JP2020187311A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents
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Description
このような映像投射装置に用いられる反射スクリーンは、映像光を観察者側により多く反射させるために反射層が設けられているものがある(例えば、特許文献1)。
このような反射スクリーンは、表示する映像のコントラストをより向上させることが望まれている。
第1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーン(20)であって、レンズ面(232)と、前記レンズ面に対向する非レンズ面(233)とを備えた単位レンズ(231)が、背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層(23)と、前記レンズ面上において、隣り合う前記単位レンズ間の谷底となる谷底部(v)から、前記単位レンズの最も背面側となる頂部(p)の手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層(22)と、前記レンズ層及び前記反射層の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層(21)とを備え、前記反射層は、前記谷底部側の厚みが、前記頂部側に比して厚くなるようにして形成され、当該反射スクリーンの厚み方向における前記頂部から前記谷底部までの距離をhとし、前記反射層の前記レンズ面の法線方向における厚みをtとした場合に、前記反射層の全体において、h/10≦t≦hを満たすこと、を特徴とする反射スクリーンである。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーン(20)において、前記反射層(22)は、透過率Trが0.5%<Tr<20%であること、を特徴とする反射スクリーンである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の反射スクリーン(20)において、前記反射層(22)は、複数の鱗片状の金属薄膜(22a)が含有された樹脂により形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーン(20)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、シート面(板面,フィルム面)とは、各シート(板,フィルム)において、そのシート(板,フィルム)全体として見たときにおける、シート(板,フィルム)の平面方向となる面を示すものであるとする。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
この映像表示システム1は、例えば、映像源LSを反射スクリーン20の観察者O側に設けたフロントプロジェクションテレビシステムとして用いることが可能である。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタや、汎用の短焦点プロジェクタに比べて大幅に近い位置(例えば、映像源LSから反射スクリーン20までの距離が300mm程度)から映像光Lを投射する超短焦点プロジェクタである。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタや、短焦点プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
これに対して、本実施形態の映像表示システム1は、上述のように映像源LSに超短焦点プロジェクタを使用しているため、上述のように映像源LSと反射スクリーン20との距離を大幅に近くすることができ、上記問題点を解消することができる。
本実施形態の映像源LSは、赤色、緑色、青色のレーザー光源を使用して、赤色、緑色、青色のレーザー光による映像光Lを出射する。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角100インチや、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン20は、図2に示すように、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、表面層25、基材層24、レンズ層23、反射層22、背面層21を備えている。
基材層24は、レンズ層23を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層24の映像源側には、表面層25が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層23が一体に形成されている。
基材層24は、拡散材を含有する光拡散層241と、顔料や染料等の着色材を含有する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が背面側であり、着色層242が映像源側に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層241が映像源側に位置し、着色層242が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層241は、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約30〜1000μmとすることが好ましい。
図3(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22、背面層21は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。図3(c)は、反射層が形成されたレンズ層の拡大斜視図を示している。なお、図3(b)及び図3(c)は、理解を容易にするために、レンズ層23の映像源側に位置する基材層24や表面層25は省略して示している。
本実施形態では、レンズ層23は、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が、単位レンズ231の最も背面側となる頂部pを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ231の配列ピッチP、角度α,β、レンズ高さhは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ231は、実際には、配列ピッチP等が一定であるが、角度αが単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴いレンズ高さhも変動している。本実施形態の単位レンズ231は、その配列ピッチPが50〜200μmの範囲で形成され、レンズ高さhが0.5〜60μmの範囲で形成され、レンズ面232の角度αが0.5〜35°の範囲で形成され、非レンズ面233の角度βが45〜90°の範囲で形成されている。
また、レンズ層23は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層23のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。このようなレンズ層23の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層24(光拡散層241)等を積層する形態としてもよい。また、押出成形法が可能な場合には、レンズ層23と基材層24とを一体に積層した状態で成形してもよい。
本実施形態の反射層22は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面232上において、隣接する単位レンズ231の非レンズ面233側(単位レンズ231間の谷底となる谷底部v)から頂部pの手前までの間に設けられている、すなわち、レンズ面232の映像光の反射に寄与する部分にのみ設けられている。そのため、レンズ層23のレンズ面232の頂部p側の近傍には、反射層22が形成されていない。ここで、反射層22が形成されていないとは、レンズ面232の頂部p側の近傍に反射層22が全く形成されていない場合だけでなく、レンズ面232の頂部p側の近傍に反射層22を形成する材料が付着しているが、膜厚が薄く反射層としての機能を有していない場合を踏むものをいう。また、反射層としての機能を有していないとは、例えば、反射率が10%以下である状態をいう。
なお、本実施形態の反射層22は、レンズ面232上に主に形成されているが谷底部vにおける厚みに応じて、非レンズ面233の一部にも形成されることとなる。
ここで、鱗片状の金属薄膜の性質区分としては、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ、樹脂コーティングタイプ等があり、金属光沢、隠蔽性、密着性、配向性等にそれぞれ特徴があるが、本実施形態としては、金属光沢も重要であるが、密着性、配向性等考慮し樹脂コーティングタイプが好適である。
なお、反射層22は、入射した映像光を効率よく反射させるために、正反射率Rtが50%<Rt<70%であり、拡散反射率Rdが10%<Rd<50%であり、透過率Trが0.5%<Tr<20%であることが望ましい。
本実施形態の反射スクリーン20は、後述の背面層21が黒色等の暗色系に着色されており、反射層22を透過した光を吸収させて、反射スクリーン20のコントラストを向上させているところ、仮に反射層22の透過率Trが0.5%未満であると、前述のコントラストを十分に向上させることができず望ましくない。
また、反射層22の透過率Trが20%よりも大きいと、反射層22自体の反射機能が低くなりすぎてしまい、十分な量の映像光を反射できなくなるので望ましくない。
この金属薄膜22aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜22aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ231のレンズ高さhと同等の寸法、すなわち、0.35〜78μmに形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さhと同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法がレンズ高さhに等しい場合だけでなく、レンズ高さhに近似する場合(例えば、レンズ高さhに対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
金属薄膜22aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜22aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させることができる。制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコン等を使用することができる。
そのため、暗色系材料は、上述の光反射機能及び光吸収機能を両立させる観点から、塗料全体の重量に対して重量比で1〜30%の範囲内で含有されるのが望ましい。仮に、重量比が1%未満であると、反射層22全体に対して暗色系材料の量が少なくなりすぎてしまい、上述の光の吸収効果を十分に奏することができない。また、重量比が30%より大きいと、反射層22の母材(バインダー)に対する暗色系材料の量が多くなりすぎてしまい、反射層22の光反射機能が低下してしまうため、好ましくない。
暗色系材料が上記寸法以上の形状である場合、暗色系材料が金属薄膜22aによる光の反射を遮ってしまい、反射層22の反射効率を低減させてしまったり、暗色系材料をバインダー中に十分に混ぜ合わせることができなくなったりするおそれがある。
背面層21は、暗色系に着色されており、単位レンズ231の反射層22が形成されていない部位(非レンズ面233や、レンズ面232の頂部p側の部位)に入射した光を吸収することができ、また、映像源側からレンズ層23の反射層22が形成されていない部位を通して目視可能となるため、反射スクリーン20のコントラストを向上させることができる。さらに、背面層21は、反射スクリーン20の背面側の保護層としても機能させることができ、反射層22やレンズ層23が傷付いたり、汚損したりしてしまうのを防ぐことができる。
仮に背面層21の厚みが15μm未満である場合、背面層21の一部が薄くなりすぎてしまい、入射した光を十分に吸収できなくなったり、透けてしまったりするので望ましくない。また、背面層21の厚みが50μmよりも大きい場合、背面層21が必要以上に厚くなりすぎてしまい、反射スクリーン20の重量増やコストアップの要因となるので望ましくない。
背面層21の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
背面層21は、入射した光を十分に吸収させる観点から、母材となる樹脂に対して、着色剤が、重量比で10%以上、30%以下で含有されていることが望ましい。
本実施形態の表面層25は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層24の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
また、表面層25は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層25と基材層24との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層25は、基材層24とは別層であって不図示の粘着材等により基材層24に接合される形態としてもよいし、基材層24のレンズ層23とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、表面層25及び基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
そして、一部の外光は、非レンズ面233に入射する。非レンズ面233に入射した外光の一部G1は、非レンズ面233の反射層22が形成されていない部位へ入射するが、非レンズ面233の背面側に形成された背面層21に入射して吸収される。また、非レンズ面233に入射したその他の外光は、非レンズ面233の反射層22が形成された部位に入射するが、反射層22の金属薄膜22aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。
また、更に、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G1、G2等による映像のコントラスト低下を大幅に抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
図4は、本実施形態の反射スクリーン20の製造方法の一例を説明する図である。
図4(a)に示すように、拡散材を含有する樹脂と着色材を含有する樹脂とを、それぞれ所定の厚さで共押出成形することにより、光拡散層241及び着色層242を一体に成形し、基材層24を形成する。ここでは、基材層24は、ウェブ状であるとする。
なお、表面層25上に不図示のマスキング材を剥離可能に貼合して、次工程に流してもよい。このマスキング材としては、例えば、透明又は略透明なシート状の部材を用いることができ、以降の製造過程における表面層25の表面の汚れや傷つきを防止する機能を有している。
そして、図4(c)に示すように、基材層24の背面側となる面(本実施形態では、光拡散層241側の面)に、紫外線成形法等により、レンズ層23を形成する。
レンズ層23は、基材層24の表面層25が積層された面とは反対側の面(本実施形態では、光拡散層241側の面)を、アクリル系の紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する等により、形成される。なお、レンズ層23の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
最後に、表面層25からマスキング材等を剥離したり、更なる裁断工程等の後工程を行ったりする等して、反射スクリーン20が完成する。
なお、上述の説明では、反射層22は、鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料をスプレーガンで塗布することによって形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、反射層22は、塗料を塗りつけた回転ロールを被塗装体(レンズ層)に押し付けて塗布する、いわゆるロールコータ方式によって形成されるようにしてもよい。
(1)本実施形態の反射スクリーン20は、レンズ面232上において谷底部vから頂部pの手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層22と、レンズ層23及び反射層22の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層21とを備えている。これにより、レンズ層23の反射層22が形成されていない部位に入射した光を吸収するとともに、同部位から背面層21を視認することができ、表示する映像のコントラストを向上させることができる。また、背面層21が設けられることにより、反射スクリーン20の背面側に支持板等を貼合しない状態で反射スクリーンを使用したとしても、反射層22や、レンズ層23が傷付いたり、汚損したりしてしまうのを防ぐことができる。
更に、本実施形態の反射スクリーン20は、反射層22の谷底部v側の厚みが、頂部p側に比して厚くなるようにして形成され、反射スクリーン20の厚み方向における頂部pから谷底部vまでの距離をhとし、反射層22のレンズ面232の法線方向における厚みをtとした場合に、反射層22の全体において、h/10≦t≦hを満たす。これにより、反射スクリーン20は、十分な光反射特性を有した反射層22を形成することができ、より効率よく映像光を観察者側に反射し、鮮明な映像を表示することができる。
(3)反射スクリーン20は、反射層22が複数の鱗片状の金属薄膜22aが含有された樹脂により形成されているので、反射層を複数の鱗片状の金属薄膜が含有された塗料を塗布することによって形成することができ、反射スクリーンの製造工程を簡易にし、反射スクリーンを低コスト化することができる。
(1)上述の実施形態において、反射スクリーン20は、反射層22を構成する材料に暗色系材料が含有される例を示したが、これに限定されるものでなく、反射スクリーンに要求される仕様等に応じて適宜省略してもよい。
また、本実施形態では、単位レンズ231のレンズ面232及び非レンズ面233は、いずれも1つの面からなる例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
さらに、本実施形態では、単位レンズ231は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、断面形状が略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。
また、基材層24は、着色層242と光拡散層241とを備え、着色層242が着色剤に加えてさらに光拡散材を含有する形態としてもよい。
さらに、光拡散層241と着色層242とは、別々に成形された光拡散層241と着色層242とを粘着剤等で接合して基材層24としてもよい。
20 反射スクリーン
21 背面層
22 反射層
22a 金属薄膜
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面層
LS 映像源
Claims (4)
- 映像源から投射された映像光を反射して画面に表示する反射スクリーンであって、
レンズ面と、前記レンズ面に対向する非レンズ面とを備えた単位レンズが、背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層と、
前記レンズ面上において、隣り合う前記単位レンズ間の谷底となる谷底部から、前記単位レンズの最も背面側となる頂部の手前までの間に形成され、入射した光を反射する反射層と、
前記レンズ層及び前記反射層の背面側に設けられ、暗色系に着色された背面層とを備え、
前記反射層は、前記谷底部側の厚みが、前記頂部側に比して厚くなるようにして形成され、
当該反射スクリーンの厚み方向における前記頂部から前記谷底部までの距離をhとし、
前記反射層の前記レンズ面の法線方向における厚みをtとした場合に、
前記反射層の全体において、h/10≦t≦hを満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、透過率Trが0.5%<Tr<20%であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層は、複数の鱗片状の金属薄膜が含有された樹脂により形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示システム。
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