JP2007171468A - スクリーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレーク状の粒子形状をした反射材を分散させた樹脂層からなる光選択層11に透明な基材12、13を積層し、この表側と裏側の両方に光拡散層21、31を設けることによりスクリーン1を構成する。
【選択図】図1
Description
また、スクリーンに対して一方の側から投影した画像を投影側の面と同時に背面側からも見ることが可能な両面視認型スクリーン(例えば特許文献1〜4参照)や、スクリーンの前面側から投影しても背面側から投影しても投影画像を見ることが可能な反射・透過両用スクリーン(例えば特許文献5参照)も知られている。
また、選択乱反射層はスクリーン母材の表面にメッシュ状もしくはストライプ状の金属層または多数の突起点を設けたものであるため、スクリーンの背面側、すなわちスクリーン母材の側から画像を投影することはできない。つまり、乱反射層および乱反射構造は反射の側にのみ光を拡散させるものであり、透過の側に光を拡散させるものではないから、スクリーン母材の側から画像を投影した場合、スクリーン母材を通って選択乱反射層の金属層の隙間から抜けていく透過光は、投影装置から真っ直ぐスクリーンを透過してしまうため、ホットスポットを生じて画像を明瞭に認識することができない。
このように、従来技術においては、スクリーンの反射画像と透過画像とを、同質の明瞭な画像として視認できるスクリーンを提供することが、成されていなかった。
また、本発明は、透明な基材の一方の面に光選択層を有し、前記透明な基材の他方の面の上に透明または半透明な樹脂からなる第1の光拡散層を有するとともに、前記光選択層のさらに上に透明または半透明な樹脂からなる第2の光拡散層を有することを特徴とするスクリーンを提供する。
前記反射材としてはアルミ粉末が挙げられる。
前記反射材の平均粒子径(レーザー回折散乱法による測定値)は9〜19μmであることが好ましい。
前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であることが好ましい。
前記凹部は賦型フィルムのパターンを転写したものであることが好ましい。
前記光拡散層には、光吸収材が分散されていることが好ましい。
前記透明な基材がフレキシブルな透明樹脂フィルムからなり、前記スクリーンが巻取り式スクリーンであることが好ましい。
光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であることにより、反射率と透過率とのバランスが良好となり、透過画像と反射画像の画質の差異を抑制することができる。
表面層の表面に小さい凹部と大きい凹部とをランダムに混在して配置した場合、凹部の配置に規則性が生じることを避けることができ、樹脂層における光の干渉によるカラーシフトや不要な着色を抑制することができる。
図1は、本発明のスクリーンの第1例を示す模式的断面図であり、図2は、本発明のスクリーンの第2例を示す模式的断面図である。
熱硬化性樹脂及び電子線硬化型樹脂としては、上記の紫外線硬化型樹脂と同様なものが用いられる。ただし、電子線硬化型樹脂は重合開始剤を添加する必要がない。
未硬化の組成物の硬化は、賦型フィルムを貼り合わせた状態で、硬化型樹脂の種類に応じて、熱、紫外線、電子線などを作用させることにより行うことができる。
光選択層11の厚みは特に限定されないが、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜50μmである。
光選択層11の樹脂層における反射材の添加量は、反射材の材質や形状、平均粒子径などにもよって異なるが、例えば1〜10質量%の範囲とすることが好ましい。
代表的な例を挙げるとすれば、例えば平均粒子径9μmの鱗片状アルミペースト(例えば東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)の場合、粘着剤の固形分比率で1〜5質量%、あるいは平均粒子径19μmの鱗片状アルミペースト(例えば東洋アルミニウム株式会社製、5620NS)の場合、粘着剤の固形分比率で5〜10質量%の範囲が好ましい。
反射材は、材質、グレード、平均粒子径などの異なるものを2種類以上併用して光選択層11中に添加してもよい。
反射材の平均粒子径は、所望の透過率および反射率を得るため、また樹脂に対する反射材の分散性や、巻取りに対する光選択層11の耐久性などの観点から、9〜19μmの範囲が好ましい。本発明において、反射材の平均粒子径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定により求める。レーザー回折散乱法において、溶液内に分散している粒子にレーザー光を照射すると、粒子から散乱(回折)光が生じるので、この散乱光強度の分布を測定して粒度分布を求め、最頻度範囲から決まる粒子径を平均粒子径としている。本発明において、反射材の平均粒子径は、特に断らない限り、このレーザー回折散乱法による測定値である。
スクリーンは、卓上に設置できるように適宜の台や枠などと組み合わせてもよいし、吊り上げのための紐やフックなどを取り付けてもよい。
(光選択層の評価用サンプルの作製)
光選択層11中の反射材(平均粒子径13.4μmのアルミAを3重量%と、平均粒子径21.0μmのアルミBを5重量%)を粘着剤(サイデン化学株式会社製アクリル共重合体系粘着剤「サイビノールAT−192」)中に分散し、2枚の透明な基材12、13(東レ株式会社製PETフィルム、ルミラーX−42T、厚さ50μm)の間に積層することにより、厚さ21μmからなる実施例1の光選択層11の評価用サンプルを作製した。光選択層11中の反射材の添加量は、反射材と粘着剤の合計を100%とした質量百分率で表すものとする。反射材の平均粒子径は、各試料をミネラルスピリット(塗料用シンナー)に分散し、レーザー回折散乱法を用いて測定した。
なお、実施例1における反射材(アルミAとアルミBを質量比3:5で混合した混合物)の平均粒子径は、18μm、実施例2における反射材(アルミAとアルミBを質量比6:5で混合した混合物)の平均粒子径は、16μmである。
未硬化の熱硬化型アクリル樹脂に、粒子径が2〜5μm範囲にあるシリカビーズ(ビーズ小)と、粒子径が10〜30μmの範囲にあるシリカビーズ(ビーズ大)からなる粒子径の異なる2種類の粒子を分散させて塗工液を調合した。
この塗工液を、ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、A4300、厚さ50μm)の表面に、リバース工法にて塗布後、120℃、3分間で熱硬化させて、フィルムの表面に高さが異なる凸形状の山がランダムに突出する賦型フィルムAを作製した。
用意した表面層を形成する樹脂を賦型フィルムAに流延塗布し、その上に透明な基材としてPETフィルム50μm(ダイアホイル製、T−600E)を貼合した。その後、300mJの紫外線にて樹脂層を硬化させ、賦型フィルムAを剥離して光学フィルムBを作製した。
希釈溶媒として用いる酢酸エチルに、上述の(使用した反射材)の欄に示す反射材を、アクリル共重合体粘着剤の固形分比率として表1に示す比率となる量を添加し、均一になるまで攪拌した。
この光選択層11の形成用樹脂を、表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面に流延塗布し、120℃、2分間の環境で熱硬化させた後に、前記表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面側と常温で貼合し、実施例1のスクリーンを作製した。
光選択層11に用いる反射材の種類(平均粒子径が異なる)と添加量を代えた以外は、上記の実施例1と同じ方法にて、表1に示す実施例2〜5、及び比較例1〜8の光選択層11の評価用サンプルを作製した。さらに実施例1と同様に、反射材の種類(平均粒子径が異なる)と添加量を代えた光選択層11の形成用樹脂を作製した後、表面層を有する光学フィルムBのPETフィルム面に貼合し、表1に示す実施例2〜5、及び比較例1〜8のスクリーンを作製した。
表1において、波長550nmにおける光選択層11の透過率および反射率は、光選択層11の両面に透明な基材を積層した構造を有する評価用サンプルを用いて測定した。
光選択層の評価用サンプルは、上記の「光選択層の評価用サンプルの作製」に示す手順により作製した。
スクリーンの評価は、液晶プロジェクターを用いてスクリーンに画像を投影し、その透過画像および反射画像のそれぞれについて、下記の相対的な評価基準により、◎、○、△、×の4段階にて評価した。
○・・・やや画像が不鮮明であるが、許容できる。
△・・・やや画像が暗い、ぎらつくなど多少見づらい。
×・・・画像が暗い、ぎらつくなどにより視認が困難。
表1及び図4に示す結果から分かるように、波長550nmにおける可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%とすると、透過画像と反射画像の画質がいずれも優れており、画質の差異を感じることがない。
Claims (9)
- 2枚の透明な基材の間に光選択層を有するとともに、前記2枚の透明な基材の両方の外側の面上に、透明または半透明な樹脂からなる光拡散層を有することを特徴とするスクリーン。
- 透明な基材の一方の面に光選択層を有し、前記透明な基材の他方の面の上に透明または半透明な樹脂からなる第1の光拡散層を有するとともに、前記光選択層のさらに上に透明または半透明な樹脂からなる第2の光拡散層を有することを特徴とするスクリーン。
- 前記光選択層が、フレーク状の粒子形状をした反射材を分散させた樹脂層であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
- 前記反射材がアルミ粉末であることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン。
- 前記反射材の平均粒子径(レーザー回折散乱法による測定値)が9〜19μmであることを特徴とする請求項3または4に記載のスクリーン。
- 前記光選択層は、波長550nmにおいて可視光線透過率が40〜50%、可視光線反射率が20〜35%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスクリーン。
- 前記光拡散層が、開口幅および/または深さの最大値が異なる少なくとも二種類の凹部を多数ランダムな配置で表面に有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスクリーン。
- 前記凹部が賦型フィルムのパターンを転写したものであることを特徴とする請求項7に記載のスクリーン。
- 前記透明な基材がフレキシブルな透明樹脂フィルムからなり、前記スクリーンが巻取り式スクリーンであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のスクリーン。
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