JP2014115343A - 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents

透過型スクリーン、背面投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】映像の鮮明性が高く、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置を提供する。
【解決手段】透過型スクリーン10は、入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ層22と、フレネルレンズ層22よりも出光側に設けられ、光を拡散する作用を有する光拡散層31と、光拡散層31よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部332と光を吸収する光吸収部333とを備え、この透過型スクリーン10の厚み方向に平行な断面において、光透過部332及び光吸収部333がスクリーン面に沿って交互に配置され、この断面における光吸収部333の断面形状が略楔形形状である光制御層33と備え、光拡散層31の拡散特性の1/2角αは、20°≦α≦25°であるものとした。
【選択図】図3

Description

本発明は、透過型スクリーンと、これを備える背面投射型表示装置とに関するものである。
映像光をスクリーンの背面側から投射して表示する背面投射型表示装置では、投射された映像光を透過して表示する透過型スクリーンが用いられている。このような透過型スクリーンは、所望する光学特性に合わせて、従来、様々な構成を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、透過型スクリーンを備える背面投射型表示装置に関して、その用途によっては、意匠性が高く要求される場合がある。例えば、背面投射型表示装置を自動車内の表示装置等として使用する場合等である。このように意匠性が要求される場合には、意匠面におけるシステム全体との調和も必要であり、当然ながら、表示装置としての映像の良好さも要求される。
特開2010−204226号公報
透過型スクリーンでは、視野角を広げたり、明るさの面内均一性を向上させたりするために、拡散材を含有する光拡散層を備えている場合がある。しかし、この光拡散層の拡散作用が大きすぎると、像がぼけて映像の鮮明性が低下するという問題があった。一方、光拡散層の拡散作用が小さすぎると、プロジェクタの光源が明るく見えるホットスポットや画面内での明るさムラ、映像光が素抜けして生じる輝線等の表示不良が生じるという問題があった。
特許文献1には、映像の鮮明性を維持しながら明るさムラ等の表示不良を改善する方法に関しては、開示されていない。
本発明の課題は、映像の鮮明性が高く、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンであって、入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ層(22)と、前記フレネルレンズ層よりも出光側に設けられ、光を拡散する作用を有する光拡散層(31)と、前記光拡散層よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部(332)と光を吸収する光吸収部(333)とを備え、この透過型スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記光透過部及び前記光吸収部がスクリーン面に沿って交互に配置され、前記断面における前記光吸収部の断面形状が略楔形形状である光制御層(33)と、を備え、前記光拡散層の拡散特性の1/2角αは、20°≦α≦25°であること、を特徴とする透過型スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光制御層(31)りも出光側に設けられ、光透過性を有し、該透過型スクリーンを構成する他の層よりも厚さが厚い基板層(34)を備えること、を特徴とする透過型スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズ層(22)と前記光拡散層(31)との間には、空気層が在り、前記光拡散層の入光側表面は、粗面となっていること、を特徴とする透過型スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光透過部(332)及び前記光吸収部(333)は、この透過型スクリーンの使用状態における画面左右方向に延在し、画面上下方向に配列されていること、を特徴とする透過型スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、前記光拡散層(31)は、該透過型スクリーンの使用状態における画面左右方向の拡散特性の1/2角αが、20°≦α≦25°であること、を特徴とする透過型スクリーンである。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、スクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有すること、を特徴とする透過型スクリーン(10)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の透過型スクリーン(10)と、前記透過型スクリーンに対して、背面側から映像光を投射する光源部(80)と、を備える背面投射型表示装置(1)である。
本発明によれば、映像の鮮明性が高く、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置を提供することができる。
実施形態の背面投射型表示装置1を説明する図である。 実施形態の透過型スクリーン10の斜視図である。 実施形態の透過型スクリーン10の層構成を説明する図である。 実施形態のフレネルレンズ層22を説明する図である。 実施形態の光制御層33を説明する図である。 実施形態の積層体30の作用を説明する図である。 実施例及び比較例の透過型スクリーンの映像の鮮明性の評価方法を説明する図である。 実施例及び比較例の輝度の測定結果を示すグラフである。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
さらにまた、本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の背面投射型表示装置1を説明する図である。
図1では、背面投射型表示装置1の奥行き方向及び鉛直方向に平行な断面を模式的に示している。
背面投射型表示装置1は、透過型スクリーン10と、光源部80と、筐体90とを備えている。この背面投射型表示装置1は、光源部80から、透過型スクリーン10の背面側へ映像光を投射して透過型スクリーン10に映像を表示する。
本実施形態の背面投射型表示装置1は、太陽光や照明光等といった外光の影響が大きい環境で使用されるものであり、例えば、自動車の内部や船舶の内部(例えば、運転席や機関室等)に配置される車載用や船舶用の背面投射型表示装置である。なお、これに限らず、この背面投射型表示装置1は、居室や会議室等の室内等で使用することも可能である。
透過型スクリーン10は、図1に示すように、観察者O側(映像光の出光側)に凸となる湾曲形状を有している。透過型スクリーン10の画面サイズは、例えば、対角約6〜30インチに相当するが、これに限らず、より大きな画面サイズとしてもよい。この透過型スクリーン10の詳細に関しては、後述する。
光源部80は、透過型スクリーン10に対してその背面側から映像光を投射するプロジェクタ(映像光源)である。本実施形態の光源部80は、図1に示すように、透過型スクリーン10の背面側中央よりも下方に配置され、ミラー等を介さずに直接投射するように構成されているが、これに限らず、例えば、光源部80から投射された光をミラーで反射して透過型スクリーン10に投射する形態としてもよい。
光源部80は、映像光を、照射領域が次第に広がっていく発散光束(拡大投影された光束)として、透過型スクリーン10の背面側の面(入光面)に投射する。このような光源部80としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)やレーザを利用したピコプロジェクタ等の小型の光源を用いることができる。
筐体90は、透過型スクリーン10を支持し、かつ、その内部に光源部80を配置可能な部材である。この筐体90は、不要な外交の入光側からの入射を防ぐために、光透過性を有しない材料で形成されることが好ましい。
図2は、本実施形態の透過型スクリーン10の斜視図である。この図2では、理解を容易にするために、透過型スクリーン10のみを簡略化して示している。
透過型スクリーン10は、図2に示すように、その表示面(スクリーン面)が三次元曲面をなすような湾曲形状を有している形態としてもよいし、二次元曲面をなすような湾曲形状としてもよい。
ここで、本明細書において、「二次元曲面」とは、単一の軸を中心として二次元的に湾曲しているもの、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で二次元的に湾曲しているものを意味するものとする。また、「三次元曲面」とは、互いに対して角度をなす複数の軸をそれぞれ中心として、部分的に又は全体的に湾曲しているもの意味するものとする。
本実施形態の透過型スクリーン10は、図2に示すように、略矩形の板状の部材であり、正面方向から見た場合の対角線の一方と平行で透過型スクリーン10の背面側に位置する第1の軸A1を中心とした方向B1に観察者側(出光側)に凸となるように湾曲し、かつ、他方の対角線と平行で透過型スクリーン10の背面側(入光側)に位置する第2の軸A2を中心とした方向B2に観察者側に凸となるように湾曲している。そして、透過型スクリーン10の観察面(出光面)において、その表示領域の幾何学的中心となる点C(透過型スクリーン10の平面形状をなす矩形状の一対の対角線が交わる点)が最も観察者側に突出している形態となっている。なお、透過型スクリーン10は、最も観察者側に突出している点が、点Cとは異なる点である形態としてもよい。
透過型スクリーン10は、観察者側の面(出光面)の最も観察者側に凸となっている点Cにおける法線方向Nに直交する平面(即ち、最も観察者側に凸となった点Cでの接面)が、鉛直方向に平行となっている。
透過型スクリーン10において、この湾曲形状の曲率半径は、画面サイズにも依るが、2000mm以下であることが好ましく、250mm以上であり1500mm以下であることがより好ましい。この範囲を満たすことにより、意匠性を向上させつつ、曲面加工の容易性や湾曲形状の安定性等を得ることができる。
なお、本実施形態では、透過型スクリーン10は、観察者側(出光側)に凸となる湾曲形状を有する例を示したが、これに限らず、例えば、光源側(入光側)に凸(即ち、観察者側へ凹)となるような湾曲形状を有していてもよい。また、透過型スクリーン10は、観察者側に凸となる部分と光源側に凸となる部分とを組み合わせた形状としてもよい。
図3は、本実施形態の透過型スクリーン10の層構成を説明する図である。図3では、透過型スクリーン10の点Cを通り、画面上下方向及び厚み方向に平行な断面の一部を示している。
この透過型スクリーン10は、図3に示すように、その入光側(光源側)から順に、フレネルレンズシート20と、積層体30とを備えている。このフレネルレンズシート20と積層体30とは別体であり、両者の間には空気層が存在している。
フレネルレンズシート20は、光源部80が投射した映像光の進行方向を偏向させ、この透過型スクリーン10の正面方向(点Cにおける接面の法線方向N)若しくは正面方向となす角度が小さい方向へと偏向する機能を有する光学シートである。
このフレネルレンズシート20は、フレネル基材層21と、フレネルレンズ層22とを有している。
フレネル基材層21は、このフレネルレンズシート20のベース(基材)となる層である。フレネル基材層21は、光透過性を有するシート状の部材を用いることができる。
フレネル基材層21を形成する材料としては、ポリカーネート(PC)樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂や、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレン(MBS)樹脂、メタクリル酸メチル・スチレン(MS)樹脂、アクリル・スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等の光透過性を有する樹脂が挙げられる。
フレネル基材層21の厚さは、透過型スクリーン10の画面サイズにもよるが、1.0〜4.0mmであることが好ましい。1.0mm未満の厚みであると、フレネルレンズシート20としての十分な剛性が得られず、4.0mmを超える厚みである場合には、フレネルレンズシート20内で発生した迷光等による二重像が顕著に生じる場合があり、好ましくない。
フレネルレンズ層22は、フレネル基材層21の出光側(積層体30側)の面に一体に形成された層である。このフレネルレンズ層22は、単位レンズ221が複数配列されて形成されたフレネルレンズ形状を有している。
図4は、本実施形態のフレネルレンズ層22を説明する図である。図4(a)は、フレネルレンズシート20の断面(図3に示す断面に相当)を拡大して示している。図4(b)は、フレネルレンズ層22を観察者側の正面方向(法線方向N)から見た図である。なお、理解を容易にするために、図4では、フレネルレンズ層22を略平板状として示している。
単位レンズ221は、図3及び図4(a)に示すように、出光側に凸であり、その断面形状が、略三角形形状であり、レンズ面221aと非レンズ面221bとを有している。フレネルレンズ層22のフレネルレンズ形状は、単位レンズ221のレンズ面221aでの屈折作用により光の進行方向を偏向する、所謂、屈折型のフレネルレンズ形状である。
このフレネルレンズ層22のフレネルレンズ形状は、図4(b)に示すように、単位レンズ221が点Fを中心として同心円状に配列された、サーキュラーフレネルレンズ形状である。しかし、これに限らず、フレネルレンズ層22に形成されるフレネルレンズ形状は、単位レンズ221が画面左右方向に延在し、画面上下方向に複数配列された、リニアフレネルレンズ形状としてもよい。
本実施形態では、フレネルセンター(光学中心)である点Fは、フレネルレンズシート20の出光側の正面方向(透過型スクリーン10の点Cでの接面の法線方向N)から見て、点Cに対応する出光側の面上の点C2を通り画面の上下方向に平行な直線上であって、フレネルレンズシート20の下方に位置している。
この点Fは、上述の例に限らず、出光側の正面方向から見てフレネルレンズシート20内に位置してもよいし、点C2上に位置していてもよく、所望する光学特性に合わせて適宜選択して配置させてよい。
本実施形態のフレネルレンズ層22は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いてフレネル基材層21に一体に形成されている。このフレネルレンズシート20は、例えば、フレネル基材層21とフレネルレンズ形状を賦形する成形型との間に、紫外線硬化型樹脂を充填した状態で、紫外線を照射してこの紫外線硬化型樹脂を硬化させ、成形型から離型するといった紫外線成形法により形成される。
なお、フレネルレンズ層22は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂を用いて形成してもよい。また、フレネルレンズ層22は、熱可塑性樹脂を用いて、射出成形や押出成形等により形成してもよい。
図3に戻って、積層体30の層構成について説明する。
積層体30は、映像光の入光側から順に、光拡散層31、着色層32、光制御層33、基板層34、表面層35を備えており、これらが適宜接合層36により一体に積層されて接合された形状となっている。
光拡散層31は、最も入光側に配置された層であり、光を等方的に拡散する作用を有する層である。本実施形態の光拡散層31は、光透過性を有し、粒子状等の光拡散材を含有する樹脂により、シート状に形成された部材を用いている。
光拡散層31の母材となる光透過性を有する樹脂は、例えば、MBS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等を用いることができる。
光拡散層31に含有される光拡散材としては、プラスチックビーズ等の有機フィラーであり、特に、透明度の高いものが好ましい。プラスチックビーズとしては、メラミン樹脂製、アクリル樹脂製、AS樹脂製、PC樹脂製等のものを使用可能である。また、この光拡散材としては、シリコン系ビーズも使用可能である。さらに、所望する拡散性能等に合わせて、これらの光拡散材を適宜選択し、所定の割合で組み合わせる等して用いてよい。光拡散層31に用いられる光拡散材は、その平均粒径が約4〜15μmのものが好ましい。
本実施形態の光拡散層31は、略球状の光拡散材を用いており、等方的に光を拡散する作用を有している。
光拡散層31の厚さは、透過型スクリーン10の画面サイズにもよるが、0.05〜2.0mmの範囲内が好ましい。光拡散層31の厚みが、0.05mm未満となると、光拡散効果が不十分となる可能性があり、また、2.0mmを超えると、透過型スクリーン10に表示される映像がぼけ、鮮明性が低下する可能性がある。従って、光拡散層31の厚さは、上記の範囲内が好ましい。
この光拡散層31の拡散特性の1/2角αは、20°≦α≦25°とすることが、像ぼけを低減して映像の鮮明性を向上させ、かつ、十分な視野角の確保やホットスポットの低減、明るさの面内均一性の向上等を図る観点等から好ましい。
なお、1/2角とは、光拡散層31の一方の面に対して、シート面の法線方向から光を入射させ、他方の面から出射してきた出射光の角度分布曲線において、強度がピーク強度の1/2となる角度である。ここでは、ピーク強度はシート面の法線方向(0°)であり、1/2角αは、角度分布曲線において正側及び負側の2つの1/2角の絶対値の平均値で示している。
例えば、1/2角αがα<20°である場合、光拡散層31の拡散作用が小さ過ぎ、十分な視野角の確保ができない。また、α<20°である場合、映し出された映像の中央に光源部80の光源部分が明るいスポット状に見えるホットスポットが生じたり、画面の周縁部が暗くなり明るさの面内均一性が低下したりするという問題がある。さらに、α<20°である場合、光源部80からの光の一部が、光拡散層31の拡散作用を受けずに観察者側へ出射して、不快な輝線として観察される場合があり、好ましくない。
また、1/2角αがα>25°である場合、光拡散層31の拡散作用が大き過ぎ、映像がぼけ、その鮮明性が低下するという問題がある。
従って、光拡散層31の拡散特性の1/2角αは、上記範囲を満たすことが好ましい。
この光拡散層31は、その入光面が粗面となっている。これは、入光面近傍の拡散材の一部が表出することによるものである。光拡散層31の入光面が粗面であることにより、フレネルレンズシート20から出射した光が空気層を透過し、光拡散層31(積層体30)に入射する際に、その界面で反射して迷光となることを防止でき、積層体30への光の透過率を上げることができる。
着色層32は、光拡散層31よりも出光側(観察者側)に設けられた層であり、所定の色及び濃度で着色されている。この着色層32は、観察者側から透過型スクリーン10に入射する外光を吸収する機能や、透過型スクリーン10内で発生した迷光等を吸収する機能等を有する。
着色層32は、光吸収材や着色剤を含有した透明樹脂により形成されたシート状の部材を用いることができる。この着色層32の母材となる透明樹脂は、MBS樹脂や、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等を用いることができる。また、着色層32に含有される光吸収材は、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が用いられ、着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等を用いることができる。
着色層32は、その厚さが、10〜200μmの範囲内が好ましい。着色層32の厚みが10μm未満であると、外光等を吸収する作用が不十分となる可能性があり、200μmを超えると、映像光の透過率が低下することに加え、映像の明るさを得るために光源部80の出力を高める必要が生じて消費電力が増大する可能性がある。従って、着色層32の厚さは、上記範囲内とすることが好ましい。
本実施形態の着色層32及び光拡散層31は、共押出成形することにより一体に形成されており、着色層32と光拡散層31との間には、接合層等を有していない。
しかし、これに限らず、着色層32及び光拡散層31を別々に形成し、不図示の接合層等を介して、積層される形態等としてもよい。また、着色層32の積層体30内における位置は、上記の位置に限らず、例えば、後述する基板層34の出光側や入光側等、適宜自由に配置してよい。
図5は、本実施形態の光制御層33を説明する図である。図5(a)は、光制御層33の断面(図3に示す断面に相当)の一部を拡大して示している。図5(b)は、光制御層33を観察者側(出光側)の正面方向(法線方向N)から見た一部を拡大して示している。なお、図5では、理解を容易にするために、光制御層33は、略平板状として示している。
光制御層33は、図3に示すように、着色層32の出光側に接合層36を介して一体に積層され、基材部331と、光透過部332と、光吸収部333とを備えている。
基材部331は、光制御層33のベースとなる層である。
基材部331は、PC樹脂や、PET樹脂、TAC樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、MS樹脂等により形成された光透過性を有するシート状の部材を用いることができる。この基材部331の厚みは、75〜200μmの範囲内で、適宜選択することができる。
光透過部332は、基材部331の出光側(観察者側)の面に、複数配列されて一体に形成されている。
光透過部332は、図5(b)に示すように、画面左右方向に延在し、基材部331の出光側の面に沿って画面上下方向に複数配列されている。光透過部332は、その配列方向に平行であって透過型スクリーン10の厚み方向に平行な断面形状が、図5(a)に示すように、出光側を上底とし、入光側を下底とする略台形形状である。
本実施形態の光透過部332の断面形状は、等脚台形であり、図5(a)に示すように、画面上下方向(配列方向)において対称な形状である。
光透過部332は、光透過性を有する樹脂で形成されている。
本実施形態の光透過部332は、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を紫外線成形法により成形する等して形成されている。しかし、これに限らず、光透過部332は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、光透過部332は、上述のような紫外線硬化形樹脂に限らず、PET樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形により形成されてもよい。このとき、光透過部332が十分な厚みや剛性等を有するならば、前述の基材部331を設けない形態としてもよい。
光吸収部333は、光を吸収する作用を有する部分であり、図5(a)に示すように、隣り合う光透過部332の間の谷状の部分に形成されている。この光透過部332の出光側の面と光吸収部333の出光側の面とで光制御層33の出光側の面が形成されている。
本実施形態の光吸収部333は、図5に示すように、画面左右方向に延在し、光制御層33の出光側の面に沿って光透過部332と画面上下方向に交互に配置されている。
光吸収部333は、その配列方向に平行であって透過型スクリーン10の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状である。光吸収部333は、図5(a)に示すように、その断面形状が、出光側(観察者側)を下底、入光側(光源側)を上底とする略台形形状としてもよいし、入光側を頂点とする略三角形形状としてもよい。
この光吸収部333の屈折率は、光透過部332の屈折率よりも小さいことが、映像光の光線制御の観点から好ましい。しかし、これに限らず、光吸収部333の屈折率は、光透過部332の屈折率と同じものとしてもよいし、光透過部332の屈折率よりも大きくしてもよい。
本実施形態では、光吸収部333の屈折率は、光透過部332の屈折率よりも小さい形態となっている。
光吸収部333は、光吸収材等を含有した光透過性を有する樹脂を、光透過部332間の谷部にワイピング(スキージング)して充填し、硬化させる等して形成される。光吸収部333に用いられる光透過性を有する樹脂は、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が好適に用いられる。前述のように、光吸収部333の屈折率を光透過部332の屈折率よりも小さくする場合には、この光吸収部333に用いられる光透過性を有する樹脂は、光透過部332を形成する樹脂よりも屈折率が小さいものとすることが好ましい。
また光吸収部333に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材であり、例えば、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等である。顔料や染料で着色された樹脂粒子を用いる場合には、その樹脂粒子は、アクリル系樹脂製や、PC樹脂製、PE樹脂製、PS樹脂製、MBS樹脂、MS樹脂等により形成されたものを用いることができる。
図5(a)に示すように、この光透過部332(光吸収部333)の配列ピッチがPであり、光透過部332の厚みがDであり、光透過部332の配列方向における光透過部332の上底の寸法がW1であり、配列方向における光吸収部333の下底の寸法がW2であり、上底の寸法がW3(W3<W2)である。また、透過型スクリーン10の厚み方向における光吸収部333の寸法がHであり、光透過部332と光吸収部333との界面が、透過型スクリーン10の厚み方向となす角度がθである。
図3に戻って、基板層34は、透過型スクリーン10の剛性を高める機能を有し、光透過性を有する層である。この基板層34は、光制御層33の出光側に接合層36を介して一体に積層されている。
基板層34は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、PC樹脂、アクロニトリル・スチレン(AS)樹脂等を押出成形する等により形成された板状の部材を用いることができる。また、この基板層34の厚さは、約1.5〜5.0mmとすることが、透過型スクリーン10としての十分な剛性を有し、かつ、曲面加工を容易とする観点から好ましい。
表面層35は、基板層34よりも出光側に配置され、ハードコート機能や、防眩機能、反射防止機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能等の少なくとも1つの機能を有する層である。
本実施形態の表面層35は、ハードコート機能を有しており、光透過性を有し、JIS K 5600−5−4(1994)で規定される鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を有している。この表面層35は、基板層34の出光側の面に、ハードコート機能を有する塗料をスプレー塗布する等して形成されている。
接合層36は、透過型スクリーン10を構成する各層を一体に接合する層である。本実施形態の接合層36は、基板層34と光制御層33との間、光制御層33と着色層32との間に設けられている。
この接合層36は、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や、圧力により粘着性が顕在化する感圧粘着型のアクリル系樹脂等を用いることができる。また、接合層36の厚さは、透過型スクリーン10の大きさや使用環境、接合する各層の樹脂の特性、接合層として使用する樹脂の特性等に合わせて、10〜100μmの範囲内で適宜選択できる。
本実施形態の透過型スクリーン10は、例えば、以下のように形成される。
まず、略平板状のフレネル基材層21の片面に紫外線成形法等により、フレネルレンズ層22が形成され、略平板状のフレネルレンズシートが作製される。
この略平板状のフレネルレンズシートを加熱して軟化させ、フレネルレンズ層22側が凸となるように、所定の曲面形状を有した不図示の型面に押圧する等して曲面成形することにより、フレネルレンズシート20が形成される。
一方、積層体30は、まず、光拡散層31及び着色層32、光制御層33、基板層34をそれぞれ別体として略平板状に形成する。そして、光拡散層31及び着色層32、光制御層33、基板層34を接合層36により一体に積層した後に、加熱して軟化させ、基板層34側が凸となるように、上述のような所定の曲面形状を有した不図示の型面に押圧する等して曲面成形する。なお、この曲面成形は、真空成形法を用いることが好ましい。曲面形成後に、基板層34の表面に表面層35を形成し、積層体30が形成される。
そして、この曲面成形された積層体30を、曲面成形されたフレネルレンズシート20の観察者側に配置することにより、透過型スクリーン10が完成する。
本実施形態の透過型スクリーン10における映像光及び外光の様子を説明する。
透過型スクリーン10において、図3に示すように、光源部80から投射され透過型スクリーン10に入射した映像光L1は、フレネルレンズシート20のフレネルレンズ層22によって正面方向(前述の点Cにおける接面の法線方向N)へ偏向され、積層体30へ入射する。
積層体30に入射した映像光L1は、光拡散層31で等方的に拡散された後、着色層32を通り、光制御層33に入射し、一部はそのまま正面方向へ出射し、一部は光透過部332と光吸収部333との界面で全反射する等して画面上下方向へ拡散される(図5(a)参照)。このとき、角度θは所定の値となっており、画面上下方向への拡散の度合いは小さいので、正面輝度の低下や画面上下方向への必要以上の拡散を招くことはない。また、光拡散層31で拡散されて正面方向(法線方向N)に対して大きな角度をなす方向に進み、像ぼけの要因となる不要な迷光L2(図5(a)参照)等は、光吸収部333により吸収される。
光制御層33を透過した映像光L1は、基板層34及び表面層35を透過して、観察者側へ出射する。
従って、映像光L1を効率よく観察者側へ出射して明るい映像を表示でき、また、迷光を低減し、像ぼけを抑制して映像の鮮明性を向上できる。
一方、観察者側から透過型スクリーン10へ入射する太陽光や照明光等の外光G1(図3,図5(a)参照)は、一部が光吸収部333で吸収され、一部が着色層32で吸収される。例えば、太陽光等のように時間によって透過型スクリーン10への入射角度が異なる外光は、光制御層33のみの場合には光透過部332と光吸収部333の界面の角度θによっては十分に吸収されない場合もあるが、着色層32を備えているので、そのような外光も十分吸収できる。従って、本実施形態の透過型スクリーン10によれば、外光によるコントラストの低下を大幅に改善することができる。
以上のことから、本実施形態の透過型スクリーン10によれば、車両内のようが外光の影響を受け易い環境下であっても、明るく、コントラストが高い映像が表示でき、かつ、視野角も良好とすることができる。
図6は、本実施形態の積層体30の作用を説明する図である。図6(a)は、本実施形態の積層体30内での光の様子を示し、図6(b)は、比較例の積層体50内での光の様子を示す。なお、図6では、理解を容易にするために、積層体30,50は、平板状とし、画面上下方向及びスクリーン面の法線方向に平行な断面の一部を拡大して示している。
比較例の積層体50は、図6(b)に示すように、入光側から順に、基板層51、光制御層52、光拡散層53、着色層54、表面層55を備え、適宜接合層56により接合されて一体に形成されている。なお、この基板層51、光制御層52、光拡散層53、着色層54、表面層55、接合層56は、その厚さや材料、光学特性等は、それぞれ、本実施形態の基板層34、光制御層33、光拡散層31、着色層32、表面層35と同様である。即ち、比較例の積層体50は、本実施形態の積層体30の各層の厚み方向における配置を変えたものに等しい。
このような比較例の積層体50では、図6(b)に示すように、積層体50に入射した光は、基板層51を透過し、光制御層52によって、画面上下方向において弱く拡散される等した後に、光拡散層53に入射する。
そして、光拡散層53でさらに拡散されて、着色層54及び表面層55を透過して観察者側へ出射する。
このとき、光拡散層53は、輝度ムラ低減等の観点から、光を拡散する作用が大きく、かつ、透過型スクリーン内において出光側に位置しているために、映像光L3は、等方的に大きく拡散された状態で観察者側へ出射する。これにより、観察者には、映像がぼけて観察され、映像の鮮明性が低下していると視認される。
また、比較例の積層体50では、基板層51の入光面が略平滑面状であるために、映像光の一部がその入光面で反射して、フレネルレンズシート20側へ向かい、フレネルレンズ層22と基板層51との間で反射を繰り返してから積層体50側に入射する等して迷光となる場合がある。
これに対して、本実施形態の透過型スクリーン10の積層体30では、図6(a)等に示すように、光拡散層31は、光制御層33よりも入光側に位置する形態となっている。これにより、映像光L4は、光拡散層31で等方的に拡散された後に、光制御層33に入射する。従って、光制御層33の光吸収部333により、前述の光L2(図5(a)参照)のような不要な光が吸収され、一部の映像光の進行方向が少なくとも画面上下方向においては揃えられるので、輝度ムラ低減等の目的で拡散作用が大きな光拡散層を用いたとしても、像ぼけを低減することができる。
また、基板層34は、光制御層33及び光拡散層31よりも出光側に位置している。これにより、光拡散層31とフレネルレンズシート20(フレネルレンズ層22)との距離が近くなるので、像ぼけを低減できる。
さらに、積層体30の入光面は、光拡散層31の表面であり、拡散材の一部が突出することにより、微小な凹凸が形成され、所謂、粗面(マット面)となっている。これにより、積層体30の入光面で正反射される映像光の光量を低減し、迷光を低減でき、かつ、映像の明るさを維持できる。
従って、本実施形態によれば、明るく、輝度ムラもなく、像ぼけも低減できる良好な透過型スクリーン10及びこれを備える背面投射型表示装置1とすることができる。
(実施例及び比較例)
本実施形態の透過型スクリーン10の実施例と比較例とに相当する透過型スクリーンを作成し、その像ボケ等を評価する。
実施例の透過型スクリーン10は、フレネルレンズシート20と、積層体30を備えている。各部の寸法等は、以下の通りです。
画面サイズ:対角18インチ(233mm×403mm)
光拡散層31:平均粒径約2μmのシリコン樹脂製の光拡散材と平均粒径約10μmのアクリル樹脂製の光拡散材を含有するMBS樹脂製の厚さ150μmのシート状の部材。1/2角αは23.8°。ヘイズ値は88.0%。
着色層32:カーボンブラックで着色されたアクリル系ビーズ含有のMBS樹脂製。厚さは75μm。光の透過率は60%。黒色透明。
光制御層33:ウレタンアクリレート樹脂製。光透過部332の配列ピッチP1=60μm、幅W1=30μm、光吸収部333mの深さH1=150μm、幅W2=30μm、幅W3=6.4μm、高さH1=180μm、角度θ=4.5°。光透過部332の屈折率は1.55、光吸収部の屈折率は1.49。
基板層34:PC樹脂製、厚さ2mm
表面層35:ハードコート機能有り、ウレタンアクリレート樹脂製、厚さ20μm
接合層36:アクリル樹脂製、厚さ50μm
比較例の透過型スクリーンは、フレネルレンズシート20と、前述の積層体50とを備えている。積層体50の各層の位置を前述のように変更させて配置したものに相当し、各層の位置が異なる以外は、前述実施例と同様である。
図7は、実施例及び比較例の透過型スクリーンの映像の鮮明性の評価方法を説明する図である。図7(a)は、評価に用いたパターンを示し、図7(b),(c)は、それぞれ、評価における輝度測定時の様子を側面側、上面側から見た様子を示している。
この実施例及び比較例の透過型スクリーンは、暗室環境下に配置され、光源部80となるプロジェクタ(DLP方式)から映像光を投射し、図7(a)に示すような白黒パターン画像をその画面中央に表示させる。そして、図7(a)中に示すように、画面左右方向に平行な直線に位置し、黒パターン上の点Aと、白パターン上の点Bを設定する。白黒パターンは、それぞれ、約10cm×10cmであり、点A,点Bはそれぞれ、白黒パターンの境界から2.5cmパターンの内部側に位置し、点A,B間の距離は5cmである。
そして、点Aから点Bまでの輝度の変化(即ち、黒パターンと白パターンとの境界部分の輝度の変化)を、輝度分布測定器MI(RADIDANT IMAGING社製)を用いて測定する。このとき、図7(b),(c)に示すように、測定器M1は、点A,Bを通り、透過型スクリーン10の法線方向Nに平行な平面内であって、透過型スクリーンの正面方向(シート面の法線方向)に距離d1=30cm離れた位置に位置し、点Aから点Bまで、画面左右方向に平行に移動しながら輝度を測定する。
なお、理解を容易にするために図7では、透過型スクリーン10は、略平板状の状態を示したが、実際は図2等に示すように、出光側に凸となる湾曲形状を有している。
次に、測定器M1による測定値から、点Aから点Bまでの画面左右方向における輝度の変化の傾きの値を算出し、鮮明性を定量化して評価する。
このとき、黒パターンと白パターンとの境界部分の輝度の変化の傾きが急峻である方(傾きを示す値の絶対値が大きい方)が、映像のぼけが少なく、鮮明な映像を表示できることを示す。
図8は、実施例及び比較例の輝度の測定結果を示すグラフである。図8に示す縦軸は、輝度であり、横軸は、画面左右方向の距離である。また、図8に実線で示す曲線は実施例の測定結果であり、破線で示す曲線は比較例の測定結果を示している。
図8に示す実施例及び比較例の輝度曲線は、傾きを見易くするために、点Aから点Bまでの輝度変化の傾きの値を維持したまま、点Aでの黒輝度及び点Bでの白輝度の値を揃えて示し、また、各輝度曲線の傾きを比較し易いように、各輝度曲線の横軸の位置をずらして示している。
前述のように輝度変化を測定し、傾きの値を算出したところ、実施例の透過型スクリーンでの傾きを示す値が0.076であり、比較例の透過型スクリーンでの傾きを示す値が0.072であり、実施例の透過型スクリーンの方が、値が大きかった。即ち、実施例の透過型スクリーンの方が、比較例の透過型スクリーンに比べて、輝度変化を示す曲線の傾きが急峻であり、映像が明瞭である。
また、実際に目視においても、実施例の透過型スクリーンの方が、比較例の透過型スクリーンに比べて、像ぼけやにじみのない、鮮明で良好な映像が観察された。
従って、本実施形態によれば、像ぼけが大幅に改善され、良好な映像を表示できる透過型スクリーン10とすることができ、これを備えた背面投射型表示装置1とすることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、着色層32は、光拡散層31の出光側に配置される例を示したが、これに限らず、着色層32の位置は、適宜選択して配置してよい。
また、光拡散層31が、光吸収材等を含有し、着色層32を兼ねる形態としてもよい。
(2)本実施形態において、光拡散層31は、光を等方的に拡散する作用を有する例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、画面左右方向の拡散作用が画面上下方向の拡散作用よりも大きいといったように、異方性を有する拡散作用を有する光拡散層としてもよい。このとき、異方性を有する拡散作用を有する光拡散層は、画面左右方向における1/2角αが、20°≦α≦25°を満たしていることが好ましい。このような形態としても、前述の実施形態と同様に、映像の鮮明性が高く、良好な映像を表示できる透過型スクリーン等とすることができる。
(3)本実施形態において、光透過部332及び光吸収部333の断面形状は、略等脚台形状である例を示したが、これに限らず、例えば、1つの光透過部332の画面上下方向において、光吸収部333との界面がシートの厚み方向となす角度θが、上側の角度θと下側の角度θとが異なる大きさのもの(即ち、光透過部及び光吸収部が、画面上下方向において非対称な形状のもの)としてもよい。
また、角度θは、光透過部332及び光吸収部333の配列方向(画面上下方向)において、変化する形態としてもよい。
さらに、光吸収部333は、厚み方向において、その上底を光源側、下底を観察者側とする例を記載したが、これに限らず、例えば、上底を観察者側、下底を光源側とする形態としてもよい。
加えて、積層体30が光制御層33を1層のみ備える例を示したが、これに限らず、正面方向から見て、光透過部332及び光吸収部333の配列方向と直交する方向又は略直交する方向に光透過部332及び光吸収部333が配列された第2の光制御層を、光制御層33の出光側又は入光側に配置してもよい。
(4)本実施形態において、光源部80は、背面投射型表示装置1の使用状態において、透過型スクリーン10に対して鉛直方向下側から斜めに映像光を投射する例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、透過型スクリーン10に対して鉛直方向上側から斜めに映像光を投射する形態としてもよい。この場合、透過型スクリーン10の画面上下方向を逆にして配置することが好ましい。
(5)本実施形態において、背面投射型表示装置1は、タッチパネル機能等を備えていない例を示したが、これに限らず、例えば、タッチパネル機能を備えていてもよい。タッチパネル機能としては、例えば、透過型スクリーン10の背面側から赤外光を投射する赤外光投射装置と、透過型スクリーン10の背面側に配置され、赤外光を検出可能な赤外光検出装置とを備える赤外線方式のタッチパネル等を用いることも可能である。
(6)本実施形態において、接合層36は、着色剤や拡散材を含有していない例を挙げて説明したが、これに限らず、適宜拡散材や着色剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
(7)本実施形態では、透過型スクリーン10は、積層体30とフレネルレンズシート20とを備える例を示したが、これに限らず、例えば、光拡散層31の入光面側に、フレネルレンズ層を備える1枚ものの透過型スクリーンの形態としてもよい。
このとき、フレネルレンズ層は、その入光側(背面側)に、入光側に凸となる略三角形形状であり、光が入射する入射面と、入射面からの光の少なくとも一部を全反射する全反射面とを有する単位レンズが複数配列されて形成されるフレネルレンズ形状を有するものとする。このフレネルレンズ層が有するフレネルレンズ形状は、所謂、全反射型のフレネルレンズ形状である。このようなフレネルレンズ形状は、リニアフレネルレンズ形状としてもよいし、サーキュラーフレネルレンズ形状としてもよい。サーキュラーフレネルレンズ形状とする場合には、その光学中心(フレネルセンター)は、透過型スクリーン10のスクリーン面の幾何学的中心点Cに対して偏心した形態となる。
上述のような透過型スクリーンとした場合にも、映像の鮮明性が高く、良好な映像を表示できる。また、上述のような透過型スクリーンとした場合には、通常の屈折型のフレネルレンズシート20を備える場合よりも、映像光のスクリーンへの入射角度を大きくすることができ、背面投射型表示装置の奥行き方向における透過型スクリーンと光源部との距離短くすることができ、背面投射型表示装置の薄型化を図ることができる。
なお、上述のような全反射型のフレネルレンズ形状を有するフレネルレンズシートを、積層体30の入光側に配置してもよい。
(8)本実施形態では、透過型スクリーン10は、図2に示すような曲面形状を有する例を示したが、これに限らず、平板状であり、曲面形状を有しない形態としてもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 背面投射型表示装置
10 透過型スクリーン
20 フレネルレンズシート
30 積層体
31 光拡散層
32 着色層
33 光制御層
332 光透過部
333 光吸収部
34 基板層
35 表面層
80 光源部

Claims (7)

  1. 一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンであって、
    入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ層と、
    前記フレネルレンズ層よりも出光側に設けられ、光を拡散する作用を有する光拡散層と、
    前記光拡散層よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部と光を吸収する光吸収部とを備え、この透過型スクリーンに厚み方向に平行な断面において、前記光透過部及び前記光吸収部がスクリーン面に沿って交互に配置され、前記断面における前記光吸収部の断面形状が略楔形形状である光制御層と、
    を備え、
    前記光拡散層の拡散特性の1/2角αは、20°≦α≦25°であること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  2. 請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記光制御層よりも出光側に設けられ、光透過性を有し、該透過型スクリーンを構成する他の層よりも厚さが厚い基板層を備えること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記フレネルレンズ層と前記光拡散層との間には、空気層が在り、
    前記光拡散層の入光側表面は、粗面となっていること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記光透過部及び前記光吸収部は、この透過型スクリーンの使用状態における画面左右方向に延在し、画面上下方向に配列されていること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記光拡散層は、該透過型スクリーンの使用状態における画面左右方向の拡散特性の1/2角αが、20°≦α≦25°であること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンにおいて、
    スクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有すること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンと、
    前記透過型スクリーンに対して、背面側から映像光を投射する光源部と、
    を備える背面投射型表示装置。
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