JP2005283749A - 光拡散フィルム及びその製造方法並びにスクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】接合部の目立たない大型の光拡散フィルムを提供する。
【解決手段】光学フィルム2同士の接合部において、光学フィルム端面3間の間隙に接着剤が充填され光学フィルム端面3から200μm以上、2mm以下の距離だけ光学フィルム2のおもて面を覆ってなり、光学フィルム2と同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層4を備える。
【選択図】図1
【解決手段】光学フィルム2同士の接合部において、光学フィルム端面3間の間隙に接着剤が充填され光学フィルム端面3から200μm以上、2mm以下の距離だけ光学フィルム2のおもて面を覆ってなり、光学フィルム2と同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層4を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、同一の光学特性を有する光学フィルムを複数接合した光拡散フィルム及びその製造方法、さらにその光拡散フィルムを用いたスクリーンに関する。
近年、大型の映像表示装置が求められており、リアプロジェクションシステム、フロントプロジェクションシステムが活用されている。そこで、用いられる光学フィルムは、例えば、レンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート、拡散フィルム等を大型化する技術が開発されている。しかし、現在の技術では、拡散フィルムを始めとして、100インチ以上の大きなシートやフィルムを作製することは困難であり、しかもコストが高くなるので、数枚のスクリーンを並列に接合することにより大型化している(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
複数枚の光学フィルムを接合することによって作製される大型光学フィルムでは、接着層で段差なく接合されていること、接着層に空気が混入しないこと及び接着が強固になされていることが要求される。
しかしながら、接着層の厚みつまり接合部の間隔が大きいと、周辺の光学フィルムと形状、特性が変化するためにスクリーンとして観察した場合に、接合部の色目、輝度等が異なって観察される。例えば、反射型のスクリーン上に設けられる拡散フィルムにおいては、接合部の間隔を20μm程度以下に抑えないと、プロジェクター光を照射した時に、下地である反射膜のギラツキが目立ってしまう。厚みのあるシートに関しては、シート端面の研磨が可能であるために、矩形形状に設計することができ、接合部の間隔を詰めることは可能である。ところが、厚みの薄いフィルムにおいては、フィルム端面を研磨することは困難であり、いかなるカッティング法を用いても、バリ等によって矩形形状に設計することは困難である。
また、接合するフィルムのサイズが大きければ大きいほど、カッティングの真直性が大きく影響し、接合部の間隔を小さくすることが困難となる。さらに、接合部が1辺のみに終わらず、2辺以上の接合に及ぶと困難を極める。
本発明はこのような従来の問題点を考慮してなされたものであり、接合部位が目立つことのなく複数の光学フィルムが容易に接合された光拡散フィルム及びそれを用いたスクリーンを提供することを目的とする。
また本発明は、接合する光学フィルムの切断面にバリや凹凸が残っており、接合部の間隔が20μm以下となるような真直性が得られずとも、接合部位が目立つことのなく光学フィルム同士を接合することができる光拡散フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、接合する光学フィルムの切断面にバリや凹凸が残っており、接合部の間隔が20μm以下となるような真直性が得られずとも、接合部位が目立つことのなく光学フィルム同士を接合することができる光拡散フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、おもて面側の表面形状により光学機能を有する光学フィルムが平面状に複数接合されてなる光機能性フィルムであって、前記光学フィルム同士の接合部において、該光学フィルム端面間の間隙に接着剤が充填され前記光学フィルム端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ該光学フィルムのおもて面を覆ってなり、前記光学フィルムと同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層を備えていることを特徴とする光機能性フィルムである(請求項1)。
請求項1の発明においては、転写樹脂層の表面形状が光学フィルムの表面形状と同じになるので、接合部における拡散面(フィルム表面)の連続性が良好に保持された、接合部位の目立たない大型の光機能性フィルムを得ることが可能となる。また、接合部端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ該光学フィルムのおもて面を覆っているので、光学フィルム同士の確実かつ強固な接着が可能となる。
この際に、転写樹脂層と光学フィルムとの段差を小さくして接合部位を目立たなくするために、前記転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みを25μm以下とすることが好ましい。
また、光学フィルム同士の間隙に充填する接着剤は、気泡が入らないように、その粘度を選定することが重要である。好ましくは、2cps〜600cpsである。さらに、硬化の際に割れが生じず、下層に貼合せする際に浮きが発生しないようにするために硬化収縮率を10%以下にすることが好ましい。また接着剤の屈折率は、接合する光学フィルムの屈折率に近い方がよく、屈折率差が0.1以内であることが望ましい。
また、接合部は、フィルム間の段差を抑えることも重要である。段差が発生すると、それを境に投影された映像に歪みが発生するからである。拡散フィルムの場合、その拡散面の凹凸差は一般的に20μmから30μm以下にある。よって、接合部におけるフィルム段差もこの範囲以下に抑えるのが好ましい。より好ましくは、数μm〜10μmである。このようなフィルム段差に抑えるためには、フィルム裏面の非拡散面に接合部に跨るように、1枚ものの粘着剤層を設けるのがよい。接合部の接着剤との界面反射を抑えるために、接着剤が未硬化の状態で粘着シートを貼り合わせ、その後接着剤の硬化を行う。
前記課題を解決するために提供する本発明は、おもて面側の表面形状により光学機能を有する光学フィルムの端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ入った位置のおもて面側に粘着テープを貼り付ける工程と、前記光学フィルムの粘着テープを貼り付けた側の端面同士を間隙をもたせて突き合わせ、該光学フィルムと同じ表面形状を転写により形成する型を前記光学フィルムの端面突き合わせ部分におもて面側から跨って前記粘着テープで固定する工程と、前記光学フィルム端面間の間隙に接着剤を充填する工程と、前記接着剤の充填部に跨って前記光学フィルムの裏面側にシートを貼り合わせる工程と、前記シートによって平坦化された接着剤を硬化させる工程とを有することを特徴とする光機能性フィルムの製造方法である(請求項6)。
請求項6の発明においては、上記光機能性フィルムを容易に作成することが可能となる。
本発明の製造方法において、光学フィルムに粘着テープを貼り付ける工程では、粘着テープを貼り付ける位置により転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆う範囲を決めることができ、転写樹脂層と光学フィルムとの確実で強固な接着が可能となる。また気泡のない転写樹脂層とすることができる。さらに、粘着フィルムの厚みにより転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みを調整することが可能であり、具体的には光学フィルム表面と型表面との距離が25μm以下となるようにすることが好ましい。
本発明の製造方法において、光学フィルムに粘着テープを貼り付ける工程では、粘着テープを貼り付ける位置により転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆う範囲を決めることができ、転写樹脂層と光学フィルムとの確実で強固な接着が可能となる。また気泡のない転写樹脂層とすることができる。さらに、粘着フィルムの厚みにより転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みを調整することが可能であり、具体的には光学フィルム表面と型表面との距離が25μm以下となるようにすることが好ましい。
型を固定する工程において、型は光学フィルムの表面形状に対して鏡像の関係となる表面形状を有するものであり、その表面形状が充填硬化される転写樹脂層のおもて面に転写され、光学フィルムと同じ表面形状が形成されるため、接合部における拡散面(フィルム表面)の連続性を良好に保持することができる。さらに、光学フィルム端面間をmm単位の間隙とすることができるので、光学フィルムの端面に切断によるバリや出っ張りの発生を気にすることなく、光学フィルムの突き合わせを容易に行うことができる。
接着剤を充填する工程では、光学フィルム裏面を上にして結合部端面間の間隙に接着剤が充填される。この接着剤は、光学フィルムの接合を強固にするとともに、フィルム端面に発生する光散乱を防止する働きがあり、光学フィルムとの屈折率差が0.1以内のもので、かつ注入時に気泡が入らないように、2cps以上、100cps以下の粘度を有するものが好ましい。また、硬化時の収縮による割れ発生や、下層に貼合せする際の浮き発生を抑制するために硬化収縮率が10%以内であることが望ましい。このような接着剤としては例えば紫外線硬化型樹脂あるいは熱硬化型樹脂を用いることができる。
接着剤の充填後、接着剤が未硬化の状態でフィルム裏面に結合部を覆ってシートが貼り合わされる。これにより、充填された接着剤の表面が平坦化され、フィルム間の段差発生が抑制される。その後、紫外線あるいは熱により接着剤の硬化が行われて転写樹脂層が形成され、光拡散機能を有する光学フィルムが平面状に複数接合されてなる光拡散フィルムが完成する。また、前記シートは、粘着シートであることが好適である。
前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載の光機能性フィルムを備えるスクリーンであって、前記光学フィルムが光拡散機能を有することを特徴とするスクリーンである(請求項11)。
ここで、特定の波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記特定の波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高透過特性を有する反射層を備えることが好ましい。この反射層は、プロジェクター光は反射し、プロジェクター光以外の光はほとんど透過させることが可能となるため、明るい環境でも高輝度、高コントラストの映像表示が可能なスクリーンを実現することができる。
このような波長選択性を有する反射層としては、高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層し、最外層に高屈折率層を積層した積層数2n+1(nは1以上の整数)の光学多層膜が挙げられる。この光学多層膜は、透明支持体の片面あるいは両面に形成される。両面に形成した場合、その全層数は2(2n+1)層(1≦n≦3)が適当である。また、前記特定の波長領域が、赤、緑、青の三原色波長領域を含むとよい。
この反射層を設けた場合には、反射層を透過した光を吸収する光吸収層を設けることが望ましい。これにより、映像の黒レベルを下げて白レベルと黒レベルの比で表されるコントラストを上げることができる。
この反射層を設けた場合には、反射層を透過した光を吸収する光吸収層を設けることが望ましい。これにより、映像の黒レベルを下げて白レベルと黒レベルの比で表されるコントラストを上げることができる。
請求項11〜16の発明においては、本発明の光機能性フィルムを光拡散フィルムとしてスクリーン表面に適用することにより、接合部の目立たない大型のスクリーンを実現することが可能となる。特に、反射型スクリーンでは、光拡散フィルムをただ並べただけでは接合部の間隙が20μmを超えると、反射層が露出してぎらついて見えてしまうが、本発明の光拡散フィルムを適用した場合この現象を防ぐことができる。
請求項1の発明によれば、転写樹脂層の表面形状と光学フィルムの表面形状と同じとすることにより、接合部における拡散面(フィルム表面)の連続性が良好に保持された、接合部位の目立たない大型の光機能性フィルムを得ることが可能となる。また、接合部端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ該光学フィルムのおもて面を覆っているので、光学フィルム同士の確実かつ強固な接着が可能となる。
請求項6の発明によれば、接合部の目立たない大型の光機能性フィルムを容易に製造することができる。
請求項11の発明によれば、光拡散フィルムの接合部の目立たない大型のスクリーンを得ることができる。
請求項6の発明によれば、接合部の目立たない大型の光機能性フィルムを容易に製造することができる。
請求項11の発明によれば、光拡散フィルムの接合部の目立たない大型のスクリーンを得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の光機能性フィルムの一実施の形態として光拡散フィルムの構成を示す断面図である。図1において、光拡散フィルム1は、おもて面の表面形状により光拡散機能を有する光学フィルム2が平面状に複数接合されてなり、その接合部では光学フィルム端面3間の間隙に接着剤が充填され光学フィルム端面3からの距離dとして200μm以上、2mm以下の距離だけ光学フィルム2のおもて面を覆ってなり、光学フィルム2と同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層3を備えている。また、フィルム裏面側に転写樹脂層4に跨って粘着剤層5が貼り合わされている。
図1は、本発明の光機能性フィルムの一実施の形態として光拡散フィルムの構成を示す断面図である。図1において、光拡散フィルム1は、おもて面の表面形状により光拡散機能を有する光学フィルム2が平面状に複数接合されてなり、その接合部では光学フィルム端面3間の間隙に接着剤が充填され光学フィルム端面3からの距離dとして200μm以上、2mm以下の距離だけ光学フィルム2のおもて面を覆ってなり、光学フィルム2と同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層3を備えている。また、フィルム裏面側に転写樹脂層4に跨って粘着剤層5が貼り合わされている。
光拡散機能を有する光学フィルム2は、その表面形状が、円形、矩形あるいは多角形等による凹凸状態によって制御されたものが知られており、例えば、光透過性もしくは光非透過性の基材フィルムと、該基材フィルム上面に塗設されたバインダー並びにビーズを含むビーズ層から構成された拡散フィルムが一つの例として挙げられる。
このようなビーズ層を有する拡散フィルムの場合、光透過性基材フィルムとしては、プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の透明、乳白色透明のプラスチックフィルム、あるいはガラス繊維からなる布、合成紙等の優れた光透過性を有するものが使用され、また光非透過性基材フィルムとしては、前述した光透過性基材フィルムの構成材料に、無機物、例えば、二酸化チタン(TiO2)を混合して非透過性を付与したものが使用される。このフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、スクリーン材としての使用形態を考慮すれば、10〜5000μm程度が好ましい。
また、ビーズとしては、プラスチックビーズ(例えば、アクリルビーズ)、ガラスビーズ等がある。ビーズの粒径は、特に限定されるものではないが、光の反射効率などを考慮すれば、1〜100μm程度のもので、好ましくは、粒度の異なるビーズを混在させて用いる。また、ビーズの色としては、反射効率の観点からして白色が好ましく、この場合の着色材としては、白色無機顔料、例えば、酸化チタン、タルク、酸化亜鉛等が使用できるが、最終調製品の反射効率を考慮すれば、二酸化チタンが特に好ましい。なお、透明ビーズと着色ビーズを混合して使用する場合、両者の混合比は、光線の反射効果を考慮すれば、重量比で1:99〜99:1の範囲が好ましい。
バインダーとしては、例えば、アクリルコポリマー樹脂あるいはウレタン樹脂等の合成樹脂が使用できる。なお、ビーズとバインダーとの配合比は、光反射効果などを考慮して、バインダー100重量部に対して、ビーズ5〜95重量部の範囲が好ましい。
なお、上記基材フィルム、バインダー及びビーズに、難燃化性能を付与する目的で、難燃剤、例えば、トリフェニルホスフェート、ポリクレジルホスフェートなどをさらに配合することも可能である。
なお、上記基材フィルム、バインダー及びビーズに、難燃化性能を付与する目的で、難燃剤、例えば、トリフェニルホスフェート、ポリクレジルホスフェートなどをさらに配合することも可能である。
また、ビーズ層の厚みは特に限定されるものではないが、周知のロールコート方式による基材フィルムへの塗設の難易性、強度及び光線の遮蔽効果などを考慮して、10〜500μm程度が好ましい。さらに、ビーズ層内におけるビーズの配置態様としては、光拡散効果などを考慮すれば、バインダーに埋設されたビーズとバインダーに部分的に埋設されたビーズを混在させて用いること、ならびに、ビーズを基材フィルム表面に分散あるいは基材フィルム表面をほぼ被うように分布させる態様が好ましい。
さらに、上記光拡散機能を有する光学フィルムをスクリーン材として使用する場合、反射効率を補足する目的で、基材フィルムの他方の面、すなわち、ビーズ層と反対のフィルム裏面に反射層を形成することができる。この反射層としては、光の反射効率を向上させる物質であれば、基本的には適用可能であり、例えば、アルミニウム、銀などの金属を蒸着させて反射層を形成する方法、あるいはこの金属蒸着反射層にさらに着色ビーズを配合してその反射効率を高めることなどができる。
光学フィルム2の他の例としては、表面に微細な彫刻面組織が形成された拡散フィルムが挙げられる。この微細な表面組織を形成する方法としては、拡散装置または均質化装置によって光を種々の方向に撒き散らし、現像することによって微細な彫刻面組織を形成する方法がある。拡散装置としては例えばすりガラス、乳白ガラス、不透明プラスチック、ケミカルエッチングプラスチック、面機械加工プラスチック等が知られている。布及びナイロン拡散体も良く用いられている。一方で、レンズ状または面機械加工プラスチックにおいては、拡散装置の表面組織の特性を変えることによって拡散光の角度を制御できる。このようにレンズ状拡散装置は少なくとも拡散光の角度を部分的に制御できるので他のものに比べその適用範囲が広い。
具体的には、例えば、干渉光を用いて感光性媒体内に表面組織を形成し、媒体を処理し、例えばエポキシ樹脂に上記表面組織を再生せしめるといった工程で形成する方法が挙げられる。この場合、表面組織は、感光性媒体に拡散された干渉光を露光することによって形成できる。この光は、例えばすりガラス、ホログラム、レンズまたはアセテート拡散体によって拡散できる。感光性媒体は、例えば、重クロム酸化ゼラチン、ホトレジスト、ハロゲン化銀またはホトポリマーである。一度感光性媒体を記録し処理した場合には、硬化したとき媒体から分離できる多くの種類のエポキシまたはその等価物に表面組織を複写することができる。硬化せしめたエポキシ層をそのまま伝達体として、または反射のための反射材料を被覆して用いることができる。量産のためには、プラスチックまたは他の型押し可能な材料からメタルマスターを作るためエポキシ層を電鋳プロセスまたは同等プロセスにより処理し、彫刻表面組織を形成せしめるといった手順がとられる。
上記したような表面凹凸により光拡散機能を有する光学フィルム2は、接合するため所望の形状に切断される。切断する方法としては、鋭利なステンレス刃がごく一般的に用いられる。特に刃先厚が薄い時には、コーティング等で表面処理を施すことによって、切断刃の表面の硬さを増すことが考えられる。ここで、超硬合金製品へのコーティングはTiN,TiCN,TiC等をCVD,PVDで行う方法が一般的に行われている。
上記光拡散フィルム1はフィルム表面形状によって特性が決まるので、接合する際には表面形状の連続性が重要である。例えば最表面の凹凸が不連続であると、不連続部を通る光は拡散されずにそのまま下地層へ進入することになる。反射型スクリーンのように下地層が反射層である場合には、反射光が拡散されずにそのまま観察者に投影されるため、ギラツキが発生し非常にまぶしく目立ってしまう。よって、拡散の凹凸層ができるだけ連続であることが要求される。そこで、接合する光学フィルム2と同様の表面形状が接合部においても形成できるようにすることが好ましい。また、接合する光学フィルム2の端面3における反射成分を、樹脂を埋めることによって端面3を同じぐらいの屈折率をもつ界面と隣接させて低減することが重要である。
発明者は、そのために転写樹脂層4を設けた。
転写樹脂層4は、光学フィルム端面3間の間隙に注入・充填された接着剤4a(後述)が硬化してなるものであり、構成材料としては、接合する光学フィルム2と同様の屈折率をもつ樹脂が良い。好ましくは、接合する光学フィルム2の屈折率から±0.1以内、より好ましくは±0.05以内である。かつ、100μmの樹脂厚におけるヘイズ値が1%以内であることが望ましい。このような特性を有することにより、転写樹脂層4が接合する光学フィルム2とほぼ等しい光学性能となり、接合部への光の透過率が良好であり、かつ接合部での光の反射が少なくなって目立たなくなる。また、下層として反射膜が設置されるような反射型スクリーンにおいては、接合部とその周辺における輝度や色目が同程度となり接合部が目立たなくなる。
転写樹脂層4は、光学フィルム端面3間の間隙に注入・充填された接着剤4a(後述)が硬化してなるものであり、構成材料としては、接合する光学フィルム2と同様の屈折率をもつ樹脂が良い。好ましくは、接合する光学フィルム2の屈折率から±0.1以内、より好ましくは±0.05以内である。かつ、100μmの樹脂厚におけるヘイズ値が1%以内であることが望ましい。このような特性を有することにより、転写樹脂層4が接合する光学フィルム2とほぼ等しい光学性能となり、接合部への光の透過率が良好であり、かつ接合部での光の反射が少なくなって目立たなくなる。また、下層として反射膜が設置されるような反射型スクリーンにおいては、接合部とその周辺における輝度や色目が同程度となり接合部が目立たなくなる。
なお、接合部における光学フィルム端面3間の間隙は小さいほうがよいが、mm単位の間隙でよい。また、そのほうが接着剤4aをその間隙にスムーズに充填することができる。
また、光学フィルム2同士の接合部においても表面形状(凹凸)の連続性を確保するために、転写樹脂層4はそのおもて面に光学フィルム2と同じ表面形状を有することが好ましい。
接着剤4aは無溶剤の樹脂であることが望ましい。この粘度は、2cps〜600cpsが好ましい。これは、無溶剤系の樹脂で2cps未満の場合は樹脂作製困難であり、150cpsよりも大きい場合は接合部への注入時に気泡が入りやすくなるためである。樹脂としては、エポキシ系、アクリル系、エン・チオール系、ウレタン系、ポリエステル系等から選ぶことができる。作業性の観点から、光硬化性のタイプの方が、熱硬化性のタイプよりも良い。注入された樹脂の厚みは、接合するフィルムの厚みとほぼ同様の厚みとなる。このことから、硬化収縮率が10%以内であることが望ましい。硬化収縮率が10%を超える場合は、硬化の際にその収縮によって割れが生じたり、下層に貼合せする際に浮きが発生することになる。
転写樹脂層4が接合する光学フィルム2の端部を覆う範囲(接合部端面3から覆う距離)dは、200μm以上、2mm以下が好ましく、より好ましくは200μmから500μmである。転写樹脂層4が光学フィルム2の端部を覆う範囲dが200μmよりも小さい場合には、光学フィルム2と転写樹脂層4との接着力が不十分であり、少しのたわみに対してもすぐに剥離し、接合線における光学フィルム端面3と転写樹脂層4との剥離につながってしまい、接合部における端面反射を引き起こしてしまう。また、転写樹脂層4が光学フィルム2の端部を覆う範囲が2mmよりも大きい場合には、接着剤4aを注入した場合に、気泡を抱き込みやすくなる。
さらに、転写樹脂層4の光学フィルム2の端部おもて面を覆っている部分の厚みtは25μm以下であることが好ましい。25μm厚みよりも大きい場合には、その厚みによる段差のために注入樹脂が目立ちやすくなってしまう。
ところで、光学フィルム2同士の接合部は、光機能のための凹凸を連続にするだけでなく、フィルム間の段差を抑えることも重要である。段差が発生すると、それを境に投影された映像に歪みが発生するからである。光拡散フィルムの場合、その拡散面の凹凸差は一般的に数μmから30μm以下にある。よって、接合部におけるフィルム段差もこの範囲以下に抑えるのが好ましい。より好ましくは、数μm〜10μmである。このようなフィルム段差に抑えるためには、フィルム裏面に接合部(転写樹脂層4)を跨るように、1枚ものの粘着剤層5を設けるのがよい。転写樹脂層4との界面反射を抑えるために、接着剤4aが未硬化の状態で粘着剤層5を有する粘着シートを貼り合わせ、その後UV硬化、あるいは熱硬化で接着剤4aの硬化を行うことが好ましい。
図2に、上記光拡散フィルム1の製造工程例を示す。光拡散フィルム1はつぎのように製造される。
(s1)ローラーカッター等により所定の大きさに切断された光学フィルム2の端面から所定の距離dだけ入った位置の拡散面であるおもて面側に粘着テープ6を貼り付ける(図2(a))。距離dは、転写樹脂層4の接合する光学フィルム2の端部を覆う範囲を決めるものであり、200μm以上、2mm以下が好ましい。また、粘着テープ6の厚みにより、転写樹脂層4の接合する光学フィルム2の端部を覆う範囲における厚みを調整することができる。
(s2)ステップs1の光学フィルム2 一組を用いて、光学フィルム2の粘着テープ6を貼り付けた側の端面同士を間隙をもたせて突き合わせた状態で配置する。
(s3)ついで、光学フィルム2と同じ表面形状を転写により形成する型7をステップs2で配置した光学フィルム2の端面突き合わせ部分におもて面側から跨って粘着テープ6で固定する(図2(b))。型7は光学フィルム2の表面形状に対して鏡像の関係となる表面形状を有するものであり、その表面形状が充填硬化される転写樹脂層4のおもて面に転写され、光学フィルム2と同じ表面形状が形成される。型7としては、例えば転写用に表面形状が形成された拡散フィルムを使用してもよいし、光学フィルム2を作製するための金型を使用してもよい。
(s3)ついで、光学フィルム2と同じ表面形状を転写により形成する型7をステップs2で配置した光学フィルム2の端面突き合わせ部分におもて面側から跨って粘着テープ6で固定する(図2(b))。型7は光学フィルム2の表面形状に対して鏡像の関係となる表面形状を有するものであり、その表面形状が充填硬化される転写樹脂層4のおもて面に転写され、光学フィルム2と同じ表面形状が形成される。型7としては、例えば転写用に表面形状が形成された拡散フィルムを使用してもよいし、光学フィルム2を作製するための金型を使用してもよい。
(s4)ステップs3のもの(光学フィルム2、粘着テープ6、型7の一体もの)を裏返し、光学フィルム2端面間の間隙に接着剤4aを充填する(図2(c))。これにより、接着剤4aは光学フィルム2と型7との間にも入り込み、粘着テープ6に接するまで気泡がないように充填される。
(s5)接着剤4aの充填部に跨って光学フィルム2の裏面側に粘着材層5である粘着シートを貼り合わせる。粘着シートにより接着剤4aが充填された開口部は平坦化される。
(s6)UVまたは熱により接着剤4aを硬化させて転写樹脂層4とし(図2(d))、光拡散フィルム1を完成する(図1)。なお、図2(d)では照射されるUVは粘着シートを透過して接着剤4aに到達する。
この光拡散フィルム1は、粘着剤層5を介してスクリーン等に貼り合わせて用いることができる。
(s6)UVまたは熱により接着剤4aを硬化させて転写樹脂層4とし(図2(d))、光拡散フィルム1を完成する(図1)。なお、図2(d)では照射されるUVは粘着シートを透過して接着剤4aに到達する。
この光拡散フィルム1は、粘着剤層5を介してスクリーン等に貼り合わせて用いることができる。
次に、図3に基づいて、上記光拡散フィルム1を用いた本発明のスクリーンの一実施の形態を説明する。
図3において、スクリーン10は、支持基板11上に、反射層である光学多層膜12と、上述した光拡散フィルム1とが順番に設けられた構成であり、さらに支持基板11の背面側に光吸収層13が設けられている。
図3において、スクリーン10は、支持基板11上に、反射層である光学多層膜12と、上述した光拡散フィルム1とが順番に設けられた構成であり、さらに支持基板11の背面側に光吸収層13が設けられている。
支持基板11は、透明であり、透明フィルム、ガラス板、アクリル板、メタクリルスチレン板、ポリカーボネート板、レンズ等の所望の光学特性を満足するものであればよい。光学特性として、上記支持基板11を構成する材料の屈折率は1.3〜1.7、ヘイズは8%以下、透過率は80%以上が好ましい。また、支持基板11にアンチグレア機能をもたせてもよい。
透明フィルムはプラスチックフィルムが好ましく、このフィルムを形成する材料としては、例えばセルロース誘導体(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース及びニトロセルロース)、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート、スチレンなどといったビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル系樹脂;ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)などのポリカーボネート系樹脂;(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェノールAのモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノマーの重合体および共重合体などといった熱硬化性(メタ)アクリル系樹脂;ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及び不飽和ポリエステル;アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能である。この場合には加熱温度の上限が200℃以上となり、その温度範囲が幅広くなることが予想される。
プラスチックフィルムは、これらの樹脂を伸延あるいは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するなどの方法で得ることができる。厚さは剛性の面からは厚いほうがよいが、ヘイズの面からは薄いほうが好ましく、通常25〜500μm程度である。
また、上記プラスチックフィルムの表面がハードコートなどの被膜材料で被覆されたものであってもよく、無機物と有機物からなる光学多層膜の下層にこの被膜材料を存在させることによって、付着性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることも可能である。
また、上記プラスチックフィルムの表面がハードコートなどの被膜材料で被覆されたものであってもよく、無機物と有機物からなる光学多層膜の下層にこの被膜材料を存在させることによって、付着性、硬度、耐薬品性、耐久性、染色性などの諸物性を向上させることも可能である。
光学多層膜12は、第1の光学膜として高屈折率の光学膜12Hと、第2の光学膜として低屈折率の光学膜12Lとが交互に積層された構成である。図5において、支持基板11の一方の面に、まず高屈折率の光学膜12Hが設けられ、ついで低屈折率の光学膜12Lが設けられ、以降光学膜12Hと光学膜12Lとが交互に設けられ、最後に光学膜12Hが設けられた構成であり、2n+1層(nは1以上の整数である。)からなる積層膜となっている。なお、この積層膜は、支持基板11の両面に設けてもよい。その場合、両面で積層数は2(2n+1)層となる。
光学膜12Hは、支持基板11または光学膜12Lの上に、例えば、高屈折率光学膜用材料を塗布し、硬化させて形成することができる。この光学膜12Hは屈折率を調整するために微粒子が含まれている。
光学膜12Hの膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。15μmより厚くすると、分散し切れなかった微粒子によるヘイズ成分が増大して光学膜としての機能が得られないからである。
また、光学膜12Hの屈折率は、1.70〜2.10とすることが好ましい。屈折率を2.10よりも高くすると、微粒子の分散性が不充分となって光学膜としての機能が損なわれる。また、屈折率を1.70よりも低くすると、光学膜12Lを積層した場合の反射特性が十分ではなくなり、スクリーンとしての特性が不充分となる。
光学膜12Hの膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。15μmより厚くすると、分散し切れなかった微粒子によるヘイズ成分が増大して光学膜としての機能が得られないからである。
また、光学膜12Hの屈折率は、1.70〜2.10とすることが好ましい。屈折率を2.10よりも高くすると、微粒子の分散性が不充分となって光学膜としての機能が損なわれる。また、屈折率を1.70よりも低くすると、光学膜12Lを積層した場合の反射特性が十分ではなくなり、スクリーンとしての特性が不充分となる。
光学膜12Lは、光学膜12Hの上に、例えば低屈折率光学膜用材料を塗布し、硬化させて形成することができる。この光学膜12Lの屈折率は、1.30〜1.69とすることが好ましい。光学膜12Lの屈折率は、低屈折率光学膜用材料に含まれる樹脂の種類、場合によっては微粒子の種類及び添加量などにより決まる。なお、屈折率が1.69よりも高くなると光学膜12Hとの屈折率の差が確保できず、光学膜12Hに積層した場合の反射特性が十分ではなくなり、スクリーンとしての特性が不充分となる。また、1.3よりも低い屈折率をもった膜を形成することが困難であり、屈折率1.3が製造上の下限となる。
光学膜12Lの膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。
光学膜12Lの膜厚は、80nm〜15μm、より好ましくは600〜1000nmとする。
ここで、光学膜12H及び光学膜12Lを形成するための高屈折率光学膜用材料及び低屈折率光学膜用材料について説明する。
(1)高屈折率光学膜用材料
高屈折率光学膜用材料は、微粒子と、有機溶媒と、エネルギーを吸収して硬化反応を起こす結合剤と、分散剤とを含有する。
(1)高屈折率光学膜用材料
高屈折率光学膜用材料は、微粒子と、有機溶媒と、エネルギーを吸収して硬化反応を起こす結合剤と、分散剤とを含有する。
微粒子は、成膜された後の光学膜の屈折率を調整するために添加される高屈折率材料の微粒子であり、Ti、Zr、Al、Ce、Sn、La、in、Y、Sb等の酸化物、または、In−Sn等の合金酸化物が挙げられる。なお、光触媒を抑える目的でTi酸化物にAl、Zr等の酸化物が適当量含有していてもよい。この微粒子の比表面積は55〜85m2/gが好ましく、75〜85m2/gであることがより好ましい。比表面積がこの範囲にあると、微粒子の分散処理により、光学膜用材料中における微粒子の粒度で100nm以下に抑えることが可能となり、ヘイズの非常に小さな光学膜を得ることが可能である。
有機溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル系溶媒等が用いられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋である必要はなく、異性体、未反応物、分解物、酸化物、水分等の不純成分が20%以下であれば含まれていてもかまわない。また、低い表面エネルギーをもつ支持基板や光学膜上に塗布するためには、より低い表面張力をもつ溶媒を選択することが望ましく、例えばメチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール等が挙げられる。
分散剤と硬化反応する結合剤は、熱硬化性樹脂、紫外線(UV)硬化型樹脂、電子線(EB)硬化型樹脂等があげられる。熱硬化性樹脂、UV硬化型樹脂、EB硬化型樹脂の例としてはポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式等)基を有するポリマーでもよい。また、炭素鎖中にフッ素、シラノール基の入った樹脂でも構わない。
上記樹脂を硬化反応させる方法は放射線または熱いずれでもよいが、紫外線照射により樹脂の硬化反応を行う場合には、重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これらの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部とする。
上記微粒子を分散させる分散剤は、その含有量が微粒子に対し3.2〜9.6×1011mol/m2であるが、これより含有量が少ないと光学膜に十分な分散性を得ることができない。逆に、含有量が多いと、塗膜中における分散剤体積比率が上昇するために、膜屈折率が低下して屈折率の調整範囲が狭くなることから光学膜積層設計が困難となる。
上記の分散剤に含まれる親水基の極性官能基の量は、10-3〜10-1mol/gである。官能基がこれより少ない、あるいは多い場合には、微粒子の分散に対する効果が発現せず、分散性低下などにつながる。
極性官能基として、以下に示すような官能基でも凝集状態にならないため有用である。
・-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)、3級アミン、4級アンモニウム塩
・R1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンである。)
・-OH、-SH、-CN、エポキシ基等
極性官能基の導入部位は特に規定はない。これら分散剤は、1種単独で用いられることが可能であるが、2種以上を併用することも可能である。
極性官能基として、以下に示すような官能基でも凝集状態にならないため有用である。
・-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2(ここで、式中Mは、水素原子あるいは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属である。)、3級アミン、4級アンモニウム塩
・R1(R2)(R3)NHX(ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子あるいは炭化水素基であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオンあるいは無機・有機イオンである。)
・-OH、-SH、-CN、エポキシ基等
極性官能基の導入部位は特に規定はない。これら分散剤は、1種単独で用いられることが可能であるが、2種以上を併用することも可能である。
また、塗膜における分散剤は、総量で上記微粒子100重量部に対して、20〜60重量部が好ましく、38〜55重量部がより好ましい。
また、分散剤親油基の重量平均分子量は110〜3000が好ましい。分子量がこの範囲よりも低いと、有機溶媒に対して十分に溶解しないなどの弊害が生じる。逆に高すぎる場合には光学膜に十分な分散性を得ることができない。なお、分散剤の分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により行えばよい。
上記分散剤には、結合剤と硬化反応を起こすための官能基を有していてもよい。また、本発明の分散剤以外の結合剤を含む場合には結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。
上記高屈折率光学膜用材料は塗布により塗膜とされた後、放射線または熱によって硬化反応が促進され高屈折率タイプの第1の光学膜となる。
また、分散剤親油基の重量平均分子量は110〜3000が好ましい。分子量がこの範囲よりも低いと、有機溶媒に対して十分に溶解しないなどの弊害が生じる。逆に高すぎる場合には光学膜に十分な分散性を得ることができない。なお、分散剤の分子量の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により行えばよい。
上記分散剤には、結合剤と硬化反応を起こすための官能基を有していてもよい。また、本発明の分散剤以外の結合剤を含む場合には結合基を多く有する多官能ポリマー、またはモノマーが好ましい。
上記高屈折率光学膜用材料は塗布により塗膜とされた後、放射線または熱によって硬化反応が促進され高屈折率タイプの第1の光学膜となる。
(2)低屈折率光学膜用材料
この光学膜用材料は、低い屈折率を持つ層の材料として設計される。含フッ素系樹脂、シリカ、中空微粒子等が挙げられ、1.45以下の屈折率を持つ膜が特に好ましい。
この光学膜用材料は、低い屈折率を持つ層の材料として設計される。含フッ素系樹脂、シリカ、中空微粒子等が挙げられ、1.45以下の屈折率を持つ膜が特に好ましい。
含フッ素系樹脂に関しては、主鎖がフッ素変性されたポリマーには、例えば、パーフルオロ主鎖型パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテルなどが挙げられ、またフッ素を有するモノマーには、例えば、CF2=CF2、CH2=CF2、CF2=CHFなどが挙げられ、またこれらモノマーを重合したもの、これらをブロックポリマー化したものも使用できる。
側鎖がフッ素変性されたポリマーについては、溶剤可溶な主鎖に対してグラフトポリマー化したものが挙げられるが、特に、溶剤が使用できる樹脂としてその扱いが容易であることからポリフッ化ビニリデンが好ましい低屈折率熱可塑性ポリマーの例として挙げられる。低屈折率熱可塑性ポリマーとしてこのポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、低屈折率層の屈折率は約1.4となるが、さらに低屈折率層の屈折率を下げるにはトリフルオロエチルアクリレートのような低屈折率アクリレートを、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して10重量部から300重量部、好ましくは100重量部から200重量部添加してもよい。
側鎖がフッ素変性されたポリマーについては、溶剤可溶な主鎖に対してグラフトポリマー化したものが挙げられるが、特に、溶剤が使用できる樹脂としてその扱いが容易であることからポリフッ化ビニリデンが好ましい低屈折率熱可塑性ポリマーの例として挙げられる。低屈折率熱可塑性ポリマーとしてこのポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、低屈折率層の屈折率は約1.4となるが、さらに低屈折率層の屈折率を下げるにはトリフルオロエチルアクリレートのような低屈折率アクリレートを、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して10重量部から300重量部、好ましくは100重量部から200重量部添加してもよい。
また、低屈折率材として用いられる微粒子としては、LiF(屈折率1.4)、MgF2(屈折率=1.4)、3NaF・AlF3(屈折率=1.4)、AlF3(屈折率=1.4)、SiOx(x:1.5≦x≦2.0)(屈折率=1.35〜1.48)等の超微粒子が使用される。
上記低屈折率光学膜用材料は塗布により塗膜とされた後、硬化反応により第1の光学膜よりも低屈折率の第2の光学膜となる。
上記高屈折率光学膜用材料及び低屈折率光学膜用材料の製造に当たっては、混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程によって行われる。使用する微粒子、樹脂、溶媒など全ての原料は何れの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。分散及び混練には、アジター、ペイントシェーカー等の従来公知の装置を用いればよい。
上記低屈折率光学膜用材料は塗布により塗膜とされた後、硬化反応により第1の光学膜よりも低屈折率の第2の光学膜となる。
上記高屈折率光学膜用材料及び低屈折率光学膜用材料の製造に当たっては、混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程によって行われる。使用する微粒子、樹脂、溶媒など全ての原料は何れの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。分散及び混練には、アジター、ペイントシェーカー等の従来公知の装置を用いればよい。
なお、光学多層膜12の光学膜12H、12Lは、上記材料及び方法に限らず、他の高屈折率材料及び低屈折率材料を用いてスパッタリング等のドライプロセスで形成することもできる。
以上の構成により、光学多層膜12は、赤色、緑色、青色の三原色波長帯の光に対して高反射特性を有し、少なくともこれらの波長領域以外の可視波長域の光に対しては高透過特性を有するようになる。なお、光学膜12H、12Lそれぞれの屈折率や厚みを調整することにより、光学多層膜12として反射する三原色波長帯の波長位置をシフトさせて調整することが可能であり、これによりプロジェクターから投射される光の波長に対応させた光学多層膜12とすることができる。
なお、光学多層膜12を構成する光学膜12H、12Lの層数は特に限定されるものではなく、所望の層数とすることができる。また、片面あたりの光学多層膜12は最外層が光学膜12Hとなる奇数層により構成されることが好ましい。光学多層膜12を奇数層の構成とすることにより、偶数層とした構成の場合よりも三原色波長帯域フィルターとして機能が優れたものとなる。具体的には3〜7層の奇数層とすることが好ましい。層数が2以下の場合には反射層としての機能が十分ではないためである。一方、層数が多いほど反射率は増加するが、層数8以上では反射率の増加率が小さくなり、光学多層膜12の形成所要時間をかけるほど反射率の改善効果が得られなくなるためである。
光吸収層13は、光学多層膜12、支持基板11を透過した光を吸収させるためのもので、光学多層膜12を支持基板11の一方の面にのみ形成した場合には支持基板11の背面に、両面に形成した場合にはプロジェクター光の入射側と反対側の光学多層膜12の最外層表面に形成される。この光吸収層13は、黒色の樹脂フィルムを貼り付けて、あるいは黒色塗料を塗布して形成することができる。
上記スクリーン10によって、該スクリーンへの入射光の表面散乱を抑制し、プロジェクターからの特定波長の光を反射し、外光などのそれ以外の波長領域の入射光を透過・吸収する選択反射が可能となり、スクリーン10上の映像の黒レベルを下げて高コントラストを達成するものであり、部屋が明るい状態でもコントラストの高い映像を表示することが可能となる。例えば、グレーティング・ライト・バルブ(GLV)を用いた回折格子型プロジェクターのようなRGB光源からの光を投射した場合にスクリーン10上で広視野角で、かつコントラストが高く、外光の映り込みのない良好な映像が鑑賞できるようになる。
すなわち、スクリーン10に入射する光は、光拡散フィルム1で表面散乱することなく透過し、光学多層膜12に到達し、当該光学多層膜12にて入射光に含まれる外光成分は透過されて光吸収層13で吸収され、映像に関わる特定波長領域の光のみ選択的に反射され、その反射光は光拡散フィルム1の表面にて拡散され視野角の広い画像光として視聴者に供される。したがって、上記反射光である画像光への外光の影響を高いレベルで排除することができ、従来にない高コントラスト化が可能となる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
[実験例1]
光拡散機能を有する光学フィルムは、PET基板上にエポキシ樹脂を設け、予め表面組織を作製しておいたマスター型により、エポキシ樹脂層に複写したもので、視野角は水平方向が60°、垂直方向で10°である。また、膜厚は100μm、屈折率は1.59である。
光学フィルムの切断は、ステンレス製からなり、刃先端の成す角度が10°であるロータリーカッターを用いた。
光拡散機能を有する光学フィルムは、PET基板上にエポキシ樹脂を設け、予め表面組織を作製しておいたマスター型により、エポキシ樹脂層に複写したもので、視野角は水平方向が60°、垂直方向で10°である。また、膜厚は100μm、屈折率は1.59である。
光学フィルムの切断は、ステンレス製からなり、刃先端の成す角度が10°であるロータリーカッターを用いた。
光学フィルムの接合は、以下の要領で行った。
(s11)まず、接合する光学フィルムの拡散面(おもて面)側に、接合部端面より0.5mm入った位置から厚みが25μmの粘着テープを貼り合わせる。
(s12)次に、上記2枚の光学フィルムの端面間の間隙(接合フィルム間距離)を2mmの距離間隔に設置する。
(s13)接合部(光学フィルムの端面間の間隙)を跨ぐように光学フィルムおもて面側に転写用の拡散フィルムを前記粘着テープにより貼り合わせる。
(s14)それから、ステップs13のもの(光学フィルム、粘着テープ、転写用拡散フィルムの一体もの)を裏返し、光学フィルムの裏面側から接合部に接着剤をシリンジにて注入する。接着剤として、UV硬化性のアクリル系樹脂であるOPTCLEB社製OPM55(屈折率1.56、粘度20cps、硬化収縮率8%)を用いた。
(s15)ついで、接合した光学フィルム全体を覆うように裏面側に粘着シートを貼り合わせる。
(s16)そして、光学フィルム裏面側からUV照射して樹脂を硬化させ、光学フィルムの接合部端面からの距離dが0.5mm、光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtが20μmの転写樹脂層を有する光拡散フィルムを得る。
(s11)まず、接合する光学フィルムの拡散面(おもて面)側に、接合部端面より0.5mm入った位置から厚みが25μmの粘着テープを貼り合わせる。
(s12)次に、上記2枚の光学フィルムの端面間の間隙(接合フィルム間距離)を2mmの距離間隔に設置する。
(s13)接合部(光学フィルムの端面間の間隙)を跨ぐように光学フィルムおもて面側に転写用の拡散フィルムを前記粘着テープにより貼り合わせる。
(s14)それから、ステップs13のもの(光学フィルム、粘着テープ、転写用拡散フィルムの一体もの)を裏返し、光学フィルムの裏面側から接合部に接着剤をシリンジにて注入する。接着剤として、UV硬化性のアクリル系樹脂であるOPTCLEB社製OPM55(屈折率1.56、粘度20cps、硬化収縮率8%)を用いた。
(s15)ついで、接合した光学フィルム全体を覆うように裏面側に粘着シートを貼り合わせる。
(s16)そして、光学フィルム裏面側からUV照射して樹脂を硬化させ、光学フィルムの接合部端面からの距離dが0.5mm、光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtが20μmの転写樹脂層を有する光拡散フィルムを得る。
このようにして作成された光拡散フィルムの接合部の評価は、この光拡散フィルムをスクリーンの反射面に貼合し、接合部と周辺部との輝度を測定してその輝度差に基づいて行った。輝度測定は、ハイランド社のRISA-CD7を用い、プロジェクター(ソニー製CX-5)をスクリーン正面方向の4mの距離から投影し、検出角度を10°、30°とした。また、接合部にて映像の歪みの発生有無をスクリーン正面から4m離れた位置で目視にて観察した。
以下に行う実験例2〜18と合わせて、光拡散フィルムの接合条件を表1に、評価結果を表2に示す。
以下に行う実験例2〜18と合わせて、光拡散フィルムの接合条件を表1に、評価結果を表2に示す。
ここで用いた反射膜は次のようにして作成した。
高屈折率光学膜用材料である塗料(I)、低屈折率光学膜用材料である塗料(II)の組成と製造方法及びスクリーン製造方法を以下に示す。
高屈折率光学膜用材料である塗料(I)、低屈折率光学膜用材料である塗料(II)の組成と製造方法及びスクリーン製造方法を以下に示す。
{塗料(I)の組成…高屈折率光学膜用材料}
・微粒子:TiO2微粒子
(石原産業社製、平均粒径約20nm、屈折率2.48) 100重量部
・分散剤:SO3Na基含有分子
(重量平均分子量:1000、SO3Na基濃度:2×10-3mol/g)
20重量部
・結合剤:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物
(日本化薬社製UV硬化性樹脂、商品名DPHA) 30重量部
・有機溶媒:メチルイソブチルケトン(MIBK) 4800重量部
まず微粒子、分散剤、有機溶媒を所定量混合し、ペイントシェーカーで分散処理を行いTiO2微粒子分散液を得た。ついで、該分散液に結合剤を添加し、攪拌機にて攪拌処理を行い、塗料(I)とした。
・微粒子:TiO2微粒子
(石原産業社製、平均粒径約20nm、屈折率2.48) 100重量部
・分散剤:SO3Na基含有分子
(重量平均分子量:1000、SO3Na基濃度:2×10-3mol/g)
20重量部
・結合剤:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物
(日本化薬社製UV硬化性樹脂、商品名DPHA) 30重量部
・有機溶媒:メチルイソブチルケトン(MIBK) 4800重量部
まず微粒子、分散剤、有機溶媒を所定量混合し、ペイントシェーカーで分散処理を行いTiO2微粒子分散液を得た。ついで、該分散液に結合剤を添加し、攪拌機にて攪拌処理を行い、塗料(I)とした。
{塗料(II)の組成…低屈折率光学膜用材料}
・末端カルボキシル基をもつパーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体
(旭硝子社製、商品名サイトップ)
・末端カルボキシル基をもつパーフルオロブテニルビニルエーテルの重合体
(旭硝子社製、商品名サイトップ)
{スクリーン製造方法}
(s21)透明支持基板の両面に塗料(I)をディッピング方式で塗布する。
(s22)塗料(I)の塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜(I)を第1層として形成する。
(s23)ついで、その高屈折率の光学膜(I)上に塗料(II)をディッピング方式で塗布する。
(s24)塗料(II)の塗膜を90℃で乾燥させ、膜厚1240nm、屈折率1.34の光学膜(II)を第2層として形成する。
(s25)この低屈折率の光学膜(II)上にステップs21と同一条件で塗料(I)を塗布する。
(s26)塗料(I)の塗膜をステップs22と同一条件で膜形成し、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜(I)を第3層として形成する。これにより、透明支持基板上に片面当り光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)の3層、計6層の光学多層膜を得た。
(s27)上記光学多層膜の一方の表面に粘着剤層を介して前述の光拡散フィルムを貼り合わせる。
(s28)上記光学多層膜の他方の表面に黒色塗料をスプレー法により塗布して光吸収層とし、反射型スクリーンを完成した。
(s21)透明支持基板の両面に塗料(I)をディッピング方式で塗布する。
(s22)塗料(I)の塗膜を80℃で乾燥後、紫外線(UV)硬化(1000mJ/cm2)させ、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜(I)を第1層として形成する。
(s23)ついで、その高屈折率の光学膜(I)上に塗料(II)をディッピング方式で塗布する。
(s24)塗料(II)の塗膜を90℃で乾燥させ、膜厚1240nm、屈折率1.34の光学膜(II)を第2層として形成する。
(s25)この低屈折率の光学膜(II)上にステップs21と同一条件で塗料(I)を塗布する。
(s26)塗料(I)の塗膜をステップs22と同一条件で膜形成し、片面当たり膜厚780nm、屈折率1.94の光学膜(I)を第3層として形成する。これにより、透明支持基板上に片面当り光学膜(I)/光学膜(II)/光学膜(I)の3層、計6層の光学多層膜を得た。
(s27)上記光学多層膜の一方の表面に粘着剤層を介して前述の光拡散フィルムを貼り合わせる。
(s28)上記光学多層膜の他方の表面に黒色塗料をスプレー法により塗布して光吸収層とし、反射型スクリーンを完成した。
[実験例2,3]
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ光学フィルムの接合部端面から0.2,2mm入った位置を粘着テープの貼り合わせ位置として、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dを0.2,2mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ光学フィルムの接合部端面から0.2,2mm入った位置を粘着テープの貼り合わせ位置として、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dを0.2,2mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例4,5]
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ粘着テープの厚みを変化させて、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtを25,10μmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ粘着テープの厚みを変化させて、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtを25,10μmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例6]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製UT20を使用して、硬化収縮率10%(粘度60cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製UT20を使用して、硬化収縮率10%(粘度60cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例7]
光拡散フィルムの作製にあたって、接合フィルム間距離を1mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接合フィルム間距離を1mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例8]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬社製REG400DAを使用して、粘度2cps(屈折率1.49)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬社製REG400DAを使用して、粘度2cps(屈折率1.49)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例9]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製HV‐153を使用して、粘度150cps(屈折率1.56)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製HV‐153を使用して、粘度150cps(屈折率1.56)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例10]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるNORLAND社製NOA60を使用して、粘度300cps(屈折率1.56)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるNORLAND社製NOA60を使用して、粘度300cps(屈折率1.56)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例11]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬社製KAYARAD R712を使用して、粘度450cps(屈折率1.54)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬社製KAYARAD R712を使用して、粘度450cps(屈折率1.54)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例12]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である東亞合成社製 開発品を使用して、粘度600cps(屈折率1.52)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である東亞合成社製 開発品を使用して、粘度600cps(屈折率1.52)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例13]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製 M05を使用して、屈折率1.49(粘度10cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂であるOPTOKLEB社製 M05を使用して、屈折率1.49(粘度10cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例14,15]
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ光学フィルムの接合部端面から0.1,3mm入った位置を粘着テープの貼り合わせ位置として、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dを0.1,3mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、それぞれ光学フィルムの接合部端面から0.1,3mm入った位置を粘着テープの貼り合わせ位置として、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dを0.1,3mmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例16]
光拡散フィルムの作製にあたって、粘着テープの厚みを変化させて、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtを30μmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、粘着テープの厚みを変化させて、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtを30μmとし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例17]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬製DHPA−H40を使用して、硬化収縮率12%(粘度80cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬製DHPA−H40を使用して、硬化収縮率12%(粘度80cps)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
[実験例18]
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬製MANDAを使用して、屈折率1.46(粘度2cps、硬化収縮率4%)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
光拡散フィルムの作製にあたって、接着剤としてアクリル系樹脂である日本化薬製MANDAを使用して、屈折率1.46(粘度2cps、硬化収縮率4%)とし、それ以外は実験例1と同じ条件でスクリーンを得た。
表1、2に示したように、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dが0.2mm(200μm),2mmの実験例2,3では、光拡散フィルム作製終了後にマスター型を剥離する際にも転写樹脂層と光学フィルムとの間の接合に問題はなく、接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかった。
これに対して、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dが0.1mm(100μm)の実験例14では、光拡散フィルム作製終了後にマスター型を剥離する際に転写樹脂層と光学フィルムとの間に割れが発生し、接合部と週辺部との輝度差が大きくなり接合部が目立つようになった。また、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dが3mmの実験例15では、接着剤注入時に光学フィルムとマスター型との間への接着剤充填が不十分となり、転写樹脂層に気泡が入り、接合部が目立つようになった。
これに対して、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dが0.1mm(100μm)の実験例14では、光拡散フィルム作製終了後にマスター型を剥離する際に転写樹脂層と光学フィルムとの間に割れが発生し、接合部と週辺部との輝度差が大きくなり接合部が目立つようになった。また、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dが3mmの実験例15では、接着剤注入時に光学フィルムとマスター型との間への接着剤充填が不十分となり、転写樹脂層に気泡が入り、接合部が目立つようになった。
また、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtが25μmの実験例4では接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかったのに対して、同厚みtが30μmの実験例16では、転写樹脂層と光学フィルムとの段差が筋として見えて接合部が目立つようになった。
また、接着剤の硬化収縮率が10%の実験例6では接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかったのに対して、同硬化収縮率が12%の実験例17では、接合部にひび割れが発生し接合部が目立つようになった。
また、接着剤の粘度が2〜600cps(実験例8〜12)であっても、接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかった。
さらに、転写樹脂層の屈折率が1.49の実験例13では接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかったのに対して、同屈折率が1.46の実験例18では接合部と週辺部との輝度差が大きく接合部が目立つようになった。
さらに、転写樹脂層の屈折率が1.49の実験例13では接合部と週辺部との輝度差も小さく接合部も目立たなかったのに対して、同屈折率が1.46の実験例18では接合部と週辺部との輝度差が大きく接合部が目立つようになった。
以上の結果から、転写樹脂層の光学フィルムの接合部端面からの距離dは0.2mm(200μm)〜2mmが好ましい。また、転写樹脂層の光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みtは25μm以下が望ましい。
さらに、光学フィルム接合部には、光学フィルムとの屈折率の差が±0.1以内で、かつ粘度が2〜600cps、硬化収縮率が10%以下の接着剤を充填することが好ましいことがわかる。
さらに、光学フィルム接合部には、光学フィルムとの屈折率の差が±0.1以内で、かつ粘度が2〜600cps、硬化収縮率が10%以下の接着剤を充填することが好ましいことがわかる。
1,14…光拡散フィルム(光拡散層)、2…光学フィルム、3…接合部端面、4…転写樹脂層、4a…接着剤、5…粘着剤層、6…粘着テープ、7…型、11…支持基板、12…光学多層膜、12H,12L…光学膜、13…光吸収層
Claims (16)
- おもて面側の表面形状により光学機能を有する光学フィルムが平面状に複数接合されてなる光機能性フィルムであって、前記光学フィルム同士の接合部において、該光学フィルム端面間の間隙に接着剤が充填され前記光学フィルム端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ該光学フィルムのおもて面を覆ってなり、前記光学フィルムと同じ表面形状をおもて面に有する転写樹脂層を備えていることを特徴とする光機能性フィルム。
- 前記転写樹脂層は、前記光学フィルムのおもて面を覆っている部分の厚みが25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光機能性フィルム。
- 前記転写樹脂層は、前記光学フィルムの屈折率に対して±0.1以内の屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の光機能性フィルム。
- 前記接着剤の充填時の粘度が2cps以上、600cps以下であり、硬化収縮率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光機能性フィルム。
- 前記接合部に跨って光学フィルムの裏面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光機能性フィルム。
- おもて面側の表面形状により光学機能を有する光学フィルムの端面から200μm以上、2mm以下の距離だけ入った位置のおもて面側に粘着テープを貼り付ける工程と、
前記光学フィルムの粘着テープを貼り付けた側の端面同士を間隙をもたせて突き合わせ、該光学フィルムと同じ表面形状を転写により形成する型を前記光学フィルムの端面突き合わせ部分におもて面側から跨って前記粘着テープで固定する工程と、
前記光学フィルム端面間の間隙に接着剤を充填する工程と、
前記接着剤の充填部に跨って前記光学フィルムの裏面側にシートを貼り合わせる工程と、
前記シートによって平坦化された接着剤を硬化させる工程と
を有することを特徴とする光機能性フィルムの製造方法。 - 前記光学フィルム表面と型表面との距離が25μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の光機能性フィルムの製造方法。
- 前記接着剤は、2cps以上、600cps以下の粘度と10%以下の硬化収縮率を有することを特徴とする請求項6に記載の光機能性フィルムの製造方法。
- 前記接着剤を紫外線又は熱によって硬化させることを特徴とする請求項6に記載の光機能性フィルムの製造方法。
- 前記シートは、粘着シートであることを特徴とする請求項6に記載の光機能性フィルムの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一に記載の光機能性フィルムを備えるスクリーンであって、前記光学フィルムが光拡散機能を有することを特徴とするスクリーン。
- 特定の波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記特定の波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高透過特性を有する反射層を備えることを特徴とする請求項11に記載のスクリーン。
- 前記反射層が、高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層し、最外層に高屈折率層を有する光学多層膜であることを特徴とする請求項12に記載のスクリーン。
- 前記光学多層膜が透明支持体の両側に形成され、前記高屈折率層と低屈折率層の両面層数が2(2n+1)層(1≦n≦3)であることを特徴とする請求項13に記載のスクリーン。
- 前記特定の波長領域が、赤、緑、青の三原色波長領域を含むことを特徴とする請求項12に記載のスクリーン。
- 前記反射層を透過した光を吸収する光吸収層を備えることを特徴とする請求項12に
記載のスクリーン。
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