JP2015060193A - 反射型スクリーン、および、映像表示システム - Google Patents

反射型スクリーン、および、映像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光が投射される場合においても、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察可能であり、かつ、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することも可能な反射型スクリーン、および、この反射型スクリーンを備える映像表示システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 反射型スクリーンが、スクリーンの画面に対して傾斜したレンズ面を有する単位レンズ部を複数有しており、かつ、前記単位レンズ部の間には背景透過部を有しており、前記単位レンズ部の前記レンズ面の上に反射層を形成し、前記背景透過部においては、スクリーンの画面に対して平行な平面が露出した状態とすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、観察者側からの映像光を反射させて観察可能としながらも、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することも可能な反射型スクリーン、および、この反射型スクリーンを備える映像表示システムに関するものである。
従来、映像光を投射するスクリーンとして、観察者側からの映像光をスクリーンの反射面により反射させて観察可能とする反射型スクリーンが、広く知られている。
ここで、従来の反射型スクリーンは、投射される映像を観察可能とすることを目的としており、一般に、スクリーンを透して背面側の状態を観察することはできないものであった。例えば、店舗のショーウィンドウ等にスクリーンを設置する場合においては、店舗の外側からスクリーンに投射された広告等の映像を観察することはできても、スクリーンを透して店舗のショーウィンドウ内の展示物を観察することはできなかった。
そこで、スクリーンの構成を工夫して、不要な外光の影響を抑制しつつ、スクリーン前方からの映像光を反射させて観察可能としながらも、スクリーンを透して背面側の状態を観察することも可能なスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
一方、近年においては、スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化が可能な映像源として、短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)が利用されている。この短焦点型の映像投射装置は、スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で映像光を投射するものである。
特開2006−243693号公報 特開2006−337944号公報
上述のような、スクリーンを透して背面側の状態を観察することが可能なスクリーンに、映像源として、上記の短焦点型の映像投射装置を用いる場合、スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光が投射されるため、外光の影響を抑制する作用と同じ作用効果によって、映像光を観察者側に良好に反射させることができず、観察される映像が暗くなってしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光が投射される場合においても、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察可能であり、かつ、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することも可能な反射型スクリーン、および、この反射型スクリーンを備える映像表示システムを提供することである。
本発明者は、種々研究した結果、反射型スクリーンが、スクリーンの画面に対して傾斜したレンズ面を有する単位レンズ部を複数有しており、かつ、前記単位レンズ部の間には背景透過部を有しており、前記単位レンズ部の前記レンズ面の上に反射層を形成し、前記背景透過部においては、スクリーンの画面に対して平行な平面が露出した状態とすることにより、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成した。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、光透過性を有し、前記映像源側の面と反対側の面が互いに平行な基材層と、前記基材層の前記映像源側の面の上に複数配列され、前記基材層の前記映像源側の面に対して傾斜したレンズ面を有する単位レンズ部と、前記単位レンズ部の前記レンズ面の上に設けられ、前記映像光を前記映像源側に反射する反射層と、を備え、前記単位レンズ部は隙間を空けて配列されており、前記隙間には、前記基材層の前記映像源側の面又は前記基材層の前記映像源側の面と平行な平面が露出した状態となっている背景透過部が設けられていることを特徴とする反射型スクリーンである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記単位レンズ部の前記レンズ面と、前記反射層の間に、光吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーンである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記複数配列された単位レンズ部が、前記基材層の前記映像源側の面の上において、同心円状に配列されており、サーキュラーフレネルレンズを構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型スクリーンである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記複数配列された単位レンズ部が、前記基材層の前記映像源側の面の上において、平行に配列されており、リニアフレネルレンズを構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型スクリーンである。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記反射型スクリーンの使用状態において、前記複数配列された単位レンズ部が、前記反射型スクリーンの画面の左右方向に延びており、上下方向に平行配列していることを特徴とする請求項4に記載の反射型スクリーンである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の反射型スクリーンと、前記反射型スクリーンに映像光を投射する映像源と、を備えることを特徴とする映像表示システムである。
本発明に係る反射型スクリーンにおいては、スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光が投射される場合においても、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察でき、かつ、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができる。
また、本発明の反射型スクリーンを備えた映像表示システムにおいては、上記の効果に加えて、映像表示システムを省スペース化することができる。
本発明に係る反射型スクリーンを備える映像表示システムの一例を示す説明図である。 本発明に係る反射型スクリーンの第1の実施形態の層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に係る反射型スクリーンの第2の実施形態の層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に係る反射型スクリーンの単位レンズ部の配列の一例を示す説明図である。 本発明に係る反射型スクリーンの単位レンズ部の配列の他の例を示す説明図である。 本発明に係る反射型スクリーンの第1の実施形態の使用状態の例を示す説明図である。 本発明に係る反射型スクリーンの第2の実施形態の使用状態の例を示す説明図である。 本発明に係る反射型スクリーンの製造工程の概略を説明する図である。 本発明に係る反射型スクリーンの製造方法の一例を示す説明図である。
以下、図面等を参照して、本発明に係る反射型スクリーンおよび映像表示システムについて説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。従って、各光線の入射角度等に関して、実際の角度とは異なる場合がある。
<映像表示システム>
図1は、本発明に係る反射型スクリーンを備える映像表示システムの一例を示す図である。ここで、図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
なお、この図1および図2では、観察者Oが反射型スクリーン10に対向して位置した状態、すなわち反射型スクリーン10の使用状態を基準に、左右方向をX、奥行方向をY、上下方向をZとしている。
図1(a)および(b)に示すように、映像表示システム1は、反射型スクリーン10、映像源3等を備える。
映像源3は、映像光Eを反射型スクリーン10へ投射する映像投射装置であり、奥行方向(Y方向)における位置が従来のプロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Eを反射型スクリーン10に投射することができる短焦点型の汎用プロジェクタである。そして、映像源3からの映像光Eは、従来の映像源からの映像光よりも大きな入射角度で、反射型スクリーン10に投射される。
この映像源3は、使用状態において、反射型スクリーン10の画面(表示領域)を正面方向から見た場合に、反射型スクリーン10の画面左右方向における中央であって、反射型スクリーン10の画面よりも下方側となる位置に配置されている。
反射型スクリーン10は、映像源3からの映像光Eを観察者O側(Y2側)へ向けて反射して画面上に映像を表示することができ、かつ、スクリーン背面側(Y1側)の状態を反射型スクリーン10を透して観察することも可能な反射型スクリーンである。
使用状態において、この反射型スクリーン10の画面は平面状であり、観察者O側(Y2側)から見て、長辺方向が左右方向(X方向)に平行となる略矩形状である。例えば、反射型スクリーン10は、画面サイズが対角100インチ(横2200mm×縦1250mm)とすることができる。
なお、図1に示す形態においては、反射型スクリーン10は、その背面(Y1側の面)に、平板状の支持板2が、粘着剤等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板2より、その平面性を維持している。ここで、スクリーン背面側(Y1側)の状態を観察可能とするために、支持板2は光透過性を有するものである。
<反射型スクリーン>
(第1の実施形態)
図2は、本発明に係る反射型スクリーンの第1の実施形態の層構成の例を示す断面図である。ここで、図2は、図1(a)のIa−Ia断面の拡大図に相当する。ただし、図2では、理解を容易にするために、支持板2等を適宜省略している。なお、図1(a)におけるIa−Ia線は、反射型スクリーン10の画面左右方向における中心線である。
図2に示すように、本実施形態に係る反射型スクリーン10は、背面側(Y1側)から順に、基材層11、レンズ層12、反射層13を備えている。
レンズ層12は、単位レンズ部20と背景透過部30を有しており、単位レンズ部20のレンズ面21の上には反射層13が形成されているが、背景透過部30は基材層11の映像源側(Y2側)の面と平行な平面が露出した状態となっている。
なお、上記の各層は、それぞれ、同一材料からなる単層構造であってもよく、異なる材料からなる複数の層が積層された多層構造であってもよい。
また、図示はしないが、各層の間や表面には、適宜、中間層や表面層が設けられていてもよい。例えば、レンズ層12と反射層13の間にはアンダーコート層が設けられていてもよく、反射層13の上(露出する表面の上)には、平坦化層や、ハードコート性、帯電防止性等の機能を有する表面機能層等が設けられていてもよい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明に係る反射型スクリーンの第2の実施形態の層構成の例を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る反射型スクリーン10´は、背面側(Y1側)から順に、基材層11、レンズ層12、光吸収層14、反射層13を備えている。
そして、レンズ層12は、単位レンズ部20と背景透過部30を有しており、単位レンズ部20のレンズ面21の上には、光吸収層14および反射層13が形成されているが、背景透過部30は基材層11の映像源側(Y2側)の面と平行な平面が露出した状態となっている。
すなわち、図3に示す反射型スクリーン10´は、図2に示す反射型スクリーン10の単位レンズ部20のレンズ面21と、反射層13の間に、光吸収層14が設けられている構成を有している。
この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、上記の各層は、それぞれ、同一材料からなる単層構造であってもよく、異なる材料からなる複数の層が積層された多層構造であってもよい。
また、図示はしないが、各層の間や表面には、適宜、中間層や表面層が設けられていてもよい。例えば、光吸収層14と反射層13の間にはアンダーコート層が設けられていてもよく、反射層13の上(露出する表面の上)には、平坦化層や、ハードコート性、帯電防止性等の機能を有する表面機能層等が設けられていてもよい。
(基材層)
基材層11は、反射型スクリーン10の基材となるフィルム状または板状の部材であって、光透過性を有し、映像源側(Y2側)の面と反対側(Y1側)の面が互いに平行な形態を有している。
なお、本明細書において、「映像源側(Y2側)の面と反対側(Y1側)の面が互いに平行」である状態とは、映像源側(Y2側)の面、および、反対側(Y1側)の面のいずれもが、レンズ面やプリズム面のように意図的な曲面や傾斜面を有するものではなく、基材層11を透して観察される反射型スクリーン10の背面側(Y1側)の像が、反射型スクリーン10の画面側(Y2側)の観察者に観察可能である状態であることを指す。
基材層11の材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等を用いることができる。
基材層11の厚みとしては、フィルム状の場合、加工性の点から25μm〜300μmの範囲であることが好ましい。25μmより薄い場合は、しわが発生しやすいという不具合があり、300μmより厚い場合は、中間工程での巻き取り性が悪いという不具合がある。
一方、基材層11が板状の場合は、その厚みは、1mm〜5mm程度の範囲であることが好ましい。1mmよりも薄い場合は、単独では平面性を維持できない場合があり、5mmよりも厚い場合は基材層11が重くなってしまうという不具合があるからである。
(レンズ層)
レンズ層12は、光透過性を有する層であり、一対のレンズ面21と非レンズ面22を有する単位レンズ部20が、隙間を空けて複数配列されたフレネルレンズ形状を有している。そして、単位レンズ部20同士の隙間には、背景透過部30が設けられている。
図4および図5は、本発明に係る反射型スクリーンの単位レンズ部20の配列例を示す説明図である。ここで、図4、図5ともに、(a)は、反射型スクリーンの使用状態において、観察者側(映像源側)から見た単位レンズ部20の配列の様子を示しており、(b)は、(a)に示す反射型スクリーンの画面左右方向における中心線における断面の部分拡大図を示している。なお、煩雑となるのを避けるため、図4、図5ともに、(a)では、単位レンズ部20のレンズ面21と非レンズ面22とで形成される稜線P1の位置のみを図示している。
図4に示すように、反射型スクリーン50の単位レンズ部20は、基材層11の映像源側(Y2側)の面の上において、同心円状に配列されており、サーキュラーフレネルレンズを構成している。このサーキュラーフレネルレンズは、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射型スクリーン50の画面(表示領域)の領域外であって、反射型スクリーン50の下方に位置している。
一方、図5に示すように、反射型スクリーン60の単位レンズ部20は、基材層11の映像源側(Y2側)の面の上において、左右方向に直線状に延びており、画面上下方向に平行配列され、リニアフレネルレンズを構成している。
本発明に係る反射型スクリーンの単位レンズ部20の配列は、サーキュラーフレネルレンズを構成する形態であることが光学的には望ましいが、製造コストの点から、リニアフレネルレンズを構成する形態であってもよい。
本発明に係る反射型スクリーンの単位レンズ部20の配列ピッチは、20μm〜200μmの範囲であることが好ましい。例えば、200μmより大きい場合、モアレ現象が生じやすくなるという問題や、成型深さが深くなることによる金型切削時のバイトの消耗や、成型深さが深くなることによる離型性悪化の問題がある。また、20μmより小さい場合は、回折現象が生じやすくなるという問題や、成型深さが浅いことによる高い加工精度が必要になるという問題がある。
レンズ層12を構成する材料には、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いることができる。なお、レンズ層12は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
このレンズ層12は、例えば、基材層11の映像源側(Y2側)の面を、紫外線硬化型樹脂で充填された上記各フレネルレンズ形状を有する成形型に押圧し、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させた後に成形型から離型する、紫外線成型法等により形成することができる。なお、レンズ層12の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
(単位レンズ部)
単位レンズ部20は、上記のように、基材層11の映像源側(Y2側)の面の上に同心円状又は直線状に複数配列されており、その長手方向に垂直な断面の形状が、略三角形の形状をしており、フレネルレンズのレンズ面を構成するレンズ面21と、レンズ面21とは稜線P1を挟んで単位レンズ部20を構成する非レンズ面22とを有している。
図2に示すように、反射型スクリーン10の使用状態において、画面左右方向における中心線上のレンズ面21は、基材層11の映像源側(Y2側)の面に対して、下方側に傾斜している。このような形態を有するため、レンズ面21の上に反射層13を設けることで、反射型スクリーン10は、その画面の下方側となる位置に配置される映像源3からの映像光Eを観察者側に反射させることができる。
なお、図3に示す反射型スクリーン10´も同様に、その使用状態において、画面左右方向における中心線上のレンズ面21は、基材層11の映像源側(Y2側)の面に対して、下方側に傾斜している。それゆえ、レンズ面21の上に、光吸収層14および反射層13を設けることで、反射型スクリーン10´は、その画面の下方側となる位置に配置される映像源3からの映像光Eを観察者側に反射させることができる。
ここで、レンズ面21が基材層11の映像源側(Y2側)の面となす傾斜角(図2または図3に示す角度α)は、映像光Eの反射光が観察者側に向くように、映像光Eの入射方向や観察者の方向に合わせて、任意に設計されるものである。
一方、非レンズ面22が基材層11の映像源側(Y2側)の面となす傾斜角(図2または図3に示す角度β)は、特には、単位レンズ部20の配設位置に応じて変化させる必要は無く、一定の大きさであってよい。その大きさは、上記のレンズ面21が基材層11の映像源側(Y2側)の面となす傾斜角(図2または図3に示す角度α)よりも大きな角度であることが好ましく、90°であることが、より好ましい。
非レンズ面22が基材層11の映像源側(Y2側)の面となす傾斜角(図2または図3に示す角度β)が90°であれば、スクリーンの画面の垂線方向(Y2方向)から見た場合、画面はレンズ面21の上に形成された反射層13と背景透過部30の平面31のみで占められ、レンズ面21の上に設けられる反射層13からの反射光と、背景透過部30からの透過光の双方を、効率的に観察できるからである。
なお、非レンズ面22が基材層11の映像源側(Y2側)の面となす傾斜角(図2または図3に示す角度β)は、90°よりも大きい角度とすることも可能ではあるが、この場合には、上記のような紫外線成型法等において、成型したレンズ層12を成形型から離型することが困難となり、製法上難点がある。
なお、図2または図3においては、理解を容易にするために、単位レンズ部20の配列ピッチ、角度α及び角度βは、一定である例を示しているが、これに限らず角度αは、単位レンズ部20の配列方向に沿って所定の角度範囲内で次第に変化していく形態としてもよい。また、配列ピッチも、単位レンズ部20の配列方向に沿って次第に変化していく形態としてもよい。
(背景透過部)
背景透過部30は、複数配列された単位レンズ部20の隙間に形成されており、図2または図3に示すように、背景透過部30では、基材層11の映像源側(Y2側)の面と平行な平面31が露出した状態となっている。
なお、本明細書において、平面31が「映像源側(Y2側)の面と平行」である状態とは、平面31が、レンズ面やプリズム面のように意図的な曲面や傾斜面を有するものではなく、基材層11を透して観察される反射型スクリーン10の背面側(Y1側)の像が、反射型スクリーン10の画面側(Y2側)の観察者に観察可能である状態であることを指す。
本発明に係る反射型スクリーン10においては、上述のように、基材層11が映像源側(Y2側)の面と反対側(Y1側)の面が互いに平行な形態を有しており、さらに、この背景透過部30が基材層11の映像源側(Y2側)の面と平行な平面31を有するため、スクリーン背面側(Y1側)から基材層11に垂直入射した光は、屈折することなく平面31から観察者に届く。
それゆえ、観察者は、スクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができる。
ここで、背景透過部30の大きさは、反射型スクリーン10の使用状態等に応じて設計されるものであるが、例えば、図2または図3に示す例においては、単位レンズ部20のZ方向の大きさをL1とし、背景透過部30のZ方向の大きさをL2とした場合、L1:L3=7:3とすることができる。
なお、図2または図3に示す例においては、レンズ層12が背景透過部30を有する例を示しているが、本発明に係る反射型スクリーンの形態は、これに限られない。
例えば、本発明においては、単位レンズ部20が基材層11の面上に隙間を空けて配列されており、その隙間では、基材層11の映像源側(Y2側)の面が露出した状態となっている形態であってもよい。この場合、単位レンズ部20間の隙間において基材層11の映像源側(Y2側)の面が露出した部分が、背景透過部になる。
また、本発明に係る反射型スクリーンにおいては、基材層11とレンズ層12との間に、光透過性を有する中間層が設けられており、単位レンズ部20間の隙間において、この中間層が露出した状態となっている形態であってもよい。この場合、単位レンズ部20間の隙間において露出する中間層の部分が、背景透過部になる。なお、この中間層の露出する面は、基材層11の映像源側(Y2側)の面と平行な平面である。
(光吸収層)
光吸収層14は、光を吸収する作用を有する層であり、必要に応じて、単位レンズ部20のレンズ面21と反射層13との間に形成される。この光吸収層14は、黒色等の暗色系の塗料、暗色系の顔料や染料、カーボン粒子等を含有する紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂等により形成することができる。
図3に示す例において、光吸収層14は、単位レンズ部20のレンズ面21と反射層13との間にのみ形成されているが、本発明においては、この形態に限らず、光吸収層14は、単位レンズ部20の非レンズ面22の上に形成されていてもよい。ただし、背景透過部30の平面31の上には形成しない。
なお、光吸収層14は、必要に応じて形成すればよく、本発明においては、図2に示す例のように、単位レンズ部20のレンズ面21と反射層13との間に、光吸収層14を形成しない形態であってもよい。
(反射層)
反射層13は、光を反射する作用を有し、単位レンズ部20のレンズ面21の上に形成される。なお、本発明においては、図3に示す例のように、反射層13は、光吸収層14を介して、単位レンズ部20のレンズ面21の上に形成されていてもよい。
反射層13を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、クロム、銀等の金属や、白色顔料として、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を挙げることができる。また、反射層13の形成方法としては、上記の金属を蒸着する方法や、上記の金属や金属酸化物を樹脂等に含有させて塗布する方法等を用いることができる。
<映像光、透過光、および外光との関係>
次に、本発明に係る反射型スクリーンの使用状態における、映像光、透過光、および外光との関係について説明する。
(第1の実施形態)
図6は、本発明に係る反射型スクリーンの第1の実施形態の使用状態の例を示す説明図である。なお、図6においては、煩雑となるのを避けるため、支持板2等を適宜省略している。
(映像光との関係)
まず映像光との関係について説明すると、図6に示すように、反射型スクリーン10の画面よりも下方側となる位置に配置された映像源3から投射された映像光E1は、反射層13によって反射され、観察者Oに到達する。
それゆえ、観察者Oは反射映像を観察することができる。
ここで、本発明に係る反射型スクリーン10においては、反射層13によって反射される映像光がいずれも観察者Oに向くように、基材層11上の各配設位置における単位レンズ部20のレンズ面21の傾斜角(図2に示す角度α)を、配設位置に応じて個々に設計することで、さらに明るい映像を観察者Oに提供することができる。
(透過光との関係)
次に、透過光との関係について説明すると、図6に示すように、観察者Oとは反射型スクリーン10を挟んで反対側となるスクリーン背面側の観察対象Hからの光T1は、反射型スクリーン10の背面側から入射し、基材層11およびレンズ層12の背景透過部30を透過して平面31から放射され、観察者Oに観察される。
ここで、基材層11の映像源3側の面と反対側(背面側)の面は互いに平行であり、かつ、背景透過部30の平面31は基材層11の映像源3側の面と平行であるため、スクリーン背面側から基材層11に垂直入射した光T1は、基材層11の表裏面(映像源3側の面と反対側の面)や平面31の界面で屈折することなく観察者Oに届く。
それゆえ、観察者Oは、反射型スクリーン10を挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができる。
(外光との関係)
次に、外光との関係について説明する。図6に示すように、反射型スクリーン10の使用状態において、照明光等の不要な外光は、主として上方側から反射型スクリーン10に届く。
例えば、反射型スクリーン10の単位レンズ部20の非レンズ面22または背景透過部30の平面31に到達した外光G1は、非レンズ面22または平面31からレンズ層12に入射し、レンズ層12および基材層11を透過してスクリーン背面側から放射される。
それゆえ、外光G1が観察者Oに届くことは抑制される。
なお、通常、外光G1は、レンズ層12、基材層11の屈折率に応じて各界面で屈折することになる。しかしながら、その進行方向はいずれもスクリーン背面側に向かうものであることから、図6においては、煩雑となるのを避けるため、外光G1は、レンズ層12、基材層11の各界面で屈折せずに直進する形態で示している。
また、外光G1は、レンズ層12、基材層11の各界面で反射するが、その反射光の進行方向は、主に、反射型スクリーン10の下方向となり、かつ、スクリーン背面側から反射層13に到達した光は、スクリーン背面側に反射されるため、やはり観察者Oに届くことは抑制される。
一方、図6に示すように、上方側から反射型スクリーン10の反射層13に到達した不要な外光G2は、反射層13で反射して、非レンズ面22からレンズ層12に入射し、反射層13に到達してスクリーン背面側に反射される。
それゆえ、外光G2が観察者Oに届くことも抑制される。
なお、通常、外光G2は、レンズ層12の屈折率に応じて非レンズ面22の界面で屈折することになるが、その進行方向はスクリーン下方側に向かうものであることから、図6においては、煩雑となるのを避けるため、外光G2は、非レンズ面22の界面で屈折せずに直進する形態で示している。
(第2の実施形態)
図7は、本発明に係る反射型スクリーンの第2の実施形態の使用状態の例を示す説明図である。なお、図7においては、煩雑となるのを避けるため、支持板2等を適宜省略している。
(映像光との関係)
まず映像光との関係について説明すると、図7に示すように、反射型スクリーン10´の画面よりも下方側となる位置に配置された映像源3から投射された映像光E1は、反射層13によって反射され、観察者Oに到達する。
それゆえ、観察者Oは反射映像を観察することができる。
ここで、本発明に係る反射型スクリーン10´においては、反射層13によって反射される映像光がいずれも観察者Oに向くように、基材層11上の各配設位置における単位レンズ部20のレンズ面21の傾斜角(図3に示す角度α)を、配設位置に応じて個々に設計することで、さらに明るい映像を観察者Oに提供することができる。
(透過光との関係)
次に、透過光との関係について説明すると、図7に示すように、観察者Oとは反射型スクリーン10´を挟んで反対側となるスクリーン背面側の観察対象Hからの光T1は、反射型スクリーン10´の背面側から入射し、基材層11およびレンズ層12の背景透過部30を透過して平面31から放射され、観察者Oに観察される。
ここで、基材層11の映像源3側の面と反対側(背面側)の面は互いに平行であり、かつ、背景透過部30の平面31は基材層11の映像源3側の面と平行であるため、スクリーン背面側から基材層11に垂直入射した光T1は、基材層11の表裏面(映像源3側の面と反対側の面)や平面31の界面で屈折することなく観察者Oに届く。
それゆえ、観察者Oは、反射型スクリーン10を挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができる。
(外光との関係)
次に、外光との関係について説明する。図7に示すように、反射型スクリーン10´の使用状態において、照明光等の不要な外光は、主として上方側から反射型スクリーン10´に届く。
例えば、反射型スクリーン10´の単位レンズ部20の非レンズ面22または背景透過部30の平面31に到達した外光G1は、非レンズ面22または平面31からレンズ層12に入射し、レンズ層12および基材層11を透過してスクリーン背面側から放射される。
それゆえ、外光G1が観察者Oに届くことは抑制される。
なお、通常、外光G1は、レンズ層12、基材層11の屈折率に応じて各界面で屈折することになる。しかしながら、その進行方向はいずれもスクリーン背面側に向かうものであることから、図7においては、煩雑となるのを避けるため、外光G1は、レンズ層12、基材層11の各界面で屈折せずに直進する形態で示している。
また、外光G1は、レンズ層12、基材層11の各界面で反射するが、その反射光の進行方向は、主に、反射型スクリーン10´の下方向となり、かつ、スクリーン背面側から光吸収層14に到達した光は吸収されるため、やはり観察者Oに届くことは抑制される。
一方、図7に示すように、上方側から反射型スクリーン10´の反射層13に到達した不要な外光G2は、反射層13で反射して、非レンズ面22からレンズ層12に入射し、光吸収層14に到達して吸収される。
それゆえ、外光G2が観察者Oに届くことも抑制される。
なお、通常、外光G2は、レンズ層12の屈折率に応じて非レンズ面22の界面で屈折することになるが、その進行方向はスクリーン下方側に向かうものであることから、図7においては、煩雑となるのを避けるため、外光G2は、非レンズ面22の界面で屈折せずに直進する形態で示している。
以上、説明したように、本発明に係る反射型スクリーンにおいては、スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光が投射される場合においても、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察でき、かつ、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができる。
また、本発明の反射型スクリーンを備えた映像表示システムにおいては、上記の効果に加えて、映像表示システムを省スペース化することができる。
<反射型スクリーンの製造方法>
次に、本発明に係る反射型スクリーンの製造方法について説明する。
図8は、本発明に係る反射型スクリーンの製造工程の概略を説明する図である。
なお、図8では、図3に示す反射型スクリーン10´を反時計方向に90度回転させた状態で製造工程の概略を説明している。
本発明に係る反射型スクリーン10´を製造するには、まず、基材層11を準備し(図8(a))、その一方の面に所望の形状のレンズ層12を形成する(図8(b))。
このレンズ層12は、例えば、所望のサーキュラーフレネルレンズ形状またはリニアフレネルレンズ形状を有する成形型に紫外線硬化型樹脂を充填し、この紫外線硬化型樹脂に基材層11を押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する紫外線成型法等により形成することができる。
これにより、所望の形状を有する単位レンズ部20および背景透過部30を複数配列したレンズ層12が形成される。
次に、形成したレンズ層12のレンズ面21の上に光吸収層14(図8(c))を形成し、次いで、形成した光吸収層14の上に反射層13を形成し(図8(d))、本発明に係る反射型スクリーン10´を得る。
なお、図示はしないが、光吸収層14と反射層13の間にはアンダーコート層を形成してもよく、反射層13の上(露出する表面の上)には、平坦化層や、ハードコート性、帯電防止性等の機能を有する表面機能層等を形成してもよい。また、レンズ面21の表面や光吸収層14の表面にプラズマ処理やコロナ処理等の表面処理を施してもよい。
ここで、本発明においては、背景透過部30の平面31の上には、光吸収層14も反射層13も形成しない。このように選択的に光吸収層14、反射層13を形成する方法について、以下説明する。
図9は、本発明に係る反射型スクリーンの製造方法の一例を示す説明図である。なお、図9では、図3に示す反射型スクリーン10を反時計方向に180度回転させた状態で説明している。ここで、図9における重力の方向は下向きの方向(Z1方向)である。
レンズ面21の上に選択的に光吸収層14、反射層13を形成するためには、スプレー塗布や蒸着等の、非接触で指向性を有する方法を用いることが好ましい。
本発明においては、例えば、図9に示すように、光吸収層14を構成する材料をスプレー塗布することにより、レンズ面21の上に光吸収層14を形成し、次いで、反射層13を構成する材料をスプレー塗布することにより、光吸収層14の上に反射層13を形成することができる。
ここで、レンズ面21の上には光吸収層14および反射層13を形成しつつも、平面31の上には光吸収層14も反射層13も形成しないようにするためには、図9(a)に示すように、レンズ面21が斜め上方向を向くように基材層11を立て掛けて、図9(b)および図9(c)に示すように、斜め上方向から各材料をスプレー塗布することが好ましい。
このような方法を用いれば、スプレー41、42の塗布方向に対し、背景透過部30の平面31は単位レンズ部20の非レンズ面22の影になるため、平面31の上に各材料が形成されることを抑制できるからである。また、スプレー塗布した各材料が、乾燥する前に重力の影響によって流動し、平面31の上にまで各材料が形成されてしまうという不具合も抑制できるからである。
なお、上記においては、図3に示す反射型スクリーン10´を製造する方法について説明したが、図2に示す反射型スクリーン10も、同様にして製造することができる。
例えば、図2に示す反射型スクリーン10のように、光吸収層14を形成しない場合は、図8(c)および図9(b)に示す光吸収層14に替えて、反射層13をレンズ層12のレンズ面21の上に形成すればよい。
以上、本発明に係る反射型スクリーン、および、映像表示システムについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
基材層11として、厚さ100μmのPET樹脂フィルム(東洋紡績コスモシャインA4300)を準備し、その一方の面に、紫外線硬化型樹脂を用い、画面サイズが対角100インチ(横2200mm×縦1250mm)となるサーキュラーフレネルレンズ金型で、レンズ層12を成型した。
なお、単位レンズ部20の配列ピッチは100μmとし、反射型スクリーンの使用状態における画面左右方向の中心線上の単位レンズ部20のZ方向の大きさ(L1)と背景透過部30のZ方向の大きさ(L2)との関係は、L1:L2=7:3となるようにした。
次に、アルミニウムを含有する塗料をスプレー塗布して、単位レンズ部20のレンズ面21の上に厚さ15μmの反射層13を形成し、実施例1の反射型スクリーンを得た。なお、この反射型スクリーンの反射層13の全反射率は60%であり、拡散反射率は20%であった。
次に、この反射型スクリーンの基材層11の背面側(レンズ層12を形成した面とは反対側)に粘着剤層を形成し、支持板2として平板状のガラスと貼り合わせた。
その後、映像源3として、短焦点型のプロジェクタ(リコーIPSiOPJWX4130)を用いて、上記のガラスを貼り合わせた反射型スクリーンの画面に映像光を投射したところ、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察できた。
また、このガラスを貼り合わせた反射型スクリーンにおいては、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができた。
(実施例2)
実施例1で用いたサーキュラーフレネルレンズ金型に替えて、反射型スクリーンの使用状態において、単位レンズ部20が画面の左右方向に延びており、画面の上下方向に平行配列されるリニアフレネルレンズ金型を用いてレンズ層12を成型したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の反射型スクリーンを得た。なお、この反射型スクリーンの反射層13の全反射率は60%であり、拡散反射率は20%であった。
次に、実施例1と同様に、この反射型スクリーンの基材層11の背面側(レンズ層12を形成した面とは反対側)に粘着剤層を形成し、支持板2として平板状のガラスと貼り合わせた。
その後、映像源3として、短焦点型のプロジェクタ(リコーIPSiOPJWX4130)を用いて、ガラスを貼り合わせた反射型スクリーンの画面に映像光を投射したところ、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察できた。
また、このガラスを貼り合わせた反射型スクリーンにおいては、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができた。
(実施例3)
基材層11として、厚さ100μmのPET樹脂フィルム(東洋紡績コスモシャインA4300)を準備し、その一方の面に、紫外線硬化型樹脂を用い、画面サイズが対角100インチ(横2200mm×縦1250mm)となるサーキュラーフレネルレンズ金型で、レンズ層12を成型した。
なお、単位レンズ部20の配列ピッチは100μmとし、反射型スクリーンの使用状態における画面左右方向の中心線上の単位レンズ部20のZ方向の大きさ(L1)と背景透過部30のZ方向の大きさ(L2)との関係は、L1:L2=7:3となるようにした。
次に、カーボンブラックを含有する黒色塗料をスプレー塗布して、単位レンズ部20のレンズ面21の上に厚さ5μmの光吸収層14を形成し、次いで、アルミニウムを含有する塗料をスプレー塗布して、光吸収層14の上に厚さ15μmの反射層13を形成し、実施例3の反射型スクリーンを得た。なお、この反射型スクリーンの反射層13の全反射率は60%であり、拡散反射率は20%であった。
次に、この反射型スクリーンの基材層11の背面側(レンズ層12を形成した面とは反対側)に粘着剤層を形成し、支持板2として平板状のガラスと貼り合わせた。
その後、映像源3として、短焦点型のプロジェクタ(リコーIPSiOPJWX4130)を用いて、上記のガラスを貼り合わせた反射型スクリーンの画面に映像光を投射したところ、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察できた。
また、このガラスを貼り合わせた反射型スクリーンにおいては、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができた。
(実施例4)
実施例3で用いたサーキュラーフレネルレンズ金型に替えて、反射型スクリーンの使用状態において、単位レンズ部20が画面の左右方向に延びており、画面の上下方向に平行配列されるリニアフレネルレンズ金型を用いてレンズ層12を成型したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4の反射型スクリーンを得た。なお、この反射型スクリーンの反射層13の全反射率は60%であり、拡散反射率は20%であった。
次に、実施例3と同様に、この反射型スクリーンの基材層11の背面側(レンズ層12を形成した面とは反対側)に粘着剤層を形成し、支持板2として平板状のガラスと貼り合わせた。
その後、映像源3として、短焦点型のプロジェクタ(リコーIPSiOPJWX4130)を用いて、ガラスを貼り合わせた反射型スクリーンの画面に映像光を投射したところ、外光の影響を抑制してコントラストが高い反射映像を観察できた。
また、このガラスを貼り合わせた反射型スクリーンにおいては、観察者側とはスクリーンを挟んで反対側となるスクリーン背面側の状態を観察することができた。
1・・・映像表示システム
2・・・支持板
3・・・映像源
10、10´、50、60・・・反射型スクリーン
11・・・基材層
12・・・レンズ層
13・・・反射層
14・・・光吸収層
20・・・単位レンズ部
21・・・レンズ面
22・・・非レンズ面
30・・・背景透過部
31・・・平面
41、42・・・スプレー
51、61・・・中心線

Claims (6)

  1. 映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、
    光透過性を有し、前記映像源側の面と反対側の面が互いに平行な基材層と、
    前記基材層の前記映像源側の面の上に複数配列され、前記基材層の前記映像源側の面に対して傾斜したレンズ面を有する単位レンズ部と、
    前記単位レンズ部の前記レンズ面の上に設けられ、前記映像光を前記映像源側に反射する反射層と、
    を備え、
    前記単位レンズ部は隙間を空けて配列されており、
    前記隙間には、前記基材層の前記映像源側の面又は前記基材層の前記映像源側の面と平行な平面が露出した状態となっている背景透過部が設けられていることを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 前記単位レンズ部の前記レンズ面と、前記反射層の間に、光吸収層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
  3. 前記複数配列された単位レンズ部が、前記基材層の前記映像源側の面の上において、同心円状に配列されており、サーキュラーフレネルレンズを構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型スクリーン。
  4. 前記複数配列された単位レンズ部が、前記基材層の前記映像源側の面の上において、平行に配列されており、リニアフレネルレンズを構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型スクリーン。
  5. 前記反射型スクリーンの使用状態において、
    前記複数配列された単位レンズ部が、前記反射型スクリーンの画面の左右方向に延びており、上下方向に平行配列していることを特徴とする請求項4に記載の反射型スクリーン。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の反射型スクリーンと、前記反射型スクリーンに映像光を投射する映像源と、を備えることを特徴とする映像表示システム。
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