WO2007004679A1

WO2007004679A1 - リアプロジェクションテレビ用スクリーン

Info

Publication number: WO2007004679A1
Application number: PCT/JP2006/313417
Authority: WO
Inventors: Yukio Kokuzawa; Katsuyuki Murai; Shinpei Arita
Original assignee: Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc.; Japan Acryace Corporation
Priority date: 2005-07-06
Filing date: 2006-07-05
Publication date: 2007-01-11
Also published as: JPWO2007004679A1; TW200710547A

Abstract

　本発明は、メタクリル酸メチル-スチレン共重合樹脂等から選ばれる１種以上の樹脂を主成分として、共押出により成形されてなり、添加粒子等が特定の条件を満たす２～５層構成のプラスチックシート、および該プラスチックシートの一方の最外層表面に熱成形を行ってレンチキュラーレンズ形状を付与し、他方の最外層表面にフレネルレンズ形状を付与したリアプロジェクションテレビ用スクリーンであり、湿度変化による像のぼやけや解像度不足、ホットスポットやスペックルのないリアプロジェクションテレビ用スクリーンを提供する。

Description

明細書

リアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン技術分野

[0001] 本発明は、リアプロジェクシヨンテレビに使用されるスクリーンに関するものである。

背景技術

[0002] リアプロジェクシヨンテレビ (背面投射型映像表示装置)で使用されるスクリーンは、発散する光線を観察者の方向に向けるフレネルレンズシートと、結像した光線を拡散するレンチキュラーレンズシートの 2枚力構成されることが一般的であり、図 6に示すように少なくとも光源側にフレネルレンズシート 61を、観察者側にレンチキュラーレンズシート 62を組み合わせた構成であり、さらに観察者側に前面パネルが配置されているものもある。各シートは重ね合わせた状態でリアプロジェクシヨンテレビにセットされている。

[0003] フレネルレンズシートとは、凸レンズの表面を同心円で分割し、レンズ中心部の厚さを、レンズ周辺部とほぼ同一にした薄型化レンズであるフレネルレンズを一方の面に形成されたものであり、入射光を平行光にする働きがある。フレネルレンズシートは、型を用いてシート表面にフレネルレンズを成形する方法、 UV硬化型榭脂等をシート表面に塗布しフレネルレンズ金型に押しつけ硬化させる方法、また、別体で製造したフレネルレンズフィルムを貼合せる方法等で製造できる。

[0004] 一方、レンチキュラーレンズシートとは、シートの少なくとも一方の面にレンチキユラ一レンズと呼ばれる凸状シリンドリカルのレンズ部（半円柱状凸レンズ)が並設して形成されたものであり、入射光を水平方向もしくは垂直方向に広げる働きがある。レンチキュラーレンズシートは、シートの一方の面に型を用いてレンチキュラーレンズを成形する方法、シートに別体で製造したレンチキュラーレンズフィルムを貼合せる方法等で製造できる。図 6のレンチキュラーレンズシート 62においては、 63、 64と両面に凸状シリンドリカルのレンズ部（以下、凸シリンドリカルレンズと称することがある。）が表裏に形成されているのは、リアプロジェクタ (光源）が 3管式の CRT (陰極線管)方式の場合、入射側のレンズで 3色のズレを補正する必要があるためである。また、レンチキュラーレンズシート 62は、凸シリンドリカルレンズ 64の境界層には、凸部 65が形成され、該凸部の上部には、光吸収性の黒色ストライプによる遮光層 66 が形成され、観察者側の外光反射等を防止している。

[0005] 従来にお!、て、 UV硬化型榭脂等を硬化させて得たフレネルレンズ部カゝ、または、別体で製造したフレネルレンズフィルムを貼合して得たフレネルレンズシート、およびレンチキュラーレンズシートには、それぞれ光学的な拡散要素を含んでいるため、映像はそれぞれの拡散要素で結像する。そのため何らかの要因でシート間の間隔が離れてしまうと像がぼやける等の欠点が生じている。

シート間の間隔が離れてしまう最大の原因は、外界の湿度が変化することによってシート自身の吸水量が変化し、その結果シートが反る、もしくは橈むことによるものである。また、レンチキュラーレンズシートは l〜2mmと厚い拡散層を有しているため、レンチキュラーレンズシートで結像した画像は解像度が不充分であるという欠点を有している。

[0006] 一方、 1枚構成のスクリーンは、光源側表面にフレネルレンズを、観察者側表面にレンチキュラーレンズを成形したものである。フレネルレンズとレンチキュラーレンズの距離はスクリーンの厚みであるため、前記の外界の湿度変化による像のぼやけ現象は発生しない。このため、 1枚構成のスクリーンは、特にたわみが生じやすい 70インチ以上の大型リアプロジェクシヨンテレビに適している。しかし、 1枚構成のスクリーンは単層であり、厚み方向全てに拡散剤を有しているため、前記レンチキュラーレンズシート同様解像度が不充分であると、う欠点を有して、る。

また、リアプロジェクシヨンスクリーンには、ホットスポットやスペックルといった問題が生じやすい。ホットスポットとは、プロジェクターからの入射光の中心点の輝度が局所的に高くなり、シリンドリカルレンズの並設方向（一般には、水平方向）に縞状に見える現象で、ホットバーとも呼ばれる。

一方、スペックルとは、レンチキュラーレンズの内部に添加した光拡散剤が投射光と干渉して発生するもので、ギラツキやチラツキ、シンチレーシヨンとも呼ばれ、小さい光源から出射された光が十分に拡散しきれていないために生じる現象である。

上記問題を解決するため、拡散層の厚みや用いられる拡散剤を規定する方法 (例えば、特許文献 1参照。）などが提案されているが、十分な解決には至っていない。

[0007] 特許文献 1：特開 2000— 330210号公報

発明の開示

[0008] 本発明は、上記の湿度変化による像のぼやけや解像度の不足といった従来技術における課題を解決し、かつホットスポットやスペックルのなヽリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンを提供することを目的とする。

本発明者らは、前記課題を解決できるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの構成について鋭意研究を重ねた結果、コントラストを向上させる染料を用い、かつ高い拡散性を有する拡散剤を用いることで、上記問題点を解決し得ることを見出し本発明を完成したものである。

すなわち、本発明は、

(1)メタクリル酸メチル-スチレン共重合榭脂、ポリメタクリル酸メチル (PMMA)、ポリスチレン、およびポリカーボネートからなる群力も選ばれる 1種以上の榭脂を主成分として、共押出により成形されてなり、かつ下記条件 (a)〜(f)を満たすことを特徴とする 2〜5層構成のプラスチックシート、

(a)全ての層に有機系架橋微粒子が添加されて!、る

(b)それぞれ隣り合った層における有機系架橋微粒子は濃度が異なる

(c) 1つの層に珪素含有微粒子が添加されて!、る

(d)珪素含有微粒子の濃度が 1つの層において 0. 2〜1. 0重量％かつ、プラスチックシート全体において 0. 03〜0. 09重量％である

(e)少なくとも 1つの層に染料が添加されて!、る

(f)プラスチックシート全体における染料の濃度が 0. 01-0. 1重量％である

(2)該プラスチックシートの一方の最外層表面に熱成形を行ってレンチキュラーレンズ形状を付与し、他方の最外層表面にフレネルレンズ形状を付与したことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン、

(3)該プラスチックシートの一方の最外層表面にレンチキュラーレンズフィルムを貼合し、他方の最外層表面に UV硬化型榭脂を表面に塗布し金型に押しつけ硬化することによってフレネルレンズ形状を付与したことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン、

(4)該プラスチックシートの一方の最外層表面にレンチキュラーレンズフィルムを貼合し、他方の最外層表面にフレネルレンズフィルムを貼合したことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン

を提供するものである。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本発明の実施例 1によるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

[図 2]本発明の実施例 2によるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

[図 3]本発明の実施例 3によるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

[図 4]本発明の実施例 4によるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

[図 5]比較例 1によるリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

[図 6]従来のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの説明図

符号の説明

[0010] 11、 21、 31、 41 レンチキュラーレンズ層

22、 32、 42、 44 拡散層

12、 23、 33、 45 フレネルレンズ層

61 フレネルレンズシート

62 レンチキュラーレンズシート

63 光源側レンチキュラーレンズ

64 観察者側レンチキュラーレンズ

65 凸部

66 遮光層

発明を実施するための最良の形態

[0011] 本発明の 2〜5層構成のプラスチックシートは、メタクリル酸メチルースチレン共重合榭脂、ポリメタクリル酸メチル（PMMA)、ポリスチレン、およびポリカーボネートからなる群力選ばれる 1種以上の榭脂を主成分として、共押出により成形され、条件 (a) 〜(f)の条件を満たす。

(a)全ての層に有機系架橋微粒子が添加されて!、る (b)それぞれ隣り合った層における有機系架橋微粒子は濃度が異なる

(c) 1つの層に珪素含有微粒子が添加されて!、る

(e)少なくとも 1つの層に染料が添加されて!、る

[0012] 本発明のプラスチックシートの主成分となる榭脂は、メタクリル酸メチル (MMA)— スチレン共重合榭脂、ポリメタクリル酸メチル (PMMA)、ポリスチレン、およびポリ力ーボネートからなる群から選ばれる 1種以上であり、中でも、メタクリル酸メチル (MM

A)—スチレン共重合樹脂が好ましい。

[0013] 本発明の 2〜5層構成のプラスチックシートは、上記の榭脂を主成分として、共押出により成形される。共押出成形は従来の技術により行われる。

[0014] 本発明のプラスチックシートは、条件 (a)として、全ての層に有機系架橋微粒子が添カ卩されている。

本発明における有機系架橋微粒子は、ホットスポットおよびスペックル (シンチレ一シヨン）を抑制するために添加される。ホットスポットとは、前述のように光源（一般的に高圧水銀ランプ)が透けて見え、中央の一部分のみ明るく見える現象である。

スペックル（シンチレーシヨン）は、前述のようにギラツキやチラツキの現象で、 LCD や DMDなどのマイクロディスプレイを画像源としたときに視認されやすくなる現象である。

本発明にお、て使用できる有機系架橋微粒子としては、基材榭脂に近、屈折率を有し、透明性が高ぐ多量に添加しても全光線透過率がほとんど低下しないものが望ましい。

スペックルを抑制するためには、有機系架橋微粒子の粒径は小さい方が良ぐ具体的には 1〜30 μ mが好ましぐさらに 2〜20 μ mがより好ましい。

1 μ m未満は製造が困難であり、 30 mを超えると、スペックル (シンチレーシヨン）低減効果は低ぐまた、押出製造時にダイライン等の欠陥が生じやすい。

また、有機系架橋微粒子の屈折率は、基材プラスチックとの差で— 0. 05〜+ 0. 0 5が望ましい。

[0015] 有機系架橋微粒子として、スチレン架橋微粒子、 MMA架橋微粒子、 MMA—スチレン架橋微粒子、 MMAZアクリル酸エステル Z芳香族ビニルモノマーを主成分とする架橋ポリマーなどが挙げられる力これらに限定されるものではない。いずれも単独もしくは 2種以上の組み合わせで使用できる。

有機架橋微粒子の濃度は特に限定はされないが、プラスチックシート全体に対して 0. 3〜2. 0重量％が望ましい。さらに、 0. 5〜1. 5重量％がより好ましい。 0. 3重量 %未満になるとホットスポット抑制効果が得られず、一方、 2. 0重量％を超えるとコストアップや画像のぼやけが生じる。

[0016] また、条件 (b)として、それぞれ隣り合った層における有機系架橋微粒子は濃度が異なることを要する。スクリーンとしての使用時に観察者側に最も近い層は、映り込み防止のために防眩 (アンチグレア）効果を有して、るため、隣り合った層に添加される有機系架橋微粒子の濃度よりも 5重量％以上高く添加される。

一方、本発明のプラスチックシートの層構成において、最も厚い層は、スッペックル (シンチレーシヨン)を低減する効果を有し、映像を写す効果を有しないので、これらの効果を両立させるため、最も厚い層には、低い濃度で有機架橋微粒子が含まれる。具体的には、 0. 5重量％以下が好ましい。

[0017] 本発明のプラスチックシートは、条件 (c)として、 1つの層に拡散要素である珪素含有微粒子が添加されて!、る。

本発明における珪素含有微粒子は、映像を写す効果を有している。珪素含有微粒子は、視野角を広げる効果を有し、高い解像度を得るためには、該珪素含有微粒子を含む層は、薄い厚みであることが好ましい。また、珪素含有微粒子の濃度が高すぎると、画面全体が暗くなつてしまうため、添加濃度は 1重量％未満とし、画面の輝度低下を防止するため、有機系架橋微粒子と併用される。

このように、 1つの層に珪素含有微粒子が添加されることにより、高い解像度が得られ好ましい。

珪素含有微粒子としては、シリカおよびシロキサン架橋微粒子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 [0018] また、本発明の条件 (d)として、珪素含有微粒子の濃度は 1つの層において 0. 2〜 1. 0重量％であり、プラスチックシート全体において 0. 02-0. 1重量％であることが望ましい。さらに好ましい添カ卩量は、プラスチックシート全体に対し 0. 4〜0. 8重量％である。 0. 02重量％未満になると十分な視野角特性が得られず、 0. 1重量％を超えると全光線透過率が低くなり、画像が暗くなる。

また、その粒子径は、光拡散による視野角特性と榭脂への分散性の観点から、 0. Ί〜2 μ mが好適である。

[0019] 本発明のプラスチックシートは、条件）として、少なくとも 1つの層に染料が添加されている。染料を添加する層としては、レンチキュラーレンズ側の層であることが、該染料により色調とコントラストをコントロールされた光を直接観察することになるので好ましい。

本発明における染料はブルー、グレー、バイオレット系の色が適しており、光源から映し出される映像の色調とコントラストをコントロールために添加される。本発明における染料の濃度は、プラスチックシート全体に対して 0. 01-0. 1重量％が望ましい。 0. 01重量％未満になると十分なコントラストが得られず、 0. 1重量％を超えると画像が暗くなりすぎ実用的でない。本発明で用いる染料としては、ァゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンィミン系染料、ニトロ系染料、ベンゾキノン系染料等が挙げられる力これらに特に限定されるものではない。

色調の補正を複数の染料で補正した、場合には、複数の層に染料を使用することができる。

[0020] 次に、本発明のプラスチックシートの層構成を、リアプロジェクシヨンテレビのスクリーンへ応用したときの効果とともに示す。

本発明のプラスチックシートは、有機系架橋微粒子および珪素含有微粒子が添カロされた拡散層を、 1層有する。拡散層は光源から出射される画像を結像する役割をする。拡散層の厚みは特に限定されないが、 100〜250 m程度が好ましい厚みである。 100 /z m未満では、押出し成形時のフローマーク等の外観悪ィ匕により生産性が低下し、 250 mを超えると解像度が悪くなる。

[0021] 本発明のプラスチックシートの第一の層構成としては、 2層構成であって、第 1層に染料、珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に有機系架橋微粒子が添加されているものが挙げられる。この構成により、第 1層の染料による外光コントラストの向上が得られ、かつ珪素含有微粒子による視野角向上が得られるので好ましい。

[0022] 本発明のプラスチックシートの第二の層構成として、 3層構成であって、第 1層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に珪素含有微粒子、有機系架橋微粒子および染料が添加され、第 3層に有機系架橋微粒子が添加されているものが挙げられる。この構成により、第 1層の染料による外光コントラストの向上および第 2層の珪素含有微粒子による拡散効果により視野角が向上し、好ましい。

[0023] 本発明のプラスチックシートの第三の層構成として、 3層構成であって、第 1層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 3層に珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加されて、るものが挙げられる。この構成により、第 1層の染料による外光コントラストの向上および第 1 層の有機系架橋微粒子と第 3層の珪素含有微粒子によるスペックル低減の効果が得られ、好ましい。

[0024] 本発明のプラスチックシートの第四の層構成として、 5層構成であって、第 1層と第 5 層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層と第 4層に有機系架橋微粒子が添加され、第 3層に珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加されて！ヽるものが挙げられる。この構成により、第 1層および第 5層の染料による外光コントラストの向上および第 1層、第 5層の有機系架橋微粒子と第 3層の珪素含有微粒子の拡散効果によるスペックル低減の効果が得られ好ましい。

[0025] また、本発明において、上記の第一〜第四の層構成とすることによって、各層に添カロされた有機系架橋微粒子および 1つの層に添加された珪素含有微粒子によって、レンチキュラーレンズの垂直方向の光拡散を向上させているので、

ホットスポットが低減される。

[0026] 本発明のプラスチックシートの一方の最外層表面にレンチキュラーレンズ形状を付与し、他方の最外層表面にフレネルレンズ形状を付与することにより、リアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンが製造できる。レンチキュラーレンズの付与方法は熱成形によっても、レンチキュラーレンズフィルムを貼り合せしてもよい。フレネルレンズの付与方法は、熱成形によっても、フレネルレンズフィルムを貼り合せしても、 UV (紫外線）硬化型榭脂によって形成してもよい。

[0027] UV硬化型榭脂によるフレネルレンズの付与は、特開昭 63— 134227号公報に開示されて!/ヽるように、未硬化の UV硬化型榭脂を透明なシートからなるフレネルレンズ基板表面に塗布し、フレネルレンズの形状に切削した金型もしくは榭脂型を押し付け、金型等を押し付けた面の反対側の面カゝら UV (紫外線)を照射しフレネルレンズ形状に硬化させてなる。 UV硬化型榭脂からなるレンズ部の厚みは 100 m前後である。 UV硬化型榭脂は、ウレタン系アタリレート、エポキシ系アタリレート、ポリエステル系アタリレート、脂肪族アタリレート、芳香族アタリレートなど UV照射によって硬化するものであればよい。

また、 UV硬化型榭脂に変えて、電子線硬化型榭脂を使用してもよい。

[0028] また、本発明のプラスチックシートの一方の最外層表面に既製のレンチキュラーレンズフィルムを接着剤により貼り合せ、他方の最外層表面に既製のフレネルレンズフイルムを接着剤により貼り合せすることにより、本発明のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとすることができる。レンチキュラーレンズフィルムおよびフレネルレンズフィルムは接着剤 (粘着剤)層付の市販のものを用いることができる。

[0029] さらに、本発明のプラスチックシートの一方の最外層表面に直接レンチキュラーレンズを熱賦型により付与してレンチキュラーレンズシートとし、他方の面に任意のフレネルレンズシートを組み合わせることによりリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンを製造することができる。

[0030] 本発明のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの観察者側の表面がマット調であると、その面を、リアプロジェクシヨンテレビへ装着した際、さらに外光コントラストを向上させることができる。マット調とは微細な凹凸形状である。マット調とする手段は、マット形状のロールを使用して賦形する方法、微粒子を表層に添加する方法の 1ヽずれであってもよい。

[0031] 本発明は、染料、有機系架橋微粒子、珪素含有微粒子を添加した層を適切な層構成で配置して、るので、良好なリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンを提供できる。 [0032] 本発明のプラスチックシートを、特に、光源側にフレネルレンズを、観察者側にレンチキユラ一レンズを有する 1枚の構成のスクリーンや、光源側にフレネルレンズシートを、観察者側にレンチキュラーレンズシートを配置した 2枚構成のスクリーンにおけるレンチキュラーレンズシート (例えば、 2層構成のものなど）に利用することにより、ホットバー、スペックルがなぐ解像度が高ぐ環境湿度変化による像のボャケが生じない大型リアプロジェクシヨンテレビを提供することができる。

実施例

[0033] 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、プラスチックシートおよびスクリーンの評価方法は、以下の通りである。

<プラスチックシートのヘイズ、全光線透過率 >

日本電色 (株）製ヘイズメーター COH-300Aを用いて、プラスチックシートおよびスクリーンのヘイズおよび全光線透過率を測定した。

<プラスチックシートおよびスクリーンの半値角 >

(株)村上色彩技術研究所製ゴ-オフオトメーター GP— 5を用いて、プラスチックシートおよびスクリーンの半値角の測定を行った。

なお、半値角は、スクリーンゲインの一番高い数値、すなわちピークゲインが半分になる角度を表す。本測定において、レンチキュラーズレンズ成形前のスクリーンの半値角が 6〜10° であれば、視野角に優れたスクリーンが得られる。半値角が小さすぎると視野角が狭くなり、大きすぎると輝度が低下するので好ましくない。

くスクリーンのスペックル、ホットスポット、解像度 >

いずれも目視による官能評価を行った。スペックル、ホットスポットの場合、視認できないものを◎、ほとんど視認できないものを〇、若干視認できるものを△、はっきり視認できるものを Xとした。また、解像度の場合、投影された文字ににじみが見えないものを◎、ほとんどにじみが見えないものを〇、若干にじみが見えるものを△、かなりにじみぼやけるものを Xとした。

[0034] 実施例 1

本実施例のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの層構成を図 1に示す。層 11は、 MMA—スチレン共重合榭脂（A) (MMA64重量％、スチレン 36重量％からなる単量体混合物を共重合して得た、重量平均分子量 150,000のペレット、屈折率 1. 53) 100重量部、グレー染料 (F) 0. 7重量部、珪素含有微粒子 (E)として、屈折率 1. 43、平均粒径 2 mのシロキサン架橋微粒子 0. 6重量部および有機系架橋微粒子として、平均粒径 12 /ζ πι、屈折率 1. 55の ΜΜΑ—スチレン共重合体架橋微粒子 (Β) 8重量部からなって、る。

層 12は、 ΜΜΑ—スチレン共重合榭脂 (Α) 100重量部および有機系架橋微粒子として平均粒径 6 /ζ πι、屈折率 1. 55の ΜΜΑ—スチレン共重合体架橋微粒子（D) 0 . 1重量部からなる。

層 11と層 12とを、共押出成形により 2種 2層のプラスチックシートとして得た。このときの各層の厚みは層 11が 0. 2mm、層 12力 . 3mmであった。プラスチックシート全体において珪素含有微粒子 (E)は 0. 05重量％、染料 (F)は 0. 06重量％含まれていた。層構成、組成等について、まとめて表 1に示す。

得られたプラスチックシートの全光線透過率、半値角を測定した。評価結果を表 1 に示す。このプラスチックシートの層 11側表面にピッチ 100 μ mのレンチキュラーレンズ形状を、層 12側表面にフレネルレンズ形状を、それぞれ金型を使用して熱成形し、リアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとした。スペックル、ホットスポット、解像度の評価結果を表 2に示す。

実施例 2

本実施例のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの層構成を図 2に示す。

層 21は、 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部、実施例 1と同一のグレー染料 (F) 0. 8部、および有機系架橋微粒子として平均粒径 12 m、屈折率 1. 53の

MMA—スチレン共重合体架橋微粒子 (C) 16重量部からなる。

層 22は、グレー染料 (F) 0. 7重量部、 MMA—スチレン共重合榭脂（A) 100重量部、珪素含有微粒子 (E) 0. 6重量部、および有機系架橋微粒子 (B) 5. 6重量部からなる。

層 23は、 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部および有機系架橋微粒子（ D) 0. 3重量部からなる。

層 21、層 22と層 23とを、この順で共押出成形を行い 3種 3層の多層プラスチックシートとして得た。このときの各層の厚みは、層 21力 SO. lmm、層 22力 0. 2mm、層 23 が 2. 2mmであった。プラスチックシート全体において珪素含有微粒子（E)は 0.05 重量％、染料）は 0.06重量％含まれていた。

層構成、組成等について、まとめて表 1に示す。

ヘイズと全光線透過率、半値角を測定した。評価結果を表 2に示す。このプラスチックシートの層 21側表面にレンチキュラーレンズ形状を、層 23側表面にフレネルレンズ形状を、それぞれ金型を使用して熱成形しリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとした。評価結果を表 3に示す。

[0036] 実施例 3

本実施例のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの層構成を図 3に示す。層 31は、 MMA—スチレン共重合榭脂（A) 100重量部、グレー染料 (F) 0. 8部、および有機系架橋微粒子 (C) 16重量部からなる。

層 32は、 MMA—スチレン共重合榭脂（A) 100重量部、グレー染料 (F) 0. 04重量部、および有機系架橋微粒子 (D) 0. 3重量部からなる。

層 33は、 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部、珪素含有微粒子 (E)としてシロキサン架橋微粒子 0. 6重量部、および有機系架橋微粒子 (B) 5. 6重量部からなる。

層 31、層 32および層 33を、この順で共押出成形を行い 3種 3層の多層プラスチックシートとして得た。このときの各層の厚みは層 31が 0. lmm、層 32が 2. 2mm、層 3 3力 O. 2mmであった。プラスチックシート全体において珪素含有微粒子（E)は 0.05 重量％、染料）は 0.06重量％含まれていた。

層構成、組成等について、まとめて表 1に示す。

ヘイズと全光線透過率、半値角を測定した。結果を表 2に示す。このプラスチックシ一トの層 31側表面にレンチキュラーレンズ形状を、層 33側表面にフレネルレンズ形状を、それぞれ金型を使用して熱成形しリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとした。結果を表 3に示す。

[0037] 実施例 4

本実施例のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの層構成を図 4に示す。層 41、層 45は、 MMA—スチレン共重合榭脂（A) 100重量部、グレー染料 (F) 0. 8部、および有機系架橋微粒子 (C) 16重量部力なる。

層 42、層 44は、 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部、および有機系架橋微粒子 (D) 0. 3重量部からなる。

層 43は、 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部、珪素含有微粒子 (E)としてシロキサン架橋微粒子 0. 6重量部、および有機系架橋微粒子 (B) 5. 6重量部からなる。

層 41、層 42と層 43、層 44、層 45とを、この順で共押出成形で行い 3種 5層の多層プラスチックシートとして得た。このときの各層の厚みは層 41が 0. 1mm、層 42が 1. 05mm、層 43力 SO. 2mm、層 44力 1. 05mm、層 45力 0. 1mmであった。

層構成、組成等について、まとめて表 1に示す。

プラスチックシート全体において珪素含有微粒子 (E)は 0. 05重量％、染料 (F)は 0.06重量％含まれる。ヘイズと全光線透過率、半値角を測定した。結果を表 2に示す。このプラスチックシートの層 41側表面にレンチキュラーレンズ形状を、層 45側表面にフレネルレンズ形状を、それぞれ金型を使用して熱成形しリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとした。結果を表 3に示す。

[0038] 比較例 1

本比較例のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンの層構成を図 5に示す。 MMA—スチレン共重合榭脂 (A) 100重量部、および有機系架橋微粒子 (B) 0. 7 重量部からなる 2. 5mmのプラスチックシートを押し出し成形によって得た。層構成、組成等について、まとめて表 1に示す。

ヘイズと全光線透過率を測定した。結果を表 2に示す。このプラスチックシートの一方の表面にレンチキュラーレンズ形状を、もう一方の表面にフレネルレンズ形状を、それぞれ金型を使用して熱成形しリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンとした。結果を表 3に示す。

[0039] [表 1] 表 1

(注）

'榭脂 (A)： MMA—スチレン共重合榭脂（MMA64重量⁰ /₀、スチレン 36重量⁰ /₀からなる単量体混合物を共重合して得た、重量平均分子量 150,000のペレット、屈折率 1. 53)

'有機系架橋微粒子（B)：平均粒径 12 /z m、屈折率 1. 55の MMA—スチレン共重合体架橋微粒子

'有機系架橋微粒子（C)：平均粒径 12 /z m 屈折率 1. 53の MMA—スチレン共重合体架橋微粒子

'有機系架橋微粒子（D)：平均粒径 6 m、屈折率 1. 55の MMA—スチレン共重合体架橋微粒子

'珪素含有微粒子 (E)：屈折率 1. 43、平均粒径 2 z mのシロキサン架橋微粒子 '染料 (F)：グレー染料（曰本化薬株式会社製、 Kayaset Black A-H、アントラキノン系）

[0040] [表 2] 表 2

[0041] [表 3] 表 3

産業上の利用可能性

本発明の 2〜5層力なる特定の構成のプラスチックシートは、これをリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーンのシートに使用すると、スペックルゃホットスポットの発生の少な、高、解像度のスクリーンが得られる。

本発明のスクリーンは、リアプロジェクシヨンテレビへの利用のみならず大型リアプロジ工クタ一などにも適用可能である。要求されるスペックに応じ、本発明中の数種のスクリーンを適宜選択することが可能である。

Claims

請求の範囲

[1] メタクリル酸メチル-スチレン共重合榭脂、ポリメタクリル酸メチル (PMMA)、ポリスチレン、およびポリカーボネートからなる群力も選ばれる 1種以上の榭脂を主成分として、共押出により成形されてなり、かつ下記条件 (a)〜(f)を満たすことを特徴とする 2 〜5層構成のプラスチックシート。

(a)全ての層に有機系架橋微粒子が添加されて!、る

(c) 1つの層に珪素含有微粒子が添加されて!、る

(e)少なくとも 1つの層に染料が添加されて!、る

[2] 2層構成であって、第 1層に染料、珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に有機系架橋微粒子が添加されてヽることを特徴とする請求項 1記載のプラスチックシート。

[3] 3層構成であって、第 1層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に珪素含有微粒子、有機系架橋微粒子および染料が添加され、第 3層に有機系架橋微粒子が添加されていることを特徴とする請求項 1記載のプラスチックシート。

[4] 3層構成であって、第 1層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 2層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第 3層に珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加されていることを特徴とする請求項 1記載のプラスチックシート。

[5] 5層構成であって、第 1層と第 5層に染料および有機系架橋微粒子が添加され、第

2層と第 4層に有機系架橋微粒子が添加され、第 3層に珪素含有微粒子および有機系架橋微粒子が添加されていることを特徴とする請求項 1記載のプラスチックシート。

[6] 請求項 1記載のプラスチックシートの一方の最外層表面に熱成形を行ってレンチキユラ一レンズ形状を付与し、他方の最外層表面にフレネルレンズ形状を付与したことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン。

[7] 請求項 1記載のプラスチックシートの一方の最外層表面にレンチキュラーレンズフィルムを貼り合せし、他方の最外層表面に uv硬化型榭脂を表面に塗布し金型に押しつけ硬化することによってフレネルレンズ形状を付与したことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン。

[8] 請求項 1記載のプラスチックシートの一方の最外層表面にレンチキュラーレンズフィルムを貼り合せし、他方の最外層表面にフレネルレンズフィルムを貼り合せしたことを特徴とするリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン。

[9] 観察者側の表面にマット調形状を付与してなることを特徴とする請求項 6〜8のヽずれかに記載のリアプロジェクシヨンテレビ用スクリーン。