JP6028829B1 - 反射型スクリーン、映像表示システム - Google Patents
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Abstract
Description
短焦点型の映像投射装置は、反射型スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度となる映像光を投射し、映像投射装置と反射型スクリーンとの奥行き方向の距離を短くすることができるので、反射型スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与できる。
映像投射装置は、機種等によって、反射型スクリーンに対する最適な位置や投射距離等が異なる。特に、短焦点型の映像投射装置は、投射距離が短いために、わずかな差でも映像表示に大きな影響が生じる。そのため、上述のような反射型スクリーンにおいて、レンズ角は、従来、個々の映像投射装置に応じた設計が必要であった。仮に、映像表示システムにおいて映像投射装置のみを変更した場合、画面の周縁部分が暗くなる等の輝度ムラが生じてユニフォミティ(画面全体での明るさや色再現の均一性)の低下が生じ、画質が低下する場合があるという問題があった。
上述の特許文献1,2には、上述のような異なる複数の映像投射装置への対応性の高さやユニフォミティの向上に関しては、一切開示されていない。
請求項1の発明は、映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、レンズ面(112)と非レンズ面(113)とを有し背面側に凸となる単位レンズ(111)が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(11)と、少なくとも前記レンズ面の一部に形成され、光を反射する反射層(12)と、を備え、前記同心円の中心(C)は、スクリーン面の法線方向から見て、該反射型スクリーンの表示領域の領域外に位置し、前記レンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度α(°)は、そのレンズ面の前記同心円の中心からの半径をr(mm)とするとき、前記表示領域の全域において、−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088−5<α<−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088+5という式を満たし、半径rが大きくなるにつれて大きくなり、その変化は上に凸となる曲線に近似され、前記角度αは、α=−3.20779089934252×10 −12 ×r 4 +1.70966116372389×10 −8 ×r 3 −3.57230633930145×10 −5 ×r 2 +0.0422019282210293×r−0.544381670028088+d ただし、−5<d<5 という式で近似されること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位レンズ(111)の屈折率は、1.45以上、1.65以下であること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記反射型スクリーンの画面は、略矩形状であり、対角100インチであり、横縦比が16:9であること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、スクリーン面の法線方向から見たとき、前記同心円の中心(C)と前記表示領域の幾何学的中心(A)との距離(S1)は、675mm以上、695mm以下であること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位レンズ(111)の配列ピッチは、50μm以上、1000μm以下であること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン(10)と、前記反射型スクリーンへ映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の映像表示システムにおいて、前記反射型スクリーン(10)のスクリーン面の法線方向から見て、前記映像源(LS)は、前記反射型スクリーンの表示領域の領域外に位置し、前記同心円の中心(C)及び前記表示領域の幾何学的中心(A)を通り前記単位レンズ(111)の配列方向に平行な直線上であって、前記表示領域に対して前記同心円の中心と同じ側に位置すること、を特徴とする映像表示システム(1)である。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、特に断りがない場合、その厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の映像表示システム1を示す図である。図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1を側面から見た様子を示している。
映像表示システム1は、反射型スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態では、反射型スクリーン10が映像源LSから投影された映像光Lを反射して、その画面上に映像を表示する。この映像表示システム1は、例えば、フロントプロジェクションテレビシステム等として使用できる。
この映像源LSは、使用状態において、反射型スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射型スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射型スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側に位置している。
映像源LSは、画面に直交する方向において、反射型スクリーン10の表面からの距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投影できる。従って、映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射型スクリーン10までの投射距離が短く、反射型スクリーン10に対する映像光の入射角度が大きい。
なお、スクリーン面とは、この反射型スクリーン10全体として見たときにおける、反射型スクリーン10の平面方向となる面を示すものであり、反射型スクリーン10の画面に平行であるとする。
反射型スクリーンは、その画面サイズが対角80〜100インチ程度の大きな画面を有している。本実施形態の反射型スクリーン10は、画面(表示領域)のサイズが対角100インチ(2214×1245mm)であり、画面の横縦比が16:9である。
以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。また、画面右側、画面左側とは、特に断りがない場合、この反射型スクリーン10の正面方向に位置する観察者Oから見て、画面左右方向における右側、左側であるとする。
支持板50は、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、アルミニウム等の金属製、木製等の板状の部材を用いることができる。支持板50は、外観性の向上等の観点から、光透過性を有しないことが好ましいが、光透過性を有していてもよい。本実施形態の映像表示システム1では、支持板50が所定の固定部材により壁面に取り付けられている。固定部材は、適宜選択して使用できる。
なお、これに限らず、反射型スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
反射型スクリーン10は、図2に示すように、その映像源LS側(観察者側)から順に、表面層14、基材層13、レンズ層11、反射層12等を備えている。
基材層13は、光拡散層131と、着色層132とを有し、これらが一体に積層されている。本実施形態では、基材層13は、図2に示すように、光拡散層131が背面側に位置し、着色層132が観察者側(映像源側)に位置する例を示したが、これに限らず、光拡散層131が観察者側に位置し、着色層132が背面側に位置する形態としてもよい。
光拡散層131の母材となる樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等が挙げられる。
光拡散層131は、反射型スクリーン10の画面サイズや所望する光学性能にもよるが、その厚さが約100〜2000μmであり、そのヘイズ値が、85〜99%の範囲であることがすることが、像ぼけを抑制し、かつ、十分な明るさの面内均一性を得る観点から好ましい。
着色層132の母材となる樹脂としては、PET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等が挙げられる。また、着色材としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が挙げられる。
基材層13は、光拡散層131と着色層132とを共押し出しすることにより、これらの層を一体に積層して形成できる。
レンズ層11は、基材層13の背面側に設けられた光透過性を有する樹脂製の層である。レンズ層11は、その背面側(基材層13とは反対側)の面に、図3(a)に示すように、反射型スクリーン10の画面外に位置する点Cを中心として単位レンズ111が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有している。すなわち、レンズ層11のサーキュラーフレネルレンズ形状は、その点Cを中心(フレネルセンター)とする、所謂オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状である。そのため、図3(a)に示すように、レンズ層11をスクリーン面の法線方向背面側から見たときに、真円の一部形状(円弧状)の単位レンズ111が複数配列されているように観察される。
この単位レンズ111は、背面側に凸であり、レンズ面112と、レンズ面112と頂点tを挟んで対向する非レンズ面113とを備えている。反射型スクリーン10の使用状態において、単位レンズ111では、レンズ面112が頂点tを挟んで非レンズ面113よりも鉛直方向上側に位置している。
また、単位レンズ111の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ111のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ111間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
なお、配列ピッチPは、単位レンズ111の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよく、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射型スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射型スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
本実施形態の単位レンズ111(レンズ層11)は、その屈折率が1.45〜1.65である。
さらに、レンズ層11は、熱可塑性樹脂を用いてもよく、レンズ層11のフレネルレンズ形状に応じて、プレス成形法等により形成してもよい。このようなレンズ層11の場合には、不図示の接合層等を介して、その映像源側に基材層13(光拡散層131)等を積層する形態としてもよい。また、押出成形法が可能な場合には、レンズ層11と基材層13とを一体に積層した状態で成形してもよい。
本実施形態の反射層12は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面112及び非レンズ面113に形成されている。具体的には、反射層12は、レンズ層11の背面側を覆い、背面側に凸となる単位レンズ111間の境界、すなわち、谷底となる点vを埋めるようにして形成されている。これにより、反射層12は、レンズ層11の背面側の凹凸を略平坦にすることができ、不図示の接合層を介して支持板50をより安定して貼付することができる。
反射層12は、鱗片状の金属薄膜12aの厚み方向に垂直な面がレンズ面112に対して略平行に配置されており、レンズ面112に入射した映像光Lを観察者側へと適正に反射させることができる。
ここで、略平行とは、金属薄膜12aの厚み方向に垂直な面が、レンズ面112に対して完全に平行な場合だけでなく、レンズ面112に対する傾きが−10°〜+10°の範囲にある場合をも含むものをいう。また、鱗片状の金属薄膜12aとは、その厚み方向から見た形状(外形形状)が鱗片状であることをいい、この鱗片状とは、鱗状の形状だけでなく、楕円状や、円状、多角形状、薄膜を粉砕して得られる不定形な形状等を含むものをいう。
反射層12は、入射した映像光を効率よく反射させるために、正反射率Rtが50%<Rt<70%であり、拡散反射率Rdが10%<Rd<50%であることが望ましい。
また、金属薄膜12aは、厚み方向に直交する縦方向及び横方向における寸法(以下、縦寸法、横寸法という)の平均値が、単位レンズ111のレンズ高さhと同等の寸法、すなわち、4.4〜48.3μmに形成されているのが好ましい。ここで、レンズ高さhと同等とは、金属薄膜12aの縦寸法及び横寸法がレンズ高さhに等しい場合だけでなく、レンズ高さhに近似する場合(例えば、レンズ高さhに対して−30%〜+30%の寸法範囲)も含むものをいう。
仮に、反射層12の上記厚みが8μm未満である場合、反射層12の反射率が低下してしまい、十分に映像光を反射することができなくなるおそれがある。また、反射層12の上記厚みが8μm未満である場合、反射型スクリーン10の背面側に表出する反射層12において、塗膜のある部分と無い部分とが生じてしまい、外観にムラや掠れ等が生じ、反射型スクリーン10の背面側の外観を損なうおそれがある。
また、反射層12の上記厚みが15μmよりも大きい場合、反射層12に含まれる金属薄膜12aの一部が、レンズ面112に略平行に配列されず、部分的にレンズ面112に対して略垂直に配列され、反射層12の背面側の外観にムラが生じてしまい、反射型スクリーン10の背面側の外観を損なうおそれがある。従って、反射層12の厚みは、上記範囲とすることが好ましい。
本実施形態の表面層14は、ハードコート機能及び防眩機能を有しており、基材層13の映像源側の表面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)等の電離放射線硬化型樹脂を塗膜の膜厚約10〜100μmとなるように塗布し、微細な凹凸形状(マット形状)をその樹脂膜表面に転写する等して硬化させ、表面に微細凹凸形状が賦形されて形成されている。
また、表面層14は、反射防止機能や紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を有する層を、表面層14と基材層13との間に、さらに別層として設けてもよい。
さらに、表面層14は、基材層13とは別層であって不図示の粘着材等により基材層13に接合される形態としてもよいし、基材層13のレンズ層11とは反対側(映像源側)の面に直接形成してもよい。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射型スクリーン10の下方から入射し、表面層14及び基材層13を透過してレンズ層11の単位レンズ111へ入射する。
なお、映像光L1が反射型スクリーン10の下方から投射され、かつ、角度β(図3(b)参照)が反射型スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面113に直接入射することはなく、非レンズ面113は、映像光L1の反射には影響しない。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面113へ入射するが、非レンズ面113の背面側に形成された反射層12の金属薄膜12aの端部で拡散され、観察者O側に届いたとしてもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。また、一部の外光G2は、レンズ面112で反射して、主として反射型スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光L1に比べて大幅に少ない。さらに、一部の外光は、反射型スクリーン10に入射して、着色層132に吸収される。従って、反射型スクリーン10では、外光G1,G2等による映像のコントラスト低下を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態の反射型スクリーン10によれば、明室環境下であっても、コントラストが高く明るく良好な映像を表示できる。
図4(a)に示すように、反射型スクリーン10をスクリーン面の法線方向から観察した場合に、映像源LSの映像光の投射口が位置する点Bと、この反射型スクリーン10の画面の幾何学的中心となる点Aと、レンズ層11のサーキュラーフレネルレンズ形状のフレネルセンターとなる点Cとは、画面上下方向に延びる直線T上に位置しているように見える。
画面上下方向における点Aと点Cとの間の距離(すなわち、直線T上における点A1と点C1との間の距離)を寸法S1、画面上下方向における点Aと点Bとの距離(すなわち、直線T上における点A1と点B1との間の距離)を寸法S2とする。
このとき、寸法S1と寸法S2とは、S1<S2という関係を満たしている。
本実施形態の反射型スクリーン10の集光点Fは、図4に示す直線Hの映像源側(観察者側)であって反射型スクリーン10の映像源側表面から3mの位置にある。
短焦点型の映像源を用いる場合、映像光の投射角度(反射型スクリーンへの映像光の入射角度)が大きく、また、反射型スクリーン上の各位置での映像光の入射角度が大きく変化している。従って、反射型スクリーンの各位置(点Cからの距離に相当する半径r)によって、その好ましいレンズ角αが異なる。
また、個々の映像源に対してそれぞれ最適となる反射型スクリーンを設計することは、映像表示システム及び反射型スクリーンの生産コストの増加につながる。
−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088−5<α<−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088+5 ・・・(式1)
また、この式1を満たす反射型スクリーン10とすることにより、ユニフォミティが高く、コントラストが高く明るく良好な映像を表示でき、異なる複数の短焦点型の映像源にも対応可能な反射型スクリーン10及び映像表示システム1とすることができる。
図5は、実施例の反射型スクリーン10における角度αを示すグラフである。図5において、縦軸はレンズ角α(°)、横軸は点Cからの半径r(mm)を示している。
図5において、一点鎖線で示す曲線は、以下に示す式3を示し、破線は、以下に示す式4を示している。式3は、前述の式1の上限を示し、式4は、式1の下限を示している。
α=−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088+5 ・・・(式3)
α=−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088−5 ・・・(式4)
α=−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088 ・・・(式2)
この式2は、図5において実線で示される。実施例の反射型スクリーン10は、その画面の全域において、前述の式1を満たしている。
また、この実施例の反射型スクリーン10において、単位レンズ111の屈折率は1.55、単位レンズ111の配列ピッチP=100μmである。
表面層14は、紫外線硬化型樹脂製であり、厚さ30μmであり、その映像源側表面に微細な凹凸形状を有している。
基材層13の着色層132は、厚さ1500μmであり、着色材として黒色染料を含有するアクリル樹脂製である。この着色層132の透過率は59%である。
基材層13の光拡散層131は、厚さ150μmであり、平均粒径約8μmの拡散材を含有するアクリル樹脂製である。この光拡散層131のヘイズ値は、85%である。
反射層12は、鱗片状のアルミニウムを含有するウレタン系熱硬化樹脂製であり、レンズ面及び非レンズ面に形成されている。反射層12の膜厚は、約10〜20μmである。この反射層12の正反射率Rt=57%である。
実施例の反射型スクリーン10を暗室環境下において、それぞれ4種の短焦点型の映像源LSから映像光(白色光)を投射した。
観察者Oは、実施例の反射型スクリーン10の画面の幾何学的中心となる点Aを通りスクリーン面に垂直な直線H上であって反射型スクリーン10の表面から映像源側(観察者側)にd1=3m離れた点(集光点F)から反射型スクリーン10の画面を観察し、その映像を評価した。
評価例1の映像源では、寸法S3=143mm、寸法S4=370mmである。
評価例2の映像源では、寸法S3=110mm、寸法S4=370mmである。
評価例3の映像源では、寸法S3=314mm、寸法S4=263mmである。
評価例4の映像源では、寸法S3=420mm、寸法S4=386mmである。
評価例5の映像源では、寸法S3=126mm、寸法S4=311mmである。
各映像源は、反射型スクリーン10に対して上記のような位置に配置され、反射型スクリーン10の画面(表示領域)に対して、その画面に表示される映像が対角97〜100インチ(横縦比16:9)となるように映像光を投射し、その輝度ムラを評価した。
従って、本実施形態によれば、異なる短焦点型の映像源に対応でき、ユニフォミティの良好な反射型スクリーン10及び映像表示システム1とすることができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、反射層12は、単位レンズ111のレンズ面112及び非レンズ面113を覆うようにして形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、反射層12は、レンズ面112の映像光の反射に寄与する部分にのみ設けるようにしてもよい。この場合、レンズ面112及び非レンズ面113の一部には、反射層12が形成されなくなるため、反射層22の背面側を隠蔽する隠蔽層(保護層)を設ける必要がある。
また、単位レンズ111のレンズ面112及び非レンズ面113は、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
さらに、単位レンズ111は、例えば、断面形状が略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面とが、スクリーン面に平行な頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。このとき、頂面に反射層を形成してもよいし、隠蔽層(保護層)によって頂面が被覆される形態としてもよい。
また、基材層13は、着色層132と光拡散層131とを備え、着色層132が着色剤に加えてさらに光拡散材を含有する形態としてもよい。
さらに、光拡散層131と着色層132とが別々に成形され、粘着剤等で接合して基材層13としてもよい。
また、反射型スクリーン10は、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射型スクリーン10の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる層等で被覆する形態としてもよい。
10 反射型スクリーン
11 レンズ層
111 単位レンズ
112 レンズ面
113 非レンズ面
12 反射層
13 基材層
14 表面層
LS 映像源
Claims (7)
- 映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、
レンズ面と非レンズ面とを有し背面側に凸となる単位レンズが同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層と、
少なくとも前記レンズ面の一部に形成され、光を反射する反射層と、
を備え、
前記同心円の中心は、スクリーン面の法線方向から見て、該反射型スクリーンの表示領域の領域外に位置し、
前記レンズ面がスクリーン面に平行な面となす角度α(°)は、
そのレンズ面の前記同心円の中心からの半径をr(mm)とするとき、前記表示領域の全域において、
−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088−5<α<−3.20779089934252×10−12×r4+1.70966116372389×10−8×r3−3.57230633930145×10−5×r2+0.0422019282210293×r−0.544381670028088+5
という式を満たし、
半径rが大きくなるにつれて大きくなり、その変化は上に凸となる曲線に近似され、
前記角度αは、
α=−3.20779089934252×10 −12 ×r 4 +1.70966116372389×10 −8 ×r 3 −3.57230633930145×10 −5 ×r 2 +0.0422019282210293×r−0.544381670028088+d
ただし、−5<d<5
という式で近似されること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位レンズの屈折率は、1.45以上、1.65以下であること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記反射型スクリーンの画面は、略矩形状であり、対角100インチであり、横縦比が16:9であること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、
スクリーン面の法線方向から見たとき、前記同心円の中心と前記表示領域の幾何学的中心との距離は、675mm以上、695mm以下であること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位レンズの配列ピッチは、50μm以上、1000μm以下であること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、
前記反射型スクリーンへ映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示システム。 - 請求項6に記載の映像表示システムにおいて、
前記反射型スクリーンのスクリーン面の法線方向から見て、前記映像源は、
前記反射型スクリーンの表示領域の領域外に位置し、
前記同心円の中心及び前記表示領域の幾何学的中心を通り前記単位レンズの配列方向に平行な直線上であって、前記表示領域に対して前記同心円の中心と同じ側に位置すること、
を特徴とする映像表示システム。
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