JP2002040563A - 透過型スクリーン - Google Patents
透過型スクリーンInfo
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- JP2002040563A JP2002040563A JP2000224950A JP2000224950A JP2002040563A JP 2002040563 A JP2002040563 A JP 2002040563A JP 2000224950 A JP2000224950 A JP 2000224950A JP 2000224950 A JP2000224950 A JP 2000224950A JP 2002040563 A JP2002040563 A JP 2002040563A
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- Japan
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- lens sheet
- lenticular lens
- base material
- diffusion plate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、温度・湿度変化によりスクリーンの
中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる透
過型スクリーンを提供することを目的とする。 【解決手段】透過型スクリーンに用いる拡散板の基材
が、レンチキュラーレンズシートの基材と前記拡散板の
基材との熱膨張係数の差が、5.5×10-5cm/cm
/℃以下で、かつ前記レンチキュラーレンズシートの基
材と前記拡散板の基材との23℃60%RHと60℃9
0%RHとの条件における寸法変化率の差が、0.35
%以下の条件を満たす基材であって、さらに、その基材
の上に1.5×10-5〜3.0×10-5cm/cm/℃
の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材が積層さ
れており、レンチキュラーレンズシートと一体に積層さ
れていることを特徴とする透過型スクリーンである。
中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる透
過型スクリーンを提供することを目的とする。 【解決手段】透過型スクリーンに用いる拡散板の基材
が、レンチキュラーレンズシートの基材と前記拡散板の
基材との熱膨張係数の差が、5.5×10-5cm/cm
/℃以下で、かつ前記レンチキュラーレンズシートの基
材と前記拡散板の基材との23℃60%RHと60℃9
0%RHとの条件における寸法変化率の差が、0.35
%以下の条件を満たす基材であって、さらに、その基材
の上に1.5×10-5〜3.0×10-5cm/cm/℃
の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材が積層さ
れており、レンチキュラーレンズシートと一体に積層さ
れていることを特徴とする透過型スクリーンである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型プロジ
ェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンに係
わり、さらに具体的には温度・湿度変化での反りを防止
した透過型スクリーンに関する。
ェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンに係
わり、さらに具体的には温度・湿度変化での反りを防止
した透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶パネル等の映像投射装置から
の映像を背面からスクリーン上に拡大投射して、映像を
観察する背面投射型プロジェクションテレビに用いられ
る透過型スクリーンは、映像光の投射側より、フレネル
レンズシート、レンチキュラーレンズシートを順次配設
した構成のスクリーン、または、必要に応じて、さらに
拡散板を追加した、映像光の投射側より、フレネルレン
ズシート、レンチキュラーレンズシート、拡散板を順次
配設した構成のスクリーンが用いられていた。フレネル
レンズシートは、映像投射装置からの映像光を観察者の
いる方向に向ける作用をし、画面全体を均一に明るくす
るために用いられる。一方、水平方向に映像光を屈折さ
せる作用を持つシリンドリカルレンズ群を配列したレン
チキュラーレンズシートは、観察者のいる左右方向に映
像投射装置からの映像光を屈折拡散させる作用をし、水
平方向の視野角すなわち観察領域を広げ、多くの人が観
察できるようにするために用いられる。また、拡散板
は、垂直方向に映像光を拡散させる効果を有すると同時
にスクリーン上に映像を結像させるために用いられる。
の映像を背面からスクリーン上に拡大投射して、映像を
観察する背面投射型プロジェクションテレビに用いられ
る透過型スクリーンは、映像光の投射側より、フレネル
レンズシート、レンチキュラーレンズシートを順次配設
した構成のスクリーン、または、必要に応じて、さらに
拡散板を追加した、映像光の投射側より、フレネルレン
ズシート、レンチキュラーレンズシート、拡散板を順次
配設した構成のスクリーンが用いられていた。フレネル
レンズシートは、映像投射装置からの映像光を観察者の
いる方向に向ける作用をし、画面全体を均一に明るくす
るために用いられる。一方、水平方向に映像光を屈折さ
せる作用を持つシリンドリカルレンズ群を配列したレン
チキュラーレンズシートは、観察者のいる左右方向に映
像投射装置からの映像光を屈折拡散させる作用をし、水
平方向の視野角すなわち観察領域を広げ、多くの人が観
察できるようにするために用いられる。また、拡散板
は、垂直方向に映像光を拡散させる効果を有すると同時
にスクリーン上に映像を結像させるために用いられる。
【0003】また、コントラスト向上のために、レンチ
キュラーレンズシートの観察側に設けられた凸部や観察
側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域に外光
を吸収するストライプ状の遮光層が並設されている。
キュラーレンズシートの観察側に設けられた凸部や観察
側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域に外光
を吸収するストライプ状の遮光層が並設されている。
【0004】従来の透過型スクリーンに用いられる拡散
板は、その基材がアクリル樹脂(PMMA)、ポリカー
ボネート樹脂(PC)、アクリル−スチレン共重合樹脂
(MS)等のいずれかの樹脂なり、上記樹脂を板状に成
形する際に粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アル
ミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹
脂微粒子等の拡散剤を練り込む方法や上記拡散剤を塗料
化して板に塗布形成して拡散層を設ける方法等によって
製造されていた。
板は、その基材がアクリル樹脂(PMMA)、ポリカー
ボネート樹脂(PC)、アクリル−スチレン共重合樹脂
(MS)等のいずれかの樹脂なり、上記樹脂を板状に成
形する際に粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アル
ミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹
脂微粒子等の拡散剤を練り込む方法や上記拡散剤を塗料
化して板に塗布形成して拡散層を設ける方法等によって
製造されていた。
【0005】通常、上記拡散板とレンチキュラーレンズ
シートとは、レンチキュラーレンズシートのレンズ面と
反対側の平坦面と拡散板とが積層されている。
シートとは、レンチキュラーレンズシートのレンズ面と
反対側の平坦面と拡散板とが積層されている。
【0006】透過型スクリーンは、図2に示すように、
背面投射型プロジェクションテレビ装置70のキャビネ
ット61内には液晶パネル等の映像投射装置62が収納
され、この映像投射装置からの映像光が反射ミラー63
を介してリア側より、フレネルレンズシート80とレン
チキュラーレンズシート90とからなるスクリーン70
に投射される。スクリーン70はキャビネットのフラッ
トな取り付け部(図示せず)に取り付けられている。
背面投射型プロジェクションテレビ装置70のキャビネ
ット61内には液晶パネル等の映像投射装置62が収納
され、この映像投射装置からの映像光が反射ミラー63
を介してリア側より、フレネルレンズシート80とレン
チキュラーレンズシート90とからなるスクリーン70
に投射される。スクリーン70はキャビネットのフラッ
トな取り付け部(図示せず)に取り付けられている。
【0007】キャビネット61内外の温度差や湿度差に
よって、キャビネットの取り付け部に取り付けられた上
記透過型スクリーン70が、特にスクリーン中心部が膨
らむように外側に反り、レンチキュラーレンズシート9
0とフレネルレンズシート80の間に間隙が生じ、焦点
ぼけ、色再現性の低下、2重像といった現象による映像
の画質が低下するという問題があった。
よって、キャビネットの取り付け部に取り付けられた上
記透過型スクリーン70が、特にスクリーン中心部が膨
らむように外側に反り、レンチキュラーレンズシート9
0とフレネルレンズシート80の間に間隙が生じ、焦点
ぼけ、色再現性の低下、2重像といった現象による映像
の画質が低下するという問題があった。
【0008】上記の問題を解消するために、図3に示す
ように、スクリーンをキャビネットの取り付け部100
が、その前面に上下側取り付け面100aと左右側取り
付け面100bとを有し、上下側取り付け面100aは
フラットな面として構成されているが、左右側取り付け
面100bは上端部から中央部分に向かうに従って徐々
に内側に傾斜する傾斜面(傾斜角θ)として構成された
取り付け部に強制的にスクリーンを内側に反った状態で
取り付ける方法が提案されているが、キャビネット内外
の温度差や湿度差が特に大きい場合には、やはりスクリ
ーン中央部が外側に膨らむという問題があった。
ように、スクリーンをキャビネットの取り付け部100
が、その前面に上下側取り付け面100aと左右側取り
付け面100bとを有し、上下側取り付け面100aは
フラットな面として構成されているが、左右側取り付け
面100bは上端部から中央部分に向かうに従って徐々
に内側に傾斜する傾斜面(傾斜角θ)として構成された
取り付け部に強制的にスクリーンを内側に反った状態で
取り付ける方法が提案されているが、キャビネット内外
の温度差や湿度差が特に大きい場合には、やはりスクリ
ーン中央部が外側に膨らむという問題があった。
【0009】また、上記の問題を解消するための別の方
法として、レンチキュラーレンズシートとフレネルレン
ズシートを成形した後、例えば材質がアクリル樹脂の場
合、内部温度60℃の部屋で反らしたまま放置し、アニ
ールすることによって、図4に示すように、予め反らし
たレンチキュラーレンズシート130とフレネルレンズ
シート120を映像源側にレンチキュラーレンズシート
130の方がフレネルレンズシート120よりも大きく
反るように予め成形した後、両シート同士が全面にわた
って密着するように重ね合わせたスクリーン110をキ
ャビネットのフラットな取り付け部に装着・固定する方
法が提案されている。しかしながら、上記の予めシート
を反らす方法は、シートの内部応力を充分に取り除いて
シートの中心部が膨れないようにすることは困難であっ
て、歩留まりが悪く製造上大きな問題となっていた。
法として、レンチキュラーレンズシートとフレネルレン
ズシートを成形した後、例えば材質がアクリル樹脂の場
合、内部温度60℃の部屋で反らしたまま放置し、アニ
ールすることによって、図4に示すように、予め反らし
たレンチキュラーレンズシート130とフレネルレンズ
シート120を映像源側にレンチキュラーレンズシート
130の方がフレネルレンズシート120よりも大きく
反るように予め成形した後、両シート同士が全面にわた
って密着するように重ね合わせたスクリーン110をキ
ャビネットのフラットな取り付け部に装着・固定する方
法が提案されている。しかしながら、上記の予めシート
を反らす方法は、シートの内部応力を充分に取り除いて
シートの中心部が膨れないようにすることは困難であっ
て、歩留まりが悪く製造上大きな問題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を鑑みてなされたもので、環境の温度・湿度変化により
スクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映像を
観察できる透過型スクリーンを提供することを目的とす
る。
を鑑みてなされたもので、環境の温度・湿度変化により
スクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映像を
観察できる透過型スクリーンを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、請求項1記載の発明は、映像光の投射側より、フレ
ネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート、拡散
板を順次配置してなり、レンチキュラーレンズシートの
レンズ面と反対側の平坦面と拡散板とが積層されている
透過型スクリーンにおいて、前記拡散板の基材が、前記
レンチキュラーレンズシートの基材の熱膨張係数をα
1、また前記拡散板の基材の熱膨張係数をα2と表した
とき、その熱膨張係数の差│α1−α2│が、5.5×
10-5cm/cm/℃以下で、かつ前記レンチキュラー
レンズシートの基材の23℃60%RHと60℃90%
RHとの条件における寸法変化率β1、また前記拡散板
の基材の該寸法変化率をβ2と表したとき、その寸法変
化率の差│β1−β2│が、0.35%以下の条件を満
たす基材であって、さらに、その基材の上に1.5×1
0-5〜3.0×10-5cm/cm/℃の範囲を満たす熱
膨張係数を有する透光性基材が積層されており、該透光
性基材が、観察側の最外面に配置するようにレンチキュ
ラーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面に積層さ
れていることを特徴とする透過型スクリーンである。
に、請求項1記載の発明は、映像光の投射側より、フレ
ネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート、拡散
板を順次配置してなり、レンチキュラーレンズシートの
レンズ面と反対側の平坦面と拡散板とが積層されている
透過型スクリーンにおいて、前記拡散板の基材が、前記
レンチキュラーレンズシートの基材の熱膨張係数をα
1、また前記拡散板の基材の熱膨張係数をα2と表した
とき、その熱膨張係数の差│α1−α2│が、5.5×
10-5cm/cm/℃以下で、かつ前記レンチキュラー
レンズシートの基材の23℃60%RHと60℃90%
RHとの条件における寸法変化率β1、また前記拡散板
の基材の該寸法変化率をβ2と表したとき、その寸法変
化率の差│β1−β2│が、0.35%以下の条件を満
たす基材であって、さらに、その基材の上に1.5×1
0-5〜3.0×10-5cm/cm/℃の範囲を満たす熱
膨張係数を有する透光性基材が積層されており、該透光
性基材が、観察側の最外面に配置するようにレンチキュ
ラーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面に積層さ
れていることを特徴とする透過型スクリーンである。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキュラーレ
ンズシートの基材と、前記1.5×10-5〜3.0×1
0 -5cm/cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する
透光性基材とが同一の基材からなることを特徴とする。
載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキュラーレ
ンズシートの基材と、前記1.5×10-5〜3.0×1
0 -5cm/cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する
透光性基材とが同一の基材からなることを特徴とする。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキュ
ラーレンズシートの基材が、ポリエステル樹脂からな
り、前記拡散板の基材が、アクリル−スチレン共重合体
樹脂からなることを特徴とする。
は2記載の透過型スクリーンにおいて、前記レンチキュ
ラーレンズシートの基材が、ポリエステル樹脂からな
り、前記拡散板の基材が、アクリル−スチレン共重合体
樹脂からなることを特徴とする。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至3のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記レンチキュラーレンズシートが、透光性樹脂フ
イルム基材上に、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹
脂の硬化物からなるシリンドリカルレンズ群が並設され
てなることを特徴とする。
至3のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記レンチキュラーレンズシートが、透光性樹脂フ
イルム基材上に、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹
脂の硬化物からなるシリンドリカルレンズ群が並設され
てなることを特徴とする。
【0015】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至4のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記レンチキュラーレンズシートが、レンズ面と反
対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にス
トライプ状の遮光層が並設されていることを特徴とす
る。
至4のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記レンチキュラーレンズシートが、レンズ面と反
対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にス
トライプ状の遮光層が並設されていることを特徴とす
る。
【0016】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至5のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記1.5×10-5〜3.0×10-5cm/cm/
℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材の観察
面側に反射防止、帯電防止、擦傷防止、着色等の処理の
うち少なくとも1つの処理が施されていることを特徴と
する。
至5のいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおい
て、前記1.5×10-5〜3.0×10-5cm/cm/
℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材の観察
面側に反射防止、帯電防止、擦傷防止、着色等の処理の
うち少なくとも1つの処理が施されていることを特徴と
する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例としての
実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1(a)は、本発明の透過型スクリーン
の構成の一例を示した平面図である。本発明の透過型ス
クリーン10は、一例として、映像光の投射側より、順
次、フレネルレンズシート20と、映像光を水平方向に
屈折拡散させる作用を有する垂直方向に縦長のシリンド
リカルレンズ42群を基材41上に配列し、該レンズ群
と反対側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域
にストライプ状の遮光層43が並設されているレンチキ
ュラーレンズシート40と、基材51に拡散剤52を混
入された拡散板に、反射防止層55及び耐擦傷性のハー
ドコート層54が設けられた透光性基材53を積層して
なる拡散板50を形成する。この拡散板50をレンチキ
ュラーレンズシート40の平坦面に設けられたストライ
プ状の遮光層43上に、反射防止層55及び耐擦傷性の
ハードコート層54等が施された面を観察側の最外面に
なるように積層されて一体となった拡散層を含むレンチ
キュラー板30を形成する。
の構成の一例を示した平面図である。本発明の透過型ス
クリーン10は、一例として、映像光の投射側より、順
次、フレネルレンズシート20と、映像光を水平方向に
屈折拡散させる作用を有する垂直方向に縦長のシリンド
リカルレンズ42群を基材41上に配列し、該レンズ群
と反対側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域
にストライプ状の遮光層43が並設されているレンチキ
ュラーレンズシート40と、基材51に拡散剤52を混
入された拡散板に、反射防止層55及び耐擦傷性のハー
ドコート層54が設けられた透光性基材53を積層して
なる拡散板50を形成する。この拡散板50をレンチキ
ュラーレンズシート40の平坦面に設けられたストライ
プ状の遮光層43上に、反射防止層55及び耐擦傷性の
ハードコート層54等が施された面を観察側の最外面に
なるように積層されて一体となった拡散層を含むレンチ
キュラー板30を形成する。
【0019】図1(b)は、本発明の透過型スクリーン
を取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置を
示す断面図である。また、図2は従来の透過型スクリー
ンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置
を示す断面図である。図1(b)に示すように、上記テ
レビ装置60は、箱状のキャビネット61内には映像投
射装置62が収納されている。キャビネットの後方開口
部はミラーカバーで覆われ、このミラーカバー内に反射
ミラー63が配置されている。また、キャビネットの前
面側には長方形状の開口部が形成され、この開口部の全
周囲にフラットな取り付け部(図示せず)が設けられて
おり、その取り付け部にフレネルレンズシート20と、
レンチキュラーレンズシート40と拡散板50とを一体
とした拡散層を含むレンチキュラー板30とからなる透
過型スクリーン10を装着固定される。
を取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置を
示す断面図である。また、図2は従来の透過型スクリー
ンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置
を示す断面図である。図1(b)に示すように、上記テ
レビ装置60は、箱状のキャビネット61内には映像投
射装置62が収納されている。キャビネットの後方開口
部はミラーカバーで覆われ、このミラーカバー内に反射
ミラー63が配置されている。また、キャビネットの前
面側には長方形状の開口部が形成され、この開口部の全
周囲にフラットな取り付け部(図示せず)が設けられて
おり、その取り付け部にフレネルレンズシート20と、
レンチキュラーレンズシート40と拡散板50とを一体
とした拡散層を含むレンチキュラー板30とからなる透
過型スクリーン10を装着固定される。
【0020】本発明の透過型スクリーンにおいて、レン
チキュラーレンズシートの基材41と、拡散板の基材5
1と、該基材に積層される透光性基材53等の熱膨張係
数や23℃60%RHと60℃90%RHとの条件にお
ける基材の寸法変化率を制御することによって、キャビ
ネット内外の温度差や湿度差が生じても、スクリーン中
心部が膨らむように外側に反ることがなく、スクリーン
がフラットな状態が保持され、映像画質に優れた透過型
スクリーンを実現できる。
チキュラーレンズシートの基材41と、拡散板の基材5
1と、該基材に積層される透光性基材53等の熱膨張係
数や23℃60%RHと60℃90%RHとの条件にお
ける基材の寸法変化率を制御することによって、キャビ
ネット内外の温度差や湿度差が生じても、スクリーン中
心部が膨らむように外側に反ることがなく、スクリーン
がフラットな状態が保持され、映像画質に優れた透過型
スクリーンを実現できる。
【0021】一方、図2に示すように、キャビネットの
前面に取り付け部に装着固定された従来の透過型スクリ
ーンは、キャビネット内外の温度差や湿度差によって、
スクリーン中央部が容易に外側に膨らむ状態となり易
く、レンチキュラー板90とフレネルレンズ板80との
間に間隙が生じ、焦点ぼけ、色再現性の低下、解像度の
低下、2重像といった現象による映像の画質が低下す
る。
前面に取り付け部に装着固定された従来の透過型スクリ
ーンは、キャビネット内外の温度差や湿度差によって、
スクリーン中央部が容易に外側に膨らむ状態となり易
く、レンチキュラー板90とフレネルレンズ板80との
間に間隙が生じ、焦点ぼけ、色再現性の低下、解像度の
低下、2重像といった現象による映像の画質が低下す
る。
【0022】本発明の透過型スクリーンは、映像光の投
射側より、フレネルレンズシート、レンチキュラーレン
ズシート、拡散板を順次配置してなり、レンチキュラー
レンズシートのレンズ面と反対側の平坦面と拡散板とが
積層されており、前記拡散板の基材が、前記レンチキュ
ラーレンズシートの基材の熱膨張係数をα1、また前記
拡散板の基材の熱膨張係数をα2と表したとき、その熱
膨張係数の差│α1−α2│が、5.5×10-5cm/
cm/℃以下で、かつ前記レンチキュラーレンズシート
の基材の23℃60%RHと60℃90%RHとの条件
における寸法変化率β1、また前記拡散板の基材の該寸
法変化率をβ2と表したとき、その寸法変化率の差│β
1−β2│が、0.35%以下であって、上記条件を満
たす基材であって、さらに、その基板上に1.5×10
-5〜3.0×10-5cm/cm/℃の範囲を満たす熱膨
張係数を有する透光性基材が積層されており、該透光性
基材が、観察側の最外面に配置するようにレンチキュラ
ーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面に積層され
ていることを特徴とするものである。
射側より、フレネルレンズシート、レンチキュラーレン
ズシート、拡散板を順次配置してなり、レンチキュラー
レンズシートのレンズ面と反対側の平坦面と拡散板とが
積層されており、前記拡散板の基材が、前記レンチキュ
ラーレンズシートの基材の熱膨張係数をα1、また前記
拡散板の基材の熱膨張係数をα2と表したとき、その熱
膨張係数の差│α1−α2│が、5.5×10-5cm/
cm/℃以下で、かつ前記レンチキュラーレンズシート
の基材の23℃60%RHと60℃90%RHとの条件
における寸法変化率β1、また前記拡散板の基材の該寸
法変化率をβ2と表したとき、その寸法変化率の差│β
1−β2│が、0.35%以下であって、上記条件を満
たす基材であって、さらに、その基板上に1.5×10
-5〜3.0×10-5cm/cm/℃の範囲を満たす熱膨
張係数を有する透光性基材が積層されており、該透光性
基材が、観察側の最外面に配置するようにレンチキュラ
ーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面に積層され
ていることを特徴とするものである。
【0023】図1(a)に示すように、上記拡散板の基
材51は、拡散剤52が混入されており、その基材51
に透光性基材53が積層されて一体となって拡散板を形
成している。基材51の熱膨張係数及び寸法変化率と透
光性基材53の熱膨張係数が、上記の条件を満たすもの
であれば特に限定されるものではないが、基材51はア
クリルースチレン共重合体が好適に用いられる。
材51は、拡散剤52が混入されており、その基材51
に透光性基材53が積層されて一体となって拡散板を形
成している。基材51の熱膨張係数及び寸法変化率と透
光性基材53の熱膨張係数が、上記の条件を満たすもの
であれば特に限定されるものではないが、基材51はア
クリルースチレン共重合体が好適に用いられる。
【0024】上記基材51に混入される拡散剤52は、
粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カル
シウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各
種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が
挙げられるが、拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に
応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものでは
ない。また、上記基材51厚さは、1〜2mm程度が望
ましいが、特に限定されるものではない。
粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カル
シウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各
種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が
挙げられるが、拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に
応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものでは
ない。また、上記基材51厚さは、1〜2mm程度が望
ましいが、特に限定されるものではない。
【0025】本発明の透過型スクリーンにおいて、透光
性基材53は、1.5×10-5〜3.0×10-5cm/
cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材
であれば特に限定されるものではないが、ポリエステル
樹脂が好適に用いられる。
性基材53は、1.5×10-5〜3.0×10-5cm/
cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材
であれば特に限定されるものではないが、ポリエステル
樹脂が好適に用いられる。
【0026】本発明の透過型スクリーンにおいて、レン
チキュラーレンズシートの基材41と、透光性基材53
とが同一の基材からなり、その場合、特にポリエステル
樹脂からなる基材が好適に用いられる。
チキュラーレンズシートの基材41と、透光性基材53
とが同一の基材からなり、その場合、特にポリエステル
樹脂からなる基材が好適に用いられる。
【0027】本発明の透過型スクリーンにおいて、レン
チキュラーレンズシートの基材41がポリエステル樹脂
からなり、拡散板を構成する基材51がアクリル−スチ
レン共重合体樹脂からなる構成も好適に用いられる。
チキュラーレンズシートの基材41がポリエステル樹脂
からなり、拡散板を構成する基材51がアクリル−スチ
レン共重合体樹脂からなる構成も好適に用いられる。
【0028】本発明の透過型スクリーンにおいて、レン
チキュラーレンズシートの基材41がポリエステル樹脂
からなり、拡散板を構成する基材51がアクリル−スチ
レン共重合体樹脂からなり、もう一方の透光性基材53
がポリエステル樹脂からなる構成が最も好適に用いられ
る。
チキュラーレンズシートの基材41がポリエステル樹脂
からなり、拡散板を構成する基材51がアクリル−スチ
レン共重合体樹脂からなり、もう一方の透光性基材53
がポリエステル樹脂からなる構成が最も好適に用いられ
る。
【0029】本発明の透過型スクリーンで用いられるフ
レネルレンズシートやレンチキュラーレンズシートは、
ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル樹脂等のシート状基材を加熱し、熱溶融
状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法。ま
たは、エクストル−ダによる溶融押出し成形にて、溶融
状態で押し出されるシート状樹脂基材表面にエンボスロ
ール金型を用いて型押しする方法等の公知慣用の方法で
製造できる。
レネルレンズシートやレンチキュラーレンズシートは、
ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル樹脂等のシート状基材を加熱し、熱溶融
状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法。ま
たは、エクストル−ダによる溶融押出し成形にて、溶融
状態で押し出されるシート状樹脂基材表面にエンボスロ
ール金型を用いて型押しする方法等の公知慣用の方法で
製造できる。
【0030】しかしながら、本発明の透過型スクリーン
において使用されるレンチキュラーレンズシートは、透
光性樹脂フイルム基材上に、紫外線硬化型樹脂又は電子
線硬化型樹脂の硬化物からなるシリンドリカルレンズ群
が形成されてなるレンチキュラーレンズシートが、生産
性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
において使用されるレンチキュラーレンズシートは、透
光性樹脂フイルム基材上に、紫外線硬化型樹脂又は電子
線硬化型樹脂の硬化物からなるシリンドリカルレンズ群
が形成されてなるレンチキュラーレンズシートが、生産
性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
【0031】上記透光性樹脂フイルム基材は、特に限定
されるものではなくポリエステルフィルムが好適に用い
られる。
されるものではなくポリエステルフィルムが好適に用い
られる。
【0032】上記紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹
脂は、特に限定されるものではないが、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。紫外
線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなるシ
リンドリカルレンズ群が形成されてなるレンチキュラー
レンズシートは、例えば紫外線または電子線硬化性樹脂
組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の
成型面に塗布し、透光性基材をエンボスロール金型に供
給して、該基材を介して紫外線または電離放射線の照射
により、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型
物からなるレンズを基材に重合接着せしめる方法等によ
って製造できる。
脂は、特に限定されるものではないが、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。紫外
線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなるシ
リンドリカルレンズ群が形成されてなるレンチキュラー
レンズシートは、例えば紫外線または電子線硬化性樹脂
組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の
成型面に塗布し、透光性基材をエンボスロール金型に供
給して、該基材を介して紫外線または電離放射線の照射
により、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型
物からなるレンズを基材に重合接着せしめる方法等によ
って製造できる。
【0033】また、本発明の透過型スクリーンにおいて
使用されるレンチキュラーレンズシートは、レンズ面と
反対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域に
ストライプ状の遮光層が配列されていることを特徴とす
るものである。上記ストライプ状の遮光層は、粘着性の
紫外線硬化型樹脂が、紫外線の照射によって硬化して非
粘着性となることを利用して設ける下記の方法によるの
が望ましいが、特に限定されるものではない。
使用されるレンチキュラーレンズシートは、レンズ面と
反対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域に
ストライプ状の遮光層が配列されていることを特徴とす
るものである。上記ストライプ状の遮光層は、粘着性の
紫外線硬化型樹脂が、紫外線の照射によって硬化して非
粘着性となることを利用して設ける下記の方法によるの
が望ましいが、特に限定されるものではない。
【0034】レンチキュラーレンズシートのレンズ面と
反対側の平坦面に、紫外線硬化型樹脂層を形成する。レ
ンズ側からレンチキュラーレンズシートの平坦面に形成
した紫外線硬化型樹脂層に対して各々のレンチキュラー
レンズ群を介して、紫外線を垂直に照射して、各レンチ
キュラーレンズ群によって集光された部分の前記樹脂を
硬化させて非粘着性とした後、粘着性の前記樹脂の未硬
化部分にのみ黒色の着色剤を付着させることにより遮光
層が形成される。
反対側の平坦面に、紫外線硬化型樹脂層を形成する。レ
ンズ側からレンチキュラーレンズシートの平坦面に形成
した紫外線硬化型樹脂層に対して各々のレンチキュラー
レンズ群を介して、紫外線を垂直に照射して、各レンチ
キュラーレンズ群によって集光された部分の前記樹脂を
硬化させて非粘着性とした後、粘着性の前記樹脂の未硬
化部分にのみ黒色の着色剤を付着させることにより遮光
層が形成される。
【0035】着色剤として黒色微粉体トナーを、未硬化
部分にのみに選択的に付着させることもできる。また、
黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ
層を未硬化部分にのみに選択的に付着させることもでき
る。上記の露光プロセスによれば、各レンチキュラーレ
ンズに対しては、レンズ側からレンチキュラーレンズシ
ートの全面に平行光を一括的に照射することになる。従
って、形成される遮光層は、実際のレンチキュラーレン
ズシートへの紫外線の照射による非集光部に対してであ
り、真に遮光層の形成が必要な箇所、すなわち映像光の
通過しない領域に、確実な位置精度で形成できる。
部分にのみに選択的に付着させることもできる。また、
黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ
層を未硬化部分にのみに選択的に付着させることもでき
る。上記の露光プロセスによれば、各レンチキュラーレ
ンズに対しては、レンズ側からレンチキュラーレンズシ
ートの全面に平行光を一括的に照射することになる。従
って、形成される遮光層は、実際のレンチキュラーレン
ズシートへの紫外線の照射による非集光部に対してであ
り、真に遮光層の形成が必要な箇所、すなわち映像光の
通過しない領域に、確実な位置精度で形成できる。
【0036】また、本発明の透過型スクリーンにおい
て、拡散板を構成する透光性基材53の観察面側に反射
防止、帯電防止、擦傷防止、着色等の処理のうち少なく
とも1つの処理が施されていることを特徴とするもので
ある。
て、拡散板を構成する透光性基材53の観察面側に反射
防止、帯電防止、擦傷防止、着色等の処理のうち少なく
とも1つの処理が施されていることを特徴とするもので
ある。
【0037】上記反射防止の処理は、拡散板を構成する
透光性基材53の屈折率よりも低屈折率の材料又は透明
なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜
を塗布又は蒸着等により、基材に形成することができ
る。本発明では、特に材料や形成方法は限定されるもの
ではない。上記反射防止処理によって、外光コントラス
トの改善及び写り込みのない映像が得られる。
透光性基材53の屈折率よりも低屈折率の材料又は透明
なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜
を塗布又は蒸着等により、基材に形成することができ
る。本発明では、特に材料や形成方法は限定されるもの
ではない。上記反射防止処理によって、外光コントラス
トの改善及び写り込みのない映像が得られる。
【0038】上記帯電防止の処理は、拡散板を構成する
透光性基材53に帯電防止剤を塗布する。一例として、
粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2)を用い、表面
抵抗値が1010Ω以下となるような帯電防止層を設け
る。帯電防止層の表面抵抗値が1010Ω以下であれば、
特に帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものでは
ない。
透光性基材53に帯電防止剤を塗布する。一例として、
粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2)を用い、表面
抵抗値が1010Ω以下となるような帯電防止層を設け
る。帯電防止層の表面抵抗値が1010Ω以下であれば、
特に帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものでは
ない。
【0039】本発明の透過型スクリーンにおいて、拡散
板を構成する透光性基材53の最外面が、透過型スクリ
ーンの観察面になるため、外部からの引っ掻きや接触に
よる傷等に耐えるために、ハードコート処理を施すこと
ができる。ハードコート処理によるハードコート層は、
紫外線硬化型塗料から形成する。紫外線硬化型塗料は、
一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル
重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オ
リゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その
他光重合開始剤や増感剤を含有する。本発明に好ましい
ものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有す
る多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を
使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、
耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することがで
きる。
板を構成する透光性基材53の最外面が、透過型スクリ
ーンの観察面になるため、外部からの引っ掻きや接触に
よる傷等に耐えるために、ハードコート処理を施すこと
ができる。ハードコート処理によるハードコート層は、
紫外線硬化型塗料から形成する。紫外線硬化型塗料は、
一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル
重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オ
リゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その
他光重合開始剤や増感剤を含有する。本発明に好ましい
ものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有す
る多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を
使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、
耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することがで
きる。
【0040】樹脂板に紫外線硬化型塗料を塗布する方法
は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティン
グ、ナイフコーティング、リバースロールコーティン
グ、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーテ
ィング等の任意の塗布方法により上記の拡散層上に塗布
されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優
れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティ
ング、リバースロールコーティング、オフセットグラビ
アコーティング方法等が好適である。また、ハードコー
ト層を転写層とした転写シートを用いて転写によって形
成することもできる
は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティン
グ、ナイフコーティング、リバースロールコーティン
グ、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーテ
ィング等の任意の塗布方法により上記の拡散層上に塗布
されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優
れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティ
ング、リバースロールコーティング、オフセットグラビ
アコーティング方法等が好適である。また、ハードコー
ト層を転写層とした転写シートを用いて転写によって形
成することもできる
【0041】本発明で使用される着色剤は、光吸収スペ
クトルが可視波長領域においてほぼ一様な黒色の可視光
線吸収材料、または選択波長特性を有する可視光線吸収
材料のうち何れか一方を含有させることにより、可視光
線波長領域における光吸収量を増加させ、外光コントラ
スト向上させることができる。可視光線を吸収できる材
料着色剤の材料として基材と相溶性のある色素、顔料、
カーボン、金属塩等を挙げることができる。
クトルが可視波長領域においてほぼ一様な黒色の可視光
線吸収材料、または選択波長特性を有する可視光線吸収
材料のうち何れか一方を含有させることにより、可視光
線波長領域における光吸収量を増加させ、外光コントラ
スト向上させることができる。可視光線を吸収できる材
料着色剤の材料として基材と相溶性のある色素、顔料、
カーボン、金属塩等を挙げることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
する。
【0043】〈実施例1〉基材として、熱膨張係数が7
×10-5cm/cm/℃であって、23℃60%RHと
60℃90%RHとの条件における寸法変化率が0.4
%のアクリル−スチレン共重合樹脂(MS)である熱可
塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の拡散
剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成し、
得られたそのMS拡散板と、熱膨張係数が2.7×10
-5cm/cm/℃であって、23℃60%RHと60℃
90%RHとの条件における寸法変化率が0.056%
の厚さ0.125mmのポリエステルフィルム(PE
T)の片面にアンチグレア、ハードコート及び帯電防止
処理を施し、その処理側と反対面とを光学用途の粘着フ
ィルムを介して積層して、PETフィルムを積層一体と
したMS拡散板を作成した。次ぎに、紫外線硬化性樹脂
組成物をレンズの逆形状を有する金型の成型面に塗布
し、基材として熱膨張係数が2.5×10-5cm/cm
/℃であって、23℃60%RHと60℃90%RHと
の条件における寸法変化率が0.077%の厚さ0.1
25mmのポリエステルフィルム(PET)を積層し、
基材を介して紫外線を照射して、前記樹脂を硬化させる
と同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを基材に重合
接着せしめた所定形状を有するレンチキュラーレンズシ
ートを作成した。レンズ面と反対側の平坦面に未硬化の
フィルム状紫外線硬化性樹脂を積層した後、レンズ面を
介して垂直に紫外線を照射して、各レンズ群によって集
光された部分の前記樹脂を硬化させて非粘着性とした
後、粘着性の前記樹脂の未硬化部分にのみ黒色のインキ
層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部
分にのみに黒色の着色剤を付着させることによりストラ
イプ状の遮光層を形成した。上記レンチキュラーレンズ
シートの遮光層を形成した面に光学用途の粘着フィルム
を介して、先に得られたアンチグレア、ハードコート及
び帯電防止処理からなる表面処理が施されたPETフィ
ルムが積層されて一体となったMS拡散板の処理面が観
察側の最外面になるように積層して一体としたレンチキ
ュラー板を作成した。一方、所定形状のアクリル樹脂か
らなる厚さ1.85mmのフレネルレンズシートを作成
し、そのフレネルレンズシートと上記レンチキュラー板
とを組み合わせた60インチサイズの透過型スクリーン
を背面投射型プロジェクションテレビ装置に装着固定
し、60℃−90%RHの環境下24時間保存後のスク
リーン中心部の反り量を測定した。また、映像の解像度
及びコントラストを目視観察によって比較して、4段階
評価し、優(◎)、良(○)、可(△)、不可(×)で
表した。その評価結果を表1に示す。
×10-5cm/cm/℃であって、23℃60%RHと
60℃90%RHとの条件における寸法変化率が0.4
%のアクリル−スチレン共重合樹脂(MS)である熱可
塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の拡散
剤を混入した厚さ1.85mmのMS拡散板を作成し、
得られたそのMS拡散板と、熱膨張係数が2.7×10
-5cm/cm/℃であって、23℃60%RHと60℃
90%RHとの条件における寸法変化率が0.056%
の厚さ0.125mmのポリエステルフィルム(PE
T)の片面にアンチグレア、ハードコート及び帯電防止
処理を施し、その処理側と反対面とを光学用途の粘着フ
ィルムを介して積層して、PETフィルムを積層一体と
したMS拡散板を作成した。次ぎに、紫外線硬化性樹脂
組成物をレンズの逆形状を有する金型の成型面に塗布
し、基材として熱膨張係数が2.5×10-5cm/cm
/℃であって、23℃60%RHと60℃90%RHと
の条件における寸法変化率が0.077%の厚さ0.1
25mmのポリエステルフィルム(PET)を積層し、
基材を介して紫外線を照射して、前記樹脂を硬化させる
と同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを基材に重合
接着せしめた所定形状を有するレンチキュラーレンズシ
ートを作成した。レンズ面と反対側の平坦面に未硬化の
フィルム状紫外線硬化性樹脂を積層した後、レンズ面を
介して垂直に紫外線を照射して、各レンズ群によって集
光された部分の前記樹脂を硬化させて非粘着性とした
後、粘着性の前記樹脂の未硬化部分にのみ黒色のインキ
層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部
分にのみに黒色の着色剤を付着させることによりストラ
イプ状の遮光層を形成した。上記レンチキュラーレンズ
シートの遮光層を形成した面に光学用途の粘着フィルム
を介して、先に得られたアンチグレア、ハードコート及
び帯電防止処理からなる表面処理が施されたPETフィ
ルムが積層されて一体となったMS拡散板の処理面が観
察側の最外面になるように積層して一体としたレンチキ
ュラー板を作成した。一方、所定形状のアクリル樹脂か
らなる厚さ1.85mmのフレネルレンズシートを作成
し、そのフレネルレンズシートと上記レンチキュラー板
とを組み合わせた60インチサイズの透過型スクリーン
を背面投射型プロジェクションテレビ装置に装着固定
し、60℃−90%RHの環境下24時間保存後のスク
リーン中心部の反り量を測定した。また、映像の解像度
及びコントラストを目視観察によって比較して、4段階
評価し、優(◎)、良(○)、可(△)、不可(×)で
表した。その評価結果を表1に示す。
【0044】〈比較例1〉実施例1における熱膨張係数
が2.7×10-5cm/cm/℃であって、23℃60
%RHと60℃90%RHとの条件における寸法変化率
が0.056%の厚さ0.125mmのポリエステルフ
ィルム(PET)の片面にアンチグレア、ハードコート
及び帯電防止処理を施したPETフィルムを積層せず
に、基材として熱膨張係数が7×10-5cm/cm/℃
であって、23℃60%RHと60℃90%RHとの条
件における寸法変化率が0.4%のアクリル−スチレン
共重合樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し
出し成形によって所定量の拡散剤を混入した厚さ1.8
5mmのMS拡散板の片面に直接ハードコート及帯電防
止処理を施した拡散板を作成して用いた以外は実施例1
と同様に透過型スクリーンを作成し、実施例1と同様に
評価した。その結果を表1に示す。
が2.7×10-5cm/cm/℃であって、23℃60
%RHと60℃90%RHとの条件における寸法変化率
が0.056%の厚さ0.125mmのポリエステルフ
ィルム(PET)の片面にアンチグレア、ハードコート
及び帯電防止処理を施したPETフィルムを積層せず
に、基材として熱膨張係数が7×10-5cm/cm/℃
であって、23℃60%RHと60℃90%RHとの条
件における寸法変化率が0.4%のアクリル−スチレン
共重合樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し
出し成形によって所定量の拡散剤を混入した厚さ1.8
5mmのMS拡散板の片面に直接ハードコート及帯電防
止処理を施した拡散板を作成して用いた以外は実施例1
と同様に透過型スクリーンを作成し、実施例1と同様に
評価した。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明により、環境の温度・湿度変化に
よりスクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映
像を観察できる透過型スクリーンを提供することが可能
となった。
よりスクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映
像を観察できる透過型スクリーンを提供することが可能
となった。
【図1】(a)は、本発明の透過型スクリーンの構成の
一実施例を示した平面図。(b)は、本発明の透過型ス
クリーンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレ
ビ装置を示す断面図。
一実施例を示した平面図。(b)は、本発明の透過型ス
クリーンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレ
ビ装置を示す断面図。
【図2】従来の透過型スクリーンを取り付けた背面投射
型プロジェクションテレビ装置を示す断面図。
型プロジェクションテレビ装置を示す断面図。
【図3】従来の背面投射型プロジェクションテレビ装置
のスクリーン取り付け部を示す斜視図。
のスクリーン取り付け部を示す斜視図。
【図4】従来の予め反りを付与した透過型スクリーンの
構成の一例を示した断面図。
構成の一例を示した断面図。
10、70、110……透過型スクリーン 20、80、120……フレネルレンズシート 30……レンチキュラーレンズシートと拡散板とからな
るレンチキュラー板 40、90、130……レンチキュラーレンズシート 41……フイルム基材 42……シリンドリカルレンズ部 43……遮光層 50……透光性基材を積層してなる拡散板 51……基材 52……拡散剤 53……透光性基材 54……ハードコート層 55……反射防止層 60……背面投射型プロジェクションテレビ装置 61……キャビネット 62……映像投射装置 63……反射ミラー 100……背面投射型プロジェクションテレビ装置のス
クリーン取り付け部 100a……スクリーン取り付け部の上下側取り付け面 100b……スクリーン取り付け部の左右側取り付け面
るレンチキュラー板 40、90、130……レンチキュラーレンズシート 41……フイルム基材 42……シリンドリカルレンズ部 43……遮光層 50……透光性基材を積層してなる拡散板 51……基材 52……拡散剤 53……透光性基材 54……ハードコート層 55……反射防止層 60……背面投射型プロジェクションテレビ装置 61……キャビネット 62……映像投射装置 63……反射ミラー 100……背面投射型プロジェクションテレビ装置のス
クリーン取り付け部 100a……スクリーン取り付け部の上下側取り付け面 100b……スクリーン取り付け部の左右側取り付け面
Claims (6)
- 【請求項1】映像光の投射側より、フレネルレンズシー
ト、レンチキュラーレンズシート、拡散板を順次配置し
てなり、レンチキュラーレンズシートのレンズ面と反対
側の平坦面と拡散板とが積層されている透過型スクリー
ンにおいて、 前記拡散板の基材が、前記レンチキュラーレンズシート
の基材の熱膨張係数をα1、また前記拡散板の基材の熱
膨張係数をα2と表したとき、その熱膨張係数の差│α
1−α2│が、5.5×10-5cm/cm/℃以下で、
かつ前記レンチキュラーレンズシートの基材の23℃6
0%RHと60℃90%RHとの条件における寸法変化
率β1、また前記拡散板の基材の該寸法変化率をβ2と
表したとき、その寸法変化率の差│β1−β2│が、
0.35%以下の条件を満たす基材であって、さらに、
その基材の上に1.5×10-5〜3.0×10-5cm/
cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材
が積層されており、該透光性基材が、観察側の最外面に
配置するようにレンチキュラーレンズシートのレンズ面
と反対側の平坦面に積層されていることを特徴とする透
過型スクリーン。 - 【請求項2】前記レンチキュラーレンズシートの基材
と、前記1.5×10-5〜3.0×10-5cm/cm/
℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基材とが同
一の基材からなることを特徴とする請求項1記載の透過
型スクリーン。 - 【請求項3】前記レンチキュラーレンズシートの基材
が、ポリエステル樹脂からなり、前記拡散板の基材が、
アクリル−スチレン共重合体樹脂からなることを特徴と
する請求項1又は2記載の透過型スクリーン。 - 【請求項4】前記レンチキュラーレンズシートが、透光
性フイルム基材上に、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化
型樹脂の硬化物からなるシリンドリカルレンズ群が並設
されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
1項に記載の透過型スクリーン。 - 【請求項5】前記レンチキュラーレンズシートが、レン
ズ面と反対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の
領域にストライプ状の遮光層が並設されていることを特
徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透過型
スクリーン。 - 【請求項6】前記1.5×10-5〜3.0×10-5cm
/cm/℃の範囲を満たす熱膨張係数を有する透光性基
材の観察面側に反射防止、帯電防止、擦傷防止、着色等
の処理のうち少なくとも1つの処理が施されていること
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の透
過型スクリーン。
Priority Applications (1)
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