルレンズシート10側に設けられた第3拡散層11は、拡散度合いが大きすぎると、投射光の像のボケが生じて解像度に影響するとともに、拡散によりBS層34で遮光される非集光成分が増えて光効率が悪化し、コントラストや明るさが低下する。
そこで、そのような解像度、コントラストや明るさの低下を防止するため、第3拡散層11の拡散度合いは、第1拡散層31の拡散度(Haze)よりも小さくしている。これは、フレネルレンズシート10側の拡散層11による拡散度合いをレンチキュラーレンズシート30側の拡散層31による拡散度合いよりも確実に小さくすることができる設定になっている。
一般に光拡散材と光拡散基材との屈折率差が大きいほど、それぞれの界面での屈折作用または反射作用が大きくなり、拡散角が広がる。そのため、同じ拡散度合いであれば、屈折率差が大きいほど、光拡散材の分散濃度は低く、光拡散材間の間隔が広くなるものである。
本実施形態では、拡散(Haze)が第3拡散層<第1拡散層であることと相俟って、拡散度合い同等の場合以上に、そのような屈折率差による光拡散材間の間隔差が現われる結果、第3拡散層11はフィラー11cの分散濃度が低い相対的な疎状態であり、第1拡散層31はフィラー31dの分散濃度が高い相対的な密状態になっている。
次に、このような構成のシンチレーション低減作用について説明する。
シンチレーションは、もともとの画像にない微小スポット状の高輝度光が観察され画像にちらつき、ぎらつきがあると感じられる現象である。
本実施形態では、上記のように、観察側にある光拡散レンズアレイシート30の拡散層である第1拡散層31の拡散度合いを他の拡散層の拡散度合いよりも大きく設定するとともに、第1拡散層31をフィラー31dの分散濃度が高い相対的な密状態としている。そのため、特定方向に向かう微小スポット状の高輝度光が、第1拡散層31に到達するまでの間に発生しても、第1拡散層31で均等分布タイプの強い拡散が行われるので、観察側の特定方向に高輝度光が出射されにくくなり、第3拡散層33で投射光がある程度拡散されていることと相俟って、シンチレーションが低減される。
次に、本発明の実施の形態を説明するために、図3に示した従来の透過型スクリーンと本実施の形態との相違点について説明する。
図3に示す透過型スクリーンは、フレネルレンズ50と光拡散レンズアレイシート60のレンズ部にレンチキュラーレンズシートを備えたものである。
レンチキュラーレンズシート60は、レンチキュラーレンズ部67と本透過型スクリーンの主の拡散機能をもつ観察面に近い第1拡散層61と、光拡散レンズアレイシートを保持するためのBS層に近い位置にある微拡散の第2拡散層62、透明レンズ基材67bを備えるものである。
第1拡散層61は、図3に示すように、第2拡散層62に比べて薄層で光拡散性を有する層状またはシート状の光拡散部材である。そして、透明な樹脂、例えばMS樹脂などからなる基材61c中に、フィラー61dを分散し、他の拡散層と同様の範囲に設定された拡散度合い、屈折率差Δn61=|n61c-n61d|を備えるようにしたものである。ここで、n61c、n61dは、それぞれ基材61c、フィラー61dの屈折率である。
第1拡散層61の厚さは、例えば、基材61cがMS樹脂の場合、50μm〜300μm程度が好適であり、例えば光拡散レンズアレイシートを保持するためのBS層に近い位置にある微拡散の第2拡散層62と一緒に共押出しによる積層、または第2拡散層にコーティングすることなどにより形成することができる。
第2拡散層62は、第1拡散層より低い拡散度(Haze)で構成され、第2拡散層62とフレネルレンズの第3拡散層51とを離間して配置するとともに、レンチキュラーレンズシート60に必要な剛性を確保するための支持基板であり、光透過性の樹脂基板からなる。樹脂の材質は、例えば、MS樹脂などを採用することができる。
例えば、MS樹脂の場合、この基板62の厚さは、0.5mm〜3mmが好適である。
そして、一方の面に第2拡散層62を共押出しまたはコーティングし、他方の面に第1拡散層61を共押出しまたはコーティングする。
先行例では、シンチレーションの低減は、この第1拡散層61及び第2拡散層62、第3拡散層51の拡散度と屈折率差の範囲を本発明と同様の範囲にしているが、フレネルレンズ部52からの光がレンチキュラーレンズ部67に直接入りレンズ間の離間距離が取れない。そのためシンチレーションの低減は、上記第1拡散層61及び第2拡散層62、第3拡散層51の拡散度と屈折率差の適性な範囲を設定により、また第1拡散層と第3拡散層の距離により改善している。
これに対して本実施の形態では、先行例に比較して図1のようにフレネルレンズ10と光拡散レンズアレイシート30の間の中間部にあるレンズ間の離間をある厚みを持った保持基板20で離間するために、フレネルレンズ部からの光が拡散し、そのため画像がややボケ気味になるために、結果的にシンチレーションがさらに低減する効果がある。
このように中間部に保持基板20を持つのはこの効果以外に本発明の目的である環境下でも優れた平面性をもつためである。
先行例では、この光拡散レンズアレイシートにレンズ基材層66に主にポリエチレンテレフタレート(PET)が使われ、第1及ぶ第2拡散層61,62に主にMS樹脂などのアクリル系樹脂が使用される。そのためにバイメタル現象で高温多湿や低温などの環境下で積層された上記材料66と61及び62がことなるため伸び縮みがことなり反りや変形が起きる。
このため従来は図7(a)に示したようにフレネルレンズシート50、光拡散レンズアレイシート60のそれぞれをお互いが向き合い打ち消し合うように予め反りをつけ周辺を固定し、図7(b)に示したように平面になるようにセットするが、工程が煩雑化する。
これに対し、本実施の形態では、図6に示すように、予め剛性のある平面性を維持した保持基板20に両側に柔軟性のある光拡散レンズアレイシート30とフレネルレンズ10を固定テープを介してセットするために、複雑な反り工程が必要なく、高温や低温などの環境下でも平面性を維持できるため安価にスクリーンを提供できる。
次に、本発明の実施形態の透過型スクリーンの実施例と、本発明と異なる比較例との光学特性、環境評価結果について説明する。
以下の実施例1、3は断面構成が図1と同様で、実施例2、4は断面構成が図2と同様、比較例1は断面構成が図3と同様である。それぞれ保持基材20、21の拡散度、レンズ間距離、図4、図5に示したセット方法を図8(表1)のように変えたものである。
評価した光学特性項目は、シンチレーション、および解像度である。
環境評価ではその平面性を高温多湿(60°C、90%RH)、低温(−10度)にての平面性を評価した。それぞれの値は官能評価したものであり、◎、○、△、×が、それぞれ、優良、良好、やや劣る、実用性なしを表す。図示のように、本実施例の適用により、それぞれの特性が改善することが分かる。
なお、上記の説明では、第1拡散層49、第3拡散層33、第2拡散層52は、共押出しによる積層、またはコーティングにより形成する例で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光拡散基材に光拡散材を分散してフィルムシートを形成し、配置する基板部の表面に、光透過性の接着剤、粘着剤などを介して接着してもよい。
また、例えば、光拡散基材の樹脂に光拡散材を分散して剥離シート上に設けた転写シートから基板部に転写するといった形成方法も採用することができる。
さらには、光拡散材を分散させた光透過性の接着材、粘着材を採用することも可能である。
また、上記の説明では、拡散層が合計3層の場合で説明したが、3層以上備えていてもよい。
本発明の実施の形態の第1の例に係る透過型スクリーンの概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第2の例に係る透過型スクリーンの概略構成を示す断面図である。 本発明の比較例に係る透過型スクリーンの概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る透過型スクリーンのセット方法の第1の例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る透過型スクリーンのセット方法の第2の例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る平面性維持方法を説明する断面図である。 従来技術に係る平面性維持方法を説明する断面図である。 本発明の実施例と比較例との光学特性、環境試験評価結果を示す表である。
符号の説明
10……フレネルレンズシート、11……第3拡散層(フレネルレンズシートの拡散層)、11b……フレネルレンズシート基材、11c……第3拡散層の樹脂、11d……第3拡散層のフイラー、12……フレネルレンズ部、20……スクリーン中間部の保持基材、21……スクリーン中間部の透明保持基材、22……スクリーン中間部の微拡散保持基材、30……光拡散レンズアレイシート、31……第1拡散層(光拡散レンズアレイシートの拡散層で拡散粘着を持つ)、31c……第1拡散層の樹脂、31d……第1拡散層のフイラー、32……レンズアレイシート(レンチキュラーレンズ)、32b……レンズ基材、33……粘着性感材、34……遮光層(BS層)、34b……第2拡散層(ハードコートAG層)の基材層、35……第2拡散層(ハードコートAG層)、40……固定用テープ。

Claims (11)

  1. 光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、
    前記フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させる複数のレンズが配列され、前記複数のレンズの近傍に遮光層が設けられた光拡散レンズアレイシートと、
    前記フレネルレンズシートと前記光拡散レンズアレイシートとの間に配置され、剛性が高く、かつスクリーンを保持できる厚みを持つ透明の保持基板とを有し、
    前記光源側からフレネルレンズシート、保持基板、光拡散レンズアレイシートの順で組み合わせて固定した、
    ことを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記フレネルレンズシート及び前記光拡散レンズアレイシートに、光拡散材を光拡散基材中に分散させた拡散層をそれぞれ設け、前記保持基板に拡散度(Haze)が30%以下よりなる微拡散層を設けたことを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3. 前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有し、前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層の拡散度合いが、前記光拡散レンズアレイシートの他の拡散層及び前記フレネルレンズシートの第3拡散層のいずれの拡散度合いよりも大きく、かつ、前記光拡散レンズアレイシートの各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、前記フレネルレンズシートの第3拡散層の光拡散材と光拡散基材との屈折率差に比べて小さい構成とし、前記保持基板によって前記第1拡散層と前記第3拡散層とを離間することを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  4. 前記光拡散レンズアレイシートの拡散層が、前記遮光層に最も近接して設けられた第1拡散層と最も観察側に位置する第2拡散層とを少なくとも含む複数の拡散層からなり、かつ、前記フレネルレンズシートの第3拡散層を有し、前記光拡散レンズアレイシートの第1拡散層の拡散度合いが、前記光拡散レンズアレイシートの他の拡散層及び前記フレネルレンズシートの第3拡散層のいずれの拡散度合いよりも大きく、かつ、前記光拡散レンズアレイシートの各拡散層における光拡散材と光拡散基材との屈折率差が、前記フレネルレンズシートの第3拡散層の光拡散材と光拡散基材との屈折率差に比べて小さい構成とし、Haze30%以下の微拡散基板からなる前記保持基板によって前記第1拡散層と前記第3拡散層とを離間することを特徴とする請求項2記載の透過型スクリーン。
  5. 前記第1拡散層と第3拡散層の距離が前記保持基板を挟んで離間している構造を有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の透過型スクリーン。
  6. 前記第2拡散層の観察側の面に反射防止機能を組み合わせたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の透過型スクリーン。
  7. 前記第2拡散層の近傍位置に観察側の面に反射防止機能を組み合わせた反射防止層またはハードコート層を設けたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の透過型スクリーン。
  8. 前記フレネルレンズシートの光源が入射する入射面に水平方向に連続したレンチキュラーレンズを有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の透過型スクリーン。
  9. 前記フレネルレンズシートの光源が入射する入射面に反射防止層を有することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の透過型スクリーン。
  10. 前記フレネルレンズシートと保持基板と光拡散レンズアレイシートの周辺部が弾性機能を有する粘着テープまたは接着テープによって固定された構造よりなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1記載の透過型スクリーン。
  11. 前記フレネルレンズシートと保持基板と光拡散レンズアレイシートの順で組み合わされ、その周辺部の端面が弾力性のある粘着材または接着材によって固定された構造よりなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の透過型スクリーン。
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