JP2005326447A - レンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】温度の変化による反りが少なく、スクリーン画質の低下のないレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
【解決手段】映像光の入射側が透明な支持体フィルム11の一方の面にシリンドリカルレンズ12が、他方の面にストライプ状の遮光パターンからなる遮光層13からなるレンチキュラーレンズレンズフィルム10と、拡散剤を練り込んだ拡散樹脂板20とが形成されてなるレンチキュラーレンズシートにおいて、前記支持体フィルムの線膨張係数をa1、拡散樹脂板の線膨張係数をa2としたとき、a1とa2とが、a1>3.0×10-5cm/cm/℃、|a1−a2|<5.5×10-5cm/cm/℃なる条件を満たしていることを特徴とするレンチキュラーレンズシートからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組み合わせて構成される透過型プロジェクションスクリーンに関して、特に、液晶プロジェクーを用いる単管式の液晶プロジェクションテレビに代表される透過型液晶表示装置向けとして使用するのに適した透過型スクリーンに関する。
透過型プロジェクションスクリーンの一般的な形態としては、図1に示すように、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの組み合わせからなり、プロジェクターからの投影光を結像及び光拡散させて透過させることにより、プロジェクターの位置と対向する側から鑑賞者は映像を鑑賞する。フレネルレンズは、映像源から発散して投射された光を平行光に変換することで、画面の輝度の均一性を図ることを目的としており、レンチキュラーレンズは、観察側の広い範囲で映像が見られるように光を拡散させることを目的としている。
従来、レンチキュラーレンズは、両面に凸シリンドリカルレンズ面が形成され、片面(映像光の出射側)の各シリンドリカルレンズの境界部には突起が形成され、突起の上部には遮光層(光吸収性を有する黒色ストライプ)が形成された構造であるのが一般的である。表裏に凸シリンドリカルレンズ面が形成されているのは、画像投射装置が3管式のCRT方式の場合、入射側のレンズで3色のズレを補償する必要があるためである。
近年、透過型液晶プロジェクションテレビが普及しつつある。液晶プロジェクションテレビの場合、その投射機構により3管式のCRT方式と比較して、色ずれの問題がないため、両面にシリンドリカルレンズ面を形成した両面レンチキューラーシートを用いる必要がなく、図1に示すように、片面にシリンドリカルレンズ面を形成した片面レンチキューラーシートが使用できる。
また、映像画質の高精細化に伴い、液晶プロジェクターの画素数も増大(従来の数十万画素から100万画素以上に)していることから、レンチキュラーレンズシートに対してもシリンドリカルレンズのファインピッチ化が要求されている。ファインピッチ化によって、液晶プロジェクターの画素の周期性とシリンドリカルレンズの周期性に起因するモアレの現象が低減されることになる。具体的には、現状の0.7mm前後から、0.3mm以下のファインピッチ化が要求されている。
レンチキュラーレンズシートの製造方法としては、従来、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の透明な熱可塑性樹脂シートに対してプレス成型を行ったり、溶融押出しと同時に両面成型を行うことにより得られているが、熱可塑性樹脂に対する各種の成型法では、上記のファインピッチ化が非常に困難である。その理由は、熱成型後の冷却時に温度の不均一が生じ、成型物に反りが発生したり、熱収縮の不均一が発生するというプラスチック特有の熱戻り現象に起因するためである。
ファインピッチなレンズシートを成型するのに好適な製造方法としては、放射線(紫外線、または、電子線)硬化性樹脂を用いた各種の成型方法が公知である。これは、支持体フィルムを用いて、ファインピッチなレンズ部が、放射線硬化性樹脂の硬化物により形成されており、前記支持体フィルムの他面である平坦な表面には、紫外線露光前に粘着性を有する紫外線感光性樹脂層を介して、前記紫外線感光性樹脂の表面の各シリンドリカルレ
ンズの集光作用に基づく非粘着部を除いた境界部に相当する位置に、転写によるストライプ状の遮光パターン(ブラックストライプ)が形成されるレンチキュラーレンズシートの製造方法が提案されている。このような製造方法は、通常、連続製造装置が使用され、支持体フィルムなどをロールから供給することによって、生産効率の高いレンチキュラーレンズシートの生産が可能である。
また、観察時の視野角度を広げるために、さらに、前記レンチキュラーレンズシートの遮光パターン側に粘着加工を施し、拡散剤粉末を練り込んだ拡散樹脂板をラミネートして積層することが一般的に行われている。
しかし、上記のように積層されたレンチキュラーレンズシートは、温度変化によって、支持体フィルムの線膨張係数と拡散樹脂板の熱拡散係数との差に起因する反りが発生しやすい欠点を有する。このようなレンチキュラーレンズシートを使用した透過型スクリーンは、環境の温度変化によって、レンチキュラーレンズシートとフレネルシートの間に浮きが生じ、スクリーンの画質が著しく低下する問題がある。
そこで、透明基材の片面にレンズ部を有し、他面に拡散板を有する構成のレンチキュラーシートにおいて、透明基材と拡散板との線膨張係数の差に応じた反り変形への対策を講じた提案がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。上記案件では、何れも、前記透明基材と反対側の拡散板の表面に、線膨張係数が前記透明基材に近い別の透明基材層を形成して、すなわち、拡散板を表裏の透明基材で挟んだ状態とすることで、反り変形の防止を図っている。拡散板としては、MS樹脂(線膨張係数:6〜7×10-5cm/cm/℃)が 代表的な材質であり、透明基材としては、PETフィルム(線膨張係数:1.5〜3×10-5cm/cm/℃)が代表的な材質であるため、反り変形への対策が講じられている。しかし、上記案件に係る構成では、部材数の増加に伴う製造工程やコストの上昇を招くことになる。
特開2002−40563 特開2002−169224
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、温度の変化による反りが少なく、スクリーン画質の低下のないレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を達成するために、まず請求項1においては、映像光の入射側が透明な支持体フィルムの一方の面にシリンドリカルレンズが、他方の面にストライプ状の遮光パターンからなる遮光層及び拡散剤を練り込んだ拡散樹脂板が形成されてなるレンチキュラーレンズシートにおいて、前記支持体フィルムの線膨張係数をa1、拡散樹脂板の線膨張係数をa2としたとき、a1とa2とが、下記の条件を満たしていることを特徴とするレンチキュラーレンズシートとしたものである。
a1>3.0×10-5cm/cm/℃
|a1−a2|<5.5×10-5cm/cm/℃
また、請求項2においては、前記レンチキュラーレンズシートを15cm×20cmの大きさに切り出したシートの60℃での反りが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のレンチキュラーレンズシートとしたものである。
さらにまた、請求項3においては、請求項1または2に記載のレンチキュラーレンズシートと、フレネルレンズシートとを組み合わせて構成される透過型スクリーンとしたものである。
本発明のレンチキュラーレンズシートを用いて透過型スクリーンを形成することにより、環境の温度変化によりスクリーンの中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる背面投射型プロジェクションテレビ装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明のレンチキュラーレンズシートの構成の一例を示す模式構成断面図である。本発明のレンチキュラーレンズシート30は、一例として、映像光の投射側より、映像光を水平方向に屈折拡散させる作用を有する垂直方向に縦長のシリンドリカルレンズ12群を透明な支持体フィルム11上に配列し、該シリンドリカルレンズ12と反対側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層13が並設されているレンチキュラーレンズフィルム10と、樹脂基材に拡散剤を練り込んだ拡散樹脂板20とで構成されている。
請求項1及び2に係わるレンチキュラーレンズシートでは、支持体フィルム11の線膨張係数をa1、拡散樹脂板20の線膨張係数をa2としたとき、それぞれ、a1>3.0×10-5cm/cm/℃、|a1−a2|<5.5×10-5cm/cm/℃の条件を満たすように、支持体フィルム11の線膨張係数a1、拡散樹脂板20の線膨張係数a2がそれぞれ設定されているため、図2(a)及び(b)に示すようにレンチキュラーレンズシート30を15cm×20cmの大きさに切り出したシート30aの60℃での反り量Δyを1.0mm以下に抑えることができ、後記するキャビネット内外の温度変化が生じても、レンチキュラーレンズシートがフラットな状態で保持され、映像画質の優れた透過型スクリーンを実現できるようになっている。
上記透明な支持体フィルム11は、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム等が挙げられ、線膨張係数a1が3.0×10-5cm/cm/℃以上であれば特に限定されるものではないが、アクリル又はメタクリル系などのアクリル結合又はメタクリル結合を持つ樹脂フィルムが好適に用いられる。
上記拡散樹脂板20の樹脂基材は、線膨張係数a2が、上記支持体フィルム11の線膨張係数a1との差|a1−a2|が、5.5×10-5cm/cm/℃以下であるという条件を満たすものであれば特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合体(線膨張係数:6〜7×10-5cm/cm/℃)が好適に用いられる。
上記拡散樹脂板20の樹脂基材に混入される拡散剤は、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が挙げられるが、拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものではない。また、上記樹脂基材の厚さは、1〜2mm程度が望ましいが、特に限定されるものではない。
また、透明な支持体フィルム11上にシリンドリカルレンズ12を形成する方法としては、例えば紫外線または電子線硬化性樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、透明な支持体フィルム11をエンボスロール金型に供給して、該支持体フィルム11を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを支持体フィルム11に重合接着せしめる方法等によって製造でき、生産性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、レンズ面と反対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層13を配列している。ストライプ状の遮光層13は、粘着性の紫外線硬化型樹脂が、紫外線の照射によって硬化して非粘着性となることを利用して設ける下記の方法によるのが望ましい。
ストライプ状の遮光層13の形成法としては、まず、シリンドリカルレンズ12が形成された透明な支持体フィルム11の反対側の平坦面に、紫外線硬化型樹脂層を形成する。次に、紫外線硬化型樹脂層に対してシリンドリカルレンズ12を介して、紫外線を垂直に照射して、シリンドリカルレンズ12によって集光された部分の紫外線硬化型樹脂層を硬化させて非粘着性とした後、未露光部の粘着性を有する紫外線硬化型樹脂層にのみ黒色の着色剤を付着させることによりストライプ状の遮光層13が形成される。
黒色の着色剤としては、光吸収スペクトルが可視波長領域においてほぼ一様な黒色の可視光線吸収材料、または選択波長特性を有する可視光線吸収材料のうち何れか一方を含有させることにより、可視光線波長領域における光吸収量を増加させ、外光コントラスト向上させることができる。可視光線を吸収できる材料着色剤の材料として基材と相溶性のある色素、顔料、カーボン、金属塩等を挙げることができる。
着色剤として黒色微粉体トナーを、未硬化部分にのみに選択的に付着させることもできる。また、黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部分にのみに選択的に付着させることもできる。上記の露光プロセスによれば、各レンチキュラーレンズに対しては、レンズ側からレンチキュラーレンズシートの全面に平行光を一括的に照射することになる。従って、形成されるストライプ状の遮光層13は、実際のレンチキュラーレンズシートでは未露光部にだけ形成されるので、映像光の通過しない領域に、確実な位置精度で形成できる。
また、本発明のレンチキュラーレンズシートにおいて、拡散樹脂板20の観察面側に反射防止層、帯電防止層、擦傷防止層、着色層等の形成することが好ましい。
反射防止層としては、拡散樹脂板20の屈折率よりも低屈折率の材料又は透明なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜を観察面側に塗布又は蒸着等により薄膜層を形成することにより得られる。反射防止層を形成することにより、外光コントラストの改善及び写り込みのない映像が得られる。
帯電防止層としては、拡散樹脂板20の観察面側に帯電防止剤を塗布する。一例として、粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2)を用い、表面抵抗値が1010Ω以下となるような帯電防止層を設ける。帯電防止層の表面抵抗値は1010Ω以下が好ましい。
拡散樹脂板20の最外面は、透過型スクリーンの観察面になるため、外部からの引っ掻きや接触による傷等に耐えるために、ハードコート処理を施すことが好ましい。ハードコート処理によるハードコート層は、紫外線硬化型塗料から形成する。紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。好ましいものとしては、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
拡散樹脂板20に紫外線硬化型塗料を塗布する方法は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等の任意の塗布方法により上記の拡散樹脂板上に塗布されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、リバースロールコーティング、オフセットグラビアコーティング方法等が好適である。また、ハードコート層を転写層とした転写シートを用いて転写によって形成することもできる。
図3は、本発明の透過型スクリーンの構成の一例を示す模式構成断面図である。本発明の透過型スクリーン100は、一例として、映像光の投射側より、フレネルレンズシート40と、上記レンチキュラーレンズシート30とで構成されている。また、必要に応じて、拡散樹脂板20の外側に反射防止層及び耐擦傷性のハードコート層を設けることができる。
本発明の透過型スクリーンで用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシートは、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等のシート状基材を加熱し、熱溶融状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法。または、エクストル−ダによる溶融押出し成形にて、溶融状態で押し出されるシート状樹脂基材表面にエンボスロール金型を用いて型押しする方法等の公知慣用の方法で製造できる。
図4は、本発明の透過型スクリーン100を取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置の一例を示す模式構成断面図である。
本発明の背面投射型プロジェクションテレビ装置は、図4に示すように、箱状のキャビネット111内には映像投射装置121が収納されている。キャビネットの後方開口部はミラーカバー112で覆われ、このミラーカバー112内に反射ミラー131が配置されている。また、キャビネットの前面側には長方形状の開口部が形成され、この開口部の全周囲にフラットな取り付け部(図示せず)が設けられており、その取り付け部にフレネルレンズシート40と、レンチキュラーレンズシート30とからなる透過型スクリーン100が装着、固定されている。
まず、紫外線硬化性樹脂組成物をレンズの逆形状を有する金型の成型面に塗布し、線膨張係数が7×10-5cm/cm/℃の厚さ0.125mmの透明なアクリルフィルムからなる透明な支持体フィルム11を積層し、この透明な支持体フィルム11を介して紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂を硬化させると同時に、支持体フィルム11に重合接着せしめ、金型より離型して、支持体フィルム11上にシリンドリカルレンズ12を形成した。
次に、シリンドリカルレンズ12が形成された支持体フィルム11の反対側に未硬化の紫外線硬化型樹脂フィルムを積層し、紫外線硬化型樹脂層を形成した。さらに、シリンドリカルレンズ12を介して紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂層にストライプ状の露光、未露光パターンを形成した。さらに、黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、粘着性を有する未露光パターンに黒色のインキ層を転写し、ストライプ状の遮光層13を形成して、レンチキュラーレンズフィルム10を作製した。
樹脂基材として、線膨張係数が7×10-5cm/cm/℃のアクリル−スチレン共重合樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の拡散剤を混入し、厚さ1.85mmの拡散樹脂板を作成し、その片面にアンチグレア、ハードコート及
び帯電防止層を形成し、拡散樹脂板20を作成した。
次に、レンチキュラーレンズフィルム10の遮光層13を形成した面に光学用途の粘着フィルムを介して、拡散樹脂板20の処理面が観察側の最外面になるように積層して、一体構造のレンチキュラーレンズシート30を得た(図1参照)。
一方、所定形状のアクリル樹脂からなる厚さ1.85mmのフレネルレンズシートを作成し、そのフレネルレンズシートと上記レンチキュラーレンズシートとを組み合わせた60インチサイズの透過型スクリーン100を作製した(図3参照)。
さらに、透過型スクリーン100を背面投射型プロジェクションテレビ装置に装着・固定し、60℃の乾燥機内24時間保存後のスクリーン中心部の反り量を測定した。また、映像の解像度を目視観察によって比較し、優(◎)、良(○)、可(△)、不可(×)で表した。
本実施例2は比較のための例である。
<比較例>
実施例2は、実施例1における線膨張係数が7×10-5cm/cm/℃のアクリルフィルムの代わりに、線膨張係数が2.7×10-5cm/cm/℃のポリエステルフィルム(PET)を透明な支持体フィルム11として用いた以外は実施例1と同様に透過型スクリーンを作成し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2005326447
表1の結果からも分かるように、本発明のレンチキュラーレンズシート30を用いた透過型スクリーン100は、60℃の乾燥機内24時間保存後のスクリーン中心部の反り量は確認できず、良好な解像度を有する映像が得られた。
本発明のレンチキュラーレンズシートの一実施例を示す模式構成断面図である。 レンチキュラーレンズシートの反り量の測定状態を示す説明図である。 本発明の透過型スクリーンの一実施例を示す模式構成断面図である。 背面投射型プロジェクションテレビ装置一例を示す模式構成図である。
符号の説明
10……レンチキュラーレンズフィルム
11……支持体フィルム
12……シリンドリカルレンズ
13……遮光層
20……樹脂拡散板
30……レンチキュラーレンズシート
40……フレネルレンズシート
100……透過型スクリーン
111……キャビネット
112……ミラーカバー
121……映像投影装置
131……反射ミラー

Claims (3)

  1. 映像光の入射側が透明な支持体フィルムの一方の面にシリンドリカルレンズが、他方の面にストライプ状の遮光パターンからなる遮光層が形成されてなるレンチキュラーレンズフィルムと、拡散剤を練り込んだ拡散樹脂板とが形成されてなるレンチキュラーレンズシートにおいて、前記支持体フィルムの線膨張係数をa1、拡散樹脂板の線膨張係数をa2としたとき、a1とa2とが、下記の条件を満たしていることを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
    a1>3.0×10-5cm/cm/℃
    |a1−a2|<5.5×10-5cm/cm/℃
  2. 前記レンチキュラーレンズシートを15cm×20cmの大きさに切り出したシートの60℃での反りが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズシート。
  3. 請求項1または2に記載のレンチキュラーレンズシートと、フレネルレンズシートとを組み合わせて構成される透過型スクリーン。
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