JP2010139639A - 反射型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンを提供する。
【解決手段】反射型スクリーン1は、スクリーン基板10の基準面10aに複数の反射部12を有し、基準面10aと重なる領域外に配置された投射装置11から、基準面10aに向けて斜めに射出された投射光11aを、観察者側に反射する。複数の反射部12は、所定の幅を有する円弧状の反射面12aを複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有する。投射装置11からの投射光11aを所定の位置Peに向かって反射させるように、基準面10aとそれぞれの反射面12aとのなす角度α’が、フレネルレンズ形状の光学的中心CLとそれぞれの反射部12の中心との間の距離Rに対応して調整される。
【選択図】図3

Description

本発明は、反射型スクリーンに関するものである。
従来、投射画像を反射させて観察可能にする反射型スクリーンが知られている。このような反射型スクリーンとしては、一般にスクリーン基板の前面側に所定の幅を有する円弧状の反射面を複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有する反射面を設けたものがある。例えば、特許文献1〜4では、このフレネルレンズ形状を有する反射面を用いることにより、投射装置からの投射光を互いに平行に一定の方向に反射させる技術が開示されている。
特開2004−177427号公報 特開2005−134448号公報 特開2007−199529号公報 特許第3892863号明細書
図6は、従来技術(特許文献2)における反射型スクリーンの斜視図である。反射型スクリーン1000のスクリーン基板1010の観察面1101は、所定の幅を有する円弧状の反射面1101aを多数同心円状に配列してなるフレネルレンズ形状を有している。そして、それぞれの反射面1101aが、投射装置1011からの投射光1011aを互いに平行になるように反射型スクリーン1000の観察面1101と垂直な方向に反射させている。
しかしながら、上述したように投射装置からの投射光が反射型スクリーンの前面の鉛直方向に反射されると、スクリーンの観察者の視点に対応する位置が、反射光の強度分布のピークとなり、反射光が最も明るくなる。一方、スクリーンの観察者の視点に対応する位置から離れるにつれ、反射光の強度分布のピークからずれ、反射光が次第に暗くなり、スクリーンの最外周部で最も暗くなる。したがって、観察者が見るスクリーンの位置によって反射光の明暗のバラツキが生じてしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の反射型スクリーンは、スクリーン基板の基準面に複数の反射部を有し、前記基準面と重なる領域外に配置された投射装置から、前記基準面に向けて斜めに射出された投射光を、観察者側に反射する反射型スクリーンであって、前記複数の反射部は、所定の幅を有する円弧状の反射面を複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有してなり、前記投射装置からの前記投射光を所定の位置に向かって反射させるように、前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度が、前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離に対応して調整されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記所定の位置に観察者が眼をおくことによって、スクリーンのどの位置から反射された光も観察者の眼に集中するように反射される。これにより、従来技術のようにスクリーンの観察者の視点に対応する位置が最も明るくなり、スクリーンの観察者の視点から離れるにつれ暗くなることがない。つまり、観察者が見るスクリーンの位置によって反射光の明暗のバラツキが生じてしまうことがない。その結果、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
本発明においては、前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離をR、前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離をd、前記基準面と前記投射装置との間の距離をF、前記基準面と前記所定の位置との間の距離をL、とすると、前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度α’が、下記の式(1)を満たすことが望ましい。
α’=[arctan{(R+d)/F}+arctan(R/L)]/2 ……(1)
本願発明者は、投射装置からの投射光を観察者の眼に向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’は、フレネル中心軸からの高さをRと、フレネル中心軸から射出口までの距離dと、基準面から射出口までの距離Fと、基準面から観察者までの距離Lと、の関係で表すと、上記の式(1)となることを見出した。この構成によれば、従来では、それぞれの反射面が投射装置からの投射光を互いに平行になるように反射型スクリーンの観察面と垂直な方向に反射させていたのに対して、本発明では、投射装置からの投射光が観察者の眼に反射されるように補正されることになる。言い換えると、式(1)が投射装置からの投射光が観察者の眼に反射される条件ということになる。これにより、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
本発明においては、前記フレネルレンズ形状の光学的中心が、前記基準面と重なる領域外に設定されていることが望ましい。
この構成によれば、投射装置から基準面に向けて斜めに斜出された投射光が、観察者の眼に反射されるように適合したものとなる。その結果、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
本発明においては、前記反射面上には、反射層が形成されており、前記反射層を覆って、拡散層、散乱層、の少なくとも一つが形成されていることが望ましい。
この構成によれば、スクリーンから反射する光に散乱性を付与することができる。これにより、投射装置をある位置に設置した場合、散乱性を有する反射光の強度分布がスクリーンの表面上の位置に依存することのない反射型スクリーンが提供できる。また、光の散乱が不十分なために起こる投射画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を確実に防止することができる。
本発明においては、前記反射部のうちの前記反射面以外の面が、反射防止性を有していることが望ましい。
この構成によれば、反射部によって周囲からの外光を選択的に吸収できるので、投射装置からの投射光は吸収されずに反射される。したがって、投射装置からの投射光は変化することなく、外光による迷光(コントラスト低下の要因)を減少させることができ、その結果コントラストを向上させることができる。
本発明においては、前記反射面以外の面上には光吸収層が形成され、前記光吸収層を覆って非反射性膜が形成されていることが望ましい。
この構成によれば、反射部によって周囲からの外光を選択的に吸収できるので、投射装置からの投射光は吸収されずに反射される。したがって、投射装置からの投射光は変化することなく、外光による迷光(コントラスト低下の要因)を減少させることができ、その結果コントラストを向上させることができる。
本発明においては、前記基準面と前記所定の位置との間の距離が2500〜4000mmの範囲内となっていることが望ましい。
この構成によれば、スクリーンから観察者までの距離が適度に離れるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、基準面から観察者までの距離が2500mm未満となると、距離が近すぎてしまい、観察者が投射映像を好適に見ることができない場合がある。また、基準面から観察者までの距離が4000mmを超えると、距離が離れすぎてしまい、観察者が投射映像を好適に見ることができない場合がある。
本発明においては、前記基準面と前記投射装置との間の距離が400〜600mmの範囲内となっていることが望ましい。
この構成によれば、スクリーンに近い位置から投射光を小さい入射角度(基準面と投射装置からの投射光とのなす角度)でスクリーンに入射させることで、観察者が投射映像を鑑賞する際に投射装置が邪魔にならない。また、良好な投射映像を鑑賞できるコンパクトで実用性に優れた反射型スクリーンが提供できる。一方、基準面から射出口までの距離が400mm未満となると、入射角度が小さくなり過ぎてしまい投射系の設計をすることが困難になる。また、基準面から射出口までの距離が600mmを超えると、スクリーンと投射装置との間のスペースが広くなってしまう。よって、このスペース内を人が横切ったり何らかの障害物が存在したりすると画面にそれらの影が映り、投射映像が損なわれる場合がある。
本発明においては、前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離が100〜200mmの範囲内となっていることが望ましい。
この構成によれば、フレネル中心軸から射出口までの距離が適度に離れるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、フレネル中心軸から射出口までの距離が100mm未満となると、スクリーンの高さが低くなってしまい、観察者が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、フレネル中心軸から射出口までの距離が200mmを超えると、スクリーンの高さが高くなってしまい、観察者が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。このようなケースは、特に投射装置を床に置いた場合に顕著となる。
本発明においては、前記所定の位置の高さが1500〜2000mmの範囲内となっていることが望ましい。
この構成によれば、床から観察者の眼までの距離が、光学的な収差(像がぼやけたり、歪んだりする現象)を考慮すると1000〜1500mmの範囲内となり、観察者が椅子に座った場合の目線の高さになるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、所定の位置の高さが1500mm未満となると、収差を考慮すると1000未満となり、観察者が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、所定の位置の高さが2000mmを超えると、収差を考慮すると1500mmを越えることとなり、観察者が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。鉛直面内における所定方向をX軸方向、鉛直面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。
図1及び図2は本発明の反射型スクリーンの構成を示す概略図である。図1は、反射型スクリーン1の全体構成を示した平面図である。図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。図1に示すように、反射型スクリーン1の形状は、左右に横長の矩形となっている。スクリーン基板10の基準面10aには、複数の反射部12が設けられている。なお、基準面10aとは、スクリーン基板10の基準となる仮想的な面(図2の二点鎖線部)である。これら複数の反射部12は、所定の幅を有する円弧状の反射面12aを複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有している。この各フレネルレンズ形状の反射面12aは、それぞれが投射装置11からの投射光11aを、反射型スクリーン10の観察者側(Z軸正方向側)の所定の位置(観察者の眼Pe)に反射させるようになっている。なお、所定の位置については後述する。
図2に示すように、反射型スクリーン1は、スクリーン基板10の基準面10aと重なる領域外に配置された投射装置11から、基準面10aに向けて斜めに射出された投射光11aを、反射型スクリーン1の観察者側の所定の位置に反射するものである。
複数の反射部12の各反射面12aの円弧の中心となるフレネルレンズ形状の光学的中心(フレネル中心)の軸(以下、フレネル中心軸という。)CLは、基準面10aと重なる領域外に設定されている。具体的には、フレネル中心軸CLは、図1に示す複数の反射部12における各反射面12aの円弧の角度θrが180°よりも小さくなるように、スクリーン基板10の下端から離れた位置に設定されている。また、フレネル中心軸CLは、スクリーン基板10のY軸方向の中心線に直交している。
ここで、フレネル中心軸CLと反射部中心軸MLとの間の距離を、フレネル中心軸からの高さRとする。なお、反射部中心軸MLとは、各反射部12の図1に示す同心円状の中心線(一点鎖線)に交差し、フレネル中心軸CLに平行になるように引いた軸である。
投射装置11は、フレネル中心軸CLよりもY軸負方向(下側)に配置されているとともに、スクリーン基板10の基準面10aよりもZ軸正方向(右側)に配置されている。
反射型スクリーン1を構成する複数の反射部12を備えるスクリーン基板10は、例えば、光を吸収するフィラーとバインダー樹脂からなる光吸収材を用いることができる。スクリーン基板10に含まれるフィラーは、例えば、自然光、または白色光を吸収するフィラーである。具体的には、スクリーン基板10に含まれるフィラーは、例えば、カーボンブラック等の顔料である。また、スクリーン基板10のバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
複数の反射部12の各反射面12a上の、投射装置11からの投射光11aが照射される部分に沿って、投射光11aを反射する反射層23がそれぞれ形成されている。すなわち、反射部12の投射装置11からの投射光11aが照射される部分(反射面12a)にのみ、反射層23が形成されている。言い換えると、反射部12の反射面12aを除いた面(上面)には反射層23が形成されず、スクリーン基板10の光吸収材によって形成された光吸収面12bが露出している。つまり、反射部12は、反射面12aと光吸収面12bとの2つの面を有している。
反射層23は、光を反射するフィラーとバインダー樹脂からなる塗料が塗布されることにより構成されている。反射層23に含まれるフィラーは、投射装置11からの投射光11aを反射するフィラーである。具体的には、反射層23に含まれるフィラーは、例えば、シリカ、酸化チタン、雲母、硫酸バリウム、塩化バリウム、及びアルミニウムである。また、反射層23のバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂、熱硬化性樹脂が用いられる。
複数の反射部12の各反射面12a上に形成された反射層23を覆って保護層22が形成されている。この保護層22の形成材料は、例えばアクリル樹脂等の可撓性を有する透明な樹脂を用いることができる。保護層22の表面には、透明バインダー樹脂及び拡散剤を混合してなる拡散層21が形成されている。この拡散層21の表面が、反射型スクリーン1の観察面となっている。
(プリズム頂角)
図3は、投射装置11から斜めに射出された投射光11aを観察者30の眼の位置(所定の位置)Peに向かって反射させる条件について説明するための図である。図2及び図3で示すように、フレネルレンズ形状の断面は鋸歯状の段差をつけたようになっており、プリズムの集合体として捉えることができる。以下、投射装置11からの投射光11aを観察者30の眼の位置Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’について説明する。なお、プリズム頂角α’とは、スクリーン基板10の基準面10aと反射面12aとのなす角度α’である。なお、以下の説明では便宜上、反射層23、保護層22、拡散層21の図示を省略する。
図3に示すように、反射型スクリーン1からの反射光の強度分布40(破線部)は指向性を有している。すなわち、反射光の強度がすべての方向に対して等しい等方散乱(ランバート)ではなく、観察者30の眼の方向にのみ大きくなっている。
次に、図3に示すそれぞれの点(位置)について説明する。点Psは、投射装置11から斜めに投射光11aを射出する投射系射出口の位置(以下、射出口という。)である。また、点Pscは、射出口Psからフレネル中心軸CLに対して垂直に投影した位置(以下、射出口投影点という。)である。また、点Peは、観察者30の眼の位置、言い換えると反射光の終点となる位置(以下、観察者の眼という。)である。また、点Pecは、観察者の眼Peからフレネル中心軸CLに対して垂直に投影した位置(以下、観察者投影点という。)である。また、点Pmは、反射部12の反射面12aの幅方向の中点、つまり射出口Peからの投射光11aを観察者の眼Peに反射する起点となる仮想的な位置(以下、反射起点という。)である。
次に、それぞれの寸法について説明する。寸法Lは、スクリーン基板10の基準面10aと観察者30との間の距離(以下、基準面から観察者までの距離という。)である。この基準面から観察者までの距離Lは、観察者30が投射映像を好適に見やすいように、2500〜4000mmの範囲内に設定するのが望ましい。一方、基準面から観察者までの距離Lが2500mm未満となると近すぎてしまい、反対に、4000mmを超えると離れすぎてしまい、観察者30が投射映像を好適に見ることができない場合がある。
また、寸法Fは、スクリーン基板10の基準面10aと投射装置11(射出口Ps)との間の距離(以下、基準面から射出口までの距離という。)である。この基準面から射出口までの距離Fは、観察者30が良好な投射映像を鑑賞でき、コンパクト性及び実用性の面から400〜600nmの範囲内に設定するのが望ましい。一方、基準面から射出口までの距離Fが400mm未満となると、入射角θpが小さくなり過ぎてしまい投射系の設計をすることが困難になる。また、基準面から射出口までの距離Fが600mmを超えると、スクリーン1と投射装置11との間のスペースが広くなってしまう。よって、このスペース内を人が横切ったり何らかの障害物が存在したりすると画面にそれらの影が映り、投射映像が損なわれる場合がある。なお、入射角θpについては後述する。
また、寸法dは、フレネル中心軸CLと投射装置11(射出口Ps)との間の距離(以下、フレネル中心軸から射出口までの距離という。)である。このフレネル中心軸から射出口までの距離dは、観察者30が投射映像を好適に見やすいように、100〜200mmの範囲内に設定するのが望ましい。一方、フレネル中心軸から射出口までの距離dが100mm未満となると、スクリーンの高さが低くなってしまい、観察者30が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、フレネル中心軸から射出口までの距離dが200mmを超えると、スクリーンの高さが高くなってしまい、観察者30が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。このようなケースは、特に投射装置11を床GL(図4参照)に置いた場合に顕著となる。
また、寸法bは、フレネル中心軸CLとスクリーン1の下端との間の距離(以下、フレネル中心軸からスクリーン下端までの距離という。)である。このフレネル中心軸からスクリーン下端までの距離bは、10mm以上が望ましい。一般に、フレネル中心軸からスクリーン下端までの距離bが短いほうがフレネル半径が小さくなるので製造しやすいが、フレネル中心軸からスクリーン下端までの距離bが10mm未満となると、最小フレネル半径が小さくなりすぎてしまい、製造上作りにくくなる場合がある。
また、寸法hは、フレネル中心軸CLと観察者の眼Peとの間の距離(以下、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離という。)である。このフレネル中心軸からの観察者の眼までの距離hの設定については後述する(図4参照)。
次に、それぞれの角度について説明する。角度θp(入射角θp)は、スクリーン基板10の基準面10aと投射光11aとのなす角度である。また、角度α’(プリズム頂角α’)は、スクリーン基板10の基準面10aと反射面12aとのなす角度である。また、角度β(以下、打ち上げ角度という。)は、反射部中心軸MLと投射光11aとのなす角度である。また、角度γ(以下、補正角γという。)は、反射起点Pmと観察者起点Pecとを結ぶ直線と、反射部中心軸MLと、のなす角度である。
そして、本願発明者は、投射装置11からの投射光11aを観察者の眼Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’は、従来技術のプリズム頂角(補正前のプリズム頂角)αと、補正角γとの関係で表すと、以下の式(1)となることを見出した。
α’=α+γ/2 ……(1)
ここで、式(1)の右辺の補正前のプリズム頂角αについて説明する。図7は、従来技術の反射型スクリーン1000の投射装置1011から斜めに射出された投射光1011aを互いに平行になるように反射型スクリーン1000の前面と垂直な方向に反射させる条件について説明するための図である。本図は、図3に対応した、図6の断面構成を表した図である。図3と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。
以下、投射装置1011からの投射光1011aを互いに平行になるように反射型スクリーン1000の前面と垂直な方向に反射させる条件である従来技術のプリズム頂角αについて説明する。なお、プリズム頂角αとは、スクリーン基板1010の基準面1010aと反射面1012aとのなす角度αである。
プリズム頂角αは、反射部中心軸MLと投射光1011aとのなす角度(打ち上げ角度)βから求めることができ、以下の式(2)が成立することが知られている(例えば、特許文献4参照)。
β=2α ……(2)
また、打ち上げ角度βは、基準面から射出口までの距離Fと、射出口Psと反射部中心軸MLとの間の距離により変化する。この反射部中心軸から射出口までの距離は、フレネル中心軸からの高さRと、フレネル中心軸から射出口までの距離dと、を足し合わせた値(R+d)となる。このとき、打ち上げ角度βは、反射部中心軸から射出口までの距離(R+d)と、基準面から射出口までの距離Fとの関係(逆三角関数)で表すと、以下の式(3)が成立する。
β=arctan{(R+d)/F} ……(3)
なお、式(3)において、スクリーン基板1010の基準面1010aと反射起点Pmとの間の距離は、基準面から射出口までの距離Fに対して微小な値であるとして無視している。つまり、射出口Psと反射起点Pmとの間の距離を、基準面から射出口までの距離Fに近似している。
従来技術の反射型スクリーン1000からの反射光の強度分布1040(破線部)は、本発明の反射型スクリーン1からの強度分布40と同様に、指向性を有している。しかしながら、従来技術の反射型スクリーン1000からの反射光の強度分布1040は、反射型スクリーン1000のいずれの位置においても、スクリーン基板1010の基準面1010aと垂直な方向(反射部中心軸MLに平行な方向)にのみ大きくなっている。
このように、投射装置1011からの投射光1011aが反射型スクリーン1000の前面の鉛直方向に反射されると、スクリーン1000の観察者の眼Peに対応する位置が、反射光の強度分布1040のピークとなり、反射光が最も明るくなる。一方、スクリーン1000の観察者の眼Peに対応する位置から離れるつれ、反射光の強度分布1040のピークからずれ、反射光が次第に暗くなり、スクリーン1000の最外周部で最も暗くなる。例えば、観察者1030がスクリーン1000下側を見た場合は、反射光の強度分布1040のピークからずれて、強度分布1040のピーク(矢印Taの長さ)よりも強度の小さいところ(矢印Tbの長さ)となるので暗く感じる。したがって、観察者1030が見るスクリーン1000の位置によって明暗のバラツキが生じてしまう。
そこで、本願発明者は、式(1)に示すように、従来技術のプリズム頂角αを補正角γで補正することにより、観察者30が見るスクリーン1の位置によって明暗のバラツキが生じてしまうことがない、投射装置11からの投射光11aを観察者の眼Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’を見出した。
次に、式(1)の右辺のγ/2について説明する。図3に示すように、補正角γは、基準面から観察者までの距離Lとフレネル中心軸からの高さRにより変化する。このとき、補正角γは、基準面から観察者までの距離Lとフレネル中心軸からの高さRとの関係(逆三角関数)で表すと、以下の式(4)が成立する。
γ=arctan(R/L) ……(4)
なお、式(4)において、補正角γは、投射装置11を基準としてではなく、フレネル中心軸CLを基準として表されている。これは、射出口Psを起点とし、反射起点Pmを介して観察者の眼Peを終点とする経路でも、射出口投影点Pscを起点とし、反射起点Pmを介して観察者投影点Pecを終点とする経路でも、補正される値は同値となることによる。
なお、式(4)において、スクリーン基板10の基準面10aと反射起点Pmとの間の距離は、基準面から観察者までの距離Lに対して微小な値であるとして無視している。つまり、観察者の眼Peと反射起点Pmとの間の距離を、基準面から観察者までの距離Lに近似している。
また、図示はしないが、光の反射の法則より、例えば、反射面12aを所定の角度δだけ傾けると、入射角(反射面12aの法線と投射光11aとのなす角)、反射角(反射面12aの法線と反射光とのなす角)ともに所定の角度δだけ増加する。よって、光の反射の方向は、元の方向より2δずれることになる。これにより、本例を本実施形態の補正角γに当てはめると、従来技術のプリズム頂角からγ/2だけ傾ければよいことが分かる。
上記した式(2)及び式(3)を整理して表すと、以下の式(5)となる。
α=[arctan{(R+d)/F}]/2 ……(5)
また、式(1)に式(4)及び式(5)を代入して整理して表すと、投射装置11からの投射光11aを観察者の眼Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’を示す以下の式(6)が得られる。
α’=[arctan{(R+d)/F}+arctan(R/L)]/2 ……(6)
この式(6)より、例えば、基準面から観察者までの距離Lを3360mm、基準面から射出口までの距離Fを480mm、フレネル中心軸から射出口までの距離dを160mm、フレネル中心軸からの高さRを632.5mmとすると、プリズム頂角α’は34.73°となる。
(観察者の位置の設定)
図4は、観察者の立地面(床)から観察者の眼までの距離Hの設定について説明するための図である。本図は、図3に対応した、観察者30の立地面(床)GLを含めて表した図である。図3と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。なお、以下の説明では便宜上、図3で示した複数の反射部12を、連続して構成された一つの反射部12に近似して表している。
以下、床から観察者の眼までの距離Hの設定について説明する。先ず、床から観察者の眼までの距離Hの算出方法について説明する。図4に示すように、観察者30の高さの起点は床GLとなっている。この床GLから観察者の眼Peまでの距離(所定の位置の高さ)Hは、フレネル中心軸から観察者の視点までの距離hと、フレネル中心軸から床までの距離Cと、の関係で表すと、以下の式(7)が成立する。
H=h+C …… (7)
この式(7)から、床から観察者の眼までの距離Hは、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hと、フレネル中心軸から床までの距離Cと、が決まれば求められることが分かる。
ここで、床から観察者の眼までの距離Hは、収差を考慮して1500〜2000mmの範囲内に設定するのが望ましい。この理由としては、収差を考慮すると、床から観察者の眼までの距離(h+C)が1000〜1500mmの範囲内となり、観察者30が椅子に座った場合の目線の高さになるので、観察者30が投射映像を好適に見ることができるからである。一方、床から観察者の眼までの距離Hが1500mm未満となると、収差を考慮すると1000未満となり、観察者30が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、床から観察者の眼までの距離Hが2000mmを超えると、収差を考慮すると1500mmを越えることとなり、観察者30が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。
また、フレネル中心軸から床までの距離Cは、スクリーン1の下限高さとなるので、実際の使用シーンを想定すると、400〜700mmの範囲内に設定するのが望ましい。これらにより、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hを求めることができる。
次に、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hの算出方法について説明する。そこで、図4に示す点Pfについて説明する。点Pfは、反射部12の焦点である。
次に、それぞれの寸法について説明する。寸法xは、焦点Pfと射出口Psとの間の距離(以下、焦点から射出口までの距離という。)である。また、寸法yは、焦点Pfと観察者30との間の距離(以下、焦点から観察者までの距離という。)である。また、寸法fは、スクリーン基板10の基準面10aと焦点Pfとの間の距離(以下、基準面から焦点までの距離という。)である。
このとき、焦点から射出口までの距離xと、焦点から観察者までの距離yと、基準面から焦点までの距離fと、の関係は、ニュートンの式で表すと、以下の式(8)が成立する。
x・y=f ……(8)
また、倍率Bは、焦点から射出口までの距離xと、基準面から焦点までの距離fと、の関係(焦点に対してZ軸方向の関係)で表すと、以下の式(9)が成立する。
B=f/x ……(9)
また、倍率Bは、フレネル中心軸から射出口までの距離dと、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hと、の関係(焦点に対してY軸方向の関係)で表すと、以下の式(10)が成立する。
B=h/d ……(10)
これらの式(8)〜(10)により、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hを求めることができる。ここで、例えば、倍率を7倍、フレネル中心軸から射出口までの距離dを160mmとすると、フレネル中心軸から観察者の眼までの距離hは、1120mmとなる。よって、フレネル中心軸から床までの距離Cを、実際の使用シーンを想定した上述の値400〜700mmの範囲内に設定しても、式(7)より、床から観察者の眼までの距離Hは1520〜1820mmの範囲内となる。したがって、床から観察者の眼までの距離Hは、収差を考慮した上述の値1500〜2000mmの範囲内に設定され、観察者30が椅子に座った場合の目線の高さになるので、観察者30が投射映像を好適に見ることができる。
本実施形態の反射型スクリーン1によれば、所定の位置に観察者が眼をおくことによって、スクリーン1のどの位置から反射された光も観察者の眼Peに集中するように反射される。これにより、従来技術のようにスクリーン1000の観察者の視点Peに対応する位置が最も明るくなり、スクリーン1000の観察者の視点Peから離れるにつれ暗くなることがない。つまり、観察者30が見るスクリーン1の位置によって反射光の明暗のバラツキが生じてしまうことがない。その結果、観察者30がスクリーン1のいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーン1が提供できる。
また、この構成によれば、従来では、それぞれの反射面1101aが投射装置1011からの投射光1011aを互いに平行になるように反射型スクリーン1000の観察面1101と垂直な方向に反射させていたのに対して、本発明では、投射装置11からの投射光11aが観察者の眼Peに反射されるように補正されることになる。言い換えると、式(1)が投射装置11からの投射光11aが観察者の眼Peに反射される条件ということになる。これにより、観察者30がスクリーン1のいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーン1が提供できる。
また、この構成によれば、フレネル中心(フレネル中心軸CL)が、基準面10aと重なる領域外に設定されているので、投射装置11から基準面10aに向けて斜めに斜出された投射光11aが、観察者の眼Peに反射されるように適合したものとなる。その結果、観察者30がスクリーン1のいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーン1が提供できる。
また、この構成によれば、反射面10a上には、反射層23が形成されており、反射層23を覆って、拡散層21が形成されているので、スクリーン1から反射する光に散乱性を付与することができる。これにより、投射装置11をある位置に設置した場合、散乱性を有する反射光の強度分布がスクリーン1の表面上の位置に依存することのない反射型スクリーン1が提供できる。また、光の散乱が不十分なために起こる投射画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を確実に防止することができる。
また、この構成によれば、反射部12は反射防止性を有しているので、反射部12によって周囲からの外光を選択的に吸収でき、投射装置11からの投射光11aは吸収されずに反射される。したがって、投射装置11からの投射光11aは変化することなく、外光による迷光(コントラスト低下の要因)を減少させることができ、その結果コントラストを向上させることができる。
また、この構成によれば、基準面から観察者までの距離Lが2500〜4000mmの範囲内とされ適度に離れるので、観察者30が投射映像を好適に見ることができる。一方、基準面から観察者までの距離Lが2500mm未満となると、距離が近すぎてしまい、観察者30が投射映像を好適に見ることができない場合がある。また、基準面から観察者までの距離Lが4000mmを超えると、距離が離れすぎてしまい、観察者30が投射映像を好適に見ることができない場合がある。
また、この構成によれば、基準面から射出口までの距離Fが400〜600mmの範囲内とされるので、スクリーン1に近い位置から投射光11aを小さい入射角度θpでスクリーン1に入射させることができ、観察者30が投射映像を鑑賞する際に投射装置11が邪魔にならない。また、良好な投射映像を鑑賞できるコンパクトで実用性に優れた反射型スクリーン1が提供できる。一方、基準面から射出口までの距離Fが400mm未満となると、入射角度θpが小さくなり過ぎてしまい投射系の設計をすることが困難になる。また、基準面から射出口までの距離Fが600mmを超えると、スクリーン1と投射装置11との間のスペースが広くなってしまう。よって、このスペース内を人が横切ったり何らかの障害物が存在したりすると画面にそれらの影が映り、投射映像が損なわれる場合がある。
また、この構成によれば、フレネル中心軸から射出口までの距離dが100〜200mmの範囲内とされ適度に離れるので、観察者30が投射映像を好適に見ることができる。一方、フレネル中心軸から射出口までの距離dが100mm未満となると、スクリーン1の高さが低くなってしまい、観察者30が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、フレネル中心軸から射出口までの距離dが200mmを超えると、スクリーン1の高さが高くなってしまい、観察者30が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。このようなケースは、特に投射装置11を床に置いた場合に顕著となる。
また、この構成によれば、床から観察者の眼までの距離Hが1500〜2000mmの範囲内とされるので、収差を考慮すると1000〜1500mmの範囲内となる。これにより、観察者30が椅子に座った場合の目線の高さになるので、観察者30が投射映像を好適に見ることができる。一方、床から観察者の眼までの距離Hが1500mm未満となると、収差を考慮すると1000未満となり、観察者30が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、床から観察者の眼までの距離Hが2000mmを超えると、収差を考慮すると1500mmを越えることとなり、観察者30が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。
なお、本実施形態において、スクリーン基板10自体が光吸収性を有する例を示したが、これに限らない。例えば、スクリーン基板10がアクリル等の樹脂からなり、スクリーン基板10自体が光吸収性を有しなくてもよい。この場合、反射面12a上には、アルミニウム、銀、クロム等の反射率の高い金属が蒸着等の手段によって形成される。一方、反射部12の反射面12aを除いた面(上面)の光吸収面12b上には、光吸収性の塗料を塗布することによって光吸収材が形成される。
なお、本実施形態において、スクリーン1を構成する反射面12a上には、反射層23、保護層22、拡散層21の3層が形成されているが、これに限らない。例えば、スクリーン1を構成する反射面12a上に、保護層22を省いて反射層23、拡散層21の2層が形成されていてもよい。この場合、拡散層21が保護層22の機能を兼ねる。
なお、スクリーン1を構成する反射面12a上に、反射層23、拡散層21に加えて、さらに散乱層が形成されていてもよい。つまり、スクリーン1を構成する反射面12a上には、反射層23が形成されており、この反射層23を覆って、拡散層21、散乱層、の少なくとも一つが形成されていればよい。
なお、本実施形態において、光吸収面12b上には光吸収層が形成され、この光吸収層を覆ってARコート(非反射性膜)が形成されていても構わない。ここで、ARコートとは、例えば、フッ化マグネシウムが蒸着して形成されてなる薄膜である。
この構成によれば、光の散乱が不十分なために起こる投射画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を確実に防止することができる。このホットスポットは、光吸収層がARコート(非反射性膜)の場合でも防ぐことができないことが多いので、例えばアンチグレアを用いることで確実に反射光を散乱してしまうのがよい。
なお、本実施形態において、投射装置11からの投射光11aを観察者の眼Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’’を、上記実施形態のプリズム頂角α’と、収差量補正項φとの関係と、を用いて、以下の式(11)で表してもよい。なお、収差量補正項φとは、凹面鏡を収差の少ない非球面鏡にするように補正するための項である。
α’’=α’−φ/2 ……(11)
ここで、式(11)の右辺の収差量補正項φは、以下の式(12)で表すことができる。
φ=a・R ……(12)
ここで、式(12)の右辺のaは、定数である。この定数aは、塗布するインクの散乱特性を考慮して決めることができる。
式(1)、(11)、(12)により、例えば、基準面から観察者までの距離Lを3360mm、基準面から射出口までの距離Fを480mm、フレネル中心軸から射出口までの距離dを160mm、フレネル中心軸からの高さRを1255mm、定数aを0.01275とすると、収差量補正項φは16°、プリズム頂角α’’は37.87°となる。なお、上記の式(11)は、右辺の収差量補正項φを0とすると、式(1)となる。
この構成によれば、式(11)の右辺の(α’−φ/2)が収差量補正後のプリズム聴頂角α’’を表しており、式(1)のプリズム頂角α’に対して(−φ/2)を加えることで補正している。言い換えると、投射装置11からの投射光11aが観察者の眼Peに、収差量が補正されて反射される値ということになる。これにより、観察者30がスクリーン1のいずれの位置を見ても、より明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーン1が提供できる。
なお、本実施形態において、基準面10aをスクリーン基板10の基準となる仮想的な面(図2の二点鎖線部)として、スクリーン基板10の内側に設ける例を示したが、これに限らない。例えば、基準面10aをスクリーン基板10の外側に設けてもよい。
図5は、基準面10aの位置を変えたスクリーン基板10の変形例を示した図である。本図は、図2に対応した、スクリーン基板10の概略断面図である。図2と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。
本変形例の基準面10a(図5の二点鎖線部)は、スクリーン基板10の外側に設けられている。より具体的には、基準面10は、スクリーン基板10を構成する複数の反射部12の各反射面12aと光吸収面12bとのなす角の頂点に接する位置に設けられている。これにより、基準面10aを、基板10を製造する際の金型の基準とした場合、基準をスクリーン基板10の内側よりも外側に設ける方がスクリーン基板10の金型設計がしやすくなる。
本発明の反射型スクリーンの全体構成を示した平面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 投射装置からの投射光を観察者の眼に反射させる条件についての説明図である。 フレネル中心軸から観察者の眼までの距離の設定についての説明図である。 スクリーン基板の変形例を示した図である。 従来技術における反射型スクリーンの斜視図である。 従来技術に係る投射光を垂直方向に反射させる条件についての説明図である。
符号の説明
1…反射型スクリーン、10…スクリーン基板、10a…基準面、11…投射装置、11a…投射光、12…反射部、12a…反射面、12b…光吸収面、21…拡散層、23…反射層、d…フレネル中心軸から射出口までの距離(フレネルレンズ形状の光学的中心と投射装置との間の距離)、F…基準面から射出口までの距離(スクリーン基板の基準面と投射装置との間の距離)、L…基準面から観察者までの距離(スクリーン基板の基準面と所定の位置との間の距離)、Pe…観察者の眼(所定の位置)、R…フレネル中心軸からの高さ(フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの反射部の中心との間の距離)、α’…プリズム頂角(スクリーン基板の基準面とそれぞれの反射面とのなす角度)

Claims (10)

  1. スクリーン基板の基準面に複数の反射部を有し、
    前記基準面と重なる領域外に配置された投射装置から、前記基準面に向けて斜めに射出された投射光を、観察者側に反射する反射型スクリーンであって、
    前記複数の反射部は、所定の幅を有する円弧状の反射面を複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有してなり、
    前記投射装置からの前記投射光を所定の位置に向かって反射させるように、前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度が、前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離に対応して調整されていることを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離をR、前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離をd、前記基準面と前記投射装置との間の距離をF、前記基準面と前記所定の位置との間の距離をL、とすると、
    前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度α’が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
    α’=[arctan{(R+d)/F}+arctan(R/L)]/2 ……(1)
  3. 前記フレネルレンズ形状の光学的中心が、前記基準面と重なる領域外に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型スクリーン。
  4. 前記反射面上には、反射層が形成されており、前記反射層を覆って、拡散層、散乱層、の少なくとも一つが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  5. 前記反射部のうちの前記反射面以外の面が、反射防止性を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  6. 前記反射面以外の面上には光吸収層が形成され、前記光吸収層を覆って非反射性膜が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の反射型スクリーン。
  7. 前記基準面と前記所定の位置との間の距離が2500〜4000mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  8. 前記基準面と前記投射装置との間の距離が400〜600mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  9. 前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離が100〜200mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
  10. 前記所定の位置の高さが1500〜2000mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
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