JP2020187311A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】表示する映像のコントラストを向上することができる反射スクリーン、映像表示システムを提供する。【解決手段】反射スクリーン20は、レンズ面232と非レンズ面233とを備えた単位レンズ231が、背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層23と、レンズ面232において、谷底部vから頂部pの手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層22と、レンズ層23及び反射層22の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層21とを備え、反射層22は、谷底部v側の厚みが、頂部p側に比して厚くなるようにして形成され、当該反射スクリーン20の厚み方向における頂部pから谷底部vまでの距離をhとし、反射層22のレンズ面232の法線方向における厚みをtとした場合に、反射層22の全体において、h/10≦t≦hを満たすことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、投射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン、映像表示システムに関するものである。
従来、様々な構成を有する反射スクリーンが開発され、映像表示システムに用いられている。近年では、反射スクリーンに対して至近距離から比較的大きな投射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されており、このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するための反射スクリーン等も開発されている。
このような映像投射装置に用いられる反射スクリーンは、映像光を観察者側により多く反射させるために反射層が設けられているものがある(例えば、特許文献1)。
このような反射スクリーンは、表示する映像のコントラストをより向上させることが望まれている。
特開2009−015195号公報
本発明の課題は、表示する映像のコントラストを向上することができる反射スクリーン、映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーン(20)であって、レンズ面(232)と、前記レンズ面に対向する非レンズ面(233)とを備えた単位レンズ(231)が、背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層(23)と、前記レンズ面上において、隣り合う前記単位レンズ間の谷底となる谷底部(v)から、前記単位レンズの最も背面側となる頂部(p)の手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層(22)と、前記レンズ層及び前記反射層の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層(21)とを備え、前記反射層は、前記谷底部側の厚みが、前記頂部側に比して厚くなるようにして形成され、当該反射スクリーンの厚み方向における前記頂部から前記谷底部までの距離をhとし、前記反射層の前記レンズ面の法線方向における厚みをtとした場合に、前記反射層の全体において、h/10≦t≦hを満たすこと、を特徴とする反射スクリーンである。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーン(20)において、前記反射層(22)は、透過率Trが0.5%<Tr<20%であること、を特徴とする反射スクリーンである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の反射スクリーン(20)において、前記反射層(22)は、複数の鱗片状の金属薄膜(22a)が含有された樹脂により形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーン(20)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
本発明によれば、表示する映像のコントラストを向上することができる反射スクリーン、映像表示システムを提供することができる。
実施形態の映像表示システムを説明する図である。 実施形態の反射スクリーンの層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層及び反射層の詳細を説明する図である。 実施形態の反射スクリーンの製造方法の一例を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、図1に示すように、反射スクリーン20を備える反射スクリーンユニット10と、映像源LS等とを有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから映像光Lを反射スクリーン20に向けて出射して、この映像光Lを反射スクリーン20により反射することにより所望の映像を表示する。
この映像表示システム1は、例えば、映像源LSを反射スクリーン20の観察者O側に設けたフロントプロジェクションテレビシステムとして用いることが可能である。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン20へ投射する映像光投射装置である。映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン20の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン20の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン20の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタや、汎用の短焦点プロジェクタに比べて大幅に近い位置(例えば、映像源LSから反射スクリーン20までの距離が300mm程度)から映像光Lを投射する超短焦点プロジェクタである。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタや、短焦点プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
従来のように汎用のプロジェクタや、短焦点プロジェクタを映像源として用いた場合、映像源と反射スクリーンとの間隔は、1m〜数m以上空ける必要があったため、反射スクリーンと映像源との間を人が横切ったりして、映像の表示が遮られてしまう場合があった。また、このような配置間隔で映像源と反射スクリーンとを設置するには、十分な広さの部屋が必要となっていた。
これに対して、本実施形態の映像表示システム1は、上述のように映像源LSに超短焦点プロジェクタを使用しているため、上述のように映像源LSと反射スクリーン20との距離を大幅に近くすることができ、上記問題点を解消することができる。
本実施形態の映像源LSは、赤色、緑色、青色のレーザー光源を使用して、赤色、緑色、青色のレーザー光による映像光Lを出射する。
反射スクリーン20は、映像源LSから照射される映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、反射スクリーン20の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角100インチや、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
なお、本実施形態の映像表示システム1は、超短焦点型のプロジェクタに係る映像源LSと、この映像源LSから照射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン20とを備えるものとしたが、これに限らず、映像源LSが、超短焦点プロジェクタよりも照射距離が長く、映像光の照射角度(即ち、スクリーンへの映像光の入射角度)の小さい従来の汎用プロジェクタや短焦点プロジェクタとし、反射スクリーン20をそのような映像源LSに対応するものとしてもよい。
反射スクリーンユニット10は、図1に示すように、反射スクリーン20と、その背面側に配置される平板状の支持板30と、接合層40とを有している。反射スクリーン20と支持板30とは、接合層40を介して一体に接合されている。
支持板30は、高い剛性を有する部材であれば、特にその材料等は限定しないが、例えば、アルミニウム等の金属製の板材や、アクリル系樹脂等の樹脂製の板材等が好適に用いられる。また、表裏面をアルミニウム等の薄板とし、内部の芯材としてアルミニウム等の薄板により形成されたハニカム構造を備えることにより、板材全体としての軽量化を図った金属製の板材(所謂、ハニカムパネル)等を用いてもよい。また、支持板30は、外光の映り込みや外光によるコントラスト低下等を防止する観点から、光透過性を有しない部材であることが好ましい。
支持板30の厚みは0.2〜5.0mmが好適であり、より好ましくは1.0〜3.0mmである。厚みが0.2mmよりも薄いと、平面性を支持できるだけの剛性の付与が不十分であり、5.0mmよりも厚くなると、支持板30の重量が重くなるという問題がある。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
接合層40は、反射スクリーン20と支持板30とを一体に接合する機能を有する層である。接合層40は、粘着剤や接着剤等により形成する。
図2は、本実施形態の反射スクリーン20の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン20は、図2に示すように、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、表面層25、基材層24、レンズ層23、反射層22、背面層21を備えている。
基材層24は、レンズ層23を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層24の映像源側には、表面層25が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層23が一体に形成されている。
基材層24は、拡散材を含有する光拡散層241と、顔料や染料等の着色材を含有する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が背面側であり、着色層242が映像源側に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層241が映像源側に位置し、着色層242が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層241は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。光拡散層241は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりする機能を有する。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241に含まれる拡散材としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散材は、無機系拡散材と有機系拡散材とを組み合わせて用いてもよい。この拡散材は、略球形であり、平均粒径が約1〜50μmであるものを用いることが好ましい。また、使用に適した拡散材の粒径の範囲は、5〜30μmであるのが好ましい。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層241は、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層242は、黒色等の暗色系の着色剤等により、所定の光透過率となるように着色が施された層である。着色層242は、反射スクリーン20に入射する照明光等の不要な外光を吸収したり、表示される映像の黒輝度を低減させたりして、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約30〜1000μmとすることが好ましい。
図3は、本実施形態のレンズ層23、反射層22及び背面層21の詳細を説明する図である。
図3(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22、背面層21は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。図3(c)は、反射層が形成されたレンズ層の拡大斜視図を示している。なお、図3(b)及び図3(c)は、理解を容易にするために、レンズ層23の映像源側に位置する基材層24や表面層25は省略して示している。
レンズ層23は、基材層24の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)等に示すように、点Cを中心として単位レンズ231が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側の面に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン20の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン20の下方に位置している。
本実施形態では、レンズ層23は、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)に平行であって、単位レンズ231の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が、単位レンズ231の最も背面側となる頂部pを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
図3(b)に示すように、単位レンズ231のレンズ面232が、スクリーン面に平行な面となす角度は、αである。また、非レンズ面233がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。さらに、単位レンズ231の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ231のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向において単位レンズ231の最も背面側に位置する頂部pから、隣り合う単位レンズ231間の谷底となる谷底部vまでの寸法)は、hである。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ231の配列ピッチP、角度α,β、レンズ高さhは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ231は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴いレンズ高さhも変動している。本実施形態の単位レンズ231は、その配列ピッチPが50〜200μmの範囲で形成され、レンズ高さhが0.5〜60μmの範囲で形成され、レンズ面232の角度αが0.5〜35°の範囲で形成され、非レンズ面233の角度βが45〜90°の範囲で形成されている。
なお、これに限らず、配列ピッチPは、単位レンズ231の配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン20のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン20の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層23は、ウレタンアクリレートや、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、基材層24の背面側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に一体に形成されている。なお、レンズ層23は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、レンズ層23は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層23のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。このようなレンズ層23の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層24(光拡散層241)等を積層する形態としてもよい。また、押出成形法が可能な場合には、レンズ層23と基材層24とを一体に積層した状態で成形してもよい。
反射層22は、光を反射する作用を有する層である。この反射層22は、光を反射するために十分な厚さを有し、単位レンズ231のレンズ面232の少なくとも一部に形成されている。
本実施形態の反射層22は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面232上において、隣接する単位レンズ231の非レンズ面233側(単位レンズ231間の谷底となる谷底部v)から頂部pの手前までの間に設けられている、すなわち、レンズ面232の映像光の反射に寄与する部分にのみ設けられている。そのため、レンズ層23のレンズ面232の頂部p側の近傍には、反射層22が形成されていない。ここで、反射層22が形成されていないとは、レンズ面232の頂部p側の近傍に反射層22が全く形成されていない場合だけでなく、レンズ面232の頂部p側の近傍に反射層22を形成する材料が付着しているが、膜厚が薄く反射層としての機能を有していない場合を踏むものをいう。また、反射層としての機能を有していないとは、例えば、反射率が10%以下である状態をいう。
このようにレンズ面232の映像光の反射に寄与する部分にのみ反射層22を形成することによって、照明光等の外光が、映像光の反射に寄与しない部分で反射してしまうのを抑制することができる。また、反射層22を形成する材料を最小限にすることができ、反射スクリーン20の製造コストを低減させることができる。
なお、本実施形態の反射層22は、レンズ面232上に主に形成されているが谷底部vにおける厚みに応じて、非レンズ面233の一部にも形成されることとなる。
反射層22は、アルミニウム等の光反射性の高い鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料(樹脂)をレンズ面232に対してスプレー塗布することによって形成される。反射層22は、この鱗片状の金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面がレンズ面232に対して略平行に配置されており、レンズ面232に入射した映像光Lを観察者側へと適正に反射させることができる。ここで、略平行とは、金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面が、レンズ面232に対して完全に平行な場合だけでなく、レンズ面232に対する傾きが−10°〜+10°の範囲にある場合をも含むものをいう。また、鱗片状の金属薄膜22aとは、金属薄膜22aの厚み方向から見た形状(外形形状)が鱗片状であることをいい、この鱗片状とは、鱗状の形状だけでなく、楕円状や、円状、多角形状、薄膜を粉砕して得られる不定形な形状等を含むものをいう。
ここで、鱗片状の金属薄膜の性質区分としては、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ、樹脂コーティングタイプ等があり、金属光沢、隠蔽性、密着性、配向性等にそれぞれ特徴があるが、本実施形態としては、金属光沢も重要であるが、密着性、配向性等考慮し樹脂コーティングタイプが好適である。
この金属薄膜22aは、映像光の反射効率を維持、向上させるとともに、反射層22の背面側が透けてしまうのを抑制するために、複数ある各単位レンズのレンズ面上において平均で8層以上、積層されていることが望ましい。なお、上述の金属薄膜22aを8層以上設けた反射層22は、複数ある単位レンズ231のレンズ面232のうち一部のレンズ面232に対して設けてもよく、また、全てのレンズ面232に対して設けてもよい。
なお、反射層22は、入射した映像光を効率よく反射させるために、正反射率Rtが50%<Rt<70%であり、拡散反射率Rdが10%<Rd<50%であり、透過率Trが0.5%<Tr<20%であることが望ましい。
本実施形態の反射スクリーン20は、後述の背面層21が黒色等の暗色系に着色されており、反射層22を透過した光を吸収させて、反射スクリーン20のコントラストを向上させているところ、仮に反射層22の透過率Trが0.5%未満であると、前述のコントラストを十分に向上させることができず望ましくない。
また、反射層22の透過率Trが20%よりも大きいと、反射層22自体の反射機能が低くなりすぎてしまい、十分な量の映像光を反射できなくなるので望ましくない。
この反射層22を形成する塗料は、鱗片状の金属薄膜22a、バインダー、乾燥補助剤、制御剤、暗色系材料等から構成されている。この塗料は、スプレーガンによる塗布容易性の観点から、粘度が50〜1000[cp](測定温度摂氏23度)の範囲内であることが望ましい。
この金属薄膜22aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜22aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ231のレンズ高さhと同等の寸法、すなわち、0.35〜78μmに形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さhと同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法がレンズ高さhに等しい場合だけでなく、レンズ高さhに近似する場合(例えば、レンズ高さhに対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
ここで、この金属薄膜22aが非レンズ面233に対して略平行に配置されてしまうと、外光が非レンズ面233に入射した場合に、その外光が非レンズ面233で反射して観察者側に届いてしまう場合があり、その場合、映像のコントラスト低下の要因となる。そのため、金属薄膜22aの縦寸法及び横寸法を、上述のようにレンズ高さhと同等にすることによって、塗料がレンズ層23の背面側に塗布された場合に、金属薄膜22aが、非レンズ面233に対して略平行に配置されてしまうのを抑制することができる。これにより、反射層22は、外光が非レンズ面233に入射したとしても、金属薄膜の端部で拡散させることができ、観察者側に反射させてしまうのを極力抑制することができる。
金属薄膜22aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
バインダーは、熱硬化性樹脂から構成される透明な接合剤であり、反射層22を形成する母材である。本実施形態では、バインダーは、ウレタン系の熱硬化性樹脂を用いるが、これに限定されるものでなく、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いてもよく、また、紫外線硬化性樹脂等を用いてもよい。なお、バインダーは、硬化剤を添加し2液硬化型として使用してもよく、ウレタン系樹脂であれば、ポリイソシアネート等を使用することができ、また、エポキシ系樹脂であれば、アミン類等を使用することができる。
乾燥補助剤は、レンズ層に塗布された塗料の乾燥時間を所定の時間に調整する溶剤であり、いわゆる遅乾溶剤である。本実施形態では、乾燥補助剤は、レンズ層23の背面側に塗布された塗料の乾燥までの時間をおよそ1時間となるように、所定の量が塗料に含まれている。乾燥補助剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルケトン、3−メトキシ−1−ブチルアセテートの混合溶剤を使用することができる。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜22aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させることができる。制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコン等を使用することができる。
暗色系材料は、反射層22を形成する母材(バインダー)を暗色(グレーや黒色等)に着色する顔料であり、例えば、カーボンブラック(カーボン粒子)や、繊維状のカーボン、鱗片状のカーボン等を使用することができる。暗色系材料は、反射層22の母材を暗色に着色することによって、反射層22に入射した光のうち、金属薄膜22a間に入射した光を吸収することができる。
そのため、暗色系材料は、上述の光反射機能及び光吸収機能を両立させる観点から、塗料全体の重量に対して重量比で1〜30%の範囲内で含有されるのが望ましい。仮に、重量比が1%未満であると、反射層22全体に対して暗色系材料の量が少なくなりすぎてしまい、上述の光の吸収効果を十分に奏することができない。また、重量比が30%より大きいと、反射層22の母材(バインダー)に対する暗色系材料の量が多くなりすぎてしまい、反射層22の光反射機能が低下してしまうため、好ましくない。
また、暗色系材料は、その平均の大きさが、粒子状である場合、10μm未満の粒径であることが好ましく、繊維状である場合、直径が10μm未満、長さが10μm未満であることが好ましく、鱗片状である場合、厚みが1μm未満、外形寸法が15μm未満であることが好ましい。
暗色系材料が上記寸法以上の形状である場合、暗色系材料が金属薄膜22aによる光の反射を遮ってしまい、反射層22の反射効率を低減させてしまったり、暗色系材料をバインダー中に十分に混ぜ合わせることができなくなったりするおそれがある。
反射層22は、谷底部v側の厚みが、頂部p側に比して厚くなるように形成されている。より具体的には、本実施形態の反射層22は、その厚みtが、頂部pから谷底部vへ向かうにつれて徐々に厚くなるように形成されている。これにより、映像光(入射光)をより多く反射するレンズ面232の谷底部v側には、十分な膜厚の反射層22を形成することができる。一方で、映像光の反射には効果が低いレンズ面232の頂部p側には、反射層22が形成されてない、もしくは、反射層22を形成する材料が付着しているが、膜厚が薄く反射層としての機能を有していない。すなわち、隣り合う単位レンズ231の影となって映像光の反射に寄与しない頂部p側の部分については、入射光は反射せずに、レンズ層23の背面側に形成された暗色系の背面層21により吸収される。そのため、反射スクリーン20は、コントラストを向上させることができる。また、反射層22の形成に用いられるインキの使用量を削減することができ、反射スクリーン20のコストダウン効果も得られる。
また、反射層22は、十分な光反射特性を確保する観点から、レンズ面232に垂直な方向(レンズ面232の法線方向)の厚みtが、反射層22の全体において、h/10≦t≦hを満たすように形成されていることが望ましい。ここで、hは、上述したように、単位レンズ231の厚み方向における高さ寸法である。
仮に、反射層22の厚みtがh/10未満であると、反射層22の厚みが薄すぎてしまい、映像光を十分に観察者側に反射することができなくなるので望ましくない。また、反射層22の厚みtがhよりも大きいと、反射層22の厚みが単位レンズ231の高さよりも大きくなり、非レンズ面233の全面に反射層が形成されたり、レンズ面232の頂部p側にも反射層22が形成されたりして、照明光等の不要な外光の一部が観察者側に反射されてしまうので望ましくない。
背面層21は、レンズ層23及び反射層22の背面側(裏面側)に設けられる層であり、反射スクリーン20の背面側の最裏面を形成している。本実施形態の背面層21は、反射層22の背面側と、反射層22が形成されていないレンズ面232及び非レンズ面233の一部とを覆うようにして形成されている。
背面層21は、暗色系に着色されており、単位レンズ231の反射層22が形成されていない部位(非レンズ面233や、レンズ面232の頂部p側の部位)に入射した光を吸収することができ、また、映像源側からレンズ層23の反射層22が形成されていない部位を通して目視可能となるため、反射スクリーン20のコントラストを向上させることができる。さらに、背面層21は、反射スクリーン20の背面側の保護層としても機能させることができ、反射層22やレンズ層23が傷付いたり、汚損したりしてしまうのを防ぐことができる。
背面層21は、母材となる樹脂に、黒色等の暗色系の着色剤等が含有されており、反射スクリーン20の厚み方向における厚み(背面層21の最も薄い部分における厚み)が約15μm以上50μm以下となるようにレンズ層23及び反射層22の裏面側に塗布等することによって形成されている。
仮に背面層21の厚みが15μm未満である場合、背面層21の一部が薄くなりすぎてしまい、入射した光を十分に吸収できなくなったり、透けてしまったりするので望ましくない。また、背面層21の厚みが50μmよりも大きい場合、背面層21が必要以上に厚くなりすぎてしまい、反射スクリーン20の重量増やコストアップの要因となるので望ましくない。
背面層21の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
背面層21の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
背面層21は、入射した光を十分に吸収させる観点から、母材となる樹脂に対して、着色剤が、重量比で10%以上、30%以下で含有されていることが望ましい。
なお、本実施形態では、背面層21は、反射層22が形成されたレンズ層23の背面形状に沿うようにして形成され、その背面が凹凸状を有した形態に形成されているが、これに限定されるものでない。例えば、背面層21の背面は、スクリーン面と平行な平坦な面に形成するようにしてもよい。これにより、反射スクリーン20の外観を向上することができる。
表面層25は、基材層24の映像源側(観察者側)に設けられる層である。本実施形態の表面層25は、反射スクリーン20の映像源側の最表面を形成している。
本実施形態の表面層25は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層24の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
なお、表面層25は、上記の例に限らず、反射防止機能や防眩機能、ハードコート機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等、適宜必要な機能を1つ又は複数選択して設けることができる。また、表面層25としてタッチパネル層等を設けてもよい。
また、表面層25は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層25と基材層24との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層25は、基材層24とは別層であって不図示の粘着材等により基材層24に接合される形態としてもよいし、基材層24のレンズ層23とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
図2に戻り、本実施形態の反射スクリーン20へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。図2では、理解を容易にするために、表面層25、着色層242、光拡散層241、レンズ層23の屈折率は等しいものとし、映像光L1及び外光Gに対する光拡散層241の光拡散作用等は省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面232へ入射して反射層22によって反射され、観察者O側に向かい、略正面方向へ反射スクリーン20から出射する。従って、映像光L1は、効率よく反射されて観察者Oに届くので、明るい映像を表示できる。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G(G1、G2)は、図2に示すように、主として反射スクリーン20の上方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、一部の外光は、非レンズ面233に入射する。非レンズ面233に入射した外光の一部G1は、非レンズ面233の反射層22が形成されていない部位へ入射するが、非レンズ面233の背面側に形成された背面層21に入射して吸収される。また、非レンズ面233に入射したその他の外光は、非レンズ面233の反射層22が形成された部位に入射するが、反射層22の金属薄膜22aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。
また、一部の外光は、レンズ面232に入射する。レンズ面232に入射した外光の一部G2は、レンズ面232の反射層22が形成された部位に入射して、反射層22により反射して、主として反射スクリーン20の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、レンズ面232に入射したその他の外光は、レンズ面232の反射層22が形成されていない部位へ入射するが、レンズ面232の背面側に形成された背面層21に入射して吸収される。
また、更に、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G1、G2等による映像のコントラスト低下を大幅に抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
ここで、本実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一例について説明する。
図4は、本実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一例を説明する図である。
図4(a)に示すように、拡散材を含有する樹脂と着色材を含有する樹脂とを、それぞれ所定の厚さで共押出成形することにより、光拡散層241及び着色層242を一体に成形し、基材層24を形成する。ここでは、基材層24は、ウェブ状であるとする。
次に、図4(b)に示すように、基材層24の映像源側となる面(本実施形態では、着色層242側の面)上に、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状を有する表面層25を形成する。本実施形態では、表面層25は、その表面の表面粗さが0.1〜3μmの範囲であり、ヘイズ値が5〜20%の範囲で形成されている。
なお、表面層25上に不図示のマスキング材を剥離可能に貼合して、次工程に流してもよい。このマスキング材としては、例えば、透明又は略透明なシート状の部材を用いることができ、以降の製造過程における表面層25の表面の汚れや傷つきを防止する機能を有している。
次に、表面層25及び基材層24を、所定の大きさに裁断し、枚葉状とする。
そして、図4(c)に示すように、基材層24の背面側となる面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に、紫外線成形法等により、レンズ層23を形成する。
レンズ層23は、基材層24の表面層25が積層された面とは反対側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)を、アクリル系の紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する等により、形成される。なお、レンズ層23の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
次に、図4(d)に示すように、レンズ層23の背面側に、スプレーガンSGにより鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料(樹脂)を吹き付けて反射層22を形成する。塗料の塗布は、スプレーガンSGを、レンズ層23の単位レンズ231の延在する方向に沿うようにして移動させながら、画面上下方向の下端部から上端側へ所定の移動ピッチで移動させることによって行う。このとき、スプレーガンSGの向きは、反射層22がレンズ面232の谷底部v側に形成されやすくし、かつ、反射層22の厚みが頂部p側に比して谷底部v側が厚くなるように形成する観点から、レンズ面232に対して略平行にすることが好ましい。
続いて、図4(e)に示すように、反射層22及びレンズ層23の背面側に、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を塗布して背面層21を形成する。
最後に、表面層25からマスキング材等を剥離したり、更なる裁断工程等の後工程を行ったりする等して、反射スクリーン20が完成する。
なお、上述の説明では、反射層22は、鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料をスプレーガンで塗布することによって形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、反射層22は、塗料を塗りつけた回転ロールを被塗装体(レンズ層)に押し付けて塗布する、いわゆるロールコータ方式によって形成されるようにしてもよい。
ここで、従来、主に製造されていた反射スクリーン(以下、比較例の反射スクリーンという)のレンズ層に設けられる反射層は、アルミニウム等の金属を蒸着させる真空蒸着方式によって形成されていた。そのため、比較例の反射スクリーンは、反射層の形成に、蒸着の処理工程を設ける必要があった。
これに対して、本実施形態の反射スクリーン20は、塗料に含有される複数の鱗片状の金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させているので、真空蒸着方式により製造される比較例の反射スクリーンに比して、反射スクリーン20を効率よく簡易に製造することができる。すなわち、上述の比較例の反射スクリーンの反射層は、真空蒸着装置等を使用して、レンズ層を真空環境下に設置した上で蒸着金属を蒸着させているため、レンズ層の形成に多くの時間や複雑な作業を要するが、本実施形態の反射スクリーン20の反射層22は、金属薄膜22aを含有した塗料を塗布しているため、レンズ層の形成にかかる時間をより短時間にし、また、必要な作業をより簡単にすることができる。
また、比較例の反射スクリーンは、反射層が蒸着により形成されているため、反射スクリーン全体として黄みがかった色味となるが、本実施形態の反射スクリーン20は、反射層22が複数の鱗片状の金属薄膜により形成されているため、全体として青みがかった色味となる。ここで、映像源から投射される映像光の色味を調整して、反射スクリーンに表示される映像の色味を調整する場合、反射スクリーンが黄みがかっている場合よりも、青みがかっている場合の方が、白色への補正が容易になる。そのため、本実施形態の反射スクリーン20は、比較例の反射スクリーンに比して、映像源の調整による色味の補正を容易に行うことができる。
以上より、本実施形態の反射スクリーン20は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の反射スクリーン20は、レンズ面232上において谷底部vから頂部pの手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層22と、レンズ層23及び反射層22の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層21とを備えている。これにより、レンズ層23の反射層22が形成されていない部位に入射した光を吸収するとともに、同部位から背面層21を視認することができ、表示する映像のコントラストを向上させることができる。また、背面層21が設けられることにより、反射スクリーン20の背面側に支持板等を貼合しない状態で反射スクリーンを使用したとしても、反射層22や、レンズ層23が傷付いたり、汚損したりしてしまうのを防ぐことができる。
更に、本実施形態の反射スクリーン20は、反射層22の谷底部v側の厚みが、頂部p側に比して厚くなるようにして形成され、反射スクリーン20の厚み方向における頂部pから谷底部vまでの距離をhとし、反射層22のレンズ面232の法線方向における厚みをtとした場合に、反射層22の全体において、h/10≦t≦hを満たす。これにより、反射スクリーン20は、十分な光反射特性を有した反射層22を形成することができ、より効率よく映像光を観察者側に反射し、鮮明な映像を表示することができる。
(2)本実施形態の反射スクリーン20は、反射層22が、透過率Trが0.5%<Tr<20%であるので、反射層22を透過した光を背面層21により吸収させて反射スクリーン20のコントラストを向上させることができる。
(3)反射スクリーン20は、反射層22が複数の鱗片状の金属薄膜22aが含有された樹脂により形成されているので、反射層を複数の鱗片状の金属薄膜が含有された塗料を塗布することによって形成することができ、反射スクリーンの製造工程を簡易にし、反射スクリーンを低コスト化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、反射スクリーン20は、反射層22を構成する材料に暗色系材料が含有される例を示したが、これに限定されるものでなく、反射スクリーンに要求される仕様等に応じて適宜省略してもよい。
(2)上述の実施形態の反射層22の金属薄膜22aは、鱗片状のアルミニウムを使用する例を説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、銀や、ニッケル等の金属を使用することも可能である。
(3)上述の実施形態では、レンズ面232及び非レンズ面233は、図2等において直線状で示されるように平面状である例を示したが、これに限らず、レンズ面232や非レンズ面233の一部が曲面状となっていてもよい。
また、本実施形態では、単位レンズ231のレンズ面232及び非レンズ面233は、いずれも1つの面からなる例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
さらに、本実施形態では、単位レンズ231は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、断面形状が略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。
(4)上述の実施形態では、基材層24は、着色層242と光拡散層241とを備える例を示したが、これに限らず、例えば、基材層24は、着色層242を備えず、光拡散層241のみを備える形態としてもよい。この場合、光拡散層241が拡散材に加えてさらに着色材をも含有する形態としてもよい。
また、基材層24は、着色層242と光拡散層241とを備え、着色層242が着色剤に加えてさらに光拡散材を含有する形態としてもよい。
さらに、光拡散層241と着色層242とは、別々に成形された光拡散層241と着色層242とを粘着剤等で接合して基材層24としてもよい。
(5)上述の実施形態では、映像源LSは、鉛直方向において反射スクリーン20より下方に位置し、映像光Lが反射スクリーン20の下方から斜めに投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LSが、鉛直方向において反射スクリーン20より上方に位置し、映像光Lが反射スクリーン20の上方から斜めに投射される形態としてもよい。
1 映像表示システム
20 反射スクリーン
21 背面層
22 反射層
22a 金属薄膜
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面層
LS 映像源

Claims (4)

  1. 映像源から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーンであって、
    レンズ面と、前記レンズ面に対向する非レンズ面とを備えた単位レンズが、背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層と、
    前記レンズ面上において、隣り合う前記単位レンズ間の谷底となる谷底部から、前記単位レンズの最も背面側となる頂部の手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層と、
    前記レンズ層及び前記反射層の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層とを備え、
    前記反射層は、前記谷底部側の厚みが、前記頂部側に比して厚くなるようにして形成され、
    当該反射スクリーンの厚み方向における前記頂部から前記谷底部までの距離をhとし、
    前記反射層の前記レンズ面の法線方向における厚みをtとした場合に、
    前記反射層の全体において、h/10≦t≦hを満たすこと、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射層は、透過率Trが0.5%<Tr<20%であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記反射層は、複数の鱗片状の金属薄膜が含有された樹脂により形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示システム。
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