JP2020173331A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents
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Abstract
Description
また特許文献2〜4には、反射スクリーンの表面にレンズ層を設けることにより、天井への映像の映り込みを低減する構成が開示されている。
第1の発明は、映像源(LS)から照射される映像光を反射して映像を表示する反射スクリーンにおいて、基材層(24)と、前記基材層の映像源側とは反対の背面側に設けられ、レンズ面(232)及び非レンズ面(233)を有した単位レンズ(231)が背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層(23)と、前記単位レンズの少なくとも前記レンズ面に形成された反射層(22)と、前記基材層の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状(251)が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層(25)と、前記単位光学形状の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層(26)と、を備える反射スクリーン(20)である。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーンにおいて、前記マットコート層(26)は、光を拡散する拡散剤を含有した樹脂により形成されており、前記拡散剤の含有量は、前記樹脂に対して重量比で5%以上30%以下であること、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の反射スクリーンにおいて、前記マットコート層(26)は、暗色系に着色されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、前記単位光学形状(251)が映像源側に凸となるようにして設けられていること、を特徴とする反射スクリーン(20)である。
第5の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、前記単位光学形状(251)が背面側に凸となるようにして設けられていること、を特徴とする反射スクリーン(120)である。
第6の発明は、第5の発明の反射スクリーンにおいて、前記表面側レンズ層(25)は、映像源側の面に光を拡散する拡散部(27)が形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(120)である。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの反射スクリーン(20、120)と、前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源(LS)とを備える映像表示システム(1)である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
この映像表示システム1は、例えば、映像源LSを反射スクリーン20の観察者O側に設けたフロントプロジェクションテレビシステムとして用いることが可能である。
この映像源LSは、反射スクリーン20の画面に直交する方向(反射スクリーン20の厚み方向)における反射スクリーン20との距離が、従来の汎用プロジェクタや、汎用の短焦点プロジェクタに比べて大幅に近い位置(例えば、映像源LSから反射スクリーン20までの距離が300mm程度)から映像光Lを投射する超短焦点プロジェクタである。即ち、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタや、短焦点プロジェクタに比べて、反射スクリーン20までの投射距離が短く、映像光Lの反射スクリーン20のスクリーン面に対する入射角度も大きい。
これに対して、本実施形態の映像表示システム1は、上述のように映像源LSに超短焦点プロジェクタを使用しているため、上述のように映像源LSと反射スクリーン20との距離を大幅に近くすることができ、上記問題点を解消することができる。
本実施形態の映像源LSは、赤色、緑色、青色のレーザー光源を使用して、赤色、緑色、青色のレーザー光による映像光Lを出射する。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射スクリーン20の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン20は、例えば、対角80インチや、100インチ、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
反射スクリーン20は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン20は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
図2では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a)、(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
図3では、反射スクリーン20の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a)、(b)参照)を通り、画面左右方向に平行であって、スクリーン面に垂直(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
基材層24は、拡散剤を含有する光拡散層241と、特定波長の光を吸収する着色層242とを有している。本実施形態の基材層24は、光拡散層241と着色層242とが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層24において、光拡散層241が映像源側であり、着色層242が背面側に位置する、すなわち、レンズ層23の映像源側の面に着色層242、光拡散層241が順次積層されている。
光拡散層241の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層241の厚さは、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層241は、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層242の着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層242の母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層242は、反射スクリーン20の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約430〜1350μmとすることが好ましい。
図4(a)は、レンズ層23を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層22の図示は省略して示している。図4(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。なお、図4(b)は、レンズ層23の映像源側に位置する基材層24や、表面側レンズ層25、マットコート層26の図示は省略して示している。
本実施形態では、レンズ層23、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を挙げて説明するが、これに限らず、単位レンズ231がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ231は、背面側に凸であり、レンズ面232と、このレンズ面232と対向する非レンズ面233とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン20の使用状態において、単位レンズ231は、レンズ面232が頂点tを挟んで非レンズ面233よりも鉛直方向上側に位置している。
また、レンズ層23は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層23のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。さらに、レンズ層23の基材となる支持層を設け、支持層の背面側にレンズ層23を上述の方法等により形成してもよい。このようなレンズ層23の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層24等を積層する形態としてもよい。
本実施形態の反射層22は、図2や図4(b)に示すように、レンズ面232及び非レンズ面233に形成されている。具体的には、反射層22は、レンズ層23の背面側を覆い、背面側に凸となる単位レンズ231間の境界、すなわち、谷底となる点vを埋めるようにして形成されている。これにより、反射層22は、レンズ層の背面側の凹凸を略平坦にすることができ、接合層40を介して支持板30をより安定して貼付することができる。
この金属薄膜22aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜22aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ231のレンズ高さh1と同等の寸法、に形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さh1と同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法がレンズ高さh1に等しい場合だけでなく、レンズ高さh1に近似する場合(例えば、レンズ高さh1に対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
金属薄膜22aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
表面側レンズ層25は、映像源側に単位光学形状251が複数配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成されている。この表面側レンズ層25は、紫外線硬化型樹脂等の硬化性樹脂を賦形処理する等して形成される。また、紫外線硬化性樹脂等を基材層24に塗布して硬化するようにして、基材層24上に直接成形するようにしてもよい。
単位光学形状251は、画面左右方向における配列ピッチがP2、画面左右方向における幅寸法がW2、厚み方向における高さ寸法(単位光学形状251の最も映像源側に位置する頂部pから隣接する単位光学形状251間の境界部bまでの距離)がh2となるように形成されている。本実施形態の単位光学形状251は、画面左右方向に連続して形成されているので、P2=W2となる。
なお、単位光学形状251は、円柱形状の一部形状に限定されるものでなく、楕円柱形状の一部形状や、円柱や楕円柱以外の曲面を有した柱状や、複数の曲面からなる柱状のレンズ形状としてもよい。
そこで、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26を、単位光学形状251の表面に設けることにより、レンチキュラーレンズ形状を損なうことなく迷光を拡散して、上述の輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができる。また、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26を設けることにより、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散することができ、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
マットコート層26の母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
マットコート層26は、上述の拡散剤を含有した母材を、表面側レンズ層25の単位光学形状251の表面に対してスプレーによる塗布や、ロールコートによって形成される。
マットコート層26の厚さが、高さ寸法h2の100%よりも大きいと、単位光学形状251の表面全体においてマットコート層を均一膜厚で形成することが困難となり、上述の輝線や天井映り込み効果が低減したり、得られなくなったりしてしまうので望ましくない。
また、マットコート層26の平均膜厚が1μm未満であると、十分な拡散機能を得ることができなくなり望ましくなく、さらにマットコート層26の平均膜厚が15μmよりも大きいと、単位光学形状251の表面全体においてマットコート層を均一膜厚で形成することが困難となり、上述の輝線や天井映り込み効果が低減したり、得られなくなったりしてしまうので望ましくない。
なお、上述の光拡散層241に含有される拡散剤の量は、マットコート層26に含有される拡散剤の量に応じて、適宜変更することができる。また、必要に応じて基材層24に設けられる光拡散層241を省略するようにしてもよい。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン20の下方から入射し、マットコート層26、表面側レンズ層25、基材層24を透過してレンズ層23の単位レンズ231へ入射する。
このとき、映像光L1は、図3に示すように、表面側レンズ層25に形成されたレンチキュラーレンズ形状(単位光学形状251)により画面左右方向に拡散される。これにより、反射スクリーン20は、画面左右方向における視野角を広げるとともに、映像光の一部が反射スクリーンの最表面で反射して天井側に入射して、天井ゴーストが発生してしまうのを抑制することができる。
なお、映像光L1が反射スクリーン20の下方から投射され、かつ、角度β(図4(b)参照)が反射スクリーン20の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面233に直接入射することはなく、非レンズ面233は、映像光L1の反射には影響しない。
そして、一部の外光G1は、レンズ面232で反射して、主として反射スクリーン20の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。また、一部の外光G2は、非レンズ面233へ入射するが、非レンズ面233の背面側に形成された反射層22の金属薄膜22aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射スクリーン20に入射して、着色層242に吸収される。従って、反射スクリーン20では、外光G等による映像のコントラスト低下を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン20によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
図6は、視野角特性、正面ゲイン、天井映り込み、輝線の評価方法を説明する図である。
実施例の反射スクリーンは、図2、図3等に示す本実施形態の反射スクリーン20の層構成により形成される。
比較例の反射スクリーンは、本実施形態の反射スクリーン20からマットコート層26を省略した構成により形成されており、このマットコート層26を備えない以外は、実施例の反射スクリーンと同一に構成される。
また、実施例及び比較例の反射スクリーンは、表面側レンズ層の単位光学形状の厚み方向における高さ寸法h2が12μmに形成され、単位光学形状の配列ピッチP2及び画面左右方向における幅寸法W2が、P2=W2=62μmに形成されている。
また、実施例の反射スクリーンに設けられたマットコート層は、母材をアクリル樹脂とし、平均粒径3μmのシリカビーズを拡散剤としており、母材に対する拡散剤の含有率が重量比で15%であり、平均膜厚が5μmに形成され、上記高さ寸法h2の42%になるように形成されている。
実施例及び比較例の反射スクリーンをそれぞれ、室内の壁面に配置し、実施例及び比較例の反射スクリーンの上方の天井部分には、白色スクリーン70(ホワイトマット(KPV−ST80W 株式会社キクチ科学研究所製))を配置する。
実施例及び比較例の反射スクリーンの上端から天井の白色スクリーン70までの寸法d3=0.25mであり、スクリーンの下端から床までの寸法d4=0.5mある。
映像源LSは、映像光を投射する投射口が、実施例及び比較例の反射スクリーンの画面左右方向中央から観察者側にd1=0.32m、各反射スクリーンの下端から下方へd2=0.1mの位置に配置され、各反射スクリーン上の画面中央となる点Aへ映像光が画面上下方向において入射角度62°で入射する。
また、正面輝度(正面ゲイン)は、比較例の反射スクリーンの計測値を値1として、この比較例との対比に実施例の値を示す。なお、この正面輝度は、反射スクリーンの正面(スクリーン面の法線方向)における計測値である。
また、輝線の評価は、測定者Mが上述の天井への映り込みの評価と同様の位置から、スクリーン面に輝線が確認されるか否かを目視で判定することによって行われる。測定者の目視判定において、輝線が視認されない若しくはほとんど目立たない状態を良(◎)とし、輝線が目立つ状態を不可(×)として評価した。
また、天井への映り込み評価においても、実施例の反射スクリーンは、比較例に比して天井の映り込みを大幅に低減し、映り込みが全く気にならない状態にできることが確認された。
さらに、輝線の評価において、比較例の反射スクリーンは、目立つ輝線が視認されたのに対して、実施例の反射スクリーンは、輝線が視認されない若しくはほとんど目立たない状態であることが確認された。
本実施形態の反射スクリーン20は、基材層24の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状251が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層25と、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層26を備える。そのため、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25により、映像光を画面左右方向に拡散して、画面左右方向における視野角を広げるとともに、映像光の一部が反射スクリーンの最表面で反射して天井側に映り込んでしまい、いわゆる天井ゴーストが発生してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の反射スクリーン20は、マットコート層26により、表面側レンズ層25のレンチキュラーレンズ形状を損なうことなく迷光を拡散して、輝線が視認されてしまうの大幅に抑制することができ、映像をより鮮明に表示することができるとともに、上述の天井ゴーストの発生をより効果的に抑制することができる。
本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25が、単位光学形状251が映像源側に凸となるようにして設けられているので、より具体的な構成により、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
次に、第2実施形態の反射スクリーンについて説明する。
図7は、第2実施形態の反射スクリーン120の層構成を説明する図であり、図3に対応する図である。
第2実施形態の反射スクリーン120は、図7に示すように、表面側レンズ層25の単位光学形状251が背面側に凸になるように配置されている点と、表面側レンズ層25の映像源側の面に拡散層(拡散部)27を備えている点とで、第1実施形態の反射スクリーン20と相違している。したがって、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
マットコート層26は、上述の第1実施形態と同様に、単位光学形状251の表面形状に沿うようにして形成されている。そのため、本実施形態のマットコート層26は、図7に示すように、単位光学形状251の背面側に最も突出した部位pに対応する部位p2において、基材層24(光拡散層241)と接触し、接合されている。したがって、マットコート層26及び基材層24間における部位p2以外の部位(隣り合う単位光学形状251間の谷間となる部位)には、接合剤が介在している。
なお、基材層24と、表面側レンズ層25に形成されたマットコート層26とを接合する接合剤は、光透過性を有する公知の接着剤等を用いることができ、例えば、アクリル系の粘着剤や、エポキシ系の粘着剤等を用いることができる。
拡散層27は、単位光学形状251の表面(映像源側の面)に沿うようにして均一な膜厚により形成されており、反射スクリーン120の映像源側の面を略平坦にしている。
拡散層27は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散剤を含有している。拡散層27の母材となる樹脂は、上述のマットコート層26と同様の材料を用いることができ、また、母材に含有される拡散剤も、上述のマットコート層26と同様の材料を用いることができる。
さらに、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25の観察者側の面に拡散層27を備えているので、上述の輝線の発生を更に抑制するとともに、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の反射スクリーン20は、表面側レンズ層25が、単位光学形状251が背面側に凸となるようにして設けられているので、より具体的な構成により、反射スクリーンの最表面で反射する光を拡散し、映像光の天井への映り込みをより効果的に抑制することができる。また、反射スクリーン20の観察者側の面が略平坦となるので、第1実施形態の反射スクリーン20に比して観察者側の面に塵やほこり等の異物が付着したとしても容易に除去することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の各実施形態において、単位光学形状251は、画面左右方向に連続して形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、各単位光学形状251間に接続部を設け、単位光学形状と接続部とが交互に配列されるようにしてもよい。この場合、単位光学形状の幅寸法W2と配列ピッチP2の関係は、W2<P2となり、P2とW2の差が、接続部の画面左右方向における寸法になる。
ここで、接続部は、スクリーン面に平行な平坦面に形成されるようにしてもよく、また、湾曲した湾曲面に形成されるようにしてもよい。なお、この場合、マットコート層26は、単位光学形状及び接続部の表面に設けられる。
また、表面側レンズ層25の映像源側の面に設けた拡散層27(拡散部)は、必要に応じて省略してもよい。
20、120 反射スクリーン
22 反射層
23 レンズ層
231 単位レンズ
232 レンズ面
233 非レンズ面
24 基材層
25 表面側レンズ層
251 単位光学形状
26 マットコート層
Claims (7)
- 映像源から照射される映像光を反射して映像を表示する反射スクリーンにおいて、
基材層と、
前記基材層の映像源側とは反対の背面側に設けられ、レンズ面及び非レンズ面を有した単位レンズが背面側に凸となるように複数配列されたレンズ層と、
前記単位レンズの少なくとも前記レンズ面に形成された反射層と、
前記基材層の映像源側に配置され、画面上下方向に延在する単位光学形状が複数、画面左右方向に配列されたレンチキュラーレンズ形状が形成された表面側レンズ層と、
前記単位光学形状の表面形状に沿うようにして均一な膜厚により形成され、入射した光を拡散するマットコート層と、
を備える反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記マットコート層は、光を拡散する拡散剤を含有した樹脂により形成されており、
前記拡散剤の含有量は、前記樹脂に対して重量比で5%以上30%以下であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記マットコート層は、暗色系に着色されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記表面側レンズ層は、前記単位光学形状が映像源側に凸となるようにして設けられていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記表面側レンズ層は、前記単位光学形状が背面側に凸となるようにして設けられていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項5に記載の反射スクリーンにおいて、
前記表面側レンズ層は、映像源側の面に光を拡散する拡散部が形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を照射する映像源と
を備える映像表示システム。
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- 2019-04-10 JP JP2019074740A patent/JP2020173331A/ja active Pending
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