JP2013195914A - 反射スクリーン、映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性が高く、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示装置を提供する。
【解決手段】反射スクリーン10は、レンズ面131aと非レンズ面131bとを有し背面側に凸となる単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層13と、少なくともレンズ面131aに形成され、光を反射する反射層12と、レンズ層13よりも映像源側に配置され、光を拡散する光拡散層141と、レンズ層13よりも映像源側に配置され、反射スクリーン10を構成する他層よりも厚みの厚い基板層15とを備え、そのスクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有するものとした。また、映像表示装置1は、このような反射スクリーン10と、この反射スクリーン10に映像光L1を投射する映像源を備えるものとした。
【選択図】図4

Description

本発明は、投射された映像光を反射して表示する反射スクリーンと、これを備える映像表示装置に関するものである。
近年、反射スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。このような短焦点型の映像投射装置は、反射スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で映像光を投射することができ、反射スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2)。
特開平8−29875号公報 特開2008−76523号公報
一方、近年、反射型や透過型等の各種スクリーンを備える映像表示装置(映像表示システム)等に関して、その用途によっては、装置の外形とスクリーンの表面形状との一体感が要求される等、その意匠性が高く要求される場合がある。このような場合には、意匠面におけるシステム全体との調和も必要であり、当然ながら、映像表示装置としての映像の良好さも要求される。
しかし、反射スクリーン等においては、良好な映像の表示を実現するものは様々に開発されているが、装置の外形とスクリーン表面の一体感等といった意匠性と良好な映像の表示とを両立するものは殆どなかった。
特許文献1,2には、そのような意匠性と良好な映像の表示とを両立して実現することに関して、一切開示が成されていない。
本発明の課題は、意匠性が高く、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光(L)を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、レンズ面(131a)と非レンズ面(131b)とを有し背面側に凸となる単位レンズ(131)が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(13)と、少なくとも前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層(12)と、前記レンズ層よりも映像源側に配置され、光を拡散する光拡散層(141)と、前記レンズ層よりも映像源側に配置され、該反射スクリーンを構成する他層よりも厚みの厚い基板層(15)と、を備え、そのスクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有すること、を特徴とする反射スクリーン(10,10−2)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、前記基板層(15)は、前記光拡散層(141)よりも映像源側に配置されること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、少なくとも前記非レンズ面(131b)には、光を吸収する光吸収層(11)が形成されていること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、前記レンズ層(13)よりも映像源側に、所定の濃度に着色された着色層(141)を備えること、を特徴とする反射スクリーン(10)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーン(10,10−2)と、前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示装置(1)である。
本発明によれば、意匠性が高く、良好な映像を表示できる反射スクリーン、及び、これを備える映像表示装置を提供できるという効果を奏することができる。
実施形態の映像表示装置1を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン10の斜視図である。 実施形態の反射スクリーン10の湾曲形状の別の形態を示す図である。 実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。 実施形態のレンズ層13を説明する図である。 実施形態の反射スクリーン10の製造方法の一例を説明する図である。 別の実施形態の反射スクリーン10−2を説明する図である。 実施例及び比較例の反射スクリーンのコントラストの評価の様子を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、適宜置き換えることができるものとする。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
(実施形態)
図1は、本実施形態の映像表示装置1を説明する図である。この図1においては、映像表示装置1の鉛直方向(画面上下方向)及び奥行き方向に平行な断面図を模式的に示している。
映像表示装置1は、反射スクリーン10、映像源LS、筐体90等を有している。本実施形態の映像表示装置1は、映像源LSから投射された映像光Lを反射スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する反射型の映像表示装置である。
なお、映像表示装置1は、これに限らず、例えば、筐体90を備えず、反射スクリーン10及び映像源LSにより構成される一般的な反射型の映像表示システムとしてもよい。また、映像表示装置1は、フロントプロジェクションテレビジョン等としてもよいし、反射スクリーンの観察画面上の入力部の位置を検出する位置検出部やパーソナルコンピュータ等さらに備えたインタラクティブボードシステムとしてもよい。
本実施形態の映像表示装置1は、太陽光や照明光等といった上方からの外光の影響が大きい環境で使用されるものであり、例えば、自動車の内部や船舶の内部(例えば、運転席や機関室等)に配置される車載用や船舶用の映像表示装置であり、その画面サイズが約6〜30インチ相当のものを例に挙げて説明する。なお、これに限らず、本実施形態の映像表示装置1は、室内等といった使用が想定される一般的な環境において使用することも可能である。
映像源LSは、映像光Lを照射領域が次第に広がっていく発散光束(拡大投影された光束)として、反射スクリーン10の映像源側の面(入光面)に映像光を投射する装置である。
本実施形態の映像源LSは、汎用の短焦点型プロジェクタ等を用いている。この映像源LSは、使用状態において、反射スクリーン10の画面を正面方向から見た場合に、反射スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射スクリーン10の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。
この映像源LSは、奥行き方向における反射スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、本実施形態の映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射スクリーン10に対する入射角度も大きい。
映像源LSは、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、例えば、その発光源としてLED(Light Emitting Diode)やレーザを利用したピコプロジェクタ等の小型のプロジェクタを用いることができる。
反射スクリーン10は、図1に示すように、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。
使用状態において、この反射スクリーン10の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である(後述する図2参照)。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、使用状態において、反射スクリーン10を正面方向から見た場合における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
この反射スクリーン10は、図1に示すように、観察者O側(映像光の出光側)に凸となる湾曲形状を有している。この反射スクリーン10の詳細に関しては、後述する。
筐体90は、反射スクリーン10を支持し、かつ、その内部に映像源LSを配置可能な部材である。
図2は、本実施形態の反射スクリーン10の斜視図である。図2では、理解を容易にするために、反射スクリーン10のみを簡略化して示している。
本実施形態の反射スクリーン10は、その全体を見た場合、図2に示すように、スクリーン面(反射スクリーンの観察面となる面)が三次元曲面をなすような湾曲形状を有している。本明細書において、「三次元曲面」とは、互いに対して角度をなす複数の軸をそれぞれ中心として、部分的に又は全体的に湾曲している曲面を意味するものとする。なお、反射スクリーン10は、二次元曲面(単一の軸を中心として二次元的に湾曲している曲面、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で二次元的に湾曲している曲面)をなすような湾曲形状を有していてもよい。
本実施形態の反射スクリーン10は、略矩形の板状の部材であり、図2に示すように、正面方向から見た場合の対角線の一方と平行で反射スクリーン10の背面側に位置する第1の軸A1を中心とした方向B1に映像源側(観察者側)に凸となるように湾曲し、かつ、他方の対角線と平行で反射スクリーン10の背面側に位置する第2の軸A2を中心とした方向B2に映像源側に凸となるように湾曲している。
そして、反射スクリーン10の観察面において、その表示領域の幾何学的中心となる点C(反射スクリーン10の一対の対角線が交わる点)が最も映像源側に突出する形態となっている。
反射スクリーン10は、観察者側の面の最も映像源側に凸となっている点Cにおける法線方向Nに直交する平面(即ち、最も映像源側に凸となった点Cでの接面)が、鉛直方向(画面上下方向)に平行となっている。
このような反射スクリーン10は、その画面サイズにもよるが、湾曲形状の曲率半径が、2000mm以下であることが好ましく、50mm以上であり1500mm以下であることがより好ましい。なお、曲率半径が、50mm未満となる場合には、曲面成形時にクラック等が生じやすくなり、好ましくない。
なお、本実施形態では、反射スクリーン10は、映像源側(観察者側)に凸となる湾曲形状を有する例を示したが、これに限らず、他の湾曲形状を有していてもよい。
図3は、本実施形態の反射スクリーン10の湾曲形状の別の形態を示す図である。
意匠性や、映像表示装置1の使用環境等に応じて、図3に示すように、厚み方向において、背面側に凸(即ち、映像源側へ凹)となる曲面をなす湾曲形状を有する反射スクリーンとしてもよい。このような形態とした場合には、映像源側に凸となる湾曲形状を有している場合に比べて、スクリーン表面等での外光の反射等が生じにくく、より映像の視認性が向上するという利点がある。
また、図示しないが、映像源側に凸となる部分と背面側に凸となる部分とを組み合わせた形状としてもよい。
さらに、湾曲形状の軸となる第1の軸A1,第2の軸A2は、図2に示すように、反射スクリーン10を正面方向から見た場合の観察画面の矩形形状の対角線にそれぞれ平行である例を示したが、これに限らず、反射スクリーン10を正面方向から見た場合に、観察画面の幾何学的中心となる点Cを通り画面上下方向に平行な方向と、画面左右方向に平行な方向とをそれぞれ第1の軸、第2の軸としてもよい。
図4は、本実施形態の反射スクリーン10の層構成を説明する図である。
図4では、反射スクリーン10の点Cを通り画面上下方向及び厚み方向に平行な断面の一部を拡大して示している。また、図4では、理解を容易にするために、反射スクリーン10を平板状として示している。
本実施形態の反射スクリーン10は、図4に示すように、その厚み方向において、映像源側(観察者側)から順に、表面層16、基板層15、レンズ基材層14(着色層142,光拡散層141)、レンズ層13、反射層12、光吸収層11等を備えている。
以下、本実施形態の反射スクリーン10を構成する各層について説明する。
基板層15は、光透過性を有し、この反射スクリーン10の基板となる層であり、反射スクリーン10としての剛性を付与したりや湾曲形状の保持等の機能を有している。
この基板層15は、PC(ポリカーボネート)樹脂、アクリル系樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、ABS(アクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂により形成された板状の部材である。
また、基板層15は、反射スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、その厚みを1〜5mmとすることが好ましい。これよりも薄いと、剛性が低くなり、所望の湾曲形状を維持することが困難であり、反射スクリーン10に所望する湾曲形状以外の反り等が生じやすくなり、好ましくない。また、これよりも厚いと、剛性等は十分であるが、所望する湾曲形状を付与する加工が困難になる。
表面層16は、この反射スクリーン10の最も観察者側(映像源側)に位置する層である。本実施形態の表面層16は、基板層15の映像源側に一体に形成されている。
この表面層16は、光透過性を有し、ハードコート機能や、反射防止機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能等の少なくとも1つの機能を有する層である。
本実施形態の表面層16は、ハードコート機能を有しており、JIS K 600−5−4(1994)で規定される鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を有している。
この表面層16は、アクリル系の紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、又は、アクリル系の熱硬化型樹脂を、基板層15の映像源側の面側に塗布して硬化させることにより形成される。
レンズ基材層14は、後述するレンズ層13を形成する基材(ベース)となるシート状の部材である。このレンズ基材層14の映像源側(観察者側)には、接合層17を介して基板層15が一体に積層され、背面側(裏面側)には、レンズ層13が一体に形成されている。
本実施形態のレンズ基材層14は、光拡散層141と、着色層142とを有しており、これらの層が一体に積層されている。
光拡散層141は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。この光拡散層141は、その拡散作用により、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ったりする機能を有する。本実施形態では、光拡散層141は、レンズ基材層14の背面側に位置している。
光拡散層141の母材となる樹脂は、例えば、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
また、光拡散層141に含有される拡散材としては、平均粒径が約1〜30μmであり、アクリル系、スチレン系、アクリル・スチレンの共重合体等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等を用いることができる。さらに、所望する拡散性能等に合わせて、これらの拡散材を適宜選択し、所定の割合で組み合わせる等して使用可能である。
この光拡散層141は、その厚さが100〜200μmの範囲内が好ましい。光拡散層141の厚さは、この範囲よりも薄いと、光拡散作用が不十分となり、画面の明るさの不均一性や、視野角の低下等を招く可能性があり、この範囲よりも厚いと、映像のぼけや解像度の低下が生じる可能性がある。
着色層142は、所定の透過率とするために、灰色や黒色等の暗色系に着色された層である。本実施形態では、着色層142は、光拡散層141の映像源側(観察者側)に位置している。
この着色層142は、反射スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光や迷光を吸収して、映像のコントラストを向上させる機能や、反射スクリーン10内で発生した迷光等を吸収する機能や、映像源LSの非点灯時の観察画面の黒味を向上させて観察画面の外観の品位を向上させる機能を有する。
着色層142は、例えば、暗色系の染料や顔料等を含有するPC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂等により形成される。
なお、着色層142は、灰色や黒色等の暗色系の染料や顔料等を含有する以外にも、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等を含有する形態としてもよい。
着色層142は、その厚さが30〜300μmとすることが、外光等を吸収する作用と映像光の透過率の維持の観点から好ましい。
本実施形態のレンズ基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押し出しすることにより一体に積層されて形成されている。なお、これに限らず、光拡散層141と着色層142とが、不図示の接合層等を介して一体に積層される形態としてもよいし、レンズ基材層14を単層とし、拡散材と顔料や染料等の着色材等とを共に含有する形態としてもよい。
図5は、本実施形態のレンズ層13を説明する図である。図5(a)は、図4に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、レンズ基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状をその背面側に有している。本実施形態のレンズ層13は、リニアフレネルレンズ形状を有しており、単位レンズ131が画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に複数配列されている。
このようなリニアフレネルレンズ形状とすることにより、製造が容易となり、安価に大量生産を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、レンズ層13がリニアフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、単位レンズ131が同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
図5(b)は、レンズ層13がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する場合に、レンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12や光吸収層11は省略し、略平板状として示している。
このようなサーキュラーフレネルレンズ形状を有する場合には、スクリーンの画面内における明るさの均一性(ユニフォミニティ)を、さらに向上させることができる。
このとき、レンズ層13は、例えば、図5(b)に示すように、その光学的中心(フレネルセンター)である点Fが、反射スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、反射スクリーン10の下方に位置しているサーキュラーフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ131は、図4や図5(a)に示すように、反射スクリーン10の厚み方向に平行であって、単位レンズ131の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面131aと、非レンズ面131bとを有し、これらは、頂点tを挟んで対向している。本実施形態の反射スクリーン10の使用状態において、単位レンズ131は、レンズ面131aが頂点tを挟んで非レンズ面131bよりも鉛直方向上側に位置している。
単位レンズ131において、図5(a)に示すように、レンズ面131aがレンズ基材層14の背面側の面(スクリーン面に平行な面)となす角度は、αであり、非レンズ面131bがレンズ基材層14の背面側の面(スクリーン面に平行な面)となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、Pであり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点tから単位レンズ131間の谷底となる点vまでの寸法)は、hである。
単位レンズ131の配列ピッチP、角度α,βは、配列ピッチPが一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルセンターとなる点Fから離れるにつれて次第に大きくなる形態となっている。
なお、これに限らず、配列ピッチPが、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよいし、単位レンズ131の配列方向において配列ピッチP、角度α,βが一定である形態としてもよい。単位レンズ131の角度α,βや配列ピッチPは、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射スクリーン10の表面への映像光の入射角度)、反射スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
このレンズ層13は、延伸性を有し、光透過性を有する紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により形成されている。
この延伸性を有する紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート系オリゴマーを主成分とし、光硬化性モノマーとして、フェノキシエチルアクリレート、及びビスフェノールAのエチレンオキシド(ビスフェノールAEO)4モル付加物のジアクリレートと、金型離型剤として、テトラデカノール−エチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル及びテアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物と、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)とを混合し、均一化したものを用いることができる。延伸性の調整はモノマー希釈とオリゴマーの添加量により調整することができる。
反射層12は、光を反射する作用を有する層である。この反射層12は、少なくともレンズ面131aに形成される。
本実施形態の反射層12は、図4や図5(a)に示すように、レンズ面131aに形成されているが、非レンズ面131bには形成されていない。
反射層12は、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成できる。また、反射層12は、レンズ面131a上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成することができる。
光吸収層11は、レンズ層13及び反射層12の背面側に設けられ、光を吸収する作用を有している。本実施形態の光吸収層11は、図4及び図5(a)に示すように、反射層12及び非レンズ面131bを被覆しており、非レンズ面131bに光吸収層11が形成された形態となっている。
光吸収層11は、黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の顔料や染料及び光吸収作用を有するビーズ等を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂を、反射層12をレンズ面131aに形成したレンズ層13の背面側(フレネルレンズ形状側)に塗布して硬化させることにより、形成される。
接合層17は、図4に示すように、基板層15とレンズ基材層14とを一体に接合する層である。
この接合層17は、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や、圧力により粘着性が顕在化する感圧粘着型のアクリル系樹脂等を用いることができる。また、接合層17の厚さは、反射スクリーン10の画面サイズや接合する各層の樹脂の特性、接合層として使用する樹脂の特性等に合わせて、10〜100μmの範囲内で適宜選択できる。
図4を参照しながら、本実施形態の反射スクリーン10へ入射する映像光L1及び外光G1,G2の様子を説明する。なお、図4では、理解を容易にするために、表面層16、基板層15、レンズ基材層14(着色層142,光拡散層141)、レンズ層13の屈折率が等しいものとし、光拡散層141の拡散作用等を省略して示している。
図4に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射スクリーン10の下方から入射し、表面層16及び基板層15、レンズ基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面131aへ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射スクリーン10から出射する。従って、反射スクリーン10は、映像光L1を効率よく観察者O側へ出射できる。
なお、映像光L1が反射スクリーン10の下方から投射され、角度βが反射スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面131bに直接入射することはなく、非レンズ面131bは、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図4に示すように、主として反射スクリーン10の上方から入射し、表面層16及び基板層15、レンズ基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面131bへ入射して、光吸収層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面131aで反射して、主として反射スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者Oには直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光Lに比べて大幅に少ない。従って、反射スクリーン10は、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
従って、本実施形態の反射スクリーン10によれば、外光によるコントラストの低下を抑制し、明るく良好な映像を表示できる。
図6は、本実施形態の反射スクリーン10の製造方法の一例を説明する図である。
図6(a)に示すように、まず、レンズ基材層14を形成する。レンズ基材層14、光拡散層141と着色層142とを共押し出し成形することにより、レンズ基材層14が形成される。この状態では、レンズ基材層14は、ウェブ状であるとする。
次に、図6(b)に示すように、レンズ基材層14の一方の面(本実施形態では、光拡散層141側の面)に、レンズ層13を形成する。このレンズ層13は、例えば、レンズ基材層14の一方の面(光拡散層141側の面)を、前述のような延伸性を有する紫外線硬化型樹脂が充填されたフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型を離型する紫外線成型法等により形成することができる。なお、レンズ層13の形成方法は、レンズ層13の樹脂に応じて適宜選択してよく、この限りではない。
次に、図6(c)に示すように、接合層17を介して、レンズ基材層14の他方の面(本実施形態では、着色層142側の面)と、基板層15の一方の面とを接合する。以下、接合層17により基板層15とレンズ基材層14とが一体に積層された状態を、積層体と呼ぶ。この積層体を、所定の大きさに裁断する。
次に、図6(d)に示すように、この積層体を、所定の温度に加熱して軟化させ、真空成形法により、基板層15側が凸となるような曲面を有する湾曲形状を成形する。具体的には、基板層15のガラス転移温度以上に積層体を加熱して軟化させ、所定の曲面形状を有する不図示の型面に、気体圧力等により押し付けて湾曲させ、冷却して所望の曲面を有する形状に成形する。曲面成形を行う間、積層体と型面との間が減圧した状態(好ましくは、略真空状態)で維持される。
次に、図6(e)に示すように、曲面成形により湾曲形状を有する積層体のレンズ面131aに、真空蒸着法等により、アルミニウムの蒸着膜による反射層12を形成する。
次に、図6(f)に示すように、基板層15側の表面に表面層16を形成する。本実施形態では、表面層16を形成する電離放射線硬化型樹脂等をスプレーコート等により、基板層15の表面に塗布し、硬化させて形成される。なお、熱硬化性樹脂を用いる場合には、基板層15表面に塗布した後、加熱硬化させて表面層16を形成してもよい。
また、レンズ層13の単位レンズ131の矩形部に、黒色塗料等を塗布して硬化させ、光吸収層11を形成する。
次に、さらに不要な箇所を裁断する等の後工程を経た後に、反射スクリーン10が完成する。なお、上記の製造方法は一例であり、上記の製造方法に限定されるものではない。
また、上記説明では、積層体を形成してから、枚葉状に裁断される例を示したが、レンズ層13がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する場合等は、レンズ基材層14を形成した後、レンズ層13を形成する前に、枚葉状に裁断してもよい。
(別の実施形態)
図7は、別の実施形態の反射スクリーン10−2を説明する図である。図7では、図4と同様の断面を示し、また、理解を容易にするために、反射スクリーン10−2を略平面状として示している。
この実施形態の反射スクリーン10−2は、図7に示すように、レンズ基材層14を備えず、レンズ基材層24を備えている以外は、前述の反射スクリーン10と同様の形態であり、映像表示装置1に使用される。
レンズ基材層24は、光拡散性を有し、かつ、レンズ層13のベース(基材)となる層である。このレンズ基材層24は、着色層を有しておらず、単層であり、光拡散材を含有している。即ち、このレンズ基材層24は、前述の光拡散層141と略同様のシート状の部材である。
従って、レンズ基材層24の母材やレンズ基材層24が含有する拡散材としては、前述の光拡散層141が含有する拡散材と同様のものを使用可能である。
また、レンズ基材層24は、レンズ層13を形成する基材としての十分な剛性と、十分な光拡散作用を有していることが好ましく、これらの観点から、その厚さが100〜200μmとすることが好ましい。
なお、基板層15の背面側に直接レンズ層13を形成する形態としてもよい。
ここで、本実施形態の反射スクリーン10,10−2の実施例に相当する実施例1,2の反射スクリーンと、比較例1,2の反射スクリーンとを作製し、その映像のコントラストや形状加工のしやすさ等を評価した。なお、コントラストの評価に関しては、曲面形状を付与せず、略平板状の状態で評価を行っている。
実施例1、2の反射スクリーン及び比較例1,2の反射スクリーンの層構成は、以下の通りである。
実施例1の反射スクリーンは、映像源側から順に、表面層16、基板層15、レンズ基材層14(着色層142、光拡散層141)、レンズ層13、反射層12、光吸収層11を備えている。これは、図4に示す本実施形態の反射スクリーン10の実施形態に相当する。
実施例2の反射スクリーンは、映像源側から順に、表面層16、基板層15、レンズ基材層24、レンズ層13、反射層12、光吸収層11を備えている。これは、図7に示す本実施形態の別の形態の反射スクリーン10−2の実施例に相当する。
比較例1の反射スクリーンは、映像源側から順に、表面層16、レンズ基材層14(着色層142、光拡散層141)、レンズ層13、反射層12、光吸収層11を備えており、基板層15は備えていない。
比較例2の反射スクリーンは、映像源側から順に、表面層16、レンズ基材層24、レンズ層13、反射層12、光吸収層11を備えており、基板層15は備えていない。
実施例1,2及び比較例1,2の反射スクリーンは、いずれも画面サイズが約10インチであり、各層の詳細は以下の通りである。
表面層16は、ハードコート機能を有する層であり、ウレタンアクリレート樹脂を塗布して硬化させて形成される。その膜厚は、約16μmである。
基板層15は、光透過性を有する厚さ3mmのPC樹脂製の板状の部材(タキロン株式会社製 P6100)である。
実施例1及び比較例1の反射スクリーンのレンズ基材層14は、以下の着色層142及び光拡散層141を備えている。
着色層142は、含有する黒色顔料により、所定の透過率(光吸収率)に調整された層であり、MBS樹脂製の厚さ約70μmの層である。実施例1及び比較例1の反射スクリーンの着色層142は、光吸収率を約20%(透過率約80%)としている。
光拡散層141は、MBS樹脂(屈折率1.55)を母材とし、拡散材として平均粒径約10μmのアクリル系ビーズ(屈折率1.50)を含有し、その厚さが140μmの層である。母材と拡散材との重量比は、母材:拡散材=100:30である。
実施例2及び比較例2の反射スクリーンのレンズ基材層24は、MBS樹脂(屈折率1.55)を母材とし、拡散材として平均粒径約10μmのアクリル系ビーズ(屈折率1.50)を含有し、その厚さが140μmの層である。母材と拡散材との重量比は、母材:拡散材=100:30である。
レンズ層13は、レンズ基材層14又はレンズ基材層24の片面(背面側の面)に、上述のような延伸性を有する紫外線硬化型樹脂により、紫外線成形法によって形成されている。レンズ層13の背面側には、リニアフレネルレンズ形状が形成されており、その単位レンズ131の配列ピッチP=100μmであり、スクリーン面の幾何学的中心における単位レンズ131では、レンズ高さh=24.9μm、角度α=14.0°、角度β=90°とした。
反射層12は、反射層12形成前の積層体に対して、バッチ処理を行い、アルミニウムを真空環境下(10−2〜10−3Torr)で電熱加熱し、蒸着して形成した。その膜厚は、0.05〜0.06μmである。
光吸収層11は、黒色塗料(ニッペホームペイント製 水性つやありEXE06ブラック)を、反射層12が形成されたレンズ層13の表面にロールコート法により塗布して、熱硬化させて形成した。光吸収層11の厚さは、50μm程度である。
これらの実施例1,2及び比較例1,2の反射スクリーンについて、スクリーン上方からの照明光が存在する明室環境下において、湾曲させずに、その画面上下方向が鉛直方向に平行となるように配置して、コントラスト等を評価した。
図8は、実施例及び比較例の反射スクリーンのコントラスト評価の様子を示す図である。
各反射スクリーンの画面上に、測定点Qを設けた。この測定点Qは、画面左右方向の中央であり、天井に配置された照明からの照明光(外光)Gの反射スクリーンへの入射角度θ1がθ1=45°となる点である。
このとき、測定点Qにおける環境照度(各反射スクリーンの正面方向)は、150lx(コニカミノルタセンシング株式会社製 デジタル照度計 T−1にて測定)であった。
各反射スクリーンへ光を投射する映像源LSは、短焦点型のプロジェクタ(株式会社日立製作所製 超短投写距離プロジェクタ ED−A100)とし、画面上下方向における点Qへの投射光Lの入射角度θ2がθ2=47°となるように配置した。また、映像源LSから反射スクリーンへ投射される白色光の測定点Qにおける照度は、上記環境照度を有する明室環境下で1000lxとした。
測定点Qから、各反射スクリーンの正面方向(図2に示す法線方向Nに平行な方向、即ち正面方向)にd1=3m、床面からd2=1mの位置に、輝度計(コニカミノルタセンシング株式会社製 LS−110)を配置し、各反射スクリーンの測定点Qにおける輝度を測定した。
コントラストの評価は、明室環境下における点Qの白輝度(白色表示時の輝度)と、黒輝度(黒色表示時の輝度)との比(明室白輝度/明室黒輝度)によって算出した。この比が高いほうが、コントラストが高く、良好な映像であるといえる。
以下に示す表1が、測定結果である。
Figure 2013195914
また、各反射スクリーンにおいて、表面層16、反射層12、光吸収層11形成前の積層体の状態で、真空成形法によって湾曲面を形成する際の形成の容易性や、湾曲形状が付与された状態でのクラック等の形成不良の発生の有無について評価した。
この真空成形法において湾曲形状を付与する金型は、その表面の曲率半径RがR=250mmであるものを使用した。
比較例1,2の反射スクリーンは、湾曲形状を付与することにより、反射スクリーンを構成する各層(特に、レンズ層13)にクラックが発生し、反射スクリーンとしての性能や品位が低下していた。また、十分な剛性を有していないため、湾曲形状の維持も困難であった。
これに対して、実施例1,2の反射スクリーンは、湾曲形状を付与してもクラック等は発生せず、反射スクリーンとしての性能や品位が良好であった。また、付与した湾曲形状の維持も十分であり、形成も容易であった。
よって、実施例1,2の反射スクリーンは、比較例1,2と比較して、曲面加工が容易かつ安定して行え、クラック等の形成不良が生じず、良好な反射スクリーンとすることができる。また、実施例1,2の反射スクリーンは、比較例1,2の反射スクリーンに比べて、コントラスト(白輝度/黒輝度)が高く、明るい映像を表示することができる。
以上のことから、本実施形態によれば、コントラストが高く、明るく良好な映像を表示でき、かつ、意匠性の高い反射スクリーンとすることができる。また、本実施形態によれば、湾曲形状の形成時にクラック等が生じず、湾曲形状の維持も良好であるので、デザインの自由度が高く、筐体との一体性を高めることができ、意匠性が高く、かつ加工が容易であって加工後の品位も良好な反射スクリーンとすることができる。
さらに、リアプロジェクションスクリーンを用いた表示装置では、スクリーンの背面側に映像源を配置するスペースが必要であったが、本実施形態の反射スクリーン10を用いた映像表示装置1では、反射スクリーン10の背面側にそのようなスペースは不要である。従って、意匠性が要求され、かつ、外光の影響を受けやすく、設置スペースに制限がある車載用の表示装置等において、本実施形態の反射スクリーン10及び映像表示装置1は、好適である。例えば、本実施形態の反射スクリーン10及び映像表示装置1は、運転席の各種表示装置や、運転席横のスペース等に配置することができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、レンズ基材層14は、光拡散層141と着色層142とを備える例を示したが、これに限らず、どちらかのみである形態としてもよいし、適宜その層の数や位置は変更可能である。
また、光拡散層141と着色層142とは、それぞれ別層として形成し、いずれか一方を基板層15よりも映像源側に配置する等としてもよい。
(2)本実施形態において、レンズ層13が、延伸性を有する紫外線硬化型樹脂製であり、レンズ基材層14,24の片面に紫外線成形法により一体に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、延伸性を有する熱可塑性樹脂製等であり、押し出し成形法や射出成形法等によりレンズ層13を形成してもよい。
(3)本実施形態において、反射スクリーン10,10−2は、光吸収層11を備え、非レンズ面131bが、光吸収層11で被覆される例を示したが、これに限らず、その反射スクリーンの使用環境等に応じて、光吸収層11を備えず、非レンズ面131b上にも反射層12が形成される形態としてもよい。
この場合、反射層12は、単位レンズ131間の谷部を充填しその背面側の面が略平面状としてもよいし、単位レンズ131の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成される形態としてもよいし、十分な反射特性を有しているならば、その厚さが均一でなくともよい。
(4)本実施形態において、反射スクリーン10,10−2は、その画面サイズが6〜30インチ相当である例を示したが、これに限らず、例えば、40インチや50インチ等、より大きな画面サイズのものとしてもよい。
(5)本実施形態において、反射スクリーン10,10−2は、筐体90によってその四辺が支持されている例を示したが、これに限らず、例えば、反射スクリーン10の背面側に反射スクリーン10の曲面形状を支持する支持板50をさらに備え、この支持板50と反射スクリーン10とが不図示の粘着材層等を介して接合されている形態としてもよい。
(6)本実施形態において、表面層16は、ハードコート機能を備える例を示したが、これに限らず、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能、タッチパネル層等を適宜選択してさらに付与してもよい。この場合、例えば、これらの機能を有する層を表面層16と基板層15との間に別層として設けてもよいし、表面層16を形成する樹脂に、上述の機能を有するものを選択して形成してもよい。
(7)本実施形態において、単位レンズ131は、図2等に示す断面形状が略三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、略台形形状であり、レンズ面と非レンズ面と、これらの間に位置する頂面とを有する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。頂面上には、光吸収層を形成してもよいし、反射層を形成してもよい。
(8)本実施形態において、単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面131a及び非レンズ面131bが直線状となる例を示したが、これに限らず、この断面において、例えば、レンズ面131aや非レンズ面131bの一部が曲線状となっていてもよい。
また、本実施形態において、単位レンズ131のレンズ面131a及び非レンズ面131bは、いずれも1つの面である例を示したが、これに限らず、例えば、少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
(9)本実施形態において、映像源LSは、鉛直方向において反射スクリーン10より下方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の下方から斜めに投射される例を示したが、これに限らず、例えば、映像源LSが、鉛直方向において反射スクリーン10より上方に位置し、映像光Lが反射スクリーン10の上方から斜めに投射される形態としてもよい。このとき、反射スクリーン10は、図2や図3等に示すレンズ層13の上下方向を反転させた形態とすればよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示装置
10,10−2 反射スクリーン
11 光吸収層
12 反射層
13 レンズ層
131 単位レンズ
131a レンズ面
131b 非レンズ面
14,24 レンズ基材層
141 光拡散層
142 着色層
15 基板層
16 表面層
LS 映像源

Claims (5)

  1. 映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射スクリーンであって、
    レンズ面と非レンズ面とを有し背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層と、
    少なくとも前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層と、
    前記レンズ層よりも映像源側に配置され、光を拡散する光拡散層と、
    前記レンズ層よりも映像源側に配置され、該反射スクリーンを構成する他層よりも厚みの厚い基板層と、
    を備え、
    そのスクリーン面が曲面をなすような湾曲形状を有すること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  2. 請求項1に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記基板層は、前記光拡散層よりも映像源側に配置されること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の反射スクリーンにおいて、
    少なくとも前記非レンズ面には、光を吸収する光吸収層が形成されていること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射スクリーンにおいて、
    前記レンズ層よりも映像源側に、所定の濃度に着色された着色層を備えること、
    を特徴とする反射スクリーン。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の反射スクリーンと、
    前記反射スクリーンに映像光を投射する映像源と、
    を備える映像表示装置。
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