JP5138168B2 - スクリーン - Google Patents

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  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Description

本発明は、スクリーンのいずれの側からでも画像投影が可能であり、しかも投影側の面と同時に背面側からも画像を明瞭にみることが可能なスクリーンに関する。
従来、プロジェクター等による画像投影に使用されるスクリーンとしては、スクリーンの前面側から投影してスクリーンに反射された画像を見る反射型スクリーンと、スクリーンの背面側から投影してスクリーンを透過した画像を前面側から見る透過型スクリーンとが一般的である。
また、スクリーンに対して一方の側から投影した画像を投影側の面と同時に背面側からも見ることが可能な両面視認型スクリーン(例えば特許文献1〜4参照)や、スクリーンの前面側から投影しても背面側から投影しても投影画像を見ることが可能な反射・透過両用スクリーン(例えば特許文献5参照)も知られている。
特開昭63−172259号公報 特開2001−305660号公報 特開2004−62143号公報 特開2004−271774号公報 特開平9−114003号公報
近年、プロジェクターの小型化、低価格化が進んでおり、プロジェクターとスクリーンを携帯して、プレゼンテーションの際に利用したいという要望があり、このため種々の携帯スクリーンが市販されている。しかしながら、多くは反射型スクリーンであるため、スクリーンを人の横や後ろに設置する必要がある。このため、一般の応接室内、及び会議室内で、話し手と聞き手とがスクリーンを見ながら対話をするには、設置スペースが手狭となり不向きである。
ここで、両面視認型のスクリーン及び小型プロジェクタターを卓上の中央部に設置して画像投影を行い、卓の周囲に着席した話し手及び聞き手が、スクリーンの両面から反射画像または透過画像を見るようにすれば、通常に着席した状態で話し手と聞き手とがスクリーンを見ながら対話をすることが可能となり好適である。このとき、画像投影する面がスクリーンのどちらかの側に決まっていると、誤って反対側にプロジェクターを設置すると、設置をやり直さねばならず、不便である。また、スクリーンの画像を視認している者の全員が、同時に同質の明瞭な画像を視認しないと、人によって受け取る印象が異なったものとなる。従って、反射画像と透過画像とで見た目に差異があることは望ましくない。
特許文献1に記載のスクリーンは、光透過材料を用いたスクリーン母材の投射光の入射側に選択乱反射層を設けるとともに、スクリーン母材透過光の出射側へも乱反射構造を備えたものである。ゆえに、スクリーンに対して画像を投影する方向を選択乱反射層の側に限っており、スクリーン母材の側からの画像投影を意図していないことは明白である。
また、選択乱反射層はスクリーン母材の表面にメッシュ状もしくはストライプ状の金属層または多数の突起点を設けたものであるため、スクリーンの背面側、すなわちスクリーン母材の側から画像を投影することはできない。つまり、乱反射層および乱反射構造は反射の側にのみ光を拡散させるものであり、透過の側に光を拡散させるものではないから、スクリーン母材の側から画像を投影した場合、スクリーン母材を通って選択乱反射層の金属層の隙間から抜けていく透過光は、投影装置から真っ直ぐスクリーンを透過してしまうため、ホットスポットを生じて画像を明瞭に認識することができない。
特許文献2に記載されたスクリーンは、投影機により投射された画像を映し出すホログラムスクリーンにおいて、投影機による画像投射面に対する反対面にハーフミラーを設け、ハーフミラーの透過率と反射率が正比例又は反比例の率よりなるものとし、投影画像と同じに投影画像の背景が透過して見えるようにしたものである。ゆえに、スクリーンに対して画像を投影する面を画像投影面の側に限っており、ハーフミラーの側からの画像投影を意図していないことは明白である。
特許文献3、4に開示されたスクリーンは、空孔が設けられ炭酸カルシウムなどの無機微細粉末及び/又は有機フィラーを含有する多層構造の基材層に所定の間隔で貫通孔を設け、さらに機械的強度を補強するために透明樹脂フィルムを補強層として積層したものである。製造例に示されたこれらの積層フィルムの全光線透過率および全光線反射率は、それぞれ(透過率/反射率として示す。)64%/32%、65%/33%、36%/62%、84%/14%、13%/87%である。これらの積層フィルムは、反射率と透過率とのバランスが悪いため、透過画像と反射画像の画質に顕著な差異が生じることは避けられない。
特許文献5に記載されたスクリーンは、スクリーン基材と、光半透過膜により形成された反射・透過層と、透光性の光拡散層とを順に積層して形成されたものである。このため、光拡散層の側からしか投影画像を見ることができないものである。
このように、従来技術においては、スクリーンの反射画像と透過画像とを、同質の明瞭な画像として視認できるスクリーンを提供することが、成されていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スクリーンのいずれの側からでも画像投影が可能であり、しかも投影側の面と同時に背面側からも画像を明瞭にみることが可能なスクリーンを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、2枚の透明な基材の間に、投影光の一部を反射し、また別の一部を透過することで、投影光を反射画像用の光と透過画像用の光との2つに分け、投影画像をスクリーンの両側から視認できるようにする光選択層を有するとともに、前記2枚の透明な基材の両方の外側の面上に、透明または半透明な樹脂からなる光拡散層を有し、前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であり、前記透過画像と前記反射画像の画質の差異を抑制することを特徴とするスクリーンを提供する。
また、本発明は、透明な基材の一方の面に、投影光の一部を反射し、また別の一部を透過することで、投影光を反射画像用の光と透過画像用の光との2つに分け、投影画像をスクリーンの両側から視認できるようにする光選択層を有し、前記透明な基材の他方の面の上に透明または半透明な樹脂からなる第1の光拡散層を有するとともに、前記光選択層のさらに上に透明または半透明な樹脂からなる第2の光拡散層を有し、前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であり、前記透過画像と前記反射画像の画質の差異を抑制することを特徴とするスクリーンを提供する。
前記光選択層は、フレーク状の粒子形状をした反射材を分散させた樹脂層であることが好ましい。
前記反射材としてはアルミ粉末が挙げられる。
前記反射材の平均粒子径(レーザー回折散乱法による測定値)は9〜19μmであることが好ましい
前記光拡散層が、開口幅および/または深さの最大値が異なる少なくとも二種類の凹部を多数ランダムな配置で表面に有することが好ましい。
前記凹部は賦型フィルムのパターンを転写したものであることが好ましい。
前記光拡散層には、光吸収材が分散されていることが好ましい。
前記透明な基材がフレキシブルな透明樹脂フィルムからなり、前記スクリーンが巻取り式スクリーンであることが好ましい。
本発明のスクリーンによれば、表面と裏面の両方に光拡散層を有し、間に光選択層が設けられているので、スクリーンのいずれの側からでも画像投影が可能であり、しかも投影側の面と同時に背面側からも画像を明瞭にみることが可能となる。
光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であることにより、反射率と透過率とのバランスが良好となり、透過画像と反射画像の画質の差異を抑制することができる。
表面に凹凸を有するとともに内部に光吸収材を添加した光拡散層をスクリーンの両面に設けたので、スクリーンの内部に侵入した外部光が光吸収材により吸収され、散乱や反射により再びスクリーンの外に出て来る外部光が低減されるので、コントラストを向上することができる。
表面層の表面に小さい凹部と大きい凹部とをランダムに混在して配置した場合、凹部の配置に規則性が生じることを避けることができ、樹脂層における光の干渉によるカラーシフトや不要な着色を抑制することができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明のスクリーンの第1例を示す模式的断面図であり、図2は、本発明のスクリーンの第2例を示す模式的断面図である。
図1に示すスクリーン1は、2枚の透明な基材12、13の間に光選択層11を有するとともに、2枚の透明な基材12、13の両方の外側の面上に、それぞれ、透明または半透明な樹脂からなる光拡散層21、31を有する。すなわち、第1の光拡散層21、第1の透明な基材12、光選択層11、第2の透明な基材13、第2の光拡散層31の5層がこの順で積層された構成である。
図2に示すスクリーン2は、透明な基材12の一方の面に光選択層11を有し、透明な基材12の他方の面の上に透明または半透明な樹脂からなる第1の光拡散層21を有するとともに、光選択層11のさらに上に透明または半透明な樹脂からなる第2の光拡散層31を有する。すなわち、第1の光拡散層21、透明な基材12、光選択層11、第2の光拡散層31の4層がこの順で積層された構成である。
透明な基材12、13としては、透明な樹脂からなるフレキシブルなフィルムや柔軟なシートなどを用いることができる。透明な基材12、13を構成する透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂などが挙げられる。なかでも、トリアセチルセルロース、ポリエステルが好ましい。透明樹脂からなる基材は、延伸されたものでも未延伸のものでもよい。二軸延伸されていると強度的に優れたものとなり好ましい。液晶プロジェクター等の投影装置による投影に用いる場合は、透明樹脂のレターデーションにより不本意な着色が発生することがある。これを避ける観点からは、未延伸フィルムや一軸延伸フィルム、特に、トリアセチルセルロースフィルムや一軸延伸のポリエステルフィルムが特に好適に使用できる。透明な基材12、13の厚みは、その材質やスクリーンの使用条件にもよるが、20〜200μm程度が好ましい。
光拡散層(表面層)21、31は、スクリーンに投影された画像の光を拡散する部分であり、具体的な構成は特に限定されないが、好ましくは、透明な樹脂中に黒色顔料などの光吸収材22、32を分散した樹脂層から構成することが好ましい。
表面層21、31に用いる透明な樹脂としては、図3に示すように表面層21、31の表面23、33の凹部を賦型フィルム41の表面起伏の転写によって形成する場合、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの硬化型樹脂が好ましい。これらの硬化型樹脂のうち、樹脂硬化のための設備が簡単で作業性に優れることから、紫外線硬化型樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂としては、光重合性を有するプレポリマー及び/又はモノマーに、必要に応じて他の単官能性又は多官能性モノマー、各種ポリマー、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを用いることができる。
ここで、光重合性プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリエステルウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレートなどが挙げられる。光重合性モノマーとしては単官能性アクリレート、二官能性アクリレート、三官能性以上のアクリレート等が挙げられる。光重合性を有するプレポリマー又はモノマーとしては、上記のほかにホスファゼン系樹脂も好適に用いられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール類、チオキサントン類などが挙げられる。増感剤としては、アミン類、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂及び電子線硬化型樹脂としては、上記の紫外線硬化型樹脂と同様なものが用いられる。ただし、電子線硬化型樹脂は重合開始剤を添加する必要がない。
表面層21、31に分散される光吸収材22、32としては、カーボンブラック、黒鉛、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料の粒子を使用することが好ましい。これらの黒色顔料は完全な黒色であることが好ましいが、部屋の照明やスクリーンに投影される映像等の使用条件によっては、多少着色されていてもよい。上記黒色顔料の中では、特にカーボンブラックが好適である。光吸収材22、32に用いられる黒色顔料の粒子径は、0.1〜5μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。表面層21、31の中に上記の光吸収材22、32を分散することにより、表面層21、31の表面に形成された凹凸で反射されないで内部に侵入した外部光が吸収され、散乱や反射により再び表面層21、31の外に出て来る外部光が低減されるので、コントラストを向上することができる。
表面層21、31は、多数の凹部をランダムな配置で表面23、33に有することが好ましい。表面層21、31の表面23、33の凹部を形成する方法は、エンボスロールなどを利用することもできるが、賦型フィルム41の表面起伏のパターンの転写による方法が好ましい。表面層21、31の表面の凹部を形成するための賦型フィルムとしては、表面にビーズなどの粒子が多数ランダムに配置されたものが好ましい。賦型フィルム41の表面には、シリコーン樹脂等の塗布などにより、剥離処理を施すことが好ましい。ただし、表面層21、31を構成する透明な樹脂が剥離しやすい場合には、賦型フィルム41の剥離処理を省略することもできる。賦型フィルム41は、スクリーンが使用される直前まで取り外さず、そのまま保護フィルムとして利用することもできる。このため、エンボスロールなどを利用して表面層21、31の凹部を形成した後に保護フィルムを貼り合わせる方法に比べて、工程数を減らして生産性の向上、製造コストの低減に寄与することができる。
表面層21、31の表面23、33の凹部は、開口幅及び/又は深さの最大値が0.01〜1μmの小さな凹部と、前記最大値が10〜30μmの大きな凹部が混在していることが好ましい。小さな凹部と大きな凹部の混在比は、開口面積比で20:80〜80:20が好ましい。また、すべての凹部による開口面積が表面層21、31の表面23、33の面積の50%以上であることが好ましい。このようにして、表面23、33に小さい凹部と大きい凹部とがランダムに混在した表面層21、31を形成すると、凹部の配置に規則性が生じることを防止し、樹脂層における光の干渉によるカラーシフトや不要な着色を抑制することができる。
賦型フィルム41を用いて表面23、33に凹部を有する表面層21、31を形成する方法としては、図3(a)に示すように、賦型フィルム41の表面に表面層21、31を形成する樹脂を塗布してその上に透明な基材12、13を貼合し、表面層21、31を形成する樹脂層を硬化させた後、図3(b)に示すように賦型フィルム41を剥離することで、透明な基材12、13の上に表面層21、31が形成された光学フィルム42を作製する方法が好ましい。このような方法を用いることにより、表面層21、31の表面23、33に賦型フィルム41の表面の凹凸パターンを確実に転写することができる。
未硬化の組成物の硬化は、賦型フィルムを貼り合わせた状態で、硬化型樹脂の種類に応じて、熱、紫外線、電子線などを作用させることにより行うことができる。
光選択層11は、投影光の一部を反射し、また別の一部を透過することで、投影光を反射画像用の光と透過画像用の光との2つに分け(選択し)、投影画像をスクリーンの両側から視認できるようにするものである。このような機能性を効果的に発揮するためには、光選択層11は、波長550nmにおける可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であることが好ましい。これにより、透過率と反射率とのバランスが改善され、透過画像と反射画像の画質の差異を抑制することができる。
光選択層11の厚みは特に限定されないが、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜50μmである。
光選択層11は、フレーク状の粒子形状をした反射材を分散させた樹脂層から構成することが好ましい。これにより、巻取り式スクリーンに適した柔軟性を付与することができる。また、反射材の種類や添加量などの調整により、所望の透過率および反射率が得られるように調整が容易となる。
フレーク状の粒子形状をした反射材としては、アルミ粉末や銀粉末などの金属粉末、合成マイカ、天然マイカなどの鉱物粉末、パール顔料などの光沢性顔料粉末等が挙げられる。なかでも価格や安定性、反射特性などの点からアルミ粉末が好ましく、さらには、アルミ粉末を有機溶媒中に分散させてペースト状としたアルミペーストを用いることが好ましい。
光選択層11の樹脂層における反射材の添加量は、反射材の材質や形状、平均粒子径などにもよって異なるが、例えば1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。
代表的な例を挙げるとすれば、例えば平均粒子径9μmの鱗片状アルミペースト(例えば東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)の場合、粘着剤の固形分比率で1〜5質量%、あるいは平均粒子径19μmの鱗片状アルミペースト(例えば東洋アルミニウム株式会社製、5620NS)の場合、粘着剤の固形分比率で5〜10質量%の範囲が好ましい。
反射材は、材質、グレード、平均粒子径などの異なるものを2種類以上併用して光選択層11中に添加してもよい。
光選択層11において反射材を分散させる樹脂としては、種々の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、接着剤、粘着剤などが挙げられる。なかでも粘着剤は、適度な粘度を有し、塗布の際に反射材が沈降しにくいので好ましい。
反射材の平均粒子径は、所望の透過率および反射率を得るため、また樹脂に対する反射材の分散性や、巻取りに対する光選択層11の耐久性などの観点から、9〜19μmの範囲が好ましい。本発明において、反射材の平均粒子径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定により求める。レーザー回折散乱法において、溶液内に分散している粒子にレーザー光を照射すると、粒子から散乱(回折)光が生じるので、この散乱光強度の分布を測定して粒度分布を求め、最頻度範囲から決まる粒子径を平均粒子径としている。本発明において、反射材の平均粒子径は、特に断らない限り、このレーザー回折散乱法による測定値である。
スクリーン1の製造手順は、特に限定されないが、例えば、第1の表面層21を有する第1の光学フィルム42の透明な基材12面上に光選択層11の形成用樹脂を流延塗布し、高温環境で粘着剤中の希釈溶媒の乾燥とともに光選択層11を熱硬化させた後、第2の表面層31を有する第2の光学フィルム42を透明な基材32面側で光選択層11と貼合する方法が挙げられる。
本形態例のスクリーンを用いるには、スクリーンのいずれの側からでも画像投影を行うことが可能である。また、スクリーンに投影された側の面からの反射画像と、スクリーンの反対側の面からの透過画像とのいずれにおいても優れた画質が得られる。
スクリーンは、卓上に設置できるように適宜の台や枠などと組み合わせてもよいし、吊り上げのための紐やフックなどを取り付けてもよい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
(光選択層の評価用サンプルの作製)
光選択層11中の反射材(平均粒子径13.4μmのアルミAを3重量%と、平均粒子径21.0μmのアルミBを5重量%)を粘着剤(サイデン化学株式会社製アクリル共重合体系粘着剤「サイビノールAT−192」)中に分散し、2枚の透明な基材12、13(東レ株式会社製PETフィルム、ルミラーX−42T、厚さ50μm)の間に積層することにより、厚さ21μmからなる実施例1の光選択層11の評価用サンプルを作製した。光選択層11中の反射材の添加量は、反射材と粘着剤の合計を100%とした質量百分率で表すものとする。反射材の平均粒子径は、各試料をミネラルスピリット(塗料用シンナー)に分散し、レーザー回折散乱法を用いて測定した。
なお、実施例1における反射材(アルミAとアルミBを質量比3:5で混合した混合物)の平均粒子径は、18μm、実施例2における反射材(アルミAとアルミBを質量比6:5で混合した混合物)の平均粒子径は、16μmである。
Figure 0005138168
(スクリーンの製造方法)
未硬化の熱硬化型アクリル樹脂に、粒子径が2〜5μm範囲にあるシリカビーズ(ビーズ小)と、粒子径が10〜30μmの範囲にあるシリカビーズ(ビーズ大)からなる粒子径の異なる2種類の粒子を分散させて塗工液を調合した。
この塗工液を、ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚さ50μm)の表面に、リバース工法にて塗布後、120℃、3分間で熱硬化させて、フィルムの表面に高さが異なる凸形状の山がランダムに突出する賦型フィルムAを作製した。
硬化型樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(綜研化学株式会社製、SW−11A)に光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル株式会社製、イルガキュア184)を添加したものに、黒色顔料として粒子径が2〜5μmのカーボンブラックを0.1質量%、で添加し、均一に撹拌混合して表面層を形成する樹脂を用意した。
用意した表面層を形成する樹脂を賦型フィルムAに流延塗布し、その上に透明な基材としてPETフィルム50μm(ダイアホイル製、T−600E)を貼合した。その後、300mJの紫外線にて樹脂層を硬化させ、賦型フィルムAを剥離して光学フィルムBを作製した。
アクリル共重合体系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)にポリイソシアネート系架橋剤(綜研化学株式会社製、硬化剤L−45)とエポキシ系架橋剤(綜研化学株式会社製、硬化剤E−5XM)を添加して、熱硬化型の粘着剤を用意した。
希釈溶媒として用いる酢酸エチルに、上述の(使用した反射材)の欄に示す反射材を、アクリル共重合体粘着剤の固形分比率として表1に示す比率となる量を添加し、均一になるまで攪拌した。
反射材(平均粒子径13.4μmのアルミAを3重量%と、平均粒子径21.0μmのアルミBを5重量%)を、アクリル共重合体粘着剤を撹拌しながらアクリル共重合体粘着剤中に混合して、光選択層11の形成用樹脂とした。
この光選択層11の形成用樹脂を、表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面に流延塗布し、120℃、2分間の環境で熱硬化させた後に、前記表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面側と常温で貼合し、実施例1のスクリーンを作製した。
[実施例2〜5及び比較例1〜8]
光選択層11に用いる反射材の種類(平均粒子径が異なる)と添加量を代えた以外は、上記の実施例1と同じ方法にて、表1に示す実施例2〜5、及び比較例1〜8の光選択層11の評価用サンプルを作製した。さらに実施例1と同様に、反射材の種類(平均粒子径が異なる)と添加量を代えた光選択層11の形成用樹脂を作製した後、表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面に貼合し、表1に示す実施例2〜5、及び比較例1〜8のスクリーンを作製した。
(光選択層の評価方法)
表1において、波長550nmにおける光選択層11の透過率および反射率は、光選択層11の両面に透明な基材を積層した構造を有する評価用サンプルを用いて測定した。
光選択層の評価用サンプルは、上記の「光選択層の評価用サンプルの作製」に示す手順により作製した。
(スクリーンの評価方法)
スクリーンの評価は、液晶プロジェクターを用いてスクリーンに画像を投影し、その透過画像および反射画像のそれぞれについて、下記の相対的な評価基準により、◎、○、△、×の4段階にて評価した。
◎・・・明瞭な画像が視認できる。
○・・・やや画像が不鮮明であるが、許容できる。
△・・・やや画像が暗い、ぎらつくなど多少見づらい。
×・・・画像が暗い、ぎらつくなどにより視認が困難。
また、表1の実施例1〜5、及び比較例1〜8について、可視光線反射率と可視光線透過率との関係をプロットして、図4に示した。さらに、図4には、表1に記載した比較例以外の実験結果を併せて示した。図4に用いた○、×の記号において、○記号は、透過画像、反射画像のいずれも○以上の評価になったものを示し、×記号は、透過画像、反射画像のいずれかが△以下の評価になったものを示す。
表1及び図4に示す結果から分かるように、波長550nmにおける可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%とすると、透過画像と反射画像の画質がいずれも優れており、画質の差異を感じることがない。
本発明は、各種プロジェクター等による投影画像の表示のためのスクリーンとして利用することができ、特に卓上などに設置してプレゼンテーションを行う用途に好適である。
本発明のスクリーンの第1例を示す模式的断面図である。 本発明のスクリーンの第2例を示す模式的断面図である。 (a)及び(b)は、表面に凹凸を有する光拡散層を透明な基材上に製造する方法の一例を工程順に示す模式的断面図である。 本発明の表1に示した実施例、及び比較例の可視光線反射率と可視光線透過率との関係を示したグラフであって、さらに、表1に記載した実施例、及び比較例以外の実験結果を含めて示したグラフである。
符号の説明
1、2…スクリーン、11…光選択層、12、13…透明な基材、21、31…光拡散層(表面層)、22、32…光吸収材(黒色顔料)、23、33…光拡散層の表面、41…賦型フィルム、42…光学フィルム。

Claims (8)

  1. 2枚の透明な基材の間に、投影光の一部を反射し、また別の一部を透過することで、投影光を反射画像用の光と透過画像用の光との2つに分け、投影画像をスクリーンの両側から視認できるようにする光選択層を有するとともに、前記2枚の透明な基材の両方の外側の面上に、透明または半透明な樹脂からなる光拡散層を有し、前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であり、前記透過画像と前記反射画像の画質の差異を抑制することを特徴とするスクリーン。
  2. 透明な基材の一方の面に、投影光の一部を反射し、また別の一部を透過することで、投影光を反射画像用の光と透過画像用の光との2つに分け、投影画像をスクリーンの両側から視認できるようにする光選択層を有し、前記透明な基材の他方の面の上に透明または半透明な樹脂からなる第1の光拡散層を有するとともに、前記光選択層のさらに上に透明または半透明な樹脂からなる第2の光拡散層を有し、前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であり、前記透過画像と前記反射画像の画質の差異を抑制することを特徴とするスクリーン。
  3. 前記光選択層が、フレーク状の粒子形状をした反射材を分散させた樹脂層であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. 前記反射材がアルミ粉末であることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン。
  5. 前記反射材の平均粒子径(レーザー回折散乱法による測定値)が9〜19μmであることを特徴とする請求項3または4に記載のスクリーン。
  6. 前記光拡散層が、開口幅および/または深さの最大値が異なる少なくとも二種類の凹部を多数ランダムな配置で表面に有することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のスクリーン。
  7. 前記凹部が賦型フィルムのパターンを転写したものであることを特徴とする請求項に記載のスクリーン。
  8. 前記透明な基材がフレキシブルな透明樹脂フィルムからなり、前記スクリーンが巻取り式スクリーンであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のスクリーン。
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