JPH10301207A - 反射型映写スクリーン - Google Patents

反射型映写スクリーン

Info

Publication number
JPH10301207A
JPH10301207A JP9127844A JP12784497A JPH10301207A JP H10301207 A JPH10301207 A JP H10301207A JP 9127844 A JP9127844 A JP 9127844A JP 12784497 A JP12784497 A JP 12784497A JP H10301207 A JPH10301207 A JP H10301207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
resin
projection screen
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9127844A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP9127844A priority Critical patent/JPH10301207A/ja
Publication of JPH10301207A publication Critical patent/JPH10301207A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材シートに鱗片状の薄片を光拡散層として
利用した反射型映写スクリーンにおいて、その輝度を維
持して基材シートと光反射層間との接着強度を強固にし
たスクリーンの提供を課題とする。 【解決手段】 基材シート1、透明樹脂32に光反射製
性の鱗片状の薄片31を分散した光反射層3、光透過性
樹脂42に方解石微結晶粒子41と無彩色料43とを分
散・形成し組成物よりなる光拡散層4からなり、上記基
材シート1と光反射層3との界面に接着強化薄膜層2を
もち、かつ上記光反射層3の透明樹脂が少なくともポリ
エステル系樹脂又はアクリル系樹脂を含むバインダーと
する。そして上記接着強化薄膜層2は、基材シートの製
膜工程で延伸形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型テレビジョ
ンや映写スクリーン、特に映写装置からの映像を映写す
るための反射型スクリーンに属する。
【0002】
【従来の技術】反射型映写スクリーンは、映写スクリー
ンの映写面にアルミニウム粉末をバインダーに分散した
塗料を塗工して、映写スクリーンの光反射層として用い
ることが知られている。そして、マイカの鱗片状薄片又
はその表面に二酸化チタンを被覆した、いわゆるパール
顔料を含む塗料を塗工して、映写スクリーンの光拡散層
や光反射層として用いることが知られている。また、光
の吸収性が少ない光拡散剤として作用する方解石の微結
晶粒子を透明樹脂中に分散させた光拡散層を光反射層上
に積層したものも知られている。
【0003】しかしながら、アルミニウム粉末を分散し
た光反射層は、反射光の輝度を上げるために、アルミニ
ウムの比率を増やしたものは基材シートとの接着強度を
低下する欠点が出るという問題点があった。また、光反
射層を基材シートに強固に接着する目的で、基材シート
を製膜直後及び/又は光反射層を塗工する直前にコロナ
放電処理をしたり、基材シートの表面にポリエステル・
イソシアネートや、ポリウレタンイソシアネート、エポ
キシイソシアネートなどのワニスによるプライマー層を
設けて光反射層を形成することが行われてきた。しかし
ながら、コロナ放電処理は接着にムラがあり、プライマ
ー層は塗工工程が増えたり、ブロッキングを発生するな
どの問題があった。その他、光反射層や特に光拡散層の
中に含ませる滑剤を調整して表面の密着性(本発明にお
いて、密着とは二層がバブルなどの挟雑物がなく均一に
接合し、再度それぞれの層が破壊されることがなく剥離
できるものである。そして、接着とは、接合した2層は
本質的に剥離するものではなく、無理に剥離するときは
層の内部破壊を起こして剥離するものをいう。)を低下
させる試みもなされてはきたが、加工条件により滑剤の
浸出にムラがあり、基材シートとの接着を阻害すること
もあり安定した方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基材
シートに従来の鱗片状の薄片を光反射層として利用した
反射型映写スクリーンの輝度を維持し、且つ各構成層間
の接着強度を強固にして、輝度、視野角及びコントラス
トのいずれをも満足できる反射型映写スクリーンの提供
を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の反射型映写スクリーンは、基材シートと、
透明樹脂に光反射性の鱗片状の薄片を分散した光反射
層、光透過性樹脂に方解石微結晶粒子と無彩色料とを分
散・形成した組成物よりなる光拡散層からなり、上記基
材シートと光反射層との界面に接着強化薄膜層をもち、
かつ上記光反射層の透明樹脂が少なくともポリエステル
系樹脂又はアクリル系樹脂を含むバインダーであること
を特徴とする反射型映写スクリーン。そして、上記、接
着強化薄膜層が基材シートの製膜工程で延伸形成された
反射型映写スクリーンである。また、上記光反射層は、
バインダー100重量部に対して光反射性の鱗片状の薄
片を5〜30重量部及びポリイソシアネート系架橋剤を
1〜20部を含むことを特徴とする反射型映写スクリー
ンである。
【0006】
【発明の実施形態】本発明の反射型映写スクリーン10
は、図1に示すように、基材シート1と、基材シート1
に形成された接着強化薄膜層2、バインダーを構成する
透明樹脂32に光反射性の鱗片状の薄片31を分散した
光反射層3及び光拡透過性樹脂42に方解石微結晶粒子
41と無彩色料43とを分散・形成した組成物よりなる
光拡散層4とから積層されたものである。かつ、上記光
反射層3のバインダーを構成する主樹脂は、ポリエステ
ル系樹脂又はアクリル系樹脂を含む反射型映写スクリー
ン10である。請求項2の発明は、上記、接着強化薄膜
層2が基材シートの製膜工程で延伸形成されたものであ
る。そして、請求項3の発明は、接着強化薄膜層2に塗
工する光反射層3は、バインダー100重量部に対して
光反射性の鱗片状の薄片を5〜30重量部、及びポリイ
ソシアネート系架橋剤を1〜20部を含むものである。
【0007】本発明の基材シートは、プラスチック樹脂
の二軸延伸フィルム、好ましくはポリエチレンテレフタ
レートを製膜するときに、該樹脂と同一系のコポリエス
テルや、下記の樹脂を光反射層の塗工面に接着強化薄膜
層として通常の製膜工程で作成するものである。接着強
化薄膜層の厚みは0.05〜1.0μmが好ましく、
0.05μm以下では、接着効果にムラがあり、また、
1.0μm以上では接着強度は発現するが、接着強化薄
膜層の層間剥離や、保管したときにブロッキングなどの
問題を発生して好ましくない。
【0008】接着強化薄膜層を構成するポりマーの皮膜
は、水溶性高分子/シランカプリング剤、ポリウレタン
/ポリオレフィン系ワックス/超微粒子、ポリウレタン
/ポリオレフィン系ワックス/アクリル樹脂/超微粒
子、カルボニル基を含むポリオレフィン、水溶性ポリエ
ステル/水溶性化合物/超微粒子、スルホン酸残基を含
む水溶性ポリエステル、スルホン酸基を含むポリエステ
ルコポリマー/水溶性有機化合物、イミン基を含むポリ
ウレタン、スルホン酸基を含むポリウレタン、熱可塑性
ポリウレタン、ポリエチレングリコール/ビニルモノマ
ーグラフトコポリマー、水溶性グラフトポリマー/非水
溶性ポリエステルの混合物などである。
【0009】そして、上記二軸延伸フィルムを強化する
目的で、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合物
(EVA)、アイオノマー、エチレン・アクリル酸エチ
ル共重合物(EEA)、エチレン・アクリル酸共重合物
(EAA)、メチルペンテンポリマー、ポリブテンなど
のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ポリ塩化ビニル(硬質、半硬質又は軟質)、ナイロン
6、ナイロン66などのポリアミド、セルローストリア
セテート、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン
・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体
ケン化物、ポリアリレート、ポリカーボネート、ノリル
(GE社登録商標)、ポリエーテルスルフオン、ポリメ
タクリル酸メチルなどの延伸又は無延伸樹脂シート、低
発泡のプラスチックシートより製造される合成紙やガラ
スや、樹脂の繊維を用いた織布又は不織布などである。
そして、これらを単層あるいは異種のものを2層以上積
層して用いる。
【0010】反射型映写スクリーンは、難燃性、剛性と
可撓性とが両立し、折れ、曲がりなどの痕跡防止の観点
からは、ガラス繊維の織布又は不織布と、軟質又は半硬
質のポリ塩化ビニルシートとの積層体が好ましい。更
に、基材シートの表面平滑性を高め、塗工による光反射
層、光拡散層などの性能をより安定させるためには、二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートと、軟質又は
半硬質のポリ塩化ビニルシートやポリブチレンテレフタ
レートフィルムとの積層体を用いることが好ましい。構
造物に用いる基材シートは、上述の樹脂シートや、樹脂
シートと金属板や木材とのように異種のものを2層以上
積層して使用する。また、基材シートが隠蔽性をもたな
いものの場合は、二酸化チタン、カーボンブラックなど
の隠蔽性が大きい顔料を基材に添加したり、あるいは隠
蔽性顔料を含む塗料を裏面に塗工することが好ましい。
板状の基材シートは、平板の他に凹状又は凸状に湾曲し
た曲面板を使用することができる。固定式の反射型映写
スクリーンは、構造物としての強度をもてば特に厚みは
問わない。
【0011】反射型映写スクリーンをロール形状で移動
使用される場合は、直径が最小30mmの円柱状に巻取
れる可撓性、巻取り/巻出し時の張力である最大20K
g/m巾の張力に耐え、最も重要な要素としては、巻取
り/巻出しの繰り返し使用した場合にたるみ、カール、
しわなどの変形がなく、光反射層、光拡散層などを通し
てスクリーン最表面に織目、地合いムラなどの不要な凹
凸が出現しない程度の平滑性をもち、更に他の材料を積
層、塗工する加工工程の熱、張力に支障のないことが必
要である。巻取り式の場合は強度と可撓性との観点から
50〜500μmの厚みにした基材シートを用いること
が好ましい。これらの特性をもつ寸法安定性基材シート
は、単体のプラスチックシート、あるいは積層によって
求められるが、それらのシートに映写スクリーンの光学
的特性である光吸収性、白色性、反射性などを併せもつ
ことが望ましい。
【0012】光反射層は、透明樹脂をバインダーとして
光反射性物質である鱗片状薄片を分散した塗料を塗工し
て形成する。塗膜に含まれる薄片の平板面はスクリーン
の面と平行になるように配列されることが好ましく、こ
れにより良好なスクリーンゲインと視野角を得ることが
できる。光反射層を構成する鱗片状薄片の平板面が、映
写光入射及び画像観察面に対して略平行になるように、
鱗片状薄片を配向させるためには、ロールコート法や、
コンマーコート法、グラビアコートで法うなどのように
塗工を行うときに、シートの進行方向に塗膜が平行方向
の剪断応力が作用するように塗工することが好ましい。
また、塗工の厚みと鱗片状薄片の平板面の大きさとを同
じ又はそれ以下にして塗工時に配向するように塗工す
る。
【0013】光反射層をシートで構成するときは、鱗片
状薄片を透明樹脂に分散したシートを延伸加工すること
により、鱗片状薄片の平板面が、映写光入射面及び画像
観察面に対して略水平になるように配向できる。
【0014】光反射性物質を構成する材料は、次のとお
りである。 貝がらの内部や真珠を粉砕したもの、マイカや、マイ
カの平均粒径10〜30μmの鱗片状微粒子に、酸化チ
タン又は酸化鉄を焼き付けて製造するパール顔料。 銅、アミニウム、真ちゅう、青銅、金、銀などを1〜
30μmの偏平状微粒子にに加工した金属粉。 上に記載した金属、通常はアルミニウムを2〜8μm
厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに蒸着した
砕片。 これらの光反射性物質のなかでも、スクリーンゲインを
向上するには、アルミニウム薄片、又は金属蒸着(アル
ミニウム蒸着)フィルムやその砕片が好ましく、鱗片状
体の平板面を基材反射シート面と平行に配列すると光反
射率を向上できる。
【0015】鱗片状薄片の平均粒径は、高い光反射率
と、高いスクリーンゲインとを両立するために5〜30
μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは10μm
〜20μmのものである。
【0016】光反射層の透明樹脂(バインダー)は、ア
クリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル、ポリウレ
タン変成ポリエステル、ポリウレタンなどがあるが、好
ましくはポリエステル系樹脂、又はアクリル系樹脂であ
る。ポリエステル系樹脂、又はアクリル系樹脂は、鱗片
状薄片との接着もよく、光反射性物質の添加による層間
剥離がなく、また基材シートとの接着も強固に行われ
る。
【0017】光反射層の接着と鱗片状薄片及び基材シー
トとの接着をより強固にするためには、ポリエステル系
樹脂、又はアクリル系樹脂に反応性の官能基、例えば−
OH基を付加したポリオールや、カルボニル基を持たせ
て架橋タイプとすることができる。架橋反応は、電離放
射線(紫外線)によるものもあるが、光反射性物質の存
在により、反応が阻害されるため、加熱又はポリイソシ
アネートによる架橋反応が好ましい。
【0018】ポリイソシアネートはメチレン・ビス(p
−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、エチルベンゼン
−2,4−ジイソシアネート、2,4トリレンジイソシ
アネート二量体、44, ,,トリフェニルメタントリイ
ソシアネートなどがある。
【0019】光反射層のバインダーは、上記の単一樹脂
又は2種以上のものとレベリング剤、可塑剤、界面活性
剤などとを適宜加えて作成する。そして、バインダーに
添加する鱗片状薄片の割合は5〜40%であることがが
好ましい。
【0020】光反射層の厚みは、光輝性顔料で基材シー
トの全面をカバーされることが必要であり、高い光反射
性と経済性との観点から、1〜10μmが好ましい。そ
して、その形成は、ロールコート法、グラビアコート
法、又はコンマコート法などの塗工で行う。また、光輝
性顔料の如き、バインダーとの親和性に欠ける材料で作
られる塗工液は、塗工時にムラを生じやすいことから、
数回の重ね塗りを行う方が、全面をカバーするための材
料の使用量を少なくでき、且つ光反射の効果を奏する。
したがって、全面をカバーする目的で2回コートを行う
ことが好ましい。
【0021】光拡散層4は、図1に示すように光反射層
3に所望によっては凹凸形状をもつ層で塗工・形成する
ものである。そして光反射層3で一旦拡散反射された光
線を透過させつつ、側面から来るノイズ光を吸収し、更
に一部光線を拡散して、画面のまぶしさを逓減し、視野
面を適切に広げる作用を奏することを原則とするもので
ある。光拡散層4に添加する微結晶粒子は、一般的に
は、シリカ粒子、マイカ鱗片、二酸化チタン被覆マイカ
鱗片、方解石の微結晶粒子、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネートなどの合成樹脂ビーズがある。特に好ましくは方
解石の微結晶粒子であり、視野角を広げ充分なコントラ
ストを奏するものである。
【0022】方解石微粒子を2〜30%の割合で含む塗
工液のバインダー(光透過性樹脂)は、ポリエステル、
アクリル系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体や
ポリエステル・ポリオール、ポリウレタン・ポリオール
などにポリイソシアネートを硬化剤とする二液反応型樹
脂、未硬化状態で熱可塑性をもつ電離放射線硬化型樹脂
などの1種又は2種以上の混合物がある。そして、方解
石微結晶粒子の均一な分散を助けるとともに塗工適性
(揺変性をもつ流動性)を向上する目的で、マイクロシ
リカ、有機ベントナイトなどの微粒子をバインダー樹脂
100重量部に対し3〜10重量部を添加する。その
他、光拡散層4にはシリコーン、ワックスなどの滑剤の
他、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤
を加えて光拡散層用塗工液を作成する。
【0023】本発明の光拡散層4は、図1に示すよう
に、映写光を光反射層3で一旦拡散反射された光線を透
過させつつ、更に一部光線を拡散して、画面の眩しさを
低減し、視野面を適切に広げる作用をする。光拡散層に
添加する光輝性顔料41は、一般的には、シリカ粒子、
マイカ鱗片、二酸化チタン被覆マイカ鱗片、方解石の微
粉末などである。また、無彩色料43としては、カーボ
ンブラック、黒鉛などの炭素顔料や、アニリンブラッ
ク、シアニンブラックなどの黒色顔料、二酸化チタン、
亜鉛華などの白色の顔料を用いることができる。また、
耐光性に優れたフタロシアニンブルー、キナクリドンレ
ッド、イソインドリノン(黄色)などの顔料や染料の3
原色成分を混合することにより無彩色(白色〜灰色〜黒
色)に調色してもよい。そして、画像のコントラストを
向上するものである。本発明では、光輝性顔料としての
方解石の微粉末と無彩色料としてのカーボンブラックを
用いて、視野角を広げ十分なコントラストを奏するもの
である。
【0024】本発明で記載する無彩色とは、色の3属性
のうち明度だけの属性を表すことができる色であり、J
IS規格Z 8720に 定義された標準光CによるY
値の範囲が0〜60の範囲にあることが望ましい。但
し、本発明においては、厳密な無彩色である必要はな
く、映写光による投影画像に影響を与えない程度の色相
・彩度をもつものであってもよい。
【0025】本発明の光拡散層4の塗工は、通常のロー
ルコート法、グラビアコート法、又はコンマコート法、
バーコート法などから塗工液の特性、塗工量に応じた方
法で行う。乾燥工程で冷却ロール又は賦型シートで凹凸
形状を形成することもできる。
【0026】なお、本発明の塗工により形成する光拡散
層は、光反射層に適宜にプライマー層を設けることによ
り被塗工面との接着をより強固にかつ安定化できる。そ
して、光反射層とは、直接には接着できないが、光学特
性がある光拡散層となる組成物をプライマー層を介して
形成することもできる。プライマー層は、従来から使用
されているポリエステル、アクリル系樹脂、塩化ビニル
・酢酸ビニル系共重合体や、エポキシ、ポリエステル・
ポリオール、ポリウレタン・ポリオールなどにポリイソ
シアネートを用いて硬化剤とする二液反応型ワニスを
0.5〜3μmの厚みで塗工形成される。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明する。 (実施例 1)基材シート1として、接着強化薄膜層2
を設けた厚み125μmの二軸延伸ポリエステルシート
A−4100(東洋紡(株)製 商品名)の接着強化薄
膜層2に、下記組成の光反射層塗工液を酢酸エチルを主
成分とする溶剤で溶解し、鱗片状アルミニウム薄片の平
板面が映写入射光面及び画像観察面に対して(基材シー
トに対して)略々平行になるように厚み5μmづつ2回
に分けて塗工し、合計厚み10μmの光反射層3を設け
た。 〔光反射層塗工液1〕 ・鱗片状アルミニウム薄片 20重量% ・ポリエステルポリオール(透明樹脂) 100重量% ・イソシアネート系硬化剤(透明樹脂) 7重量% 次いで、上記光反射層3の面に、下記組成の〔光拡散層
塗工液1〕を酢酸エチルを主成分とする溶剤で溶解し、
厚み5μmで塗工して光拡散層4を形成し本発明の実施
例1の反射型映写スクリーン10を構成した。 〔光拡散層塗工液1〕 ・方解石微結晶粒子 20重量% ・アクリルポリオール(光透過性樹脂) 100重量% ・イソシアネート系硬化剤(光透過性樹脂) 17重量%
【0028】(実施例 2)実施例1で使用した基材シ
ート1をA−4100(東洋紡(株)製)にかえて、接
着強化薄膜層2を設けた厚み125μmの二軸延伸ポリ
エステルシートHX(ユニチカ(株)製 商品名)とし
た以外は実施例1と同様にして本発明の実施例2の反射
型映写スクリーン10を構成した。
【0029】(実施例 3)実施例1で作成した基材フ
ィルム1及び光反射層3に下記組成の〔光拡散層塗工液
2〕を使用した以外は実施例1と同様にして実施例3の
反射型映写スクリーン10を構成した。 〔光拡散層塗工液1〕 ・方解石微結晶粒子 20重量% ・ポリエステルポリオール(光透過性樹脂) 100重量% ・イソシアネート系硬化剤(光透過性樹脂) 17重量%
【0030】(実施例 4)実施例1で作成した基材フ
ィルム1及び光反射層3に下記組成の〔光反射層塗工液
2〕を使用した以外は実施例1と同様にして実施例3の
反射型映写スクリーン10を構成した。 〔光反射層塗工液2〕 ・鱗片状アルミニウム薄片 20重量% ・アクリルポリオール(光透過性樹脂) 100重量% ・イソシアネート系硬化剤(光透過性樹脂) 7重量%
【0031】(比較例 1)実施例1において光反射層
塗工液の透明樹脂を、2液硬化型のポリウレタン系に変
更した以外は、実施例1と同様の光拡散層を設けて比較
例1の反射型映写スクリーンを構成した。
【0032】(比較例 2)実施例1において、基材シ
ートを未処理の二軸延伸ポリエステルにかえた以外は、
実施例1と同一の材料・工程で比較例2の反射型映写ス
クリーンを構成した。
【0033】(比較例 3)比較例2において、基材シ
ートをコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリエステルに
かえた以外は、実施例1と同一の材料・工程で比較例3
の反射型映写スクリーンを構成した。
【0034】上記の実施例及び比較例の各試料を、2.
0×1.5mに切断し、その周辺に50mm巾の枠を、
カーボンブラックとポリエステル・イソシアネート系樹
脂をバインダーとするインキでシルクスクリーン印刷を
行い、反射型映写スクリーンを作成した。
【0035】実施例及び比較例で構成した反射型映写ス
クリーンについて次の接着テストを行い接着強度の劣化
の有無を評価した結果を表2に示す。 初期接着強度 試料の表面に25mm巾のニチバン(株)製セロテープ
を密着し、1mm間隔のクロスカット剥離テストを5回
行い、10mm×10mm内に於けるクロスの残存数を
表示した。(表1、2では初期接着と表示する。) 高温処理後の接着強度 試料を70℃7日間放置後、室温(25℃)で初期接着
強度と同様に評価をした。(表1、2では高温処理と表
示する。) 低温処理後の接着強度 試料をー40℃の条件で7日間放置後、室温(25℃)
で初期接着強度と同様に評価をした。(表1、2では低
温処理と表示する。) 高温・高湿処理後の接着強度 試料を60℃、相対湿度95%の条件で7日間放置後、
室温(25℃)で初期接着強度と同様に評価をした。
(表1、2では高温湿度と表示する。) 耐光テスト後の接着強度 試料をフェードーオーメータで50時間照射後、初期接
着強度と同様に評価をした。(表1、2では耐光処理と
表示する。) サイクルテスト 試料をー20℃×2時間〜55℃1時間の繰り返しテス
トを4回行った後、室温(25℃)で初期接着強度と同
様に評価をした。(表1、2ではサイクルと表示す
る。) また、枠を印刷したスクリーンの印刷インキ部分につい
て、上記6項目の評価を行った結果を、表1と同様に表
2に示す。
【0036】
【表1】 但し、丸付き数字は、剥離したときの回数を示す。ま
た、丸付き数字の記入がないものは、5回の評価で剥離
数が、0のものである。 (以下余白)
【0037】
【表2】 但し、丸付き数字は、剥離したときの回数を示す。ま
た、丸付き数字の記入がないものは、5回の評価で剥離
数が、0のものである。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、接着強
化薄膜層にポリイソシアネートを含む透明樹脂からなる
光反射層、及び同種の樹脂からなる光拡散層から構成さ
れている。これにより基材シートと光反射層との界面及
び光反射層と光拡散層との界面の剥離を防止できるばか
りでなく、光反射層の層間剥離をも防止する効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型映写スクリーンの断面概略図で
ある。
【符号の説明】 1 基材シート 2 接着強化薄膜層 3 光反射層 4 光拡散層 31 鱗片状薄片 32 透明樹脂 41 方解石微結晶粒子 42 光透過性樹脂 43 無彩色料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、透明樹脂に光反射性の鱗
    片状の薄片を分散した光反射層、光透過性樹脂に方解石
    微結晶粒子と無彩色料とを分散・形成した組成物よりな
    る光拡散層からなり、上記基材シートと光反射層との界
    面に接着強化薄膜層をもち、かつ上記光反射層の透明樹
    脂が少なくともポリエステル系樹脂又はアクリル系樹脂
    を含むバインダーであることを特徴とする反射型映写ス
    クリーン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の接着強化薄膜層が基材
    シートの製膜工程で延伸形成されたものであることを特
    徴とする反射型映写スクリーン。
  3. 【請求項3】 上記光反射層の樹脂100重量部に対し
    て光反射性の鱗片状の薄片を5〜30重量部及びポリイ
    ソシアネート系架橋剤を1〜20部を含むことを特徴と
    する反射型映写スクリーン。
JP9127844A 1997-05-02 1997-05-02 反射型映写スクリーン Withdrawn JPH10301207A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9127844A JPH10301207A (ja) 1997-05-02 1997-05-02 反射型映写スクリーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9127844A JPH10301207A (ja) 1997-05-02 1997-05-02 反射型映写スクリーン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10301207A true JPH10301207A (ja) 1998-11-13

Family

ID=14970073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9127844A Withdrawn JPH10301207A (ja) 1997-05-02 1997-05-02 反射型映写スクリーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10301207A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6411867B1 (en) 1999-10-27 2002-06-25 Fujitsu Ten Limited Vehicle driving support system, and steering angle detection device
WO2004034144A1 (ja) * 2002-10-11 2004-04-22 Yupo Corporation スクリーン
GB2419685B (en) * 2003-05-26 2007-07-04 Sharp Kk Reflection type screen
JP2009229654A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品
JP2010066750A (ja) * 2008-08-12 2010-03-25 Seiko Epson Corp スクリーンの製造方法及びスクリーン
JP5230100B2 (ja) * 2004-12-22 2013-07-10 株式会社きもと 反射型スクリーン
JP2017027026A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 Jxエネルギー株式会社 ガラス複合体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた映像投影システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6411867B1 (en) 1999-10-27 2002-06-25 Fujitsu Ten Limited Vehicle driving support system, and steering angle detection device
US6567726B2 (en) 1999-10-27 2003-05-20 Fujitsu Ten Limited Vehicle driving support system, and steering angle detection device
WO2004034144A1 (ja) * 2002-10-11 2004-04-22 Yupo Corporation スクリーン
GB2419685B (en) * 2003-05-26 2007-07-04 Sharp Kk Reflection type screen
JP5230100B2 (ja) * 2004-12-22 2013-07-10 株式会社きもと 反射型スクリーン
JP2009229654A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品
JP2010066750A (ja) * 2008-08-12 2010-03-25 Seiko Epson Corp スクリーンの製造方法及びスクリーン
JP2017027026A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 Jxエネルギー株式会社 ガラス複合体、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた映像投影システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6654085B1 (en) Front scattering film with a light scattering layer and a peelable substrate
TW388802B (en) Reflection type projection screen
EP0847424B1 (en) Back light reflection sheet for liquid crystal
JPH10268105A (ja) 反射防止フィルム
KR20020060210A (ko) 이축 배향 폴리에스테르 필름, 접착성 필름 및 착색하드코팅 필름
JP2001343519A (ja) ディスプレイ用貼着フィルム
US6579606B1 (en) Back light reflection sheet for liquid crystal
JPH10301207A (ja) 反射型映写スクリーン
JP2002258760A (ja) 着色ハードコートフィルム
JP7151182B2 (ja) 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体
JP2003236969A (ja) 着色ハードコートフィルム
JP2000313871A (ja) 機能性フィルム貼着用感圧性接着剤組成物及び画像表示装置
JP5138168B2 (ja) スクリーン
JPH10282578A (ja) 反射型映写スクリーンとその製造方法
JPH10312027A (ja) 反射型映写スクリーン
JP7071141B2 (ja) 光投影用熱延伸性加飾フィルム及びそれを貼り付けた物品
CA2593614A1 (en) Ornamental films
JPH10128899A (ja) 光拡散機能を有するガラス飛散防止フィルム
JPH10260475A (ja) 反射型映写スクリーン
JP2004168053A (ja) 積層フィルム
JPH10213851A (ja) 反射型映写スクリーン
JPH10147098A (ja) 化粧材及びその製造に用いる転写シート
JPH10282577A (ja) 反射型映写スクリーン
JP2005001301A (ja) 着色ガラス用着色シート及び着色ガラス
JPH10114006A (ja) 光拡散機能を有するガラス飛散防止フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040706