JP2003287819A - 背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ - Google Patents

背面投射型スクリーンおよび背面投射型ディスプレイ

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JP2003287819A
JP2003287819A JP2002092469A JP2002092469A JP2003287819A JP 2003287819 A JP2003287819 A JP 2003287819A JP 2002092469 A JP2002092469 A JP 2002092469A JP 2002092469 A JP2002092469 A JP 2002092469A JP 2003287819 A JP2003287819 A JP 2003287819A
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light diffusing
screen
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Application number
JP2002092469A
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Inventor
Hiroshi Yamaguchi
博史 山口
Kenichi Ikeda
健一 池田
Katsuichi Kaneko
勝一 金子
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Nippon Kayaku Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面内の特性の均一性が高く、大きな視野角
が得られ、安定にかつ歩留まり高く生産可能な背面投射
型スクリーンを提供する。 【解決手段】 投射レンズ側から、フレネルレンズシー
ト、レンチキュラレンズシート92、及び光拡散シート
93を備える。光拡散シート93は、透明基材フィルム
932上に、透明材料からなるバインダ中にバインダ材
料とは屈折率の異なる材料からなる1種類以上の光拡散
微粒子を分散した光拡散層931を備える。光拡散層9
31の厚みt、i番目の光拡散微粒子の平均粒径di、
i番目の光拡散微粒子の総体積Aiが下記式(1)およ
び式(2)を満足する。 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0
(1) t≧20μm
(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型スクリ
ーンおよびそれを用いた背面投射型ディスプレイに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年TV受像機を中心に大画面に対する
ニーズが高まっており、大画面表示に適した装置として
背面投射型ディスプレイが注目されている。背面投射型
ディスプレイとしては画像源としてCRTを用いるのが
一般的である。更に、より軽量・コンパクトを実現する
ために、液晶などの空間変調素子を用いる方式も提案さ
れており注目されている。
【0003】まず、画像源としてCRTを用いる方式に
ついて説明する。
【0004】この方式は3つのCRT(投射管)を用い
ることから3管式と呼ばれる。その基本構成を模式的に
図7に示す。
【0005】水平方向に配置された3原色の単色CRT
1R、1G、1Bにそれぞれ形成された単色の画像をそ
れぞれに対応する投射レンズ2R、2G、2Bによって
焦点面で重畳するように拡大投射する。焦点面にはスク
リーン3が設置されており、重畳されたカラー画像を投
射レンズ2R、2G、2Bとは反対側(観察側)で観察
する。ここで添え字R、G、Bはそれぞれ赤、緑、青に
対応することを示す。
【0006】結像面に設置されるスクリーン3には、図
のように中心部から周辺部に向かって発散的で、部分的
には極めて指向性鋭い光が入射する。また、各部に入射
する光の入射角は赤、緑、青の各色光で異なる角度を持
っている。
【0007】スクリーン3はこの様な投射光を適切に配
光して良好な画像認識を可能にする働きをする。
【0008】スクリーン3として単純な拡散板を用いて
も最低限の画像観察は可能である。しかしながら、投射
光は前述のように発散的に入射するので周辺部は外向き
の指向性を有することになり、スクリーンを正面(法線
方向)から観察した場合には中心部輝度に比べて周辺部
輝度が極端に暗くなり、斜めから観察した場合には近い
方の端部は明るく遠い方の端部は極端に暗くなる等、画
面の明るさに顕著な不均一を生じる。
【0009】この様な不均一性を排除するために、拡散
手段より投射側(CRT側)にフレネルレンズシート3
1を配置するのが一般的である。
【0010】フレネルレンズシート31は、投射レンズ
2からスクリーン3に発散的に入射する投射光を略平行
光に変換する働きをする。この作用によって緑の投射光
はスクリーン面に垂直な平行光に変換されるが、青およ
び赤の投射光は水平面内で緑光線に対して一定の角度を
有する平行光に変換される。
【0011】このような状態で投射光を単純に拡散する
と、緑の投射光がスクリーン面の法線に対して対称に出
射されるのに対し、赤および青の投射光は該法線に対し
て非対称に出射される。この結果、見る方向によって色
変わりを生じる。この現象はカラーシフトと呼ばれ画像
品位の低下をもたらす。
【0012】指向性が鋭い投射光を拡散して様々な角度
から観察可能にするとともに前記カラーシフトを低減す
るために、「BSペアレンチ」と呼ばれる特殊な構造を
持ったレンチキュラレンズシート32が用いられてい
る。その機能を図8を用いて説明する。
【0013】図8はレンチキュラレンズシート32の水
平方向部分断面図であり、緑の投射光の光線軌跡を実線
で、赤の投射光の光線軌跡を破線で示している。なお、
図面を簡略化するために、青の投射光の光線軌跡は図示
を省略している。
【0014】図のように入射側レンチキュラレンズ32
1と出射側レンチキュラレンズ322とを光軸を共有す
るようにペアで配置することによって、斜めに入射する
赤光線の出射角度を補正して緑光線と同様にスクリーン
法線に対して対称な拡散を実現し前記カラーシフトを低
減する。
【0015】また、各出射側レンチキュラレンズ322
は、対応する入射側レンチキュラレンズ321のほぼ集
光位置に配置されているので、入射側レンチキュラレン
ズ321の集光作用によって、出射面での光の透過部分
が限定される。このため、出射面の隣り合う出射側レン
チキュラレンズ322の間に光不透過部が形成される。
従って、隣り合う出射側レンチキュラレンズ322の間
に略台形状の断面形状を有するランド部324を形成
し、その頂面に光吸収層323を設けることが可能にな
る。この光吸収層323は黒色で上下方向にストライプ
状に形成されるためブラックストライプ、あるいは略し
てBSと呼ばれる。光吸収層323は、明るい環境下で
のスクリーンによる外光の拡散反射を大きく低減してコ
ントラスト劣化を低減する効果を発揮する。
【0016】なお、レンチキュラレンズ321,322
は垂直方向を長手方向として形成されており、レンチキ
ュラレンズ321,322による屈折は水平方向にのみ
作用し垂直方向の拡散に寄与しないが、その内部に基材
とは異なる屈折率を有する材料からなる光拡散微粒子を
分散させて垂直方向にも光を拡散させるのが一般的であ
る。
【0017】レンチキュラレンズシート32の基材とし
ては、通常、屈折率約1.49のPMMAあるいは屈折
率1.52程度のMS樹脂(スチレンとMMAとの重合
体)が用いられ、光拡散微粒子としては屈折率が基材よ
りも0.02〜0.07程度大きなMS樹脂よりなる真
球状のビーズを用いるのが一般的である。
【0018】上記基材および光拡散微粒子に用いるMS
樹脂材料の屈折率は、MMAおよびスチレンの配合比率
の調整で行う。MMAの屈折率は約1.49、スチレン
の屈折率は約1.59なので基材及び拡散微粒子の屈折
率は1.49から1.59の範囲で調整可能である。
【0019】更に、図9に示す背面投射型スクリーン7
のように、レンチキュラレンズシート32の内部には光
拡散微粒子を分散せずに透明とし、光拡散シート73を
その観察側に配置する構成がより有効である。この様に
構成すると、レンチキュラレンズシート32の内部で拡
散されブラックストライプに入射することによる光損失
が低減され、効率を向上するとともに、カラーシフトを
低減することが可能になる。
【0020】このように構成することにより、フレネル
レンズシート31によってほぼ平行光に変換された投射
光は、水平方向にはレンチキュラレンズの屈折作用と光
拡散微粒子の相乗作用によって相対的に広い範囲に拡散
され、垂直方向には光拡散微粒子の作用のみによって相
対的に狭い範囲に拡散され、異方拡散が実現される。
【0021】次に液晶パネル等による光変調を利用する
装置、特にそこで用いられる透過型スクリ−ンについて
説明する。図10にその基本構成を模式的に示す。
【0022】ランプ4から出射した光を液晶パネル5に
よって空間変調して形成した画像を投射レンズ6によっ
てスクリーン8に拡大投射する。なお、実際の装置にお
いては、カラー表示を実現するために3枚の液晶パネル
を用いるのが一般的であり、その場合ランプ4からの光
を赤、緑、青の成分に分解する色分解光学系、3枚の液
晶パネルを透過した画像を合成する色合成光学系等を有
し複雑な構造となるがここではそれらを割愛している。
【0023】また、空間変調を用いる同種の装置として
は、変調素子として反射型の液晶素子を用いるもの、更
には角度を可変できる多数の微細なミラーを配置した素
子を用いる方式などがある。
【0024】この様な方式の場合でも、投射光はスクリ
ーン8に対して発散的に入射する点は前述の3管式と同
様であり、これを収束するためにフレネルレンズシート
81が用いられる。
【0025】一方、本方式では一般的に投射レンズ6の
前で色合成を行なった後一本の投射レンズ6で拡大投射
するので、前述の3管式の場合の様なカラーシフトは発
生しない。従って、レンチキュラレンズシートとして、
図7、図8に示したような入射側と出射側とにレンチキ
ュラレンズを備えた構造が不要になる。一方、投射像が
多数の画素から構成されるのでモアレの発生を回避する
ために、レンチキュラレンズのピッチが微細であること
が必要になる。
【0026】上記単レンズ構成という特徴を利用して、
微細ピッチを実現するために、積層型のレンチキュラレ
ンズシートが開発されている。
【0027】積層レンチキュラレンズシートは、BS
(ブラックストライプ)付きレンチキュラレンズフィル
ム82と、光拡散シート83が積層された構造を有す
る。BS付きレンチキュラレンズフィルム82は、その
入射面に垂直方向を長手方向とするレンチキュラレンズ
が多数配列形成されたレンチキュラレンズアレイを有
し、出射面は平坦で、その厚みは各レンチキュラレンズ
の焦点距離とほぼ等しい。こうすることによって、出射
面上で投射光を焦点付近に集中させて、垂直方向を長手
方向とするストライプ状の光不透過部を形成する。そし
て、その光不透過部にストライプ状の光吸収層(ブラッ
クストライプ:BS)が形成されている。光拡散シート
83は、光拡散層とクリア層とが一体的に形成されてな
る。レンチキュラレンズフィルム82の出射面と光拡散
シート83の光拡散層の側の面とをそれぞれ接合面とし
て、レンチキュラレンズフィルム82と光拡散シート8
3とが透明接着剤あるいは透明粘着材で積層される。
【0028】レンチキュラレンズフィルム82に形成さ
れるレンチキュラレンズの配列ピッチPlは画素とのモ
アレを軽減し、高い解像力を得るために極力小さいこと
が望ましい。ピッチを細かくすると、これに対応して、
出射面の光不透過領域に正確に光吸収層を形成する必要
がある。現在ではレンチキュラレンズによる集光機能を
利用して選択露光して光吸収層を形成する方法が開発さ
れ、0.2mm程度以下のファインピッチが実現されて
いる。この場合レンチキュラレンズフィルム82に求め
られる拡散角を実現するとともに、出射面に光を集光す
るために、その厚みtlは0.3mm以下である必要が
ある。
【0029】上記図9のレンチキュラレンズシート32
の観察側に設置される光拡散シート73、及び図10の
積層型レンチキュラレンズシートにおいてレンチキュラ
レンズフィルム82と積層される拡散シ−ト83の形態
として代表的なものに、二層押出しシートおよび印刷シ
ートがある。
【0030】二層押出しシートは二層押出し法と呼ばれ
る2つの押出し機を用いた押出し成形法によって形成さ
れる(特許第2790032号)。一方の押出し機から
はPMMAあるいはMSなどの透明材料のみを押出し、
他方の押出し機からは前記基材となる透明材料中にその
屈折率より僅かに大きな屈折率を有する光拡散微粒子を
分散した材料を押出し、ダイの中で重ね合わせた後幅方
向に広げ、更に対向する2つのロールに通すことによっ
て所定の厚みを得ると共に表面状態を整える。この場
合、光拡散は光拡散層における基材と光拡散微粒子との
屈折率差に基づき、その界面における屈折作用によって
実現される。
【0031】上記によって光拡散層と透明層とが一体化
された光拡散シートを得ることが出来る。その厚みは2
mm程度が一般的であり、光拡散層の厚みは0.1〜
0.2mm程度、透明層の厚みは1.9〜1.8mm程
度とされる。
【0032】更に、特願平12−261680号では基
材と光拡散微粒子との屈折率差Δnと光拡散微粒子の平
均粒径dとの積Δn×dを0.5μm〜0.9μm、よ
り好ましくは0.6〜0.8μmに設定することによ
り、拡散特性の波長依存性を低減する技術が開示されて
いる。
【0033】一方、印刷シートは、透明基材の一方の面
に粒径数μmの球状透明微粒子を分散した透明インクを
塗布後乾燥し、表面に微細な凹凸を形成したものである
(特開平7−248537号公報)。この場合、光拡散
は表面凹凸と空気との界面での屈折作用によって実現さ
れる。
【0034】この印刷シートでは、透明基材としてフィ
ルム状の薄いものを使用することも可能である。
【0035】また、相対的に粒径の大きな微粒子と相対
的に粒径の小さな微粒子の2種を用いて塗布厚みを大き
くして乾燥後で厚さ15μm程度の層を形成し、主とし
て大粒径微粒子による表面凹凸に基づく拡散と、主とし
て小粒径微粒子による内部での屈折率差に基づく拡散と
を併用する光拡散シートも提案されている(特開平10
−268428号公報)。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に光拡散シー
トして二層押出しシートあるいは印刷シートを用いてス
クリーンを構成することにより、背面投射型ディスプレ
イとしての機能を発揮することが出来るが、いずれの光
拡散シートを用いてもいくつかの問題点があった。
【0037】まず、二層押出しシートを用いた場合、前
述の様にダイから押出された溶融樹脂を対向して設けら
れた二つの平滑なロールの間を通すことによって全体の
厚みを均一性高く仕上げることが可能になるが、ダイの
内部で透明層および光拡散層に対応する材料を重ね合わ
せる際に、相対的な厚み分布を生じやすいという問題が
あった。
【0038】例えば、光拡散層厚みを0.1mm、透明
層厚みを1.9mmとして全体厚みを2mmに設定した
とき、全体厚みはほぼ一定でも各層の厚みにそれぞれ1
0μmのバラツキが生じた場合、透明層の厚み分布割合
は約0.5%に過ぎないが、光拡散層の厚み分布割合は
10%にもなる。
【0039】光拡散層の拡散能力はその厚みにほぼ比例
するので、厚みのバラツキはそのままスクリーンの特性
不均一となり、上記二層押出しシートは特性の均一性に
おいて限界があった。
【0040】また、上記の10μm程度の厚みのバラツ
キを抑えるために微妙な調整を行う必要が有り、その調
整のために多大な時間を費やすと共に、経時的に厚みの
均一性を保つことが困難で歩留まりが低下しやすい。
【0041】更に、二層押出しシートの場合、安定に生
産するためには全体厚みが1mm程度以上である必要が
ある。このような厚いフィルムはロール状に巻き取るこ
とが困難で、所定の長さに裁断した毎葉品として扱う必
要がある。
【0042】また、図10に示したような積層型レンチ
キュラレンズシートを構成する場合、当然レンチキュラ
レンズフィルム82と光拡散シート83との積層工程が
必要になる。レンチキュラレンズフィルム82は薄いフ
ィルム状に形成することが可能で紙管に巻き取ったロー
ル状での供給が可能である。一方、光拡散シート83は
上記の通り毎葉品である。従って、両者の積層工程の生
産性が悪い。また、光拡散シート83を切断する際の切
りくずが付着して積層工程での不良が生じやすく、高い
歩留まりが得られないとう課題があった。
【0043】一方、印刷シートを用いた場合、比較的均
一な拡散特性が得られ、薄いフィルム状であるためロー
ル状に巻き取ることが可能である。従って、レンチキュ
ラレンズフィルムと積層する場合、ロール・ツゥ・ロー
ルの積層工程(ロール状態から巻き出して、積層後、ロ
ール状態に巻き取る)を採用でき、高い生産性で歩留ま
り高く積層することが出来る。
【0044】しかしながら、印刷により表面に凹凸を形
成して光を拡散させる印刷シートの場合は別の課題が発
生する。
【0045】印刷シートにおける表面凹凸の状態(これ
は拡散特性に影響を及ぼす)は印刷の際の透明インクの
粘度の影響を強く受ける。このため、短時間内での均一
性は高いものの、長時間の生産において粘度を厳密に管
理するのが困難で特性の安定性に課題がある。
【0046】また、印刷シートでは表面凹凸の空気界面
での屈折作用によって拡散機能が得られるため、図10
に示したような積層レンチキュラレンズシートに用いる
場合、凹凸面側で透明材料を介してレンチキュラレンズ
フィルム82と接合すると拡散機能を喪失する。従っ
て、凹凸面が出射面側、即ち観察側として、凹凸面側に
空気界面を確保する必要がある。
【0047】ところが、凹凸面を出射面側とした場合、
拡散角を大きく取れないという問題がある。また、出射
面側に凹凸面があると外光が拡散反射される。この様な
拡散反射の大きな層を観察側に配置すると、ディスプレ
イとして画像表示したとき、本来黒くあるべき部分が白
っぽくなりコントラストを損なうため背面投射型スクリ
ーンとして好ましくない。
【0048】また、凹凸面に反射防止フィルムなどを更
に積層して性能を向上するような手段を用いることが出
来ない。前述の様に積層によって拡散機能を喪失するか
らである。
【0049】大小2種類の微粒子を用いて内部拡散と表
面凹凸による拡散とを併用した上記の印刷シートでも、
このような問題は、若干緩和されるものの同様に生じ
る。
【0050】以上のスクリーンを構成する光拡散シート
として、二層押出しシート及び印刷シートを用いた場合
のそれぞれの課題をまとめると以下の様になる。
【0051】1.二層押出しシート 光拡散層の厚みのバラツキにより拡散特性の均一性に
限界がある。 積層工程の生産性が悪く、高い歩留まりが得られにく
い。
【0052】2.印刷シート 特性が安定したシートを経時的に生産するのが困難。 拡散角を大きく取れない。 外光によってコントラストが著しく低下する。 反射防止フィルムなどの機能フィルムを更に積層して
性能向上することが出来ない。
【0053】本発明は、上記の問題を解決し、画面内の
特性の均一性が高く、大きな視野角が得られ、安定にか
つ歩留まり高く生産可能な背面投射型スクリーンを提供
することを目的とする。また、本発明は、画面内におい
て均一な画像を表示でき、視野角が大きな背面投射型デ
ィスプレイを提供することを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために以下の構成とする。
【0055】本発明の第1の背面投射型スクリーンは、
水平方向に配置された3原色に対応した3つのCRTに
形成した画像をそれぞれのCRTに対応する3つの投射
レンズを用いて一方の面上に重畳するように投射し、他
方の面より前記重畳された画像を観察するための背面投
射型スクリーンであって、前記投射レンズからの投射光
を略平行光に変換する第1のスクリーン要素と、前記投
射レンズ側の面に垂直方向を長手方向として配列された
複数の入射側レンチキュラレンズを有し、観察側の面の
前記入射側レンチキュラレンズの各集光位置に前記入射
側レンチキュラレンズと一対一に対応して設けられた複
数の出射側レンチキュラレンズを有し、前記略平行光を
水平方向に拡散するとともに前記3原色に対応する光線
の指向性を揃える第2のスクリーン要素と、前記水平方
向に拡散された光を等方に拡散する第3のスクリーン要
素とを含み、前記第3のスクリーン要素は、透明基材フ
ィルムと、透明材料からなるバインダ中に前記バインダ
材料とは屈折率の異なる材料からなる1種類以上の光拡
散微粒子を分散した光拡散層とを備えた光拡散シートを
含み、前記光拡散層の厚みt、前記1種類以上の光拡散
微粒子のi番目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光
拡散層の単位体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒
子の総体積(光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式
(1)および式(2)を満足することを特徴とする。
【0056】 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2)
【0057】本発明の第2の背面投射型スクリーンは、
空間変調素子により形成された画像を投射レンズを用い
て一方の面上に投射し、他方の面より前記画像を観察す
るための背面投射型スクリーンであって、前記投射レン
ズからの投射光を略平行光に変換する第1のスクリーン
要素と、前記投射レンズ側の面に垂直方向を長手方向と
して配列された複数のレンチキュラレンズを有し、観察
側の面は平坦でその光不透過部に光吸収層を有し、前記
略平行光を水平方向に拡散する第2のスクリーン要素
と、前記水平方向に拡散された光を等方に拡散する第3
のスクリーン要素とを含み、前記第3のスクリーン要素
は、透明基材フィルムと、透明材料からなるバインダ中
に前記バインダ材料とは屈折率の異なる材料からなる1
種類以上の光拡散微粒子を分散した光拡散層とを備えた
光拡散シートを含み、前記光拡散層の厚みt、前記1種
類以上の光拡散微粒子のi番目の光拡散微粒子の平均粒
径di、前記光拡散層の単位体積中に含まれる前記i番
目の光拡散微粒子の総体積(光拡散微粒子の体積濃度)
Aiが下記式(1)および式(2)を満足し、前記第2
のスクリーン要素と前記第3のスクリーン要素とは、前
記第2のスクリーン要素の前記光吸収層を設けた面を接
合面として透明材料を介して接合されていることを特徴
とする。
【0058】 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2)
【0059】本発明の第3の背面投射型スクリーンは、
空間変調素子により形成された画像を投射レンズを用い
て一方の面上に投射し、他方の面より前記画像を観察す
るための背面投射型スクリーンであって、前記投射レン
ズからの投射光を略平行光に変換する第1のスクリーン
要素と、前記略平行光を拡散する第2のスクリーン要素
とを含み、前記第2のスクリーン要素は厚み0.3mm
以下の複数のフィルム状要素が厚み0.5mm以上にな
るように積層されたシートであることを特徴とする。
【0060】これら第1〜第3の背面投射型スクリーン
によれば、シースルーが軽微で画面内の表示品位の均一
性に優れ、大きな視野角を有し、高品位な画像表示を実
現できる。また、このような背面投射型スクリーンを、
安定して歩留まり高く生産することができる。
【0061】次に、本発明の第1の背面投射型ディスプ
レイは、水平方向に配置され、3原色に対応した単色の
画像をそれぞれ形成する3つのCRTと、前記3つのC
RTにそれぞれ対応し、前記CRTの画像を1つの焦点
面に重畳するように投射する3つの投射レンズと、前記
焦点面に設置され、前記重畳された画像を前記投射レン
ズとは反対側の面から観察するための背面投射型スクリ
ーンとを備え、前記背面投射型スクリーンが上記第1の
背面投射型スクリーンであることを特徴とする。
【0062】また、本発明の第2の背面投射型ディスプ
レイは、光源と、前記光源からの光を空間変調して画像
を形成する空間変調素子と、前記画像を投射する投射レ
ンズと、前記投射レンズの焦点面に設置され、前記投射
された画像を前記投射レンズとは反対側の面から観察す
るための背面投射型スクリーンとを備え、前記背面投射
型スクリーンが上記第2又は第3の背面投射型スクリー
ンであることを特徴とする。
【0063】これら第1及び第2の背面投射型ディスプ
レイによれば、シースルーが軽微で画面内の表示品位の
均一性に優れ、大きな視野角を有し、高品位な画像表示
を実現できる。
【0064】
【発明の実施の形態】本発明者らは検討の結果、特定の
条件を満足することによって、表面凹凸に依存しない適
切な等方拡散機能を全面に渡って均一に得られるフィル
ム状の光拡散シートを実現でき、この光拡散シートを用
いて特性均一性に優れ生産性および歩留まりの高い背面
投射型スクリーンを実現できることを見出した。
【0065】その条件は、入射光線が光拡散微粒子に衝
突する平均回数(以下、平均衝突回数)という概念によ
って規定される。以下、光拡散層の配合パラメータであ
る光拡散微粒子の平均粒径d(半径r)、光拡散微粒子
の配合体積濃度(光拡散層の単位体積中の光拡散微粒子
の体積の総量)A、および光拡散層の厚みtを用いて以
下のように導出される。
【0066】 ・光拡散微粒子の体積 : V0=4/3*π*r3 ・光拡散微粒子の投影面積 : S0=π*r2 ・体積当たりの投影面積 : K=S0/V0=3/4
/r ・光拡散層の体積 : Vd=Sd*t (Sdは光拡
散層の表面積) ・光拡散微粒子の総体積 : Vb=Vd*A=Sd*
t*A (Aは光拡散微粒子の体積濃度) ・光拡散微粒子の総投影面積 : Sb=Vd*K=S
d*t*A*3/4/r ・光拡散層の表面積当たりの光拡散微粒子の投影面積
: X=Sb/Sd =3/4*A*t/r =3/2*A*t/d (dは光拡散微粒子の粒径:d
=2r)
【0067】即ち、光拡散層の法線方向からみた光拡散
微粒子の総投影面積は光拡散層の表面積のX倍(1.5
*A*t/d倍)になる。
【0068】このXは光拡散層の法線に平行な直線が光
拡散層を貫いたときの光拡散微粒子に対する平均交差回
数、即ち入射光線の光拡散微粒子への平均衝突回数にな
ると考えられる。
【0069】以上で平均衝突回数が導出された。拡散は
光拡散微粒子と基材(バインダ材料)との界面での屈折
作用によって生じると考えられるので上記衝突回数Xが
大きいほど大きな拡散を示す。
【0070】また、上記屈折作用は光拡散微粒子と基材
との屈折率差にほぼ比例して大きくなるので、この屈折
率差Δnも拡散特性に影響するパラメータになる。
【0071】したがって、上記平均衝突回数が小さくて
もΔnを大きくとれば、大きな拡散特性を実現できる。
【0072】ここで、拡散作用の大小を表現するものと
して、ヘイズ値があるが、背面投射型スクリーンのよう
な比較的大きな拡散を表す指標としては必ずしも適切で
ない。背面投射型スクリーンでは、試料面に垂直に平行
光を照射してその透過拡散光を照射方向(法線方向)を
基準として角度を変えながら輝度計で測定した拡散パタ
ーン、およびその拡散パターンから得られる、計測輝度
が照射方向での輝度を基準として1/2に減衰するとき
の法線に対する角度(α角)、1/3に減衰するときの
法線に対する角度(β角)、1/10に減衰するときの
法線に対する角度(γ角)で表現するのが一般的であ
る。以下この拡散パターン、特にβ値を拡散特性の指標
として用いる。
【0073】本発明者らは、上記拡散に寄与するパラメ
ータを種々に組み合わせて比較、評価した結果、屈折率
差Δnを大きくとって前記衝突回数を小さく設定した場
合、スクリーンの法線に対して大きな角度で入射する光
線は適切に拡散されるものの、該法線方向(スクリーン
への平行光の照射方向)に入射する光線の拡散が不十分
で、正面からスクリーンを見たときに光源が透けて見え
るような現象、いわゆるシースルーが発生しやすいとい
う結果を得た。
【0074】具体的には、平均衝突回数が1以下の場
合、光拡散微粒子による拡散を受けずに光拡散層を透過
する光成分が必ず発生する。平均衝突回数が1以上の場
合でも1近傍では拡散が不足であり、前記シースルーが
発生する。前記種種の試作サンプルの検討の結果、平均
衝突回数が2以上の場合、シースルーの発生が軽微ある
いは無くなるという結論を得た。即ち、以下の式を満た
すように設定することによりシースルーを実用レベルに
することができる。
【0075】X=1.5×A*t/d≧2 このとき、体積濃度Aは0.4(40%)程度までが適
切であり、これ以上に設定すると扱いにくくなり、ま
た、良好な表面状態が得難い。また、光拡散微粒子の平
均粒径dは小さいほど平均衝突回数を大きく出来るが、
小さすぎると拡散特性に波長依存性が生じやすい。
【0076】前述したように拡散特性の波長依存性を低
減するためにはバインダと光拡散微粒子との屈折率差Δ
nと光拡散微粒子の平均粒径dとの積Δn×dは0.6
μm〜0.8μmが適切である。バインダとして一般的
なアクリル系樹脂を用い、光拡散微粒子として一般的な
MMA、スチレン、またはこれらの重合体であるMS樹
脂を用いる場合、上記屈折率差Δnの上限は0.1であ
る。従って、前述の拡散の波長依存性を低減するために
は光拡散微粒子の平均粒径dは6μm程度以上が必要に
なる。
【0077】上記から、光拡散層の厚みtの下限値は以
下の様に算出される。 1.5×0.4×t/6μm>2 t>20μm 従来の印刷シートでは上記条件を満足していなかったた
め、光拡散微粒子と基材との界面での拡散が不十分であ
り、表面凹凸による拡散が必要であったと考えられる。
【0078】以下、上記観点から到達した本発明の実施
の形態について説明する。
【0079】(実施の形態1)図1は本発明の背面投射
型スクリーンの実施の形態を示す水平方向断面図であ
り、図2は該背面投射型スクリーンの要部拡大断面図で
ある。図1において、図7と同じ構成要素には同一の符
号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0080】本実施の形態のスクリーン9は、フレネル
レンズシート91、透明(拡散剤を含まない)レンチキ
ュラレンズシート92、および光拡散シート93によっ
て構成される。
【0081】フレネルレンズシート91及びレンチキュ
ラレンズシート92は、図7で説明したフレネルレンズ
シート31及びレンチキュラレンズシート32とそれぞ
れ実質的に同一の構成及び機能を有する。従って、これ
らについての詳細な説明を省略する。
【0082】レンチキュラレンズシート92と光拡散シ
ート93とは、レンチキュラレンズシート92の観察側
(出射側)の略台形状の断面形状を有するランド部92
2に設けた光吸収層921で透明接着剤94によって接
合されている。
【0083】光拡散シート93は、透明な基材フィルム
932と、その一方の面に積層された光拡散層931と
を有する。光拡散層931は、透明材料からなるバイン
ダ中に前記バインダ材料とは屈折率が異なる材料からな
る1種類以上の光拡散微粒子を分散して構成される。光
拡散層931の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子
のi番目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層
931の単位体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒
子の総体積(光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式
(1)および(2)を満足する様に設定されている。
【0084】 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2) この様に光拡散シート93を構成することにより、適切
な体積濃度A(40%以下)および平均粒径d(6μ程
度以上)を用いて、投射光の光拡散微粒子への平均衝突
回数を2回以上としてシースルーが軽微な優れた性能を
有する光拡散シートを実現できる。更に、光拡散シート
93の厚みを従来より薄くする(好ましくは0.3mm
以下)ことが可能で、これにより紙管に巻きつけること
が可能なフィルム状の光拡散シートを実現できる。
【0085】図9に示したような二層押出しシートから
なる光拡散シート73を用いた構成では、光拡散シート
73をレンチキュラレンズシート32より観察側に設置
していたが、本発明の光拡散シート93を用いた構成で
は、一般的なラミネート手法により、レンチキュラレン
ズシート92の観察側のランド部922に設けた光吸収
層921の部分で透明接着剤94によって接合すること
が出来る。
【0086】この様な構成で外光が入射した場合、光拡
散層931で拡散された外光はその一部が空気との界面
に到達する前に光吸収層(ブラックストライプ)921
によって吸収され、外光によるコントラスト低下を低減
することが出来る。また、部材の反りによってレンチキ
ュラレンズシート92と光拡散シート93との間に空隙
が生じて解像力が劣化することを防止することが出来
る。
【0087】光拡散シート93の製造方法として、既述
の印刷法を用いて表面に微細な凹凸を設ける方法を用い
ることも可能だが、印刷法では特性が安定しにくく、凹
凸による拡散反射が大きく明るい環境下でのコントラス
ト低下が著しいという問題がある。本発明の構成はこれ
を大きく改善することが出来る。
【0088】なお、上記実施の形態では光拡散シート9
3をレンチキュラレンズシート92の観察側のランド部
922の光吸収層921で接合したが、光拡散シート9
3を透明基板に張り合わせ、図9と同様にレンチキュラ
レンズシート92の観察側に単純に設置するだけでも良
い。
【0089】この場合、上述の外光によるコントラスト
低下を低減すると言う効果は失われるが、二層押出し板
を用いる場合に比べ、特性均一性が向上し、生産時の調
整工程を大幅に削減できると言う効果が発揮される。
【0090】(実施の形態2)図3は本発明の背面投射
型スクリーンの別の実施の形態を示す水平方向断面図で
あり、図4は該背面投射型スクリーンの要部拡大断面図
である。図3において、図10と同じ構成要素には同一
の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0091】本実施の形態のスクリーン10は、フレネ
ルレンズシート101、レンチキュラレンズシート10
2、光拡散シート103、および反射防止フィルム10
4によって構成される。
【0092】フレネルレンズシート101、レンチキュ
ラレンズシート102は、図10で説明したフレネルレ
ンズシート81及びレンチキュラレンズシート82とそ
れぞれ実質的に同一の構成及び機能を有する。従って、
これらについての詳細な説明を省略する。
【0093】レンチキュラレンズシート102の観察側
の面は平坦で、その光不透過部にストライプ状の光吸収
層1021が設けられている。レンチキュラレンズシー
ト102と光拡散シート103とは、レンチキュラレン
ズシート102の観察側の面に設けられた透明粘着層1
022によって接合されている。更に反射防止フィルム
104と光拡散シート103とは、反射防止フィルム1
04の投射レンズ側に設けられた透明粘着層1041に
よって接合されている。
【0094】レンチキュラレンズシート102は表示画
素との干渉によるモアレを防止するため0.2mm以下
のピッチで形成されたレンチキュラレンズを有してお
り、その厚みは0.3mm以下でフィルム状である。
【0095】光拡散シート103は、透明な基材フィル
ム1031と、その一方の面に積層された光拡散層10
32とを有する。光拡散層1032は、透明材料からな
るバインダ中に前記透明バインダ材料とは屈折率が異な
る材料からなる1種類以上の光拡散微粒子を分散して構
成される。光拡散層1032の厚みt、前記1種類以上
の光拡散微粒子のi番目の光拡散微粒子の平均粒径d
i、前記光拡散層1032の単位体積中に含まれる前記
i番目の光拡散微粒子の総体積(光拡散微粒子の体積濃
度)Aiが下記式(1)および(2)を満足する様に設
定されている。
【0096】 t×Σ(Ai/di)×1.5 ≧2.0 (1) t≧20μm (2) この様に光拡散シート103を構成することにより、適
切な体積濃度Aおよび平均粒径dを用いて、投射光の光
拡散微粒子への平均衝突回数を2回以上としてシースル
ーが軽微な優れた性能を有する光拡散シートを実現でき
る。更に、光拡散シート103の厚みを従来より薄くす
る(好ましくは0.3mm以下)ことが可能で、これに
より紙管に巻きつけることが可能なフィルム状の光拡散
シートを実現できる。
【0097】上記、光拡散シート103および反射防止
フィルム104の厚みはいずれも0.3mm以下である
ことが好ましい。そして、これらとレンチキュラレンズ
シート102とが積層された図4の積層シートの合計厚
みは0.5mm以上であることが好ましい。
【0098】各フィルム状要素の厚みが0.3mm以下
であるので、レンチキュラレンズシート102、光拡散
シート103および反射防止フィルム104をそれぞれ
紙管に巻きつけたロール状態で取り扱うことが可能にな
り、積層工程の生産性と歩留まりを向上することが可能
になる。またり積層シートの合計厚みが0.5mm以上
であるので、スクリーンとして必要な機械強度を実現で
きる。
【0099】それぞれの厚みが0.3mm以上になると
紙管に巻き付けた状態での取り扱いが困難になる。ま
た、合計厚みが0.5mm以下になると、スクリーンと
して設置した状態で平面を保つことが困難になる。
【0100】この厚み0.5mmという値は、3管式背
面投射型ディスプレイに一般的に用いられているレンチ
キュラレンズシートの厚み約1mmに比べると薄いが、
フィルム材料としてポリエチレンテレフタレート(PE
T)などの低吸湿性の材料を用い、これを延伸すること
によって機械強度を補強でき従来と同等の初期設置性を
実現し、環境変化(特に湿度変化)に対しても安定した
保持が可能になる。
【0101】なお、上記構成ではレンチキュラレンズシ
ート102、光拡散シート103、反射防止フィルム1
04の3枚の積層構造としたが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。例えば、反射防止フィルム104を
割愛しても良い。このとき、反射防止フィルム104が
ない状態で、積層されるフィルムの厚みがいずれも0.
3mm以下で、積層後の合計厚みが0.5mm以上とい
う条件を満たすことが好ましい。反射防止フィルム10
4を割愛しても、構成要素のそれぞれを薄いフィルムと
して取り扱うことにより生産性、歩留まりが向上できる
と共に、積層シートが設置可能な機械強度を備えるとい
う本発明の1つの目的は達せられる。
【0102】また、更に機械強度を補強して安定化する
ために、光拡散シート103を厚み2mm程度の透明基
材に更に張り合わせても良い。この場合、構成要素のそ
れぞれをフィルムとして取り扱うことにより生産性、歩
留まりが向上できるという効果は失われるが、二層押出
し板を用いる場合に比べ、特性均一性が向上し、生産時
の調整工程を大幅に削減できると言う効果が発揮され、
本発明の別の目的は達せられる。
【0103】上記の説明では画像形成素子として透過型
液晶パネル5を用いたが、本発明はこれに限定されな
い。これ以外に、例えば反射型液晶パネルや、微細ミラ
ーデバイスなどの空間変調素子を用いることができる。
【0104】また、上記の説明では観察側に反射防止フ
ィルム104が積層されていたが、これに代えて、一方
の表面に帯電防止処理、アンチグレア処理、防汚処理の
何れかの処理が施された表面処理フィルムが積層されて
いても良い。
【0105】(実施の形態3)図5は本発明の背面投射
型ディスプレイの実施の形態を模式的に示す斜視図であ
り、主要要素の配置が分かるように透視図としている。
【0106】CRT1B、1G、1Rに形成した3原色
の画像をそれぞれに対応する投射レンズ2B,2G,2
Rによって拡大投射する。ミラー11によって折り曲げ
られた3原色の投射光はスクリーン9上で重ね合わされ
てカラー画像として結像する。投射光はスクリーン9を
通過する際に拡散されるので、様々な角度からカラー画
像を観察できる。これらの要素はキャビネット12の内
部に配置され、装置内への外光の侵入を防止している。
【0107】スクリーン9は図1及び図2に示した実施
の形態1の背面投射型スクリーン9であり、その構成要
素である光拡散シート93は、透明な基材フィルムの一
方の面に、透明材料からなるバインダ中に前記バインダ
材料とは屈折率が異なる材料からなる1種類以上の光拡
散微粒子を分散した光拡散層を形成してなる。光拡散層
の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子のi番目の光
拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層の単位体積中
に含まれる前記i番目の光拡散微粒子の総体積(光拡散
微粒子の体積濃度)Aiが下記式(1)および(2)を
満足する様に設定されている。
【0108】 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2) この様に光拡散シート93を構成することにより、適切
な体積濃度Aおよび平均粒径dを用いて、投射光の光拡
散微粒子への平均衝突回数を2回以上としてシースルー
が軽微な優れた性能を画面全体にわたって均一に実現で
き、高い表示品位を得ることが出来る。
【0109】(実施の形態4)図6は本発明の背面投射
型ディスプレイの実施の形態を模式的に示す斜視図であ
り、主要要素の配置が分かるように透視図としている。
【0110】図6で13は光学エンジンであり、その内
部には光源となるランプ、照明光学系、色分解光学系、
液晶パネル、色合成光学系などが適切に配置されてい
る。ランプからの光は照明光学系を経て液晶パネルを照
明する。照明光は液晶パネルによって空間変調され画像
を形成する。その画像は投射レンズ6によって拡大投射
される。
【0111】ミラー11によって折り曲げられた投射光
はスクリーン3上で結像する。投射光はスクリーン11
を通過する際に拡散されるので、様々な角度からカラー
画像を観察できる。これらの要素はキャビネット12の
内部に配置され、装置内への外光の侵入を防止してい
る。
【0112】スクリーン10は図3及び図4に示した実
施の形態2の背面投射型スクリーン11であり、その構
成要素である光拡散シート103は、透明な基材フィル
ムの一方の面に、透明材料からなるバインダ中に前記バ
インダ材料とは屈折率が異なる材料からなる1種類以上
の光拡散微粒子を分散した光拡散層を形成してなる。光
拡散層の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子のi番
目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層の単位
体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒子の総体積
(光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式(1)および
(2)を満足する様に設定されている。
【0113】 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2) この様に光拡散シート103を構成することにより、適
切な体積濃度Aおよび平均粒径dを用いて、投射光の光
拡散微粒子への平均衝突回数を2回以上としてシースル
ーの軽微な優れた性能を画面全体にわたって均一に実現
でき、高い表示品位を得ることが出来る。
【0114】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。
【0115】(実施例1)有機溶媒中にアクリル系樹脂
(屈折率1.49)を溶解した塗液に、第1の光拡散微
粒子として平均粒径6.4μmのスチレン微粒子(屈折
率1.59)を、第2の光拡散微粒子として平均粒径
8.2μmのMS微粒子(屈折率1.525)を分散
し、厚み100μmのPET(ポリエチレンテレフタレ
ート)からなる透明基材フィルム上に塗布後乾燥して光
拡散層を形成し、光拡散シートを作成した。
【0116】乾燥後の光拡散層の厚みは40μm、第1
の光拡散微粒子の体積濃度は16%、第2の光拡散微粒
子の体積濃度は18%になるように調整している。
【0117】したがって、光拡散シートの合計厚みは1
40μm、光拡散層に分散された光拡散微粒子の合計体
積濃度は34%である。
【0118】上記設定で、第1および第2の光拡散微粒
子に対する平均衝突回数を前述の式(1)に基づきそれ
ぞれ算出すると、以下の通りとなる。 ・第1の微粒子:40×0.16/6.4×1.5=
1.50 ・第2の微粒子:40×0.18/8.2×1.5=
1.32 ・合計 :1.50+1.32=2.82 上記光拡散シートと、透明レンチキュラレンズシートと
を、光拡散シートの光拡散層側およびレンチキュラレン
ズシートの光吸収層が形成されたランド部を接合面とし
て張り合わせ、図1および図2の様に構成した。用いた
レンチキュラレンズシートはレンチキュラレンズのピッ
チが0.72mmで、厚み(入射側レンチキュラレンズ
頂点と出射側の光吸収層との間隔)は0.95mmであ
った。
【0119】図5に示す構成の3管式背面投射型ディス
プレイを用い、そのディスプレイに用いられているフレ
ネルレンズシートの観察側に上記光拡散シートおよびレ
ンチキュラレンズシートの積層シートを設置して、図1
のような光学系を構成して評価した。
【0120】その結果、光拡散シートとして従来の二層
押出しシートを用いた場合に比べ、外光に対するコント
ラスト低下が軽微で良好な画像表示を確認した。また、
シースルーの発生も認められなかった。
【0121】光拡散シートの拡散能力によってのみほぼ
決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3減衰角)で
約22°であった。
【0122】上記構成で、第1の光拡散微粒子と第2の
光拡散微粒子の平均衝突回数に大きな差はないが、バイ
ンダとの屈折率差が第1の光拡散微粒子の方が大きいの
で拡散能力としては、第1の光拡散微粒子が支配的とな
っている。この第1の光拡散微粒子のバインダとの屈折
率差Δnと平均粒径d1との積、Δn×d1は0.64
であり、前述の拡散特性の波長依存性を満たしている。
【0123】実際に装置に装着した状態で正面およびβ
角での色温度を測定したところ、その差は1400K程
度と軽微であった。
【0124】(実施例2)実施例1に用いた光拡散シー
トを用い、その光拡散層側を接合面として、厚み2mm
の透明アクリル基板に張り合わせた。図5に示す構成の
3管式背面投射型ディスプレイを用い、そのディスプレ
イに用いられているフレネルレンズシートの観察側に上
記積層シートと実施例1と同じレンチキュラレンズシー
トとを設置して、図1のような光学系を構成して評価し
た(但し、光拡散シートとレンチキュラレンズシートと
は接合されていない)。
【0125】その結果、外光に対するコントラストに関
しては、実施例1と比較すると劣り、従来の二層押出し
板を用いた場合と同等であったが、シースルーは軽微
で、良好な画像表示を確認した。スクリーン全面に渡る
特性の均一性は従来の二層押出し板を用いた場合より良
好で、光拡散シートの試作における調整時間も大幅に短
縮され、高い量産性を確認した。
【0126】光拡散シートの拡散能力によってのみほぼ
決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3減衰角)で
約20°であった。
【0127】このことから、実施例1では光拡散層の表
面の微細な凹凸が拡散に僅かに寄与しているが、拡散の
主体は光拡散層内部での光拡散微粒子と透明バインダと
の界面での屈折作用によっていることが分かる。
【0128】また、装置に装着した状態で正面およびβ
角での色温度を測定したところ、その差は1400K程
度と軽微であった。
【0129】粘度の低い透明インクに球状透明微粒子を
分散してスクリーン印刷にて塗布、乾燥して表面凹凸を
形成した従来の印刷シートを用いて上記の様に構成して
凹凸面と空気との界面を消失させると、拡散機能は失わ
れ、透明化した。
【0130】(実施例3)透明基材フィルムの厚みが2
50μmであること以外は実施例1と同様の光拡散シー
トを作成した。光拡散層の厚みは40μmなので、光拡
散シートの厚みは0.29mmである。この光拡散シー
トの一方の面に出射側の面が平坦なレンチキュラレンズ
シートを積層し、他方の面に反射防止フィルムと積層し
て、図3および図4に示したような積層シートを作成し
た。
【0131】用いたレンチキュラレンズシートはレンチ
キュラレンズのピッチが約0.15mmで、厚み(入射
側レンチキュラレンズ頂点と出射側平坦面との間隔)は
0.18mmである。レンチキュラレンズシートの平坦
面上に厚み20μmの粘着層を形成しているので、粘着
層を含めたレンチキュラレンズシートの厚みは約0.2
mmである。
【0132】反射防止フィルムは厚み125μmのPE
Tフィルムを基材として一方の面に、ハードコート層、
高屈折率層、低屈折率層を形成し、他方の面には厚み約
20μmの粘着層を形成した。従って、反射防止フィル
ムの合計厚みは約0.15mmである。
【0133】光拡散シートの光拡散層側に上記反射防止
フィルムを、基材フィルム側に上記レンチキュラレンズ
シートを、同時にラミネートして上記積層構造を実現し
た。積層シートは張り合わせ後、ロール状に巻き取らず
に、所定のサイズに裁断して毎葉品とした。積層シート
の合計厚みは0.64mmである。
【0134】上記により、光拡散シート、レンチキュラ
レンズシート、及び反射防止フィルムを積層工程の直前
までそれぞれを紙管に巻いたロール状態で取り扱うこと
が可能になり、生産性および歩留まりが大きく向上し
た。
【0135】図6に示す構成の背面投射型ディスプレイ
を用い、そのディスプレイに用いられているフレネルレ
ンズシートの観察側に上記積層シートを設置して図3の
ような光学系を構成して評価した。
【0136】その結果、シースルーが軽微で良好な画像
表示を確認した。
【0137】光拡散シートの拡散能力によってのみほぼ
決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3減衰角)で
約20°であった。
【0138】また、装置に装着した状態で正面およびβ
角での色温度を測定したところ、その差は1400K程
度と軽微であった。
【0139】(比較例1)有機溶媒中にアクリル系樹脂
(屈折率1.49)を溶解した塗液に、実施例で第1の
光拡散微粒子として用いた平均粒径6.4μmのスチレ
ン微粒子(屈折率1.59)のみを分散し、厚み250
μmのPETからなる透明基材フィルム上に塗布後乾燥
して光拡散層を形成し、光拡散シートを作成した。
【0140】乾燥後の光拡散層の厚みは40μm、光拡
散微粒子の体積濃度は20%になるように調整してい
る。
【0141】したがって、光拡散シートの合計厚みは2
90μm、光拡散層に分散された光拡散微粒子の合計体
積濃度は20%である。
【0142】上記設定で、第1および第2の光拡散微粒
子に対する平均衝突回数を前述の式(1)に基づきそれ
ぞれ算出すると、以下の通りとなる。 ・第1の微粒子:40×0.20/6.4×1.5=
1.88 ・第2の微粒子:なし ・合計 :1.88 上記光拡散シートに実施例3に用いたレンチキュラレン
ズシートおよび反射防止フィルムを、実施例3と同様に
積層して図4に示したような積層シートを作成した。
【0143】上記積層シートを用い実施例3と同様に背
面投射型ディスプレイを構成して画像評価を行った。
【0144】その結果、光拡散シートの拡散能力によっ
てのみほぼ決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3
減衰角)で約20°と実施例3と同等の充分な値であっ
た。また、正面及びβ角での色温度差は1400K程度
と軽微であった。しかしながら、強いシースルーが発生
し見苦しい画像となった。
【0145】この様に、本比較例1では実施例3と同じ
光拡散層の厚みで同等なβ値を得たが、顕著なシースル
ーを発生した。
【0146】(比較例2)乾燥後の光拡散層の厚みが1
5μmであること以外、実施例3と同様にして光拡散シ
ートを作成した。
【0147】この設定で、第1および第2の光拡散微粒
子に対する平均衝突回数を前述の式(1)に基づきそれ
ぞれ算出すると、以下の通りとなる。 ・第1の微粒子:15×0.16/6.4×1.5=
0.56 ・第2の微粒子:15×0.18/8.2×1.5=
0.49 ・合計 :0.56+0.49=1.05 上記光拡散シートに実施例3に用いたレンチキュラレン
ズシートおよび反射防止フィルムを、実施例3と同様に
積層して図4に示したような積層シートを作成した。
【0148】上記積層シートを用い実施例3と同様に背
面投射型ディスプレイを構成して画像評価を行った。
【0149】その結果、光拡散シートの拡散能力によっ
てのみほぼ決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3
減衰角)で約9°と不十分であり、更に強いシースルー
が発生し見苦しい画像となった。
【0150】この様に、本比較例2では実施例3と厚み
以外は同じ配合条件で光拡散層を形成したが視野角が不
足し、顕著なシースルーを発生した。
【0151】(比較例3)有機溶媒中にアクリル系樹脂
(屈折率1.49)を溶解した塗液に、平均粒径3.2
μmのMS微粒子(屈折率1.56)のみを分散し、厚
み250μmのPETからなる透明基材フィルム上に塗
布後乾燥して光拡散層を形成し、光拡散シートを作成し
た。
【0152】乾燥後の光拡散層の厚みは15μm、光拡
散微粒子の体積濃度は40%になるように調整してい
る。
【0153】上記設定で、光拡散微粒子に対する平均衝
突回数を前述の式(1)に基づき算出すると、以下の通
りとなる。 ・第1の微粒子:15×0.40/3.2×1.5=
2.81 ・第2の微粒子:なし ・合計 :2.81 上記光拡散シートに実施例3に用いたレンチキュラレン
ズシートおよび反射防止フィルムを、実施例3と同様に
積層して図4に示したような積層シートを作成した。
【0154】上記積層シートを用い実施例3と同様に背
面投射型ディスプレイを構成して画像評価を行った。
【0155】その結果、光拡散シートの拡散能力によっ
てのみほぼ決まる垂直視野角は前述のβ角(輝度1/3
減衰角)で約20°と実施例3と同等の充分な値であ
り、シースルーも認められなかった。しかしながら、正
面とβ角での色温度差は4000K程度と大きく、上方
から望んだ場合には画面の上半分がほぼ白く下半分が青
みを帯び、逆に下方から望んだ場合には画面の上半分が
青みを帯びるなど、色むらが顕著に発生し見苦しい映像
となった。
【0156】この様に、本比較例3では実施例3に対し
て光拡散層の厚みを薄くしながら実施例3と同等のβ値
を得、シースルーも認められなかったが、顕著な色むら
が発生した。
【0157】以上の実施例および比較例の設定条件およ
び評価結果を一覧表として表1に示す。
【0158】
【表1】
【0159】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の背面
投射型ディスプレイおよび背面投射型スクリーンによれ
ば、シースルーが軽微で画面内の表示品位の均一性に優
れ、大きな視野角を有し、高品位な画像表示を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る3管式背面投射型
ディスプレイ用背面投射型スクリーンの構成例を模式的
に示す水平方向断面図。
【図2】図1の背面投射型スクリーンの要部を示す断面
図。
【図3】本発明の実施の形態2に係る画像変調素子方式
背面投射型ディスプレイ用背面投射型スクリーンの構成
例を模式的に示す水平方向断面図。
【図4】図2の背面投射型スクリーンの要部を示す断面
図。
【図5】本発明の実施の形態3に係る3管式投射型ディ
スプレイの構成例を示す模式図。
【図6】本発明の実施の形態4に係る画像変調素子方式
背面投射型ディスプレイの構成例を示す模式図。
【図7】一般的な3管式背面投射型ディスプレイおよび
スクリーンの構成例を模式的に示す水平方向断面図。
【図8】従来のレンチキュラレンズシートの機能を説明
するための断面図。
【図9】一般的な3管式背面投射型ディスプレイおよび
スクリーンの別の構成例を模式的に示す水平方向断面
図。
【図10】一般的な画像変調素子方式の背面投射型ディ
スプレイおよびスクリーンの構成例を模式的に示す水平
方向断面図。
【符号の説明】
1B,1G,1R CRT 2B,2G,2R 投射レンズ 3 スクリーン 31 フレネルレンズシート 32 レンチキュラレンズシート 4 ランプ 5 液晶パネル 6 投射レンズ 9 スクリーン 91 フレネルレンズシート 92 レンチキュラレンズシート 921 光吸収層 922 ランド部 93 光拡散シート 931 光拡散層 932 基材フィルム 94 透明接着剤 10 スクリーン 101 フレネルレンズシート 102 レンチキュラレンズシート 1021 光吸収層 1022 透明粘着層 103 光拡散シート 1031 基材フィルム 1032 光拡散層 104 反射防止フィルム 1041 透明粘着層 11 ミラー 12 キャビネット 13 光学エンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/10 G03B 21/10 Z H04N 5/74 H04N 5/74 C F (72)発明者 池田 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 金子 勝一 東京都千代田区富士見一丁目11番2号 日 本化薬株式会社内 Fターム(参考) 2H021 BA23 BA27 BA28 BA29 2H042 BA02 BA12 BA19 2K103 AA01 AA06 AA17 AA25 BC24 BC25 BC41 CA01 5C058 BA31 EA01 EA32 EA35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に配置された3原色に対応した
    3つのCRTに形成した画像をそれぞれのCRTに対応
    する3つの投射レンズを用いて一方の面上に重畳するよ
    うに投射し、他方の面より前記重畳された画像を観察す
    るための背面投射型スクリーンであって、 前記投射レンズからの投射光を略平行光に変換する第1
    のスクリーン要素と、 前記投射レンズ側の面に垂直方向を長手方向として配列
    された複数の入射側レンチキュラレンズを有し、観察側
    の面の前記入射側レンチキュラレンズの各集光位置に前
    記入射側レンチキュラレンズと一対一に対応して設けら
    れた複数の出射側レンチキュラレンズを有し、前記略平
    行光を水平方向に拡散するとともに前記3原色に対応す
    る光線の指向性を揃える第2のスクリーン要素と、 前記水平方向に拡散された光を等方に拡散する第3のス
    クリーン要素とを含み、 前記第3のスクリーン要素は、透明基材フィルムと、透
    明材料からなるバインダ中に前記バインダ材料とは屈折
    率の異なる材料からなる1種類以上の光拡散微粒子を分
    散した光拡散層とを備えた光拡散シートを含み、前記光
    拡散層の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子のi番
    目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層の単位
    体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒子の総体積
    (光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式(1)および
    式(2)を満足することを特徴とする背面投射型スクリ
    ーン。 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2)
  2. 【請求項2】 前記第2のスクリーン要素は、前記複数
    の出射側レンチキュラレンズの間に、略台形状の断面形
    状を有するランド部を有し、前記ランド部上には光吸収
    層が形成され、 前記第3のスクリーン要素の厚みは0.3mm以下であ
    り、 前記第2のスクリーン要素と前記第3のスクリーン要素
    とは、前記第2のスクリーン要素の前記光吸収層上に設
    けられた透明材料を介して接合されていることを特徴と
    する請求項1に記載の背面投射型スクリーン。
  3. 【請求項3】 空間変調素子により形成された画像を投
    射レンズを用いて一方の面上に投射し、他方の面より前
    記画像を観察するための背面投射型スクリーンであっ
    て、 前記投射レンズからの投射光を略平行光に変換する第1
    のスクリーン要素と、 前記投射レンズ側の面に垂直方向を長手方向として配列
    された複数のレンチキュラレンズを有し、観察側の面は
    平坦でその光不透過部に光吸収層を有し、前記略平行光
    を水平方向に拡散する第2のスクリーン要素と、 前記水平方向に拡散された光を等方に拡散する第3のス
    クリーン要素とを含み、 前記第3のスクリーン要素は、透明基材フィルムと、透
    明材料からなるバインダ中に前記バインダ材料とは屈折
    率の異なる材料からなる1種類以上の光拡散微粒子を分
    散した光拡散層とを備えた光拡散シートを含み、前記光
    拡散層の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子のi番
    目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層の単位
    体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒子の総体積
    (光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式(1)および
    式(2)を満足し、 前記第2のスクリーン要素と前記第3のスクリーン要素
    とは、前記第2のスクリーン要素の前記光吸収層を設け
    た面を接合面として透明材料を介して接合されているこ
    とを特徴とする背面投射型スクリーン。 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2)
  4. 【請求項4】 空間変調素子により形成された画像を投
    射レンズを用いて一方の面上に投射し、他方の面より前
    記画像を観察するための背面投射型スクリーンであっ
    て、 前記投射レンズからの投射光を略平行光に変換する第1
    のスクリーン要素と、 前記略平行光を拡散する第2のスクリーン要素とを含
    み、 前記第2のスクリーン要素は厚み0.3mm以下の複数
    のフィルム状要素が厚み0.5mm以上になるように積
    層されたシートであることを特徴とする背面投射型スク
    リーン。
  5. 【請求項5】 前記複数のフィルム状要素が、 一方の面に面にレンチキュラレンズアレイを有し、他方
    の面は平坦でその光不透過部に光吸収層を有するレンチ
    キュラレンズフィルムと、 透明基材フィルム上に、透明材料からなるバインダ中に
    前記バインダ材料とは屈折率が異なる材料からなる光拡
    散微粒子を分散した光拡散層を形成してなる光拡散シー
    トとを含むことを特徴とする請求項4に記載の背面投射
    型スクリーン。
  6. 【請求項6】 前記複数のフィルム状要素が、更に、一
    方の表面に帯電防止処理、反射防止処理、アンチグレア
    処理、及び防汚処理のうちの何れかが施された表面処理
    フィルムを含むことを特徴とする請求項5に記載の背面
    投射型スクリーン。
  7. 【請求項7】 前記光拡散層は前記バインダ材料とは屈
    折率が異なる材料からなる1種類以上の光拡散微粒子を
    有し、 前記光拡散層の厚みt、前記1種類以上の光拡散微粒子
    のi番目の光拡散微粒子の平均粒径di、前記光拡散層
    の単位体積中に含まれる前記i番目の光拡散微粒子の総
    体積(光拡散微粒子の体積濃度)Aiが下記式(1)お
    よび式(2)を満足することを特徴とする請求項5又は
    6に記載の背面投射型スクリーン。 t×Σ(Ai/di)×1.5≧2.0 (1) t≧20μm (2)
  8. 【請求項8】 水平方向に配置され、3原色に対応した
    単色の画像をそれぞれ形成する3つのCRTと、 前記3つのCRTにそれぞれ対応し、前記CRTの画像
    を1つの焦点面に重畳するように投射する3つの投射レ
    ンズと、 前記焦点面に設置され、前記重畳された画像を前記投射
    レンズとは反対側の面から観察するための背面投射型ス
    クリーンとを備え、 前記背面投射型スクリーンが請求項1又は2に記載の背
    面投射型スクリーンであることを特徴とする背面投射型
    ディスプレイ。
  9. 【請求項9】 光源と、 前記光源からの光を空間変調して画像を形成する空間変
    調素子と、 前記画像を投射する投射レンズと、 前記投射レンズの焦点面に設置され、前記投射された画
    像を前記投射レンズとは反対側の面から観察するための
    背面投射型スクリーンとを備え、 前記背面投射型スクリーンが請求項3〜7のいずれかに
    記載の背面投射型スクリーンであることを特徴とする背
    面投射型ディスプレイ。
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