JP2018081193A - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上述の特許文献1には、透過型、反射型の両方に使用することができるスクリーンが提案されており、背面側からの光を透過することが可能である。しかし、この特許文献1には、透明性の向上に関する対策に関してはなんら開示されていない。
請求項1の発明は、映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、該映像光の一部を透過する反射スクリーンであって、光透過性を有し、映像光が入射する第1の面(121a)とこれに対向する第2の面(121b)とを有する単位光学形状(121)が、背面側の面に複数配列された光学形状層(12)と、前記単位光学形状の少なくとも前記第1の面の一部に沿って形成され、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有し、少なくとも前記単位光学形状側の表面が不規則な凹凸形状を有する粗面である反射層(13)と、を備え、前記反射層の前記単位光学形状(121)側の面の前記凹凸形状の凹凸の平均傾斜角θaは、2〜8°であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記反射層の前記単位光学形状側の面の前記凹凸形状の凹凸の平均間隔Smは、1〜50μmであること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、該反射スクリーンのスクリーン面に入射角0°で入射した光の全光線透過率は、40〜90%であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、該反射スクリーンのヘイズ値は、10%以下であること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、光を拡散する機能を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、光透過性を有し、前記光学形状層(12)及び前記反射層(13)よりも背面側に、前記単位光学形状による凹凸の谷部を充填するように積層された第2光学形状層を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、スクリーン面とは、スクリーン全体として見たときにおける、スクリーンの平面方向となる面を示すものであり、スクリーンの画面(表示面)に平行であるとする。
図1は、本実施形態の映像表示装置1を示す図である。図1(a)では、映像表示装置1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示装置1を側面から見た図である。
映像表示装置1は、スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態のスクリーン10は、映像源LSから投影された映像光Lを反射して、画面上に映像を表示する反射スクリーンである。このスクリーン10の詳細に関しては、後述する。
また、スクリーン10の映像源側の正面方向に位置する観察者O1から見て画面左右方向の右側に向かう方向を+X方向、画面上下方向の上側に向かう方向を+Y方向、厚み方向において背面側(裏面側)から映像源側(観察者側)に向かう方向を+Z方向とする。
さらに、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、このスクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であり、それぞれ、Y方向、X方向、Z方向に平行であるとする。
この映像源LSは、映像表示装置1の使用状態において、スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、スクリーン10の画面左右方向の中央であって、スクリーン10の画面よりも鉛直方向下方側に位置している。
映像源LSは、奥行き方向(Z方向)において、スクリーン10の表面からの距離が、従来のスクリーンの画面正面方向に位置する汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から斜めに映像光Lを投影できる。したがって、従来の汎用プロジェクタに比べて、映像源LSは、スクリーン10までの投射距離が短く、投射された映像光がスクリーン10に入射する入射角度が大きく、入射角度の変化量(入射角度の最小値から最大値までの変化量)も大きい。
スクリーン10の画面(表示領域)は、使用状態において、観察者O1側から見て長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
スクリーン10は、その画面サイズが対角80〜100インチ程度の大きな画面を有しており、画面の横縦比が16:9である。なお、これに限らず、例えば、40インチ程度やそれ以下の大きさとしてもよく、使用目的や使用環境等に応じて、その大きさや形状は適宜選択できるものとする。
このような支持板は、光透過性を有し、剛性が高い平板状の部材であり、アクリル樹脂やPC樹脂等の樹脂製、ガラス製等の板状の部材を用いることができる。また、これに限らず、スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
本実施形態の映像表示装置1は、例えば、店舗のショーウィンドウに適用される。このとき、スクリーン10は、ショーウィンドウのガラスを上記支持板として固定される形態とすることが好適である。
図3は、本実施形態の第1光学形状層12を背面側(−Z側)から見た図である。理解を容易にするために、反射層13や第2光学形状層14、保護層15等を省略して示している。
スクリーン10は、図2に示すように、厚み方向(Z方向)において、その映像源側(+Z側)から順に、基材層11、第1光学形状層12、反射層13、第2光学形状層14、保護層15等を備えている。
基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
基材層11は、スクリーン10の画面サイズ等に応じてその厚さを適宜設定してよい。
単位光学形状121は、図3に示すように、第1光学形状層12をスクリーン面の法線方向背面側から見たときに、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン10の画面(表示領域)外に位置する点Cを中心として、同心円状に複数配列されている。即ち、第1光学形状層12は、点Cを中心(フレネルセンター)とする、いわゆるオフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を背面側に有している。
この点Cは、図3に示すように、画面左右方向の中央であって画面下方に位置している。したがって、スクリーン10を正面方向から見た場合、点Cと点Aとは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。
単位光学形状121は、背面側に凸であり、映像光が入射する第1斜面(レンズ面)121aと、これに対向する第2斜面(非レンズ面)121bとを有している。1つの単位光学形状121において、第1斜面121aは、頂点tを挟んで第2斜面121bの上側(+Y側)に位置している。
この単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等は不規則である。
理解を容易にするために、図2では、単位光学形状121の配列ピッチP、角度θ1,θ2は、単位光学形状121の配列方向において一定である例を示している。しかし、本実施形態の単位光学形状121は、実際には、配列ピッチPは一定であるが、角度θ1が単位光学形状121の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
また、角度θ1,θ2、配列ピッチP等は、映像源LSからの映像光の投射角度(スクリーン10への映像光の入射角度)や、映像源LSの画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。例えば、単位光学形状121の配列方向に沿って、配列ピッチPが変化し、角度θ1,θ2が変化する形態としてもよい。
また、角度θ1は、5〜30°であることが好ましい。角度θ1が、5°未満であったり、30°よりも大きいかったりすると、第1光学形状層12の屈折率にも依るが、単位光学形状121に形成された反射層13によって観察者O1が良好に映像を視認できる方向へ映像光を反射することが困難となるため好ましくない。したがって、角度θ1は、上記範囲が好ましい。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
前述のように、第1斜面121a及び第2斜面121bは、微細かつ規則な凹凸形状が形成されており、反射層13は、この微細な凹凸形状に追従して形成され、第1斜面121a及び第2斜面121bの凹凸形状を維持して成膜されている。したがって、反射層13の映像源側の面(第1光学形状層12側の面)と、背面側の面(第2光学形状層14側の面)とは、微細かつ不規則な凹凸形状を有するマット面(粗面)となっている。
この反射層13は、入射した光の一部を反射面の微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光を拡散しないで透過するという機能を有する。
なお、反射層13は、これに限らず、例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成してもよい。また、反射層13は、誘電体多層膜を蒸着することにより形成してもよい。
第1斜面121aに形成された反射層13の単位面積当たりにおいて、上述のような鏡面領域が5%を超えると、拡散されず反射して観察者O1側に到達する映像光の成分により輝線が生じたり、映像の視野角が低下したりするため、好ましくない。
なお、反射層13の表面の微細かつ不規則な凹凸形状の詳細に関しては、後述する。
このような第2光学形状層14を設けることにより、反射層13を保護することができ、スクリーン10の背面側の面に保護層15等を積層しやすくなり、また、支持板等への接合も容易となる。
第2光学形状層14の屈折率は、第1光学形状層12と同等であることが望ましい。また、第2光学形状層14は、前述の第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂を用いて形成することできる。
保護層15は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。保護層15は、例えば、前述の基材層11と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。
上述のように、本実施形態のスクリーン10は、光を拡散する作用を有する拡散粒子等の拡散材を含有した光拡散層を備えておらず、映像光等は、反射層13の表面の凹凸形状によって反射時に拡散される。
反射層13は、その表面の微細かつ不規則な凹凸形状の凹凸の平均傾斜角θaが、2〜8°であることが好ましい。
平均傾斜角θaは、凹凸形状の凸部の頂点と凹部の谷底なる点とを結ぶ平面が、基準となる平面に対してなす角度の平均値である。本実施形態の平均傾斜角θaは、単位光学形状121の配列方向及びスクリーン10の厚み方向に平行な反射層13の断面において、その凹凸形状の凹凸の傾斜角度を走査型白色干渉計や触針式表面粗さ測定器により、単位光学形状121の1周期以上の範囲で凹凸の傾斜角度を測定し、その平均値を算出する、又は、凹凸を近似する曲線を一次微分して傾きとなる傾斜角度を算出してその平均値を算出する等により、得ることができる。
したがって、反射層13の表面の凹凸形状は、凹凸の平均傾斜角θaが上記範囲を満たしていることが好ましい。
凹凸の平均間隔Smは、走査型白色干渉計や触針式表面粗さ測定器により、単位光学形状121の1周期以上の範囲で凹凸の間隔を測定し、平均を算出することにより得られる。
凹凸の平均間隔Smが1μm未満であると、反射光を拡散する作用が十分得られないため、好ましくない。また、凹凸の平均間隔Smが50μmより大きいと、映像の滑らかさが低下し、シンチレーションが生じて映像がぎらついて観察されたり、単位光学形状121の形状が潰れてレンズ効果(集光効果)が低減し、観察者側へ反射される映像光の光量が減って映像が暗くなったりする。したがって、更なる画質の向上のために、反射層13の表面の凹凸形状は、凹凸の平均間隔Smが上記範囲を満たすことが好ましい。
全光線透過率は、スクリーン10に入射角0°で入射する光に対する全透過光の割合であり、スクリーン10の画面中央となる点Aにおいて、ヘイズメーター(例えば、株式会社村上色彩研究所製のHM−150等)により測定可能である。
この全光線透過率が40%未満となるとき、スクリーンとしての透明性が低下し、スクリーンを通して観察される透過背景が暗くなるため、好ましくない。また、全光線透過率が90%よりも大きくなると、透過光量が大きくなり過ぎ、表示される映像が暗くなるため好ましくない。したがって、スクリーン10の全光線透過率は、上記範囲が好ましい。
スクリーン10の全光線透過率は、上述のように、点Aにおいて測定するが、画面全体において上記範囲を満たしていることが好ましい。また、本実施形態のスクリーン10では、映像源側から入射角0°で光が入射した場合の全光線透過率と、背面側から入射角0°で光が入射した場合の全光線透過率とは等しい。
このヘイズ値は、全光線透過率における拡散透過率の割合であり、スクリーン10の画面中央となる点Aにおいて、ヘイズメーター(例えば、株式会社村上色彩研究所製のHM−150等)により測定可能である。ヘイズ値が、10%よりも大きくなると、スクリーン10の透明性が低下し、スクリーンの向こう側の景色が白っぽく観察され、スクリーン10の透明性が低下したり、また、映像のコントラストが低下したりするため、好ましくない。したがって、スクリーン10のヘイズ値は、上記範囲が好ましい。
スクリーン10のヘイズ値は、上述のように、点Aにおいて測定するが、画面全体において上記範囲を満たしていることが好ましい。
基材層11を用意し、その一方の面に、単位光学形状121を賦形する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填した状態で積層し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させるUV成形法により第1光学形状層12を形成する。
このとき、単位光学形状121を賦形する成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面には、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されている。この凹凸形状は、成形型の第1斜面121a及び第2斜面121bを賦形する面に、表面加工を複数回行うことにより形成できる。この表面加工は、例えば、めっき加工や、エッチング加工、ブラスト加工等である。また、表面加工は、各種条件等を変更して複数回行ってもよい。
第1光学形状層12を基材層11の一方の面に形成した後、第1斜面121a及び第2斜面121bに、アルミニウムを蒸着する等により反射層13を形成する。
なお、基材層11及び保護層15は、枚葉状としてもよいし、ウェブ状としてもよい。また、スクリーン10が保護層15を備えない形態とする場合には、保護層15積層せずに紫外線硬化型樹脂を硬化させてもよい。
これに対して、上述のように、単位光学形状121の第1斜面121a,第2斜面121bに凹凸形状を成形型によって賦形することにより、多数のスクリーン10を製造する場合にも、品質のばらつきが少なく、安定して製造できるという利点がある。
スクリーン10の下方に位置する映像源LSから投射され、スクリーン10に入射した映像光L1のうち、一部の映像光L2は、その単位光学形状121の第1斜面121aに入射し、反射層13によって拡散反射され、観察者O1側へ出射する。
また、映像源LSから投射された映像光L1うち、一部の映像光L4は、スクリーン10の表面で反射し、スクリーン10上方へ向かうので、観察者O1の映像の視認の妨げにはならない。
図4に示すように、スクリーン10に上方から入射する外光G1,G5のうち、一部の外光G2,G6は、スクリーン10の表面で反射し、スクリーン下方側へ向かう。また、外光G1のうち、一部の外光G3は、反射層13で反射し、一部がスクリーン10下方へ出射するが、一部は、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面で全反射してスクリーン10内下方へ向かい、減衰する。外光G5のうち、一部の外光G7は、反射層13で反射し、背面側(−Z側)のスクリーン10上方側へ出射する。また、反射層13で反射しなかった他の外光G4,G8は、反射層13を透過して、それぞれスクリーン10の背面側下方、映像源側下方へ出射する。このとき、映像源側へ出射する外光G2,G3,G8は、観察者O1には到達しないので、外光による映像のコントラスト低下を抑制できる。
また、小さな入射角度でスクリーン10に入射する他の外光G9,G10は、反射層13を透過して、それぞれ背面側、映像源側へ出射する。スクリーン10は、光を拡散する拡散粒子等を含有する光拡散層等を備えておらず、反射層13は、透過する光を拡散しないので、このスクリーン10を透過する外光G9,G10は、拡散されない。したがって、スクリーン10を通して、スクリーン10の向こう側の景色を観察した場合に、スクリーン10の向こう側の景色がぼやけたり、白くにじんだりすることなく、高い透明性を有して観察することができる。
また、本実施形態のスクリーン10では、スクリーン10に映像光が投射された状態においても、観察者O1が、スクリーン10の向こう側(背面側)の景色を一部視認することが可能である。さらに、スクリーン10では、背面側に位置する観察者O2は、映像光の投射の有無に関わらず、スクリーン10越しに映像源側(+Z側)の景色を高い透明性を有して良好に視認することができる。
また、各測定例のスクリーンの反射層13の表面の凹凸の平均傾斜角θaの測定方法は、前述の通りである。
視野角は、5°以上であることが好ましい。したがって、下記の表1において、各測定例のスクリーンについて、視野角が5°以上であるものを良とし、5°未満であるものを不可として評価した。
ピークゲインは、0.5より大きいものが好ましい。したがって、下記の表1において、各測定例のスクリーンについて、ピークゲインが0.5より大きいものを良とし、0.5以下であるものを不可として評価した。なお、輝度は、正面方向が最も高く、ここでのピークゲインは、点Aに入射する光の照度と、点Aからの反射光を正面方向で測定した輝度との比に相当する。
上記の視野角及びピークゲインの測定において、輝度は、輝度計(トプコン社製 MB−5A)により測定し、照度は、照度計(トプコン社製 IM−2D)により測定した。
表1に示すように、凹凸の平均傾斜角θaが好ましい範囲を満たしている測定例2〜5のスクリーンは、十分な視野角を有し、かつ、ピークゲインが高く明るい映像を表示していた。
しかし、凹凸の平均傾斜角θaが好ましい範囲を満たしていない測定例1のスクリーンは、ピークゲインが十分な高さを満たしているが、視野角が狭すぎ、スクリーンとして好ましくなかった。また、凹凸の平均傾斜角θaが好ましい範囲を満たしていない測定例6のスクリーンは、視野角が十分な大きさを満たしているが、ピークゲインが低く映像が暗くなり、スクリーンとして好ましくなかった。
なお、各測定例のスクリーンは、いずれも十分な透明性を有していた。
以上のことから、凹凸の平均傾斜角θaが好ましい範囲を満たしている本実施形態のスクリーン10及び映像表示装置1は、スクリーン10が高い透明性有しながら、十分な視野角を有し、かつ、ピークゲインが高く明るい映像を表示できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態において、スクリーン10の映像源側(+Z側)の表面に、傷つき防止を目的としたハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、例えば、スクリーン10の映像源側の面(基材層11の映像源側の面)に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布して形成する等により、形成される。
また、ハードコート層に限らず、スクリーン10の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して設けてもよい。さらに、基材層11の映像源側(観察者側)にタッチパネル層等を設けてもよい。
なお、スクリーン10の映像源側(+Z側)の面に限らず、背面側の表面にハードコート機能や反射防止機能等を有する層を備えてもよい。
また、実施形態において、反射層13よりも背面側に、上述のような光吸収層を設けて、背面側から入射する外光を吸収し、映像のコントラスト向上を図ってもよい。
なお、上述の光吸収層は、着色材を含有せず、透明な層であって光吸収作用を有する層としてもよい。
図5は、変形形態の映像表示装置1Aを示す図である。
図5では、理解を容易にするために、スクリーン10Aの第1光学形状層は、柱状の単位光学形状221が背面側に配列され、リニアフレネルレンズ形状を有する例を示したが、これに限らず、前述の各実施形態のようにサーキュラーフレネルレンズ形状を有していてもよしいし、柱状の単位プリズムが複数された形態としてもよい。
なお、前述の実施形態に示すスクリーン10のように、第1光学形状層12がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する場合にも、映像源LSの位置に合わせてフレネルセンターとなる点Cの位置をずらすことにより、このような変形形態は適用可能である。
また、単位光学形状121は、3つ以上の複数の面によって形成される多角形形状としてもよい。
また、反射層13は、単位光学形状121の第1斜面121a及び第2斜面121bに形成される例を示したが、これに限らず、例えば、第1斜面121aの少なくとも一部に形成される形態としてもよい。
また、第1斜面121a及び第2斜面121bは、その表面が微細かつ不規則な凹凸形状を有する粗面である例を示したが、これに限らず、第1斜面121aのみが粗面である形態としてもよい。
また、スクリーン10は、基材層11及び保護層15の少なくとも一方を、ガラス板等の光透過性を有する板状の部材としてもよい。このとき、粘着剤層等を介して第1光学形状層12等がガラス板等に接合される形態としてもよい。
このとき、映像源LSは、映像光が入射角φでスクリーン10へ投射されるように位置及び角度が設定されている。この入射角φは、スクリーン10へ投射された映像光(P波)の反射率がゼロとなる入射角(ブリュースター角)をφb(°)とした場合、(φb−10)°以上85°以下の範囲に設定される。例えば、スクリーン10へ投射された映像光の反射率がゼロとなる入射角φbが60°である場合、映像光の入射角φは、50〜85°の範囲に設定される。
なお、角度φb(ブリュースター角)は、映像光が投射されるスクリーン10の表面の材質により異なる。
また、このような形態の場合、基材層11及び保護層15としては、TAC製のシート状の部材が好適である。
10 スクリーン
11 基材層
12 第1光学形状層
13 反射層
14 第2光学形状層
15 保護層
LS 映像源
Claims (7)
- 映像源から投射された映像光の一部を反射して映像を表示し、該映像光の一部を透過する反射スクリーンであって、
光透過性を有し、映像光が入射する第1の面とこれに対向する第2の面とを有する単位光学形状が、背面側の面に複数配列された光学形状層と、
前記単位光学形状の少なくとも前記第1の面の一部に沿って形成され、入射した光の一部を反射し、入射したその他の光の少なくとも一部を透過する機能を有し、少なくとも前記単位光学形状側の面が不規則な凹凸形状を有する粗面である反射層と、
を備え、
前記反射層の前記単位光学形状側の面の前記凹凸形状の凹凸の平均傾斜角θaが、2〜8°であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
前記反射層の前記単位光学形状側の面の前記凹凸形状の凹凸の平均間隔Smが、1〜50μmであること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
該反射スクリーンのスクリーン面に入射角0°で入射した光の全光線透過率は、40〜90%であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
該反射スクリーンのヘイズ値は、10%以下であること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
光を拡散する機能を有する拡散粒子を含有する光拡散層を備えていないこと、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
光透過性を有し、前記光学形状層及び前記反射層よりも背面側に、前記単位光学形状による凹凸の谷部を充填するように積層された第2光学形状層を備えること、
を特徴とする反射スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示装置。
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