JP2020173331A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な視野角特性を確保して天井への映像の映り込みを低減し、さらには輝線の発生を低減する。【解決手段】反射スクリーン20は、映像源LSから照射される映像光を反射して映像を表示し、基材層24と、基材層24の映像源側とは反対の背面側に設けられ、レンズ面232及び非レンズ面233を有した単位レンズ231が背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層23と、単位レンズ231の少なくともレンズ面232に形成された反射層22と、基材層24の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状251が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層25と、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層26とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン、映像表示システムに関するものである。
従来、映像光を反射スクリーンに照射して種々の映像を表示する映像表示システムに関する工夫が提案されている。このような映像表示システムに適用される反射スクリーンに関して、特許文献1には、反射スクリーンの表面をマット面加工することにより、反射スクリーンの表面における反射光を拡散させ、天井への映像の映り込みを低減する工夫が開示されている。
また特許文献2〜4には、反射スクリーンの表面にレンズ層を設けることにより、天井への映像の映り込みを低減する構成が開示されている。
特開2014−071283号公報 特開2014−071278号公報 特開2008−170607号公報 特開2013−171114号公報
ところで特許文献1に開示の構成によれば、天井への映像の映り込みを低減することができるものの、表示画面の輝度が低下する問題がある。これに対して特許文献2〜4に開示の構成によれば、充分な視野角特性を確保して天井への映像の映り込みを低減することができるものの、表示画面に輝線が発生する問題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、充分な視野角特性を確保して天井への映像の映り込みを低減し、さらには輝線の発生を低減することができる反射スクリーン、映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、映像源(LS)から照射される映像光を反射して映像を表示する反射スクリーンにおいて、基材層(24)と、前記基材層の映像源側とは反対の背面側に設けられ、レンズ面(232)及び非レンズ面(233)を有した単位レンズ(231)が背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層(23)と、前記単位レンズの少なくとも前記レンズ面に形成された反射層(22)と、前記基材層の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状(251)が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層(25)と、前記単位光学形状の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層(26)と、を備える反射スクリーン(20)である。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーンにおいて、前記マットコート層(26)は、光を拡散する拡散剤を含有した樹脂により形成されており、前記拡散剤の含有量は、前記樹脂に対して重量比で5%以上30%以下であること、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の反射スクリーンにおいて、前記マットコート層(26)は、暗色系に着色されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、前記単位光学形状(251)が映像源側に凸となるようにして設けられていること、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
第5の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、前記単位光学形状(251)が背面側に凸となるようにして設けられていること、を特徴とする反射スクリーン(120)である。
第6の発明は、第5の発明の反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、映像源側の面に光を拡散する拡散部(27)が形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(120)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの反射スクリーン(20、120)と、前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源(LS)とを備える映像表示システム(1)である。
本発明によれば、充分な視野角特性を確保して天井への映像の映り込みを低減し、さらには輝線の発生を低減することができる反射スクリーン、映像表示システムを提供することができる。
第1実施形態の映像表示システムを説明する図である。 第1実施形態の反射スクリーンの構成を説明する図である。 第1実施形態の反射スクリーンの構成を説明する図である。 第1実施形態のレンズ層及び反射層の詳細を説明する図である。 比較例及び実施例の反射スクリーンの視野角特性、正面ゲイン、天井映り込み、輝線の評価結果をまとめた図である。 視野角特性、正面ゲイン、天井映り込み、輝線の評価方法を説明する図である。 第2実施形態の反射スクリーンの構成を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
〔第1実施形態〕
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、図1に示すように、反射スクリーン20を備える反射スクリーンユニット10と、映像源LS等とを有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから映像光Lを反射スクリーン20に向けて出射して、この映像光Lを反射スクリーン20により反射することにより所望の映像を表示する。
この映像表示システム1は、例えば、映像源LSを反射スクリーン20の観察者O側に設けたフロントプロジェクションテレビシステムとして用いることが可能である。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン20へ投射する映像光投射装置である。映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン20の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン20の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン20の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタや、汎用の短焦点プロジェクタに比べて大幅に近い位置(例えば、映像源LSから反射スクリーン20までの距離が300mm程度)から映像光Lを投射する超短焦点プロジェクタである。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタや、短焦点プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
従来のように汎用のプロジェクタや、短焦点プロジェクタを映像源として用いた場合、映像源と反射スクリーンとの間隔は、1m〜数m以上空ける必要があったため、反射スクリーンと映像源との間を人が横切ったりして、映像の表示が遮られてしまう場合があった。また、このような配置間隔で映像源と反射スクリーンとを設置するには、十分な広さの部屋が必要となっていた。
これに対して、本実施形態の映像表示システム1は、上述のように映像源LSに超短焦点プロジェクタを使用しているため、上述のように映像源LSと反射スクリーン20との距離を大幅に近くすることができ、上記問題点を解消することができる。
本実施形態の映像源LSは、赤色、緑色、青色のレーザー光源を使用して、赤色、緑色、青色のレーザー光による映像光Lを出射する。
反射スクリーン20は、映像源LSから照射される映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、反射スクリーン20の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角80インチや、100インチ、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
なお、本実施形態の映像表示システム1は、超短焦点型のプロジェクタに係る映像源LSと、この映像源LSから照射された映像光を反射して映像を表示する反射スクリーン20とを備えるものとしたが、これに限らず、映像源LSが、超短焦点プロジェクタよりも照射距離が長く、映像光の照射角度(即ち、スクリーンへの映像光の入射角度)の小さい従来の汎用プロジェクタや短焦点プロジェクタとし、反射スクリーン20をそのような映像源LSに対応するものとしてもよい。
反射スクリーンユニット10は、図1に示すように、反射スクリーン20と、その背面側に配置される平板状の支持板30と、接合層40とを有している。反射スクリーン20と支持板30とは、接合層40を介して一体に接合されている。
支持板30は、高い剛性を有する部材であれば、特にその材料等は限定しないが、例えば、アルミニウム等の金属製の板材や、アクリル系樹脂等の樹脂製の板材等が好適に用いられる。また、表裏面をアルミニウム等の薄板とし、内部の芯材としてアルミニウム等の薄板により形成されたハニカム構造を備えることにより、板材全体としての軽量化を図った金属製の板材(所謂、ハニカムパネル)等を用いてもよい。また、支持板30は、外光の映り込みや外光によるコントラスト低下等を防止する観点から、光透過性を有しない部材であることが好ましい。
支持板30の厚みは0.2〜5.0mmが好適であり、より好ましくは1.0〜3.0mmである。厚みが0.2mmよりも薄いと、平面性を支持できるだけの剛性の付与が不十分であり、5.0mmよりも厚くなると、支持板30の重量が重くなるという問題がある。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
接合層40は、反射スクリーン20と支持板30とを一体に接合する機能を有する層である。接合層40は、粘着剤や接着剤等により形成する。
図2及び図3は、本実施形態の反射スクリーン20の層構成を説明する図である。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a)、(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図3では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a)、(b)参照)を通り、画面左右方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射スクリーン20は、図2及び図3に示すように、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、マットコート層26、表面側レンズ層25、基材層24、レンズ層23、反射層22を備えている。
基材層24は、反射スクリーン20のベースとなるシート状の部材である。この基材層24の映像源側には、表面側レンズ層25が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層23が一体に形成されている。
基材層24は、拡散剤を含有する光拡散層241と、特定波長の光を吸収する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が映像源側であり、着色層242が背面側に位置する、すなわち、レンズ層23の映像源側の面に着色層242、光拡散層241が順次積層されている。
光拡散層241は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散剤を含有する層である。光拡散層241は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりする機能を有する。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241に含まれる拡散剤としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散剤は、無機系拡散剤と有機系拡散剤とを組み合わせて用いてもよい。この拡散剤は、略球形であり、平均粒径が約1〜50μmであるものを用いることが好ましい。また、使用に適した拡散剤の粒径の範囲は、5〜30μmであるのが好ましい。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層241は、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層242は、黒色等の暗色系の着色剤等により、所定の光透過率となるように着色が施された層である。着色層242は、反射スクリーン20に入射する照明光等の不要な外光を吸収したり、表示される映像の黒輝度を低減させたりして、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約430〜1350μmとすることが好ましい。
図4は、本実施形態のレンズ層23及び反射層22の詳細を説明する図である。
図4(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22の図示は省略して示している。図4(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。なお、図4(b)は、レンズ層23の映像源側に位置する基材層24や、表面側レンズ層25、マットコート層26の図示は省略して示している。
レンズ層23は、基材層24の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図4(a)等に示すように、点Cを中心として単位レンズ231が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側の面に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射スクリーン20の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン20の下方側に位置している。
本実施形態では、レンズ層23、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を挙げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、図2や図4(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)に平行であって、単位レンズ231の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が頂点tを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
図4(b)に示すように、単位レンズ231のレンズ面232が、スクリーン面に平行な面となす角度は、αである。また、非レンズ面233がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。さらに、単位レンズ231の配列ピッチは、P1であり、単位レンズ231のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ231間の谷底となる点vまでの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ231の配列ピッチP1、角度α,βは、単位レンズ231の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ231は、実際には、配列ピッチP1等が一定であるが、角度αが単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴いレンズ高さh1も変動している。本実施形態の単位レンズ231は、その配列ピッチP1が50〜200μmの範囲で形成され、レンズ高さh1が0.5〜60μmの範囲で形成され、レンズ面232の角度αが0.5〜35°の範囲で形成され、非レンズ面233の角度βが45〜90°の範囲で形成されている。
なお、これに限らず、配列ピッチP1は、単位レンズ231の配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン20のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン20の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層23は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により、基材層24の背面側の面に形成されている。なお、レンズ層23は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、レンズ層23は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層23のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。さらに、レンズ層23の基材となる支持層を設け、支持層の背面側にレンズ層23を上述の方法等により形成してもよい。このようなレンズ層23の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層24等を積層する形態としてもよい。
反射層22は、光を反射する作用を有する層である。この反射層22は、光を反射するために十分な厚さを有し、単位レンズ231のレンズ面232の少なくとも一部に形成されている。
本実施形態の反射層22は、図2や図4(b)に示すように、レンズ面232及び非レンズ面233に形成されている。具体的には、反射層22は、レンズ層23の背面側を覆い、背面側に凸となる単位レンズ231間の境界、すなわち、谷底となる点vを埋めるようにして形成されている。これにより、反射層22は、レンズ層の背面側の凹凸を略平坦にすることができ、接合層40を介して支持板30をより安定して貼付することができる。
ここで、単位レンズ231のレンズ高さh1は、上述したように、単位レンズ231の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて変動するが、各単位レンズ231間の谷底となる点vにおけるレンズ層23の厚み方向の反射層22の厚みは、上述の効果をより効果的に奏するために、各単位レンズ231のレンズ高さh1に対して10〜120%の範囲内の寸法で形成されていることが好ましい。
反射層22は、レンズ面232上に、アルミニウム等の光反射性の高い鱗片状の金属薄膜22aが含有された塗料(樹脂)をレンズ面232に対してスプレー塗布することによって形成される。反射層22は、この鱗片状の金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面がレンズ面232に対して略平行に配置されており、レンズ面232に入射した映像光Lを観察者側へと適正に反射させることができる。ここで、略平行とは、金属薄膜22aの厚み方向に垂直な面が、レンズ面232に対して完全に平行な場合だけでなく、レンズ面232に対する傾きが−10°〜+10°の範囲にある場合をも含むものをいう。また、鱗片状の金属薄膜22aとは、金属薄膜22aの厚み方向から見た形状(外形形状)が鱗片状であることをいい、この鱗片状とは、鱗状の形状だけでなく、楕円状や、円状、多角形状、薄膜を粉砕して得られる不定形な形状等を含むものをいう。
この反射層22を形成する塗料は、鱗片状の金属薄膜22a、バインダー、乾燥補助剤、制御剤等から構成されている。この塗料は、スプレーガンによる塗布容易性の観点から、粘度が50〜1000[cp](測定温度摂氏23度)の範囲内であることが望ましい。
この金属薄膜22aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜22aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ231のレンズ高さh1と同等の寸法、に形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さh1と同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法がレンズ高さh1に等しい場合だけでなく、レンズ高さh1に近似する場合(例えば、レンズ高さh1に対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
ここで、この金属薄膜22aが非レンズ面233に略平行に配置されてしまうと、外光が非レンズ面233に入射した場合に、その外光が非レンズ面233で反射して観察者側に届いてしまう場合があり、その場合、映像のコントラスト低下の要因となる。そのため、金属薄膜22aの縦寸法及び横寸法を、上述のようにレンズ高さh1と同等にすることによって、塗料がレンズ層23の背面側に塗布された場合に、金属薄膜22aが、非レンズ面233に対して略平行に配置されてしまうのを抑制することができる。これにより、反射層22は、外光が非レンズ面233に入射したとしても、金属薄膜の端部で拡散させることができ、観察者側に反射させてしまうのを極力抑制することができる。
金属薄膜22aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
バインダーは、熱硬化性樹脂から構成される透明な接合剤であり、反射層22を形成する母材である。本実施形態では、バインダーは、ウレタン系の熱硬化性樹脂を用いるが、これに限定されるものでなく、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いてもよく、また、紫外線硬化性樹脂等を用いてもよい。なお、バインダーは、硬化剤を添加し2液硬化型として使用してもよく、ウレタン系樹脂であれば、ポリイソシアネート等を使用することができ、また、エポキシ系樹脂であれば、アミン類等を使用することができる。
乾燥補助剤は、レンズ層に塗布された塗料の乾燥時間を所定の時間に調整する溶剤であり、いわゆる遅乾溶剤である。本実施形態では、乾燥補助剤は、レンズ層23の背面側に塗布された塗料の乾燥までの時間をおよそ1時間となるように、所定の量が塗料に含まれている。乾燥補助剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルケトン、3−メトキシ−1−ブチルアセテートの混合溶剤を使用することができる。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜22aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜22aをレンズ面232に対して略平行に配置させることができる。制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコン等を使用することができる。
なお、反射層22は、上述の鱗片状の金属薄膜22aが含有された樹脂に限定されるものでなく、アルミニウムや、銀、ニッケル等の光反射特性を有する金属材料を蒸着や、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等によって形成されるようにしてもよい。この場合、反射層の厚みが非常に薄く(例えば、100Å)なる場合があるので、反射スクリーン20は、映像光が反射層22の背面側へ抜けたり、背面側の光が反射層22を透過して映像源側に抜けたりするのを抑制する観点から、反射層22の背面側に光の抜けを抑制する遮光層を設けるようにしてもよい。
表面側レンズ層25は、図3に示すように、基材層24(光拡散層241)の映像源側の面に設けられ、入射した光を画面左右方向に拡散させる機能を有する。これにより、反射スクリーン20は、画面左右方向における視野角を広げるとともに、映像光の一部が反射スクリーンの最表面で反射して天井側に映り込んでしまい、いわゆる天井ゴーストが発生してしまうのを抑制することができる。
表面側レンズ層25は、映像源側に単位光学形状251が複数配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成されている。この表面側レンズ層25は、紫外線硬化型樹脂等の硬化性樹脂を賦形処理する等して形成される。また、紫外線硬化性樹脂等を基材層24に塗布して硬化するようにして、基材層24上に直接成形するようにしてもよい。
単位光学形状251は、図3に示すように、映像源側に凸となる柱状のレンズであり、画面上下方向を長手方向として延在し、画面左右方向に複数配列されている。本実施形態の単位光学形状251は、円柱形状の一部形状により形成されており、この形状が画面左右方向に連続している。
単位光学形状251は、画面左右方向における配列ピッチがP2、画面左右方向における幅寸法がW2、厚み方向における高さ寸法(単位光学形状251の最も映像源側に位置する頂部pから隣接する単位光学形状251間の境界部bまでの距離)がh2となるように形成されている。本実施形態の単位光学形状251は、画面左右方向に連続して形成されているので、P2=W2となる。
なお、単位光学形状251は、円柱形状の一部形状に限定されるものでなく、楕円柱形状の一部形状や、円柱や楕円柱以外の曲面を有した柱状や、複数の曲面からなる柱状のレンズ形状としてもよい。
マットコート層26は、入射した光を拡散する層であり、反射スクリーン20の最も映像源側(観察者側)に配置される。マットコート層26は、単位光学形状251の表面(映像源側の面)形状に沿うようにして均一な膜厚により形成、すなわち、表面側レンズ層25に形成される単位光学形状251の凹凸形状が損なわれないようにして形成されている。ここで、均一な膜厚とは、マットコート層26の厚みが全体で同じ厚みである状態だけでなく、最も薄い部位の膜厚が、最も厚い部位の膜厚の40%以上である状態も含むものをいう。
単位光学形状251は、上述したように、円柱の一部形状が画面左右方向に連続して形成されているため、仮にマットコート層が設けられていないと、単位光学形状251の頂部p(最も観察者側に位置する部位)や、隣り合う単位光学形状251間の境界部bに入射した光が迷光となり、画面上下方向に延在する輝線(いわゆるサーチライト)として観察者に視認されてしまう場合があり、鮮明な映像の表示の妨げになっていた。
この輝線は、表面側レンズ層25の表面(映像源側の面)を粗面化することにより、抑制することができるが、単純に表面側レンズ層25の表面を粗面化したのでは、レンチキュラーレンズ形状が損なわれてしまい、表面側レンズ層25の機能が低下し、天井への映り込みの低減効果や、視野角特性の向上効果が低下することになる。
そこで、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26を、単位光学形状251の表面に設けることにより、レンチキュラーレンズ形状を損なうことなく迷光を拡散して、上述の輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができる。また、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26を設けることにより、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散することができ、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
マットコート層26は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散剤を含有している。
マットコート層26の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
マットコート層26に含まれる拡散剤としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン系等の樹脂製の粒子や無機粒子等が好適に用いられる。なお、拡散剤は、無機系拡散剤と有機系拡散剤とを組み合わせて用いてもよい。この拡散剤は、略球形であり、平均粒径が約0.5〜20μmであるものを用いることが好ましい。また、使用に適した拡散剤の粒径の範囲は、1〜10μmであるのが好ましい。
マットコート層26は、上述の拡散剤を含有した母材を、表面側レンズ層25の単位光学形状251の表面に対してスプレーによる塗布や、ロールコートによって形成される。
マットコート層26の厚さは、単位光学形状251の高さ寸法h2等にもよるが、単位光学形状251の表面にマットコート層26を均一な膜厚で形成する観点から、高さ寸法h2の100%以下であることが望ましく、平均膜厚を1μm以上15μm以下とすることが好ましい。
マットコート層26の厚さが、高さ寸法h2の100%よりも大きいと、単位光学形状251の表面全体においてマットコート層を均一膜厚で形成することが困難となり、上述の輝線や天井映り込み効果が低減したり、得られなくなったりしてしまうので望ましくない。
また、マットコート層26の平均膜厚が1μm未満であると、十分な拡散機能を得ることができなくなり望ましくなく、さらにマットコート層26の平均膜厚が15μmよりも大きいと、単位光学形状251の表面全体においてマットコート層を均一膜厚で形成することが困難となり、上述の輝線や天井映り込み効果が低減したり、得られなくなったりしてしまうので望ましくない。
また、マットコート層26に含有される拡散剤の含有量は、母材となる樹脂に対して重量比で5%以上30%以下であることが好ましい。仮に、拡散剤の含有量が5%未満の場合、マットコート層に含有される拡散剤の含有量が少なくなりすぎてしまい、十分な拡散機能を得ることができなくなり望ましくない。また、拡散剤の含有量が30%より大きい場合、マットコート層に含有される拡散剤の含有量が多くなり、拡散機能が強くなりすぎてしまい、適正な映像を表示できなくなるので望ましくない。
なお、上述の光拡散層241に含有される拡散剤の量は、マットコート層26に含有される拡散剤の量に応じて、適宜変更することができる。また、必要に応じて基材層24に設けられる光拡散層241を省略するようにしてもよい。
図2、図3に戻り、本実施形態の反射スクリーン20へ入射する映像光及び外光の様子を説明する。図2、図3では、理解を容易にするために、マットコート層26、表面側レンズ層25、光拡散層241、着色層242、レンズ層23の屈折率は等しいものとし、映像光L及び外光Gに対する光拡散層241の光拡散作用等は省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、マットコート層26、表面側レンズ層25、基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面232へ入射して反射層22によって反射され、観察者O側に向かい、略正面方向へ反射スクリーン20から出射する。
このとき、映像光L1は、図3に示すように、表面側レンズ層25に形成されたレンチキュラーレンズ形状(単位光学形状251)により画面左右方向に拡散される。これにより、反射スクリーン20は、画面左右方向における視野角を広げるとともに、映像光の一部が反射スクリーンの最表面で反射して天井側に入射して、天井ゴーストが発生してしまうのを抑制することができる。
また、映像光L1は、単位光学形状251の表面に形成されたマットコート層26により更に拡散される。これにより、反射スクリーン20は、単位光学形状251の頂部pや境界部bが起因となる迷光を拡散して、輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができる。また、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散することができ、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図4(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光Gは、図2に示すように、主として反射スクリーン20の上方から入射し、マットコート層26、表面側レンズ層25、基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
そして、一部の外光G1は、レンズ面232で反射して、主として反射スクリーン20の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。また、一部の外光G2は、非レンズ面233へ入射するが、非レンズ面233の背面側に形成された反射層22の金属薄膜22aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G等による映像のコントラスト低下を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
図5は、比較例及び実施例の反射スクリーンの視野角特性、正面ゲイン、天井映り込み、輝線の評価をまとめた図である。
図6は、視野角特性、正面ゲイン、天井映り込み、輝線の評価方法を説明する図である。
実施例の反射スクリーンは、図2、図3等に示す本実施形態の反射スクリーン20の層構成により形成される。
比較例の反射スクリーンは、本実施形態の反射スクリーン20からマットコート層26を省略した構成により形成されており、このマットコート層26を備えない以外は、実施例の反射スクリーンと同一に構成される。
なお、実施例及び比較例の反射スクリーンの大きさは、80インチであり、映像源として超短焦点プロジェクタ(Canon社製、型番LV−8235UST)を使用した。
また、実施例及び比較例の反射スクリーンは、表面側レンズ層の単位光学形状の厚み方向における高さ寸法h2が12μmに形成され、単位光学形状の配列ピッチP2及び画面左右方向における幅寸法W2が、P2=W2=62μmに形成されている。
また、実施例の反射スクリーンに設けられたマットコート層は、母材をアクリル樹脂とし、平均粒径3μmのシリカビーズを拡散剤としており、母材に対する拡散剤の含有率が重量比で15%であり、平均膜厚が5μmに形成され、上記高さ寸法h2の42%になるように形成されている。
視野角特性、正面輝度、天井への映り込み、輝線の評価は、以下のようにして行った。
実施例及び比較例の反射スクリーンをそれぞれ、室内の壁面に配置し、実施例及び比較例の反射スクリーンの上方の天井部分には、白色スクリーン70(ホワイトマット(KPV−ST80W 株式会社キクチ科学研究所製))を配置する。
実施例及び比較例の反射スクリーンの上端から天井の白色スクリーン70までの寸法d3=0.25mであり、スクリーンの下端から床までの寸法d4=0.5mある。
映像源LSは、映像光を投射する投射口が、実施例及び比較例の反射スクリーンの画面左右方向中央から観察者側にd1=0.32m、各反射スクリーンの下端から下方へd2=0.1mの位置に配置され、各反射スクリーン上の画面中央となる点Aへ映像光が画面上下方向において入射角度62°で入射する。
実施例及び比較例の反射スクリーンの画面左右方向における視野角特性を評価するため、暗室環境下において、各反射スクリーンの画面中央となる点A(図1(a)参照)での照度が1100lxとなる白色光を映像源LSから投射し、その状態で、輝度計(コニカミノルタセンシング株式会社製 LS−110)を用いて、点Aを通り画面左右方向に平行な面内で、点Aを通るスクリーン面の法線方向に対する観察角度を変え、各反射スクリーンの輝度を測定し、画面左右方向における輝度分布を測定した。
輝度計は、上述の面内において、各反射スクリーンの点Aを通るスクリーン面の正面方向映像源側にd5=3m、床面からd6=1.04mの位置を基準位置(観察角度0°)とし、この基準位置を含み画面左右方向に平行な面内において、点Aを通るスクリーン面の法線方向に対して画面左右方向に観察角度0°、±5°、±10°、±15°、±20°、±25°、±30°、±45°、±60°、±80°(反射スクリーンに向かって測定者Mの右側を正の方向とする)となる位置で、輝度を測定した。
測定及び評価結果を図5に示す。ここで、図5に示す水平視野角(αH)は、正面輝度(最大輝度)に対して輝度値が半値(50%)となる画面左右方向に傾斜した方向の角度をいい、厚み方向(スクリーン面の法線方向)に対する角度を示している。
また、正面輝度(正面ゲイン)は、比較例の反射スクリーンの計測値を値1として、この比較例との対比に実施例の値を示す。なお、この正面輝度は、反射スクリーンの正面(スクリーン面の法線方向)における計測値である。
天井への映り込みの評価は、測定者Mが、暗室環境下で、反射スクリーン20から映像源側にd7=3m、床からd8=1.04mの位置で、天井へ光が反射した領域(天井への光の映りこみ)の明るさを目視で判定することによって行われる。測定者Mの目視判定において、映り込みが全く気にならい状態を良(◎)とし、映り込みがほとんど気にならない状態を可(〇)とし、映り込みが気になる(快適な視認が阻害される)状態を不可(×)として評価した。
また、輝線の評価は、測定者Mが上述の天井への映り込みの評価と同様の位置から、スクリーン面に輝線が確認されるか否かを目視で判定することによって行われる。測定者の目視判定において、輝線が視認されない若しくはほとんど目立たない状態を良(◎)とし、輝線が目立つ状態を不可(×)として評価した。
図5に示すように、実施例の反射スクリーンは、比較例の反射スクリーンに比して正面輝度の低下を極力抑制した状態で、水平視野角を比較例の反射スクリーンに比して約1.5倍広くできることが確認された。
また、天井への映り込み評価においても、実施例の反射スクリーンは、比較例に比して天井の映り込みを大幅に低減し、映り込みが全く気にならない状態にできることが確認された。
さらに、輝線の評価において、比較例の反射スクリーンは、目立つ輝線が視認されたのに対して、実施例の反射スクリーンは、輝線が視認されない若しくはほとんど目立たない状態であることが確認された。
以上より、本実施形態の反射スクリーン20は、以下の効果を奏する。
本実施形態の反射スクリーン20は、基材層24の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状251が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層25と、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層26を備える。そのため、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25により、映像光を画面左右方向に拡散して、画面左右方向における視野角を広げるとともに、映像光の一部が反射スクリーンの最表面で反射して天井側に映り込んでしまい、いわゆる天井ゴーストが発生してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26により、表面側レンズ層25のレンチキュラーレンズ形状を損なうことなく迷光を拡散して、輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができるとともに、上述の天井ゴーストの発生をより効果的に抑制することができる。
本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26が光を拡散する拡散剤を含有した樹脂により形成されており、拡散剤の含有量が樹脂に対して重量比で5%以上30%以下である。これにより、反射スクリーン20は、マットコート層26によって、より効率よく輝線が生じてしまうのを抑制することができる。
本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25が、単位光学形状251が映像源側に凸となるようにして設けられているので、より具体的な構成により、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の反射スクリーンについて説明する。
図7は、第2実施形態の反射スクリーン120の層構成を説明する図であり、図3に対応する図である。
第2実施形態の反射スクリーン120は、図7に示すように、表面側レンズ層25の単位光学形状251が背面側に凸になるように配置されている点と、表面側レンズ層25の映像源側の面に拡散層(拡散部)27を備えている点とで、第1実施形態の反射スクリーン20と相違している。したがって、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の反射スクリーン120は、表面側レンズ層25が、上述したように、単位光学形状251が背面側に凸となるようにして基材層24(光拡散層241)の観察者側に配置されている。そのため、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成されたマットコート層26が、基材層24(光拡散層241)の観察者側の面に接触するように配置されることとなる。
マットコート層26は、上述の第1実施形態と同様に、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして形成されている。そのため、本実施形態のマットコート層26は、図7に示すように、単位光学形状251の背面側に最も突出した部位pに対応する部位p2において、基材層24(光拡散層241)と接触し、接合されている。したがって、マットコート層26及び基材層24間における部位p2以外の部位(隣り合う単位光学形状251間の谷間となる部位)には、接合剤が介在している。
なお、基材層24と、表面側レンズ層25に形成されたマットコート層26とを接合する接合剤は、光透過性を有する公知の接着剤等を用いることができ、例えば、アクリル系の粘着剤や、エポキシ系の粘着剤等を用いることができる。
拡散層27は、表面側レンズ層25の観察者側の平坦面に設けられた光拡散機能を有する層であり、反射スクリーン120の最も観察者側に位置している。
拡散層27は、単位光学形状251の表面(映像源側の面)に沿うようにして均一な膜厚により形成されており、反射スクリーン120の映像源側の面を略平坦にしている。
拡散層27は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散剤を含有している。拡散層27の母材となる樹脂は、上述のマットコート層26と同様の材料を用いることができ、また、母材に含有される拡散剤も、上述のマットコート層26と同様の材料を用いることができる。
以上より、本実施形態の反射スクリーン120は、表面側レンズ層25により、画面左右方向における視野角を広げることができるとともに、映像光の天井への映り込み(天井ゴースト)を抑制することができる。また、マットコート層26により、表面側レンズ層25のレンチキュラーレンズ形状を損なうことなく迷光を拡散して、輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができる。
さらに、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25の観察者側の面に拡散層27を備えているので、上述の輝線の発生を更に抑制するとともに、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25が、単位光学形状251が背面側に凸となるようにして設けられているので、より具体的な構成により、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。また、反射スクリーン20の観察者側の面が略平坦となるので、第1実施形態の反射スクリーン20に比して観察者側の面に塵やほこり等の異物が付着したとしても容易に除去することができる。
〔他の実施形態〕
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の各実施形態において、単位光学形状251は、画面左右方向に連続して形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、各単位光学形状251間に接続部を設け、単位光学形状と接続部とが交互に配列されるようにしてもよい。この場合、単位光学形状の幅寸法W2と配列ピッチP2の関係は、W2<P2となり、P2とW2の差が、接続部の画面左右方向における寸法になる。
ここで、接続部は、スクリーン面に平行な平坦面に形成されるようにしてもよく、また、湾曲した湾曲面に形成されるようにしてもよい。なお、この場合、マットコート層26は、単位光学形状及び接続部の表面に設けられる。
(2)上述の各実施形態において、マットコート層26は、暗色系に着色されるようにしてもよい。これにより、反射スクリーン20の画面の黒味を増大させて、コントラストを向上することができる。ここで、マットコート層26の着色は、例えば、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等の着色剤をマットコート層26の母材となる樹脂に含有させることによって実現することができる。
(3)上述の第2実施形態において、表面側レンズ層25の映像源側の面に光を拡散する拡散部として、拡散層27を表面側レンズ層25とは別層として設ける例を示したが、これに限定されるものでない。拡散部として、表面側レンズ層の映像源側の平坦面を直接粗面化して、入射した光を拡散するようにしてもよい。
また、表面側レンズ層25の映像源側の面に設けた拡散層27(拡散部)は、必要に応じて省略してもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 映像表示システム
20、120 反射スクリーン
22 反射層
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面側レンズ層
251 単位光学形状
26 マットコート層

Claims (7)

  1. 映像源から照射される映像光を反射して映像を表示する反射スクリーンにおいて、
    基材層と、
    前記基材層の映像源側とは反対の背面側に設けられ、レンズ面及び非レンズ面を有した単位レンズが背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層と、
    前記単位レンズの少なくとも前記レンズ面に形成された反射層と、
    前記基材層の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層と、
    前記単位光学形状の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層と、
    を備える反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記マットコート層は、光を拡散する拡散剤を含有した樹脂により形成されており、
    前記拡散剤の含有量は、前記樹脂に対して重量比で5%以上30%以下であること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記マットコート層は、暗色系に着色されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記表面側レンズ層は、前記単位光学形状が映像源側に凸となるようにして設けられていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記表面側レンズ層は、前記単位光学形状が背面側に凸となるようにして設けられていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  6. 請求項5に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記表面側レンズ層は、映像源側の面に光を拡散する拡散部が形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源と
    を備える映像表示システム。

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