JP3879284B2 - 表面処理を施された樹脂板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ディスプレイ等の光学部材の保護の目的で使用される樹脂板に係わり、具体的には液晶表示装置、CRT 表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置等、各種表示装置の画面を保護し、さらに反射防止、防汚、帯電防止効果に優れた表面処理を施された樹脂板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶表示装置、CRT 表示装置、その他商業用のディスプレイ等の光学部材の表面を保護するために、光学部材の前面に、透明性樹脂板が使用される場合が多い。
その透明性樹脂板の表面を反射防止、防汚、帯電防止等の処理が施されている。一般的に、上記機能の有する層を、表面に直接コーティングする方法が知られている。この方法は、基材の樹脂板の表面が微細な凹凸を有する場合は、コーティング被膜が基材の微細な凹凸に追従してしまい鏡面の被膜が得られない。平滑な表面を有する被膜を得ようとすると、被膜の厚さを厚くする必要がある。この場合、被膜に光拡散剤等を混入してマットな表面を得ようとすると拡散剤の粒径が大きいものを使用するか、または拡散剤の混入量を多くする必要があり、光透過率の低下を招き、光量損失の問題が生じる。また、大面積の基材に精度良く、均一に塗布する塗布装置はおおがかりな装置となり製造上、コストアップの要因になっていた。
また、フィルム状基材に、上記と同様のコーティング方法によって、機能を有する層を形成した後、粘着剤等を介して、透明性樹脂板の表面に積層するラミネート方法が採用されていた。従来、上記の機能を有する層に拡散剤を混入する場合が多く、表面が拡散剤のために灰色を呈し、コントラストの低下を招いていた。また、この方法は粘着剤を使用するために、表面硬度が低下し、表面に部分的な圧力が加わると表面が凹状に変形する。さらに、製造工程、粘着剤を使用する等の点から表面処理を施された樹脂板は必然的にコスト高になってしまう。
一例として透過型スクリーン等のデスプレイの大型化に伴って、大型光学部品に対応できる大面積の表面処理を施された樹脂板を製造しようとする場合、従来のコーティング方法やラミネート方法では、製造上、コストアップの要因になっていた。
以上のような背景から、近年、大面積の加工が容易で、生産性に優れた低コストの樹脂板が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液晶表示装置、CRT 表示装置、その他商業用のディスプレイ等の光学部材の前面に使用される、反射防止、防汚、帯電防止効果を有する優れ、かつ大面積の加工が容易で、生産性に優れ、安価に製造できる表面処理を施された樹脂板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の基材に直接塗布法またはラミネート法とは異なる、転写法に着目して、発明がなされたもので、上記目的は、以下の本発明によって達せられる。
すなわち、請求項1記載の発明は、
(a)樹脂基材の一方の面に紫外線硬化型樹脂層を塗布してなる樹脂板を作製する工程と、
(b)フィルム基材上に転写層を形成してなる転写シートを作製する工程と、
(c)上記工程(a)で作製された樹脂板の紫外線硬化型樹脂層と上記工程(b)で作製された転写シートの転写層とを一定の圧力を加えて重ね合わせ、前記転写シートの基材側から、紫外線を照射して、前記樹脂層を硬化せしめると同時に該樹脂層を介して樹脂板と転写シートを積層する工程と、
(d)前記転写シートを剥離する工程と、
から製造されたことを特徴とする表面処理を施こされた樹脂板である。
【0005】
請求項2記載の発明は、
請求項1の表面処理を施された樹脂板において、前記樹脂板は、樹脂基材面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって転写されてできる表面処理層の表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、
請求項1記載の表面処理を施された樹脂板において、前記樹脂板は、樹脂基材面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって微細な凹凸形状が転写されてできる表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至3記載の何れかの表面処理を施こされた樹脂板において、前記紫外線硬化型樹脂層は、ハードコート層であることを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、
請求項1又は2記載の樹脂板において、前記転写シートは、フィルム基材の一方の面に、順次、離型層、表面処理層を積層されており、該表面処理層を転写することを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の発明は、
請求項1又は3記載の表面処理を施された樹脂板において、前記転写シートは、フィルム基材の表面に微細な凹凸形状を施されており、該形状を転写層とすることを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至6記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、
請求項1乃至6記載の表面処理を施された樹脂板において、前記樹脂基材は、一方の面に光拡散層が施されているか、もしくは光拡散剤が混入されていることを特徴とする。
【0012】
請求項9記載の発明は、
請求項1乃至6及び8記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記樹脂基材は、着色されていることを特徴とする。
【0013】
請求項10記載の発明は、
請求項1乃至9記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記フィルム基材は、透明であることを特徴とする。
【0014】
請求項11記載の発明は、
請求項1乃至9記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記フィルム基材は、マット剤が混入されて、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項12記載の発明は、
請求項1乃至11記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記フィルム基材は、エンボスによって、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項13記載の発明は、
請求項1及び3乃至12記載の何れかの面処理を施された樹脂板において、前記剥離層が、エポキシメラミン樹脂、アクリルアミン樹脂の何れかの単体、もしくは混合樹脂を主成分とする樹脂からなることを特徴とする。
【0017】
請求項14記載の発明は、
請求項1及び3乃至13記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記離型層は、粒子径が0.1乃至10μmであり、真球状かつ多孔質のマット剤が混入されていることを特徴とする。
【0018】
請求項15記載の発明は、
請求項1及び3乃至14記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記離型層は、マット剤が0.1乃至10%の添加されていることを特徴とする。
【0019】
請求項16記載の発明は、
請求項1及び3乃至15記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記離型層が、エンボス法によって表面に微細の凹凸が施されていることを特徴とする。
【0020】
請求項17記載の発明は、
請求項1及び3乃至15記載の何れかの表面処理を施された樹脂板において、前記離型層が、柄印刷法によって表面に微細の凹凸が施されていることを特徴とする。
【0022】
請求項18記載の発明は、
帯電防止機能を有する表面処理層が、紫外線硬化型樹脂に金属酸化物微粉末が混入されてなる帯電防止層であることを特徴とする。
【0023】
請求項19記載の発明は、
紫外線硬化型樹脂層に帯電防止剤が添加されていることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施の態様について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、光学部品の一例としてフレネルレンズ1と観察側にブラックストライプ遮光層4を形成したレンチキュラーレンズ2との光学部材からなる透過型プロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーン3の観察側の前面に、本発明の樹脂板10を、樹脂基材16の一方の面に紫外線硬化型樹脂層17を介して表面処理を施した面18を最前面に位置するように配設した斜視図である。
図2は、従来の光学部品の前面保護等に使用されていた樹脂板の構成の断面図である。
(a)は、樹脂基材26の表面に、コーティング方法によって、直接、表面処理層28を設けて表面処理を施された樹脂板20である。(b)は、フィルム基材32の表面に、コーティング方法によって、直接、基材面に表面処理層38を設けて、一方基材の他方の面に粘着加工を施したフィルムを粘着剤33を介して樹脂基材36にラミネート方法によって積層した表面処理を施された樹脂板30である。
【0025】
図3は、本発明の表面処理を施した樹脂板の構成を示す断面図である。
(a)は、樹脂基材46の表面に、紫外線硬化型樹脂層47を塗布形成した該樹脂層の表面に転写シート(図示せず)から転写された表面処理層48を形成してなる表面処理を施した樹脂板40の例である。
(b)は、拡散剤55を混入した樹脂基材56の一方の表面に、紫外線硬化型樹脂層57を塗布形成した該樹脂層の表面に転写シート(図示せず)から転写された表面処理層58を形成してなる表面処理を施した樹脂板50の例である。
(c)は、拡散剤65を混入した拡散層64を片面に形成した樹脂基材66の表面に、紫外線硬化型樹脂層67を塗布形成した該樹脂層の表面に転写シート(図示せず)から転写された表面処理層68を形成してなる表面処理を施した樹脂板60の例である。
本発明の表面処理を施した上記の構成樹脂板は、同図に示す樹脂基材46、56、66面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって転写されてできる表面処理層の表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする。
【0026】
図4は、本発明の他の例の表面処理を施した樹脂板の構成を示す断面図である。
樹脂基材の一例として透明樹脂基材76の表面に、紫外線硬化型樹脂層77を塗布形成した該樹脂層の表面に転写シート(図示せず)から微細な凹凸形状73が転写されてなる表面処理を施した樹脂板70である。樹脂基材としては、一方の面に光拡散層が施されているか、もしくは光拡散剤が混入されている樹脂基材を使用してもよい。
本発明の表面処理を施した上記の構成樹脂板は、前記の紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって転写されてできる表面処理層の光学特性と同様、同図に示す樹脂基材76面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって転写されてできる表面処理層の表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする。何れの場合も、光線透過率が50%以上、望ましくは80%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層78上に表面に転写シート(図示せず)から転写された表面処理層68及び転写シートによって微細な凹凸形状が転写されてできるの表面73の拡散光反射率が、1.0〜10.0の範囲であるが、好ましくは1.0〜6.0の範囲であることが望ましい。光線透過率が50%より小さく、かつ拡散光反射率が、1.0より小さく、10.0より大きと画像のコントラストや明るさが低下して実用上問題となる。
【0027】
上記の本発明の樹脂板を図5に基づいて以下に詳細に説明する。
図5(a)…樹脂基材の一方の面に紫外線硬化型樹脂層を塗布した樹脂板を作製する工程。
本発明で使用される樹脂基材86は、アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の透明樹脂板が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、樹脂基材の表面に微細な凹凸があるような場合でも、後に述べるような、本発明の転写によって表面処理層を設ける方法であるために問題無く使用することができる特徴がある。
【0028】
また、本発明の樹脂基材86は、一方の面に光拡散層が施されているか、もしくは光拡散剤が混入(図示せず)されていることを特徴とする。
本発明で使用される拡散剤は、粉末ガラス、ガラスビーズ、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機粉末または架橋重合体樹脂微粒子等の樹脂粉末等挙げることができるが、微粉末シリカが光拡散性の点から望ましい。
光拡散層を形成する場合は、上記拡散剤とバインダーから塗料を樹脂基材表面にコーティングして光拡散層を形成すればよい。また、樹脂基材に混入する場合は、樹脂基材を溶融状態で拡散材を混入分散させて成形する。拡散材の添加量は、目的に応じて適宜選択できる。
【0029】
また、本発明の樹脂基材86は、着色されていることを特徴とする。
光吸収スペクトルが可視波長領域においてほぼ一様な黒色の材料、または選択波長特性を有する可視光吸収材料を含ませるか、または染色して外光コントラストを改善することができる。
【0030】
また、紫外線硬化型樹脂層87を構成する本発明で使用される紫外線硬化型樹脂樹脂は、紫外線硬化型塗料から形成する。
紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。
【0031】
本発明の紫外線硬化型樹脂層87は、ハードコート層であるであることを特徴とする。
本発明に好ましいものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
【0032】
樹脂基材86の一方の面に紫外線硬化型樹脂層87を塗布する方法は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等の任意の塗布方法により上記の拡散層上に塗布されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、リバースロールコーティング、オフセットグラビアコーティング方法等が好適である。
【0033】
図5(b)…フィルム基材からなる転写シートを作製する工程。
本発明の転写シート90は、フィルム基材96の一方の面に、順次、離型層94、表面処理層98が積層されており、該表面処理層98を転写することを特徴とする。上記フィルム基材96の表面に設ける離型層94は、その上に設ける表面処理層98に対する接着性が基材に対する接着性より小さい樹脂からなり、10乃至100μm程度の厚みが特に好ましい。
【0034】
また、本発明の転写シート90は、フィルム基材96の表面に微細な凹凸形状を施されており、該形状を転写することを特徴とする。
基材96の表面に微細な凹凸形状を形成する方法として、基材96にマット剤を混入する。混入するマット剤は、既に述べた拡散剤を使用することができ、粉末ガラス、ガラスビーズ、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機粉末または架橋重合体樹脂微粒子等の樹脂粉末等挙げることができる。上記フィルム基材96を溶融熱成形する際にこれらの無機粉末または架橋重合体樹脂微粒子等の樹脂粉末等を混入すればよい。
上記転写シートによって、微細な凹凸形状が転写されて形成される表面の拡散光反射率が、所望の値が得られるようにマット剤微粒子の粒径、添加量等を適宜決定すればよい。
また、基材の表面に微細な凹凸形状を形成する方法として、上記フィルム基材にエンボスによって、表面に微細な凹凸形状を形成する方法が挙げられる。すなわち、加熱によって溶融軟化せしめたフィルム基材の表面に、別工程で用意された微細な凹凸形状を有するエンボス型を使用して形状を転写して、基材を冷却することによって得られる。当然ながら、エンボスによって、表面に微細な凹凸形状を形成する場合のフィルム基材は、上記で列挙した基材のうちから、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性の基材が選択される。上記転写シートによって、微細な凹凸形状が転写されて形成される表面の拡散光反射率が、所望の値が得られるようにエンボス型の微細な凹凸形状を適宜調節したものを使用すればよい。
さらに、基材の表面に微細な凹凸形状を形成する方法として、柄印刷法により微細な凹凸パターンを基材の表面に印刷することによって凹凸形状を形成することもできる。
【0035】
本発明で使用される転写シート90のフィルム基材96は、従来公知の何れの基材でもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニルリデンフィルム、エチレン/ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルムポリアミドフィルム等の透明プラスチックフィルムが挙げられる。
【0036】
また、本発明で使用されるフィルム基材96は、マット剤が混入されて、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明で使用されるフィルム基材96は、エンボスによって、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする。
【0038】
前記離型層94は、エポキシメラミン樹脂、アクリルアミン樹脂の何れかの単体、もしくは混合樹脂を主成分とする樹脂からなることを特徴とする。離型層の厚みも重要であり、2μm以下、好ましくは0.1乃至1.0μmの厚みが望ましい。
【0039】
上記樹脂からなる離型層94を形成するには、上記樹脂の水分散体又は有機溶剤溶液を調整し、この塗工液を、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロール、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等、任意の塗布方法により上記基上に塗布し乾燥することによって形成される。
【0040】
前記離型層94は、粒子径が0.1乃至10μmであり、真球状かつ多孔質のマット剤が混入されていることを特徴とする。
また、前記離型層94は、マット剤が0.1乃至10%の添加されていることを特徴とする。
粒子径が10μmより大きと、画像のコントラスト、明るさが低下する。また、マット剤の添加量が、10%より多い添加量では、混入されたマット剤の脱落、混入時の分散不良、また0.1%より少ない添加量では、マット不足となる等の問題が発生する。
紫外線硬化型樹脂層上に上記離型層を有する転写シートによって転写されてできる表面処理層の表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0の範囲、望ましくは1.0〜6.0を満たすことができる。
【0041】
前記離型層94が、エンボス法によって表面に微細の凹凸が施されていることを特徴とする。
離型層94の表面に微細な凹凸形状を形成する方法として、にエンボスによって、離型層表面に微細な凹凸形状を形成する方法が挙げられる。すなわち、加熱によって溶融軟化せしめたの離型層表面に、別工程で用意された微細な凹凸形状を有するエンボス型を使用して形状を転写して、冷却することによって得られる。微細な凹凸形状が転写されて形成される表面の拡散光反射率が、所望の値が得られるようにエンボス型の微細な凹凸形状を適宜調節したものを使用すればよい。
【0042】
図5(c)…上記工程(a)で作製された樹脂板80の紫外線硬化型樹脂層87と上記工程(b)で作製された転写シート90の転写層98とを加圧ロールB、B′を通して一定の圧力を加えて重ね合わせ、前記転写シート90の基材側96から、光源Aより紫外線を照射して、前記樹脂層87を硬化せしめると同時に該樹脂層87を介して樹脂板80と転写シート90を積層する工程。
【0043】
図5(d)…転写シートを剥離する工程。
上記フィルム基材96の表面に設ける離型層94は、その上に設ける表面処理層98に対する接着性が基材に対する接着性より小さい樹脂からなるため、転写シート90を離型層94と表面処理層98の界面で剥離することができ、剥離後樹脂基材86上に接着した前記樹脂層87の表面に転写シートから転写されてできる表面処理層98を設けたことを特徴とする表面処理を施された本発明の樹脂板110が得られる。
【0044】
本発明の表面処理を施された樹脂板において、前記表面処理層98が、反射防止、防汚、帯電防止の機能を有する何れかの層又は何れか2種以上の機能を複合してなる層であることを特徴とする。
【0045】
前記離型層94には、粒子径が0.1乃至10μmであり、かつ多孔質のマット剤が0.1乃至10%の添加されているために、離型層の表面が微細な凹凸が形成されており、転写シートから転写された表面処理層の表面に、離型層表面の微細な凹凸が転写され、表面がマット状となり、前記表面処理層が、反射防止機能を有し、外光の写り込みを防止できる。
【0046】
表面処理層98を形成する樹脂成分として、シリコーン、ポリエステル、フッ素系樹脂等の離型性樹脂を主成分樹脂を使用することによって、前記表面処理層が、防汚機能を有する。
【0047】
表面処理層98を形成する樹脂成分に帯電防止剤を添加することによって、前記表面処理層が、帯電防止機能を有する。特に、帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものではない。
【0048】
前記表面処理層98が、紫外線硬化型樹脂に金属酸化物微粉末が混入されてなる帯電防止層であることを特徴とする。
表面処理層を形成する樹脂成分に金属酸化物微粉末として、一例として粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2 )を用い、表面抵抗値が1010Ω以下となるような帯電防止層を設ける。本発明において、帯電防止層の表面抵抗値が1010Ω以下であれば、特に金属酸化物微粉末を限定するものではない。
【0049】
また、本発明は、紫外線硬化型樹脂層87に帯電防止剤が添加されていることを特徴とし、同様の帯電防止効果が得られる。特に、帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものではない。
【0050】
さらに、本発明の表面処理を施された樹脂板において、紫外線硬化型樹脂層87や表面処理層98に光拡散剤を混入しない構成であるため、コントラストが高い、光量損失の少ない光透過率の大きい樹脂板が得られる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、液晶表示装置、CRT 表示装置、その他商業用のディスプレイ等の光学部材の前面に使用される、反射防止、防汚、帯電防止効果を有する優れ、かつ大面積の加工が容易で、生産性に優れ、安価に製造できる、特に大型の表面処理を施された樹脂板を提供することをができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学部品の一例として透過型スクリーンの観察側の前面に、本発明の表面処理を施された樹脂板を配設した斜視図である。
【図2】光学部品の前面保護等に使用されていた従来の樹脂板の構成の断面図である。
【図3】本発明の表面処理を施した樹脂板の構成を示した断面図である。
【図4】本発明の表面処理を施した樹脂板の他の例の構成を示した断面図である。
【図5】本発明の表面処理を施した樹脂板の製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1…フレネルレンズ
2…レンチキュラーレンズ
3…透過型スクリーン
4…ブラックストライプ遮光層
10、40、50、60、70、80、110…本発明の表面処理を施した樹脂板
16、26、36、46、56、66、76、86…樹脂基材
17、47、57、67、77、87…紫外線硬化型樹脂層
18、28、38、48、58、68、98…表面処理層
20、30…従来の光学部品前面保護樹脂板
31…粘着加工を施された表面処理層を形成したフィルム
32、96…フィルム基材
33…粘着剤層
55、65…拡散剤
73…微細な凹凸形状
90…転写シート
94…離型層
100…転写シートの剥離部
A…光源
B…加圧ロール
B′…加圧ロール

Claims (19)

  1. (a)樹脂基材の一方の面に紫外線硬化型樹脂層を塗布してなる樹脂板を作製する工程と、
    (b)フィルム基材上に、反射防止,防汚,帯電防止から選択される少なくとも1種以上の機能を有する表面処理層となる転写層を形成してなる転写シートを作製する工程と、
    (c)上記工程(a)で作製された樹脂板の紫外線硬化型樹脂層と上記工程(b)で作製された転写シートの転写層とを一定の圧力を加えて重ね合わせ、前記転写シートの基材側から、紫外線を照射して、前記樹脂層を硬化せしめると同時に該樹脂層を介して樹脂板と転写シートを積層する工程と、
    (d)前記転写シートを剥離し、転写層を樹脂板側に転移する工程と、
    から製造されたことを特徴とする表面処理を施こされた樹脂板。
  2. 前記樹脂板は、樹脂基材面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって転写されてできる表面処理層の表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする請求項1の表面処理を施された樹脂板。
  3. 前記樹脂板は、樹脂基材面からの光線透過率が50%以上であり、かつ紫外線硬化型樹脂層上に転写シートによって微細な凹凸形状が転写されてできる表面の拡散光反射率が、1.0〜10.0であることを特徴とする請求項1記載の表面処理を施された樹脂板。
  4. 前記紫外線硬化型樹脂層は、ハードコート層であるであることを特徴とする請求項1乃至3記載の何れかの表面処理を施こされた樹脂板。
  5. 前記転写シートは、フィルム基材の一方の面に、順次、離型層、表面処理層を積層されており、該表面処理層を転写することを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂板。
  6. 前記転写シートは、フィルム基材の表面に微細な凹凸形状を施されており、該形状を転写とすることを特徴とする請求項1又は3記載の表面処理を施された樹脂板。
  7. 前記樹脂基材は、透明であることを特徴とする請求項1乃至6記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  8. 前記樹脂基材は、一方の面に光拡散層が施されているか、もしくは光拡散剤が混入されていることを特徴とする請求項1乃至6記載の表面処理を施された樹脂板。
  9. 前記樹脂基材は、着色されていることを特徴とする請求項1乃至6及び8記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  10. 前記フィルム基材は、透明であることを特徴とする請求項1乃至9記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  11. 前記フィルム基材は、マット剤が混入されて、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする請求項1乃至9記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  12. 前記フィルム基材は、エンボスによって、表面が微細な凹凸形状を有していることを特徴とする請求項1乃至11記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  13. 前記離型層が、エポキシメラミン樹脂、アクリルアミン樹脂の何れかの単体、もしくは混合樹脂を主成分とする樹脂からなることを特徴とする請求項1及び3乃至12記載の何れかの面処理を施された樹脂板。
  14. 前記離型層は、粒子径が0.1乃至10μmであり、真球状かつ多孔質のマット剤が混入されていることを特徴とする請求項1及び3乃至13記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  15. 前記離型層は、マット剤が0.1乃至10%の添加されていることを特徴とする請求項1及び3乃至14記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  16. 前記離型層が、エンボス法によって表面に微細の凹凸が施されていることを特徴とする請求項1及び3乃至15記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  17. 前記離型層が、柄印刷法によって表面に微細の凹凸が施されていることを特徴とする請求項1及び3乃至15記載の何れかの表面処理を施された樹脂板。
  18. 帯電防止機能を有する表面処理層が、紫外線硬化型樹脂に金属酸化物微粉末が混入されてなる帯電防止層であることを特徴とする請求項1記載の表面処理を施された樹脂板。
  19. 紫外線硬化型樹脂層に帯電防止剤が添加されていることを特徴とする表面処理を施された請求項1記載の樹脂板。
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