JP2008286987A - 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ - Google Patents

透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ Download PDF

Info

Publication number
JP2008286987A
JP2008286987A JP2007131532A JP2007131532A JP2008286987A JP 2008286987 A JP2008286987 A JP 2008286987A JP 2007131532 A JP2007131532 A JP 2007131532A JP 2007131532 A JP2007131532 A JP 2007131532A JP 2008286987 A JP2008286987 A JP 2008286987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
diffusion layer
diffusion
refractive index
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007131532A
Other languages
English (en)
Inventor
Reiko Yoshinari
玲子 吉成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2007131532A priority Critical patent/JP2008286987A/ja
Publication of JP2008286987A publication Critical patent/JP2008286987A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイにおいて、シンチレーションを低減するとともに、反りを抑制することができるようにする。
【解決手段】光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシート30と、フレネルレンズシート30により略平行光とされた投射光を発散させるためのレンズアレイおよび複数の拡散層を有するレンチキュラーレンズシート40とを備える透過型スクリーン20であって、レンチキュラーレンズシート40は、レンズ部43bがレンズ基材43cに形成されてなるレンチキュラーレンズフィルム43と、基材60に互いに対向して形成された第1拡散層49および第2拡散層48からなる拡散層部とが、光透過性基板61の一方および他方の面に、それぞれ積層一体化されてなる構成を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイに関する。
従来、透過型スクリーンを備えた投射型ディスプレイとして、リアプロジェクションテレビが知られている。近年では、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などの薄型の大型ディスプレイに対抗し、MD方式プロジェクションテレビが台頭してきている。MD方式プロジェクションテレビは、例えばLCDやLCOS(LCD on Silicon;反射型液晶パネルの一種)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などの表示デバイスを用いて変調された投射光を透過型スクリーンのリア側から投射するものである。
このMD方式プロジェクションテレビは、40インチ以上の大型化が容易であり、デジタル表示のため画質も良好で、ディスプレイ本体のコストも比較的安価に製造できるため、今後の家庭用の大型ディスプレイとして大変注目されている。
一方、MD方式プロジェクションテレビの表示デバイスは、最近では、例えば0.7インチサイズなどが使われるなど小型化が著しく、しかも、例えば40インチ以上の大画面に投射するために投射倍率がますます増大している。
そのため、表示デバイスの投射レンズの瞳径が小さくなり、いわゆるシンチレーションがますます目立ちやすくなってきている。シンチレーションとは、観察者の視点により投射画像に含まれない微小スポット状の高輝度光が観察され、ちらついたり、ざらつき状のぎらぎらした画像が見えたりする現象である。
このようなMD方式プロジェクションテレビなどの投射型ディスプレイに用いられる透過型スクリーンは、入射光の方向を整えて略平行光として出射するフレネルレンズシートと、適度の視野角を持たせるためにフレネルレンズシートからの出射光を、例えば水平、垂直方向に配置されたシリンドリカルレンズ群などにより拡散させるレンチキュラーレンズシート(シリンドリカルレンズ群が一方向に並列されてなる構成に限らず、シリンドリカルレンズ群が複数方向に並列されてなる構成や、単位レンズが2次元配列されてなる構成など、各種タイプの光拡散レンズアレイシートを含む)とを備えている。フレネルレンズシートは、映像投射装置からの映像光を観察者のいる方向に向ける作用を有し、画面全体を均一に明るくするために用いられる。また、レンチキュラーレンズシートは、観察者側の左右方向に映像投射装置からの映像光を屈折拡散させる作用を有し、スクリーンの水平方向の視野角、すなわち、観察領域を広げ、多くの人たちが観察できるようにするために用いられる。
また、スクリーンの垂直方向に映像光を拡散させ、観察者側の上下方向に映像投射装置からの映像光をある程度屈折および拡散させる作用と、スクリーン上に映像を結像させるために拡散層が用いられる。拡散層は、通常、レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズ層と反対側の平坦面に積層して用いられる。さらに、拡散層を設けることにより、スクリーンに投射される映像光の輝度ムラやシンチレーションを低減させる。
そして、フレネルレンズシートおよび前記レンチキュラーレンズシート中に、輝度ムラやシンチレーションなどを低減するために透過光を拡散させる拡散層が設けられている。
特許文献1には、レンチキュラーシートが、レンチキュラーレンズ層と、粘着剤層に拡散剤を分散させた第1拡散層と、拡散剤を分散させた第2拡散層とを備えたものが記載されている。
特許文献1の記載によれば、拡散層を2層備えた構成となっているので、透過光を十分に拡散することができ、シンチレーションを低減することができるとされている。
特開2006−201715号公報
しかしながら、上記のような従来の透過型スクリーンには、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術では、透過性基板に可撓性を有するフィルムを使用する場合、スクリーンの自立性が低下して平面性が損なわれることがある。また、透過性基板に自立性のある樹脂板を使用した場合、各層の厚さや、各層の材質の線膨張係数、湿気膨潤係数などの違いのため、温度または湿度が変動すると反りが発生する。これにより、解像度の低下や画像ボケなどが生じて、画質が劣化してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、シンチレーションを低減するとともに、反りを抑制することができる透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、該フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させるためのレンズアレイおよび光透過性の基材部に光拡散材を分散させた複数の拡散層を有する光拡散レンズアレイシートとを備える透過型スクリーンであって、前記光拡散レンズアレイシートは、前記レンズアレイが第1の基材に形成されてなるレンズアレイ層部と、第2の基材に互いに対向して形成された第1拡散層および第2拡散層からなる拡散層部とが、光透過性基板の一方および他方の面に、それぞれ積層一体化されてなる構成とする。
この発明によれば、入射した投射光がフレネルレンズシートを透過し、フレネルレンズシートにより略平行光にされる。そして、略平行光とされた投射光が光拡散レンズアレイシートを透過し、光拡散レンズアレイシートに設けられた複数のレンズにより集光された後、発散される。そして、投射光が光拡散レンズアレイシートから射出するまでの間に、光拡散レンズアレイシートに設けられた少なくとも第1拡散層および第2拡散層の中に分散された光拡散材により拡散され、視野角を持つ透過光として射出される。
このとき、光透過性基板を介してレンズアレイ層部から離間して配置された第1拡散層と、第1拡散層から第2の基材を介して離間して配置された第2拡散層とにより、入射した光を第2拡散層によって拡散させ、第2の基材内を進ませ、拡散範囲を拡大してから、さらに第1拡散層によって拡散させるという2段階の拡散を行うことができるので、シンチレーションを低減することが可能となる。
さらに、レンズアレイ層部、光透過性基板、拡散層部が、この順に積層一体化されているため、光透過性基板を第1および第2の基材で挟んでなる層構造が形成される。そのため、光拡散レンズアレイシートが、1枚の光透過性基板あるいは1枚の光透過性基板と1枚の基材を有する場合に比べて、自立性を持たせることが容易となる。また、第1および第2の基材と、光透過性基板との間に、温度や湿度の変動による伸縮特性に差がある場合でも、第1および第2の基材の伸縮特性のバランスをとることにより、光拡散レンズアレイシートの反りを抑制することができ、例えば、高温高湿の環境下においても良好な画像の表示が可能となる。
また、光拡散レンズアレイシートをこのような積層一体化した構成とすることで光拡散レンズアレイシートの自立性を容易に確保できるので、重ね合わせて使用するフレネルレンズシートを薄型にすることも可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第2拡散層が前記第1拡散層に比べてより光源側に配置され、前記第1拡散層の光拡散材の平均粒径をd1とし、前記第2拡散層の光拡散材の平均粒径をd2とすると、d2≧d1である構成とする。
この発明によれば、光源側から光拡散レンズアレイシートに入射した光は第2拡散層を透過した後、第1拡散層を透過する。このとき第2拡散層では、基材部に比較的大きな平均粒径d2の光拡散材を分散しているので、光拡散材の散乱性能が比較的大きくなっている。そのため、より散乱性能の小さい光拡散材を分散させた場合に比べて、拡散度合いの割に光拡散材の間を通り抜ける光成分が多くなり、光量損失が少ない拡散光を得ることができる。
第1拡散層では、基材部に比較的小さな平均粒径d1の光拡散材を分散しているので、光拡散材の散乱性能が小さくなっている。そのため、より散乱性能の大きい光拡散材を分散させた場合に比べて、拡散度合いの割に光拡散材の間を通り抜ける光成分が少なくなり、拡散性能が比較的均一化される。そのため、第1拡散層の透過光は第2拡散層の透過光に比べて、全体的に散乱を受けた光となり、光拡散材の間を通り抜けて高輝度に出射される光成分が抑制される。その結果、シンチレーションを低減することが可能となる。
この逆の場合では、第2拡散層の比較的小さな粒径の光拡散材においてある程度全体的に拡散された光でも、第1拡散層では、比較的大きな粒径の光拡散材の間を通り抜ける光と、光拡散材によって大きく散乱される光との輝度分布の差が発生しやすくなり、シンチレーションが発生しやすくなってしまう。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第2拡散層が前記第1拡散層に比べてより光源側に配置され、前記第1拡散層の基材部の屈折率をnb1とし、前記第1拡散層の光拡散材の屈折率をnf1とし、前記第2拡散層の基材部の屈折率をnb2とし、前記第2拡散層の光拡散材の屈折率をnf2とすると、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|である構成とする。
この発明によれば、光源側から光拡散レンズアレイシートに入射した光は第2拡散層を透過した後、第1拡散層を透過する。このとき、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|であるため、第1拡散層の散乱性能が、第2拡散層の散乱性能以下となる。
このため、第2拡散層では、より散乱性能が小さくなる屈折率関係とした場合に比べて、拡散度合いの割に光拡散材の間を通り抜ける光成分が多くなり、光量損失が少ない拡散光を得ることができる。そして、第1拡散層では、より散乱性能が大きくなる屈折率関係とした場合に比べて、拡散度合いの割に光拡散材の間を通り抜ける光成分が少なくなり、拡散性能が比較的均一化される。そのため、第1拡散層の透過光は全体的に散乱を受けた光となり、光拡散材の間を通り抜けて高輝度に出射される光成分が抑制される。その結果、シンチレーションを低減することが可能となる。
この逆の場合では、第2拡散層の比較的散乱性能が小さな光拡散材においてある程度全体的に拡散された光でも、第1拡散層では、比較的散乱性能が大きな光拡散材の間を通り抜ける光と、光拡散材によって大きく散乱される光との輝度分布の差が発生しやすくなり、シンチレーションが発生しやすくなってしまう。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記光透過性基板内に、光拡散材が分散されている構成とする。
この発明によれば、光拡散レンズアレイシートに入射した光は、まず、光透過性基板内に分散された光拡散材によりある程度拡散された後、拡散層部により拡散される。したがって、光を拡散させる層が増えるため、よりシンチレーションを低減することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光透過性基板が前記第1拡散層および前記第2拡散層に比べてより光源側に配置され、前記第1拡散層の光拡散材の平均粒径をd1とし、前記第2拡散層の光拡散材の平均粒径をd2とし、前記光透過性基板の光拡散材の平均粒径をd3とすると、d3≧d2≧d1である構成とする。
この発明によれば、光拡散レンズアレイシートに入射した光は光透過性基板に入射した後、第2拡散層および第1拡散層を透過する。このとき、第1拡散層、第2拡散層内の光拡散材の平均粒径をd1、d2より光透過性基板内の光拡散材の平均粒径d3の方が大きいため、光透過性基板では光量損失が少ない状態で、ある程度の拡散性を付与し、3段階に拡散させることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項4または5に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光透過性基板が前記第1拡散層および前記第2拡散層に比べてより光源側に配置され、前記第1拡散層の基材部の屈折率をnb1とし、前記第1拡散層の光拡散材の屈折率をnf1とし、前記第2拡散層の基材部の屈折率をnb2とし、前記第2拡散層の光拡散材の屈折率をnf2とし、前記光透過性基板の基材部の屈折率をnb3とし、前記光透過性基板の光拡散材の屈折率をnf3とすると、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|であることを特徴とする構成とする。
この発明によれば、光拡散レンズアレイシートに入射した光は光透過性基板を透過した後、第1拡散層および第2拡散層を透過する。このとき、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|であるため、基材の屈折率と光拡散材の屈折率との差が大きい光透過性基板から光が入射ため、光透過性基板では光量損失が少ない状態である程度の拡散性を付与、3段階に拡散させることができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、前記第1および第2の基材は、同材質からなる構成とする。
この発明によれば、第1および第2の基材が、同材質からなるため、温度や湿度の変動による伸縮特性が同じになるため、温度や湿度の変動による光拡散レンズアレイシートの反りを抑制することができる。
請求項8に記載の発明では、投射型ディスプレイにおいて、請求項1〜7のいずれかに記載の透過型スクリーンを備える構成とする。
この発明によれば、請求項1〜7のいずれかに記載の透過型スクリーンを備えるので、請求項1〜7のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を備える。
本発明の透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイによれば、レンズアレイ層部から光透過性基板を介して離間した位置に拡散層部を設け、拡散層部を構成する第2の基材で離間して配置された第1拡散層および第2拡散層によって2段階の拡散を行うので、シンチレーションを低減することができるとともに、レンズアレイ層部の第1の基材、および拡散層部の第2の基材によって光透過性基板を挟んで積層一体化した構成をとることで反り変形を抑制することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る投射型ディスプレイについて説明するための投射光学系の光軸を含む断面における模式説明図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る透過型スクリーンの概略構成について説明するための図1における紙面垂直方向に沿う断面説明図である。なお、これらの図面は模式図のため、形状や寸法は誇張されているものである(以下も同じ)。
本実施形態のリアプロジェクションテレビ10(投射型ディスプレイ)は、図1に示すように、筐体11と、前面側(図1の右側)を筐体11の外部へ露出させるとともに背面側(図1の左側)を筐体11の内部へ露出させた略長方形平板状をなす透過型スクリーン20と、筐体11内に配置され、透過型スクリーン20の背面に対して投射光を投射する光源としてのプロジェクタ12と、同じく筐体11内に配置され、プロジェクタ12から投射される投射光の光路を偏向させる、例えば2枚の反射鏡13、14とを備えている。
プロジェクタ12は、適宜のプロジェクタを採用することができるが、例えばLCDやLCOS(LCD on Silicon;反射型液晶パネルの一種)、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)などの表示デバイスを用い、画像信号に応じて変調された投射光を透過型スクリーンのリア側から投射するMD方式のプロジェクタを好適に採用することができる。
なお、以下では、方向を参照する便宜のため、リアプロジェクションテレビ10の通常の配置姿勢および鑑賞者の鑑賞姿勢に基づいて、図1の上下方向をスクリーンの上下方向(垂直方向)、図1の紙面垂直方向をスクリーンの左右方向(水平方向)と称する場合がある。
ここで、反射鏡13、14による偏向がない場合には、プロジェクタ12の配置位置は、図1における2点鎖線の位置と光学的に等価となっており、以下では、特に断らない限りこのような光学配置に基づいて説明する。
すなわち、後述するフレネルレンズシート30のレンズ光軸に一致する透過型スクリーン20の光軸P1は、透過型スクリーン20の中心P2より下方に平行移動された位置にあり、プロジェクタ12は、光軸P1上において透過型スクリーン20の入射面から背面側(図1の左側)に所定距離だけ離して配置されている。
透過型スクリーン20は、図2に示すように、入射光の方向を整えて出射光とするフレネルレンズ部31を有するフレネルレンズシート30と、このフレネルレンズシート30からの出射光をスクリーンの左右方向(図2の上下方向)および上下方向(図2の紙面垂直方向)に拡散させるレンズ部43bを有する光学部材であるレンチキュラーレンズシート40(光拡散レンズアレイシート)とを備えている。
これらフレネルレンズシート30、レンチキュラーレンズシート40は、透過型スクリーン20の背面側(図2の左側)から前面側(図2の右側)にかけて順次配置されているとともに、互いに略平行に配置されている。以下では、図示左右方向のうち、フレネルレンズシート30側方向を光源側方向、レンチキュラーレンズシート40側方向を観察側方向とそれぞれ称することにする。すなわち、本実施形態では、投射光は光源側から観察側に向けて透過する。
ここで、図2は模式図のため、フレネルレンズ部31とレンズ部43bとは互いに離間されているように描かれているが、あまり離間させると画像にボケが生じるので、なるべく近接させ、当接して互いに支持し合うことができる構成とすることが好ましい。
フレネルレンズシート30は、図2に示すように、投射光の入射側から基板部32、フレネルレンズ部31が順に配置され、フレネルレンズ部31が基板部32の接合面に接合されているものである。そして、フレネルレンズ部31はレンチキュラーレンズシート40と対向して配置されている。
基板部32は、フレネルレンズ部31を支持するための光透過性の平板であり、基板部32の材質としては、透明な板部材であればどのような材質でもよく、例えば、メチルメタクリレート−スチレン共重合(MS)樹脂などを好適に採用することができる。また、ガラスなどの基板も採用することができる。
フレネルレンズ部31は、光軸を含む断面が光軸に対称な略鋸歯状の形状に形成され、光軸方向から見ると、光軸P1(図2参照)を中心とする同心円状に配置され、輪帯を形成しているものである。
鋸歯状のレンズ面は、設計条件に応じて、例えば凸レンズの一部を形成する球面や非球面などレンズ面と、光軸P1に沿う略円筒面とからなり、焦点位置に配置されたプロジェクタ12から出射された投射光を略平行光にできるようになっている。
また、本実施の形態で用いられるフレネルレンズシート30は、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の基材を加熱し、熱溶融状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法で鋸刃状レンズ部を形成することができる。また、上記樹脂をエクストルーダによる溶融押出成形にて、溶融状態で押し出される基材表面にエンボスロール金型を用いて型押しする方法で鋸刃状レンズ部を設けることもできる。さらには、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂を用いて、例えば、その樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成形面に塗布し、基材をエンボスロール金型に供給して、その基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時にその樹脂硬化成形物からなる鋸刃状レンズ部を基材に重合接着せしめ、転写して形成することもできる。
レンチキュラーレンズシート40は、図2に示すように、フレネルレンズシート30側から、レンチキュラーレンズフィルム43(レンズアレイ層部)、感光性樹脂層41、ブラックストライプ(BS)層45、接合層46、光透過性基板61、接合層62、第2拡散層48、基材60(第2の基材)、第1拡散層49が略この順に積層一体化された平板状部材である。光軸方向から見た形状はフレネルレンズシート30の外形と同様な略長方形状とされている。
レンチキュラーレンズフィルム43は、レンズ部43b(レンズアレイ)およびレンズ基材43c(第1の基材)を有している。
レンズ部43bは、略半円柱状をなす複数のシリンドリカルレンズ43aが互いに略平行に配列され、上下方向(垂直方向、図示の紙面垂直方向)に延されたもので、レンチキュラーレンズシート40の入射面を構成している。
このような構成により、フレネルレンズシート30から出射される投射光をスクリーンの左右方向(水平方向、図示の上下方向)に集光後、左右方向に拡散しながら第2拡散層48に向けて出射できるようになっている。
レンズ基材43cは、シリンドリカルレンズ43aの支持するために設けられた光透過性のフィルム基材であり、光透過性基板61の一方の面61a側に設けられている。レンズ基材43cの厚さは0.025mm〜0.2mmであることが好ましい。
レンズ基材43cの材質は、例えば、ポリエステル樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂などを採用できる。例えば、PET樹脂の代表的な材料特性は、線膨張係数が、1.5×10−5(cm/cm/℃)、湿気膨潤係数が1.2×10−5(1/%RH)、引張弾性率(縦弾性係数)が、3920MPa(400kgf/mm)となっている。
このような構成を有するレンズ部43bは、例えばフレネルレンズシート30と同様にして製造することができる。すなわち、レンズ部43bを成形する金型に対応して、シリンドリカルレンズ43aを成形する金型を用い、フレネルレンズ部31、基板部32に対応して、シリンドリカルレンズ43a、レンズ基材43cを対応させた上記の製造方法により製造することができる。
また、レンズ基材43c上にレンズ部43bを形成する方法としては、上記の他に、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂を用いて、その硬化物からなるレンズ部を形成する方法が、生産性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。この、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂としては、特に限定されるものではないが、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部43bは、例えば、前記樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成形面に塗布し、フィルム基材をエンボスロール金型に供給して、その基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時にその樹脂硬化成形物からなるレンズ部を基材に重合接着せしめる方法等によって形成できる。
BS層45は、表面に複数のシリンドリカルレンズ43aが設けられたレンズ基材43cの裏面側において、各シリンドリカルレンズ43aによる非集光部を、シリンドリカルレンズ43aの母線方向に沿ってストライプ状に延された光吸収帯により適宜範囲だけストライプ状に遮光するブラックストライプを形成したものである。そして、各BS層45の間には、光透過性基板61を接合するための光透過性の接合層46が設けられている。接合層46は、適宜の接着剤や粘着材などを採用することができる。例えば、アクリル樹脂系接着剤などを採用することができる。
また接合層46は、薄層に形成されるので、BS層45と光透過性基板61とは、きわめて接近した近傍位置に設けられる。シリンドリカルレンズ43aの焦点位置は、BS層45によるケラレが生じない範囲で、光透過部47の範囲、あるいは光透過部47と光透過性基板61とが接する境界面の近傍位置に設定される。
そのため、シリンドリカルレンズ43aによって集光された投射光は、光透過部47内あるいは光透過部47と光透過性基板61との境界面の近傍で、結像されてから、発散光として伝搬し、光透過性基板61に向けて進むようになっている。
光透過性基板61は、例えば、1〜3mmの厚さの板で、材質としては、剛性を保つことができるものとしてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明合成樹脂やガラス板を用いることができる。
第2拡散層48は、光透過部47を透過する投射光を、第1拡散層49で拡散される前に、拡散させるためのものである。本実施形態では、図2に示すように、基材60の光源側の表面に、透明な樹脂からなる基材部48a(光透過性の基材部)内部に基材部48aと屈折率が異なるフィラー48b(光拡散材)を分散させたものをコーティングして固化させた構成としている。
また、基材60は、レンズ基材43cと同様の材質からなるフィルム基材である。基材60は、温度や湿度の変化による反りを低減するため、レンズ基材43cと略同等の伸縮特性を有するものを採用することが好ましく、同材質、同厚さとすることがより好ましい。
第1拡散層49は、レンチキュラーレンズシート40の最も観察側に設けられた拡散層であり、基材60の観察側の面に形成され、第2拡散層48で水平、垂直方向に拡散された投射光を、必要な視野角の範囲に拡散させるために設けられている。本実施形態では、透明な樹脂からなる基材部49a(光透過性の基材部)内部に基材部49aと屈折率が異なるフィラー49b(光拡散材)を分散させたものをコーティングして固化させた構成としている。
また、第1拡散層49の観察側の面は、必要に応じて適宜表面処理が施された表示面49cが形成されている。表示面49cに施す表面処理としては、例えば、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理のいずれかまたはそれらの組み合わせを挙げることができる。これにより、表示面49cを透過型スクリーン20の最も観察側の面として用いることができる。
なお、第1拡散層49の基材部49aの屈折率とフィラー49bの屈折率との差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、屈折率の差は0.5以下で良い。
また、第1拡散層49は、入射した光を拡散させながら透過させる必要がある。このため、第1拡散層49内に含まれるフィラー49bの平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。また、基材部49aとしは、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、メチルスチレン樹脂およびフルオレン樹脂等を使用することができる。
さらに、フィラー49bとしては、無機酸化物からなる透明粒子または樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなるフィラー49bとしてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなるフィラー49bとしては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、およびETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子;シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
そして、これら基材部49a中にフィラー49bを分散して、押出し成形することにより、板状の第1拡散層49を製造することができる。
基材部49aに混入するフィラー49bの混入量としては、1〜50%の範囲で適宜選択することができる。混入量が1%より少ない場合は、拡散効果が十分に得られない。また、50%より多い場合は、拡散層の膜としての凝集力が不足して光透過性フィルムに対して十分な接着力が得られない。
なお、第2拡散層48についても第1拡散層49と同様である。
第2拡散層48内のフィラー48bの平均粒径d2は、第1拡散層49内のフィラー49bの平均粒径d1以上であり、d2≧d1の関係を持たせる。
また、第1拡散層49および第2拡散層48の厚みとしては、5〜70μmの範囲が好ましい。
このような構成の第2拡散層48、基材60、第1拡散層49は、基材60の一方の面60aに第1拡散層49を積層し、他方の面60bに第2拡散層48を積層した状態で、光透過性の接合層62を介して、光透過性基板61の他方の面61bに接合されている。このため、第2拡散層48、基材60、第1拡散層49は、第2の基材に互いに対向して形成された第1拡散層および第2拡散層からなる拡散層部を構成している。
接合層62の材質は、接合層46と同様な適宜の接着剤や粘着材を採用することができる。
次に、本実施形態のリアプロジェクションテレビ10の動作について、透過型スクリーン20の作用を中心に説明する。
プロジェクタ12から出射された投射光は、図1に示すように、反射鏡13、14により偏向され、透過型スクリーン20に対して斜め下側から投射される。そして、フレネルレンズシート30に入射した光は、フレネルレンズ部31の屈折作用を受けて略平行光とされ、レンチキュラーレンズシート40に向けて光軸P1に略平行方向に出射される。
レンチキュラーレンズシート40に入射した投射光は、レンズ部43bによりスクリーンの左右方向(水平方向)に集光されて、ストライプ状とされる。そしてBS層45により不要な非集光成分が遮光され、集光成分が光透過部47を透過する。投射光は、シリンドリカルレンズ43aの焦点位置に応じて、光透過部47内、または接合層46と光透過部47の境界面近傍で、線状に結像された後、スクリーンの左右方向への発散光となる。
投射光が、光透過性基板61を透過し、第2拡散層48に入射すると、スクリーンの左右方向にさらに拡散されるとともに、上下方向(垂直方向)にも拡散され、第2拡散層48内で、第2拡散層48の拡散度合いに応じて徐々に拡散し、基材60に入射する。そして、基材60内を進むうちに拡散範囲が広がり、第1拡散層49に到達する。
拡散光が第1拡散層49に到達すると、第1拡散層49の拡散度合いに応じて、さらに拡散され、表面処理された表示面49cを透過して、レンチキュラーレンズシート40の外部に出射される。
このため、透過型スクリーン20から観察側に、スクリーンの法線方向に対して、上下方向および左右方向にそれぞれ所定角度範囲に拡散する投射光が出射され、透過型スクリーン20の前面で、所定の視野角の範囲内で投射光を鑑賞することが可能となる。
次に、このような構成のシンチレーション低減作用について説明する。
シンチレーションは、もともとの画像にない微小スポット状の高輝度光が観察され画像にちらつき、ぎらつきがあると感じられる現象である。主な原因は、透過型スクリーン内の光学素子の製作誤差や微小な欠陥などにより正規の光路から外れた光束が視野角の範囲の特定方向に出射されて形成される微小な輝度ムラにあると考えられる。
本実施形態では、上記のように、観察側の拡散層である第1拡散層49のフィラー49bの平均粒径d1より第2拡散層48内のフィラー48bの平均粒径d2の方が大きい。
このとき第2拡散層48では、基材部48aに比較的大きな平均粒径d2のフィラー48bを分散しているため、フィラー48bの散乱性能が大きくなっている。そのため、より散乱性能の小さい光拡散材を分散させた場合に比べて、拡散度合いの割にフィラー48bの間を通り抜ける光成分が多くなり、光量損失が少ない拡散光を得ることができる。
そして、第1拡散層49では、基材部49aに比較的小さな平均粒径d1のフィラー49bを分散しているため、フィラー49bの散乱性能が小さくなっている。そのため、より散乱性能の大きい光拡散材を分散させた場合に比べて、拡散度合いの割にフィラー49bの間を通り抜ける光成分が少なくなり、拡散性能が比較的均一化される。そのため、第1拡散層49の透過光は、第2拡散層48の透過光に比べて全体的に散乱を受けた光となり、フィラー49bの間を通り抜けて高輝度に出射される光成分が抑制される。その結果、シンチレーションを低減することが可能となる。
この逆の場合では、第2拡散層48の比較的小さな粒径の光拡散材においてある程度全体的に拡散された光でも、第1拡散層49では、比較的大きな粒径の光拡散材の間を通り抜ける光と、光拡散材によって大きく散乱される光との輝度分布の差が発生しやすくなり、シンチレーションが発生しやすくなってしまう。
なお、フィラー49bの平均粒径d1と、フィラー48bの平均粒径d2との関係は、d2≧d1に限定されるものではないが、d2≧d1とすることにより、シンチレーションがより低減される。
次に、透過型スクリーン20が、温度、湿度が変化する環境に置かれた場合の作用について説明する。
温度、湿度のいずれかが変化すると、レンチキュラーレンズシート40を構成する層は、それぞれ、線膨張係数、湿気膨潤係数に応じて、膨張、縮小し、板面に沿う方向に伸縮を起こす。本実施形態では、レンズ基材43cと、基材60とが光透過性基板61を挟んで対向された状態で積層一体化されているので、レンズ基材43cと光透過性基板61との間の伸縮特性の差による反り変形と、基材60と光透過性基板61との間の伸縮特性の差による反り変形とが対称的に発生するため、互いに略相殺され、レンチキュラーレンズシート40の反りが抑制される。特にレンズ基材43cと基材60とを、略同じ伸縮特性とした場合には、より効果的に反りが低減され、温度、湿度変化があっても、レンチキュラーレンズシートの平面性が良好に保たれる。このような効果は、レンズ基材43cと基材60とを同じ材質とすることで、さらに向上される。また、それぞれの厚さも同厚さとすることで一層効果的である。
一方、このような対称的な3層構造の配置を取らない場合は、伸縮特性の差による内部曲げ応力により、いわゆるバイメタル効果を起こし、レンチキュラーレンズシート40が反ってしまう。
このため、本実施形態では、温度、湿度のいずれかが変化しても、レンチキュラーレンズシート40の反りが抑制され、平面状態を保つことができる。したがって、高温高湿の環境下においても良好な画像の表示が可能となる。
[第1の実施形態の変形例]
本変形例では、第1拡散層49および第2拡散層48の屈折率が下記条件を有する点において上記第1の実施形態と異なる。
すなわち、第1拡散層49を構成する基材部49aの屈折率をnb1とし、フィラー49bの屈折率をnf1とし、第2拡散層48を構成する基材部48aの屈折率をnb2とし、フィラー48bの屈折率をnf2とすると、基材部48aの屈折率nb2とフィラー48bの屈折率nf2との差が、基材部49aの屈折率nb1とフィラー49bの屈折率nf1との差以上、すなわち、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|の関係を持たせる。
このような構成のシンチレーション低減作用について説明する。
本実施形態では、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|であるため、第1拡散層49の散乱性能が、第2拡散層48の散乱性能以下となる。
そのため、第2拡散層48では、より散乱性能が小さくなる屈折率関係とした場合に比べて、拡散度合いの割にフィラー48bの間を通り抜ける光成分が多くなり、光量損失が少ない拡散光を得ることができる。そして、第1拡散層49では、より散乱性能が大きくなる屈折率関係とした場合に比べて、拡散度合いの割にフィラー49bの間を通り抜ける光成分が少なくなり、拡散性能が比較的均一化される。そのため、第1拡散層49の透過光は全体的に散乱を受けた光となり、フィラー49bの間を通り抜けて高輝度に出射される光成分が抑制される。その結果、シンチレーションを低減することが可能となる。
この逆の場合では、第2拡散層48の比較的散乱性能が小さなフィラー48bにおいてある程度全体的に拡散された光でも、第1拡散層49では、比較的散乱性能が大きなフィラー48bの間を通り抜ける光と、フィラー49bによって大きく散乱される光との輝度分布の差が発生しやすくなり、シンチレーションが発生しやすくなってしまう。
なお、本変形例では、フィラー49bの平均粒径d1と、フィラー48bの平均粒径d2との関係は、d2≧d1に限定されるものではない。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る透過型スクリーン70は、上記第1の実施形態の透過型スクリーン20において、レンチキュラーレンズシート40に代えてレンチキュラーレンズシート40A(光拡散レンズアレイシート)を備えるものであり、透過型スクリーン20と同様にリアプロジェクションテレビ10に用いることができるものである。レンチキュラーレンズシート40Aは、レンチキュラーレンズシート40の光透過性基板61の基材部61c内にフィラー61d(光拡散材)が分散されている点において第1実施形態と異なる。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
基材部61cのフィラー61dは、上述した第1拡散層49の基材部49aのフィラー49bと同様の材質により形成することが可能である。
基材部61cに混入するフィラー61dの混入量としては、1〜20%の範囲で適宜選択することができる。
また、フィラー61dの平均粒径をd3とすると、フィラー61dの平均粒径d3はフィラー48bの平均粒径d2以上としており、d3≧d2≧d1の関係を持たせる。
このような構成によれば、レンチキュラーレンズシート40に入射した光は、まず、光透過性基板61の基材部61c内のフィラー61dによって十分に拡散された後、第2拡散層48に入射する。そして、第2拡散層48の基材部48aのフィラー48bによって拡散した後、第1拡散層49の基材部49aのフィラー49bによって拡散する。したがって、第1実施形態では、光を拡散させる層が2層であったが、本実施形態の透過型スクリーン70では、光を拡散させる層が3層に増えるため、シンチレーションを効果的に低減することができる。
また、フィラー49b、フィラー48bの平均粒径をd1、d2よりフィラー61dの平均粒径d3の方が大きいため、光量損失が少ない状態で光を拡散させることができる。
したがって、段階的に拡散度合いを調整することができるため、より効果的にシンチレーションを低減することが可能となる。
[第2の実施形態の変形例]
本変形例では、第1拡散層49および第2拡散層48の屈折率が下記条件を有する点において第2の実施形態と異なる。
すなわち、光透過性基板61を構成する基材部61cの屈折率をnb3とし、フィラー61dの屈折率をnf3とすると、基材部61cの屈折率nb3とフィラー61dの屈折率nf3との差が、基材部48aの屈折率nb2とフィラー48bの屈折率nf2との差以上、すなわち、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|の関係を持たせる。
このような構成によれば、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|であるため、光量損失が少ない状態で光を拡散させることができる。したがって、段階的に拡散度合いを調整することができるため、効果的にシンチレーションを低減することが可能となる。
なお、本変形例では、フィラー49bの平均粒径d1と、フィラー48bの平均粒径d2と、フィラー61dの平均粒径d3との関係は、d3≧d2≧d1に限定されるものではない。
次に、本発明の第1、第2の実施形態の透過型スクリーン20、70の実施例、比較例の評価結果について説明する。
実施例1は、第1の実施形態の図2に対応する構成であり、第1拡散層49および第2拡散層48にフィラー49bおよびフィラー48bがそれぞれ混入され、光透過性基板61の基材部61c内にはフィラーは混入されていない。実施例2も同様である。実施例1では、第1拡散層49に混入されているフィラー49bの粒径は8μmである。また、実施例2では、第1拡散層49に混入されているフィラー49bの粒径は5μmである。
実施例3および実施例4は、第2の実施形態の図3に対応する構成であり、光透過性基板61にフィラー61dが混入されている。
実施例3では、実施例1と同様で、第1拡散層49のフィラー49bの粒径は8μmである。また、実施例4では、実施例2と同様で、第1拡散層49のフィラー49bの粒径は5μmである。
実施例1〜実施例4の第2拡散層48のフィラーの48aの粒径はすべて8μmである。
また、実施例1〜実施例4の第1拡散層49は、基材部49aが、UV硬化後の屈折率が1.51であるUV硬化型アクリル樹脂からなり、屈折率が1.54のメタクリル・スチレン共重合からなるフィラー49bを固形分15%にて混合した。第1拡散層49の厚みは10μmである。
実施例1〜実施例4の第2拡散層48は、基材部48aが、UV硬化後の屈折率が1.51であるUV硬化型アクリル樹脂からなり、屈折率が1.54のメタクリル・スチレン共重合からなるフィラー48bを固形分30%にて混合した。第2拡散層48の厚みは50μmである。
第1拡散層49と第2拡散層48との間の基材60は、厚み75μmのPETフィルムである。
また、実施例3、実施例4の光透過性基板61は、基材部61cが、屈折率が1.55のメタクリル・スチレン共重合からなり、基材部61cには、屈折率が1.59のスチレン重合からなるフィラー61dを固形分5%にて混合した。光透過性基板61の厚みは2mmである。この光透過性基板61の一方の面61a側に、厚み75μmのレンズ基材43cを含むレンチキュラーレンズシート40をアクリル接着剤からなる接合層46を介して貼り合わせ、他方の面61b側に、第1拡散層49および第2拡散層48を含む積層体をアクリル接着剤からなる接合層62を介して貼り合わせた。
また、比較例1は、第2拡散層48のみフィラー48bを有し、粒径は8μmであり、比較例2は、第1拡散層49のフィラー49bの粒径が10μmであり、第2拡散層48のフィラー48bの粒径が8μmである。すなわち、実施例1〜実施例4とは反対に、第1拡散層49のフィラー49bの平均粒径d1の方が第2拡散層48のフィラー48bの平均粒径d2より大きい。
下記の表1に評価結果を示す。シンチレーションは、透過型スクリーンに投射される画像を目視評価して非常に良好、良好、やや良好、悪い、の4段階に評価し、それぞれ、◎◎、◎、○、×で示している。
Figure 2008286987
上記の表に示すように、実施例1〜実施例4は、各評価項目において○、◎、◎◎の結果であった。最も優れた結果を示したのは、実施例4であった。すなわち、第2実施形態で示したように、d3≧d2≧d1の関係が成り立つように、入射側のフィラー61dの粒径d3を最も大きくし、観察側に向かって順にフィラー48b、49aの順に粒径d2、d1を小さくした透過型スクリーンが最も優れた結果となっている。また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方がシンチレーションの低減が確認された。これにより、フィラー49bとフィラー48bとの平均粒径の大きさは同じであるより、第2拡散層48のフィラー48bの平均粒径d2の大きい方が、シンチレーションが低減されることが分かる。
一方、比較例1および比較例2では、シンチレーションが目立ち、実施例1〜実施例4に対して劣る結果となっている。
次に、本発明の第1、第2の実施形態の変形例の透過型スクリーンの実施例、比較例の評価結果について説明する。
実施例5は、第1実施形態の変形例の透過型スクリーンに対応する構成であり、第1拡散層49および第2拡散層48にフィラー49bおよびフィラー48bがそれぞれ混入され、光透過性基板61の基材部61c内にはフィラーは混入されていない。そして、実施例5は、第1拡散層49の基材部49aの屈折率nb1とフィラー49bの屈折率nf1との差が0.01であり、第2拡散層48の基材部48aの屈折率nb2とフィラー49bの屈折率nf2との差は0.04である。
実施例6は、第2実施形態の変形例の透過型スクリーンに対応する構成であり、第1拡散層49、第2拡散層48、光透過性基板61にそれぞれフィラー49b、48a、61dが混入されている。また、実施例6は、第1拡散層49および第2拡散層48の構成は実施例5と等しく、光透過性基板61の基材部61cの屈折率nb3とフィラー61dの屈折率nf3との差が0.05である。
実施例5、実施例6の第1拡散層49は、基材部49aが、UV硬化後の屈折率が1.51であるUV硬化型アクリル樹脂からなり、屈折率が1.52のメタクリル・スチレン共重合からなるフィラー49bを固形分15%にて混合した。第1拡散層49の厚みは15μmである。
実施例5、実施例6の第2拡散層48は、基材部48aが、UV硬化後の屈折率が1.51であるUV硬化型アクリル樹脂からなり、屈折率が1.55のメタクリル・スチレン共重合からなるフィラー48bを固形分25%にて混合した。第2拡散層48の厚みは40μmである。
第1拡散層49と第2拡散層48との間の基材60は、厚み75μmのPETフィルムである。
また、実施例6の光透過性基板61は、基材部61cが、屈折率が1.54のメタクリル・スチレン共重合からなり、基材部61cには、屈折率が1.49のスチレン重合からなるフィラー61dを固形分5%にて混合した。光透過性基板61の厚みは2mmである。この光透過性基板61の一方の面61a側に、厚み75μmのレンズ基材43cを含むレンチキュラーレンズシート40をアクリル接着剤を介して貼り合わせ、他方の面61b側に、第1拡散層49および第2拡散層48を含む積層体をアクリル接着剤を介して貼り合わせた。
さらに、第1拡散層49のフィラー49b、第2拡散層48のフィラー48b、光透過性基板61のフィラー61dの平均粒径はすべて8μmである。
また、比較例3は、実施例5と同様に、第1拡散層49および第2拡散層48にフィラー49bおよびフィラー48bがそれぞれ混入された構成である。比較例4は、実施例6と同様に、第1拡散層49、第2拡散層48、光透過性基板61にそれぞれフィラー49b、48a、61dが混入されている。
比較例3、比較例4の第1拡散層49のフィラー49bの屈折率は1.56であり、比較例4の光透過性基板61の基材部61cの屈折率は1.50である。
下記の表2に評価結果を示す。シンチレーションは、透過型スクリーンに投射される画像を目視評価して良好、やや良好、悪い、の3段階に評価し、それぞれ、◎、○、×で示している。
Figure 2008286987
上記の表に示すように、実施例5、実施例6は、各評価項目において○、◎の結果であった。実施例5に比べ実施例6の方が優れた結果を示した。すなわち、第2実施形態の変形例で示したように、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|の関係が成り立つように、入射側の基材部61cの屈折率nb3と、フィラー61dの屈折率nf3との差を最も大きくし、観察側に向かって順に基材の屈折率とフィラーの屈折率との差を小さくした透過型スクリーンが優れた結果となっている。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、光透過性基板にフィラーを混入させたが、レンチキュラーレンズシートを構成する他の層にフィラーを混入させても良い。
本発明の実施形態に係る投射型ディスプレイについて説明するための投射光学系の光軸を含む模式断面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る透過型スクリーンの概略構成について説明するための図1における紙面垂直方向に沿う断面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る透過型スクリーンの概略構成について説明するための図1における紙面垂直方向に沿う断面説明図である。
符号の説明
10 リアプロジェクションテレビ(投射型ディスプレイ)
20、70 透過型スクリーン
40、40A レンチキュラーレンズシート(光拡散レンズアレイシート)
43 レンチキュラーレンズフィルム(レンズアレイ層部)
43b レンズ部(レンズアレイ)
43c レンズ基材(第1の基材)
48 第2拡散層
48a、49a、61c 基材部
48b、49b、61d フィラー(光拡散材)
49 第1拡散層
60 基材(第2の基材)
61 光透過性基板

Claims (8)

  1. 光源から投射される投射光を略平行光にするフレネルレンズシートと、該フレネルレンズシートにより略平行光とされた投射光を発散させるためのレンズアレイおよび光透過性の基材部に光拡散材を分散させた複数の拡散層を有する光拡散レンズアレイシートとを備える透過型スクリーンであって、
    前記光拡散レンズアレイシートは、
    前記レンズアレイが第1の基材に形成されてなるレンズアレイ層部と、
    第2の基材に互いに対向して形成された第1拡散層および第2拡散層からなる拡散層部とが、
    光透過性基板の一方および他方の面に、それぞれ積層一体化されてなることを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記第2拡散層が前記第1拡散層に比べてより光源側に配置され、
    前記第1拡散層の光拡散材の平均粒径をd1とし、前記第2拡散層の光拡散材の平均粒径をd2とすると、d2≧d1であることを特徴とする請求項1に記載の透過型スクリーン。
  3. 前記第2拡散層が前記第1拡散層に比べてより光源側に配置され、
    前記第1拡散層の基材部の屈折率をnb1とし、前記第1拡散層の光拡散材の屈折率をnf1とし、前記第2拡散層の基材部の屈折率をnb2とし、前記第2拡散層の光拡散材の屈折率をnf2とすると、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|であることを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
  4. 前記光透過性基板内に、光拡散材が分散されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透過型スクリーン。
  5. 前記光透過性基板が前記第1拡散層および前記第2拡散層に比べてより光源側に配置され、
    前記第1拡散層の光拡散材の平均粒径をd1とし、前記第2拡散層の光拡散材の平均粒径をd2とし、前記光透過性基板の光拡散材の平均粒径をd3とすると、d3≧d2≧d1であることを特徴とする請求項4に記載の透過型スクリーン。
  6. 前記光透過性基板が前記第1拡散層および前記第2拡散層に比べてより光源側に配置され、
    前記第1拡散層の基材部の屈折率をnb1とし、前記第1拡散層の光拡散材の屈折率をnf1とし、前記第2拡散層の基材部の屈折率をnb2とし、前記第2拡散層の光拡散材の屈折率をnf2とし、前記光透過性基板の基材部の屈折率をnb3とし、前記光透過性基板の光拡散材の屈折率をnf3とすると、|nb1−nf1|≦|nb2−nf2|≦|nb3−nf3|であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の透過型スクリーン。
  7. 前記第1および第2の基材は、同材質からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透過型スクリーン。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の透過型スクリーンを備えることを特徴とする投射型ディスプレイ。
JP2007131532A 2007-05-17 2007-05-17 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ Withdrawn JP2008286987A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131532A JP2008286987A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131532A JP2008286987A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008286987A true JP2008286987A (ja) 2008-11-27

Family

ID=40146775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007131532A Withdrawn JP2008286987A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008286987A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013223176A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、画像投写装置、及び光拡散装置の駆動方法
JP2017508185A (ja) * 2014-02-28 2017-03-23 バルコ・ナムローゼ・フエンノートシャップ 継ぎ目のないタイルドディスプレイ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013223176A (ja) * 2012-04-18 2013-10-28 Mitsubishi Electric Corp 光拡散装置、画像投写装置、及び光拡散装置の駆動方法
JP2017508185A (ja) * 2014-02-28 2017-03-23 バルコ・ナムローゼ・フエンノートシャップ 継ぎ目のないタイルドディスプレイ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007004679A1 (ja) リアプロジェクションテレビ用スクリーン
WO2010110369A1 (ja) インタラクティブボード用透過型スクリーン
WO2000060413A1 (en) Rear projection screen
JP2007323049A (ja) 透過型スクリーン
JP2009086031A (ja) 光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置
KR20070100156A (ko) 배면 투사형 표시장치 및 투과형 스크린
JP2007233311A (ja) 透過型スクリーン
WO2006057245A1 (ja) フレネルレンズシート及び透過型スクリーン
JP2008281910A (ja) 透過型スクリーン及び背面投射型表示装置
JP2008286987A (ja) 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ
JP2015111300A (ja) 保護フィルム、偏光板、液晶表示パネルおよび表示装置
JP2007025178A (ja) 透過型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ装置
JP2008033097A (ja) フレネルレンズシートおよび透過型スクリーン
JP2006235036A (ja) 透過型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ
JP2007178501A (ja) 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ
JP2003131325A (ja) プロジェクションスクリーン
JP4810839B2 (ja) 透過型スクリーン
JP2007025207A (ja) フレネルレンズシート、及びそれを用いた透過型スクリーン
JP2007334186A (ja) 透過型スクリーンおよびそれを用いた背面投射型ディスプレイ
JP2009265498A (ja) 耐擦傷性レンズシート
JP2004133154A (ja) レンズアレイシートおよび透過型スクリーン
JP4867167B2 (ja) 透過型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ装置
JP2006215165A (ja) 透過型スクリーンおよび投射型ディスプレイ
JP2002268147A (ja) 透過型スクリーンおよび画像表示装置
JP2008026624A (ja) 透過型スクリーン及び背面投射型映像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100803