JP2020173380A - 反射スクリーン、映像表示システム - Google Patents
反射スクリーン、映像表示システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020173380A JP2020173380A JP2019076032A JP2019076032A JP2020173380A JP 2020173380 A JP2020173380 A JP 2020173380A JP 2019076032 A JP2019076032 A JP 2019076032A JP 2019076032 A JP2019076032 A JP 2019076032A JP 2020173380 A JP2020173380 A JP 2020173380A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- screen
- optical shape
- reflective screen
- reflective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
Description
一般的に、各種表示装置等では、画面上下方向における視野角よりも、画面左右方向における視野角の方が広いことが好まれる。そのため、表面に凹凸形状が形成されたレンズ層や、半球状の微細な凹部が形成された表面層を反射スクリーンの表面に設け、画面左右方向の拡散作用を増大させて、画面左右方向における視野角の向上を図った反射スクリーン等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
反射スクリーンにおいて、映像をより鮮明に表示し、画面左右方向において良好な視野角を実現することは、常々求められていることである。
第1の発明は、映像源(LS)から投影された映像光を反射させて観察可能とする反射スクリーン(10)であって、光を反射する反射層(13)と、該反射スクリーンの厚み方向(X方向)において前記反射層よりも映像源側に配置され、映像源側の面に、映像源側に凸となる単位光学形状(211)と平坦部(212)とが交互に複数配列されている光学形状層(21)と、該反射スクリーンの厚み方向において前記光学形状層の映像源側に設けられ、少なくとも前記単位光学形状間の谷部を充填するように形成された充填層(22)とを備え、前記単位光学形状は、柱状であり、該反射スクリーンの使用状態において、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に複数配列され、前記光学形状層と前記充填層とは、屈折率差を有していること、を特徴とする反射スクリーンである。
第2の発明は、第1の発明の反射スクリーン(10)において、隣り合う前記単位光学形状(211)に対向する前記単位光学形状の側面(211a、211b)は、湾曲していること、
を特徴とする反射スクリーンである。
第3の発明は、第2の発明の反射スクリーン(10)において、前記単位光学形状(211)の前記側面(211a、211b)は、隣り合う前記単位光学形状側に凸となるように湾曲していること、を特徴とする反射スクリーンである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、前記単位光学形状(211)は、映像源側の先端部が平坦に形成されていること、を特徴とする反射スクリーンである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、隣り合う前記単位光学形状(211)に対向する前記単位光学形状の側面(211a、211b)の映像源側の端部(f)と、前記側面の背面側の端部(b)との中間を中間部(m)とし、前記側面の前記中間部における接線(j)と、当該反射スクリーンの厚み方向とがなす角度をθとした場合に、1°≦θ≦30°を満たすこと、を特徴とする反射スクリーンである。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、前記光学形状層(21)及び前記充填層(22)の屈折率のうち大きい方の屈折率をn1とし、前記光学形状層及び前記充填層の屈折率のうち小さい方の屈折率をn2とした場合に、0.005≦n1−n2≦0.35を満たすこと、を特徴とする反射スクリーンである。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)において、前記光学形状層(21)は、前記充填層(22)よりも屈折率が大きいこと、を特徴とする反射スクリーンである。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を説明する図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向とは、特に断りが無い場合、反射スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向、Z方向)、画面左右方向(水平方向、Y方向)であるとする。また、図1を含め、以下の図面において、XYZ直交座標系を設けており、画面左右方向をY方向(映像源側から見て右側を−Y側、左側を+Y側)とし、画面上下方向をZ方向(観察者Oから見て下側を−Z側、上側を+Z側)とし、スクリーン面に直交する方向(厚み方向)をX方向(映像源側を−X側、背面側を+X側)とする。
また、スクリーン面とは、この反射スクリーン10において、スクリーン全体として見たときにおける、その平面方向となる面(YZ面)を示すものである。反射スクリーン10のスクリーン面は、反射スクリーン10の画面(表示面)に平行である。
映像源LSは、映像光Lを反射スクリーン10へ投射する映像光投射装置である。本実施形態の映像源LSは、汎用の超短焦点型プロジェクタである。映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン10の画面を法線方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン10の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
これに対して、本実施形態の映像表示システム1は、上述のように映像源に超短焦点プロジェクタを使用しているため、上述のように映像源LSと反射スクリーン10との距離を大幅に近くすることができ、上記問題点を解消することができる。
この反射スクリーン10は、例えば、対角100インチや、120インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
反射スクリーン10は、薄く、それ単独では平面性を維持するだけの十分な剛性を有していない場合が多い。そのため、反射スクリーン10は、支持板30に一体に接合される形態とすることにより、その画面の平面性を維持している。
接合層40は、反射スクリーン10と支持板30とを一体に接合する機能を有する層である。接合層40は、粘着剤や接着剤等により形成する。
基材層11は、レンズ層12を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層11の映像源側には、表面層14が一体に形成され、背面側(裏面側)には、光制御層20が一体に形成されている。
基材層11は、拡散剤を含有する光拡散層11aと、顔料や染料等の着色剤を含有する着色層11bとを有している。本実施形態の基材層11は、光拡散層11aと着色層11bとが共押出成形されることにより、一体に積層されて形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、基材層11において、光拡散層11aが映像源側(−X側)であり、着色層11bが背面側(+X側)に位置する、すなわち、光制御層20の映像源側の面に着色層、光拡散層が順次積層されている。
光拡散層11aの母材となる樹脂は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、アクリル系樹脂等が好適に用いられる。
光拡散層11aの厚さは、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、約100〜2000μmとすることが好ましい。光拡散層11aは、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることが望ましい。
着色層11bの着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が好適に用いられる。
着色層11bの母材となる樹脂は、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
着色層11bは、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、その厚さを約430〜1350μmとすることが好ましい。
図3(a)は、レンズ層12を背面側(+X側)正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層13の図示は省略して示している。図3(b)は、図2(a)に示す断面の一部をさらに拡大して示している。図3(c)は、反射層が形成されたレンズ層の拡大斜視図を示している。なお、図3(b)及び図3(c)は、理解を容易にするために、レンズ層12の映像源側に位置する基材層11や光制御層20、表面層14は省略して示している。
本実施形態では、レンズ層12は、その背面側の面にサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を挙げて説明するが、これに限らず、単位レンズ121がスクリーン面に沿って画面上下方向等に配列されたリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ121は、背面側に凸であり、レンズ面122と、このレンズ面122と対向する非レンズ面123とを備えている。
本実施形態では、反射スクリーン10の使用状態において、単位レンズ121は、レンズ面122が頂点tを挟んで非レンズ面123よりも鉛直方向上側に位置している。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ121の配列ピッチP1、角度α,βは、単位レンズ121の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ121は、実際には、配列ピッチP1等が一定であるが、角度αが単位レンズ121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴いレンズ高さh1も変動している。本実施形態の単位レンズ121は、その配列ピッチP1が50〜200μmの範囲で形成され、レンズ高さh1が0.5〜60μmの範囲で形成され、レンズ面122の角度αが0.5〜35°の範囲で形成され、非レンズ面123の角度βが45〜90°の範囲で形成されている。
なお、これに限らず、配列ピッチP1は、単位レンズ121の配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像光Lを投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
また、レンズ層12は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層12のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。さらに、レンズ層12の基材となる支持層を設け、支持層の背面側にレンズ層12を上述の方法等により形成してもよい。このようなレンズ層12の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に光制御層20等を積層する形態としてもよい。
本実施形態の反射層13は、図2(a)や図3(b)に示すように、レンズ面122及び非レンズ面123に形成されている。具体的には、反射層13は、レンズ層12の背面側を覆い、背面側に凸となる単位レンズ121間の境界、すなわち、谷底となる点vを埋めるようにして形成されている。これにより、反射層13は、レンズ層の背面側の凹凸を略平坦にすることができ、接合層40を介して支持板30をより安定して貼付することができる。
ここで、単位レンズ121のレンズ高さh1は、上述したように、単位レンズ121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて変動するが、各単位レンズ121間の谷底となる点vにおけるレンズ層12の厚み方向の反射層13の厚みは、上述の効果をより効果的に奏するために、各単位レンズ121のレンズ高さh1に対して10〜120%の範囲内の寸法で形成されていることが好ましい。
ここで、鱗片状の金属薄膜の性質区分としては、リーフィングタイプ、ノンリーフィングタイプ、樹脂コーティングタイプ等があり、金属光沢、隠蔽性、密着性、配向性等にそれぞれ特徴があるが、本実施形態としては、金属光沢も重要であるが、密着性、配向性等考慮し樹脂コーティングタイプが好適である。
この金属薄膜13aは、鱗片状に形成されたアルミニウムであり、その厚み寸法は、15〜150nmの範囲に、より好ましくは20〜80nmの範囲に形成されている。また、金属薄膜13aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ121のレンズ高さh1と同等の寸法、すなわち、0.35〜78μmに形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さh1と同等とは、金属薄膜の縦寸法及び横寸法がレンズ高さh1に等しい場合だけでなく、レンズ高さh1に近似する場合(例えば、レンズ高さh1に対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
金属薄膜13aは、反射層としての光反射機能の確保の観点から、塗料全体の重量に対して重量比で3〜15%の範囲内で含有されるのが望ましい。
乾燥補助剤は、レンズ層に塗布された塗料の乾燥時間を所定の時間に調整する溶剤であり、いわゆる遅乾溶剤である。本実施形態では、乾燥補助剤は、レンズ層12の背面側に塗布された塗料の乾燥までの時間をおよそ1時間となるように、所定の量が塗料に含まれている。乾燥補助剤は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソブチルケトン、3−メトキシ−1−ブチルアセテートの混合溶剤を使用することができる。
制御剤は、塗料に含有される金属薄膜13aの配向を制御する溶剤である。制御剤は、塗料に含まれることによって、金属薄膜13aをレンズ面122に対して略平行に配置させることができる。制御剤は、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、アクリルオリゴマー、シリコン等を使用することができる。
仮に、反射層13の上記厚みTが8μm未満である場合、反射層13の反射率が低下してしまい、十分に映像光を反射することができなくなるおそれがあり、また、反射スクリーン10の背面側に表出する反射層13において、塗膜のある部分と無い部分とが生じてしまい、外観にムラや掠れなどが生じ、反射スクリーン10の背面側の外観を損なうおそれがあるため、好ましくない。
また、反射層13の上記厚みTが15μmよりも大きい場合、反射層13に含まれる金属薄膜13aの一部が、レンズ面に略平行に配列されず、部分的にレンズ面に対して略垂直に配列され、反射層13の背面側の外観にムラが生じてしまい、反射スクリーン10の背面側の外観を損なう恐れがあるため好ましくない。
本実施形態の表面層14は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層11の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
また、表面層14は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層14と基材層11との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層14は、基材層11とは別層であって不図示の粘着材等により基材層11に接合される形態としてもよいし、基材層11の光制御層20とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
光学形状層21は、レンズ層12の映像源側(−X側)に一体に形成された層である。この光学形状層21は、光透過性を有する樹脂により形成される。
光学形状層21は、その映像源側(−X側)の表面に、単位光学形状211と平坦部212とが交互に複数配列されて形成されている。
単位光学形状211は、図2(b)に示すように、観察者側(−X側)に凸となる柱状であり、画面上下方向(Z方向)を長手方向とし、画面左右方向(Y方向)に複数配列されている。
平坦部212は、隣り合う単位光学形状211間に設けられたスクリーン面(YZ面)に平行又は略平行な面(スクリーン面に対する傾斜が±10°以内の面)であり、画面上下方向(Z方向)に延在している。このように、単位光学形状211間に平坦部212が形成されることによって、反射スクリーン10に入射した光のうちスクリーン面に対してほぼ垂直に入射した光の一部を、大きく屈折させることなく正面(厚み方向にほぼ平行)に反射させることができ、映像の輝度を向上させるとともに、ユニフォミティ(面内均一性)を向上させることができる。
単位光学形状211は、図4に示す断面形状が、略半楕円形状に形成されており、観察者側(−X側)に突出する頂部fを境に曲面状の側面211a、211bが形成されている。この単位光学形状211に設けられる側面211a、211bは、それぞれ、隣り合う単位光学形状211の側面211b、211aに対向している。なお、この側面211a、211bと平坦部212との境界は、境界部bとなる。
単位光学形状211の背面側の画面左右方向(Y方向)における寸法はW1、平坦部212の画面左右方向における寸法はW2、単位光学形状211及び平坦部212の配列ピッチはP2(=W1+W2)である。また、単位光学形状211の高さ(厚み方向の寸法)は、h2である。
なお、本実施形態では、配列ピッチP2、寸法W1、W2、高さh2は、それぞれ一定に形成される例を示すがこれに限定されるものでなく、画面左右方向(Y方向)に位置応じて、適宜変化するように形成されるようにしてもよい。本実施形態の単位光学形状211及び平坦部212は、例えば、その配列ピッチP2が10〜100μmの範囲で形成され、寸法W1が10〜90μm、寸法W2が10〜90μm、レンズ高さh2が5〜100μmの範囲で形成されている。
また、本実施形態の光学形状層21は、充填層22よりも屈折率が大きいので、上記材料にジルコニウム(Zr)や、硫黄(S)、ハフニウム(Hf)等の粒子を含有させて、屈折率をより大きくするようにしてもよい。
この光学形状層21は、例えば、レンズ層12の観察者側(−X側)の面を、単位光学形状211を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂等を充填して押圧し、紫外線等を照射して硬化させた後に成形型から離型する紫外線成形法等により形成することができる。なお、光学形状層21の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。また、光学形状層21は、熱可塑性樹脂等を用いて形成してもよい。
充填層22は、光学形状層21の隣り合う単位光学形状211間の谷部を充填するように、平坦部212上に形成されており、単位光学形状211による凹凸形状を埋め、その映像源側(+X側)表面がスクリーン面に平行な平面状となっている。
充填層22の屈折率は、上述したように、光学形状層21の屈折率とは異なり、光学形状層21と充填層22とは、屈折率差ΔN(ΔN≠0)を有している。すなわち、光学形状層21の屈折率と充填層22の屈折率のうち、大きい方の屈折率をn1とし、小さい方の屈折率をn2とした場合に、n1>n2が成立する。
本実施形態では、光学形状層21の屈折率が、充填層22の屈折率よりも大きくなるように形成されているので、光学形状層21の屈折率がn1となり、充填層22の屈折率がn2となる。
なお、これに限らず、充填層22は、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
本実施形態では、光学形状層21が、ジルコニウムの粒子を含有したアクリレート系樹脂(屈折率n1=1.65)、充填層22が、アクリル樹脂(屈折率n2=1.48)により形成されている。
図2(a)に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層14及び基材層11を透過してレンズ層12の単位レンズ121へ入射する。
なお、映像光L1が反射スクリーン10の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面123に直接入射することはなく、非レンズ面123は、映像光L1の反射には影響しない。
スクリーン面に直交する方向(X方向)から、もしくは、スクリーン面に直交する方向に対してなす角度が小さい方向(45°以下)から入射した映像光L2、L3は、表面層14、基材層11を透過して、充填層22に入射し、充填層22と光学形状層21との界面で屈折することなく、もしくは、僅かに屈折してレンズ層12側(+X側)へ進む。
そして、映像光は、レンズ層12の背面側に設けられた反射層13により反射して映像源側(−X側)へ向かい、再び光学形状層21へ入射する。
また、反射層13で反射して再び光学形状層21へ入射した映像光のうち、側面211a、211bに入射した映像光L5は、光学形状層21と充填層22との屈折率差により、その光学形状層21と充填層22との界面となる側面211a、211bで全反射する。それから、この映像光は、単位光学形状211の頂部f近傍で屈折して充填層22に入射し、基材層11、表面層14を透過して、単位光学形状211の配列方向(画面左右方向、Y方向)に大きく広がるように拡散されて反射スクリーン10から出射する。
ここで、反射スクリーン10に入射した映像光は、反射層13により反射され反射スクリーン10から出光するまでの間において光拡散層11aを2回通過することになる。本実施形態の反射スクリーン10は、基材層11(光拡散層11a)とレンズ層12との間に光制御層20が設けられているので、映像光の1回目の光拡散層11aへの入射から2回目の光拡散層11aへの入射までの間の光路長を長くすることができ、映像光のレーザースペックル(ぎらつき)が発生してしまうのを大幅に緩和することができる。
そして、一部の外光Gは、レンズ面122で反射して、主として反射スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。また、一部の外光は、非レンズ面123へ入射するが、非レンズ面123の背面側に形成された反射層13の金属薄膜13aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射スクリーン10に入射して、着色層11bに吸収される。従って、反射スクリーン10では、外光G等による映像のコントラスト低下を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射スクリーン10によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
また、光学形状層21及び充填層22の屈折率は、以下の関係式(2)〜(4)を満たすことが望ましい。
式(3) 1.35≦n2≦1.50
式(4) 0.005≦n1−n2≦0.35
関係式(4)を満たすことによって、本実施形態の反射スクリーン10は、光学形状層21と充填層22との界面で効率よく映像光を全反射させることができ、視野角を広くすることができる。ここで、仮にn1とn2との差(n1−n2)が、0.005よりも小さいと、光学形状層21の屈折率と充填層22の屈折率との差が小さくなりすぎてしまい、光学形状層21及び充填層22間において映像光を十分に全反射させることができなくなるため望ましくない。また、n1とn2との差(n1−n2)が、0.35よりも大きいと、光学形状層21及び充填層22間において映像光をより多く全反射させることができるが、迷光が増えてしまう場合があり、映像がぼけたり、二重像の発生したりする要因となるので、望ましくない。
また、樹脂層(本実施形態では光学形状層21)の屈折率が1.60を超えると、ジルコニア等の粒子を母材となる樹脂に含有させる必要が生じることとなるが、屈折率が1.70を超えると、粒子の添加量が増えすぎてしまい、成形時に型への充填性が悪化したり、製造した樹脂層にスジが発生したり、材料のコストアップの要因となったりするので、望ましくない。
樹脂層(本実施形態では充填層22)の屈折率が1.48を下回ると、安価なアクリル系樹脂等が使用できなくなり、母材となる樹脂にフッ素や、シリコーンを添加することとなるが、屈折率が1.30を下回ると、フッ素等の添加量が増えすぎてしまい、成形時に型への充填性が悪化したり、製造した樹脂層にスジが発生したり、材料のコストアップの要因となったりするので、望ましくない。
図6は、光制御層20の他の形態の例を説明する図であり、図4に対応する図である。
単位光学形状211は、図5(a)に示すように、映像源側(−X側)の先端部に平坦面211cが設けられるようにしてもよい。
平坦面211cは、反射スクリーン10のスクリーン面(YZ面)と平行又は略平行(スクリーン面に対する傾斜が±10°以内の面)に形成された面である。このように、単位光学形状211の映像源側の先端部に平坦面211cが形成されることによって、反射スクリーン10に入射した光のうちスクリーン面に対してほぼ垂直に入射した光の一部を、大きく屈折させることなく正面(厚み方向にほぼ平行)に反射させることができ、映像の正面方向の輝度を向上させることができる。
また、単位光学形状211の先端部211dが、略円弧状ではなく、スクリーン面に平行又は略平行となる平坦面に形成されるようにしてもよい。これにより、反射スクリーン10に入射した光のうちスクリーン面に対してほぼ垂直に入射した光の一部を、大きく屈折させることなく正面(厚み方向にほぼ平行)に反射させることができ、映像の輝度を向上させることができる。
(1)本実施形態の反射スクリーン10は、単位光学形状211と平坦部212とが交互に複数配列されている光学形状層21と、単位光学形状211間の谷部を充填するように形成された充填層22とを備え、単位光学形状211が、柱状であり、反射スクリーン10の使用状態において、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に複数配列され、光学形状層21と充填層22とが、屈折率差を有している。
また、反射スクリーン10は、単位光学形状211間に平坦部212が形成されているので、スクリーン面に対してほぼ垂直に入射した光の一部を、大きく屈折させることなく正面(厚み方向にほぼ平行)に反射させることができる。単位光学形状間に平坦部が設けられてなく、単位光学形状が連続して配列されている形態に比して、本実施形態の反射スクリーン10は、映像の輝度を向上させるとともに、反射スクリーン10内に生じる迷光を抑制し、輝線が視認されてしまうのを抑制してユニフォミティ(面内均一性)を向上させることができ、映像をより鮮明に表示することができる。
(4)本実施形態の反射スクリーン10は、単位光学形状211が、映像源側の先端部に平坦面211cが形成されているので、スクリーン面に対してほぼ垂直に入射した光の一部を、大きく屈折させることなく正面(厚み方向にほぼ平行)に反射させることができ、映像の正面方向の輝度を向上させることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の実施形態では、反射スクリーン10は、光学形状層21の屈折率が、充填層22の屈折率よりも大きい例で説明したが、これに限定されるものでなく、光学形状層21の屈折率が、充填層22の屈折率よりも小さい形態としてもよい。この場合、n1>n2なので、光学形状層21の屈折率がn2となり、充填層22の屈折率がn1となる。
10 反射スクリーン
11 基材層
12 レンズ層
13 反射層
14 表面層
20 光制御層
21 光学形状層
211 単位光学形状
211a、211b 側面
211c 平坦面
212 平坦部
Claims (8)
- 映像源から投影された映像光を反射させて観察可能とする反射スクリーンであって、
光を反射する反射層と、
該反射スクリーンの厚み方向において前記反射層よりも映像源側に配置され、映像源側の面に、映像源側に凸となる単位光学形状と平坦部とが交互に複数配列されている光学形状層と、
該反射スクリーンの厚み方向において前記光学形状層の映像源側に設けられ、少なくとも前記単位光学形状間の谷部を充填するように形成された充填層とを備え、
前記単位光学形状は、柱状であり、該反射スクリーンの使用状態において、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に複数配列され、
前記光学形状層と前記充填層とは、屈折率差を有していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
隣り合う前記単位光学形状に対向する前記単位光学形状の側面は、湾曲していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位光学形状の前記側面は、隣り合う前記単位光学形状側に凸となるように湾曲していること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記単位光学形状は、映像源側の先端部が平坦に形成されていること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
隣り合う前記単位光学形状に対向する前記単位光学形状の側面の映像源側の端部と、前記側面の背面側の端部との中間を中間部とし、前記側面の前記中間部における接線と、当該反射スクリーンの厚み方向とがなす角度をθとした場合に、
1°≦θ≦30°を満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光学形状層及び前記充填層の屈折率のうち大きい方の屈折率をn1とし、前記光学形状層及び前記充填層の屈折率のうち小さい方の屈折率をn2とした場合に、
0.005≦n1−n2≦0.35を満たすこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
前記光学形状層は、前記充填層よりも屈折率が大きいこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019076032A JP2020173380A (ja) | 2019-04-12 | 2019-04-12 | 反射スクリーン、映像表示システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019076032A JP2020173380A (ja) | 2019-04-12 | 2019-04-12 | 反射スクリーン、映像表示システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020173380A true JP2020173380A (ja) | 2020-10-22 |
Family
ID=72831095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019076032A Pending JP2020173380A (ja) | 2019-04-12 | 2019-04-12 | 反射スクリーン、映像表示システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020173380A (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05216122A (ja) * | 1992-02-04 | 1993-08-27 | Toppan Printing Co Ltd | 反射型スクリーン |
JP2005202182A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | プリズムシート及び光拡散シート並びに透過型スクリーン |
JP2014186249A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Dainippon Printing Co Ltd | スクリーンユニット、マルチスクリーン、背面投射型表示装置 |
JP2016062030A (ja) * | 2014-09-19 | 2016-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
JP2016062031A (ja) * | 2014-09-19 | 2016-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
JP2016085306A (ja) * | 2014-10-24 | 2016-05-19 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、映像表示システム |
JP2018120008A (ja) * | 2017-01-23 | 2018-08-02 | 大日本印刷株式会社 | スクリーン、映像表示装置 |
-
2019
- 2019-04-12 JP JP2019076032A patent/JP2020173380A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05216122A (ja) * | 1992-02-04 | 1993-08-27 | Toppan Printing Co Ltd | 反射型スクリーン |
JP2005202182A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | プリズムシート及び光拡散シート並びに透過型スクリーン |
JP2014186249A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Dainippon Printing Co Ltd | スクリーンユニット、マルチスクリーン、背面投射型表示装置 |
JP2016062030A (ja) * | 2014-09-19 | 2016-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
JP2016062031A (ja) * | 2014-09-19 | 2016-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
JP2016085306A (ja) * | 2014-10-24 | 2016-05-19 | 大日本印刷株式会社 | 反射スクリーン、映像表示システム |
JP2018120008A (ja) * | 2017-01-23 | 2018-08-02 | 大日本印刷株式会社 | スクリーン、映像表示装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN109917613B (zh) | 反射型屏幕和影像显示系统 | |
JP5939116B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2012252226A (ja) | 反射型スクリーン、及び反射型投射システム | |
JP6398450B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2016151649A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP6747132B2 (ja) | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP7314757B2 (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP2020187311A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2020173380A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP6164000B2 (ja) | 透過型スクリーン、および、映像表示システム | |
JP2021096297A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP6638503B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2016095401A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP7201115B1 (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP6398517B2 (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP6507563B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2014199381A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP7001132B2 (ja) | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2014071344A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2016200845A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP6969107B2 (ja) | 透過型スクリーン、映像表示装置 | |
JP2022059308A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP2021096298A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP2023152546A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示装置 | |
JP2024043660A (ja) | 映像表示装置、反射型スクリーン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20221125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230404 |