JP2004309610A - レンチキュラーレンズシート及びそれを用いた透過型スクリーン - Google Patents
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Abstract
【課題】入光される光の透過効率を低下さず、出光される光の明るさのムラが生じ難い全反射レンチキュラーレンズシート及び透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】シート状の基材層2と、基材層2の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層2側に向けた台形のレンズ要素3とを備え、基材層2の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素3の切断面における台形の脚を含む脚面33で反射して出光するレンチキュラーレンズシート1であって、基材層2及びレンズ要素3の少なくとも何れか一方には粒子5が分散されており、粒子5の拡散半値角αは前記脚面での全反射臨界角γと前記切断面における前記下底と前記脚との交角βとの関係でα(°)<β(°)−γ(°)を満たすように構成する。また、このレンチキュラーレンズシート1を用いて透過型スクリーンを構成する。
【選択図】 図5
【解決手段】シート状の基材層2と、基材層2の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層2側に向けた台形のレンズ要素3とを備え、基材層2の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素3の切断面における台形の脚を含む脚面33で反射して出光するレンチキュラーレンズシート1であって、基材層2及びレンズ要素3の少なくとも何れか一方には粒子5が分散されており、粒子5の拡散半値角αは前記脚面での全反射臨界角γと前記切断面における前記下底と前記脚との交角βとの関係でα(°)<β(°)−γ(°)を満たすように構成する。また、このレンチキュラーレンズシート1を用いて透過型スクリーンを構成する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入光する光を特定方向の発散光線となる光として出光するレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンに関し、特に切断面が台形のレンズ要素の脚面で入光する光を反射して出光させるレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンに関する。この透過型スクリーンは、例えば背面投射型テレビのスクリーンとして好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
背面投射型テレビ等で採用される、スクリーンの観察者とは反対側にプロジェクタ装置を配置した投射系においては、透過型スクリーンが用いられる。この透過型スクリーンは、一般に、プロジェクタ装置から投射され発散光線となる映像光(以下、単に発散光と称する。)を平行光線となる映像光(以下、単に平行光と称する。)に調整するフレネルレンズシートと、当該フレネルレンズにより調整された平行光を任意の方向(通常は水平方向)に発散光線となる映像光(以下、任意方向の発散光と称する。)に調整するレンチキュラーレンズシートと、を備えて構成される。従って、水平方向の発散光に調整するレンチキュラーレンズシートを用いた場合には、観察者は水平方向に一定範囲内で移動した場合でも透過型スクリーンに投影される映像を良好に観察することが可能となる。即ち、スクリーン視野角を広げることが可能となる。
【0003】
このように平行光を任意方向の発散光に調整するレンチキュラーレンズシートの一つに、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され、切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備えたレンチキュラーレンズシート(以下、全反射レンチキュラーレンズシートと称することがある。)がある(例えば、特許文献1参照。)。この全反射レンチキュラーレンズシートは、入光する平行光の一部をレンズ要素の脚面で反射して、レンズ要素の長手方向に対して直角となる方向の発散光として出光する。従って、レンズ要素の長手方向を垂直方向に向くように形成した場合、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光は水平方向の発散光となり、前述のように、広視野角のスクリーンを提供することができる。
【0004】
また、上記構成の全反射レンチキュラーレンズシートの基材層又はレンズ要素に拡散粒子を分散させた全反射レンチキュラーレンズシートがある。このように拡散粒子を分散させた全反射レンチキュラーレンズシートによれば、シンチレーション等の画像面に発生するスペックルを低減させることができる(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
なお、本明細書において、レンズ要素の切断面における台形の上底とは当該台形の短い方の底をいい、同様にレンズ要素の切断面における台形の下底とは当該台形の長い方の底をいう。また、レンズ要素の上底面とはレンズ要素の切断面における台形の上底を含む面をいい、同様に、レンズ要素の下底面とはレンズ要素の切断面における台形の下底を含む面、レンズ要素の脚面とはレンズ要素の切断面における台形の脚を含む面をいう。
【特許文献1】
特開昭50−121753号公報(第6〜7頁、第4図)
【特許文献2】
特開2000−347009号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、これら全反射レンチキュラーレンズシートでは以下の問題が生じる。
【0007】
1)先ず、特許文献1に示す全反射レンチキュラーレンズシートでは、次のような問題が生じる。即ち、全反射レンチキュラーレンズシートに入光する平行光はレンズ要素の上底面及び脚面に到達するが、このうち上底面に達した光は方向を変えずに出光され、また脚面に達した光は当該脚面で反射されて出光される。つまり、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光は、レンズ要素の一方の脚面で反射されて出光する光群Y1、他方の脚面で反射されて出光する光群Y3、及び、脚面で反射されずそのまま出光する光群Y2の3つの光群で形成される(図12(A))。従って、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光についてゲイン曲線を描くと、それぞれの光群に対応する3つのゲインピークを有する急勾配を含む曲線となる(図12(B))。
【0008】
ここで、この全反射レンチキュラーレンズシートを用いて構成した透過型スクリーンを有する背面投射型プロジェクションテレビの映像を当該テレビの正面中央に位置して観察する場合、テレビ中央部の映像を上記ゲイン曲線の0°位置での明るさで観察することになる。一方、テレビの両端部を観察する角度はテレビからどの程度離れて映像を観察するかによって異なるが、スクリーンの縦横比が3:4であるテレビをスクリーン高さの5倍離れた位置から観察する場合には、テレビ両端部の映像を上記ゲイン曲線の±7.6°位置での明るさで観察することになる。そのため、上記のように3つのゲインピークを有する急勾配を含むゲイン曲線を持つレンチキュラーレンズシートの場合、観察者は明るさ均一性(ブライトユニフォミティー)の悪い映像を観察することとなる。例えば、テレビ両端部の観察角度とゲイン曲線の極小値を示す角度とがほぼ一致する場合、テレビ中央部の映像の明るさとテレビ両端部の映像の明るさとの差が極端に大きくなり、観察者はブライトユニフォミティーの極端に悪い映像を観察することとなる。
【0009】
また、観察者が当該レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンの一方端側から他方端側に向かって水平方向に移動しながら映像を観察した場合、スクリーン中央部の映像が明暗交互に観察され、これに上述したブライトユニフォミティーの悪さが付加されて、観察者はブライトユニフォミティーの極端に悪い映像を観察することとなる。
【0010】
2)また、特許文献2に示す全反射レンチキュラーレンズシートでは、入光する光を拡散粒子で拡散して出光するため、上述したようなゲインピークを有して明るさのムラを生じさせるという現象を緩和することができる。しかし、入光する光は拡散粒子で拡散されて様々な入射角で脚面へ入射し、このうち全反射臨界角未満で脚面に入射した光は脚面で反射されずに透過してレンズ要素間に設けた光吸収層等で吸収される。従って、レンチキュラーレンズシートの透過効率は低下してしまう。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その課題とするところは、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好な全反射レンチキュラーレンズシート及び透過型スクリーンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、基材層及びレンズ要素の少なくとも何れか一方には粒子が分散されており、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光を粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすように粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0014】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるように粒子を分散させると良い。
【0015】
なお、粒子の拡散半値角αとは、レンチキュラーレンズシートに垂直に入光する光が拡散粒子のみで拡散されて出光する光のゲイン半値角である。例えば、イ)レンチキュラーレンズシートのレンズ要素の長手方向と平行となる方向のゲイン曲線の半値角を、拡散粒子の拡散半値角αとして特定することができ、また、ロ)他の拡散要素を含まない、拡散粒子のみを分散させたシートを用いて拡散粒子の分散状態(拡散粒子の屈折率、分散量等)と拡散半値角αの関係を予め求めておき、レンチキュラーレンズシートに分散された拡散粒子の分散状態から上記関係に基づき拡散半値角αを特定することができる。
【0016】
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、少なくともレンズ要素にはレンズ要素と屈折率の異なる粒子が分散されており、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項2)。
【0017】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光をレンズ要素に分散されたレンズ要素と異なる屈折率の粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすようにレンズ要素に粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0018】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるようにレンズ要素に粒子を分散させると良い。
【0019】
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、少なくとも基材層には基材層と屈折率の異なる粒子が分散され、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項3)。
【0020】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光を基材層に分散された基材層と異なる屈折率の粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすように基材層に粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0021】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるように基材層に粒子を分散させると良い。
【0022】
更に、これらレンチキュラーレンズシートにおいて、隣接するレンズ要素の脚面で形成されるV字溝中にレンズ要素の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を備えると良い(請求項4)。
【0023】
このようにV字溝中にレンズ要素より低い屈折率の低屈折率層を設けることにより、入光する光を確実にレンズ要素の脚面で反射して出光させることができる。
【0024】
更に、このレンチキュラーレンズシートにおいて、レンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差が0.01〜0.09であることが良い(請求項5)。
【0025】
屈折率差が0.01未満となると交角βが大きくなり、例えば光吸収粒子を分散させた低屈折率層の出光面に占める割合を大きくして外光の吸収効率を上げようとする場合には、レンズ要素の上底面の幅が小さくなりレンチキュラーレンズシートの製造が困難となる。また、特に、レンズ要素を樹脂で構成する場合に、屈折率差が0.09を超える樹脂の組合せを選択するのは困難であり、たとえ選択できたとしても樹脂の製造に多大なコストがかかることとなる。
【0026】
以上の観点から、更に望ましくはレンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差を0.06〜0.07とすることが良い。
【0027】
なお、レンズ要素は、屈折率が例えば1.49〜1.60となるように形成されるとよく、また低屈折率層は、屈折率が例えば1.40〜1.51となるように形成されるとよい。
【0028】
また、これらレンチキュラーレンズシートにおいて、低屈折率層には光を吸収する光吸収粒子を分散させることが良い(請求項6)。
【0029】
これによれば、出光面側から入ってくる外光を光吸収粒子で吸収することができ、レンチキュラーレンズシートから出光する光のコントラストを高くすることができる。
【0030】
また、以上何れかのレンチキュラーレンズシートと、当該レンチキュラーレンズシートの基材層の他方の面側に配置したフレネルレンズシートと、を備えて透過型スクリーンを構成するとよい(請求項7)。
【0031】
これによれば、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好な透過型スクリーンを提供することができ。したがって、観察者は、良好なブライトユニフォミティーで、明るい映像を観察することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0033】
1.第1実施形態
1)レンチキュラーレンズシートの構成
図1は、第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの出光面側斜視図である。図1に示すように、レンチキュラーレンズシート1は、シート状の基材層2と、基材層2の一方の面(具体的にはレンチキュラーレンズシート1の出光面側に位置する面)に互いに平行に複数配置された切断面が下底を基材層2側に向けた台形のレンズ要素3と、レンズ要素3の間に形成される複数の低屈折率層4と、を備えて構成される。
【0034】
図2は、レンチキュラーレンズシート1の厚さ方向の断面を示す、図1におけるa−a断面図である。図2に示すように、レンズ要素3は、その下底面31が基材層2に当接されるように形成され、上底面32及び脚面33を備える。ここで、一方の脚面33a及び他方の脚面33bは共に下底面31と交角βで交わっている。
【0035】
なお、基材層2及びレンズ要素3は透光性の樹脂で形成され、同一の樹脂により一体で成形されても良いし、同一又は異なる樹脂により別体で成形されても良い。例えば、放射線硬化型のアクリレート系樹脂等を用いて成形することができる。
【0036】
また、低屈折率層4は、隣り合うレンズ要素3により形成されるV字溝中に形成され、レンズ要素3より小さい屈折率の樹脂で形成される樹脂層4aと、樹脂層4a中に分散される光吸収作用を有する光吸収粒子4bと、を備えて構成される。なお、樹脂層4aにはシリコンやフッ素を導入した低屈折率アクリレート系樹脂等を用いることができ、また、光吸収粒子4bにはカーボン等の顔料、赤、青、黄、黒等の複数の染料、又はこれらの顔料及び/又は染料で着色されたアクリル系架橋粒子等を用いることができる。
【0037】
そして、レンズ要素3中には、レンズ要素3と異なる屈折率の拡散粒子5が分散される。この拡散粒子5は、拡散粒子5の拡散半値角αが、下底面31と脚面33との交角βと、脚面33の全反射臨界角γとの関係で次式を満たすように分散される。
【0038】
【式1】
α(°)<β(°)−γ(°)・・・(1)
ここで、拡散粒子5の拡散半値角αとは、レンチキュラーレンズシート1の入光面に対して略垂直に入光する光を拡散粒子5のみにより拡散され出光する光のゲイン曲線を描いたときの半値角であり(図3参照)、具体的には、拡散粒子5を分散させる層(ここではレンズ要素3)と拡散粒子5との屈折率差、拡散粒子5の分散量等により決定される。逆にいうと、拡散粒子5の屈折率、分散量等を調節して拡散粒子5の拡散半値角αが式(1)を満たすようにする。
【0039】
なお、拡散粒子5の拡散半値角αは、例えば、次の何れかの方法で特定することが可能である。
【0040】
イ)レンチキュラーレンズシート1のレンズ要素3の影響を受けない方向(即ち、レンズ要素3の長手方向と平行となる方向)のゲイン曲線を測定して拡散粒子5の拡散半値角αを特定することができる。即ち、この方向のゲイン曲線はレンズ要素5の影響を受けないので、拡散粒子5単独での拡散半値角αを特定することができる。
【0041】
ロ)レンズ要素3を含まない他のシートに拡散粒子5を分散させたシートを用いて、拡散粒子5の分散状態(拡散粒子5の屈折率、分散量等)と拡散半値角αの関係を予め求めておき、レンチキュラーレンズシート1に分散された拡散粒子5の分散状態から上記関係に基づき拡散半値角αを特定することができる。
【0042】
なお、拡散粒子5は、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の有機系の粒子又はガラス系、シリカ等の無機系の粒子で形成するとよい。
【0043】
2)レンチキュラーレンズシートの働き
以上のように構成されたレンチキュラーレンズシート1は、後述するフレネルレンズにより調整された略平行光を入光面側から入光し、その一部をレンズ要素3の脚面33(33a,33b)で反射して、レンズ要素5の長手方向と直交する方向の発散光として出光する。
【0044】
このとき、入光面側から入光する光は、先ず拡散粒子5で拡散され、次いで拡散された光の一部はレンズ要素3の脚面33に達して反射された後に上底面32から出光され(X1,X3)、残りの一部は脚面33には達せずそのまま上底面32から出光される(X2)。このようにレンチキュラーレンズシート1から出光される光は3つの光群(X1,X2,X3)で構成されることになる(図4(A))。
【0045】
そして、この3つの光群で構成されるレンチキュラーレンズシート1から出光される光のレンズ要素5の長手方向と直交する方向のゲイン曲線は、図4(B)に実線で示すような滑らかなゲイン曲線Lで描かれる。即ち、3つの光群X1,X2,X3を形成する光は、それぞれ拡散粒子5による拡散を伴うので、それぞれの光群X1,X2,X3の単独で形成される仮想のゲイン曲線L1,L2,L3は所定の広がりを持った仮想ゲイン曲線として描かれる。この所定の広がりを持った仮想ゲイン曲線L1,L2,L3が合成されて滑らかなゲイン曲線Lが形成されるのである。
【0046】
また、拡散半値角αが前述の式(1)を満たすように拡散粒子5が分散されるため、拡散粒子5で拡散された光がレンズ要素3の脚面33に全反射臨界角γ以下で入射して低屈折率層4内へ透過する、いわゆる損失光を殆ど生じさせることはない。以下、これについて図5を用いて詳細に説明する。
【0047】
先ず、略平行光として入光する光が拡散粒子5で拡散されレンズ要素3の脚面33に到達する寸前の光の進行角度をωとすると、前述のように脚面33は下底面31に対してβだけ傾くので、脚面33への入射角度θは次式で表される。
【0048】
【式2】
θ(°)=β(°)−ω(°)・・・(2)
入射角度θで脚面33に入射される光が、当該脚面33で反射されるには脚面33での全反射臨界角γとの関係で次式を満たす必要がある。
【0049】
【式3】
θ(°)>γ(°)・・・(3)
式(3)に式(2)を代入して整理すると次式が得られる。
【0050】
【式4】
ω(°)<β(°)−γ(°)・・・(4)
そして、本実施形態のレンチキュラーレンズシート1では、前述のように拡散粒子5の拡散半値角αが式(1)を満たすように、拡散粒子5が分散されるので、拡散粒子5によって拡散半値角α以下の角度に分散される光は、脚面33で反射されて出光面(上底面32)から出光されることとなる。逆に言えば、脚面33で反射されずに低屈折率層4側へ透過される光は拡散粒子5によって拡散半値角αを越える角度に分散される光であり、拡散半値角αを越える角度に分散される光が全体に占める割合は極僅かであるので、低屈折率層4側へ透過する光(損失光)はごく僅かとなる。
【0051】
また、低屈折率層4の光吸収粒子4bは、レンチキュラーレンズシート1の出光面側から入光する光(外光)を吸収して、観察者側に反射する外光の量を低減させる。
【0052】
3)レンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーン
以上のように構成されたレンチキュラーレンズシート1は、例えば透過型スクリーンの構成部材として用いられる。
【0053】
図6はレンチキュラーレンズシート1を用いた透過型スクリーンの出光面側から見た斜視図であり、図7は図6のb−b断面図である。図6及び図7に示すように、透過型スクリーン11は、レンズ要素5の長手方向が垂直方向を向くように配置したレンチキュラーレンズシート1と、その入光面側に配置されるフレネルレンズシート12とで構成される。
【0054】
フレネルレンズシート12は、シート状の基材層121と、その出光側の面に同心円状に配置されてレンズ面122aと非レンズ面122bとを有する複数のプリズム122と、で構成される。
【0055】
このように構成された透過型スクリーン11は、透過型スクリーン11の観察者Vとは反対側にプロジェクタ装置Eを配置した映像投射系に用いられる。そして、プロジェクタ装置Eから投射される発散光は、フレンルレンズシート12で略平行光に調節され、更にレンチキュラーレンズシート1で水平方向の発散光に調節されて観察者Vに提供される。観察者Vはこのように提供される映像光を観察することになる。
【0056】
このときレンチキュラーレンズシート1から出光される映像光は、前述したように滑らかなゲイン曲線Lを形成するので、観察者は良好なブライトユニフォミティーで映像を観察することが可能となる。また、レンチキュラーレンズシート1の脚面33で反射される際に低屈折率層4側へ透過される映像光(損失光)は極僅かであるので、観察者は明るい映像を観察することが可能となる。更に、レンチキュラーレンズシート1の出光面側から入光する外光を光吸収粒子4bで吸収して、反射する外光の量を低減するので、観察者はコントラストの高い映像を観察することが可能となる。
【0057】
2.第2実施形態
第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートは、第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシート1において、拡散粒子5を分散させる位置をレンズ要素3から基材層2に変更し、また、新たに出光面側に拡散板を備えて形成したものである。この点を除いては第1実施形態と同一であるので、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0058】
1)レンチキュラーレンズシートの構成
図8は、第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシート1’の厚さ方向の断面図である。図8に示すように、レンチキュラーレンズシート1’は、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6と、を備えて構成され、更に、基材層2には、拡散粒子5が分散される。
【0059】
拡散板6は、レンチキュラーレンズシート1’の出光面側に配置され、シート状の樹脂層6aに粒子6bを分散させて形成される。
【0060】
このように構成されたレンチキュラーレンズシート1’は、第1実施形態のレンチキュラーレンズシート1と同様に、滑らかなゲイン曲線を形成し、損失光を殆ど生じさせることなく、また、観察者側に反射させる外光の量を低減する。更に、レンチキュラーレンズシート1’は、拡散板6を備えるので、出光面のフラット性が向上し、また剛性感が得られ、更に拡散板6の拡散効果によりゲイン曲線が一層滑らかになるという効果を奏する。
【0061】
2)レンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーン
図9はレンチキュラーレンズシート1’を用いた透過型スクリーンの断面図である。図9に示すように、透過型スクリーン11’は、レンズ要素3の長手方向が垂直方向を向くように配置したレンチキュラーレンズシート1’と、その入光面側に配置されるフレネルレンズシート12とで構成される。
【0062】
このように構成された透過型スクリーン11’は、第1実施形態と同様に、透過型スクリーン11’の観察者Vとは反対側にプロジェクタ装置13を配置した映像投射系に用いられ、プロジェクタ装置から投射された映像光をフレンルレンズシート12で略平行光に調節し、更にレンチキュラーレンズシート1’で水平方向の発散光に調節して観察者Vに提供する。
【0063】
このときレンチキュラーレンズシート1’から出光される映像光は、第1実施形態と同様に、滑らかなゲイン曲線Lを形成するので、観察者は良好なブライトユニフォミティーで映像を観察することが可能となる。また、レンチキュラーレンズシート1’の脚面33で反射される際に低屈折率層4側へ透過される映像光(損失光)は極僅かであるので、観察者は明るい映像を観察することが可能となる。更に、レンチキュラーレンズシート1’の出光面側から入光する外光を光吸収粒子4bで吸収して、反射する外光の量を低減するので、観察者はコントラストの高い映像を観察することが可能となる。
【0064】
3.他の実施形態
上記実施形態における拡散粒子5の分散位置及び拡散板102の有無をそれぞれ選択して組み合わせることにより、図10に示すように、各レンチキュラーレンズシートを形成することができる。
【0065】
図10(A)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4とを備え、分散粒子5を基材層2に分散して形成したもので、また、図10(B)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4とを備え、分散粒子5を基材層2及びレンズ要素3に分散して形成したものである。更に、図10(C)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6とを備え、分散粒子5をレンズ要素3に分散して形成したもので、また、図10(D)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6とを備え、分散粒子5を基材層2及びレンズ要素3に分散して形成したものである。
【0066】
これらレンチキュラーレンズシートは、第1、第2実施形態で示したレンチキュラーレンズシートと同様に、滑らかなゲイン曲線を形成し、損失光を殆ど生じさせることなく、また、観察者側に反射させる外光の量を低減する。また、これらレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートを組み合わせて透過型スクリーンを形成して、観察者が透過型スクリーンに投影された映像を観察したとき奏する作用効果も第1、第2実施形態の場合と同様である。
【0067】
【実施例】
1.レンチキュラーレンズシートの製造
切断面が、下底65μm、上底35μm、高さ150μm、下底と脚の交角(β)81°の台形であるレンズ要素を有する実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートを、下記に示す方法により製造した。
【0068】
また、後述するようにレンズ要素を形成する樹脂の屈折率は1.55で、また、低屈折率層を形成する樹脂の屈折率は1.48であるので、レンズ要素の脚面での全反射臨界角γは72.7°である。
【0069】
1)実施例1
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を6P(ビーズの拡散半値角αにして5°分)分散させた放射線硬化型樹脂(屈折率1.55)を用いて、厚さ188μmのPET(Polyethylene Terephthalate)製の透明フィルム基材(東洋紡製:A4300)の表面にレンズ要素を形成した。その後、レンズ要素間に形成されたV溝に、光吸収粒子としてのカーボン処理を施したアクリルビーズを20P分散させたアクリル系樹脂(屈折率1.48)を充填して低屈折率層を形成した。更に、このシートのレンズ要素側の表面に、厚さ2mmのアクリル製基材に粒径12μmのアクリル−スチレン共重合体からなるMSビーズを約3P分散させて形成した拡散板を、接着用の放射線硬化型樹脂を介して公知の枚葉ラミネート法により積層し、接着用の放射線硬化型樹脂を硬化させて実施例1に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この実施例1に係るレンチキュラーレンズシートは、αが5°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たす。
【0070】
なお、上述の6Pとは、100(重量)部の樹脂に6(重量)部のビーズを添加したことを意味し、後述する8P、10Pについても同様である。
【0071】
2)実施例2
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を8P(ビーズの拡散半値角にして7°分)分散させた放射線硬化型樹脂を用いて透明フィルム基材の表面にレンズ要素を形成した以外は上記と同様の方法により、実施例2に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この実施例2に係るレンチキュラーレンズシートは、αが7°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たす。
【0072】
3)比較例1
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を10P(ビーズの拡散半値角にして10°分)分散させた放射線硬化型樹脂を用いて透明フィルム基材の表面にレンズ要素を形成した以外は上記と同様の方法により、比較例1に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この比較例1に係るレンチキュラーレンズシートは、αが10°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たさない。
【0073】
2.評価方法
1)ゲイン曲線の測定
各実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートをレンズ要素の長手方向が垂直方向を向くように配置し、其々のレンチキュラーレンズシートの入光面側にレンズ面と非レンズ面を有数するプリズムを出光面に同心円状に112μmピッチで複数配置したフレネルレンズシートを更に配置して透過型スクリーンを形成した。この透過型スクリーンのフレネルレンズシート側にプロジェクタ装置を配置し、当該プロジェクタ装置から透過型スクリーンに向かって光を投射して、レンチキュラーレンズシートから出光する光のレンズ要素の長手方向と直交する方向のゲイン曲線(水平方向のゲイン曲線)を測定した。なお、拡散半値角αの値を確認するため、同様にしてレンズ要素の長手方向と平行する方向のゲイン曲線(垂直方向のゲイン曲線)を測定した。
【0074】
2)透過効率の測定
透過効率は、ヘイズメーター(HR−100/村上色彩製)を用いて測定した。具体的には、レンチキュラーレンズシートを介して出光される光量をディテクターで測定し、レンチキュラーレンズシートの入光面側から入光する光量に対するディテクターの測定光量の割合を透過効率として算出した。
【0075】
3.評価結果
1)ゲイン曲線
図11(A)は実施例1、(B)は実施例2、(C)は比較例1のゲイン曲線を示す図である。各図において、実線はレンズ要素の長手方向と直交する方向のゲイン曲線(水平方向のゲイン曲線)、点線はレンズ要素の長手方向と平行する方向のゲイン曲線(垂直方向のゲイン曲線)を示す。
【0076】
図11(A)〜(C)に示すように、水平方向のゲイン曲線は、比較例1については全体として滑らかな曲線となり、また、実施例1及び2についても幾つかの小さい山は存在するものの全体として滑らかな曲線となった。
【0077】
また、図11(A)〜(C)に示すように、実施例1,2及び比較例1の垂直方向のゲイン曲線の半値角(拡散半値角)αは、それぞれ5°、7°、10°となり、上述した値と同じであることを確認した。
【0078】
2)透過効率
透過効率は、実施例1及び実施例2のレンチキュラーレンズシートでは83%と良好な値となった。これに対して、比較例1のレンチキュラーレンズシートでは78%と透過効率は極端に低下した。
【0079】
3)以上のように、実施例1及び実施例2のレンチキュラーレンズシートでは、得られるゲイン曲線は滑らかな曲線となり、また、透過効率も良好であった。これに対して、比較例1のレンチキュラーレンズシートでは、得られるゲイン曲線は滑らかな曲線となったが、透過効率が極端に劣った。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基材層及びレンズ要素の少なくとも何れか一方に粒子を分散させ、その拡散半値角αが「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすようにしたので、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好なレンチキュラーレンズシートを提供することができる。
【0081】
このとき、粒子を被分散層である基材層又はレンズ要素とは異なる屈折率にしたので、入光する光を確実に粒子で拡散させることができ、上記効果を一層確実なものにする。
【0082】
更に、隣接するレンズ要素の脚面で形成されるV字溝中にレンズ要素の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を備えたので、入光する光をレンズ要素の脚面で確実に反射して出光することができる。
【0083】
更に、レンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差を0.01〜0.09としたので、入光する光をレンズ要素の脚面で一層確実に反射して出光することができる。
【0084】
更に、低屈折率層に光吸収粒子を分散させたので、出光面側から入ってくる外光を光吸収粒子で吸収して、レンチキュラーレンズシートから出光する光のコントラストを高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの出光面側斜視図である。
【図2】図1のa−a断面図である。
【図3】拡散半値角を説明する図である。
【図4】(A)は第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートから出光する光を説明する図であり、(B)は同レンチキュラーレンズシートのゲイン曲線を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの作用効果の一つを説明する図である。
【図6】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの一例を示す斜視図である。
【図7】図6のb−b断面図である。
【図8】第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの厚さ方向の断面図である。
【図9】第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの一例を示す断面図である。
【図10】他の実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの厚さ方向の断面図である。
【図11】実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートのゲイン曲線を示す図である。
【図12】従来のレンチキュラーレンズシートのゲインの問題点の一つを説明する図である。
【符号の説明】
1 レンチキュラーレンズシート
2 基材層
3 レンズ要素
31 下底面
32 上底面
33 脚面
4 低屈折率層
4a 樹脂層
4b 光吸収粒子
5 拡散粒子
6 拡散板
6a 樹脂層
6b 粒子
121 フレネルレンズシート
E プロジェクタ装置
V 観察者
【発明の属する技術分野】
本発明は、入光する光を特定方向の発散光線となる光として出光するレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンに関し、特に切断面が台形のレンズ要素の脚面で入光する光を反射して出光させるレンチキュラーレンズシート及びこれを用いた透過型スクリーンに関する。この透過型スクリーンは、例えば背面投射型テレビのスクリーンとして好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
背面投射型テレビ等で採用される、スクリーンの観察者とは反対側にプロジェクタ装置を配置した投射系においては、透過型スクリーンが用いられる。この透過型スクリーンは、一般に、プロジェクタ装置から投射され発散光線となる映像光(以下、単に発散光と称する。)を平行光線となる映像光(以下、単に平行光と称する。)に調整するフレネルレンズシートと、当該フレネルレンズにより調整された平行光を任意の方向(通常は水平方向)に発散光線となる映像光(以下、任意方向の発散光と称する。)に調整するレンチキュラーレンズシートと、を備えて構成される。従って、水平方向の発散光に調整するレンチキュラーレンズシートを用いた場合には、観察者は水平方向に一定範囲内で移動した場合でも透過型スクリーンに投影される映像を良好に観察することが可能となる。即ち、スクリーン視野角を広げることが可能となる。
【0003】
このように平行光を任意方向の発散光に調整するレンチキュラーレンズシートの一つに、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され、切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備えたレンチキュラーレンズシート(以下、全反射レンチキュラーレンズシートと称することがある。)がある(例えば、特許文献1参照。)。この全反射レンチキュラーレンズシートは、入光する平行光の一部をレンズ要素の脚面で反射して、レンズ要素の長手方向に対して直角となる方向の発散光として出光する。従って、レンズ要素の長手方向を垂直方向に向くように形成した場合、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光は水平方向の発散光となり、前述のように、広視野角のスクリーンを提供することができる。
【0004】
また、上記構成の全反射レンチキュラーレンズシートの基材層又はレンズ要素に拡散粒子を分散させた全反射レンチキュラーレンズシートがある。このように拡散粒子を分散させた全反射レンチキュラーレンズシートによれば、シンチレーション等の画像面に発生するスペックルを低減させることができる(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
なお、本明細書において、レンズ要素の切断面における台形の上底とは当該台形の短い方の底をいい、同様にレンズ要素の切断面における台形の下底とは当該台形の長い方の底をいう。また、レンズ要素の上底面とはレンズ要素の切断面における台形の上底を含む面をいい、同様に、レンズ要素の下底面とはレンズ要素の切断面における台形の下底を含む面、レンズ要素の脚面とはレンズ要素の切断面における台形の脚を含む面をいう。
【特許文献1】
特開昭50−121753号公報(第6〜7頁、第4図)
【特許文献2】
特開2000−347009号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、これら全反射レンチキュラーレンズシートでは以下の問題が生じる。
【0007】
1)先ず、特許文献1に示す全反射レンチキュラーレンズシートでは、次のような問題が生じる。即ち、全反射レンチキュラーレンズシートに入光する平行光はレンズ要素の上底面及び脚面に到達するが、このうち上底面に達した光は方向を変えずに出光され、また脚面に達した光は当該脚面で反射されて出光される。つまり、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光は、レンズ要素の一方の脚面で反射されて出光する光群Y1、他方の脚面で反射されて出光する光群Y3、及び、脚面で反射されずそのまま出光する光群Y2の3つの光群で形成される(図12(A))。従って、全反射レンチキュラーレンズシートから出光される光についてゲイン曲線を描くと、それぞれの光群に対応する3つのゲインピークを有する急勾配を含む曲線となる(図12(B))。
【0008】
ここで、この全反射レンチキュラーレンズシートを用いて構成した透過型スクリーンを有する背面投射型プロジェクションテレビの映像を当該テレビの正面中央に位置して観察する場合、テレビ中央部の映像を上記ゲイン曲線の0°位置での明るさで観察することになる。一方、テレビの両端部を観察する角度はテレビからどの程度離れて映像を観察するかによって異なるが、スクリーンの縦横比が3:4であるテレビをスクリーン高さの5倍離れた位置から観察する場合には、テレビ両端部の映像を上記ゲイン曲線の±7.6°位置での明るさで観察することになる。そのため、上記のように3つのゲインピークを有する急勾配を含むゲイン曲線を持つレンチキュラーレンズシートの場合、観察者は明るさ均一性(ブライトユニフォミティー)の悪い映像を観察することとなる。例えば、テレビ両端部の観察角度とゲイン曲線の極小値を示す角度とがほぼ一致する場合、テレビ中央部の映像の明るさとテレビ両端部の映像の明るさとの差が極端に大きくなり、観察者はブライトユニフォミティーの極端に悪い映像を観察することとなる。
【0009】
また、観察者が当該レンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンの一方端側から他方端側に向かって水平方向に移動しながら映像を観察した場合、スクリーン中央部の映像が明暗交互に観察され、これに上述したブライトユニフォミティーの悪さが付加されて、観察者はブライトユニフォミティーの極端に悪い映像を観察することとなる。
【0010】
2)また、特許文献2に示す全反射レンチキュラーレンズシートでは、入光する光を拡散粒子で拡散して出光するため、上述したようなゲインピークを有して明るさのムラを生じさせるという現象を緩和することができる。しかし、入光する光は拡散粒子で拡散されて様々な入射角で脚面へ入射し、このうち全反射臨界角未満で脚面に入射した光は脚面で反射されずに透過してレンズ要素間に設けた光吸収層等で吸収される。従って、レンチキュラーレンズシートの透過効率は低下してしまう。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その課題とするところは、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好な全反射レンチキュラーレンズシート及び透過型スクリーンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、基材層及びレンズ要素の少なくとも何れか一方には粒子が分散されており、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光を粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすように粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0014】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるように粒子を分散させると良い。
【0015】
なお、粒子の拡散半値角αとは、レンチキュラーレンズシートに垂直に入光する光が拡散粒子のみで拡散されて出光する光のゲイン半値角である。例えば、イ)レンチキュラーレンズシートのレンズ要素の長手方向と平行となる方向のゲイン曲線の半値角を、拡散粒子の拡散半値角αとして特定することができ、また、ロ)他の拡散要素を含まない、拡散粒子のみを分散させたシートを用いて拡散粒子の分散状態(拡散粒子の屈折率、分散量等)と拡散半値角αの関係を予め求めておき、レンチキュラーレンズシートに分散された拡散粒子の分散状態から上記関係に基づき拡散半値角αを特定することができる。
【0016】
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、少なくともレンズ要素にはレンズ要素と屈折率の異なる粒子が分散されており、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項2)。
【0017】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光をレンズ要素に分散されたレンズ要素と異なる屈折率の粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすようにレンズ要素に粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0018】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるようにレンズ要素に粒子を分散させると良い。
【0019】
また、本発明のレンチキュラーレンズシートは、シート状の基材層と、基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部をレンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、少なくとも基材層には基材層と屈折率の異なる粒子が分散され、粒子の拡散半値角αは脚面での全反射臨界角γと切断面における下底と脚との交角βとの関係で「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすことを特徴とする(請求項3)。
【0020】
このレンチキュラーレンズシートによれば、入光する光を基材層に分散された基材層と異なる屈折率の粒子で拡散させて出光するので、レンチキュラーレンズシートから出光する光のゲイン曲線を滑らかな曲線とすることができ、レンチキュラーレンズシートのブライトユニフォミティーを向上することができる。更に、拡散半値角αが上記関係式を満たすように基材層に粒子が分散されるので、全反射臨界角γ以下の角度で脚面に入光する光の量を極僅かとすることができ、透過効率を良好に保つことができる。
【0021】
なお、粒子を少量分散させた場合でも、ブライトユニフォミティーを向上することができるが、より良好なブライトユニフォミティーを確保するため、拡散半値角αが1°以上、より望ましくは3°以上となるように基材層に粒子を分散させると良い。
【0022】
更に、これらレンチキュラーレンズシートにおいて、隣接するレンズ要素の脚面で形成されるV字溝中にレンズ要素の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を備えると良い(請求項4)。
【0023】
このようにV字溝中にレンズ要素より低い屈折率の低屈折率層を設けることにより、入光する光を確実にレンズ要素の脚面で反射して出光させることができる。
【0024】
更に、このレンチキュラーレンズシートにおいて、レンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差が0.01〜0.09であることが良い(請求項5)。
【0025】
屈折率差が0.01未満となると交角βが大きくなり、例えば光吸収粒子を分散させた低屈折率層の出光面に占める割合を大きくして外光の吸収効率を上げようとする場合には、レンズ要素の上底面の幅が小さくなりレンチキュラーレンズシートの製造が困難となる。また、特に、レンズ要素を樹脂で構成する場合に、屈折率差が0.09を超える樹脂の組合せを選択するのは困難であり、たとえ選択できたとしても樹脂の製造に多大なコストがかかることとなる。
【0026】
以上の観点から、更に望ましくはレンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差を0.06〜0.07とすることが良い。
【0027】
なお、レンズ要素は、屈折率が例えば1.49〜1.60となるように形成されるとよく、また低屈折率層は、屈折率が例えば1.40〜1.51となるように形成されるとよい。
【0028】
また、これらレンチキュラーレンズシートにおいて、低屈折率層には光を吸収する光吸収粒子を分散させることが良い(請求項6)。
【0029】
これによれば、出光面側から入ってくる外光を光吸収粒子で吸収することができ、レンチキュラーレンズシートから出光する光のコントラストを高くすることができる。
【0030】
また、以上何れかのレンチキュラーレンズシートと、当該レンチキュラーレンズシートの基材層の他方の面側に配置したフレネルレンズシートと、を備えて透過型スクリーンを構成するとよい(請求項7)。
【0031】
これによれば、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好な透過型スクリーンを提供することができ。したがって、観察者は、良好なブライトユニフォミティーで、明るい映像を観察することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0033】
1.第1実施形態
1)レンチキュラーレンズシートの構成
図1は、第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの出光面側斜視図である。図1に示すように、レンチキュラーレンズシート1は、シート状の基材層2と、基材層2の一方の面(具体的にはレンチキュラーレンズシート1の出光面側に位置する面)に互いに平行に複数配置された切断面が下底を基材層2側に向けた台形のレンズ要素3と、レンズ要素3の間に形成される複数の低屈折率層4と、を備えて構成される。
【0034】
図2は、レンチキュラーレンズシート1の厚さ方向の断面を示す、図1におけるa−a断面図である。図2に示すように、レンズ要素3は、その下底面31が基材層2に当接されるように形成され、上底面32及び脚面33を備える。ここで、一方の脚面33a及び他方の脚面33bは共に下底面31と交角βで交わっている。
【0035】
なお、基材層2及びレンズ要素3は透光性の樹脂で形成され、同一の樹脂により一体で成形されても良いし、同一又は異なる樹脂により別体で成形されても良い。例えば、放射線硬化型のアクリレート系樹脂等を用いて成形することができる。
【0036】
また、低屈折率層4は、隣り合うレンズ要素3により形成されるV字溝中に形成され、レンズ要素3より小さい屈折率の樹脂で形成される樹脂層4aと、樹脂層4a中に分散される光吸収作用を有する光吸収粒子4bと、を備えて構成される。なお、樹脂層4aにはシリコンやフッ素を導入した低屈折率アクリレート系樹脂等を用いることができ、また、光吸収粒子4bにはカーボン等の顔料、赤、青、黄、黒等の複数の染料、又はこれらの顔料及び/又は染料で着色されたアクリル系架橋粒子等を用いることができる。
【0037】
そして、レンズ要素3中には、レンズ要素3と異なる屈折率の拡散粒子5が分散される。この拡散粒子5は、拡散粒子5の拡散半値角αが、下底面31と脚面33との交角βと、脚面33の全反射臨界角γとの関係で次式を満たすように分散される。
【0038】
【式1】
α(°)<β(°)−γ(°)・・・(1)
ここで、拡散粒子5の拡散半値角αとは、レンチキュラーレンズシート1の入光面に対して略垂直に入光する光を拡散粒子5のみにより拡散され出光する光のゲイン曲線を描いたときの半値角であり(図3参照)、具体的には、拡散粒子5を分散させる層(ここではレンズ要素3)と拡散粒子5との屈折率差、拡散粒子5の分散量等により決定される。逆にいうと、拡散粒子5の屈折率、分散量等を調節して拡散粒子5の拡散半値角αが式(1)を満たすようにする。
【0039】
なお、拡散粒子5の拡散半値角αは、例えば、次の何れかの方法で特定することが可能である。
【0040】
イ)レンチキュラーレンズシート1のレンズ要素3の影響を受けない方向(即ち、レンズ要素3の長手方向と平行となる方向)のゲイン曲線を測定して拡散粒子5の拡散半値角αを特定することができる。即ち、この方向のゲイン曲線はレンズ要素5の影響を受けないので、拡散粒子5単独での拡散半値角αを特定することができる。
【0041】
ロ)レンズ要素3を含まない他のシートに拡散粒子5を分散させたシートを用いて、拡散粒子5の分散状態(拡散粒子5の屈折率、分散量等)と拡散半値角αの関係を予め求めておき、レンチキュラーレンズシート1に分散された拡散粒子5の分散状態から上記関係に基づき拡散半値角αを特定することができる。
【0042】
なお、拡散粒子5は、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の有機系の粒子又はガラス系、シリカ等の無機系の粒子で形成するとよい。
【0043】
2)レンチキュラーレンズシートの働き
以上のように構成されたレンチキュラーレンズシート1は、後述するフレネルレンズにより調整された略平行光を入光面側から入光し、その一部をレンズ要素3の脚面33(33a,33b)で反射して、レンズ要素5の長手方向と直交する方向の発散光として出光する。
【0044】
このとき、入光面側から入光する光は、先ず拡散粒子5で拡散され、次いで拡散された光の一部はレンズ要素3の脚面33に達して反射された後に上底面32から出光され(X1,X3)、残りの一部は脚面33には達せずそのまま上底面32から出光される(X2)。このようにレンチキュラーレンズシート1から出光される光は3つの光群(X1,X2,X3)で構成されることになる(図4(A))。
【0045】
そして、この3つの光群で構成されるレンチキュラーレンズシート1から出光される光のレンズ要素5の長手方向と直交する方向のゲイン曲線は、図4(B)に実線で示すような滑らかなゲイン曲線Lで描かれる。即ち、3つの光群X1,X2,X3を形成する光は、それぞれ拡散粒子5による拡散を伴うので、それぞれの光群X1,X2,X3の単独で形成される仮想のゲイン曲線L1,L2,L3は所定の広がりを持った仮想ゲイン曲線として描かれる。この所定の広がりを持った仮想ゲイン曲線L1,L2,L3が合成されて滑らかなゲイン曲線Lが形成されるのである。
【0046】
また、拡散半値角αが前述の式(1)を満たすように拡散粒子5が分散されるため、拡散粒子5で拡散された光がレンズ要素3の脚面33に全反射臨界角γ以下で入射して低屈折率層4内へ透過する、いわゆる損失光を殆ど生じさせることはない。以下、これについて図5を用いて詳細に説明する。
【0047】
先ず、略平行光として入光する光が拡散粒子5で拡散されレンズ要素3の脚面33に到達する寸前の光の進行角度をωとすると、前述のように脚面33は下底面31に対してβだけ傾くので、脚面33への入射角度θは次式で表される。
【0048】
【式2】
θ(°)=β(°)−ω(°)・・・(2)
入射角度θで脚面33に入射される光が、当該脚面33で反射されるには脚面33での全反射臨界角γとの関係で次式を満たす必要がある。
【0049】
【式3】
θ(°)>γ(°)・・・(3)
式(3)に式(2)を代入して整理すると次式が得られる。
【0050】
【式4】
ω(°)<β(°)−γ(°)・・・(4)
そして、本実施形態のレンチキュラーレンズシート1では、前述のように拡散粒子5の拡散半値角αが式(1)を満たすように、拡散粒子5が分散されるので、拡散粒子5によって拡散半値角α以下の角度に分散される光は、脚面33で反射されて出光面(上底面32)から出光されることとなる。逆に言えば、脚面33で反射されずに低屈折率層4側へ透過される光は拡散粒子5によって拡散半値角αを越える角度に分散される光であり、拡散半値角αを越える角度に分散される光が全体に占める割合は極僅かであるので、低屈折率層4側へ透過する光(損失光)はごく僅かとなる。
【0051】
また、低屈折率層4の光吸収粒子4bは、レンチキュラーレンズシート1の出光面側から入光する光(外光)を吸収して、観察者側に反射する外光の量を低減させる。
【0052】
3)レンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーン
以上のように構成されたレンチキュラーレンズシート1は、例えば透過型スクリーンの構成部材として用いられる。
【0053】
図6はレンチキュラーレンズシート1を用いた透過型スクリーンの出光面側から見た斜視図であり、図7は図6のb−b断面図である。図6及び図7に示すように、透過型スクリーン11は、レンズ要素5の長手方向が垂直方向を向くように配置したレンチキュラーレンズシート1と、その入光面側に配置されるフレネルレンズシート12とで構成される。
【0054】
フレネルレンズシート12は、シート状の基材層121と、その出光側の面に同心円状に配置されてレンズ面122aと非レンズ面122bとを有する複数のプリズム122と、で構成される。
【0055】
このように構成された透過型スクリーン11は、透過型スクリーン11の観察者Vとは反対側にプロジェクタ装置Eを配置した映像投射系に用いられる。そして、プロジェクタ装置Eから投射される発散光は、フレンルレンズシート12で略平行光に調節され、更にレンチキュラーレンズシート1で水平方向の発散光に調節されて観察者Vに提供される。観察者Vはこのように提供される映像光を観察することになる。
【0056】
このときレンチキュラーレンズシート1から出光される映像光は、前述したように滑らかなゲイン曲線Lを形成するので、観察者は良好なブライトユニフォミティーで映像を観察することが可能となる。また、レンチキュラーレンズシート1の脚面33で反射される際に低屈折率層4側へ透過される映像光(損失光)は極僅かであるので、観察者は明るい映像を観察することが可能となる。更に、レンチキュラーレンズシート1の出光面側から入光する外光を光吸収粒子4bで吸収して、反射する外光の量を低減するので、観察者はコントラストの高い映像を観察することが可能となる。
【0057】
2.第2実施形態
第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートは、第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシート1において、拡散粒子5を分散させる位置をレンズ要素3から基材層2に変更し、また、新たに出光面側に拡散板を備えて形成したものである。この点を除いては第1実施形態と同一であるので、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0058】
1)レンチキュラーレンズシートの構成
図8は、第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシート1’の厚さ方向の断面図である。図8に示すように、レンチキュラーレンズシート1’は、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6と、を備えて構成され、更に、基材層2には、拡散粒子5が分散される。
【0059】
拡散板6は、レンチキュラーレンズシート1’の出光面側に配置され、シート状の樹脂層6aに粒子6bを分散させて形成される。
【0060】
このように構成されたレンチキュラーレンズシート1’は、第1実施形態のレンチキュラーレンズシート1と同様に、滑らかなゲイン曲線を形成し、損失光を殆ど生じさせることなく、また、観察者側に反射させる外光の量を低減する。更に、レンチキュラーレンズシート1’は、拡散板6を備えるので、出光面のフラット性が向上し、また剛性感が得られ、更に拡散板6の拡散効果によりゲイン曲線が一層滑らかになるという効果を奏する。
【0061】
2)レンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーン
図9はレンチキュラーレンズシート1’を用いた透過型スクリーンの断面図である。図9に示すように、透過型スクリーン11’は、レンズ要素3の長手方向が垂直方向を向くように配置したレンチキュラーレンズシート1’と、その入光面側に配置されるフレネルレンズシート12とで構成される。
【0062】
このように構成された透過型スクリーン11’は、第1実施形態と同様に、透過型スクリーン11’の観察者Vとは反対側にプロジェクタ装置13を配置した映像投射系に用いられ、プロジェクタ装置から投射された映像光をフレンルレンズシート12で略平行光に調節し、更にレンチキュラーレンズシート1’で水平方向の発散光に調節して観察者Vに提供する。
【0063】
このときレンチキュラーレンズシート1’から出光される映像光は、第1実施形態と同様に、滑らかなゲイン曲線Lを形成するので、観察者は良好なブライトユニフォミティーで映像を観察することが可能となる。また、レンチキュラーレンズシート1’の脚面33で反射される際に低屈折率層4側へ透過される映像光(損失光)は極僅かであるので、観察者は明るい映像を観察することが可能となる。更に、レンチキュラーレンズシート1’の出光面側から入光する外光を光吸収粒子4bで吸収して、反射する外光の量を低減するので、観察者はコントラストの高い映像を観察することが可能となる。
【0064】
3.他の実施形態
上記実施形態における拡散粒子5の分散位置及び拡散板102の有無をそれぞれ選択して組み合わせることにより、図10に示すように、各レンチキュラーレンズシートを形成することができる。
【0065】
図10(A)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4とを備え、分散粒子5を基材層2に分散して形成したもので、また、図10(B)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4とを備え、分散粒子5を基材層2及びレンズ要素3に分散して形成したものである。更に、図10(C)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6とを備え、分散粒子5をレンズ要素3に分散して形成したもので、また、図10(D)のレンチキュラーレンズシートは、基材層2と、レンズ要素3と、低屈折率層4と、拡散板6とを備え、分散粒子5を基材層2及びレンズ要素3に分散して形成したものである。
【0066】
これらレンチキュラーレンズシートは、第1、第2実施形態で示したレンチキュラーレンズシートと同様に、滑らかなゲイン曲線を形成し、損失光を殆ど生じさせることなく、また、観察者側に反射させる外光の量を低減する。また、これらレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートを組み合わせて透過型スクリーンを形成して、観察者が透過型スクリーンに投影された映像を観察したとき奏する作用効果も第1、第2実施形態の場合と同様である。
【0067】
【実施例】
1.レンチキュラーレンズシートの製造
切断面が、下底65μm、上底35μm、高さ150μm、下底と脚の交角(β)81°の台形であるレンズ要素を有する実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートを、下記に示す方法により製造した。
【0068】
また、後述するようにレンズ要素を形成する樹脂の屈折率は1.55で、また、低屈折率層を形成する樹脂の屈折率は1.48であるので、レンズ要素の脚面での全反射臨界角γは72.7°である。
【0069】
1)実施例1
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を6P(ビーズの拡散半値角αにして5°分)分散させた放射線硬化型樹脂(屈折率1.55)を用いて、厚さ188μmのPET(Polyethylene Terephthalate)製の透明フィルム基材(東洋紡製:A4300)の表面にレンズ要素を形成した。その後、レンズ要素間に形成されたV溝に、光吸収粒子としてのカーボン処理を施したアクリルビーズを20P分散させたアクリル系樹脂(屈折率1.48)を充填して低屈折率層を形成した。更に、このシートのレンズ要素側の表面に、厚さ2mmのアクリル製基材に粒径12μmのアクリル−スチレン共重合体からなるMSビーズを約3P分散させて形成した拡散板を、接着用の放射線硬化型樹脂を介して公知の枚葉ラミネート法により積層し、接着用の放射線硬化型樹脂を硬化させて実施例1に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この実施例1に係るレンチキュラーレンズシートは、αが5°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たす。
【0070】
なお、上述の6Pとは、100(重量)部の樹脂に6(重量)部のビーズを添加したことを意味し、後述する8P、10Pについても同様である。
【0071】
2)実施例2
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を8P(ビーズの拡散半値角にして7°分)分散させた放射線硬化型樹脂を用いて透明フィルム基材の表面にレンズ要素を形成した以外は上記と同様の方法により、実施例2に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この実施例2に係るレンチキュラーレンズシートは、αが7°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たす。
【0072】
3)比較例1
アクリル系ビーズ(屈折率1.49)を10P(ビーズの拡散半値角にして10°分)分散させた放射線硬化型樹脂を用いて透明フィルム基材の表面にレンズ要素を形成した以外は上記と同様の方法により、比較例1に係るレンチキュラーレンズシートを得た。この比較例1に係るレンチキュラーレンズシートは、αが10°、βが81°、γが72.7°であり、「α(°)<β(°)−γ(°)」の要件を満たさない。
【0073】
2.評価方法
1)ゲイン曲線の測定
各実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートをレンズ要素の長手方向が垂直方向を向くように配置し、其々のレンチキュラーレンズシートの入光面側にレンズ面と非レンズ面を有数するプリズムを出光面に同心円状に112μmピッチで複数配置したフレネルレンズシートを更に配置して透過型スクリーンを形成した。この透過型スクリーンのフレネルレンズシート側にプロジェクタ装置を配置し、当該プロジェクタ装置から透過型スクリーンに向かって光を投射して、レンチキュラーレンズシートから出光する光のレンズ要素の長手方向と直交する方向のゲイン曲線(水平方向のゲイン曲線)を測定した。なお、拡散半値角αの値を確認するため、同様にしてレンズ要素の長手方向と平行する方向のゲイン曲線(垂直方向のゲイン曲線)を測定した。
【0074】
2)透過効率の測定
透過効率は、ヘイズメーター(HR−100/村上色彩製)を用いて測定した。具体的には、レンチキュラーレンズシートを介して出光される光量をディテクターで測定し、レンチキュラーレンズシートの入光面側から入光する光量に対するディテクターの測定光量の割合を透過効率として算出した。
【0075】
3.評価結果
1)ゲイン曲線
図11(A)は実施例1、(B)は実施例2、(C)は比較例1のゲイン曲線を示す図である。各図において、実線はレンズ要素の長手方向と直交する方向のゲイン曲線(水平方向のゲイン曲線)、点線はレンズ要素の長手方向と平行する方向のゲイン曲線(垂直方向のゲイン曲線)を示す。
【0076】
図11(A)〜(C)に示すように、水平方向のゲイン曲線は、比較例1については全体として滑らかな曲線となり、また、実施例1及び2についても幾つかの小さい山は存在するものの全体として滑らかな曲線となった。
【0077】
また、図11(A)〜(C)に示すように、実施例1,2及び比較例1の垂直方向のゲイン曲線の半値角(拡散半値角)αは、それぞれ5°、7°、10°となり、上述した値と同じであることを確認した。
【0078】
2)透過効率
透過効率は、実施例1及び実施例2のレンチキュラーレンズシートでは83%と良好な値となった。これに対して、比較例1のレンチキュラーレンズシートでは78%と透過効率は極端に低下した。
【0079】
3)以上のように、実施例1及び実施例2のレンチキュラーレンズシートでは、得られるゲイン曲線は滑らかな曲線となり、また、透過効率も良好であった。これに対して、比較例1のレンチキュラーレンズシートでは、得られるゲイン曲線は滑らかな曲線となったが、透過効率が極端に劣った。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基材層及びレンズ要素の少なくとも何れか一方に粒子を分散させ、その拡散半値角αが「α(°)<β(°)−γ(°)」を満たすようにしたので、ブライトユニフォミティーが良好で、且つ、透過効率が良好なレンチキュラーレンズシートを提供することができる。
【0081】
このとき、粒子を被分散層である基材層又はレンズ要素とは異なる屈折率にしたので、入光する光を確実に粒子で拡散させることができ、上記効果を一層確実なものにする。
【0082】
更に、隣接するレンズ要素の脚面で形成されるV字溝中にレンズ要素の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を備えたので、入光する光をレンズ要素の脚面で確実に反射して出光することができる。
【0083】
更に、レンズ要素の屈折率と低屈折率層の屈折率との差を0.01〜0.09としたので、入光する光をレンズ要素の脚面で一層確実に反射して出光することができる。
【0084】
更に、低屈折率層に光吸収粒子を分散させたので、出光面側から入ってくる外光を光吸収粒子で吸収して、レンチキュラーレンズシートから出光する光のコントラストを高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの出光面側斜視図である。
【図2】図1のa−a断面図である。
【図3】拡散半値角を説明する図である。
【図4】(A)は第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートから出光する光を説明する図であり、(B)は同レンチキュラーレンズシートのゲイン曲線を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの作用効果の一つを説明する図である。
【図6】第1実施形態に係るレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの一例を示す斜視図である。
【図7】図6のb−b断面図である。
【図8】第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの厚さ方向の断面図である。
【図9】第2実施形態に係るレンチキュラーレンズシートを用いた透過型スクリーンの一例を示す断面図である。
【図10】他の実施形態に係るレンチキュラーレンズシートの厚さ方向の断面図である。
【図11】実施例及び比較例に係るレンチキュラーレンズシートのゲイン曲線を示す図である。
【図12】従来のレンチキュラーレンズシートのゲインの問題点の一つを説明する図である。
【符号の説明】
1 レンチキュラーレンズシート
2 基材層
3 レンズ要素
31 下底面
32 上底面
33 脚面
4 低屈折率層
4a 樹脂層
4b 光吸収粒子
5 拡散粒子
6 拡散板
6a 樹脂層
6b 粒子
121 フレネルレンズシート
E プロジェクタ装置
V 観察者
Claims (7)
- シート状の基材層と、
前記基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を前記基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、
前記基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部を前記レンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、
前記基材層及び前記レンズ要素の少なくとも何れか一方には粒子が分散されており、
前記粒子の拡散半値角αは前記脚面での全反射臨界角γと前記切断面における前記下底と前記脚との交角βとの関係で次式を満たすことを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
α(°)<β(°)−γ(°) - シート状の基材層と、
前記基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を前記基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、
前記基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部を前記レンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、
少なくとも前記レンズ要素には当該レンズ要素と屈折率の異なる粒子が分散されており、
前記粒子の拡散半値角αは前記脚面での全反射臨界角γと前記切断面における前記下底と前記脚との交角βとの関係で次式を満たすことを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
α(°)<β(°)−γ(°) - シート状の基材層と、
前記基材層の一方の面に互いに平行に複数配置され切断面が下底を前記基材層側に向けた台形のレンズ要素と、を備え、
前記基材層の他方の面から入光する光の少なくとも一部を前記レンズ要素の切断面における台形の脚を含む脚面で反射して出光するレンチキュラーレンズシートであって、
少なくとも前記基材層には当該基材層と屈折率の異なる粒子が分散されており、
前記粒子の拡散半値角αは前記脚面での全反射臨界角γと前記切断面における前記下底と前記脚との交角βとの関係で次式を満たすことを特徴とするレンチキュラーレンズシート。
α(°)<β(°)−γ(°) - 請求項1乃至3の何れか一項に記載のレンチキュラーレンズシートにおいて、
隣接する前記レンズ要素の脚面で形成されるV字溝中に前記レンズ要素の屈折率より低い屈折率の低屈折率層を備えたことを特徴とするレンチキュラーレンズシート。 - 請求項4に記載のレンチキュラーレンズシートにおいて、
前記レンズ要素の屈折率と前記低屈折率層の屈折率との差が0.01〜0.09であることを特徴とするレンチキュラーレンズシート。 - 請求項4又は5に記載のレンチキュラーレンズシートにおいて、
前記低屈折率層には光を吸収する光吸収粒子を分散させたことを特徴とするレンチキュラーレンズシート。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のレンチキュラーレンズシートと、
前記レンチキュラーレンズシートの前記基材層の前記他方の面側に配置したフレネルレンズシートと、
を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
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-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100044A patent/JP2004309610A/ja active Pending
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