JP2014186249A - スクリーンユニット、マルチスクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】背面投射型表示装置1のマルチスクリーン100に用いられるスクリーンユニット10は、フレネルレンズシート30と、出光側に設けられる拡散光学シート40とを備える透過型のスクリーン20と、スクリーン20の外周側端面に沿って設けられ、フレネルレンズシート30及び拡散光学シート40の位置を決め、かつ、スクリーン20の外周端を保持する保持部として接合部材22及び枠部材23とを備えるものとした。この拡散光学シート40は、その厚み方向において、厚さの中点M1よりも出光側に、光を拡散する第1光制御層42、第2光制御層43、光拡散層44が1つ以上偏在しているものとした。
【選択図】図1
Description
このようなスクリーンユニットを配列して形成されるマルチスクリーンでは、スクリーンユニット間のつなぎ目が目立つ場合があり、そのつなぎ目が観察者にとって視認されにくいように、枠体やテープ部材の形状や特性、枠体への取り付け部の構成等において、様々な開発が行われている。
そのため、テープ部材や枠体等が光反射性を有している場合には、スクリーン周縁部において、一部の光がテープ部材や枠体に入射して不要な方向へ反射し、各スクリーンの画面の周縁部が明るくなったり、映像が乱れたりするという問題が生じることがあった。また、テープ部材や枠体が光吸収性を有している場合は、スクリーン周縁部において、一部の光がテープ部材や枠体に入射して吸収され、スクリーン画面の周縁部が暗くなる等の問題が生じることがあった。
上述の特許文献1,2には、このようなスクリーンユニット間のつなぎ目部分の表示不良への改善策は、なんら示されていない。
請求項1の発明は、光の進む向きを偏向する偏向光学シート(30)と、前記偏向光学シートよりも出光側に設けられる拡散光学シート(40)とを備える透過型スクリーン(20)と、前記透過型スクリーンの外周側端面に沿って設けられ、前記偏向光学シート及び前記拡散光学シートの位置を決め、かつ、前記透過型スクリーンの外周端を保持する保持部(22,23)と、を備え、前記拡散光学シートは、その厚み方向において、厚さの中点(M1)よりも出光側に、光を拡散する拡散作用層(42,43,44)が1つ以上偏在していること、を特徴とするスクリーンユニット(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスクリーンユニットにおいて、前記拡散作用層(42,43,44)の1つは、光を透過する光透過部(422,432)と、前記透過型スクリーン(20)のスクリーン面に沿って前記光透過部と交互に配列され、光を吸収する光吸収部(423,433)とを備える光制御層(42,43)であり、前記光吸収部は、配列方向及び前記透過型スクリーンの厚み方向に平行な断面での断面形状が、略楔形形状であり、前記光吸収部の屈折率は、前記光透過部の屈折率よりも小さいこと、を特徴とするスクリーンユニット(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスクリーンユニットにおいて、前記拡散作用層(42,43,44)の1つは、光拡散材を含有する光拡散層(44)であること、を特徴とするスクリーンユニット(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスクリーンユニットにおいて、前記保持部(22,23)は、前記偏向光学シート及び前記拡散光学シートの位置を決める接合部材(22)と、前記接合部材よりも外周側に設けられる枠部材(23)と、を備えること、を特徴とするスクリーンユニット(10)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のスクリーンユニットにおいて、前記枠部材(23)の出光側端部は、前記透過型スクリーンの外周部によって被覆され、表出していないこと、を特徴とするスクリーンユニット(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスクリーンユニット(10)が複数連接されて形成されたマルチスクリーン(100)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のマルチスクリーン(100)と、前記マルチスクリーンを構成する各スクリーンユニット(10)の前記透過型スクリーンに対して背面側から映像光を投射する光源部(LS)と、備える背面型投射表示装置(1)である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無い。従って、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
さらにまた、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の背面投射型表示装置1及びマルチスクリーン100を説明する図である。図1(a)は、背面投射型表示装置1を説明する図であり、図1(b)は、マルチスクリーン100を観察者側正面から見た図である。
背面投射型表示装置1は、筐体K、複数の光源部LS、マルチスクリーン100を備えている。マルチスクリーン100は、複数のスクリーンユニット10が配列されて形成されている。本実施形態では、各スクリーンユニット10は、その観察面(表示面)が、1つの平面を形成するように配列されている。
この背面投射型表示装置1では、各光源部LSが、対応する各スクリーンユニット10のスクリーンの背面側へ映像光Lを投射し、各スクリーンの画面上に映像が表示され、1つのマルチスクリーン100として映像が表示される。観察者Oは、この映像を観察することができる。
筐体Kは、マルチスクリーン100を支持し、かつ、その内部に光源部LSを所定の位置に配置可能な部材である。この筐体Kは、光透過性を有しない部材により形成されることが、外光による映像のコントラストの低下を抑制する観点等から好ましい。
各光源部LSは、次第に広がっていく発散光束(拡大投影された光束)として、各スクリーンユニット10のスクリーンの背面側の面(入光面)の略全域に映像光を投射する。
このような光源部LSとしては、従来から使用されている高圧水銀ランプや、近年普及の進むLED(Light Emitting Diode)光源等を用いることができる。
図2に示すように、スクリーンユニット10は、スクリーン20、接合部材22、枠部材23等を備えている。
スクリーン20は、一方の面側から入射した映像光を他方の面側へ透過し、映像を表示する透過型スクリーンである。本実施形態のスクリーン20は、映像光の入光側に配置されるフレネルレンズシート30と、出光側(観察者側)に配置される拡散光学シート40との2枚の光学シートを備えるスクリーンであるが(後述の図3参照)、図2では理解を容易にするために、簡略化して示している。このスクリーン20の詳細は、後述する。
この接合部材22は、樹脂製の基材の片面に粘着剤層等が形成されたテープ状の部材を用いることができる。接合部材22は、透明又は半透明としてもよいし、基材が黒色等であって光吸収性を有していてもよいし、基材が白色や銀色等であって光反射性を有していてもよい。
なお、これに限らず、接合部材22は、基材の両面に粘着剤層が形成されたテープ状の部材を用いてもよい。このような部材を用いた場合には、フレネルレンズシート30及び拡散光学シート40の位置を固定し、かつ、枠部材23にスクリーン20を接合することができる。
この枠部材23には、不図示の連接部等が形成され、隣接するスクリーンユニット10を連接させ、マルチスクリーン100が形成される。
この枠部材23は、金属製又は樹脂製等であり、その厚さが薄いものであることが、スクリーンユニット10の軽量化や、スクリーンユニット10間のつなぎ目部分を見え難くする等の観点から好ましい。
ここで、スクリーン面とは、スクリーン20全体として見たときにおける、スクリーン20の平面方向となる面を示すものである。このスクリーン面は、スクリーン20の画面に平行であり、かつ、マルチスクリーン100のスクリーン面に平行であるとする。
スクリーン20は、入光側に配置されるフレネルレンズシート30と、出光側に配置される拡散光学シート40とを有している。
本実施形態のフレネルレンズシート30は、基材層31と、基材層31の出光側に形成されるレンズ層32とを有している。
基材層31は、フレネルレンズシート30の基材(ベース)となる層であり、光透過性を有している。
また、基材層31の厚みは、スクリーン20の画面サイズにもよるが、1.0〜4.0mmとすることが好ましい。厚さが1.0mm未満の場合には、十分な剛性を有しておらず、スクリーン20としての平面性の維持が困難となり、好ましくない。また、厚さが4.0mmを超える場合には、スクリーン20の重量化や生産コストの増大を招いたり、フレネルレンズシート30内で発生した迷光等による二重像が顕著に生じたりする場合があり、好ましくない。
レンズ層32は、基材層31の観察者側(出光側)に形成される層であり、その観察者側の面には、単位レンズ33が複数配列されたフレネルレンズ形状を有する。
本実施形態のフレネルレンズ形状は、単位レンズ33が、スクリーン20の画面の幾何学的中心(図4(a)に示す点A)を中心(フレネルセンター)として、同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状である。
このレンズ層32のフレネルレンズ形状は、単位レンズ33のレンズ面33aでの屈折作用により光の進行方向を偏向する、所謂、屈折型のフレネルレンズである。
また、図示しないが、レンズ層32は、単位レンズ33が画面左右方向に延在し、かつ、画面上下方向に複数配列されたリニアフレネルレンズ形状を備える形態としてもよい。
拡散光学シート40は、映像光の入光側から順に、支持層41、第1光制御層42、第2光制御層43、光拡散層44、表面機能層45等を備え、適宜、接合層46等により接合されて、一体に形成されている。各層について、以下に説明する。
この支持層41は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、ポリエステル樹脂、PC樹脂、アクロニトリル・スチレン(AS)樹脂等を押し出し成形する等により形成されたシート状や板状の部材や、ガラス板等を用いることができる。また、支持層41層の厚さは、スクリーン20の画面サイズにもよるが、約1.5〜5.0mmとすることが、十分な平面性を維持する観点から好ましい。
図6は、本実施形態の第1光制御層42及び第2光制御層43の各部の寸法等を説明する図である。図6は、それぞれ、図5(b),(d)に相当する断面の一部を拡大して示している。
ここでは、まず、第1光制御層42を説明する。
基材部421は、光透過性を有し、第1光制御層42の基材(ベース)となる層である。この基材部421は、PC樹脂や、PET樹脂、TAC樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、MS樹脂等により形成されたシート状の部材を用いることができる。
また、基材部421の厚みは、スクリーン画面の大きさ等にもよるが、75〜200μmとすることが好ましい。
光透過部422は、図5(a),(b)に示すように、画面上下方向に延在し、基材部421の出光側の面に沿って画面左右方向に複数配列されている。光透過部422は、その配列方向及びスクリーン20の厚み方向に平行な断面形状が、図5(b)及び図6に示すように、出光側を上底とし入光側を下底とする(出光側の寸法が入光側よりも小さい)略台形形状である。
本実施形態の光透過部422は、その断面形状が等脚台形形状であり、図5(b)及び図6に示すように、画面左右方向(配列方向)において対称な形状である。
また、光透過部422は、上述のような紫外線硬化形樹脂に限らず、PET樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよく、このとき、光透過部422が十分な厚みや剛性等を有するならば、前述の基材部421を設けない形態としてもよい。
この光吸収部423は、図5(a),(b)に示すように、画面上下方向に延在し、第1光制御層42の出光側の面に沿って光透過部422と画面左右方向に交互に配置されている。
光吸収部423に用いられる光透過性を有する樹脂は、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等を用いることができる。
光吸収部423に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材であり、例えば、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料等を用いることができる。また、アクリル系樹脂製や、PC樹脂製、PE樹脂製、PS樹脂製、MBS樹脂、MS樹脂等の樹脂粒子を顔料や染料で着色したもの等も用いることができる。
光吸収部423の屈折率は、光透過部422の屈折率よりも小さい。本実施形態では、光吸収部423に用いられる光透過性を有する樹脂は、光透過部422を形成する樹脂よりも屈折率が小さいものを用いている。
この角度θは、フレネルレンズシート30によりスクリーン20の正面方向に偏向され、拡散光学シート40に入射した光が、光透過部422及び光吸収部423の界面へ臨界角以上の角度で入射するように設定されている。
また、第1光制御層42では、上述のように映像光Lの一部が光透過部422と光吸収部423との界面で全反射するので、反射による損失を低減でき、かつ、光吸収部423に吸収されることがないので、映像光Lを効率よく出射側へ拡散できる。
この第2光制御層43は、光透過部432及び光吸収部433が、画面左右方向に延在し、画面上下方向に配列されている点が異なる以外は、前述の第1光制御層42と同様の形態である。即ち、前述の第1光制御層42と同様の部材を、その幾何学的中心を通り、シート面(スクリーン面)に直交する直線を軸として90°回転させた形態に相当する。
この第2光制御層43は、主に画面上下方向において光を拡散する作用を有している。
本実施形態のように第2光制御層43を出光側に第1光制御層42よりも出光側に配置する場合には、スクリーン20の観察者側上方からスクリーン20に入射する外光を、より効率よく吸収することができ、コントラストを向上させることができる。
本実施形態の光拡散層44は、光拡散材を含有するシート状の部材であり、粒子状等の光拡散材を含有する光透過性を有する樹脂により形成されている。
光拡散層44の母材となる光透過性を有する樹脂は、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等を用いることができる。
光拡散層44に用いられる光拡散材としては、プラスチックビーズ等の有機フィラーや、ガラスビーズ等の無機フィラーであり、特に、透明度の高いものが好ましい。プラスチックビーズとしては、メラミン樹脂製、アクリル樹脂製、MS樹脂、AS樹脂製、PC樹脂製等が好ましい。また、シリコン系ビーズも光拡散材として使用可能である。さらに、所望する拡散性能等に合わせて、これらの光拡散材を適宜選択し、所定の割合で組み合わせる等して用いてもよい。
本実施形態の表面機能層45は、防眩機能とハードコート機能とを有しており、その表面に微細な凹凸形状を有している。光拡散層44の出光側の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂を塗布し、成形型等により、微細な凹凸形成を転写して硬化する等して形成される。この表面機能層45の厚さは、10μm程度である。
このような表面機能層45を備えることにより、スクリーン20の表面に傷が付くことや、外光の映りこみ等を防止できる。
この接合層46は、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や、圧力により粘着性が顕在化する感圧粘着型のアクリル系樹脂等を用いることができる。
接合層46の厚さは、スクリーン20の大きさや使用環境、接合する各層の樹脂の特性、接合層46として使用する樹脂の特性等に合わせて、10〜100μmの範囲内で適宜選択できる。
このような形態とすることにより、フレネルレンズシート30によって、スクリーン20の略正面方向に偏向された映像光が、支持層41を透過し、第1光制御層42等により拡散作用を受けるのは、拡散光学シート40の厚みの中点M1よりも出光側となる。
従って、拡散された光が、スクリーン20の外周端の接合部材22や枠部材23に入射する光量が大幅に低減され、接合部材22や枠部材23に入射して、不要な方向へ反射したり、吸収されたりする映像光を大幅に低減できる。
光源部LSから投射されスクリーンユニット10のスクリーン20に入射した映像光は、フレネルレンズシート30のレンズ層32によって正面方向へ偏向され、拡散光学シート40へ入射する。
拡散光学シート40に入射した映像光は、第1光制御層42により一部が画面左右方向へ拡散され、第2光制御層43により一部が画面上下方向へ拡散される。このとき、角度θは所定の値に調整されており、正面輝度の低下や必要以上の拡散を招くことはない。そして、映像光は、光拡散層44で等方的に拡散され、表面機能層45を透過して、観察者側へ出射する。
従って、映像光を効率よく観察者側へ出射して明るい映像を表示でき、また、所望の視野角特性を実現できる。
以上のことから、本実施形態のスクリーンユニット10を備えるマルチスクリーン100及び背面投射型表示装置1とすることにより、明るく、コントラストが高い良好な映像が表示でき、かつ、十分な視野角特性を実現できる。
ここで、本実施形態の実施例に相当するスクリーンユニット及びマルチスクリーン、背面投射型表示装置と、比較例に相当するスクリーンユニット及びマルチスクリーン、背面投射型表示装置を用意し、その映像の見え等を評価した。
・スクリーン20:厚さ約5.5mm。
・接合部材22:PET樹脂製基材の片面に粘着剤層あり。
・枠部材23:黒塗装の鉄製。
・フレネルレンズシート:厚さ約2.0mm。
基材層31:MS樹脂製、厚さ1.8mm。
レンズ層32:紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂製。
支持層41:MS樹脂製、厚さ2.0mm。
第1光制御層42及び第2光制御層43:
基材部421,431:PET樹脂製、厚さ188μm。
光透過部422,432:紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂製。厚みD2=200μm、配列ピッチP2=70μm、角度θ=9°。
光吸収部423,433:光吸収材としてカーボンブラックを含有する樹脂ビーズ(平均粒径約6μm)を含有する紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂製、高さH2=150μm。
光拡散層44:光拡散材として屈折率1.52のMS樹脂製球形ビーズ(平均粒径約10μm)を含有する屈折率1.55のMS樹脂製。厚さ400μm。
表面機能層45:紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂製、厚さ約10μm。
接合層46:紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂製、厚さ約90μm。
比較例のスクリーンユニット10Bは、スクリーン20B、接合部材22、枠部材23を備えている。比較例のスクリーン20Bは、フレネルレンズシート30と、拡散光学シート40Bとを有している。比較例の拡散光学シート40Bは、その入光側から順に、第1光制御層42、第2光制御層43、光拡散層44B、表面機能層45等を備え、適宜接合層46により一体に積層されている。比較例のフレネルレンズシート30、及び、比較例の拡散光学シート40Bの第1光制御層42、第2光制御層43、表面機能層45、接合層46は、前述の実施例と同様である。
また、比較例のスクリーン20Bの厚さは、実施例のスクリーン20の厚さと略同等である。
比較例の拡散光学シート40Bでは、その厚さの中点M2よりも出光側に光拡散層44Bが位置しているが、入光側にも拡散作用を有する層(第1光制御層42、第2光制御層43)が位置している。
図8は、実施例及び比較例のスクリーンユニットにおける光の様子を模式的に示す図である。図8では、画面上下方向及び厚さ方向に平行な断面の一部を拡大して示している。なお、理解を容易にするために、各スクリーンの層構成は簡略化し、拡散作用を有する領域に関しては、ドットを付して示している。図8(a)は、実施例のスクリーンユニット10、図8(b)は、比較例のスクリーンユニット10Bを示している。
これは、図8(b)に示すように、比較例のスクリーン20Bでは、拡散作用を有する層である第1光制御層42、第2光制御層43が、拡散光学シート40Bの厚さの中点M2よりも入光側(光源側)に位置している。そのため、入光側に位置する第1光制御層42等で拡散された映像光が、スクリーン間(スクリーンユニット間)のつなぎ目に入射して、吸収されたり、反射されたりすることにより生じるものである。
実施例のスクリーンユニット10では、図8(a)や図3等に示すように、拡散光学シート40内での拡散作用を有する層が、拡散光学シート40の厚さの中点M1よりも出光側に偏在している。そのため、フレネルレンズシート30で略スクリーン面の正面方向へ偏向された映像光は、スクリーン20の出光側まで略正面方向へ進み、スクリーン20の出光側に位置する第1光制御層42等で拡散されて出射する。これにより、拡散作用を受けて、スクリーン間のつなぎ目部分へ入射する映像光が大幅に低減される。
従って、実施例のスクリーンユニット10及びこれを備えるマルチスクリーン100、背面投射型表示装置1では、つなぎ目が目立ちにくく、良好な映像を表示することができる。
図9は、別の実施形態のフレネルレンズシート30を説明する図である。図9(a)は、フレネルレンズシート30を入光面側から見た図であり、図9(b)は、単位レンズ35の配列方向及びスクリーンの法線方向に平行な断面の一部を拡大して示した図である。
スクリーン20は、図9に示すような、別の実施形態のフレネルレンズシート30を備えていてもよい。
別の実施形態のフレネルレンズシート30は、レンズ層34が、基材層31の入光側に形成されている。このレンズ層34は、その入光面側に単位レンズ35が複数配列されて形成されたフレネルレンズ形状を有している。
本実施形態の単位レンズ35は、図9(a)に示すように、点F2を中心として同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を形成している。この点F2は、スクリーンの表示領域の下方に位置している。また、点F2は、光源部LSからスクリーン面に平行な面に降ろした垂線上に位置している。
なお、これに限らず、単位レンズ35は、画面左右方向に延在し、画面上下方向に複数配列されたリニアフレネルレンズ形状としてもよい。
また、本実施形態によれば、全反射型の単位レンズ35を有するフレネルレンズ形状を備えるので、前述の実施形態のような屈折型のフレネルレンズシート30を備える場合よりも、映像光のスクリーン20への入射角度を大きくすることができ、背面投射型表示装置1の奥行き方向におけるスクリーンユニット10と光源部LSとの距離短くすることができ、背面投射型表示装置1の薄型化を図ることができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、スクリーン20は、フレネルレンズシート30と、拡散光学シート40とを備える2枚もののスクリーンである例を示したが、これに限らず、例えば1枚もののスクリーンとしてもよいし、3枚以上の光学シート備える形態としてもよい。
図10は、変形形態のスクリーン50の層構成を説明する図である。図10は、図3と同様の断面の一部を拡大して示している。
変形形態のスクリーン50は、図10に示すように、入光側から順に、フレネルレンズ層54、支持層41、第1光制御層42、第2光制御層43、光拡散層44、表面機能層45等を備え、接合層46により一体に積層されている。このスクリーン50は、前述スクリーンユニット10、マルチスクリーン100、背面投射型表示装置1に用いられる。
基材層51は、光透過性を有するシート状の部材であり、レンズ層52を形成するベース(基材)となる層である。この基材層51は、前述の基材層31と同様の部材を用いることができる。
また、スクリーン50が、上述のようなフレネルレンズ層54を備えるので、背面投射型表示装置1の薄型化を図ることができる。
さらに、スクリーン50は、1枚ものであるので、スクリーン50及びスクリーンユニット10の薄型化を実現できる。
また、実施形態において、光拡散層44は、光を等方的に拡散する例を挙げて説明したが、これに限らず、使用環境等に応じて、画面左右方向への拡散作用と画面上下方向への拡散作用との大きさが異なる異方性を有するものとしてもよい。
図11は、変形形態のマルチスクリーン100を示す図である。
このような形状とすることにより、マルチスクリーン100の利便性や意匠性を高め、観察者Oに対して、用途や環境に適した画像表示を行うことができる。
また、第1光制御層42及び第2光制御層43は、略同様の形態であって、光透過部及び光吸収部の配列方向が異なる形態である例を示したが、これに限らず、例えば、所望する光学特性等に応じて、第1光制御層42と第2光制御層43とで、光透過部及び光吸収部の形状(配列ピッチP1、角度θ等)や材料、屈折率差等が異なっている形態としてもよい。
また、角度θは、光透過部422,432及び光吸収部423,433の配列方向において、次第に又は段階的に変化する形態としてもよい。
さらに、光吸収部423,433は、厚み方向において、その上底を光源側(入光側)、下底を観察者側(出光側)とする例を記載したが、これに限らず、例えば、上底を観察者側、下底を光源側とする形態としてもよい。
100 マルチスクリーン
10 スクリーンユニット
20 スクリーン
30 フレネルレンズシート
40 拡散光学シート
21 凹部
22 接合部
23 枠部材
LS 光源部
K 筐体
Claims (7)
- 光の進む向きを偏向する偏向光学シートと、前記偏向光学シートよりも出光側に設けられる拡散光学シートとを備える透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンの外周側端面に沿って設けられ、前記偏向光学シート及び前記拡散光学シートの位置を決め、かつ、前記透過型スクリーンの外周端を保持する保持部と、
を備え、
前記拡散光学シートは、その厚み方向において、厚さの中点よりも出光側に、光を拡散する拡散作用層が1つ以上偏在していること、
を特徴とするスクリーンユニット。 - 請求項1に記載のスクリーンユニットにおいて、
前記拡散作用層の1つは、光を透過する光透過部と、前記透過型スクリーンのスクリーン面に沿って光透過部と交互に配列され、光を吸収する光吸収部とを備える光制御層であり、
前記光吸収部は、配列方向及び前記透過型スクリーンの厚み方向に平行な断面での断面形状が、略楔形形状であり、
前記光吸収部の屈折率は、前記光透過部の屈折率よりも小さいこと、
を特徴とするスクリーンユニット。 - 請求項1又は請求項2に記載のスクリーンユニットにおいて、
前記拡散作用層の1つは、光拡散材を含有する光拡散層であること、
を特徴とするスクリーンユニット。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスクリーンユニットにおいて、
前記保持部は、
前記偏向光学シート及び前記拡散光学シートの位置を決める接合部材と、
前記接合部材よりも外周側に設けられる枠部材と、
を備えること、
を特徴とするスクリーンユニット。 - 請求項4に記載のスクリーンユニットにおいて、
前記枠部材の出光側端部は、前記透過型スクリーンの外周部によって被覆され、表出していないこと、
を特徴とするスクリーンユニット。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスクリーンユニットが複数連接されて形成されたマルチスクリーン。
- 請求項6に記載のマルチスクリーンと、
前記マルチスクリーンを構成する各スクリーンユニットの前記透過型スクリーンに対して背面側から映像光を投射する光源部と、
備える背面型投射表示装置。
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