JP2013257496A - 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents

透過型スクリーン、背面投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シンチレーションが改善され、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置を提供する。
【解決手段】透過型スクリーン10は、スクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有し、映像光の入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ形状を有するレンズ層24と、レンズ層24よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部323と光を吸収する光吸収部324とがスクリーン面に沿って交互に配置され、光吸収部324の断面形状が略楔形形状である光制御層32と、光制御層32よりも入光側に配置され、光を拡散する作用を有する第1拡散層22と、光制御層32よりも出光側に配置され、光を拡散する作用を有し、第1拡散層22よりもヘイズ値が大きい第2拡散層33とを備えるものとした。
【選択図】図3

Description

本発明は、透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置に関するものである。
従来、映像光をスクリーンの背面側から投射して表示する背面投射型表示装置では、投射された映像光を透過して表示するための透過型スクリーンが広く用いられている。このような透過型スクリーンは、所望する光学特性に合わせて、様々な構成を有するものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、近年、透過型スクリーンを備える背面投射型表示装置に関して、その用途によっては、背面投射型表示装置の外形と透過型スクリーンの表面形状との一体感が要求される等、その意匠性が高く要求される場合がある。
このような場合には、意匠面におけるシステム全体との調和も必要であり、当然ながら、表示装置としての映像の良好さも要求される。
特開平9−160132号公報 特開2008−26579号公報
透過型スクリーンは、その視野角を広げたり画面の明るさの均一性を向上させたりするために、拡散材を含有する光拡散層が設けられている場合がある。
しかし、光拡散層は、厚みを厚くしたり、拡散材の量を多くしたりすると、視野角等の上記問題が改善されても、コントラストや解像度の低下、正面輝度の低下等を招いてしまうという問題があった。
また、視野角向上等のために、この光拡散層を透過型スクリーン内において比較的出光面側に配置した場合には、拡散材による光の拡散によって微小な輝度ムラが生じ、これがシンチレーション(ぎらつき)として観察されるという問題があった。
上述の特許文献1には、そのようなシンチレーションの改善に関しては、開示されていない。また、特許文献2では、フレネルレンズ及び光拡散シートを備える透過型スクリーンにおいて、光拡散層をフレネルレンズ又は光拡散シートのどちらか一方にのみ設けることによって、シンチレーションの低減等を図っている。しかし、光拡散層が1層のみのために、シンチレーションの低減のために光拡散層に含まれる拡散材量を増やすと、映像光の透過量が低下して映像が暗くなったり、コントラストが低下したりするという問題があった。
本発明の課題は、シンチレーションが大幅に改善され、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンであって、スクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有し、映像光の入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ層(24,471)と、前記フレネルレンズ層よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部(323)と光を吸収する光吸収部(324)とを備え、この透過型スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記光透過部及び前記光吸収部がスクリーン面に沿って交互に配置され、前記断面における前記光吸収部の断面形状が略楔形形状である光制御層(32)と、前記光制御層よりも入光側に配置され、光を拡散する作用を有する第1拡散層(22,474)と、前記光制御層よりも出光側に配置され、光を拡散する作用を有し、前記第1拡散層よりもヘイズ値が大きい第2拡散層(33)と、を備えること、を特徴とする透過型スクリーン(10,40,50)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第1拡散層(22,474)及び前記第2拡散層(33)は、光を等方的に拡散すること、を特徴とする透過型スクリーン(10,40,50)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズ層(24)は、レンズ面(242)と非レンズ面(243)とを有し、出光側に凸となる単位レンズ(241)が複数配列されて形成され、前記第1拡散層(22)は、前記フレネルレンズ層よりも入光側に位置すること、を特徴とする透過型スクリーン(10,50)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第1拡散層(22)と前記第2拡散層(33)との間に、光を拡散する作用を有する第3拡散層(68)を有すること、を特徴とする透過型スクリーン(50)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の透過型スクリーンにおいて、前記第3拡散層(68)のヘイズ値は、前記第2拡散層(33)のヘイズ値よりも小さいこと、を特徴とする透過型スクリーン(50)である。
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、前記フレネルレンズ層(471)は、光が入射する入射面(472a)と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面(472b)とを有し、入光側に凸となる単位レンズ(472)が複数配列されて形成されており、前記第1拡散層(474)は、前記フレネルレンズ層よりも出光側に位置すること、を特徴とする透過型スクリーン(50)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の透過型スクリーン(10,40,50)と、前記透過型スクリーンに対して、背面側から映像光を投射する光源部(80)と、を備える背面投射型表示装置(1)である。
本発明によれば、シンチレーションが大幅に改善され、良好な映像を表示できる透過型スクリーン、及び、これを備える背面投射型表示装置とすることができる。
第1実施形態の背面投射型表示装置1を説明する図である。 第1実施形態の透過型スクリーン10の斜視図である。 第1実施形態の透過型スクリーン10の層構成を説明する図である。 レンズ層24を説明する図である。 光制御層32を説明する図である。 第2実施形態の透過型スクリーン40の層構成を説明する図である。 第2実施形態のレンズ層471の単位レンズ472を説明する図である。 第3実施形態の透過型スクリーン50の層構成を説明する図である。 各測定例の透過型スクリーンのシンチレーションの評価方法を説明する図である。 測定例1,2及び測定例3〜5の透過型スクリーンのシンチレーションの発生状態を示す図である。 測定例6〜8及び測定例15,16の透過型スクリーンのシンチレーションの発生状態を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の背面投射型表示装置1を説明する図である。図1では、背面投射型表示装置1の奥行き方向に平行かつ鉛直方向に平行な断面を模式的に示している。
背面投射型表示装置1は、透過型スクリーン10と、光源部80と、筐体90とを備えている。この背面投射型表示装置1は、光源部80から、透過型スクリーン10の背面側へ映像光を投射して透過型スクリーン10に映像を表示する。
本実施形態の背面投射型表示装置1は、太陽光や照明光等といった外光の影響が大きい環境で使用されるものであり、例えば、自動車の内部や船舶の内部(例えば、運転席や機関室等)に配置される車載用や船舶用の背面投射型表示装置である。本実施形態では、背面投射型表示装置1は、その表示画面の画面サイズ(透過型スクリーン10の画面サイズ)が、対角6〜30インチ程度の小型のものを例に挙げて説明する。
なお、これに限らず、室内等、一般的な背面投射型表示装置の使用が想定される環境において使用することも可能であり、また画面サイズもより大きなものとしてもよい。
透過型スクリーン10は、図1に示すように、観察者O側(映像光の出光側)に凸となる湾曲形状を有している。この透過型スクリーン10の詳細に関しては、後述する。
光源部80は、透過型スクリーン10に対してその背面側から映像光を投射する映像源である。本実施形態では、この光源部80は、照射領域が次第に広がっていく発散光束(拡大投影された光束)として、透過型スクリーン10の背面側の面(入光面)に映像光を投射する。このような光源部80としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)やレーザを利用したピコプロジェクタ等の小型の光源を用いることができる。
本実施形態の光源部80は、図1に示すように、透過型スクリーン10の背面側に配置され、ミラー等を介さずに直接投射するように構成されているが、これに限らず、例えば、光源部80から投射された光をミラーで一度又は複数回反射して透過型スクリーン10に投射する形態としてもよい。
筐体90は、透過型スクリーン10を支持し、かつ、その内部に光源部80を配置可能な部材である。この筐体90は、遮光性を有しており、不要な照明光や太陽光等の外光が透過型スクリーン10の背面側から入射することを防止している。
図2は、第1実施形態の透過型スクリーン10の斜視図である。図2では、理解を容易にするために、透過型スクリーン10のみを簡略化して示している。
図2に示すように、透過型スクリーン10は、その全体を見た場合、スクリーン面(表示面)が三次元曲面をなすような湾曲形状を有している。なお、透過型スクリーン10は、スクリーン面が二次元曲面をなすような湾曲形状を有していてもよい。
ここで、スクリーン面とは、この透過型スクリーン10全体として見たときにおける、透過型スクリーン10の面方向となる面を示すものである。また、「二次元曲面」とは、単一の軸を中心として二次元的に湾曲しているもの、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で二次元的に湾曲しているものを意味するものとし、「三次元曲面」とは、互いに対して角度をなす複数の軸をそれぞれ中心として、部分的に又は全体的に湾曲しているもの意味するものとする。
本実施形態の透過型スクリーン10は、図2に示すように、正面方向から見た場合の対角線の一方と平行で透過型スクリーン10の背面側(入光側)に位置する第1の軸A1を中心とした方向B1に観察者側(出光側)に凸となるように湾曲し、かつ、他方の対角線と平行で透過型スクリーン10の背面側に位置する第2の軸A2を中心とした方向B2に観察者側に凸となるように湾曲している。そして、透過型スクリーン10の観察面(出光面)において、その表示領域の幾何学的中心となる点C(透過型スクリーン10の平面形状をなす矩形状の一対の対角線が交わる点)が最も観察者側に突出する形態となっている。なお、透過型スクリーン10は、最も観察者側に突出している点が、点Cとは異なる点である形態としてもよい。
また、透過型スクリーン10は、観察者側の面(出光面)の最も観察者側に凸となっている点Cにおける法線方向Nに直交する平面(即ち、最も観察者側に凸となった点Cでの接面)が、鉛直方向(画面上下方向)に平行となっている。
このような透過型スクリーン10において、湾曲形状の曲率半径は、2000mm以下であることが好ましく、250mm以上であり1500mm以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態では、透過型スクリーン10は、観察者側(出光側)に凸となる湾曲形状を有する例を示したが、これに限らず、例えば、光源側(入光側)に凸(即ち、観察者側へ凹)となるような湾曲形状を有していてもよい。また、観察者側に凸となる部分と光源側に凸となる部分とを組み合わせた形状としてもよい。
また、湾曲形状の軸となる第1の軸A1,第2の軸A2は、透過型スクリーン10を正面方向から見た場合の観察画面の矩形形状の対角線にそれぞれ平行である例を示したが、これに限らず、透過型スクリーン10を正面方向から見た場合に、観察画面の幾何学的中心となる点Cを通り画面上下方向に平行な方向と、画面左右方向に平行な方向とをそれぞれ第1の軸、第2の軸としてもよい。
図3は、第1実施形態の透過型スクリーン10の層構成を説明する図である。
図3では、透過型スクリーン10の点Cを通り画面上下方向及び厚み方向に平行な断面の一部を拡大して示している。
本実施形態の透過型スクリーン10は、図3に示すように、その厚み方向において、映像源側に位置するフレネルレンズシート20と、観察者側(出光側)に位置する積層体30とを備えている。
フレネルレンズシート20は、光源部80から発散光束として投射され、フレネルレンズシート20へ入射した光を、観察者側へ偏向させ、略正面方向Nへ進む光束とする機能を有する。
このフレネルレンズシート20は、その入光側(光源側)から順に、フレネル基材層21と、レンズ層24とを備え、これらが一体に積層されている。
フレネル基材層21は、フレネルレンズシート20の基材となる層であり、第1拡散層22と樹脂層23とを有している。
第1拡散層22は、光を拡散する作用を有する層であり、光を拡散する拡散材を含有するシート状の部材を用いている。この第1拡散層22は、光を等方的に拡散する作用を有している。
第1拡散層22の母材としては、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の光透過性を有する樹脂を挙げることができる。
また、この第1拡散層22が含有する拡散材としては、プラスチックビーズ等の有機フィラーであり、特に、透明度の高いものが好ましい。このようなプラスチックビーズとしては、メラミン樹脂製、アクリル樹脂製、AS(アクリル・スチレン)樹脂製、PC樹脂製等のものを適用可能である。また、シリコン系ビーズも光拡散材として使用可能である。さらに、所望する拡散性能等に合わせて、これらの光拡散材を適宜選択し、所定の割合で組み合わせる等して使用可能である。
このような拡散材は、例えば、その平均粒径が約1〜30μmのものを使用することが好ましい。
第1拡散層22は、そのヘイズ値を30〜60%の範囲内とすることが、映像の解像度及びコントラストを高く維持し、かつ、シンチレーションを低減する観点から好ましい。ヘイズ値が30%未満となると、光拡散効果が不十分となり、シンチレーションが低減されない。また、ヘイズ値が60%を超えると、光拡散効果が大きすぎ、映像がぼやけて、解像度やコントラストが低下する可能性がある。
また、第1拡散層22は、透過型スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、その厚さを20〜90μmとすることが、映像の解像度やコントラストを高く維持し、かつ、シンチレーションを低減する観点から好ましい。
この第1拡散層22は、後述する第2拡散層33との厚み方向における距離を大きく取ることが、シンチレーション低減の観点から好ましい。
樹脂層23は、第1拡散層22の観察者側(出光側)に位置し、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材を用いている。
樹脂層23を形成する材料としては、MBS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等の光透過性を有する樹脂が挙げられる。
樹脂層23の厚みは、約1.0〜1.9mmとすることが好ましい。1.0mm未満の場合には、十分な剛性を有しておらず好ましくない。また、1.9mmを超える場合には、フレネルレンズシート20から出射する映像光と迷光とのずれが大きくなり、二像が生じやすくなり、好ましくない。
本実施形態の樹脂層23及び第1拡散層22は、共押し出し成形により、一体に積層されて形成される。なお、これに限らず、互いに別体として形成された2層を粘着材等により接合する形態としてもよい。
また、樹脂層23及び第1拡散層22を合わせた厚みは、1.1〜2.0mmとすることが、映像の解像度やコントラストを高く維持し、かつ、シンチレーションを低減することや、十分な剛性を備える観点から好ましい。
図4は、レンズ層24を説明する図である。図4では、レンズ層24を観察者側(出光側)から見た様子を示している。
レンズ層24は、樹脂層23の観察者側(出光側)に位置する層であり、その観察者側の面には、単位レンズ241が複数配列されたフレネルレンズ形状を有する。
本実施形態のフレネルレンズ形状は、図4に示すように、単位レンズ241が、点Fを中心として同心円状に配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状であるが、これに限らず、単位レンズ241が、正面方向から見て、画面左右方向に延在し、画面上下方向に配列されるリニアフレネルレンズ形状としてもよい。本実施形態では、点Fは、フレネルレンズシート20の出光側の正面方向(点Cにおける接面の法線方向)から見て、フレネルレンズシート20(透過型スクリーン10)下方であって、点Cに対応するフレネルレンズシート20の出光面側の点C2(幾何学的中心)を通り画面の上下方向に平行な直線上に位置している。なお、この例に限らず、点Fは、光源部80から投射される映像光の角度等に応じて適宜その位置を変更してよく、フレネルレンズシート20内のシート面に位置していてもよい。
図3に戻って、単位レンズ241は、その配列方向に平行であって、厚み方向に平行な断面形状が、観察者側(出光側)に凸となる略三角形形状であり、レンズ面242及び非レンズ面243を有している。この単位レンズ241が複数配列されることによって、フレネルレンズシート20の出光側には、所謂、屈折型のフレネルレンズが形成されている。
積層体30は、図3に示すように、その厚み方向において、光源側(入光側)から順に、基板層31、光制御層32、第2拡散層33、着色層34、表面層35等を備えており、これらが接合層36を介して一体に積層されている。
基板層31は、光透過性を有する層であり、積層体30の他の層に比べて厚さが厚く、積層体30の剛性を高め、かつ、透過型スクリーン10の湾曲形状を維持する機能を有している。この基板層31は、光透過性を有する板状の部材が用いられている。
基板層31は、PC樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、AS樹脂等により形成された板状の部材を用いることができる。また、基板層31の厚さは、約1.5〜5.0mmとすることが、加工性と、スクリーンとしての剛性や湾曲形状維持とを実現する観点から好ましい。
光制御層32は、光線の出射方向を制御する作用を有する層である。この光制御層32は、基材部321と、光学形状部322とを備えている。本実施形態の光制御層32は、図3に示すように、接合層36を介して、基板層31の観察者側(出光側)に一体に積層されている。
図5は、光制御層32を説明する図である。図5(a)は、図3に示す断面における光制御層32の断面の一部を拡大して示している。図5(a)に示す断面は、透過型スクリーン10の画面上下方向に平行であって厚み方向に平行な断面に相当する。図5(b)は、光制御層32を観察者側の正面方向から見た一部を拡大して示している。なお、図5では、理解を容易にするために、光制御層32を略平板状として示している。
基材部321は、光透過性を有し、光学形状部322を形成するベース(基材)となる層である。この基材部321は、シート状の部材である。
基材部321を形成する材料としては、PC樹脂や、PET樹脂、TAC樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、MBS樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂等を挙げることができる。
この基材部321の厚さは、75〜200μmのものが好適である。
光学形状部322は、基材部321の出光側(観察者側)の面に一体に形成され、複数の光透過部323及び光吸収部324を有している。
光透過部323は、図5(b)に示すように、画面左右方向に延在し、基材部321の観察者側の面に沿って画面上下方向に複数配列された単位光学形状である。図5(a)に示すように、光透過部323は、配列方向に平行であって透過型スクリーン10の厚み方向に平行な断面形状が出光側(観察者側)を上底とし、入光側(光源側)を下底とする略台形形状である。本実施形態の光透過部323の断面形状は、略等脚台形であり、図5(a)に示すように、画面上下方向(配列方向)において略対称な形状である。
本実施形態の光透過部323は、ウレタンアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により基材部321の観察者側の面に一体に形成されているが、これに限らず、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
また、光透過部323は、PET樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形により形成されてもよく、この場合、十分な厚みを有するならば、前述の基材部321を設けない形態としてもよい。
光吸収部324は、図5(a)に示すように、隣り合う光透過部323の間の谷部に形成され、光を吸収する作用を有する部分である。
この光吸収部324は、図5(b)に示すように、画面左右方向に延在し、光制御層32の出光側の面に沿って光透過部323と画面上下方向に交互に配置される形態となっている。また、光透過部323の出光側の面と光吸収部324の出光側の面とで光制御層32の出光側の面が形成されている。
光吸収部324は、その配列方向に平行であって透過型スクリーン10の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状である。
ここで、楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含む。従って、光吸収部324は、図5(a)に示すように、その断面形状が、観察者側(出光側)を下底、光源側(入光側)を上底とする略台形形状としてもよいし、光源側を頂点とする略三角形形状としてもよい。
本実施形態の光吸収部324は、黒色ビーズ等を光吸収材として含有した光透過性を有する樹脂を、光透過部323間の谷部にワイピング(スキージング)して充填し、硬化させる等して形成されている。
光吸収部324に用いられる光透過性を有する樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
光吸収部324に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材であり、例えば、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等である。顔料や染料で着色された樹脂粒子を用いる場合には、その樹脂粒子は、アクリル系樹脂や、PC樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂、MBS樹脂、MS樹脂等により形成されたものを用いることができる。
この光吸収部324の屈折率は、光透過部323の屈折率よりも小さいことが、映像光の光線制御の観点から好ましい。従って、光吸収部324に用いられる光透過性を有する樹脂は、光透過部323を形成する樹脂よりも屈折率が小さいものが好ましい。
なお、光吸収部324の屈折率は、求める光学性能等に応じて、光透過部323の屈折率と同じものとしてもよいし、光透過部323の屈折率よりも大きくしてもよい。
この光制御層32は、光吸収部324により、観察者側から入射した外光Gを吸収することができ、映像のコントラストを向上させることができる。また、光吸収部324は、スクリーン内で発生した迷光等も吸収できる。
さらに、光透過部323の屈折率が光吸収部324の屈折率よりも大きい場合には、光透過部323と光吸収部324との界面に臨界角以上の角度で入射する映像光Lは、その界面で全反射して出光側へ向かうので、映像光を効率よくその出光側の視野角範囲内へ向けることができ、輝度の高い明るい映像を表示できる。
図5(a)に示すように、この光透過部323(光吸収部324)の配列ピッチがP1であり、光学形状部322の厚み(光透過部323の厚み)がD1であり、配列方向における光透過部323の上底の寸法がW1であり、配列方向における光吸収部324の下底の寸法がW2であり、上底の寸法がW3である。また、透過型スクリーン10の厚み方向における光吸収部324の寸法がH1であり、光透過部323と光吸収部324との界面が、透過型スクリーン10の厚み方向となす角度がθである。
図3に戻り、第2拡散層33は、光を拡散する作用を有する層であり、その拡散作用が第1拡散層よりも大きい層である。第2拡散層33は、光制御層32の出光側(観察者側)に配置されている。第2拡散層33は、光を等方的に拡散する作用を有している。
第2拡散層33は、光透過性を有する樹脂に、光を拡散する拡散材を含有させたシート状の部材を用いている。
第2拡散層33の母材となる光透過性を有する樹脂としては、例えば、MBS樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等が挙げられる。
また、拡散材としては、プラスチックビーズ等の有機フィラーであり、特に、透明度の高いものが好ましい。このようなプラスチックビーズとしては、メラミン樹脂製、アクリル樹脂製、AS樹脂製、PC樹脂製等の粒子状等のものを適用可能である。また、シリコン系ビーズも拡散材として使用可能である。さらに、所望する拡散性能等に合わせて、これらの光拡散材を適宜選択し、所定の割合で組み合わせる等して使用可能である。このような拡散材は、例えば、その平均粒径が約1〜30μmのものを使用することが好ましい。
第2拡散層33は、そのヘイズ値が、第1拡散層22のヘイズ値よりも大きい。第2拡散層33のヘイズ値は、80〜90%とすることが、解像度やコントラストの維持と、シンチレーションの低減及び輝度ムラの低減(シンチレーションよりも大きな領域で生じる輝度ムラの低減)とを両立する観点から好ましい。ヘイズ値が、80%未満となると、光拡散効果が不十分となり、輝度ムラが生じたり、視野角が不十分となったり、シンチレーションが生じたりする。また、ヘイズ値が、90%を超えると、透過型スクリーン10に表示される映像がぼやけ、解像度やコントラストの低下が生じる。
第2拡散層33のヘイズ値は、第1拡散層22のヘイズ値よりも大きいことが、シンチレーションの低減の観点から好ましい。また、第2拡散層33と、第1拡散層22とは、なるべくその厚み方向における距離を離して配置されることが、シンチレーション低減の観点から好ましい。
また第2拡散層33の厚さは、0.05〜2.0mmの範囲内が好ましく、0.1〜1.5mmの範囲内とすることが解像度の維持と、シンチレーションの低減及び面内輝度の均一性向上(シンチレーションよりも大きな輝度ムラの低減)とを両立する観点から好ましい。
着色層34は、所定の色及び濃度で着色された層である。この着色層34は、観察者側から透過型スクリーン10に入射する外光を吸収する機能や、透過型スクリーン10内で発生した迷光等を吸収する機能等を有する。本実施形態の着色層34は、第2拡散層33の観察者側(出光側)に設けられている。
着色層34は、光吸収材や着色剤を含有した透明樹脂により形成されたシート状の部材である。
着色層34の母材となる透明樹脂としては、MBS樹脂や、アクリル樹脂、PC樹脂、PET樹脂等を用いることができる。また、光吸収材としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が挙げられ、着色剤としては、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等が挙げられる。
着色層34は、その厚さが、10〜200μmの範囲内が好ましく、30〜150μmの範囲内とすることが、外光等を吸収する作用と映像光の透過率の維持の観点から好ましい。
本実施形態の着色層34と第2拡散層33とは、着色剤等を含有するMBS樹脂と、光拡散材を含有するMBS樹脂とを共押し出し成形することにより一体に形成されており、着色層34と第2拡散層33との間には、接合層等を有していない。しかし、これに限らず、着色層34及び第2拡散層33を別々に成形して、不図示の接合層等を介して一体に積層される形態としてもよい。
表面層35は、透過型スクリーン10の最も出光側(観察者側)に配置される層である。本実施形態では、表面層35は、着色層34の出光側に一体に形成されている。
この表面層35は、ハードコート機能や、反射防止機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能等の少なくとも1つの機能を有する層である。
表面層35は、例えば、アクリル系の紫外線硬化型樹脂、又は、アクリル系の熱硬化型樹脂を、着色層34の出光側の面側に塗布して、硬化させることにより形成される。
本実施形態の表面層35は、ハードコート機能を有しており、JIS K 600−5−4(1994)で規定される鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を有している。
接合層36は、透過型スクリーン10を構成する各層を一体に接合する層である。本実施形態の接合層36は、光制御層32と第2拡散層33との間、光制御層32と基板層31との間に設けられ、これらの層を一体に接合している。
この接合層36は、例えば、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や、圧力により粘着性が顕在化する感圧粘着型のアクリル系樹脂等を用いることができる。また、接合層36の厚さは、透過型スクリーン10の大きさや使用環境、接合する各層の樹脂の特性、接合層として使用する樹脂の特性等に合わせて、10〜100μmの範囲内で適宜選択できる。
この透過型スクリーン10は、例えば、以下のように作製される。
まず、樹脂層23と第1拡散層22とを共押し出し成形して、フレネル基材層21を形成する。そして、フレネル基材層21を、レンズ層24の基材として、その片面(樹脂層23側の面)に紫外線成形法等により、レンズ層24が形成され、略平板状のフレネルレンズシート20が作製される。
この略平板状のフレネルレンズシート20を加熱して軟化させ、レンズ層24側が凸となるように、所定の曲面形状を有した不図示の型面に押圧する等して曲面成形する。
一方、積層体30は、まず、基板層31、光制御層32、第2拡散層33及び着色層34を押し出し成形等により、それぞれ形成する。そして、これらを適宜接合層36により一体に積層して接合した後に、加熱して軟化させ、着色層34側が凸となるように、上述のような所定の曲面形状を有した不図示の型面に押圧する等して曲面成形する。曲面成形後に、着色層34表面に表面層35を形成し、積層体30が形成される。なお、曲面成形は、真空成形法を用いることが好ましい。
そして、上記工程を経た積層体30を、フレネルレンズシート20の観察者側に配置することにより、透過型スクリーン10が完成する。
この透過型スクリーン10における映像光及び外光の様子を説明する。
本実施形態の透過型スクリーン10において、図3,図5等に示すように、光源部80から投射され透過型スクリーン10に入射する映像光Lは、フレネルレンズシート20の第1拡散層22に入射して、等方的に拡散された後、レンズ層24によって正面方向(前述の点Cにおける接面の法線方向N)へ偏向されて正面方向へ進み、積層体30へ入射する。
積層体30に入射した映像光Lは、基板層31を透過して光制御層32に入射し、一部はそのまま正面方向へ出射し、一部は光透過部323と光吸収部324との界面で全反射する等して画面上下方向へ拡散される(図5(a)参照)。このとき、角度θは所定の値となっており、画面上下方向への拡散の度合いは小さいので、正面輝度の低下や画面上下方向への必要以上の拡散を招くことはない。そして、映像光Lは、第2拡散層33で等方的に拡散され、着色層34及び表面層35を透過して出射する。従って、映像光Lを効率よく観察者側へ出射して明るい映像を表示できる。
ここで、映像光Lは、第1拡散層22で弱く拡散され、所定の距離を進み、第2拡散層33で第1拡散層22よりも強く拡散される。従って、映像光Lは、所定の距離をあけて2回拡散作用を受けることとなり、1回のみ拡散作用を受けるもの、特に、出光面近傍で1回のみ強い拡散作用を受けるものに比べて、シンチレーションが大幅に改善される。また、第1拡散層22で映像光を拡散した後に、所定の距離をあけて、第2拡散層33でより強く映像光を拡散しているので、像ぼけやコントラストの低下等を抑制しながら、映像光の拡散によって生じるシンチレーションを効果的に低減し、視野角を広げ、良好な映像を表示できる。
一方、観察者側から透過型スクリーン10へ入射する太陽光や照明光等の外光G(図3,図5参照)は、一部が着色層34で吸収され、一部が光吸収部324で吸収される。従って、外光によるコントラストの低下を大幅に改善することができる。
以上のことから、本実施形態の透過型スクリーン10によれば、明るく、コントラストが高い良好な映像を表示でき、かつ、シンチレーションも大幅に改善された良好な映像を表示できる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の透過型スクリーン40の層構成を説明する図である。図6では、図3と同様な断面の一部を拡大して示している。
第2実施形態の透過型スクリーン40は、フレネルレンズシート20及び基板層31を備えておらず、光制御層32の入光側にフレネルレンズ層47を備えている点が第1実施形態の透過型スクリーン10とは異なる以外は、前述の第1実施形態の透過型スクリーン10と同様の形態である。従って、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の透過型スクリーン40は、1枚ものの透過型スクリーンであり、入光側から順に、フレネルレンズ層47、光制御層32、第2拡散層33及び着色層34、表面層35が、接合層36を介して一体に積層されている。この透過型スクリーン40は、前述の第1実施形態の透過型スクリーン10と同様に、背面投射型表示装置1に用いられる。
フレネルレンズ層47は、フレネル基材層473とレンズ層471とを有している。
フレネル基材層473は、樹脂層475と、光を拡散する作用を有する第1拡散層474とを有している。
樹脂層475は、光透過性を有する層であり、第1実施形態のフレネルレンズシート20の樹脂層23と同様の材料によって形成されたシート状の部材を用いることができる。この樹脂層475の厚さは、約1.0〜1.9mmとすることが好ましい。
第1拡散層474は、光透過性を有し、拡散材を含有するシート状の部材であり、第1実施形態のフレネルレンズシート20の第1拡散層22と同様の材料によって形成されたシート状の部材を用いることができる。また、この第1拡散層474の厚さは、20〜90μmとすることがましい。
また、樹脂層475及び第1拡散層474を合わせた厚みは、1.1〜2.0mmとすることが、映像の解像度やコントラストを高く維持し、かつ、シンチレーションを低減することや、十分な剛性を備え剛性をから好ましい。
図7は、第2実施形態のレンズ層471の単位レンズ472を説明する図である。図7は、図6に示す断面におけるフレネルレンズ層47の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層471は、フレネル基材層473の入光面側に一体に形成され、その入光面側に単位レンズ472が複数配列されて形成されるフレネルレンズ形状を有している。
単位レンズ472は、その配列方向に平行であって、透過型スクリーン40の厚み方向に平行な断面形状が、図7に示すように、光源側(入光側)に凸となる略三角形形状である。この単位レンズ472は、光Lが入射する入射面472aと、入射面472aからの光Lの少なくとも一部が全反射する全反射面472bとを有している。従って、レンズ層471は、その入光側の面に、所謂、全反射型のフレネルレンズを有している。
この単位レンズ472は、同心円状に配列され、サーキュラーフレネルレンズ形状を形成する形態としてもよいし、画面上下方向に沿って配列されて、リニアフレネルレンズ形状を形成する形態としてもよい。
単位レンズ472を同心円状に配列する場合は、その同心円の中心となる光学中心(フレネルセンター)は、前述の図4の点Fのように、透過型スクリーン10のスクリーン面の幾何学的中心となる点Cに対して下方に偏心した形態となる。
上述のような透過型スクリーン40とした場合にも、明るく、コントラストが高い映像を表示でき、かつ、シンチレーションを効果的に低減できる。
また、透過型スクリーン40がこのような全反射型の単位レンズ472によるフレネルレンズ形状を備えることにより、通常の屈折型のフレネルレンズシート20を備える透過型スクリーンの場合よりも、映像光のスクリーンへの入射角度を大きくすることができ、背面投射型表示装置1の奥行き方向における透過型スクリーン10と光源部80との距離短くすることができ、背面投射型表示装置1の薄型化を図ることができる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態の透過型スクリーン50の層構成を説明する図である。図8では、前述の図3に相当する断面を示している。
第3実施形態の透過型スクリーン50は、基板層31を備えず、光制御層32の入光側に樹脂層69及び第3拡散層68を備える点が異なる以外は、第1実施形態の透過型スクリーン10と同様の形態である。従って、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態の透過型スクリーン50は、フレネルレンズシート20と、積層体60とを備えている。この透過型スクリーン50は、前述の第1実施形態の透過型スクリーン10と同様に、背面投射型表示装置1に用いられる。
積層体60は、入光側から順に、第3拡散層68、樹脂層69、光制御層32、第2拡散層33、着色層34、表面層35を備えており、適宜接合層36を介して一体に積層されている。
第3拡散層68及び樹脂層69の材料や厚み等は、前述の第2実施形態のフレネル基材層473の第1拡散層474及び樹脂層475と同様とすることができる。また、第3拡散層68のヘイズ値は、第2拡散層33のヘイズ値より小さく、かつ、第1拡散層22のヘイズ値と略同等であることが、シンチレーションの低減の観点から好ましい。
上述のような透過型スクリーン50とした場合には、第3拡散層68の拡散作用により、さらに、シンチレーションを効果的に低減できる。
(測定例の透過型スクリーンとその評価)
ここで、各実施形態の透過型スクリーン10の実施例と比較例に相当する測定例の透過型スクリーンを用意して、そのシンチレーション等について調べた。
まず、第1実施形態及び第2実施形態の透過型スクリーンの実施例及び比較例に相当する測定例1〜14に用いた積層体30A,30B及びフレネルレンズシート20A〜20C、フレネルレンズ層47A〜47Cについて説明する。
積層体30A及び積層体30Bは、第2拡散層33が異なる以外は同一の形状である。
基板層31は、PC樹脂製の厚さ2mmの層である。
光制御層32の基材部321は、PC樹脂(屈折率1.59)製の厚さ150μmである。
光透過部323は、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さD1=168μm、光透過部323及び光吸収部324の配列ピッチP1=60μmである。光吸収部324は、光吸収材(カーボンブラックを練りこんだアクリルビーズ:平均粒径約4μm)を含有するウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂(屈折率1.49)製であり、下底の幅W2=30μm、上底の幅W3=6μm、高さH1=150μmである。光透過部323と光吸収部324とのの界面が厚み方向となす角度θ=4.5°である。
着色層34は、光吸収材として、カーボンブラックで着色されたアクリル系ビーズ(平均粒径約8μm、屈折率1.55)を所定量含有する厚さ70μmのMBS樹脂(屈折率1.55)製のシート状の部材であり、黒色透明である。
表面層35は、ハードコート機能を有し、アクリルウレタン系熱硬化性樹脂を塗布して硬化させた層であり、その厚さが約30μmである。
接合層36は、紫外線硬化型の接着剤により形成され、その厚さが約50μmである。
積層体30Aの第2拡散層33Aは、拡散材としてシリコン樹脂製の拡散材(屈折率1.41、平均粒径約2μm)を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製の層であり、そのヘイズ値が88%であり、厚さが225μmである。
積層体30Bの第2拡散層33Bは、拡散材としてシリコン樹脂製の拡散材(屈折率1.41、平均粒径約2μm)を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製の層であり、そのヘイズ値が88%であり、厚さが225μmである。
この積層体30Aの第2拡散層33A及び積層体30Bの第2拡散層33Bは、拡散材の含有量が異なっており、第2拡散層33Aが含む拡散材は、第2拡散層33Aの母材に対する質量比が12質量%であり、第2拡散層33Bが含む拡散材は、第2拡散層33Bの母材に対する質量比が13.7質量%となっている。しかし、ヘイズ・透過率・反射率計(株式会社村上色彩技術研究所製 Reflectance transmittance meter HR−100)を用いたヘイズ値の測定では、第2拡散層33A及び第2拡散層33Bのヘイズ値は、同じ値となった。
なお、後述するフレネルレンズシート20A〜20C、フレネルレンズ層47A〜47Cや測定例1〜16の透過型スクリーンのヘイズ値に関しても、このヘイズ・透過率・反射率計を用いてヘイズ値を測定している。
次に、フレネルレンズシート20A〜20Cは、フレネル基材層21(樹脂層23及び第1拡散層22)のヘイズ値や厚さ等が異なる以外は、同一の形状である。なお、レンズ層24のフレネルレンズ形状は、シンチレーションへ与える影響が小さいために、本評価においては、フレネルレンズシート20A〜20Cは、レンズ層24を備えない形態として評価を行った。
フレネルレンズシート20Aのフレネル基材層21Aは、その厚さが1.7mmである。この樹脂層23Aは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.62mmの層である。また、第1拡散層22Aは、平均粒径約8μmのアクリル樹脂製(屈折率1.540)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが80μm、ヘイズ値が32.3%である。
フレネルレンズシート20Bのフレネル基材層21Bは、その厚さが1.85mmである。この樹脂層23Bは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.8mmの層ある。また、第1拡散層22Bは、平均粒径約8μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが50μm、ヘイズ値が32.3%である。
フレネルレンズシート20Cのフレネル基材層21Cは、その厚さが1.1mmである。この樹脂層23Cは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.06mmの層である。また、第1拡散層22Cは、平均粒径約5μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが40μm、ヘイズ値が56.3%である。
次に、第2実施形態の透過型スクリーンに相当する測定例9〜14の透過型スクリーンに用いられたフレネルレンズ層47A〜47Cについて説明する。
フレネルレンズ層47A〜47Cは、フレネル基材層473(樹脂層475及び第1拡散層474)のヘイズ値や厚さ等が異なる以外は、同一の形状である。なお、レンズ層471のフレネルレンズ形状は、シンチレーションへ与える影響が小さいために、本評価において、フレネルレンズ層47A〜47Cは、レンズ層471を備えない形態として評価を行った。
フレネルレンズ層47Aのフレネル基材層473Aは、その厚さが1.7mmである。この樹脂層475Aは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.62mmである。また、第1拡散層474Aは、平均粒径約8μmのアクリル樹脂製(屈折率1.540)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが80μm、ヘイズ値が32.3%である。
フレネルレンズ層47Bのフレネル基材層473Bは、その厚さが1.85mmである。この樹脂層475Bは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.8mmである。また、第1拡散層474Bは、平均粒径約8μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが50μm、ヘイズ値が32.3%である。
フレネルレンズ層47Cのフレネル基材層473Cは、その厚さが1.1mmである。この樹脂層475Cは、MBS樹脂(屈折率1.55)製の厚さ1.06mmである。また、第1拡散層474Cは、平均粒径約5μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが40μm、ヘイズ値が56.3%である。
測定例1は、積層体30Aであり、測定例2は、積層体30Bである。これら測定例1,2は、フレネルレンズシート20が第1拡散層22を備えていない透過型スクリーンの測定例(比較例)に相当する。
次に、測定例3〜9の透過型スクリーンは、積層体30とフレネルレンズシート20とを備える第1実施形態の透過型スクリーン10の測定例に相当する。
測定例3は、積層体30Aとフレネルレンズシート20Aとを組み合わせた透過型スクリーンである。
測定例4は、積層体30Aとフレネルレンズシート20Bとを組み合わせた透過型スクリーンである。
測定例5は、積層体30Aとフレネルレンズシート20Cとを組み合わせた透過型スクリーンである。
測定例6は、積層体30Bとフレネルレンズシート20Aとを組み合わせた透過型スクリーンである。
測定例7は、積層体30Bとフレネルレンズシート20Bとを組み合わせた透過型スクリーンである。
測定例8は、積層体30Bとフレネルレンズシート20Cとを組み合わせた透過型スクリーンである。
次に、測定例9〜14の透過型スクリーンについて説明する。測定例9〜14の透過型スクリーンは、第2実施形態の透過型スクリーン40の測定例に相当し、第1拡散層474と第2拡散層33とが異なる以外は、同一の形状である。
測定例9〜14の透過型スクリーンが備える表面層35、着色層34、光制御層32、接合層36は、上述の積層体30A,30Bと同様の部材である。以下、測定例9〜14の透過型スクリーンについては、第1拡散層474及び第2拡散層33のみを説明する。
測定例9は、フレネルレンズ層47Aと第2拡散層33Aとを備えている。
測定例10は、フレネルレンズ層47Bと第2拡散層33Aとを備えている。
測定例11は、フレネルレンズ層47Cと第2拡散層33Aとを備えている。
測定例12は、フレネルレンズ層47Aと第2拡散層33Bとを備えている。
測定例13は、フレネルレンズ層47Bと第2拡散層33Bとを備えている。
測定例14は、フレネルレンズ層47Cと第2拡散層33Bとを備えている。
次に、測定例15,16について説明する。測定例15,16の透過型スクリーンは、積層体60とフレネルレンズシート20とを備える第3実施形態の透過型スクリーン50の測定例に相当する。測定例15,16の透過型スクリーンは、樹脂層69及び第3拡散層68が異なる以外は、同一の形状である。
測定例15,16の透過型スクリーンの備える表面層35、着色層34、第2拡散層33A、光制御層32は、上述の積層体30A,30Bと同様である。以下、測定例15,16の透過型スクリーンについては、第2拡散層33と樹脂層69及び第3拡散層68、フレネルレンズシート20のみを説明する。
測定例15は、第2拡散層33Aと樹脂層69Bと第3拡散層68Bとを備える積層体と、フレネルレンズシート20Cとを備えている。
測定例16は、第2拡散層33Aと樹脂層69Cと第3拡散層68Cを備える積層体と、フレネルレンズシート20Cとを備えている。
樹脂層69Bは、MBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが1.8mmである。
第3拡散層68Bは、平均粒径約8μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)の拡散材を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製の層であり、そのヘイズ値が32.3%であり、厚さが50μmである。
樹脂層69Cは、MBS樹脂(屈折率1.55)製であり、その厚さが1.06mmである。
第3拡散層68Cは、平均粒径約5μmのアクリル樹脂製(屈折率1.552)を含有するMBS樹脂(屈折率1.55)製の層であり、そのヘイズ値が56.7%であり、厚さが40μmである。
図9は、各測定例の透過型スクリーンのシンチレーションの評価方法を説明する図である。上述の各測定例の透過型スクリーンは、いずれも平板状であって湾曲形状を有しておらず、縦横60×60mmの正方形状である。この各測定例の透過型スクリーンを、測定用光源装置70上に載置した。
測定用光源装置70は、画面サイズ60インチ(1350mm×760mm)のリアプロジェクションテレビジョン(MITSUBISHI Electric Digital Televisions Model No.WD−60735)から透過型スクリーンを外し、かわりに、各測定例の透過型スクリーンが載置できるよう不透明の支持板72を配置したものである。
この支持板72は、その板面の法線方向から見た幾何学的中央近傍に開口部721(60×60mm)を有している。各測定例の透過型スクリーンは、その開口部721にはめ込まれるように配置され、固定されている。このとき、各測定例の透過型スクリーンの幾何学的な中心点Mは、測定用光源装置70の支持板72の法線方向から見て、支持板72の画面左右方向の中央であって、支持板72下端から距離d1=360mmとなる位置に一致する。
この位置は、測定用光源装置70用の不図示の透過型スクリーンの不図示のフレネルレンズシートのフレネルセンターに略一致する位置であり、この測定用光源装置70用の不図示の透過型スクリーンにおいて最も一番輝度が高くなる領域である。本測定はシンチレーション評価であるため、測定用光源装置70用の不図示の透過型スクリーンの画面内において、シンチレーションの生じやすい明るい領域に相当する位置に開口部721を設け、測定例用の透過型スクリーンを載置して評価を行った。
暗室環境下で、測定用光源装置70の光源部71を白色表示するように点灯して、各測定例の透過型スクリーンの幾何学的な中心点Mからその法線方向に距離d2=1.2mの位置から、各測定例の透過型スクリーンの画面を縦横118×118ピクセルに分割し、各ピクセルの輝度を輝度分布測定器MI(ProMetric pm1423−1(RADIANT IMAGING社製))によって測定した。
そして、上述の測定によって得られた縦横118×118ピクセルの輝度の平均値を、面内輝度の平均値として算出した。また、上述の測定によって得られた縦横118×118ピクセルの輝度の標準偏差を面内輝度の標準偏差として算出した。この面内輝度の平均値と標準偏差から、シンチレーション値を算出した。
シンチレーション値は、シンチレーション値をS、標準偏差をA、面内輝度の平均値をKとするとき、以下の式を用いて算出したものである。
S=(A/K)×100
シンチレーション値は、高いとシンチレーションが強く生じていることを示し、低いとシンチレーションが低減されていることを示す。各測定例の透過型スクリーンのシンチレーションに関する評価は、このシンチレーション値を用いて行い、シンチレーション値が、10以下であるものを良とし、10を超えるものを不可とした。
表1は、測定例1,2及び測定例3〜16の面内輝度の平均値、面内輝度の標準偏差、シンチレーション値、ヘイズ値等をまとめた表である。表1上段は、測定例1,2及び測定例3〜8について、表1中段は、測定例1,2及び測定例9〜14について、表1下段は、測定例1,2及び測定例15,16について、それぞれの面内輝度の平均値、面内輝度の標準偏差、シンチレーション値、ヘイズ値等をまとめている。
図10は、測定例1,2及び測定例3〜5の透過型スクリーンのシンチレーションの発生状態を示す図である。
図11は、測定例6〜8及び測定例15,16の透過型スクリーンのシンチレーションの発生状態を示す図である。
この図10〜11は、上述の輝度の測定位置から、上述の輝度分布測定器MI(ProMetric pm1423−1(RADIANT IMAGING社製)によって撮影した画像である。
なお、図10,11に示す画像では、白色表示されている測定例1〜16の透過型スクリーンが、白色ではなく着色されているように表示されているが、これは、撮影した上記輝度分布測定器の特性に依存するものであり、評価時の測定例1〜16は、目視では白色表示画面として観察された。
表1及び図10,図11に示すように、第1拡散層22,474を有する測定例3〜16の透過型スクリーンは、測定例1,2の透過型スクリーンに比べて、シンチレーションが大幅に改善された。
また、表1及び図10,図11に示すように、測定例3〜16の透過型スクリーンにおいて、第3拡散層68を備える測定例15,16は、他の測定例に比べてよりシンチレーションが際立って低減されていた。一方で、測定例15,16は、他の測定例に比べて、面内輝度の平均値が低下しており、使用可能な範囲内ではあるが明るさの低下が生じていた。
また、測定例3〜14の透過型スクリーンにおいて、2枚ものの透過型スクリーンである測定例3〜8の方が、1枚ものの透過型スクリーンである測定例9〜14に比べて、面内輝度の平均値はわずかに低下しているが、よりシンチレーションが低減されていた。これは、2枚ものとすることにより、第1拡散層22と第2拡散層33との厚み方向の距離が、1枚ものに比べて大きくなるからである。
さらに、測定例3〜8の透過型スクリーンにおいて、ヘイズ値が高い第1拡散層22を備える測定例5,8は、他の測定例に比べてシンチレーション低減効果が高く、また、測定例9〜14の透過型スクリーンにおいて、ヘイズ値が高い第1拡散層474を備える測定例11,14は、他の測定例に比べてシンチレーション低減効果が高かった。一方で、測定例5,8,11,14は、面内輝度の平均値が他の測定例よりも低下しており、使用可能な範囲内であるが明るさの低下が生じていた。
以上のことから、本実施形態によれば、シンチレーションを低減でき、良好な映像を表示することができる。また、所望する光学特性や透過型スクリーンの形状等に応じて、第1拡散層22,474や第2拡散層33、第3拡散層68のヘイズ値や厚さ、母材と拡散材との屈折率差等を適宜選択して用いることができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)第1実施形態及び第3実施形態において、フレネル基材層21は、第1拡散層22及び樹脂層23を有する例を示したが、これに限らず、フレネル基材層21を単層とし、拡散材を含有する形態としてもよい。
なお、第2実施形態においても、フレネル基材層473を単層とし、拡散材を含有する形態としてもよい。
さらに、各実施形態において、樹脂層23,475,69は、第1拡散層22,474の出光側に位置する例を示したが、これに限らず、例えば、第1拡散層22,474の入光側に設けてもよい。
(2)各実施形態において、光透過部323及び光吸収部324の断面形状は、略等脚台形状である例を示したが、これに限らず、例えば、1つの光透過部323の画面上下方向において、光吸収部324との界面がシートの厚み方向となす角度θが、上側の角度θと下側の角度θとが異なる大きさのもの(即ち、光透過部及び光吸収部が、画面上下方向において非対称な形状のもの)としてもよい。
また、角度θは、光透過部323及び光吸収部324の配列方向(画面上下方向)において、変化する形態としてもよい。
(3)各実施形態において、接合層36は、着色剤や拡散材を含有していない例を挙げて説明したが、これに限らず、適宜拡散材や着色剤、紫外線吸収剤等を含有する形態としてもよい。
(4)各実施形態において、光源部80は、背面投射型表示装置1の使用状態において、透過型スクリーン10に対して鉛直方向下側から斜めに映像光を投射する例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、透過型スクリーン10に対して鉛直方向上側から斜めに映像光を投射する形態としてもよい。この場合、透過型スクリーン10の上下方向を逆にして配置することが好ましい。
(5)各実施形態において、背面投射型表示装置1は、タッチパネル機能等を備えていない例を示したが、これに限らず、例えば、タッチパネル機能を備えていてもよい。タッチパネル機能としては、例えば、透過型スクリーン10の背面側から赤外光を投射する赤外光投射装置と、透過型スクリーン10の背面側に配置され、赤外光を検出可能な赤外光検出装置とを備える赤外線方式のタッチパネル等を用いることも可能である。
(6)各実施形態において、表面層35を設ける例を示したが、これに限らず、最も観察者側に位置する層が十分な耐擦傷性等を有するのであれば、表面層35を設けない形態としてもよい。このような形態とすることにより、生産工程の短縮化、生産コストの低減等の効果が得られる。
(7)各実施形態において、第2拡散層33と着色層34とは、別層である例を示したが、これに限らず、第2拡散層33に光吸収材や着色剤を含有させた形態とし、着色層34を設けない形態としてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 背面投射型表示装置
10,40,50 透過型スクリーン
20 フレネルレンズシート
21 フレネル基材層
22 第1拡散層
23 樹脂層
24 レンズ層
30,60 積層体
31 基板層
32 光制御層
33 第2拡散層
34 着色層
35 表面層
47 フレネルレンズ層
471 レンズ層
473 フレネル基材層
474 第1拡散層
475 樹脂層
68 第3拡散層
69 樹脂層
80 光源部

Claims (7)

  1. 一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンであって、
    スクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有し、
    映像光の入光側に設けられ、映像光の進行方向を偏向するフレネルレンズ層と、
    前記フレネルレンズ層よりも出光側に設けられ、光を透過する光透過部と光を吸収する光吸収部とを備え、この透過型スクリーンの厚み方向に平行な断面において、前記光透過部及び前記光吸収部がスクリーン面に沿って交互に配置され、前記断面における前記光吸収部の断面形状が略楔形形状である光制御層と、
    前記光制御層よりも入光側に配置され、光を拡散する作用を有する第1拡散層と、
    前記光制御層よりも出光側に配置され、光を拡散する作用を有し、前記第1拡散層よりもヘイズ値が大きい第2拡散層と、
    を備えること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  2. 請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記第1拡散層及び前記第2拡散層は、光を等方的に拡散すること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記フレネルレンズ層は、レンズ面と非レンズ面とを有し、出光側に凸となる単位レンズが複数配列されて形成され、
    前記第1拡散層は、前記フレネルレンズ層よりも入光側に位置すること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  4. 請求項3に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記第1拡散層と前記第2拡散層との間に、光を拡散する作用を有する第3拡散層を有すること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  5. 請求項4に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記第3拡散層のヘイズ値は、前記第2拡散層のヘイズ値よりも小さいこと、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の透過型スクリーンにおいて、
    前記フレネルレンズ層は、光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面とを有し、入光側に凸となる単位レンズが複数配列されて形成されており、
    前記第1拡散層は、前記フレネルレンズ層よりも出光側に位置すること、
    を特徴とする透過型スクリーン。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の透過型スクリーンと、
    前記透過型スクリーンに対して、背面側から映像光を投射する光源部と、
    を備える背面投射型表示装置。
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