JP2004348156A - 防眩性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ワープロ、コンピュータ、テレビ、車載用計器盤等の各種ディスプレイの表面に用いられる防眩フィルムの光学特性を向上させ、より見やすい表面画面とすることに向けられたものである。
【解決手段】 透明フィルムと、前記透明フィルム上に設けられた、全光線透過率85%以上、ヘイズ度3.0〜35%、60度光沢度90%以下の光学特性を有しかつ表面中心線平均粗さ0.05〜0.6μm、表面凹凸間ピッチが5〜200μmの表面粗さである電離放射線硬化型樹脂層とからなる、ディスプレイ用防眩性フィルムであって、
表面に凹凸形状を設けることによりマット化してなる賦型基材の凹凸面に所望により樹脂を塗布することにより、所望の凹凸形状が形成されてなる表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜10μmである賦型材を用意し、この賦型材を用いて、前記透明フィルム上に形成した電離放射線硬化性樹脂層に凹凸形状を賦型することにより得られた、ディスプレイ用防眩性フィルムに関するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ワープロ、コンピュータ、テレビ、車載用計器盤等の各種ディスプレイ等、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等画面後方に光源があるタイプの、特に高精細ディスプレイの表面に用いられる耐擦傷性防眩性フィルムに関するものである。
ディスプレイの表面に使用するフィルムとしては、ディスプレイの最外面に位置するため、直接手で触れられたり、合成洗剤をはじめ、種々の薬品で拭かれたり、また日光に曝されることもあるので、基材フィルムに、耐擦傷性、耐薬品性、耐候性等を付与するために特定のコーディングが施される。更に、ディスプレイに表示された画面を見易くするために、防眩性をはじめその他の要求性能を充たすべく、次のような各種の、加工ないし処理が行われている。
例えば、特開昭59−151110号に開示されているように、表面に凹凸形状を形成したりハードコートにマット剤を混入することによって防眩効果を付与することが知られている。これらの方法では、ヘイズ度を上げることによって、60度光沢度を低下させることができるが、逆にこの方法では全光線透過率や画面解像度が低下することがある。
また、TET用カラーディスプレイに使用するため、高精度、高ヘイズ、低グロスの防眩効果を付与することを目的として、防眩性フィルム中に微粉末の光拡散剤を多量に添加する方法が提案されている。しかしながら、光拡散剤の添加量が増大すると、コーティング適性の低下を招き、このためコート面にスジが発生し、歩留まりが低下するという問題がある。さらに、このような防眩性フィルムを偏光板に適用した場合にあっては、偏光板の品質が低下するという問題もある。
特開昭59−151110号
本発明は、ディスプレイ面の画像を見る場合に、眩しさを感ずることなく、表示された文字、その他の画像の解像度がよく、コントラストもはっきりとした状態となるような、防眩性フィルムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明による防眩性フィルムは、透明フィルムと、前記透明フィルム上に設けられた、全光線透過率85%以上、ヘイズ度3.0〜35%、60度光沢度90%以下の光学特性を有し、かつ、表面中心線平均粗さ0.05〜0.6μm、表面凹凸間ピッチが5〜200μmの表面粗さである電離放射線硬化型樹脂層とからなることを特徴としている。
本発明による防眩性フィルムは、透明フィルムと、前記透明フィルム上に設けられた、全光線透過率85%以上、ヘイズ度3.0〜35%、60度光沢度90%以下の光学特性を有し、かつ、表面中心線平均粗さ0.05〜0.6μm、表面凹凸間ピッチが5〜200μmの表面粗さである電離放射線硬化型樹脂層とからなることを特徴としている。
全光線透過率は、高ければ高い程ディスプレイは明るくなり良好であるが、本発明においては、85%以上であれば、実用上、問題なく使用できることを見出した。
ヘイズ度は3.0〜35%の範囲にあることが良好な画面を得るために必要である。ヘイズ度が前記範囲の上限値を超えると、ディスプレイ画面は白っぽく見え、反対に下限値未満では光沢度が上昇し、防眩効果はいきおい低下する。
60度光沢度は、外部から画面に入射する光の反射によって定義される値であり、この値が90%を超えると、眩しさが増大し、本発明の目的に合致しないものとなる。
なお、前記表面凹凸間ピッチ及び表面粗さの数値範囲は、上記全光線透過率、ヘイズ度及び60度光沢度の適性物性を得るための本発明における必要条件となるものである。
なお、上記の60度光沢度は、JIS Z8741に規定された方法に基づいて測定することができ、第2図に示すように、凹凸表面2に入射角60度で光P0 をあて、反射した光P1 の受光率を%で表した値である。一方、全光線透過率は、JIS K6714に規定された方法に基づいて測定することができ、第2図に示すように、反射した光Q0 に対して透過した光Q1 の受光率を%で表した値である。
また、本発明においては、特に高精細用ディスプレイに好適な防眩性フィルムとしては、上記表面特性の内、表面中心平均粗さを0.05〜0.4μmの範囲に制御することが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜0.25の範囲である。ここで、「高精細」とは、単位面積当りの画素数が増加したもの、たとえば、対角26cmパネルにおいて、640×480画素がさらに800×600画素に増加したものをいう。
透明フィルムとしては、例えば、偏光板用には、主にTAC(トリアセチルセルロースフィルム)であって厚さ80μm程度のものが多く使用されるが、その他公知の透明プラスチックフィルムから適宜選択して用いることができる。前記透明プラスチックフィルムとしては、次のようなものがある。ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニールフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム等である。
ハードコート層を形成するための、樹脂としては、多く使われているのは、アクリルウレタン系の電離放射線硬化型樹脂等であり、UV・EBで硬化する性質のある樹脂であって、TACと接着し、耐久性のあるものを選定する。
高Hazeの反射防止フィルムを製造しようとする場合に用いる光拡散剤としては、0.5〜5μmのシリカビーズやアクリルビーズが主に使用される。光拡散剤を全く含まない透明樹脂であると、全てを光拡散剤により光学機能を与えるものが、白っぽく見えるのに比し、逆に光のギラギラの生じる場合もあり、これを防ぐため、コーティング適性を失わない程度に光拡散剤を混入することが望ましい。また、光拡散剤を電離放射線硬化型樹脂に混練するに際し、該光拡散剤を有機樹脂中で練ることにより光拡散剤表面をコーティング処理して、透明性確保と、濡れ適性の確保を行う。
前記有機コーティング処理された光拡散剤を、前記電離放射線硬化型樹脂中に、分散させるが、その含有量は、前記電離放射線硬化型樹脂120部に対し、前記光拡散剤を10重量部以下が良い。
更に、この光拡散剤として、良好な性質を示すのは、その粒度を、限定することも有効であり、有機コーティング処理されたシリカビーズで、その粒度が、0.5〜5μmのものが、優れた効果を示した。
本発明において、用いられる電離放射線硬化型樹脂は、いわゆる、UV・EB等といわれる電離放射線により硬化する樹脂であれば、特に限定されるものではない。光増感剤と共に使用される紫外線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂等である。
例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマーあるいはプレポリマーを反応させ、得られた生成物に、水酸基を有するアクリレート又はメタクリレート系のモノマーを反応させることによって得られる。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン誘導体、アントラキノン誘導体等を単独で、あるいは併用して用いることができる。
この電離放射線硬化型樹脂には、更に皮膜形成を、より良くさせる成分例えばアクリル系樹脂等を適宜選択配合することがある。その他、粘度調整剤、溶剤等を配合し、コート液とする。
上述したような、電離放射線硬化型樹脂を主成分とする液組成物を、基材フィルム上に、製膜するための、電離放射線硬化型樹脂のコーティング手段としては、ロールコート、リバースコート、グラビアコート、スロットオリフィスコート等の一般的な塗工方法により、実施できる。
コート量は、溶媒を除去した後の塗布量で、1〜20g/m2 、好ましくは5〜15g/m2 である。
次に、本発明の工程について述べる。前記透明フィルムに電離放射線硬化型樹脂を主成分とする前記コート液を、塗工し、溶剤を乾燥後、柔軟性を有し、かつ少なくとも、その片面に微細な凹凸をもつ賦型フィルムを、前記乾燥したコート面に、凹凸面を重ね合わせて、透明フィルムを通して、又は賦型フィルムを通して、紫外線を照射し、前記電離放射線硬化型樹脂を硬化させた後、この賦型フィルムを剥離し、凹凸をコート層表面に転移させる。
上記のコート液は、前記賦型フィルムの凹凸面に塗工してもよく、前記同様コート液の溶剤を乾燥後に、透明フィルムを重ね合わせ、以下紫外線硬化、賦型フィルムの剥離は、前記と同じ手順で行う。
かくして得られたフィルムは、耐擦傷性防眩フィルムとしての性能は、次のような物性値の範囲内となり、実用上、極めて有用なものである。
また、本発明においては、電離放射線硬化型樹脂層の表面にさらに金属化合物からなる反射防止層を形成することによって防眩性フィルムの光学特性を一層すぐれたものにすることもできる。このような反射防止層としては、たとえば、Al、ZnOおよびMgFなどの金属化合物の蒸着層が用いられ得る。たとえば、Al約1400オングストローム、ZnO約2800オングストローム、MgF1400オングストロームの蒸着層を順次設けることにより反射防止層を設けることもできる。
賦型フィルムの利用
次に、上記の本発明を得るに際して、フィルム表面を所望状態にするための他の実施態様について説明する。
すなわち、この態様においては、賦型フィルムに樹脂を一層コーティングすることにより賦型フィルムの表面を所望の凹凸形状とし、これにより、ヘイズやグロスが低く、防眩効果の高い耐擦傷性、耐薬品性に優れた防眩フィルムを得ることができる。
すなわち、この方法においては、フィルム表面に凹凸形状を設けたマット化フィルムに樹脂を塗布し、フィルム表面を所望の凹凸形状に改良した賦型フィルムとし、該賦型フィルムを用いて、基材フィルムに形成した電離放射線硬化性樹脂層に凹凸形状を賦型し、基材フィルム表面に凹凸形状を形成するものである。
さらに別の態様においては、フィルム表面に凹凸形状を設けたマット化フィルムに、樹脂を塗布してフィルム表面を所望の凹凸形状に改良した後、該賦型フィルムを電離放射線硬化性樹脂を塗布した基材フィルムの電離放射線硬化型樹脂塗布面に積層し、該積層フィルムの賦型シート側或いは基材側から電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させた後、賦型フィルムを剥離して所定の防眩性フィルムを得ることができる。
次に、上記製造方法において、前記樹脂を塗布した賦型フィルムが、マット化フィルムに透明樹脂又は粒径0.5〜10μmの微粒子を添加した樹脂をコーティングして凹凸形状を形成した賦型フィルムであり、電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂であり、電離放射線が紫外線であってもよい。
更に、前記賦型フィルムの表面粗度は中心線平均粗さ(Ra)で、0.1〜10μmであることが好ましい。
そして、上記の製造方法において、賦型フィルムを剥離後に、再度電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させて、耐擦傷性や耐薬品性を高めた防眩性フィルムとすることができる。
上記の方法によれば、マット化した賦型フィルム基材に樹脂を一層コーティングすることにより賦型フィルムの表面を所望の凹凸形状とすることができ、そのため、ヘイズやグロスが低く、防眩効果の高い耐擦傷性、耐薬品性に優れた防眩フィルムを製造することができる。
図3は賦型フィルムを使用して製造された防眩フィルムの一例を示す模式断面図である。
図4Aはマット化した賦型フィルム基材の断面図であり、図4Bはマット化した賦型フィルム基材にコーティング樹脂層を設けた賦型フィルムの断面図である。
図5A〜5Dはコーティング樹脂層を設けた賦型フィルムを用いて防眩性フィルムを製造するときの説明図である。
図6Aはマット化した賦型フィルム基材に微細シリカを添加した樹脂をコーティングして作製した賦型フィルムの断面図であり、図6Bは図6Aの賦型フィルムを用いて作製した防眩フィルムの断面図である。
以下、本発明の防眩フィルムを製造する場合の一例を示す。
先ず、図4Aに示すように、ポリエチレンテレフタレート(以下PETとする)フィルム等の寸法安定性のよいフィルムを用いて、これにエンボス加工、サンドブラスト法等により凹凸形状を形成して、マット化した賦型フィルム基材を作る。
次に、図4Bに示すように、賦型フィルム基材11の凹凸形状の形成面に、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂をコーティングして、コーティング樹脂層12を形成し、凹凸形状の粗さを調整して、所望の表面粗さを有する賦型フィルム20を得る。
前記賦型フィルムを使用して防眩フィルムを作る場合、防眩フィルムの基材14として、トリアセチルセルロースフィルム等の透明で耐熱性があり寸法安定性のよいフィルムを用いて、この賦型フィルム基材14に電離放射線硬化性樹脂をコーティングして、図5Bに示すように、硬化前の電離放射線硬化性樹脂層13aを形成する。次に、前記フィルムの硬化前の電離放射線硬化性樹脂層13aの上に、前記賦型フィルム20の凹凸形状面を重ね合わせて図5Cのようにして、電離放射線硬化性樹脂層に凹凸形状を賦型する。前記積層シートの賦型フィルム側から電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂層を硬化させる。
電離放射線硬化性樹脂層が十分硬化後に、図5Bに示すように、積層シートから賦型フィルムを剥離して基材フィルムの表面に凹凸形状を設けた防眩フィルム10を作製する。
なお、電離放射線硬化性樹脂を電離放射線で硬化する場合、賦型フィルムの反対側から電離放射線を照射して硬化させることもできる。
また、電離放射線として、紫外線を用いる場合、賦型フィルム側から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、賦型フィルムを剥離して再度紫外線を照射して架橋密度を高め、耐溶剤性、耐擦傷性を向上させた防眩フィルムとする場合もある。
また、賦型フィルムを作る際に、マット化した賦型フィルム基材に、粒径0.5〜10μmの微粒子を添加した樹脂をコーティングし、図6Aに示すような賦型フィルムを作製し、これを用いて防眩フィルムを作製し、図6Bに示すような防眩効果の高い防眩フィルムを得ることができる。
上記賦型フィルムに使用される基材フィルムは寸法安定性、耐熱性を有し、電離放射線を透過するものであればよい。電離放射線として高圧水銀灯等の紫外線がよく使用されるので、基材フィルムとして透明なPETフィルムが好ましく用いられ得る。厚みは10〜200μmのものが使用できるが、賦型フィルムの作製時及び再使用、コスト等の点を考慮すると厚みは25μm程度が望ましい。しかし、電離放射線として、電子線を使用する場合は、電子線を透過するフィルムであればよく、必ずしも透明である必要はない。
賦型フィルムの凹凸形状の粗さを調整するためにコーティングされる樹脂としては、一般的には、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂が使用されるが、防眩フィルムの表面に塗布される電離放射線硬化型樹脂により、軟化したり、膨潤したりせずに、電離放射線硬化性樹脂層に所定の凹凸形状を賦型できるものであれば使用でき、特に限定するものではない。熱可塑性樹脂でも、電離放射線硬化性樹脂の種類との組み合わせにより使用可能である。
賦型フィルムにコーティングする熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルギッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂、酢酸プロピオン酸セルロース等があり、必要に応じて添加剤として、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤、体質顔料等を添加する。
前記硬化剤として通常、イソシアネートは不飽和ポリエステル系樹脂またはポリウレタン系樹脂に使用され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物及びアゾイソブチロニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステルによく使用される。更に、硬化剤としてのイソシアネートは、2価以上の脂肪族又は芳香族イソシアネートが使用できる。
また、コーティング樹脂として電離放射線硬化性樹脂も使用されるが、電離放射線硬化性樹脂は防眩フィルム作製にも使用されるので、防眩性フィルムの項で詳しく述べる。
防眩性フィルムに使用される基材フィルムは透明で寸法安定性、耐熱性を有し、電離放射線を透過するものであればよい。LCD、CRT、LED等の表示装置に使用される場合は、トリアセチルセルロースフィルムが多く用いられる。
基材フィルムに塗布した電離放射線硬化性樹脂を硬化させる場合、電離放射線として高圧水銀灯等の紫外線がよく使用されるので、通常、紫外線を透過するフィルムが使用されるが、電離放射線硬化性樹脂層を賦型フィルム側だけから紫外線を照射して硬化させる場合は、必ずしも紫外線を透過する必要はない。
厚みは10〜200μmのものが使用できるが、作業性、コスト等の点を考慮すると80μm程度が望ましい。
防眩フィルムの表面に凹凸形状を形成する電離放射線硬化性樹脂としては、通常、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂が使用される。
電離放射線硬化性樹脂としては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基((メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタアクリロイルの意味で用い、以下(メタ)は同様の意味とする)等の重合性不飽和結合、又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/または単量体を適宜混合した組成物が用いられる。
これらのプレポリマー、オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のアクリレート、シロキサン等の珪素樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ等が挙げられる。
単量体の例としては、スチレン、α‐メチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。
以上の化合物を必要に応じ、1種もしくは2種以上混合して用いるが、樹脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマー又はオリゴマーを5重量%以上、前記単量体及び/又はポリチオールを95重量%以下とすることが好ましい。
単量体の選定に際して、硬化物の可撓性が要求される場合は、塗工適性上支障のない範囲で、単量体の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。
また、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には、塗工適性上支障のない範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。
1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し、塗工適性と硬化物の物性とを調整することもできる。
以上のような1官能アクリレート系単量体としては、2‐ヒドロキシアクリレート、2‐ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
2官能アクリレート系単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート等、3官能アクリレート系単量体としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂を紫外線で硬化させる場合は、透明な樹脂を使用する必要がある。また、前記電離放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α‐アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類、及び/又は光増感剤として、n‐ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ‐n‐ブチルホスフィン等を混合して用いることもできる。
本発明においては、防眩フィルム基材に塗布された電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を完全に硬化させる方法として、電離放射線照射を使用する。
基材上に形成された樹脂層の上に、賦型フィルムを重ね合わせて樹脂層に凹凸形状を賦型した後に、紫外線、電子線等の電離放射線を照射して樹脂層を完全に硬化する。
電離放射線として紫外線を使用する場合、賦型フィルムの上からの1回の照射では硬化が不十分のときは、賦型フィルムを剥離後、再度紫外線を照射して樹脂層を完全に硬化する。
電離放射線照射装置としては、通常、紫外線照射装置や電子線照射装置が使用される。
例えば、紫外線照射装置としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。
電子線源としては、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを持つ電子を照射する。照射線量としては、通常、0.5〜30KGy(キログレイ)程度である。
防眩性フィルムを具備する透明保護基板および偏光板の製造
従来の防眩性を有する透明保護基板には、表面に無定形シリカを含む樹脂組成物からなる塗膜が設けられている。この無定形シリカは透明保護基板の表面に防眩性を付与するために、無定形シリカを添加した塗料が透明基板の表面に塗布されたものである。防眩性が付与されるためには、シリカが樹脂100重量部に対し2重量部前後程度配合されているが、このような配合割合のシリカを含む塗膜だと透明性が落ちるばかりか、透明基板にトリアセテートフィルムを使用した場合では、シリカを含む塗膜に前記した接着性改善及び帯電防止の目的でケン化処理を行うと、得られたトリアセテートフィルムのヘイズ値を示す値が大きくなり、解像力、コントラスト、透明性の落ちたフィルムとなっていた。ここで、ヘイズ値は、拡散透過率/全光線透過率で表される値であり、透過した光のうち、拡散した割合を示すものである。
そこで、本実施態様においては、防眩性に優れると同時に透明性に優れ、さらに、解像度、コントラストが優れ、かつ表面硬度、耐溶剤性が良好な透明保護基板の製造方法、その製造方法で得られた透明保護基板、及びこの透明保護基板を用いた偏光板を提供する。
また、さらに本実施態様においては、透明基板として特にアセチルセルロース系フィルムを使用した場合に、ケン化処理してもヘイズ値、コントラスト及び透明性の低下しない透明保護基板の製造方法、その製造方法で得られた透明保護基板、及びこの透明保護基板を用いた偏光板を提供する。
本実施態様の好ましい態様においては、透明基板上に、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと、電離放射線硬化型樹脂組成物から本質的に構成される塗料組成物を塗工し、この塗料組成物の未硬化の塗膜上に電離放射線を照射して前記塗料組成物の塗膜を硬化させることによって防眩性フィルムを具備する透明保護基板を得ることができる。
前記透明基板には、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム等が使用できるが、特に、トリアセチルセルロースフィルムが透明性に優れている点で好適に用いられる。
前記電離放射線硬化型樹脂組成物に用いられる皮膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
特に好適には、ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物が用いられる。その理由は、ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハードコートを得るのに適しているが、ポリエステルアクリレート単独ではその塗膜は衝撃性が低く、脆くなるので、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるためにポリウレタンアクリレートを併用する。ポリエステルアクリレート100重量部に対するポリウレタンアクリレートの配合割合は30重量部以下とする。この値を越えると塗膜が柔らかすぎてハード性がなくなってしまうからである。
さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を混合するのが好ましい。
前記電離放射線硬化型樹脂組成物には、防眩性を付与するために屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズを混合することが好ましい。樹脂ビーズの屈折率をこのような値に限定する理由は、電離放射線硬化型樹脂の屈折率は通常1.40〜1.50であることから、電離放射線硬化型樹脂の屈折率にできるだけ近い屈折率を持つ樹脂ビーズを選択すると、塗膜の透明性が損なわれずに、しかも、防眩性を増すことができるからである。ところで、電離放射線硬化型樹脂の屈折率に近い屈折率を持つ樹脂ビーズを次に示す。
樹脂ビーズ名 屈折率
MMA(ポリメタクリル酸メチルアクリレート)ビーズ 1.49
ポリカーボネートビーズ 1.58
ポリスチレンビーズ 1.50
ポリアクリルスチレンビーズ 1.57
ポリ塩化ビニルビーズ 1.54
これらの樹脂ビーズの粒径は、3〜8μmのものが好適に用いられ、樹脂100重量部に対して2〜10重量部、通常4重量部程度用いられる。
この塗料組成物にこのような樹脂ビーズを混入させると、塗料使用時には容器の底に沈澱した樹脂ビーズを攪拌して良く分散させる必要がある。このような不都合を無くすために、前記の塗料組成物に樹脂ビーズの沈降防止剤として粒径0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μmのシリカビーズを含ませてもよい。なお、このシリカビーズは添加すればするほど有機フィラーの沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。したがって、樹脂100重量部に対して、塗膜の透明性を損なわない程度に、しかも沈降防止することのできる範囲である0.1重量部未満程度が好ましい。
さらに、本発明で使用する防眩性を有するハードコート塗膜を形成するための塗料組成物には、塗膜の帯電の防止をする目的のために帯電防止剤を入れてもよい。この帯電防止剤には、金属フィラー、酸化すず、酸化インジウム等を用いることができる。
本発明で用いる防眩性フィルムを形成するための塗料組成物は、樹脂100重量部に対し溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部以下含ませてもよい。前記溶剤乾燥型樹脂には、主として熱可塑性樹脂が用いられる。特に、電離放射線硬化型樹脂組成物にポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物を使用した場合には、使用する溶剤乾燥型樹脂にはポリメタクリル酸メチルアクリレートまたはポリメタクリル酸ブチルアクリレートまたは酢酸プロピオン酸セルロースが好適に使用される。
本発明において、電離放射線硬化型樹脂組成物に溶剤乾燥型樹脂を含ませる理由を次に説明する。本発明で使用する塗料を例えば、メタリングロールを有するロールコーター、例えば、スリットリバースコーターで透明基板に塗布する場合、溶剤乾燥型樹脂を前記のように電離放射線硬化型樹脂組成物から本質的に構成される塗料組成物に含ませると、ロールコーター時に塗膜不良が発生しないからである。
図7にスリットリバースコーティングの具体例を示す。この塗工装置においては、バックアップロール102に基材が移送されて、ノズル塗工装置101によって基材上に組成物が塗工される。塗工組成物は部分Bにおいて、メタリングロール103によって調整され、不要となった組成物はドクター104によって除かれる。
このような電離放射線硬化型樹脂組成物から本質的になる塗料組成物の硬化方法は通常の電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法、即ち、電子線または紫外線の照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
また、本発明は、上記のようにして製造された防眩性を有するハードコート塗膜を形成した透明保護基板に偏光素子をラミネートすることによって偏光板とする。この偏光素子には、よう素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。このラミネート処理にあたって接着性を増すため及び静電防止のために、前記透明保護基板が例えば、トリアセチルセルロースフィルムである場合には、トリアセチルセルロースフィルムにケン化処理を行う。このケン化処理はトリアセチルセルロースフィルムにハードコートを施す前または後のどちらでもよい。
偏光板の製造例
次に、液晶セルの表面に設ける偏光板、特に、偏光板に用いるシートの透湿度を調整して、液晶セルの耐久性を向上させるための好ましい態様について説明する。
近年、LCD、CRT、プラズマディスプレーなどの表示体の進展はめざましく、特にLCDは、その大型化、カラー化、高精細化の品質要求度が高くなり、耐久性に優れた偏光板が必要となってきた。高精細化されるLCDの偏光板は、光透過度や他の材料との接着に優れたセルローストリアセテート・シート(以下TACシートと記載する。)が用いられてきた。
従来から偏光板に用いられた透明シートは、光学的機能であるヘイズ、反射率、光線透過率、写像性に優れるTACシートを、更に防眩層は、透明シートとの接着性を考慮するとともに、耐擦傷性、耐摩擦性などを満たすものとして電離放射線硬化性樹脂をバインダーとするものを選択して使用されてきた。
従来の偏光板に用いられるTACシートは、光学的性質には優れたものがあるが、他のポリエステル等のプラスチックシートと比較して、耐湿性に劣る欠点があり、水分透過性が大きいものである。そのため、TACシートを用いた偏光板は、シート自身が環境の水分により加水分解を起こして劣化したり、透過した水分により、ポリビニルアルコールよりなる偏光子の機能が低下したりする耐久性が劣るという問題点があった。
したがって、この態様においては、光学特性に優れたTACシートを偏光板に用いて耐湿性をもたせ、その加水分解を防ぐとともに、ポリビニルアルコールよりなる偏光子が、機能劣化を起こさない耐久性に優れた偏光板を提供する。
上記の目的を達成するために、この態様においては、2枚のシートの透明なシートの間に、偏光子を設けて構成する偏光板において、少なくとも1枚のシートが、JIS Z0208に規定する、防湿包装材料透湿度試験法によって500g/m2 ・24hrs.以下の透湿度のものからなる。
また、透明シートが、セルローストリアセテート・シートであり、そして、ハードコート層が、そして、該シート面に設けられた、ペンタエリスリトールトリアクリレートと重合開始剤とよりなるハードコート層の厚さが、3μm〜20μmである偏光板である。
本態様の防眩偏光板ABは、図8に示すとおりの、透明シート201の少なくとも一方の面に、本発明による防眩性フィルム3bを設けた、防眩性シートSBの他の面にポリビニルアルコールよりなる偏光子202、及び透明シート201を順に積層して構成するものである。
そして、防眩性フィルム層203bを施した透明シートの透湿度は、500g/m2 ・24hrs.(以下、透湿度は、単にg/m2 と記載する)以下になるように構成したものである。
本態様に使用する透明シートは、延伸ポリエステルシート、ポリカーボネートシート、ポリメチルメタアクリレートシート、ポリ塩化ビニルシート、エチレン・酢酸ビニル共重合体けん化物のシート、ポリメチルペンテンシートなどがある。好ましくは、光学的機能であるヘイズ、反射率、光線透過率、写像性に優れ、且つ、シートの厚さにムラがない、精度がよいものであることが必要条件であり、キャスティング法で製造される80μmのTACシートが多く用いられる。
ポリビニルアルコールフィルムより構成される偏光子は、一軸延伸して一方向の分子配向による偏光性をもつ厚さ20μmの2枚のフィルムを積層したものである。そして、LCD用液晶セルは、カラーフィルターを設けた液晶セルを2枚の透明電極付ガラス板の中間に封じ込み、それぞれの外面に粘着層を介して偏光板を積層して構成するものである。
そして、偏光板は、例えば図8に示すように、透明シート201と防眩ハードコート層203bを設けた防眩性シートSBとの中間に偏光子202を介在して構成するものである。
透明シート201の面に設ける防眩ハードコート層203bのバインダーは、シートとの接着、耐擦傷性を考慮した電離放射線硬化性樹脂のなかから、取扱いが容易な紫外線硬化性樹脂をバインダーとして選定する。
電離放射線硬化性樹脂は、分子中に重合性不飽和結合、又は、エポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜に混合した組成物を用いる。
これらの樹脂系は、ウレタンアクリレート、ウンレタメタアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタアクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタアクリレート等のアクリレート、メタアクリレートやシロキサン等のけい素樹脂、ポリエステルエポキシ等がある。
そして、プレポリマー、オリゴマーには、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類がある。
単量体には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート系単量体や、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート等が挙げられる。
特に紫外線硬化をさせる場合は、電離放射線硬化性樹脂組成物に、光重合開始剤である、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、チオキサントン類、及び/又は光増感剤としてトリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることもできる。
液晶セルの表面に用いる偏光板の防眩ハードコート層に静電気による粉塵の付着を防止する目的で帯電防止の効果がある界面活性剤を、防眩ハードコート層の塗布液に含ませることができる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤のなかから適宜に選択する。
液晶セルの表面に用いる偏光板の防眩ハードコート層の耐擦傷性を向上する目的で、滑剤である、炭化水素、脂肪酸、脂肪酸エステル、アマイド、アミン、シリコーン等のなかから適宜に選択して添加することもできる。
そして、光拡散剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、水酸化アルミニウムニニゥムの粉末、ポリエチレン粒子、ポリメチルメタアクリレート粒子、ポリカーボネート粒子などの有機微粒子のなかから適宜に選択して、使用される。特にシリカ粉末は紫外線に対して透過度が高く、バインダーである紫外線硬化性樹脂の硬化を阻害することのない優れたものである。
所望の透湿度を得ることができる防眩ハードコート層の厚さは、3μm以上、望ましくは5μm以上20μm以下である。
コート層の厚さが3μm以下の場合は、原反の突起状物の欠点をカバーできず、20μm以上になるとカーリングがひどくなり機械適性が悪くなるという問題点を生じ、好ましい塗布量は7〜8μmである。
以上のような化合物や添加物を、必要に応じ、1種もしくは2種以上混合して用いる。そして、樹脂ワニスは、塗布面を平滑にするリバースロールコーティング方式に適した200〜1500センチポイズの粘度であり、塗布後のレベリング性をもたせ、微細な突起物をカバーするために、固形分が60%以上のものがよい。そして、上記の条件を満足するために、前記の単量体のなかからペンタエリスリトールトリアクリレート100部に硬化剤、及び溶剤を加えて粘度を調整したものが好ましい。
防眩ハードコート層に用いる、光拡散剤はその添加量によっては、透湿度が大きくなることがあるから、場合によっては、シートの同一面に電離放射線硬化性樹脂ワニスによる、透明層と防眩ハードコート層との二層コートによって所望の透湿度があるものを設けることもできる。
防眩ハードコート層を形成する塗布方法は、塗布液の性質と塗布量によって決まるものではあるが、表面の平滑性を得るためには、ダイレクトあるいはリバースロールコート、バーコート、グラビアコートなどから、塗布後硬化にいたる前に塗布面が流展して、平滑な均一面が得られる、流展性に適した粘度である200〜1500センチポイズで行う。
本発明の偏光板は、図8〜図12に示すとおりのものがある。すなわち、
(1)防眩ハードコート層(防眩性フィルム層)203bを透明シート201に設けた防眩性シートSBと、偏光子202、及びハードコート層を設けない透明シート201とを順に積層した図8に示す防眩偏光板AB。
(2)図9に示すとおりの防湿ハードコート層203cを、透明シート201に設けた防湿性シートSCと、偏光子202、ハードコート層を設けない透明シート201とを順に積層したものである防湿偏光板AC。
(3)図10に示すとおりのハードコート層を設けない透明シート201、偏光子202、ハードコート層を設けない透明シート201とを順に積層した偏光板AA。
(4)また、透明シートには、光学的、表面強度の点では若干劣るが、防湿性に優るポリエチレンテレフタレートシートを用いることもできる。すなわち、透明シート201、偏光子202、及びハードコート層を設けない防湿透明シート(ポリエチレンテレフタレート)1Dとを順に積層した、図11に示す防湿偏光板AD。
要求する耐久性の程度により、上記の偏光板を適宜選択して、液晶4とを用いて、LCD用「液晶セル」を構成するものである。すなわち、
(1)図12Aの4AAに示すとおりの両面の偏光板にハードコート層を設けない偏光板AAを用いて構成する「液晶セル」。
(2)図12Bの4ABに示すとおりの一方の面に防眩偏光板AB、他の面にハードコート層を設けない偏光板AAとを用いて構成するLCD用「防眩液晶セル」。
(3)図12Cの4BCに示すとおりの一方の偏光板に防眩ハードコート層を設けた防眩偏光板ABを、他の面に防湿ハードコート層を設けた防湿偏光板ACとを設けて、双方の透明シート201に電離放射性硬化性樹脂によるコート層をもたせたLCD用「防眩防湿性液晶セル」の3種類を構成することができる。
(4)更に、図12Dの4BDに示すとおりの、一方の偏光板にハードコート層を設けないが、防湿性のあるポリエチレンテレフタレートシート1Dより形成した透明な防湿偏光板ADと、他の面に防眩偏光板ABとよりLCD用「防眩防湿性液晶セル」を構成することができる。
上記のように、透明シート表面に形成した電離放射線硬化性樹脂よりなる防眩ハードコート層を設けた偏光板は、該防眩ハードコート層や、防湿ハードコート層によって、透湿度が500g/m2 以下に構成される。
そして、外部からの湿気が透明シート内部への浸透するのを阻止して、透明シートの加水分解等の化学変化を防ぎ、また、偏光子の液晶機能の低下を防ぐ作用を奏するものである。
実施例1
トリアセチルセルロースフィルム[TAC80μml(富士写真フィルム社製、FT−UV−80)]に下記組成の紫外線硬化型樹脂2をロールコート方式により、7〜8g/m2 になるよう塗工した。
多官能アクリレート 100重量部
(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2重量部
ベンゾフェノン 4重量部
イルガキュア 4重量部
(トルエン)
次いで、溶剤を乾燥した後、賦型フィルムとしてマット化PET(Ra:0.47、Sm:47.5)をラミネートし、紫外線硬化条件として、水銀灯160W×2灯を15cmの距離から照射し、10m/分の条件で前記紫外線硬化型樹脂を硬化させた。さらに、前記賦型フィルムを剥離し、防眩性フィルムを得た。
上記フィルムの光学的物性の測定結果は以下の通りである。
全光線透過率 87.5%
Haze 28.9%
60°光沢度 25.6%以下
中心線平均粗さ Ra 0.42μm
凹凸ピッチ Sm 70.8μm
このようにして得られた防眩性フィルムは、光反射によるギラツキがなく、画像の鮮明度にすぐれていた。
光学的物性値、表面粗さの測定法及び測定機器は、次の通りである。後述する実施例も同様である。
ヘイズ(曇価)<Haze>:JIS K6714/東洋精機製 直読式ヘイズメーター
全光透過率 :JIS K6714/東洋精機製 直読式ヘイズメーター
光沢度 <Gross> :JIS K8741/村上色彩技術研究所製 GM−3D
中心線平均粗さ<Ra> :JIS B0601
凹凸の平均間隔<Sm> :小坂研究所SEF−30。
実施例2
トリアセチルセルロースフィルム(TAC80μm(富士写真フィルム(株)社製FT−UV−80))ポリエステルフィルム75μm(東レ社製 T−60)の片面に、紫外線硬化型樹脂100重量部に対して、光拡散剤(シリカビーズ)を5重量部を含有した液をロールコート方式により、7〜8g/m2 になるよう塗工した。溶剤を乾燥した後、賦型フィルムとしてマット化PET(Ra:0.46、Sm:45.0)をラミネートし、紫外線硬化条件として、水銀灯160W×2灯を用い、15cmの距離から10m/分の条件で、前記紫外線硬化型樹脂を硬化させた後、前記賦型フィルムを剥離し、防眩性フィルムを得た。
上記フィルムの光学的物性を測定結果は以下の通りである。
全光線透過率 87.0%
Haze 30.1%
60°光沢度 24.6%
表面粗さ 46μm
凹凸ピッチ 70.7μm
実施例1の場合と同様、光反射によるギラツキが防止でき、かつ、画像がくっきり見える防眩性フィルムが得られた。
比較例1
日東電工株式会社製 AG30は、全光線透過率87%、HAZE3.5%、60度光沢度110%の光学特性を有し、かつ表面中心線平均粗さ0.2μm、表面凹凸間ピッチ170μmの表面粗さであるハードコートフィルムであり、表面にギラツキを有していた。
以下の製造条件に従って、下記実施例の防眩性フィルムを製造した。
実施例3
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 2.7
ベンゾフェノン 2.7
粒 子:材 質:シランカップリング処理シリカ 4.2
大きさ:平均粒径3μm
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.1
希釈溶剤:トルエン 84.8
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:5g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約70℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム なし
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例4
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 2.7
ベンゾフェノン 2.7
粒 子:材 質:アクリル 2.8
大きさ:平均粒径5μm
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.1
希釈溶剤:トルエン 94.8
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:5g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約80℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム なし
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例5
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 2.7
ベンゾフェノン 2.7
粒 子:材 質:シランカップリング処理シリカ 3.8
大きさ:平均粒径1.5μm
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.1
希釈溶剤:トルエン 104.4
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:5g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム なし
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例6
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 2.7
ベンゾフェノン 2.7
粒 子:材 質:シランカップリング処理シリカ 5.6
大きさ:平均粒径1.5μm
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.1
希釈溶剤:トルエン 106.4
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:5g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム なし
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例7
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.3
ベンゾフェノン 3.3
粒 子:材 質:シランカップリング処理シリカ 26.4
大きさ:平均粒径1μm
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.1
希釈溶剤:トルエン 128.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:5g/m(DRY)。
実施例8
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:コニカ(株)
品 名:KC80UVS
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 材 質:PET(ポリエステル)(マット剤練り込み)
厚 み:26μm
メーカー:ダイヤホイルヘキスト(株)
品 名:E−130
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例9
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約70℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 材 質:PET(ポリエステル)(マット剤練り込み)
厚 み:26μm
メーカー:ダイヤホイルヘキスト(株)
品 名:E−130
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例10
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:コニカ(株)
品 名:KC80UVS
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 材 質:PET(ポリエステル)
厚 み:25μm
メーカー:東レ(株)
品 名:E−06
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例11
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:コニカ(株)
品 名:KC80UVS
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 材 質:PET(ポリエステル)(マット剤練り込み)
厚 み:25μm
メーカー:ユニチカ(株)
品 名:PTH−25
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
実施例12
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ベンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約40℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 基 材:材 質:PET
厚 み:26μm
メーカー:ダイヤホイルヘキスト(株)
品 名:E−130
塗工樹脂:酢酸プロピオン酸セルロース 100.0重量部
キシレンジイツシアネート 22.0
シリコーン 1.5
MEK 490.3
酢酸エチル 7.4
トルエン 414.1
アノン 416.8
塗 工:塗工方式:マトリットバース法
塗工厚み:3g/m(DRY)
乾 燥:温度:80℃
時 間:約1min
着 生:70℃ 5日間
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
比較例2
(1)基材 材 質:TAC(トリアセチルセルロース)
厚 み:80μm
メーカー:富士写真フィルム(株)
品 名:FT−UV−80
(2)塗工樹脂 材料名 重量部
樹 脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート 98.8
酢酸プロピオン酸セルロース 1.2
光開始剤:イルガキュアー184(チバガイギー社製) 3.0
ベンゾフェノン 3.0
粒 子:なし
添加剤 :エーテル変性シリコーン 0.2
希釈溶剤:トルエン 125.0
酢酸エチル 5.0
(3)塗工 塗工方式:スリットリバース法
塗工厚み:8g/m(DRY)
(4)乾燥 乾燥温度:約70℃
乾燥時間:約1min
(5)賦型フィルム 材 質:PET
厚 み:25μm
メーカー:東レ(株)
品 名:MT−HP
(6)UV照射 使用ランプ:高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製)
コンベアー付き
ランプ出力:160W/cm
ラインスピード:10m/min
照射回数 :2pass。
上記の実施例3〜12はいずれも防眩効果にすぐれるとともに画像表示品質においてもすぐれた特性を示した。
一方、比較例2の防眩性フィルムを適用したディスプレイ画面は画像表示品質が劣り、特に画面が全体的に白く、コントラストが低かった。
以下の表に、上記実施例、比較例の光学特性ならびに表面特性を示す。
Figure 2004348156
図1は、本発明の実施を示す断面模式図 図2は、本発明の防眩性フィルムに対する光の反射、透過を示す概念図 図3は、本発明の防眩フィルムを製造する場合の一例を示す模式断面図 図4Aは、マット化したフィルム基材の一例を示す模式断面図、図4Bは、賦型フィルム基材に樹脂を塗布した賦型フィルムの断面図 図5は、防眩フィルムを製造する場合の工程を示す説明図であって、図5Aは、賦型フィルム基材に樹脂を塗布した賦型フィルムの断面図、図5Bは、防眩フィルム基材に硬化前の電離放射線硬化性樹脂を形成した積層フィルムの断面図、図5Cは、図5Bの積層フィルムに図5Aの賦型フィルムを積層した積層シートの断面図、図5Dは、図5Cの積層シートに電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂層を硬化後、賦型フィルムを剥離した時の賦型フィルムと防眩性フィルムの断面図 図6Aは、微細シリカ粒子を添加した樹脂を塗布した賦型フィルムの断面図、図6Bは、図6Aの賦型フィルムを使用して作製した防眩フィルムの断面図 図7は、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工する際に使用する塗工装置の一例を示す図 図8は、本発明の防眩性フィルムを適用した偏光板の断面図 図9は、本発明の防眩性フィルムを適用した偏光板の断面図 図10は、防湿シートを適用した偏光板の具体例を示す断面図 図11は、防湿シートを適用した偏光板の具体例を示す断面図 図12A〜図12Dは、各々、本発明の偏光板を適用した液晶セルの具体例を示す断面図

Claims (19)

  1. 透明フィルムと、
    前記透明フィルム上に設けられた、全光線透過率85%以上、ヘイズ度3.0〜35%、60度光沢度90%以下の光学特性を有しかつ表面中心線平均粗さ0.05〜0.6μm、表面凹凸間ピッチが5〜200μmの表面粗さである電離放射線硬化型樹脂層とからなる、ディスプレイ用防眩性フィルムであって、
    表面に凹凸形状を設けることによりマット化してなる賦型基材の凹凸面に所望により樹脂を塗布することにより、所望の凹凸形状が形成されてなる表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜10μmである賦型材を用意し、この賦型材を用いて、前記透明フィルム上に形成した電離放射線硬化性樹脂層に凹凸形状を賦型することにより得られた、ディスプレイ用防眩性フィルム。
  2. 表面中心線平均粗さが0.05〜0.4μmの範囲にある、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  3. 表面中心線平均粗さが0.05〜0.25μmの範囲にある、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  4. 請求項1に記載の防眩性フィルムを得るに当たり、表面に凹凸形状を設けることによりマット化してなる賦型基材の凹凸面に所望により樹脂を塗布することにより、所望の凹凸形状が形成されてなる賦型材を得て、
    このようにして得られた賦型材と、透明フィルム上に電離放射線硬化性樹脂を塗布形成したものとを、該電離放射線硬化型樹脂塗布面と賦型材の凹凸面とが接するように積層し、さらに
    該積層物の賦型材側もしくは透明フィルム側から電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させ、さらに
    前記積層物から前記賦型材を剥離すること、
    からなる、防眩性フィルムの製造方法。
  5. 前記樹脂を塗布した賦型材が、マット化フィルムに透明樹脂または粒径0.5〜10μmの微粒子を添加した樹脂をコーティングして凹凸形状を形成した賦型材であり、電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化型樹脂であり、電離放射線が紫外線である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記賦型材の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で、0.1〜10μmである、請求項4に記載の方法。
  7. 請求項4に記載の方法において、賦型材を剥離後に、再度電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記電離放射線硬化性樹脂層が、有機ビーズまたは無機ビーズを含有する、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  9. 前記電子放射線硬化性樹脂層が、屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズを含有する、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  10. 透明基板上に、有機ビーズまたは無機ビーズ、好ましくは屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズと、電離放射線硬化型樹脂組成物から本質的になる塗料組成物を塗工し、
    前記塗料組成物の未硬化の塗膜上に電離放射線を照射して前記塗料組成物の塗膜を硬化させる、請求項1に記載の防眩性フィルムが形成されてなる透明保護基板の製造方法。
  11. 塗料組成物に更に樹脂ビーズ沈降防止剤として粒径0.5μm以下のシリカビーズを樹脂100重量部に対して0.1重量部未満含有させた、請求項10に記載の方法。
  12. 塗料組成物が、樹脂100重量部に対し溶剤乾燥型樹脂を10重量部以上100重量部以下含む、請求項10に記載の方法。
  13. 電離放射線硬化型樹脂組成物がポリエステルアクリレート及びポリウレタンアクリレートから本質的になる、請求項10に記載の方法。
  14. 請求項10により得られた透明保護基板を偏光素子にラミネートしてなる、偏光板。
  15. 請求項1に記載の防眩性フィルムを具備してなる偏光板。
  16. JIS Z0208に規定する防湿包装材料透湿度試験法によって500g/m・24hrs以下の透湿度の透明シートを更に具備する、請求項15に記載の偏光板。
  17. 透明シートが、セルローストリアセテートからなる、請求項16に記載の偏光板。
  18. 透明フィルム上に有機または無機ビーズ、好ましくは屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズを含有する電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布形成してなる該塗布面を、表面に凹凸形状を設けることによりマット化してなる賦型材によって賦型化することによって得られる、請求項1に記載の防眩性フィルム。
  19. 表面に凹凸形状を設けることによりマット化してなる賦型材を用意し、
    透明フィルム上に有機または無機ビーズ、好ましくは屈折率1.40〜1.60の樹脂ビーズを含有する電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布形成してなる該塗布面と前記賦型材の凹凸面とが接するように重ね合わせて積層物を形成し、
    該積層物の賦型材側もしくは透明フィルム側から電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させ、さらに
    前記積層物から前記賦型材を剥離すること、
    からなる、防眩性フィルムの製造方法。
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