JPH10260475A - 反射型映写スクリーン - Google Patents

反射型映写スクリーン

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JPH10260475A
JPH10260475A JP9084730A JP8473097A JPH10260475A JP H10260475 A JPH10260475 A JP H10260475A JP 9084730 A JP9084730 A JP 9084730A JP 8473097 A JP8473097 A JP 8473097A JP H10260475 A JPH10260475 A JP H10260475A
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JP
Japan
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light
layer
screen
reflection type
coating
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JP9084730A
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Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光反射層と方解石の微結晶粒子を含む光拡散
層との構成がもつスクリーン輝度と視野角を維持し、コ
ントラストを改善した反射型映写スクリーンの提供を課
題とする。 【構成】 基材シート1と、透明樹脂22に鱗片状薄片
21を分散した光反射層2、光透過性樹脂32に方解石
の微結晶粒子31が分散された凹凸形状をもつ光拡散層
3の凹状部にのみ染料又は顔料による無彩色の透明樹脂
からなる光吸収層4を備えた反射型映写スクリーン10
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型テレビジョ
ンや映写スクリーン、特に映写装置からの映像を映写す
るための反射型映写スクリーンに属する。
【0002】
【従来の技術】反射型映写スクリーンは、スクリーンの
映写面にアルミニウム粉末をバインダーに分散した塗料
を塗工して、映写スクリーンの光反射面として用いるこ
とが知られている。また、マイカの鱗片状薄片又はその
表面に二酸化チタンを被覆した、いわゆるパール顔料を
含む塗料を塗工して、映写スクリーンの光拡散面や光反
射面として用いることが知られている。更に、映写スク
リーンに偏光フィルタを積層して映写光を偏光して投影
する技術も開示されている。
【0003】光の吸収性が少ない光拡散剤として作用す
る方解石の微結晶粒子を光透過性樹脂中に分散させた光
拡散層を光反射層上に積層したものも知られている。
【0004】しかしながら、アルミニウム粉末を分散し
たものは、反射光の輝度を上げると鏡面反射に近づき、
視野角がせまくなり、逆に視野角を広げると反射光の濃
度が低下し、映写スクリーンが要求する明暗のコントラ
ストが不足するという問題点があった。
【0005】マイカの鱗片状薄片又はその表面に二酸化
チタンを被覆した顔料や方解石の微結晶粒子を含む塗料
を塗工した光拡散層をもつスクリーンは、スクリーンゲ
イン、視野角、明暗のコントラストは、光拡散層にアル
ミニウム粉末を使用したものより良好である。
【0006】しかしながら、近年では、視野角を維持
し、且つ輝度と画像の明暗のコントラストを向上した高
品位のものが要求されるようになってきた。特に映写輝
度が不足しがちとなり、日光、電灯光などの外来光を完
全に遮断できないものは、一般家庭用にニーズがある投
射型テレビジョンの受信機の用途には適さないため、上
記の問題点を解決することが要求されてきた。
【0007】方解石の微結晶粒子を使用したスクリーン
は、輝度は改善されるものの、コントラストは満足でき
るものではなかった。偏光フィルタを積層することは、
その材料や形状に特殊なものが要求されるため製造工程
が複雑となり、コスト面への影響も無視できないものが
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の光反射層と方解石の微結晶粒子とを使用した反射型映
写スクリーンの輝度を維持し、且つそれでは得られなか
った、視野角、特にコントラストを満足できる反射型映
写スクリーンの提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の反射型映写スク
リーンは、「基材シート」と、透明樹脂に鱗片状の薄片
を分散した「光反射層」、光透過性樹脂に方解石の微結
晶粒子が分散された凹凸形状を設けた「光拡散層」とそ
の凹部にのみ染料又は顔料による無彩色の透明樹脂から
なる「光吸収層」を備えた反射型映写スクリーンであ
る。
【0010】
【発明の実施形態】本発明の反射型映写スクリーン10
は、図1に示すとおりの、「基材シート1」と、透明樹
脂に鱗片状の薄片を分散形成した「光反射層2」、光透
過性樹脂に方解石の微結晶粒子が分散された凹凸形状を
もつ「光拡散層3」とその凹部にのみ染料又は顔料によ
る無彩色の透明樹脂からなる「光吸収層4」を備えた反
射型映写スクリーン10である。
【0011】本発明の反射型映写スクリーン10は、図
2に示すように光拡散層3の凹部にのみ光吸収層4を形
成することにより、映写光6は、光吸収層4の形成部分
に吸収され、それ以外の映写光6は、光拡散層3に直接
導入される。そして光反射層2で反射した光は、光拡散
層の方解石の微結晶粒子31で反射拡散されつつ光を拡
散し出光するものである。また、外来光7は光吸収層4
に直接入光して減光・吸収されるばかりでなく、また光
拡散層3においても反射光の一部が光吸収層4に吸収さ
れる結果コントラストを改善できるものである。また、
外来光は従来の各種技術によっても減光されるが、同時
に光拡散層全面にわたり映写光をも減光されるためにス
クリーンゲインは全体として低下されるものであった。
【0012】本発明の基材シートは、ポリエチレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合物(EVA)、アイオノマ
ー、エチレン・アクリル酸エチル共重合物(EEA)、
エチレン・アクリル酸共重合物(EAA)、メチルペン
テンポリマー、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニル(硬質、
半硬質又は軟質)、ナイロン6、ナイロン66などポリ
アミド、セルロースジ又はトリアセテート、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアリ
レート、ポリカーボネート、ノリル(GE社登録商
標)、ポリエーテルスルフォン、ポリメタクリル酸メチ
ルなどの延伸又は無延伸樹脂シート、低発泡のプラスチ
ックシートより製造される合成紙、ガラスや樹脂の繊維
を用いた織布又は不織布などである。そして、これらを
単層あるいは異種のものを2層以上積層して用いる。
【0013】反射型映写スクリーンは、難燃性、剛性と
可撓性とを両立し、折れ、曲がりなどの痕跡を防止する
という観点からは、ガラス繊維の織布又は不織布と、軟
質又は半硬質のポリ塩化ビニルシートとの積層体が好ま
しい。更に、基材シートが表面平滑性をもち、塗工によ
る光反射層、光拡散層などの性能をより安定させるため
には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートと、
軟質又は半硬質のポリ塩化ビニルシートやポリブチレン
テレフタレートフィルムとの積層体を用いることが好ま
しい。構造物に用いる基材シートは、上述の樹脂シート
や、樹脂シートと金属板や木材のように異種のものとを
2層以上積層して使用する。また、基材シートが隠蔽性
をもたないものの場合は、二酸化チタン、カーボンブラ
ックなどの隠蔽性が大きい顔料を基材に添加したり、あ
るいは隠蔽性顔料を含む塗料を裏面に塗工することが好
ましい。そして、板状の基材シートは、平板の他に凹状
又は凸状に湾曲した曲面板を使用することができる。固
定式の反射型映写スクリーンは、構造物としての強度を
もてば特に厚みは問わない。
【0014】反射型映写スクリーンをロール形状で移動
使用される場合は、直径が最小30mmの円柱状に巻取
れる可撓性、巻取り/巻出し時の張力である最大20K
g/m巾の張力に耐えることが必要である。そして、最
も重要な要素としては、巻取り/巻出しの繰り返し使用
した場合にたるみ、カール、しわなどの変形がなく、こ
の表面に、光反射層、光拡散層などを通して最表面に織
目、地合ムラなどの不要な凹凸が出現しない程度の平滑
性をもち、更に他の材料を積層、塗工する加工工程の
熱、張力に支障があってはならない。巻取り式の場合は
強度と可撓性との観点から50〜500μmの厚みにし
た基材シートを用いることが好ましい。これらの特性を
もつ寸法安定性基材シートは、単体のプラスチックシー
ト、あるいは積層によって求められるが、それらのシー
トに映写スクリーンの光学的特性である光吸収性、白色
性、反射性などを併せもつことが望ましい。
【0015】光反射層2は、図2に示すように、バイン
ダー(透明樹脂22)、光反射性物質の鱗片状薄片21
を分散した塗料を塗工して形成する。塗膜に含まれる薄
片21はスクリーンの面と平行となるように配列される
ことが好ましく、これにより良好なスクリーンゲインと
視野角を得ることができる。光反射層2を構成する鱗片
状薄片21の平面部が、映写光入射面及び画像観察面に
対して略平行となるように鱗片状薄片を配向させるため
には、ロールコート法や、コンマーコート法などの塗工
を行うときに、シートの進行方向に塗膜が平行方向の剪
断応力に作用するように塗工することが好ましい。ま
た、塗工の厚みと鱗片状薄片とを同じ又はそれ以下にし
て塗工時に配向するように塗工する。
【0016】光反射層をシートで構成するときは、鱗片
状薄片を透明樹脂に分散したシートを延伸加工すること
により、鱗片状薄片の平面部が、映写光入射及び画像観
察面に対して略水平になるように配向できる。
【0017】光反射性物質を構成する光輝性顔料は、次
のとおりである。 貝がらの内部や真珠を粉砕したもの、マイカや、マイ
カの平均粒径を10〜30μmとした鱗片状微粒子に酸
化チタン又は酸化鉄を焼き付けて製造するパール顔料。 銅、アミニウム、真ちゅう、青銅、金、銀などを1〜
30μmの偏平状微粒子に加工した金属粉。 上に記載した金属、通常はアルミニウムを蒸着した厚
み4〜8μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの
砕片。 これらの光反射性物質のなかでも、スクリーンゲインを
向上するには、アルミニウム箔片、又は金属(アルミニ
ウム)蒸着フィルムの砕片が好ましく、鱗片状体の平面
を基材シートの反射面と平行に配列することにより光反
射率を向上できる。
【0018】鱗片状薄片の平均粒径は、高い光反射率
と、高いスクリーンゲインとを両立するために5〜30
μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは10μm
〜20μmのものである。
【0019】光反射層の透明樹脂(バインダー)は、ア
クリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル系共重合体、ポリウレタンなどを単体
又は2種以上のものとレベリング剤、可塑剤、界面活性
剤、紫外線吸収剤などを適宜加えて作製する。そして、
バインダーに添加する鱗片状薄片は、5〜40%である
ことがが好ましい。
【0020】光反射層の厚みは、光輝性顔料で基材シー
トの全面をカバーされることが必要であり、高い光反射
性と経済性との観点から、1〜10μmが好ましい。そ
して、その形成は、ロールコート法、グラビアコート
法、又はコンマコート法などの塗工で行う。また、光輝
性顔料の如き、バインダーとの親和性に欠ける材料で作
られる塗工液は、塗工時にムラを生じやすい。これを防
ぐためには、数回の重ね刷りを行う方が、全面を光輝性
顔料で均一にカバーするとともに、材料の使用量を少な
くでき、且つ光反射の効果を奏する。したがって、全面
をカバーする目的で2回コートを行うことが好ましい。
その他、予め、通常の押出し法やキャスト法により製膜
した光反射物質を含むシートや、金属蒸着フィルムを積
層構成することができる。
【0021】本発明の光拡散層3は、図1に示すよう
に、光反射層2に凹凸形状をもつ光拡散層3を塗工で形
成する。そして図2に示すように、光反射層2で一旦拡
散反射された光線を透過させつつ、側面から来る外来光
7を吸収し、更に一部光線を拡散して、画面の眩しさを
低減し、視野面を適切に広げる作用を奏する。光拡散層
に添加する光輝性顔料は、一般的には、シリカ粒子、マ
イカ鱗片、二酸化チタン被覆マイカ鱗片、方解石の微結
晶粒子、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの合成樹
脂ビーズがある。特に好ましくは方解石の微結晶粒子で
あり、視野角を広げ十分なコントラストを奏するもので
ある。
【0022】方解石は、CaCO3 の化学組成をもつ六
方晶形の透明結晶体であり、単結晶又は多結晶、自形結
晶又は他形結晶、完全劈開結晶又は不完全劈開結晶のい
ずれをも使用できる。好ましくは自形を呈する単結晶あ
るいはその完全劈開したものである。
【0023】本発明における、方解石微結晶粒子の平均
粒径が2〜20μmのもので、結晶の粒度分布はできる
だけ狭いほうが光学特性面からは好ましい。例えば平均
粒径が5μmの場合は、全粒子のうち80重量%以上
が、3〜7μmの範囲に入るように分布することが好ま
しい。そして、方解石微結晶粒子の添加量は、2〜30
重量%である。
【0024】なお、高い反射輝度(スクリーンゲイン)
と広い拡散角(視野角)を維持させるために、図2に示
すように光拡散層3に含まれる方解石微結晶粒子の配向
分布を、その平板面が映写光入射面と画像観察面と非平
行になる方解石微結晶粒子31が少なくとも一部に存在
するように(望ましくは、粒子の平板面が等法的にラン
ダムに配向する)する。
【0025】方解石微結晶粒子を2〜30%の割合で含
む光拡散層用塗工液のバインダー(光透過性樹脂)は、
ポリエステル、アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル系共重合体や、ポリエステル・ポリオール、ポリウレ
タン・ポリオールなどにポリイソシアネートを硬化剤と
する二液反応型樹脂、未硬化状態で熱可塑性をもつ電離
放射線硬化型樹脂などの1種又は2種以上の混合物があ
る。そして、方解石微結晶粒子の均一な分散を助けると
ともに塗工適性(揺変性をもつ流動性)を向上する目的
で、マイクロシリカ、有機ベントナイトなどの微粒子を
バインダーの樹脂100重量部に対し3〜10重量部添
加する。その他、必要に応じて光拡散層3にはシリコー
ン、ワックスなどの滑剤の他帯電防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤などの添加剤を加えて「光拡散層用塗工液」
を作製する。
【0026】本発明の光拡散層3は、光反射層2に直接
設けることができる。そして、その塗工は通常のロール
コート法、グラビアコート法、又はコンマコート法、バ
ーコート法など塗工液の特性、塗工量に応じた方法で行
う。乾燥工程における冷却ロール、賦型シート又は賦型
ロールで凹凸形状を形成する。また、厚みが12〜80
μmの透明フィルムに、0.5〜30μmの厚みで未硬
化の硬化型樹脂又は熱可塑性樹脂による光拡散層を塗工
で設け、乾燥工程において冷却ロール、賦型シート又は
賦型ロールで凹凸形状を形成する。これらの賦型は、塗
工と同一工程、又は別工程のいずれの方法でも行うこと
ができる。
【0027】光拡散層は、映写光が入射するとともに画
像を観察する面でもある。この映写光の入射及び画像を
観察する面の形状は、平滑面に構成するよりは、むしろ
砂目、梨地、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズな
どの凹凸形状に形成して、反射光のスクリーンゲイン、
視野角、コントラストなどの配向特性を調節するもので
ある。
【0028】本発明の光吸収層は、光拡散層の凹部に構
成する。すなわち、光拡散層に凹凸形状を賦型後その全
面に過剰の光吸収層塗工液をバーコート、リバースコー
ト、コンマーコートなどの通常の方法で塗工後、ワイピ
ングにより凹部にのみ光吸収層塗工液を充填した本発明
の光吸収層4を形成する。更に、光反射層及び又は光吸
収層の樹脂(バインダー)が硬化を必要とするときは、
加熱又は電離放射線などで硬化を完結する。上記の凹凸
形状の賦型は、光拡散層の形成工程や、特別の凹凸形状
の賦型工程を設ける他に光吸収層を施す直前に形成する
こともできる。
【0029】本発明の光拡散層に設ける光吸収層は、光
を透過しながら光を吸収する作用をもつものである。そ
して、無彩色の染料又は顔料を透明樹脂に分散により構
成して、画像のコントラストを向上するものである。無
彩色の染料又は顔料は、カーボンブラック、黒鉛などの
炭素顔料や、アニリンブラック、シアニンブラックなど
の黒色顔料、酸化チタン、亜鉛華などの白色の顔料を用
いることができる。また、耐光性に優れたフタロシアニ
ンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノン(黄
色)などの顔料や染料の3原色成分を混合することによ
り無彩色(白色〜灰色〜黒色)に調色してもよい。更
に、方解石微粉末を分散して含ませることにより、コン
トラストの向上とともに光拡散効果をよりもたせること
もできる。
【0030】無彩色とは、色の3属性のうち明度のみの
属性で表すことができる色であり、本発明においては、
JIS Z8720に定義されている標準光源Cによる
Y値の範囲が0〜60の範囲であることが好ましい。た
だし、本発明の無彩色は必ずしも厳密なものある必要は
なく、映写光による投影画像に影響を与えない程度の色
相・彩度をもっていてもかまわない。
【0031】光吸収層に使用する透明樹脂(バインダ
ー)は、ポリエステル、アクリル系樹脂、塩化ビニル・
酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、セルロ
ースアセテートや、ポリエステル・ポリオール、ポリウ
レタン・ポリオールなどにポリイソシアネートを用いて
硬化剤とする二液反応型樹脂の1種又は2種以上の混合
物である。そして、必要なレベリング剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤などを加えたワニスに
無彩色に調整した染料又は顔料を0.5〜2%分散した
「光吸収層用塗工剤」を光拡散層の面に塗工し、光吸収
層を形成するものである。
【0032】なお、本発明において、塗工により形成す
る光反射層、光拡散層は、被塗工面との接着をより強固
に、かつ安定化するために通常の工法に基づいてプライ
マー層を設けることもできる。プライマー層は、従来か
ら使用されているポリエステル、アクリル系樹脂、塩化
ビニル・酢酸ビニル系共重合体や、エポキシ、ポリエス
テル・ポリオール、ポリウレタン・ポリオールなどとポ
リイソシアネートを硬化剤とする二液反応型ワニスを
0.1〜3μmの厚みで塗工形成される。
【0033】以上、説明したように、本発明の反射型映
写スクリーン10は、基材1の表面に光反射層2、光拡
散層3を設け、そして、光拡散層3に形成した凹部にの
み光吸収層4を施したものである。これに用いられる方
解石の微結晶粒子31は、光吸収作用がなく、適度の光
拡散特性をもつ。そのため、方解石微結晶粒子31が光
透過性樹脂32に分散された光拡散層3は高い光透過率
をもつ。そして、鱗片状の薄片21を透明樹脂22に分
散した光反射層2は高い反射率をもつ。したがって、本
発明の反射型映写スクリーン10は、光反射層2と光拡
散層3との相乗効果により極めて高い反射輝度(スクリ
ーンゲイン)をもつ。
【0034】映写光6は、光拡散層3に含まれる方解石
微結晶粒子31と光反射層2に含まれる光反射性物質の
鱗片状薄片21との2段階の、反射・拡散の相乗効果に
よって、輝度がある広い視野角をもつものである。
【0035】光拡散層3の配向分布の一部を、方解石微
結晶粒子31の平面が入射映写光面及び画像観察面と非
平行になるように存在させる。そして、光反射層2の鱗
片状薄片21の平面が、入射映写光面及び画像観察面と
略平行になるように存在させた場合は、入射映写光と画
像観察面の法線8とからなる角が小さな方向から入射す
る映写光6の大部分が、方解石微結晶粒子31(特に、
平板面が画像観察面と直行乃至直行に近い角度で配向す
るものについては)の間隙を平板面で殆ど減衰すること
がなく拡散されて透過する。したがって、光反射層2で
高い反射率で反射して再び光拡散層3で適度に拡散され
て、光拡散層から出力光61として画像を形成する。
【0036】一方入射映写光及び法線とからなる角度が
大きい外来光7(ノイズ)は、光拡散層3の凹部に設け
られた光吸収層4から減光されて光拡散層3に入射し、
画像観察面と平行に近い方向に反射される。また、方解
石微結晶粒子31の間で多重反射して更に減衰・消滅す
るか、あるいは、光吸収層4で吸収されるものである。
したがって、外来光7は、殆ど外部に反射出力されず、
映写光6の出力光61は、明所においてもコントラスト
を大きくできるものである。
【0037】方解石微結晶粒子31を含ませた光拡散層
3は、一般的に反射画像のコントラストを低下させ反射
型映写スクリーンとしては不利である。しかしながら、
本発明の反射型映写スクリーン10では、多重反射によ
り走行光路長の長い外来光7は、光吸収層4を通して選
択的に入力させてより強く減衰させている。一方、走行
光路長の短い入射映写光6は減衰が少なく(減衰光量は
光路長の指数関数的に比例するものである)しかもその
大部分は、光吸収層4が設けられていない光反射層の部
分から入射するため、映写光と外来光との比率は大きく
なる。その結果、明室内における反射画像のコントラス
トを大きくすることができる。
【0038】更に、本発明の反射型映写スクリーンの光
吸収層4は、光拡散層3の凹部にのみ設けられているた
め、図2で示すように法線8と映写光6とからなる角
は、光吸収層4中の走行路長は短く、光吸収層4におけ
る減衰光量は少ない。一方、光拡散層3の凹部から光吸
収層4を通して入射する外来光7は、光拡散層3内にお
ける走行距離は長くなり減衰光量は多い。その結果、光
拡散層のなかにおいても映写光6と外来光7との光量差
が拡大し、出力光のコントラストを大きくすることがで
きる。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明する。 (実施例1)図3に示すように、ジオクチルアジペート
を48重量部を含む厚み300μmの軟質ポリ塩化ビニ
ルシート(シート材B)16と、厚み125μmの二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートシート(シート材A)
17とをポリエステル・イソシアネート系接着剤を用い
た通常のドライラミネーションで積層して、実施例1の
基材シート1を形成した。
【0040】一方、ポリウレタン系ワニス(透明樹脂2
2)に鱗片状アルミニウム箔片(光反射性物質21)を
20重量%含む光反射層用塗工液を作製した。そして、
上記塗工液をグラビアコート法により、基材シート1の
軟質ポリ塩化ビニルシート(シート材B)16の面に対
して鱗片状アルミニウム薄片の平板面が映写入射面及び
画像観察面(基材シート)に対して略々平行になるよう
に厚み5μmづつ2回に分けて塗工し、合計厚み10μ
mの光反射層2を設けた。
【0041】更に、光反射層2の面に下記組成の〔光拡
散層塗工液〕を、厚み5μm塗工し光拡散層3を形成し
た。 〔光拡散層塗工液の組成〕 方解石微結晶粒子 20重量部 ポリエステル系樹脂 80重量部 静電防止剤 5重量部 トルエン 130重量部 メチルエチルケトン 100重量部
【0042】そして、上記光拡散層3を設けた面を加熱
溶融して、フレネルレンズ状の凹凸形状をもつ冷却ロー
ルで賦型し冷却固化した。更に凹凸形状の賦型した光拡
散層3の面に、カーボンブラック0.7%と透明ポリウ
レタン93.7%(固形分比)とからなる無彩色の光吸
収層塗工液をリバースロールコートで賦型した凹部に完
全に流し込まれるように全面に塗工し、更に過剰の塗料
をワイピングで除去・乾燥して、凹部にのみ光吸収層4
を設けた本発明の反射型映写スクリーン10を構成し
た。
【0043】(比較例)実施例1で作製した光反射層2
及び光拡散層3を設けた基材シート1の光拡散層の面に
実施例1と同一組成の光吸収層塗工液を厚み5μmで塗
工し、光吸収層を全面に設けた比較例の反射型映写スク
リーン10を構成した。
【0044】実施例及び比較例で構成した反射型映写ス
クリーンのスクリーンゲイン(反射輝度)、視野角及び
コントラストを表1に示す。
【0045】スクリーンゲイン: 反射型映写スクリー
ンの映写面に、映写機から、全面白色の画像を投影し、
映写面中央の輝度(cd/m2 )と照度(1x)とを測
定し、数1によりスクリーンゲインを算出する。
【0046】
【数1】 スクリーンゲイン=π×(輝度/照度)・・・・・数1
【0047】視野角:前記スクリーンゲインの測定と同
様に全面白色の画像を投影し、輝度計を、スクリーンの
中心から立てた法線に対して、−60°〜+60°の角
度範囲で水平方向に、輝度の角度依頼性(配向特性)を
測定する。そして、この法線方向の輝度の1/2以上の
もつ角度範囲、すなわち半値角を視野角とする。
【0048】コントラスト:映写機から、全面黒色と白
色との2種類の画像を投影し、数2式のAを算出してコ
ントラストとした。
【0049】
【数2】 (黒信号時の画面輝度)/(白信号時の画面輝度)=1/A・・・数2 (以下余白)
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の表面に設けた凹部にのみ無彩色
の光吸収層を設けた反射型映写スクリーンは、スクリー
ンゲイン及び視野角を損なうことがなく、コントラスト
を向上でき、鮮明な画像を得る効果を奏した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型映写スクリーンの構成を示す断
面概略図である。
【図2】本発明の反射型映写スクリーンにおける画像の
反射経路の概略を示す断面模式図である。
【図3】実施例の反射型映写スクリーンの構成を示す断
面概略図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 光反射層 3 光拡散層 4 光吸収層 6 映写光 7 外来光 8 法線 10 反射型映写スクリーン 15 接着剤層 16 シート基材A 17 シート基材B 21 鱗片状薄片 22 透明樹脂 31 方解石微結晶粒子 32 光透過性樹脂 61 出力光

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、透明樹脂に鱗片状の薄片
    を分散した光反射層、光透過性樹脂に方解石の微結晶粒
    子が分散された凹凸形状をもつ光拡散層を設けた反射型
    映写スクリーンにおいて、該光拡散層の凹部にのみ染料
    又は顔料による無彩色の透明樹脂からなる光吸収層を備
    えたことを特徴とする反射型映写スクリーン。
JP9084730A 1997-03-19 1997-03-19 反射型映写スクリーン Withdrawn JPH10260475A (ja)

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