JP4826069B2 - 光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーン - Google Patents

光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーン Download PDF

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本発明は、フレネルレンズシートとレンチキュラーシートの組み合わせから構成される透過型スクリーンに用いられる光拡散シートに関し、特に、透過型液晶プロジェクションテレビで、液晶プロジェクターからの投影光を結像(および、光拡散させて透過)させて機能する、シンチレーションが実質上発生せず、高輝度、高解像度、高品位な映像を得ることの可能な光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーンに関するものである。
透過型プロジェクションスクリーンの一般的な形態としては、フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとの組み合わせからなり、プロジェクターからの投影光を結像(および、光拡散させて透過)させて機能する光拡散層が、スクリーンの何れかの場所に存在する。
レンチキュラーシートは、シリンドリカルレンズの並設方向(一般には、水平方向)である所定の角度範囲には投影光を広げられるが、それと垂直な方向には投影光をほとんど広げられない。垂直方向に光を広げる役割を果たすために、光拡散層が必要である。
以下に、特許文献を記す。
特開平4−134440号公報 特開平2−157735号公報 特開平7−270918号公報 特開平4−322240号公報 特開平8−43608号公報 特開平7−248537号公報 特開昭60−46503号公報 特開昭61−4762号公報 特開平1−172801号公報 光拡散機能を付与するために、光透過性樹脂に屈折率の異なる光拡散性微粒子を分散配合するのは公知であり、光拡散特性を得るために以下に例示される様々な手法がある。(1)レンチキュラーシートの成形品の内部に光拡散性を有する微粒子を1種又は2種以上練り込み、色温度特性を改善する提案(特許文献1など)や、垂直方向における視野特性の改善(特許文献2)等が提案されている。(2)レンチキュラーシートの成形品の出射面側に、微細な凹凸を形成(マット処理)し、光利用効率を改善したり、ギラツキ防止と視野特性の改善(特許文献3など)が提案されている。(3)レンチキュラーシートの成形品の前後、特に出射面側に光拡散性を有する微粒子を分散配合させた樹脂を塗布形成するか、前記樹脂をフィルム化したものをラミネートし、高輝度化,コントラスト改善(特許文献4など)があり、光拡散シートを用いて、簡単に光拡散層を積層させる(特許文献5)提案されている。(4)フレネルレンズシートやレンチキュラーシート自体に光拡散機能を付与するのではなく、最も観察者側に位置する前面パネルの内部に光拡散性を有する微粒子を1種又は2種以上練り込むか、入射面側・出射面側の表面に光拡散性を有する微粒子を分散配合させた樹脂を塗布形成し、外光吸収機能の改善,高解像度化,コントラスト改善,視野特性の改善(特許文献6など)などが提案されている。(1)は、入射する投影光を、レンチキュラーシート内部の微粒子によって光拡散させる手法であるが、以下に挙げる問題を有している。
a)前記微粒子を多用することにより入射光の迷光が発生し、解像度の低下を招くと共に、視覚される映像光(出射光)の光量低下によるコントラストを下げる要因ともなる。
b)前記微粒子を分散配合させることにより、レンズシートの外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題も生じることになる。
(2)は、入射する投影光を、レンチキュラーシート出射面側に微細な凹凸を形成(マット処理)することによって光拡散させる手法であるが、以下に挙げる問題を有している。
c)微細な凹凸を成形品に形成するにあたり、成形用金型のレンズ成形面である内壁に微細な凹凸を形成するのは難しく、成形用金型の精度の問題、成形品のレンズシートの外観不良や、成形精度の低下などの問題が生じることになる。
(3)は、入射する投影光を、微粒子によって光拡散させる手法であり、成形されたレンズシートの出射面側に、光拡散層を塗布形成するか、フィルム化したものをラミネートし、光拡散させる手法であるが、以下に挙げる問題を有している。
d)両面レンチキュラーシートへの塗布成形の場合は、出射面側の非レンズ面に形成されるブラックストライプ部を避けて行う為、マスキングなどしなければならず製造工程で手間がかかり、塗布精度の問題が生じることになる。
e)フィルム化したものをラミネートする場合は、フィルム化への精度は出やすく、簡便ではあるが、両面レンチキュラーシートへのラミネートは、出射面側のレンズ面と非レンズ面にあたるブラックストライプ部の高低差(通常70〜150μm)によって、均一で正確なラミネートはできず、いずれ剥離してしまうなどの問題も生じることになる。
(4)は、入射する投影光を、前面パネルにて微粒子によって光拡散させる手法であるが、以下に挙げる問題を有している。
f)前記微粒子を内部分散配合させることにより、前面パネルの外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題が生じることになる。
g)前記微粒子を前面パネルに印刷する場合には、高解像度が得られるμmオーダーでの拡散層の厚みの制御が難しいため、拡散層膜厚の精度が出ず、塗布安定性に欠けるなどの問題も生じることになる。
透過型プロジェクションテレビとして、プロジェクターが3管式のCRT方式の場合には、表裏のレンズでR・G・Bの3色のズレを補正する必要があるため、両面にシリンドリカルレンズ群が形成されたレンチキュラーシートが用いられるが、近年、1管式の液晶プロジェクターによる透過型プロジェクションテレビが普及しつつあり、その映像を観察するためのスクリーンが要求されている。
映像画質の高精細化に伴い、液晶プロジェクターの画素数も従来の数十万画素から100万画素以上に増加していることから、レンチキュラーシートに対してもシリンドリカルレンズのファインピッチ化が要求されている。ファインピッチ化によって、液晶プロジェクターの画素の周期性とシリンドリカルレンズの周期性に起因するモアレの現象が回避されることになる。具体的には、0.7mm前後のピッチでシリンドリカルレンズが配列されているCRT方式でのレンチキュラーシートを、液晶方式では0.3mm以下にファインピッチ化を図ることが要求されている。
ところで、透過型液晶プロジェクションテレビに固有な問題に対応するためのスクリーンに適した光拡散層に対する要求も存在する。
光拡散層に用いられる光拡散剤としては、例えば、特許文献7記載のシリカ、白雲母やアルミナ、炭酸カルシウム及びガラスビーズ等の無機系光拡散剤や、特許文献8記載のアクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びこれらの共重合体や特許文献9記載のシリコーン系樹脂などの非晶質の有機系光拡散剤等が用いられている。これら光拡散剤は、レンチキュラーレンズシート中に光拡散剤を均一に分散させたり、または、レンチキュラーレンズシート内部で光拡散剤を出射側に偏在させたりして使用されている。
一方、透過型スクリーンと組合せて用いられる投写映像源として、近年、CRTではなく液晶パネルを利用した液晶プロジェクターが開発されてきた。この液晶プロジェクターは、画素ごとに光を通過させたり、遮断したりすることによって画像を形成するので、通常、光源からの光を平行光にして液晶パネルに入光させる。したがって、液晶パネルを通過した画素ごとの光は、画素ごとに発光しているCRTのように拡散してはおらず、より方向性のそろった光となっている。また、一般的に使用されている液晶パネルは、CRTよりも小さいため、画素ごとの光の向きは、スクリーン上でもCRTより液晶パネルの方がそろっている。
このような液晶プロジェクターのように向きのそろった明るい投写映像源(光源)を用いる場合には、CRTプロジェクターに比較して、以下の現象が顕著である。従来より用いられている前述のような光拡散剤を使用した透過型スクリーンでは、その画像を見ると、プロジェクターからの入射光の中心点の輝度が局所的に高くなる「ホットスポット」、シリンドリカルレンズの並設方向に縞状に見える「ホットバー」、光拡散剤による輝度の部分的変化が明確に視認され、画面全体がぎらついて見えてしまう「シンチレーション」という現象が発生するという問題があった。
光拡散層には、それを使用した透過型スクリーンの全光線透過率に占める拡散光線透過率の割合(曇価)が高く、光利用効率に優れること、色温度が高いこと、さらにCRTや液晶プロジェクター等の光源の透けが観察されるシースルーや部分的に帯状の明るい部分が観察されるホットバーが無いこと、シンチレーションが実質上発生しなことなどの性能が要求される。
このようなシンチレーションの問題を解決するために、まず、光拡散剤の粒子形状がシンチレーションに与える影響を評価した結果では、球形光拡散剤が最も著しくシンチレーションを発生した。これに対して、不定形光拡散剤では球形光拡散剤に比べシンチレーションの発生のレベルは低下するものの、完全にシンチレーションの発生を抑止することは出来なかった。しかも、不定形拡散剤では、シースルーと呼ばれる光源の透けの現象が発生し、透過型スクリーン用の光拡散剤としては十分満足すべきものではなかった。さらに検討を進めた結果、シンチレーションの発生を十分に抑制し、シースルーの発生をも抑制するためには、光拡散層の厚みを厚くするか、またはスクリーンゲインを低くする、すなわち光拡散剤の添加量を多くし、出来るかぎり拡散性を強くする必要があることがわかっ
た。しかしながら、光拡散層の厚みを厚くすればするほど解像力が低下し、また、スクリーンゲインを低下させるとプロジェクションテレビそのものの明るさが低下するなど、顕著な弊害が発生するという問題点を有している。映像画質の高精細化を達成するには、解像度の低下を招かないように、光拡散層はなるべく薄い方が望ましい。
そこで、本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決するために、液晶プロジェクターのように向きのそろった明るい光源を投写源とする場合においても、シンチレーションが実質上発生せず、高輝度、高解像度、高品位な映像を得ることが可能な透過型スクリーン等に用いる光拡散シート、その拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーンを提供することにある。特に、光拡散シートを極力薄く構成すると共に、ホットバーやシンチレーションを回避し、画面の明るさを均一にして垂直方向の視野角度を拡大するために十分な70〜90%のヘイズ値(拡散透過率)を維持することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち
請求項1に係る発明は、
透過型スクリーンに使用される光拡散シートにおいて、
前記光拡散シートが、ミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂からなることを特徴とする光拡散シートである。
請求項2に係る発明は、
前記光拡散シートに、光拡散剤が混入されていることを特徴とする請求項1記載の光拡散シートである。
請求項3に係る発明は、
前記光拡散シートの片面に、ハードコート機能および/または帯電防止機能を有する層が塗布形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の光拡散シートである。
請求項4に係る発明は、
前記光拡散シートの片面に、反射防止層が形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散シートである。
請求項5に係る発明は、
前記光拡散シートのヘイズ値が70〜90%の範囲であり、光拡散シート全面にわたってのSG(スクリーンゲイン)値が±0.5以内に分布していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散シートである。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の光拡散シートを少なくとも備えたことを特徴とするレンチキュラーシート。
請求項7に係る発明は、
請求項6記載のレンチキュラーシートと、少なくともフレネルレンズシートとを組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーン。
液晶プロジェクターのように向きのそろった明るい光源を投写源とする場合においても、シンチレーションが実質上発生せず、高輝度、高解像度、高品位な映像を得ることが可
能な透過型スクリーン等に用いる光拡散シート、その光拡散シートを備えたレンチキュラーシートおよび透過型スクリーンを提供することができる。特に、光拡散シートを極力薄く構成すると共に、ホットバーやシンチレーションを回避し、画面の明るさを均一にして垂直方向の視野角度を拡大するために十分な70〜90%のヘイズ値(拡散透過率)を維持することが可能である。
以下、本発明の好ましい一実施例としての実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートの一例を示す垂直断面図である。図2は、本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートの他の例を示す垂直断面図である。図3は、本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートのさらに別の例を示す垂直断面図である。
図1(a)に示すように、本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートの一例として、透明性基材31にシリンドリカルレンズ32が並設されており、平坦な基材面にレンズの集光領域以外の非集光領域にストライプ状の遮光層33を設けてなるレンチキュラーシート3の遮光層33全面に本発明の光拡散シート2を積層した光拡散シートを備えたレンチキュラーシート1である。図1(a)に示す光拡散シートのA部分を拡大して、図1(b)および(c)に、本発明の光拡散シート2のミクロ相分離構造からなる不均一構造を模式的に示したものである。本発明の光拡散シート2は、ミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂からなることを特徴とするものであり、図1(b)に示すように、本発明の光拡散シート2は、第1の高分子樹脂41マトリックスと、第2の高分子樹脂42ドメインからなるミクロ相分離構造を形成して、海島構造からなる不均一構造4を有する。または、図1(c)に示すように、本発明の光拡散シート2は、少なくとも2種の構成高分子樹脂相(第1の高分子樹脂および第2の高分子樹脂)が連続している共連続構造5や、三次元的に連続または繋がった構造(網目構造など)等の不均一構造を有するものである。このようなミクロ相分離構造からなる不均一構造を有する光拡散シートを通過する光が均一に拡散される。また、上記の海島構造4と共連続構造5との中間的な相構造を形成することも可能であって、中間的な相構造であっても本発明の同様の効果を奏する。
本発明の他の例としての光拡散シート7は、図2に示すように、必要に応じて、適宜従来公知の拡散剤71を混入したものである。この場合、従来の光拡散シートと比較して拡散剤の混入量は極めて少量でよい。
上記の本発明の光拡散シートの成形方法として、例えば、溶融押出成形法などにより製造できる。
また、本発明のさらに別の例としての光拡散シート11は、図3に示すように、ミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂を主成分とする塗液を調整して、透明性基材10上にミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂からなるミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成した塗膜9を形成してなる光拡散シート8である。このように、コーティング法により、透明性基材10上にミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成した塗膜9からなる光拡散層を形成した光拡散シートであっても本発明の同様の効果を奏する。
本発明の光拡散シートは、互いに屈折率の異なる複数の高分子樹脂で形成された屈折率が互いに異なる海島構造もしくは共連続構造における各高分子樹脂相の屈折率差を利用して、入射光を拡散できる。各高分子樹脂の屈折率差は、例えば、0.001〜0.2程度である。
本発明で用いられるミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する高分子樹脂としては、成形性や安定性を有する高分子樹脂(熱可塑性樹脂など)が使用できる。透明性高分子樹脂であるのが好ましい。
高分子樹脂は、例えば、セルロース誘導体(エチルセルロース、シアノエチルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルロースアセテートなどのセルロースエステル類など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリビニル系樹脂(ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル、ポリ塩化ビニルなどのポリハロゲン化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルt−ブチルエーテルなどのポリビニルアルキルエーテル(又はポリエーテル系樹脂)など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなどの芳香族ポリカーボネートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、前記ポリアルキレンテレフタレートに対応するポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル;アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレートを主成分として含むコポリエステル;ポリカプロラクトンなどのラクトン類の単独重合体など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など)、ウレタン系樹脂(熱可塑性ポリウレタンなど)、前記樹脂を形成するモノマー類の共重合体(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ビニルアルキルエーテル−無水マレイン酸共重合体など)などが例示できる。なお、前記共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などであってもよい。
ミクロ相分離構造からなる不均一構造が海島構造4の場合は、海高分子樹脂と、この海高分子樹脂と異なる屈折率を有し、かつ互いの屈折率も異なる複数の島高分子樹脂を用いることもできる。このような海高分子樹脂及び島高分子樹脂は、上記に列挙した種々の樹脂から適当に選択して使用できる。海高分子樹脂と島高分子樹脂は、通常、異なる樹脂から構成されており、互いに非相溶性である。
例えば、海島構造を有する本発明の光拡散シートとして、島高分子樹脂として、前記海高分子樹脂と屈折率(nD)が異なるだけでなく、互いに屈折率が異なる複数の島高分子樹脂を使用することもできる。このような複数の島高分子樹脂を用いると、シートに高い光散乱性と高精細性を付与できる。
海高分子樹脂と複数の島高分子樹脂との間の屈折率の差は、それぞれ、0.005〜0.2程度、好ましくは0.01〜0.15程度、さらに好ましくは0.01〜0.13程度である。
なお、複数の島高分子樹脂の一部が海高分子樹脂より高い屈折率を有し、残りの島高分子樹脂が海高分子樹脂よりも低い屈折率を有していてもよい。また全部の島高分子樹脂が海高分子樹脂よりも高い屈折率を有していてもよく、逆に全部の島高分子樹脂が海高分子樹脂よりも低い屈折率を有していてもよい。
また、複数の島高分子樹脂間の屈折率の差は、例えば、0.005〜0.2程度、好ましくは0.01〜0.15程度、さらに好ましくは0.5〜0.15程度である。
このような複数の島高分子樹脂は、例えば、比較的海高分子樹脂と屈折率が近い第1の
島高分子樹脂(群)と、比較的海高分子樹脂と屈折率が離れている第2の島高分子樹脂(群)とで構成してもよい。なお、第1の島高分子樹脂(群)と第2の島高分子樹脂(群)は、それぞれ複数の島高分子樹脂で構成してもよい。
第1の島高分子樹脂と海高分子樹脂との屈折率の差は、比較的小さく、例えば、0.005〜0.1程度、好ましくは0.008〜0.08程度、さらに好ましくは0.01〜0.05程度である。
第2の島高分子樹脂と海高分子樹脂との屈折率の差は、例えば、0.05〜0.2程度、好ましくは0.05〜0.17程度、さらに好ましくは0.06〜0.15程度である。
複数の島高分子樹脂の総量は、海高分子樹脂100重量部に対して、例えば、5〜50重量部程度、好ましくは5〜40重量部程度、さらに好ましくは10〜35重量部程度である。また、島高分子樹脂が第1の島高分子樹脂と第2の島高分子樹脂とから構成されている場合、第1の島高分子樹脂と第2の島高分子樹脂との割合は、例えば、前者/後者=25/75〜95/5(重量比)程度、好ましくは40/60〜95/5(重量比)程度、さらに好ましくは50/50〜90/10(重量比)程度である。複数の島高分子樹脂の総量や第1の島高分子樹脂と第2の島高分子樹脂との割合を前記範囲に調整することにより、光拡散シートに入射した光を、適切な比率でシャープな散乱光およびブロードな散乱光に変換できる。
島高分子樹脂の平均粒径は、例えば、1〜50μm程度、好ましくは1〜30μm程度である。島高分子樹脂の平均粒径が1μm未満の場合、散乱成分が大きくなり、透過光強度が小さくなるため、コントラストが低下する。反対に、島高分子樹脂の平均粒径が50μmを超える場合、画素間の光散乱特性のむらが大きくなる。
特に、島高分子樹脂が第1の島高分子樹脂と第2の島高分子樹脂とから構成されている場合、第1の島高分子樹脂と第2の島高分子樹脂の平均粒径の割合は、例えば、1/99〜99/1程度、好ましくは30/70〜90/10程度、さらに好ましくは50/50〜80/20程度である。
またこの場合、第1の島高分子樹脂の平均粒径は、例えば、5〜30μm程度、好ましくは5〜20μm程度である。また第2の島高分子樹脂の平均粒径は、例えば、1〜20μm程度、好ましくは1〜10μm程度である。
上記の島高分子樹脂と海高分子樹脂との屈折率の差、海高分子樹脂に対する島高分子樹脂の重量比、島高分子樹脂の平均粒径等を制御して、本発明の光拡散シートのヘイズ値が70〜90%の範囲であり、光拡散シート全面にわたってのSG(スクリーンゲイン)値が±0.5以内に分布するように制御できる。
このような島高分子樹脂(第1の島高分子樹脂、第2の島高分子樹脂など)を構成する樹脂は、前記海高分子樹脂及び島高分子樹脂を構成可能な樹脂の中から、海高分子樹脂と屈折率や種類の異なる樹脂を適宜選択して使用できる。
上記の海島構造からなる不均一構造を有する本発明の光拡散シートの成形方法としては、前記海高分子樹脂と複数の島高分子樹脂とを含む樹脂混合物を慣用の方法、例えば、溶融押出法、コーティング法などにより成形することにより製造できる。
溶融押出法としては、海高分子樹脂と、海高分子樹脂に対して非相溶性の島高分子樹脂
を溶融混練して成形する方法が挙げられる。このようにして得られた光拡散シートの厚さは、例えば、10〜300μm程度、好ましくは30〜200μm程度である。シート厚みが10〜300μm程度の場合、入射光を高透過率で透過でき、かつ十分な散乱光を生じさせることができる。
コーティング法による光拡散シートの成形方法として、例えば、透明性基材上に、海高分子樹脂の溶液と、この溶液に対して不溶性の島高分子樹脂との混合物をコーティングする方法、海高分子樹脂の溶液と、この溶液に対して非相溶性の島高分子樹脂の溶液との混合物(液−液相分離状態)をコーティングする方法などが挙げられる。
なお、前記海高分子樹脂の溶液または島高分子樹脂の溶液は、例えば、海高分子樹脂又は島高分子樹脂を有機溶媒(ケトン類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、又はこれらの混合物など)に溶解することにより得ることができる。
次に、共連続構造5からなる不均一構造を有する本発明の光拡散シートについて説明する。
共連続構造5の場合は、高分子樹脂のガラス転移温度は、例えば、−50〜250℃程度、好ましくは0〜230℃程度、さらに好ましくは50〜200℃程度の範囲から選択できる。
高分子樹脂の数平均分子量は、特には制限されず、例えば、10,000〜1,000,000程度、好ましくは10,000〜500,000程度、さらに好ましくは20,000〜300,000程度の範囲から選択してもよい。
共連続構造は、第1の高分子樹脂類と第2の高分子樹脂類とで構成でき、第1の高分子樹脂類と第2の高分子樹脂類の割合(重量比)は、例えば、20/80〜80/20程度、好ましくは30/70〜70/30程度、さらに好ましくは40/60〜60/40程度である。なお、第1の高分子樹脂類及び第2の高分子樹脂類は、それぞれ、単独の高分子樹脂で構成してもよく、複数の高分子樹脂で構成してもよい。
シートの形成方法は、特に限定されないが、例えば、前記高分子樹脂のうち互いに非相溶な複数の高分子樹脂を含む組成物をシート成形し、スピノーダル分離機構に基づく相分離が生じる温度(スピノーダル分解温度)以上に前記シートを加熱する方法が挙げられる。
スピノーダル分解温度は、高分子樹脂の組み合わせに応じて適宜選択でき、例えば、高分子樹脂ブレンドに関する書籍や文献などの記載を参考に選択できる。例えば、ポリスチレン及びポリビニルメチルエーテルの組成物において、スピノーダル分解温度は120℃程度、ポリメタクリル酸メチル及びスチレン−アクリロニトリル共重合体の組成物において、スピノーダル分解温度は150℃程度、ポリメタクリル酸メチル及びポリ塩化ビニルの組成物において、スピノーダル分解温度は190℃程度である。
なお、共連続構造は、共連続相構造や三次元的に連続又は繋がった構造(網目構造など)と称される場合があり、少なくとも2種の構成高分子樹脂相(第1の高分子樹脂類及び第2の高分子樹脂類)が連続している構造を意味する。本発明においては、少なくとも共連続構造を有していればよく、共連続構造と海島構造とが混在した構造を有していてもよい。なお、スピノーダル分解において、相分離の進行に伴って、表面張力により高分子樹脂相が共連続相構造を形成し、さらに熱処理すると、連続相が自らの表面張力により非連続化し、海島構造となる。したがって、相分離の程度によって、共連続相構造と海島との
中間的構造、すなわち、上記共連続相から海島相に移行する状態の相構造も形成できる。上記中間的構造も共連続相構造という。また、上記中間的構造と共連続相構造とをスピノーダル分解構造と総称する場合もある。
前記共連続構造は、通常、周期性を有する相分離構造を有し、共連続構造を有する層内において、周期サイズ(相間距離)は、三次元的に略等しくてもよい。すなわち、共連続構造を有する層は、異方性が低減されており、実質的に等方性であってもよい。
共連続構造の周期サイズは、スピノーダル分解による相分離の進行に伴って大きくなるため、スピノーダル分解での加熱温度や加熱時間を調整して相分離速度(周期サイズの成長速度)や分離相の大きさを制御することにより、周期サイズを制御できる。本発明の光拡散シートのヘイズ値が70〜90%の範囲であり、光拡散シート全面にわたってのSG(スクリーンゲイン)値が±0.5以内に分布するように制御できる。
高分子樹脂組成物をスピノーダル分解するときの加熱温度は、スピノーダル分解温度に比べて、例えば、0〜200℃程度高い温度、好ましくは30〜170℃程度高い温度、さらに好ましくは50〜150℃程度高い温度から選択できる。前記加熱温度は、例えば、100〜300℃程度、好ましくは150〜300℃程度、さらに好ましくは200〜300℃程度であってもよい。
なお、シートの成形方法は、特に制限されず、慣用のシート成形方法(押出成形法、カレンダ成形法、キャスト法など)が挙げられる。例えば、高分子樹脂組成物を溶媒(酢酸エチルなどのエステル系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有溶媒など)に溶解し、流延するソルベントキャスト法によりシート成形すると、均一な(平滑な)透明シートを製造できる。
また、共連続構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂を主成分とする塗液を調整して、透光性基材等の上にミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成する2種以上の高分子樹脂からなるミクロ相分離構造からなる不均一構造を形成した塗膜を形成した光拡散シートとすることもできる。このように、コーティング法により光拡散層を形成した光拡散シートであっても本発明の同様の効果を奏する。
本発明の光拡散シートにおいては、必要に応じて、適宜従来公知の拡散剤を混入することもできる。この場合、従来の光拡散シートと比較して拡散剤の混入量は極めて少量でよい。
拡散剤としては、従来より使用されている公知のものを使用することができ、特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂微粒子、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物などからなる有機系微粒子やガラスビーズ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどからなる無機系微粒子を用いることができる。これら微粒子としては、平均粒径が1〜30μmのものを用いる。また、これら光拡散剤の形状は球状のものでも不定形状のものでもよく、あるいは、球状と不定形状を併用してもよい。光拡散剤の混入量は、透過型スクリーンに要求されるスクリーンゲイン等によって、適宜設定することができる。
次に、透明性基材31にシリンドリカルレンズ32が並設されており、平坦な基材面にレンズの集光領域以外の非集光領域にストライプ状の遮光層33を設けてなるレンチキュラーシート3の遮光層33全面に本発明の光拡散シート2を積層した光拡散シートを備えたレンチキュラーシート1,6、8におけるレンチキュラーシート3について図1を参照して説明する。
上記のシリンドリカルレンズ32部は、例えば、紫外線などの活性エネルギー線硬化性樹脂硬化物からなり、紫外線などの活性エネルギー線硬化性樹脂をエンボスロール金型の成型面に塗布し、透明性基材31をエンボスロール金型に供給し、透明基材31を介して紫外線などの活性エネルギー線を照射し、前記樹脂を硬化させると同時に樹脂成型物であるシリンドリカルレンズ32を透明基材31に重合接着せしめるか、または、透明基材31に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、エンボスロール金型に供給し、透明基材31を介して活性エネルギー線照射し、前記樹脂を硬化させると同時に樹脂成型物であるシリンドリカルレンズ32を透明基材31に重合接着せしめる方法等によって成形されるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。また、シリンドリカルレンズ32の形状は円形状あるいは非球面形状であっても良く、特に、形状は限定されない。これらのレンチキュラーレンズの形状及び寸法は、透過型スクリーンの要求性能に応じて適宜設定することができる。
上記の透明基材31としては、シリンドリカルレンズ部を支持するための透明支持体であり、透明性を有する材料であれば、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボート(PC)フィルム基材が好ましい。
また、上記の黒色遮光層33は、シリンドリカルレンズ32の反対側の透明基材31の平坦面に、粘着性を有するもので、紫外線の照射によって、その粘着性が消失する特性を持つ紫外線硬化性樹脂層を塗布またはフィルム状の紫外線硬化型樹脂をラミネートし形成する。次に、シリンドリカルレンズ33を介して紫外線を照射し、レンズ作用によって集光して硬化した部分以外の紫外線硬化性樹脂層の未硬化部分に前記樹脂の粘性を利用して、黒色の粉体トナーを未硬化部分のみに付着させ、黒色遮光層33を形成する。黒色粉体トナーとしては、黒色の色素、顔料、カーボン、金属塩あるいは黒色に着色したアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。必要に応じて、2種類以上の黒色粉体トナーを組み合わせて使用してもよい。
または、シリンドリカルレンズ32を介して紫外線を照射し、レンズ作用によって集光して硬化した部分以外の紫外線硬化性樹脂層の未硬化部分に前記樹脂の粘性を利用して、黒色の着色層を有する転写シートを着色層側で重ね合わせ、未硬化部分の前記樹脂の粘性を利用して、前記着色層を未硬化部分にのみ付着させた後、硬化部分の着色層をレンズシートから剥離することにより、黒色遮光層33を形成してもよい。前記転写シートは、黒色の着色層を有する転写シートであれば、転写シートの材質、構成等に特に限定されるものではなく汎用の転写シートが使用できる。
上記で得られたレンチキュラーレンズシート3と光拡散シート2とを、透光性の接着剤もしくは粘着剤等からなる接着層を介して接着することにより、透過型クリーンに用いる、本発明の光拡散シート2を備えたレンチキュラーレンズシート1を容易に製造することができる。
また、必要に応じて、レンチキュラーシート3を着色したり、光拡散シートを備えたレンチキュラーレンズシート1の出射側表面(光拡散シート出射側表面)に、外光の写り込みを防止して画像品位の低下を防ぐ反射防止膜を形成したり、あるいはこれら表面を梨地面としたり、出射側表面のキズ付き等を防止するための耐擦傷性を付与する目的でハードコート層を形成したりすることができる。さらに、必要に応じて、低反射層、偏光フィルター層、帯電防止層、防眩処理層等も形成することができる。
上記のレンチキュラーシート3の着色は、染料や微細な顔料を用いてレンチキュラーレ
ンズシートを構成する透明性基材31などのプラスチック材料に混合分散させて行う。着色する色は、グレーのような無彩色や、光源の分光特性における3原色(赤、緑、青)のバランスを制御するような特定の色を選択的に吸収または透過するようなものを用いることができる。例えば、レンチキュラーシートの透明性基材31を着色することにより、外光を光源からの投写光より多く吸収するので、画像のコントラストを向上させることができる。
上記の反射防止膜としては、例えば、蒸着またはコーティングして光拡散シートを備えたレンチキュラーレンズシート1の出射側表面(光拡散シート出射側表面)に形成することができる。蒸着の場合は、MgF2、SiO2等の誘電体を、コーティングの場合はフッ素系樹脂等を使用できる。
上記のハードコート層としては、例えば、光拡散シートを備えたレンチキュラーレンズシート1の出射側表面(光拡散シート出射側表面)に紫外線硬化型塗料から形成することができる。紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の2重結合又はエポキシ基を有する高分子樹脂、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。本発明に好ましいものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
ハードコート層の形成方法、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等の任意の塗布方法により塗布されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、リバースロールコーティング、オフセットグラビアコーティング方法等が好適である。また、ハードコート層を転写層とした転写シートを用いて転写によって形成することもできる
レンチキュラーシート1の全体厚みは、適用する製品サイズにより適宜選択することができ、例えば1〜5mm、好ましくは2〜4mmとすることができる。より高い解像度を要求される場合には、厚み3mm以下とするとよい。
図4に示すように、上記で得られる光拡散シートを備えたレンチキュラーシート1とフレネルレンズ12とを組み合わせて透過型スクリーンとすることができる。
上記の透過型スクリーンには、通常、最も出射面側の観察面に前面板(図示せず)等を組合せて使用することができる。この前面板は、スクリーンの表面に埃やゴミ等が付着したり、キズが付いたりするのを防止する目的で、耐久性のある透明性樹脂板が使用される。もちろん、この透明性樹脂板には、帯電防止層、反射防止膜、ハードコート層、防眩処理層を形成することができる。このような前面板を配置して使用する場合は、上述したレンチキュラー板の出射面に形成する上述した帯電防止層、反射防止膜、ハードコート層、防眩処理層等は除くことができる。
本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートの一例を示したもので、(a)は、その垂直断面図である。(b)は、(a)の光拡散シートのA領域を拡大して模式的に示した海島構造からなるミクロ相分離構造を形成した不均一構造の説明図である。(c)は、(a)の光拡散シートのA領域を拡大して模式的に示した共連続構造からなるミクロ相分離構造を形成した不均一構造の説明図である。 本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートの他の例を示す垂直断面図である。 本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートのさらに別の例を示す垂直断面図である。 本発明の光拡散シートを備えたレンチキュラーシートとフレネルレンズシートとを組み合わせて構成した透過型スクリーンの一例を示す垂直断面である。
符号の説明
1、6、8・・・光拡散シートを備えたレンチキュラーシート
2、7、11・・・光拡散シート層
3・・・レンチキュラーシート層
4・・・光拡散シートの海島構造
5・・・光拡散シートの共連続構造
9・・・光拡散層
10、31、121・・・透明基材
12・・・フレネルレンズシート
32・・・シリンドリカルレンズ
33・・・遮光層
41、51・・・ミクロ相分離構造を形成する第1の高分子樹脂層
42、52・・・ミクロ相分離構造を形成する第2の高分子樹脂層
122・・・同心円状鋸刃形状レンズ部

Claims (6)

  1. 透過型スクリーンに使用される光拡散シートにおいて、
    前記光拡散シートが、ミクロ相分離構造からなる不均一構造が海高分子樹脂と、複数の島高分子樹脂からなる海島構造であり、
    前記海高分子樹脂と前記複数の島高分子樹脂との間の屈折率の差は0.005以上0.2以下であり、
    複数の島高分子樹脂の総量は、海高分子樹脂100重量部に対して10〜35重量部であり、かつ前記島高分子樹脂の平均粒径が1〜50μmであることを特徴とする光拡散シート。
  2. 前記光拡散シートに、光拡散剤が混入されていることを特徴とする請求項1記載の光拡散シート。
  3. 前記光拡散シートの片面に、ハードコート機能および/または帯電防止機能を有する層が塗布形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の光拡散シート。
  4. 前記光拡散シートの片面に、反射防止層が形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散シートを少なくとも備えたことを特徴とするレンチキュラーシート。
  6. 請求項5記載のレンチキュラーシートと、少なくともフレネルレンズシートとを組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーン。
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