JP2010139639A - 反射型スクリーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射型スクリーン1は、スクリーン基板10の基準面10aに複数の反射部12を有し、基準面10aと重なる領域外に配置された投射装置11から、基準面10aに向けて斜めに射出された投射光11aを、観察者側に反射する。複数の反射部12は、所定の幅を有する円弧状の反射面12aを複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有する。投射装置11からの投射光11aを所定の位置Peに向かって反射させるように、基準面10aとそれぞれの反射面12aとのなす角度α’が、フレネルレンズ形状の光学的中心CLとそれぞれの反射部12の中心との間の距離Rに対応して調整される。
【選択図】図3
Description
この構成によれば、前記所定の位置に観察者が眼をおくことによって、スクリーンのどの位置から反射された光も観察者の眼に集中するように反射される。これにより、従来技術のようにスクリーンの観察者の視点に対応する位置が最も明るくなり、スクリーンの観察者の視点から離れるにつれ暗くなることがない。つまり、観察者が見るスクリーンの位置によって反射光の明暗のバラツキが生じてしまうことがない。その結果、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
α’=[arctan{(R+d)/F}+arctan(R/L)]/2 ……(1)
本願発明者は、投射装置からの投射光を観察者の眼に向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’は、フレネル中心軸からの高さをRと、フレネル中心軸から射出口までの距離dと、基準面から射出口までの距離Fと、基準面から観察者までの距離Lと、の関係で表すと、上記の式(1)となることを見出した。この構成によれば、従来では、それぞれの反射面が投射装置からの投射光を互いに平行になるように反射型スクリーンの観察面と垂直な方向に反射させていたのに対して、本発明では、投射装置からの投射光が観察者の眼に反射されるように補正されることになる。言い換えると、式(1)が投射装置からの投射光が観察者の眼に反射される条件ということになる。これにより、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
この構成によれば、投射装置から基準面に向けて斜めに斜出された投射光が、観察者の眼に反射されるように適合したものとなる。その結果、観察者がスクリーンのいずれの位置を見ても、明るさにムラのない良好な投射映像が得られる反射型スクリーンが提供できる。
この構成によれば、スクリーンから反射する光に散乱性を付与することができる。これにより、投射装置をある位置に設置した場合、散乱性を有する反射光の強度分布がスクリーンの表面上の位置に依存することのない反射型スクリーンが提供できる。また、光の散乱が不十分なために起こる投射画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を確実に防止することができる。
この構成によれば、反射部によって周囲からの外光を選択的に吸収できるので、投射装置からの投射光は吸収されずに反射される。したがって、投射装置からの投射光は変化することなく、外光による迷光(コントラスト低下の要因)を減少させることができ、その結果コントラストを向上させることができる。
この構成によれば、反射部によって周囲からの外光を選択的に吸収できるので、投射装置からの投射光は吸収されずに反射される。したがって、投射装置からの投射光は変化することなく、外光による迷光(コントラスト低下の要因)を減少させることができ、その結果コントラストを向上させることができる。
この構成によれば、スクリーンから観察者までの距離が適度に離れるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、基準面から観察者までの距離が2500mm未満となると、距離が近すぎてしまい、観察者が投射映像を好適に見ることができない場合がある。また、基準面から観察者までの距離が4000mmを超えると、距離が離れすぎてしまい、観察者が投射映像を好適に見ることができない場合がある。
この構成によれば、スクリーンに近い位置から投射光を小さい入射角度(基準面と投射装置からの投射光とのなす角度)でスクリーンに入射させることで、観察者が投射映像を鑑賞する際に投射装置が邪魔にならない。また、良好な投射映像を鑑賞できるコンパクトで実用性に優れた反射型スクリーンが提供できる。一方、基準面から射出口までの距離が400mm未満となると、入射角度が小さくなり過ぎてしまい投射系の設計をすることが困難になる。また、基準面から射出口までの距離が600mmを超えると、スクリーンと投射装置との間のスペースが広くなってしまう。よって、このスペース内を人が横切ったり何らかの障害物が存在したりすると画面にそれらの影が映り、投射映像が損なわれる場合がある。
この構成によれば、フレネル中心軸から射出口までの距離が適度に離れるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、フレネル中心軸から射出口までの距離が100mm未満となると、スクリーンの高さが低くなってしまい、観察者が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、フレネル中心軸から射出口までの距離が200mmを超えると、スクリーンの高さが高くなってしまい、観察者が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。このようなケースは、特に投射装置を床に置いた場合に顕著となる。
この構成によれば、床から観察者の眼までの距離が、光学的な収差(像がぼやけたり、歪んだりする現象)を考慮すると1000〜1500mmの範囲内となり、観察者が椅子に座った場合の目線の高さになるので、観察者が投射映像を好適に見ることができる。一方、所定の位置の高さが1500mm未満となると、収差を考慮すると1000未満となり、観察者が投射映像を見下ろすようになり見にくくなる場合がある。また、所定の位置の高さが2000mmを超えると、収差を考慮すると1500mmを越えることとなり、観察者が投射映像を見上げるようになり見にくくなる場合がある。
図3は、投射装置11から斜めに射出された投射光11aを観察者30の眼の位置(所定の位置)Peに向かって反射させる条件について説明するための図である。図2及び図3で示すように、フレネルレンズ形状の断面は鋸歯状の段差をつけたようになっており、プリズムの集合体として捉えることができる。以下、投射装置11からの投射光11aを観察者30の眼の位置Peに向かって反射させる条件であるプリズム頂角α’について説明する。なお、プリズム頂角α’とは、スクリーン基板10の基準面10aと反射面12aとのなす角度α’である。なお、以下の説明では便宜上、反射層23、保護層22、拡散層21の図示を省略する。
図4は、観察者の立地面(床)から観察者の眼までの距離Hの設定について説明するための図である。本図は、図3に対応した、観察者30の立地面(床)GLを含めて表した図である。図3と同様の要素には同一の記号を付し、詳細な説明を省略する。なお、以下の説明では便宜上、図3で示した複数の反射部12を、連続して構成された一つの反射部12に近似して表している。
H=h+C …… (7)
Claims (10)
- スクリーン基板の基準面に複数の反射部を有し、
前記基準面と重なる領域外に配置された投射装置から、前記基準面に向けて斜めに射出された投射光を、観察者側に反射する反射型スクリーンであって、
前記複数の反射部は、所定の幅を有する円弧状の反射面を複数同心円状に配列したフレネルレンズ形状を有してなり、
前記投射装置からの前記投射光を所定の位置に向かって反射させるように、前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度が、前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離に対応して調整されていることを特徴とする反射型スクリーン。 - 前記フレネルレンズ形状の光学的中心とそれぞれの前記反射部の中心との間の距離をR、前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離をd、前記基準面と前記投射装置との間の距離をF、前記基準面と前記所定の位置との間の距離をL、とすると、
前記基準面とそれぞれの前記反射面とのなす角度α’が、下記の式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
α’=[arctan{(R+d)/F}+arctan(R/L)]/2 ……(1) - 前記フレネルレンズ形状の光学的中心が、前記基準面と重なる領域外に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型スクリーン。
- 前記反射面上には、反射層が形成されており、前記反射層を覆って、拡散層、散乱層、の少なくとも一つが形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
- 前記反射部のうちの前記反射面以外の面が、反射防止性を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
- 前記反射面以外の面上には光吸収層が形成され、前記光吸収層を覆って非反射性膜が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の反射型スクリーン。
- 前記基準面と前記所定の位置との間の距離が2500〜4000mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
- 前記基準面と前記投射装置との間の距離が400〜600mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
- 前記フレネルレンズ形状の光学的中心と前記投射装置との間の距離が100〜200mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
- 前記所定の位置の高さが1500〜2000mmの範囲内となっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の反射型スクリーン。
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