JPH10213851A - 反射型映写スクリーン - Google Patents

反射型映写スクリーン

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JPH10213851A
JPH10213851A JP9017981A JP1798197A JPH10213851A JP H10213851 A JPH10213851 A JP H10213851A JP 9017981 A JP9017981 A JP 9017981A JP 1798197 A JP1798197 A JP 1798197A JP H10213851 A JPH10213851 A JP H10213851A
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JP
Japan
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light
layer
projection
reflection
dispersed
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JP9017981A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性を低下することなく、視野角特性を
改善することができる反射型映写スクリーンを提供する
ことである。 【解決手段】 反射型映写スクリーン1は、シート状の
基材1、光反射層3、光拡散層4の順に積層した積層体
である。光反射層3は、光反射性物質の鱗片状箔片3a
を分散した透明樹脂3bからなる。光拡散層4は、方解
石微結晶粒子4bと、無彩色の染料4aと、マイクロシ
リカ6とが分散された透明樹脂4cからなる。光拡散層
4の表面は、映写光が入射するとともに反射画像を観察
する映写光入射面及び画像観察面5である。マイクロシ
リカ6を光拡散層4に分散することによって、スクリー
ンゲインを低下させずに、視野角を広げることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映写装置から投射
される映像を受けるための反射型映写スクリーンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、映写装置から投射した映像を
受ける映写スクリーンに関し、以下の提案がされてい
る。 登録実用新案第30811号公報は、アルミニウム
粉末を樹脂バインダー中に分散した塗膜を映写スクリー
ンの表面に形成し、映写スクリーンの光拡散面及び光反
射面として用いることを提案している。 実公昭11−1966号公報、実公昭35−634
6号公報、実開昭64−40835号公報及び特開平5
−88263号公報は、雲母の鱗片状箔片又はその表面
に二酸化チタン塗膜をコートした、いわゆるパール顔料
を樹脂層中に分散し、光反射面及び光拡散面として用い
ることを提案している。 特開平4−53945号公報は、光の吸収性が少な
い光拡散剤として方解石の微結晶粒子を透明樹脂層中に
分散させた光拡散層を、光反射層上に積層して用いるこ
とを提案している。 米国特許第1610423号公報、特開昭62−2
66980号公報及び特開平7−248536号公報
は、映写スクリーンに偏光フィルタを積層し、映写光を
偏光させて投影することを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の技術に
は、それぞれ以下の問題点があった。 登録実用新案30811号公報による映写スクリー
ンは、反射光の輝度を上げると鏡面反射に近づき、拡散
角が狭くなってしまう。一方、拡散角を拡げると反射光
の輝度が低下してしまう。また、映写スクリーンとして
要求される明暗のコントラストも不十分であった。 実公昭11−1966号公報、実公昭35−634
6号公報、実開昭64−40835号公報及び特開平5
−88263号公報による映写スクリーンは、反射光の
輝度(ゲイン)、拡散角(半値角)及び画像コントラス
トは、いずれもの映写スクリーンよりも良好である。
近年では、拡散角を維持しつつ、輝度及び画像コントラ
ストをより一層向上することが要求されている。特に、
映写光輝度が比較的弱く、外来光(日光、電灯光など)
を完全に遮断できない一般家庭用の投射型テレビジョン
受信機では、このような要求が極めて強い。しかし、こ
れらの映写スクリーンでは、この要求に応えることがで
きなかった。 特開平4−53945号公報の映写スクリーンは、
前述したの映写スクリーンと比較して輝度(ゲイン)
は改善しているが、コントラストは、不十分であった。 米国特許第1610423号公報、特開昭62−2
66980号公報及び特開平7−248536号公報に
よる映写スクリーンは、4角錐プリズム配列のような特
殊な形状を有する層又は偏光特性を有する材料を形成す
る必要があった。このために、製造工程が複雑になり、
製造コストが上昇するという問題があった。また、映写
機自体にも偏光フィルタを取り付ける必要があり、コス
トの上昇を招くとともに、映写光強度が減衰するという
問題があった。このように、従来の反射型映写スクリー
ンでは、十分な反射輝度、視野角及びコントラストを得
ることができなかった。
【0004】このような問題点を解決するために、光吸
収性が低く光拡散性が適度である方解石微結晶粒子を分
散した透明樹脂からなる光拡散層を設け、一定の光拡散
効果を得る反射型映写スクリーンが考えられる。しか
し、方解石微結晶粒子は、光拡散層の透明樹脂よりも屈
折率が大きく、光拡散性を得るためには、ある程度の粒
子径を必要とする。このために、広い視野角特性を得よ
うとして、方解石微結晶粒子の配合量を増加すると、光
透過性が低下し、スクリーンゲインが低下する可能性が
ある。
【0005】本発明の課題は、光透過性を低下すること
なく、視野角特性を改善することができる反射型映写ス
クリーンを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1記載の発明は、板状又はシート状の基材
(2)と、前記基材の表面に設けられ、光反射性物質の
鱗片状箔片(3a)が分散された透明樹脂(3b)から
なり、光を反射する光反射層(3)と、前記光反射層の
表面に設けられ、方解石微結晶粒子(4b)と無彩色の
染料又は顔料(4a)とが分散された透明樹脂(4c)
からなり、光を拡散する光拡散層(4)とを含み、前記
光拡散層の表面は、映写光を入射するとともに反射画像
を観察する映写光入射面及び画像観察面(5)であり、
前記光反射層及び/又は前記光拡散層には、マイクロシ
リカ(6)が分散されていることを特徴としている反射
型映写スクリーンである。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、図面を参照して、本発明の第1
実施形態について、さらに詳しく説明する。図1は、本
発明の第1実施形態に係る反射型映写スクリーンを模式
的に示す断面図である。図2は、本発明の第1実施形態
に係る反射型映写スクリーンにおける鱗片状箔片を示す
斜視図である。
【0008】[基材2]基材2は、シート状又は板状の
ものを用いる。シート状の基材2は、ポリオレフィン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(硬質、半
硬質又は軟質)、ポリスチレン樹脂若しくはABS樹脂
などの樹脂、ガラス又は樹脂の繊維を用いた織布若しく
は不織布などである。このシート状の基材2は、単層又
は異種の物を2層以上積層して用いる。シート状の基材
2は、難燃性、強度と可撓性との両立、寸法安定性、折
れ曲がりの痕跡の防止の点から、2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートのシートと、軟質又は半硬質ポリ塩化ビ
ニルとの積層体が好ましい。シート状の基材2は、巻取
り式の映写スクリーンとして用いるときには、強度及び
可撓性の観点から、通常、50μm以上500μm以下
程度の厚さにて使用する。
【0009】板状の基材2は、上述した樹脂の板状材、
金属材又は木材などを、単層又は異種の物を2層以上積
層して用いる。板状の基材2は、その形状として、平板
以外の湾曲した曲面板を用いることもできる。これらの
シート状又は板状の基材2は、樹脂などのようにそれ自
体隠蔽性が無いときには、黒色顔料であるカーボンブラ
ック、白色顔料である2酸化チタンなどの隠蔽性顔料を
基材2中に添加したり、隠蔽性顔料を含む塗料を表面に
塗装することが好ましい。基材2は、カーボンブラック
添加黒色半硬質ポリ塩化ビニルシートと透明2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートシート(光反射層3側)との
積層体、2酸化チタン添加白色半硬質ポリ塩化ビニルシ
ートと透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート
(光反射層3側)との積層体、又は、カーボンブラック
添加黒色半硬質ポリ塩化ビニルシートと2酸化チタン添
加白色2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート(光
反射層3側)との積層体を例示することができる。カー
ボンブラック及び2酸化チタンの添加量は、厚さ50μ
m以上500μm以下の樹脂の板又はシートのときに
は、1重量部以上10重量部以下程度とする。
【0010】[光反射層3]光反射層3は、光反射性物
質の鱗片状箔片3aを透明樹脂3b中に分散させてい
る。図1に示すように、光反射層3は、基材2の一方の
表面に形成されている。鱗片状箔片3aは、その平板面
3c(図2参照)を、映写スクリーン表面となる後述す
る映写光入射面及び画像観察面5に対して略平行となる
ように、配向することが好ましい。鱗片状箔片3aをこ
のように配向することによって、良好な反射率と適度な
拡散角とを得ることができる。鱗片状箔片3aは、ロー
ルコート法やコンマコート法のように、塗膜と平行な方
向のせん断応力が塗布時に作用する塗布法を用いること
によって、映写光入射及び画像観察面5に対して平板面
3cを略平行に配向することができる。このような塗布
法を用い、さらに、塗膜厚を鱗片状箔片3aの粒径と同
等又はそれ以下とすると、平板面3cの配向をより完全
にすることができる。あるいは、予め鱗片状箔片3aを
分散した状態で含有するシート材を延伸する加工法によ
っても、平板面3cを配向させることができる。
【0011】光反射性物質は、アルミニウム、銀、クロ
ム若しくはニッケルなどの金属、二酸化チタン被覆雲母
又は表面に金属を蒸着した樹脂シートを裁断した箔片な
どを用いる。特に、反射率を高くするために、金属を用
いることが最も好ましい。
【0012】鱗片状箔片3aの平均粒径は、高い反射光
輝度と広い拡散角との両立性の観点から、5μm以上3
0μm以下の範囲が好ましく、10μm以上20μm以
下程度であることがより好ましい。
【0013】鱗片状箔片3aの添加量は、5重量%以上
30重量%以下が好ましい。樹脂(バインダー)3b
は、透明性を有するものから選択し、例えば、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体若しくはポリウレタン樹脂な
どの単体又はこれらの2種以上の混合物である。
【0014】光反射層3の層厚は、高い反射光輝度と経
済性との観点から、5μm以上10μm以下が好まし
い。光反射層3は、ロールコート法、グラビアロールコ
ート法若しくはコンマコート法などの塗布法又は予め押
出法若しくはキャスティング法などによって製膜したシ
ートを貼り合わせる方法によって、基材2の一方の表面
に形成する。
【0015】[光拡散層4]光拡散層4は、光を透過し
つつ透過光を拡散する層である。光拡散層4は、光反射
層3の表面に形成されている。光拡散層4は、バインダ
ーである透明樹脂4cと、光拡散剤となる方解石微結晶
粒子4bと、画像明暗のコントラストを高くするための
無彩色の染料又は顔料4aと、後述するマイクロシリカ
6とからなる。方解石微結晶粒子4bは、透明樹脂4c
中に均一に分散されている。
【0016】光拡散層4の層厚は、10μm以上30μ
m以下程度が好ましい。光拡散層4は、方解石微結晶粒
子4bと、無彩色の染料又は顔料4aと、マイクロシリ
カ6とを、透明樹脂4c中に分散させた組成物を、ロー
ルコート法、グラビアロールコート法若しくはコンマコ
ート法などにより塗装する方法又は押出法若しくはキャ
スティング法などにより製膜したシートを貼り合わせる
加工法を用いることによって、光反射層3の表面に形成
する。
【0017】図3は、本発明の第1実施形態に係る反射
型映写スクリーンを模式的に示す説明図である。図3に
示すように、方解石微結晶粒子4bとして鱗片状箔片状
のものを用い、これの平板面を等方的にランダム配向す
る場合であって、塗膜表面と平行な方向にせん断応力が
作用するロールコート法などの塗装法においては、方解
石微結晶粒子4bの粒径よりも塗膜厚を大きくしたり、
スプレーコートなどのように、塗膜と平行な方向のせん
断応力を抑制して塗装することが好ましい。また、塗装
前の塗料の攪拌は、十分にする。
【0018】光拡散層4を構成する透明樹脂4cは、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体若しくはポリウレタ
ン樹脂などの透明樹脂の単体又はこれらの2種以上の混
合物からなる。
【0019】方解石は、CaCO3 の化学組成を有する
六方晶系の透明結晶体である。そして、方解石は、単結
晶若しくは多結晶、自形結晶若しくは他形結晶又は完全
へき開結晶若しくは不完全へき開結晶のいずれも使用す
ることができるが、自形を呈する単結晶又はその完全へ
き開した物を用いることが好ましい。
【0020】本発明の第1実施形態では、平均粒径が2
μm以上20μm以下の方解石微結晶粒子4bを用い
る。方解石微結晶粒子4bの粒度分布は、できるだけ狭
いほうが光学特性上好ましく、例えば平均粒径が5μm
であるときには、全粒子のうちの80重量%以上が3μ
m以上7μm以下の範囲に入るように分布することが望
ましい。なお、方解石微結晶粒子4bの添加量は、10
重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
【0021】無彩色の染料又は顔料4aは、光拡散層4
の透明度や反射画像の輝度を損なわずに、反射画像のコ
ントラストを向上することができる程度添加する。無彩
色の染料又は顔料4aは、カーボンブラック、黒鉛など
の炭素顔料若しくはアニリンブラック、シアニンブラッ
クなどの黒色顔料又は染料である。または、フタロシア
ニンブルーなどの青顔料又は染料と、キナクリドンレッ
ドなどの赤顔料又は染料と、イソインドリノンなどの黄
顔料又は染料との三原色成分を混合することにより、無
彩色(灰色〜黒色)に調色することもできる。
【0022】無彩色の染料又は顔料4aの添加量は、そ
の種類にもよるが、カーボンブラックのときのは0.0
1重量%以上1重量%以下程度が好ましく、0.1重量
%以上1重量%以下程度がより好ましい。なお、高反射
光輝度と広拡散角とを維持しつつ、明所における画像コ
ントラストを高くするためには、図3に示すように、方
解石微結晶粒子4bの少なくとも一部は、その平板面が
映写光入射及び画像観察面5と平行にはならないよう
に、光拡散層4中に配向する。そして、光反射性物質の
鱗片状箔片3aの全平板面3cは、画像観察面5と略平
行に配向する。
【0023】光拡散層4の表面は、映写光が入射する映
写光入射面であるとともに、反射画像を観察する画像観
察面5である。映写光入射及び画像観察面5は、図1に
示すように、平坦又は平滑面にすることができる。ま
た、映写光入射面及び画像観察面5は、必要に応じて、
砂目、梨地、レンチキュラーレンズ又はフレネルレンズ
などの凹凸形状に成形し、反射光の輝度の角度分布(配
光特性)を調節することもできる。
【0024】[マイクロシリカ6]マイクロシリカ6
は、光拡散層4の透明樹脂4c中に分散させている。マ
イクロシリカ6は、2酸化珪素の結晶粒子であり、例え
ば、インキの体質顔料などに用いられるグレードのもの
が使用できる。
【0025】マイクロシリカ6は、一般的に球形であ
り、その平均粒径は、光拡散層4による光拡光輝度を低
下させないためには、5μm以下であり、3.5μm以
下であることが好ましい。但し、マイクロシリカ6の平
均粒径は、十分な光拡散性を得るためには、0.2μm
以上とする。また、粒径分布の範囲(通常、2×標準偏
差で評価)は、2μm以下であり、0.5μm以下であ
ることが好ましい。マイクロシリカ6は、方解石微結晶
粒子4b或いは光反射性物質の鱗片状箔片3aと混合し
て用いたときに、反射光輝度を低下させずに、しかも十
分な拡散角の拡大効果を得る点で好ましい。マイクロシ
リカ6の添加量は、透明樹脂100重量部に対して11
重量部以上15重量部以下が好ましい。
【0026】つぎに、本発明の第1実施形態に係る反射
型映写スクリーンを明るい場所で使用したときの光学的
挙動を説明する。図3に示すように、映写光L
P (LP1、LP2、LP3)は、映写光入射面及び画像観察
面5の表面に、その法線Nとなす角度(入射角)が比較
的小さな方向から入射する。光拡散層4中における鱗片
状箔片状の方解石微結晶粒子4bの平板面は、映写光入
射面及び画像観察面5と平行な成分と非平行な成分とか
らなる。このために、入射光のうち、例えば、映写光L
P1、LP3は、方解石微結晶粒子4bの非平行成分及びマ
イクロシリカ6によって、反射又は屈折して、光反射層
3に到達する。そこで、映写光入射面及び画像観察面5
に略平行な平板面3cをほぼ全数が有するように配列し
た光反射性物質の鱗片状箔片3aによって、映写光
P1、LP3は、鏡面反射に近い拡散反射をする。そし
て、その後に、映写光LP1、LP3は、光拡散層4中の方
解石微結晶粒子4bにて再度反射又は屈折し、映写光入
射面及び画像観察面5から出射する。一方、例えば、映
写光LP2は、方解石微結晶粒子4bの間を素通りし、光
反射層3にてほぼ鏡面反射され、映写光入射面及び画像
観察面5から出射する。その結果、出射映写光LP1、L
P3は、所望の拡散角を付与される。また、これら映写光
P は、いずれも比較的光路長が短く、無彩色の染料又
は顔料4aによる吸収減衰も少ないために、また、方解
石微結晶粒子4b及びマイクロシリカ6自体の吸収減衰
も少ないために、出射映写光LPは、強度(輝度)の高
いものになる。
【0027】これに対して、窓や電灯などから入射する
外来光、即ち、ノイズ光LN (LN1、LN2、LN3)は、
映写光入射面及び画像観察面5の法線Nとなす角度(入
射角)が、映写光LP に比べて大きくなる。このため
に、ノイズ光LN は、光拡散層4内の方解石微結晶粒子
4b及びマイクロシリカ6によって、反射屈折される。
さらに、ノイズ光LN は、光反射層3にて反射され、再
度光反射層4中を進行する過程において、ノイズ光LN
の光路長が、映写光LP の光路長よりも長くなる。一般
に、物体中を進行する光強度は、その進行距離の指数関
数的に減衰するために、これらノイズ光LN のうち、例
えば、ノイズ光LN1、LN2は、映写光LP よりも減衰が
大きくなる。また、反射屈折の結果、映写光入射面及び
画像観察面5と平行に近くなった、例えば、ノイズ光L
N3は、この映写光入射面及び画像観察面5方向から逸脱
する。その結果、映写光LP とノイズ光LN とのSN比
(LP /LN )が高くなり、コントラストが良好とな
る。
【0028】本発明の第1実施形態に係る反射型映写ス
クリーン1は、基材2の表面に光反射層3を、この光反
射層3の表面に光拡散層4を積層しており、この光拡散
層4には、マイクロシリカ6を分散させているために、
以下の効果を奏する。 (1)マイクロシリカ6を光拡散層4に分散させること
によって、方解石微結晶粒子4bの光拡散性を補助する
ことができるために、方解石微結晶粒子4bのみのとき
に比べて、光透過性を損なうことなく視野角を拡大する
ことができる。 (2)方解石微結晶粒子4bの配合量のみを増加したと
きに比べて、スクリーンゲインの低下を抑えることがで
きる。
【0029】(第2実施形態)図4は、本発明の第2実
施形態に係る反射型映写スクリーンを模式的に示す断面
図である。本発明の第2実施形態に係る反射型映写スク
リーン10では、光反射層3の透明樹脂3b中にのみマ
イクロシリカ6が分散している。
【0030】(第3実施形態)図5は、本発明の第3実
施形態に係る反射型映写スクリーンを模式的に示す断面
図である。本発明の第3実施形態に係る反射型映写スク
リーン100では、光拡散層4の透明樹脂4c中及び光
反射層3の透明樹脂3b中にマイクロシリカ6が分散し
ている。
【0031】
【実施例】つぎに、本発明の実施形態に係る反射型映写
スクリーンの実施例について説明する。 (実施例1)基材2は、可塑剤としてジオクテルアジペ
ートを48重量部含むカーボンブラックにて黒色に着色
した厚さ300μmのポリ塩化ビニルシートの表面に、
厚さ125μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
を2液硬化型ポリウレタン接着剤を用いドライラミネー
トにて積層した。そして、このシート複合体からなる基
材2の表面に、光反射層3を形成した。この光反射層3
は、光反射性物質であるアルミニウムの鱗片状箔片3a
(平均粒径:10μm)を、20重量%含有する2液硬
化型ポリウレタン樹脂3b(アクリルポリオール、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体及びヘキサメチレンジイソシ
アネートの混合物)からなる透明層である。
【0032】光反射層3は、映写光入射面及び画像観察
面5に対して鱗片状箔片3aの平板面3cが略平行とな
るように、鱗片状箔片3aを含有するポリウレタン樹脂
3bを厚さ(乾燥時)5μmずつ2回(合計膜厚10μ
m)に分けて、グラビアロールコート法により塗布し形
成した。図3に示すように、光反射層3中における鱗片
状箔片3aの平板面3c(最も表面積の広い面)は、塗
膜面に対して略平行に配列した。
【0033】光拡散層4は、光反射層3の表面に形成し
たポリウレタン樹脂3b(アクリルポリオール、塩化ビ
ニル酢酸ビニル共重合体及びヘキサメチレンジイソシア
ネートの混合物)の透明層からなる。光拡散層4は、カ
ーボンブラックにより構成される無彩色の顔料4aを
0.7重量%含有するとともに、平均粒径が4μmであ
って全粒子のうちの70%が3μm以上7μm以下の範
囲に含まれる方解石微結晶粒子4bを20重量%含有す
る。また、光拡散層4には、平均粒径3.3μm、粒径
分布範囲が±2×標準偏差=0.2μm、形状が球状の
マイクロシリカ6が透明樹脂100部に対して10部添
加されている。光拡散層4は、グラビアロールコート法
により厚さ10μm形成した。方解石微結晶粒子4b
は、図3に示すように、光拡散層4中において略ランダ
ムに配向した。このようにして、本発明の実施例1にお
ける反射型映写スクリーン1が形成された。
【0034】(実施例2)実施例1と同様の方法によ
り、透明樹脂100部に対して15部の実施例1のマイ
クロシリカ6を光反射層3のみに添加し、本発明の実施
例2における反射型映写スクリーン10が形成された。
【0035】(実施例3)実施例1と同様の方法によ
り、実施例1のマイクロシリカ6を光拡散層4に8部添
加するとともに、このマイクロシリカ1を光反射層3に
2部添加し、本発明の実施例3における反射型映写スク
リーン100が形成された。
【0036】(比較例1)マイクロシリカ6を光拡散層
4に添加せずに、その代わり光拡散層4の方解石微結晶
粒子4bを35重量%に増加した構成の反射型映写スク
リーンが、実施例1と同様の方法により、比較例1とし
て形成された。その他は、実施例1と同様の構成とし
た。
【0037】(比較例2)実施例1からマイクロシリカ
6を光拡散層4から除いた反射型映写スクリーンが、実
施例1と同様の方法により、比較例2として形成され
た。その他は、実施例1と同様の構成とした。
【0038】これらの実施例及び比較例について、スク
リーンゲイン(反射輝度)及び視野角が下記の試験条件
によりそれぞれ測定された。 (スクリーンゲイン)反射型映写スクリーンの映写面
に、映写機から全面白ベタの画像を投影し、映写面中央
の輝度(cd/m2 )と照度(lx)とが測定された。
スクリーンゲイン=π×(輝度/照度)の式によって、
この測定値からスクリーンゲインが算出された。なお、
映写機とスクリーンとの間の距離は、2mとし、映写光
の拡り角は、水平方向に対して上下方向及び左右方向と
もに30°とした。
【0039】(視野角)スクリーンゲイン測定と同様の
条件にて、スクリーンに白ベタ画像が投影され、スクリ
ーンの中心から立てた法線に対して、−60°〜+60
°の角度範囲で水平方向に輝度計が走査された。輝度の
角度依頼性(配向特性)が測定され、この法線方向の輝
度の1/2以上を有する角度範囲(半値角)が評価され
た。以上の結果は、表1にまとめて示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、実施例1から実施例3
の反射型映写スクリーン1,10,100によれば、比
較例1及び比較例2に比べて、スクリーンゲインの低下
を防ぐことができるとともに、視野角を広げることがで
きた。
【0042】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1記
載の発明によれば、光反射層及び/又は光拡散層には、
マイクロシリカが分散されているので、スクリーンゲイ
ンが低下せずに、視野角を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る反射型映写スクリ
ーンを模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る反射型映写スクリ
ーンにおける鱗片状箔片を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る反射型映写スクリ
ーンを模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る反射型映写スクリ
ーンを模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る反射型映写スクリ
ーンを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,10,100 反射型映写スクリーン 2 基材 3 光反射層 3a 光反射性物質からなる鱗片状箔片 3b 透明樹脂 3c 平板面 4 光拡散層 4a 無彩色顔料又は染料 4b 方解石微結晶粒子 4c 透明樹脂 5 映写光入射面及び画像観察面 6 マイクロシリカ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状又はシート状の基材と、 前記基材の表面に設けられ、光反射性物質の鱗片状箔片
    が分散された透明樹脂からなり、光を反射する光反射層
    と、 前記光反射層の表面に設けられ、方解石微結晶粒子と無
    彩色の染料又は顔料とが分散された透明樹脂からなり、
    光を拡散する光拡散層とを含み、 前記光拡散層の表面は、映写光を入射するとともに反射
    画像を観察する映写光入射面及び画像観察面であり、 前記光反射層及び/又は前記光拡散層には、マイクロシ
    リカが分散されていること、 を特徴とする反射型映写スクリーン。
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